JPH08143777A - 有機系硬化剤の製造方法 - Google Patents

有機系硬化剤の製造方法

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JPH08143777A
JPH08143777A JP30844294A JP30844294A JPH08143777A JP H08143777 A JPH08143777 A JP H08143777A JP 30844294 A JP30844294 A JP 30844294A JP 30844294 A JP30844294 A JP 30844294A JP H08143777 A JPH08143777 A JP H08143777A
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JP
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reaction
curing agent
group
organic
olefin
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JP30844294A
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English (en)
Inventor
Yoshiki Nakagawa
佳樹 中川
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含
有する有機系化合物(A)と多価ハイドロジェンオルガ
ノシリコン化合物(B)とを、反応後もヒドロシリル基
が残存するようにして行うヒドロシリル化反応を無溶媒
条件において実施されることを特徴とする有機系硬化剤
の製造方法。 【効果】 本発明の製造方法は、ヒドロシリル基を分子
内に2つ以上持つ有機化合物変性シリコン化合物を製造
する際の釜効率を向上させる。さらに、過剰量のヒドロ
シリル基を持つ化合物を使用していた場合に、反応終了
後に単蒸留するだけで容易に原料だけが回収される。付
随する効果として、無溶媒化にともない基質濃度が上昇
するので、その分、触媒量を減少させることができる。
さらにその結果、生成物中に残存する触媒量も減少し、
着色や貯蔵安定性にも良い影響を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロシリル基を有す
る有機系硬化剤のの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィンに対してヒドロシリル基を付
加させるヒドロシリル化反応は有機ケイ素化合物を製造
する方法として広く知られ、様々な目的で利用されてい
る。そのうちの一つとして、ヒドロシリル化反応により
ポリマーの架橋を行い硬化してゴム状物質を生成する深
部硬化性に優れた硬化性液状組成物として各種のものが
開発されている。具体的には、末端もしくは分子鎖中
に、1分子中に平均2個またはそれ以上のビニル基を持
つポリオルガノシロキサンを、ケイ素原子に結合する水
素原子を1分子中に2個以上有するポリオルガノハイド
ロジェンシロキサンで架橋するものが開発され、その優
れた耐候性、耐水性、耐熱性を利用して、シーリング
剤、ポッティング剤として使用されている。更に、最
近、特開平3−95266号公報に記載されているよう
に、従来ヒドロシリル化による硬化反応に用いられてき
たポリオルガノハイドロジェンシロキサンの代わりに、
分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する重
合体でない有機系硬化剤が開発され、それはアルケニル
基を含有する有機重合体に対し一般に相溶性が良好であ
ることが開示された。そこで、ヒドロシリル化触媒を用
いて前記重合体でない有機系硬化剤とアルケニル基を含
有する有機重合体とを硬化させれば、均一で、且つ速硬
化、深部硬化性に優れ、硬化物が十分な引張特性等の機
械特性を有する硬化性組成物が得られることが見い出さ
れている。また、あらゆる種類の主鎖骨格を有するアル
ケニル基含有有機重合体を用いることができるので、非
常に幅広い用途に適用できる硬化物を作成することがで
きること、更に前記重合体でない有機系硬化剤は一般に
低粘度を有し、硬化物作成時に作業を行なう上で有利で
あることが見い出されている。この有機系硬化剤の製造
においてもヒドロシリル化反応は利用される。
