JPH08143778A - ヒドロシリル化法及びそれを利用した硬化剤の製造方法 - Google Patents

ヒドロシリル化法及びそれを利用した硬化剤の製造方法

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JPH08143778A
JPH08143778A JP6308446A JP30844694A JPH08143778A JP H08143778 A JPH08143778 A JP H08143778A JP 6308446 A JP6308446 A JP 6308446A JP 30844694 A JP30844694 A JP 30844694A JP H08143778 A JPH08143778 A JP H08143778A
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hydrosilylation
reaction
curing agent
hydrosilyl
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JP6308446A
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English (en)
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Yoshiki Nakagawa
佳樹 中川
Masato Kusakabe
正人 日下部
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/42Introducing metal atoms or metal-containing groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G65/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule
    • C08G65/02Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from cyclic ethers by opening of the heterocyclic ring
    • C08G65/32Polymers modified by chemical after-treatment
    • C08G65/329Polymers modified by chemical after-treatment with organic compounds
    • C08G65/336Polymers modified by chemical after-treatment with organic compounds containing silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/42Block-or graft-polymers containing polysiloxane sequences
    • C08G77/46Block-or graft-polymers containing polysiloxane sequences containing polyether sequences

Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属触媒を用いてオレフィンに対してヒドロ
シリル基を付加させる際にチアゾール類、ホスフィン類
から選ばれる化合物を共存させることにより反応を制御
する方法、及びそれを利用したヒドロシリル基を有する
有機系硬化剤の製造方法。 【効果】 本発明はヒドロシリル化反応を容易に制御す
る方法を与え、それを利用してヒドロシリル基を分子内
に2つ以上持つ有機化合物変性シリコン化合物を製造す
る方法を与える。この化合物は付加型硬化性組成物の硬
化剤として使用される。更に付随する効果として、生成
した硬化剤中に触媒及び本発明の添加剤が残存する場
合、触媒だけが残存する場合に比べ貯蔵安定性が向上す
ることが挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロシリル化法及び
ヒドロシリル基を有する有機系硬化剤の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】オレフィンに対してヒドロシリル基を付
加させるヒドロシリル化反応は、有機ケイ素化合物を製
造する方法として広く知られ、様々な目的で利用されて
いる。そのうちの一つとして、ヒドロシリル化反応によ
りポリマーを架橋・硬化してゴム状物質を生成するた
め、深部硬化性に優れた硬化性液状組成物として、各種
のヒドロシリル基を有する有機系硬化剤が開発されてい
る。具体的には、末端もしくは分子鎖中に、1分子中に
平均2個またはそれ以上のビニル基を持つポリオルガノ
シロキサンを、珪素原子に結合する水素原子を1分子中
に2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ンで架橋するものが開発され、その優れた耐候性、耐水
性、耐熱性を利用して、シーリング剤、ポッティング剤
として使用されている。
【0003】更に、最近、特開平3−95266号公報
に記載されているように、従来ヒドロシリル化による硬
化反応に用いられてきたポリオルガノハイドロジェンシ
ロキサンの代わりに、分子中に少なくとも2個のヒドロ
シリル基を含有する(重合体でない)有機系硬化剤が開
発されている。この有機系硬化剤は、アルケニル基を含
有する有機重合体に対し一般に相溶性が良好であること
が開示された。そこで、ヒドロシリル化触媒を用いて、
前記分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有す
る有機系硬化剤により前記アルケニル基を含有する有機