【0003】ヒドロシリル化反応は一般にかなりの発熱
反応であり、この発熱により反応が加速され暴走し、突
沸などの事故を起こす場合がある。この反応の発熱を緩
和するために溶媒は有効である。また、反応を穏やかに
進行させるために、オレフィンあるいはヒドロシリル基
をもつ化合物のどちらかにまず触媒を添加し、その後、
もう一つの化合物を少しずつ添加していく手法がよくと
られる。この際、添加された化合物が均一に反応するた
めにも溶媒は有効である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、製造においては
釜効率の向上が要請される。特に、構造の揃った生成物
を得るために、オレフィンに対して大過剰の多価ハイド
ロジェンポリオルガノシロキサンを使用して反応を行
い、反応終了後に過剰量の多価ハイドロジェンポリオル
ガノシロキサンを除去してヒドロシリル基を含有する有
機系硬化剤を得る場合には、更に釜効率は低いので、そ
の向上が望まれる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる実情に鑑
み鋭意研究の結果、無溶媒条件でヒドロシリル化を行い
ヒドロシリル基を含有する有機系硬化剤の製造をするこ
とにより、釜効率の向上及びコストの低減を達成するこ
とを見出したものである。すなわち、本発明は、無溶媒
条件において実施されることを特徴とする、分子中に少
なくとも1個のアルケニル基を含有する有機系化合物
(A)と多価ハイドロジェンオルガノシリコン化合物
(B)とを、反応後もヒドロシリル基が残存するように
してヒドロシリル化を行う、ヒドロシリル基を含有する
有機系硬化剤の製造方法である。
【0006】本発明においては、触媒として用いられる
金属錯体としては、特に制限はなく、白金触媒、ロジウ
ム触媒(例えばRhCl(PPh33 、RhAl
23)、ルテニウム触媒(例えば、RuCl3)、イリ
ジウム触媒(例えば、IrCl3)、鉄触媒(例えば、
FeCl3)、アルミニウム触媒(例えば、AlC
3)、パラジウム触媒(例えば、PdCl2・2H
2O)、ニッケル触媒(例えば、NiCl2)、チタン触
媒(例えば、TiCl4)などが挙げられるが、好まし
くは白金触媒である。
【0007】本発明に有用な白金触媒は、担体上の白金
金属、白金化合物及び白金錯体から選ぶ。白金化合物及
び白金錯体は、塩化白金酸、塩化白金酸六水和物、塩化
白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトンなどの錯体、
白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH2
2Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt
n(ViMe2SiOSiMe2Vi)m、Pt[(MeV
iSiO)4m)(式中、Meはメチル基、Viはビニ
ル基、を表し、m、nは整数を表す。)、ジカルボニル
ジクロロ白金などを挙げることができる。また、アシュ
ビー(Ashby)の米国特許第3,159,601号明細
書及び同第3,159,662号明細書中に記載された
白金−炭化水素複合体、並びに、ラモロー(Lamoreaux)
の米国特許第3,220,972号明細書中に記載され
た白金アルコラート触媒も挙げることができる。さら
に、モディク(Modic)の米国特許第3,516,94
6号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体
も本発明において有用である。白金金属は、木炭、アル
ミナ、ジルコニア等のような担体上に付着される。水素
化ケイ素と不飽和化合物の不飽和部分間の反応をさせる
白金含有材料も本発明に有用である。触媒量としては特
に制限はないが、炭素−炭素二重結合1molに対して、
1×10-1〜1×10-8molの範囲で用いるのがよい。さら
には1×10-3〜1×10-7molが好ましい。本発明の無溶
媒条件においては溶媒使用条件と比較して反応基質濃度
が高まるので、触媒量はそれを考慮して、減量すること
が好ましい。
【0008】本発明においては、前述のようなヒドロシ
リル化反応の暴走や副反応を防止するために、発明者ら
が別に発明したヒドロシリル化反応の制御方法を利用す
ることは好ましい。すなわち、チアゾール類、ホスフィ
ン類から選ばれる化合物を添加して反応を制御する。こ
のチアゾール類として特に制限はないが、好ましくはベ
ンゾチアゾールである。また、このホスフィン類として
特に制限はないが、好ましくはトリフェニルホスフィン
である。これらの反応を制御するために添加される前記
化合物の添加量には特に制限はない。この量は、オレフ
ィン、ヒドロシリル基をもつ化合物および触媒の種類、
量、濃度などにより変化し、反応を制御したい程度によ
る。添加剤の添加量が多すぎた場合は反応が極端に遅く
なってしまうし、逆に少なすぎた場合には十分な効果が
得られない。一般的な場合には触媒に対して1〜100
0倍モル、特に5〜50倍モル程度が好ましい。
【0009】本発明においては、基本的に溶媒を使用し
ないが、触媒および添加剤の添加時にその拡散性および
添加の利便性のために極少量の溶媒を使用しても構わな
い。その溶媒種としては特に制限はないが、例を挙げる
とキシレン、トルエン、ベンゼンなどである。その量は
全反応液量の1%以下が好ましい。本発明において用い
られるオレフィンとしては特に制限はないが、好ましく
は末端オレフィンである。例えば、プロピレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1
−オクテン、1−デセンなどの線状アルケニル化合物;
1,5−へキサジエン、1,9−デカジェン、4ビニル
シクロヘキセンなどのジエン化合物;スチレン、α−メ
チルスチレンなどのスチレン化合物;塩化ビニル、臭化
アリル、ヨウ化アリル、臭化アリレン、トリ−及びテト
ラクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロプ
レン、塩化ビニリデン及びジクロロスチレンなどのハロ
ゲン化オレフィン性不飽和官能性アルケニル化合物;ア
リルエーテル、ビニルエーテル、アリルアルコール、メ
チルビニルカルビノール、アクリル酸、メタクリル酸、
ビニル酢酸、オレイン酸、リノレニン酸、チアウルムグ
ラ酸、酢酸ビニル、酢酸アリル、酢酸ブテニル、ステア
リン酸アリル、メタクリレート、エチルクロトナート、
コハク酸ジアリル、フタル酸ジアリルなどの酸素含有オ
レフィン性不飽和官能性アルケニル化合物;インジゴ、
インドール、アクリロニトリル、シアン化アリルなどの
窒素含有オレフィン性不飽和官能性アルケニル化合物;
ビニルトリメチルシラン、アリルトリメチルシランなど
の不飽和ケイ素化合物;ポリイソプレン、ポリブタジエ
ンなどの共役ジエンポリマー;オレフィン末端ポリプロ
ピレングリコール、オレフィン末端水添ポリイソプレ
ン、オレフィン末端ポリイソブチレン、オレフィン末端
ポリエステル、オレフィン末端ポリカーボネートなどの
オレフィン末端ポリマー;アルケニル基含有オルガノポ
リシロキサンなどが挙げられる。
【0010】なかでも、分子中に少なくとも1個のアル
ケニル基を有する一般式(1)乃至一般式(4)からな
る群より選ばれる有機化合物が好ましい。 一般式(1) [CH2=C(R1) −R2−O]a 3 一般式(2) [CH2=C(R1) −R2−C(=O)]a 4 一般式(3) [CH2=C(R1)]a 5 一般式(4) [CH2=C(R1) −R2−C(=O)−O]a 6 (但し、一般式中、R1は水素またはメチル基であり、
2は炭素数0〜18の炭化水素基で1個以上のエ一テ
ル結合を含有していてもよく、R3、R4、R6は炭素数
1〜30の1〜4価の有機基であり、R5は炭素数1〜
50の1〜4価の炭化水素基であり、aは1〜4から選
ばれる整数である。) 本発明に用いられるヒドロシリル基を持つ化合物は一分
子中に少なくとも2つ以上のケイ素原子結合水素原子を
持つ多価ハイドロジェンオルガノシリコン化合物であ
る。この多価ハイドロジェンオルガノシリコン化合物と
しては特に制限はないが、下記一般式(5)および一般
式(6)で表される化合物などが挙げられる。
【0011】
【化1】
【0012】(但し、式中R7〜R13はそれぞれ同一も
しくは異種の置換もしくは非置換のアルキル基、シクロ
アルキル基又はアリール基であり、Xは水素原子、置換
もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基又はア
リール基であり、mはXが水素原子のときm≧0の整
数、Xが水素原子でないときm≧2の整数であり、nは
n≧0の整数である。)
【0013】
【化2】
【0014】(但し、式中R14〜R16はそれぞれ同一も
しくは異種の置換もしくは非置換のアルキル基、シクロ
アルキル基又はアリール基であり、p≧2、q≧0、p
十q≧3である。)
【0015】さらに具体的には1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−へキサ
メチルトリシロキサン、末端トリメチルシリル基封止メ
チル水素シロキサン重合体(Hオイル)、ジメチルシロ
キサン/メチル水素シロキサン共重合体、1,3,5−
トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テ
トラメチルシクロテトラシロキサンなどが挙げられる。
なかでも、1分子中に3個以上のヒドロシリル基を有す
る分子量500以下の多価ハイドロジェンポリオルガノ
シロキサンが好ましい。
【0016】これらのオレフィンとヒドロシリル基を持
つ化合物の組み合わせには特に制限はないが、一般には
大きく分けて2つの組み合わせが挙げられる。オレフィ
ンが一分子中に1つだけのオレフィンを持っている場合
と複数のオレフィンを持っている場合である。オレフィ
ンが1つだけの場合は、オレフィン分子により架橋され
ることがないので、オレフィンとヒドロシリル基を持つ
化合物の組み合わせは自由度が大きく、その比も生成物
中に2つ以上のヒドロシリル基を持つ条件であれば任意
の比で可能である。この場合の具体例としてはトリメチ
ルシリル基末端ポリメチルヒドロシロキサン(Hオイ
ル)のα−オレフィンによる変性が挙げられる。複数の
オレフィンを持っている場合は、オレフィンによる架橋
が起こり反応系全体がゲル化してしまう可能性があるの
で、それを考慮する必要がある。この場合、ヒドロシリ
ル基を持つ化合物をオレフィンに対して過剰に使用する
ことが好ましい。更に、反応終了後に過剰量が除けるこ
とが好ましい。蒸留により除去する場合には、分子量が
500以下のものが好ましい。この場合、釜効率が特に
低いので、本発明の無溶媒化が有効である。
【0017】生成物中に触媒が残存する場合、生成物の
貯蔵中にも、ゆっくりではあるが反応中に問題となるよ
うな各種の副反応が進行し、貯蔵安定性を悪化させる場
合がある。本発明の添加剤添加系においては、添加剤も
生成物中に残存する場合には、そのような副反応を抑制
し貯蔵安定性を向上させる効果をもつが、さらに、反応
終了後において、速やかに触媒活性を低下させ、後処理
中および貯蔵中の生成物のさらなる安定化を図るため
に、ホスフィン類、チアゾール類から選ばれる化合物を
さらに添加することが好ましい。この添加量は、多すぎ
ると、添加剤が生成物中に残存する場合にこの生成物を
硬化剤として使用する際に、硬化反応に悪影響を与える
可能性がある。逆に少なすぎた場合には十分な効果が得
られない。一般的な場合には触媒に対して1〜1000
倍モル、特に5〜50倍モル程度が好ましい。ヒドロシ
リル化反応は、一般に0〜150℃の温度範囲で行われ
るが、活性なヒドロシリル基が過剰に存在し、期待され
ない副反応が起こりやすい状態にあるので、60〜90
℃が好ましい。本発明のヒドロシリル化反応は、窒素下
で実施することが好ましいが、一般に大スケールのヒド
ロシリル化反応を実施する際によく知られているよう
に、反応の終点付近で触媒活性の低下が起こった場合に
は慎重な曝気により活性を向上させても構わない。本発
明のヒドロシリル化反応を実施するための装置として
は、特に制限はないが、オレフィン、ヒドロシリル基を
持つ化合物及び溶媒の沸点以上での反応を行う場合には
オートクレーブなどの耐圧容器が好ましい。さらに、均
一に反応を進行させるために、十分な撹拌能力を持った
装置が好ましい。
【0018】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0019】実施例1:撹拌可能な50リットル容積の
ステンレス製反応容器中に1,3,5,7−テトラメチ
ルシクロテトラシロキサン44.25kg(184.0mo
l)を入れ、窒素下80℃に加熱した。よく攪拌しなが
らベンゾチアゾール248mg(1.84mmol)を
トルエン2.0gに溶かして添加した。10分後にビス
(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサン)白金錯体触媒キシレン溶液(1.11g;
1.08×10-1mmol)を入れた。更に10分後に十分な
撹拌を加えながら1,9−デカジエン2.874kg(2
0.8mol)と1,3,5,7−テトラメチルシクロテ
トラシロキサン5.75kg(23.9mol)の混合物を
1時間かけて添加した。全量添加後、ガスクロマトグラ
フィーで1,9−デカジエンの残存量を定量し、消失す
るまで80℃で撹拌を続けた。反応終了後にベンゾチア
ゾール248mg(1.84mmol)をトルエン2.
0gに溶かして添加した。反応混合物を濃縮し、残留物
として10.8kgの無色透明なSi−H基含有硬化剤を
得た。この生成物はGPC分析により、下記式(1)の
構造を有する化合物が主生成物であることが解った。ま
た、この生成物をアルカリ水により加水分解した時に発
生する水素ガス量よりこの生成物のSi−H基含量は
0.976mol/100gであることがわかった。この
反応の体積当たりの生成量は約198g/lである。比
較例1と比べて約2倍の釜効率であることがわかる。こ
の反応中、発熱はほとんど観察されなかった。1,9−
デカジエンの残存量をもとに、この反応の速度解析をし
た結果を図1に示す。1,9−デカジエンに対してほぼ
一次で速度が安定しており、比較例1とほぼ等しい反応
速度であることがわかる。この生成物は40℃で2ヵ月
間貯蔵後も性質に大きな変化は見られなかった。
【0020】
【化3】
【0021】比較例1:撹拌可能な50リットル容積の
ステンレス製反応容器中に1,3,5,7−テトラメチ
ルシクロテトラシロキサン10.0kg(41.6mo
l)、トルエン12.0kgを入れ、窒素下80℃に加
熱した。よく攪拌しながらベンゾチアゾール189mg
(1.40mmol)を1wt%トルエン溶液として添
加した。10分後にビス(1,3−ジビニル−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒
(8.2×10-2mmol)を入れた。更に10分後に十分な
撹拌を加えながら1,9−デカジエン0.575kg
(4.16mol)とトルエン1.15kgの混合物を1
時間かけて添加した。全量添加後、ガスクロマトグラフ
ィーで1,9−デカジエンの残存量を定量し、消失する
まで80℃で撹拌を続けた。反応終了後にベンゾチアゾ
ール189mg(1.40mmol)を1wt%トルエ
ン溶液として添加した。反応混合物を濃縮し、残留物と
して2.15kgのSi−H基含有硬化剤を得た。ほぼ無
色透明であったが実施例1で得たものと比べると少し淡
黄色に着色していた。この生成物はGPC分析により、
上記式(1)の構造を有する化合物が主生成物であるこ
とが解った。また、既述の分析によりこの生成物のSi
−H基含量は0.951mol/100gであることが
解った。この反応の体積当たりの生成量は約83g/l
である。この反応中、発熱はほとんど観察されなかっ
た。1,9−デカジエンの残存量をもとに、この反応の
速度解析をした結果を図2に示す。
【0022】実施例2:撹拌可能な5リットル容積のス
テンレス製反応容器中にHオイル(トリメチルシリル基
封止ポリメチルヒドロシロキサン;Si−H15.8m
mol/g)63.3g(Si−H1.00mol)を
入れ、窒素下80℃に加熱した。よく攪拌しながらベン
ゾチアゾール0.75mg(5.5×10-6mmol)を1
wt%トルエン溶液として添加した。 10分後にビス
(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサン)白金錯体触媒(1.3×10-6mmol)を入
れた。更に10分後に十分な撹拌を加えながらスチレン
26.0g(0.25mol)を30分間かけて添加し
た。全量添加後、2時間加熱攪拌を継続した。反応終了
後にベンゾチアゾール0.75mg(5.5×10-6mm
ol)を1wt%トルエン溶液として添加した。反応混合
物を濃縮し、残留物として83gのSi−H基含有硬化
剤を得た。また、既述の分析によりこの生成物のSi−
H基含量は0.78mol/100gであることが解っ
た。この生成物は室温で1ヵ月貯蔵後も性質に大きな変
化は見られなかった。この反応の体積当たりの生成量は
約880g/lである。
【0023】比較例2:撹拌可能な5リットル容積のス
テンレス製反応容器中にHオイル(トリメチルシリル基
封止ポリメチルヒドロシロキサン;Si−H15.8m
mol/g)63.3g(Si−H1.00mol)、
トルエン60.0mlを入れ、窒素下80℃に加熱し
た。よく攪拌しながらベンゾチアゾール2.99mg
(2.21×10-5mmol)を1wt%トルエン溶液とし
て添加した。10分後にビス(1,3−ジビニル−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒
(0.52×10-5mmol)を入れた。更に10分後に十
分な撹拌を加えながらスチレン26.0g(0.25m
ol)とトルエン20.0mlの混合物を30分間かけ
て添加した。全量添加後、2時間加熱攪拌を継続した。
反応混合物を濃縮し、残留物として83gのSi−H基
含有硬化剤を得た。また、既述の分析によりこの生成物
のSi−H基含量は0.78mol/100gであるこ
とが解った。この生成物は室温で1ヵ月貯蔵後も性質に
大きな変化は見られなかった。この反応の体積当たりの
生成量は約480g/lである。
【0024】製造例1:特開昭53−134095号公
報に開示された方法に従って、末端にアリル型オレフィ
ン基を有するポリオキシプロピレンを合成した。平均分
子量3000であるポリオキシプロピレングリコールと
粉末苛性ソーダを110℃で攪拌し、アリルクロライド
を加えて、110℃で末端をアリルエーテル化した。こ
れをケイ酸アルミニウムにより処理して、精製末端アリ
ルエーテル化ポリオキシプロピレンを合成した。ヨウ素
価からオレフィン含量は0.064mol/100gで
あった。
【0025】実施例3:撹拌可能な5リットル容積のス
テンレス製反応容器中に1,3,5,7−テトラメチル
シクロテトラシロキサン443g(1.84mol)を
入れ、窒素下80℃に加熱した。よく攪拌しながらベン
ゾチアゾール4.96mg(0.036mmol)を1
wt%トルエン溶液として添加した。10分後にビス
(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサン)白金錯体触媒キシレン溶液(0.022
g;2.16×10-3mmol)を入れた。更に10分後に十
分な撹拌を加えながら製造例1の末端アリルエーテル化
ポリオキシプロピレン656g(オレフィン0.42m
ol)と1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシ
ロキサン57.5g(0.24mol)の混合物を1時間
かけて添加した。全量添加後、IRでオレフィン量をモ
ニターし、消失するまで80℃で攪拌を続けた。反応終
了後にベンゾチアゾール4.96mg(0.036mm
ol)を1wt%トルエン溶液として添加した。反応混
合物を濃縮し、残留物として740gの無色透明なSi
−H基含有硬化剤を得た。また、既述の分析によりこの
生成物のSi−H基含量は0.14mol/100gで
あることが解った。
【0026】実施例4:実施例1と同様に実施したとこ
ろ、反応終了点付近で反応速度の低下が観察された。反
応容器中に5分間、空気を送り込むと反応速度が回復
し、反応は完結した。1,9−デカジエンの残存量をも
とに、この反応の速度解析をした結果を図3に示す。
【0027】
【本発明の効果】本発明の製造方法は、ヒドロシリル基
を分子内に2つ以上持つ有機化合物変性シリコン化合物
を製造する際の釜効率を向上させる。さらに、過剰量の
ヒドロシリル基を持つ化合物を使用していた場合に、反
応終了後に単蒸留するだけで容易に原料だけが回収され
る。付随する効果として、無溶媒化にともない基質濃度
が上昇するので、その分、触媒量を減少させることがで
きる。さらにその結果、生成物中に残存する触媒量も減
少し、着色や貯蔵安定性にも良い影響を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機系硬化剤の生成反応速度の1例を
示す図である。
【図2】本発明の有機系硬化剤の生成反応速度の他の1
例を示す図である。
【図3】本発明の有機系硬化剤の生成反応速度のさらに
別の1例を示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に少なくとも1個のアルケニル基
    を含有する有機系化合物(A)と多価ハイドロジェンオ
    ルガノシリコン化合物(B)とを、反応後もヒドロシリ
    ル基が残存するようにして行うヒドロシリル化反応を無
    溶媒条件において実施することを特徴とする有機系硬化
    剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 チアゾール類、ホスフィン類から選ばれ
    る化合物を添加し、前記ヒドロシリル化反応を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機系硬化剤の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記成分(B)が、1分子中に3個以上
    のヒドロシリル基を有する分子量500以下の多価ハイ
    ドロジェンポリオルガノシロキサンであることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の有機系硬化剤の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記成分(A)が、分子中に少なくとも
    1個のアルケニル基を有する下記一般式(1)乃至一般
    式(4)からなる群より選ばれる有機化合物であること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記
    載の有機系硬化剤の製造方法。 一般式(1) [CH2=C(R1) −R2−O]a 3 一般式(2) [CH2=C(R1) −R2−C(=O)]a 4 一般式(3) [CH2=C(R1)]a 5 一般式(4) [CH2=C(R1) −R2−C(=O)−O]a 6 (但し、一般式中、R1は水素またはメチル基であり、
    2は炭素数0〜18の炭化水素基で1個以上のエ一テ
    ル結合を含有していてもよく、R3、R4、R6は炭素数
    1〜30の1〜4価の有機基であり、R5は炭素数1〜
    50の1〜4価の炭化水素基であり、aは1〜4から選
    ばれる整数である。)
  5. 【請求項5】 前記成分(B)が、1,3,5,7−テ
    トラメチルシクロテトラシロキサンであることを特徴と
    する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の有機
    系硬化剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記成分(A)成分が1,9−デカジエ
    ンであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいず
    れか1項に記載の有機系硬化剤の製造方法。
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