重合体を硬化させれば、 前記硬化性組成物は均一系で、速硬化性で、深部硬化
性に優れており、この硬化性組成物により、十分な引張
特性等の優れた機械特性を有する硬化物を得ることがで
きる。 あらゆる種類の主鎖骨格を有するアルケニル基含有有
機重合体を用いることができるので、非常に幅広い用途
に適用できる硬化物を作成することができる。 前記重合体でない有機系硬化剤は、一般に低粘度を有
し、硬化物作成時に作業を行なう上で有利である。 以上のような優れた特性を発揮することが見い出されて
いる。この有機系硬化剤の製造においてもヒドロシリル
化反応は利用される。
【0004】通常、オレフィンに対してヒドロシリル基
を付加させるヒドロシリル化反応を行う場合、触媒とし
てコバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金な
どの種々の遷移金属錯体が使用されている。この際、反
応系中から出きる限り触媒毒となるものを排除すること
が必要とされてきている。例えば、Nielsenの米
国特許第3,383,356号には、各種の妨害剤や抑
制剤が開示され、Ashbyの特開昭60−54734
号公報には、妨害不純物を含まないことにより従来より
も高活性を示す、ヒドロシリル化触媒が開示されてい
る。
【0005】一方、ヒドロシリル化架橋系硬化性組成物
の貯蔵安定性付与剤として、各種の化合物が知られてい
る。例えば、エチレン性又は芳香族不飽和アミド(米国
特許第4337332号);アセチレン系化合物(米国
特許第3445420号);エチレン性不飽和イソシア
ネート(米国特許第3882083号);オレフィン系
シロキサン(米国特許第3989667号);共役エン
ーイン類(米国特許第4465818号及び第4472
563号);不飽和炭化水素ジエステル抑制剤(米国特
許第4256870号);及びビス−ヒドロカルボノキ
シアルキルマレエート抑制剤(米国特許第425620
96号)などが挙げられる。しかし、それら貯蔵安定性
付与剤は、室温付近での触媒活性を抑制し、加熱時の触
媒活性は低下させないことを目的としたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ヒドロシリル化触媒
は、ヒドロシリル化の際にケイ素−水素結合を活性化す
るために副反応も引き起こす。すなわち、ヒドロシリル
基の加水分解反応やポリシロキサンの不均化や重合など
の副反応が発生する。生成物の分子中にヒドロシリル基
を残存させる場合には、前記副反応によって残存ヒドロ
シリル基数が減少することは大きな問題となる。更に、
反応終了後、生成物を貯蔵しておく場合にも、ゆっくり
ではあるが同様の副反応が進行し、貯蔵安定性を悪化さ
せる場合がある。
【0007】また、ヒドロシリル化反応は発熱反応であ
り、急激な反応が起こった場合には、反応系の急激な昇
温そして突沸などの危険が発生しうる。この危険を回避
するためには一般に、触媒量を必要最小限にすることが
考えられるが、この場合には予期せぬ触媒の失活などの
問題が発生し易くなる。本発明の目的は、金属触媒を用
いてオレフィンに対してヒドロシリル基を付加させるヒ
ドロシリル化反応を行う場合、ヒドロシリル化反応を制
御し、これらの副反応を抑制し、制御され、副反応が抑
制されたヒドロシリル化反応を利用して安定化されたヒ
ドロシリル化架橋系硬化性組成物のための硬化剤を製造
する手段を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる実情に鑑
み鋭意研究の結果、ヒドロシリル化を行なう際にあえて
触媒毒となるものを添加することにより、触媒活性を適
度に抑制し反応を制御することを可能にすることを見出
し、本発明に到達した。前記課題は、本発明のヒドロシ
リル化法及びそれを利用した硬化剤の製造方法によって
達成される。すなわち、 (1)金属触媒を用いてオレフィンに対してヒドロシリ
ル基を付加させるヒドロシリル化反応において、チアゾ
ール類、ホスフィン類から選ばれる化合物を共存させる
ことにより反応を制御することを特徴とするヒドロシリ
ル化法。 (2)前記チアゾール類、ホスフィン類から選ばれる化
合物がベンゾチアゾールであることを特徴とする前記
(1)に記載のヒドロシリル化法。 (3)前記チアゾール類、ホスフィン類から選ばれる化
合物がトリフェニルホスフィンであることを特徴とする
前記(1)に記載のヒドロシリル化法。 (4)金属触媒が白金触媒であることを特徴とする前記
(1)〜(3)のいずれか1項に記載のヒドロシリル化
法。 (5)オレフィンに対して過剰のヒドロシリル基が存在
する状態において、前記(1)〜(4)のいずれか1項
に記載した方法によりヒドロシリル化を行うことを特徴
とするヒドロシリル化法。
【0009】(6)分子中に少なくとも1個のアルケニ
ル基を含有する有機系化合物(A)と多価ハイドロジェ
ンオルガノシリコン化合物(B)とを前記(1)に記載
の方法を用いて、反応後もヒドロシリル基が残存するよ
うにして前記(5)に記載の方法によりヒドロシリル化
を行うことを特徴とするヒドロシリル基を含有する有機
系硬化剤の製造方法。 (7)前記チアゾール類、ホスフィン類から選ばれる化
合物がベンゾチアゾールであることを特徴とする前記
(6)に記載のヒドロシリル基を含有する有機系硬化剤
の製造方法。 (8)前記チアゾール類、ホスフィン類から選ばれる化
合物がトリフェニルホスフィンであることを特徴とする
前記(6)に記載のヒドロシリル基を含有する有機系硬
化剤の製造方法。 (9)前記有機系化合物(A)が、下記式(1)〜式
(4)からなる群より選ばれる、分子中に少なくとも1
個のアルケニル基を有する有機化合物であることを特徴
とする前記(6)に記載のヒドロシリル基を含有する有
機系硬化剤の製造方法。 [CH2 =C(R1 )−R2 −O]aR3 (1) [CH2 =C(R1 )−R2 −C(=O)]aR4 (2) [CH2 =C(R1 )]aR5 (3) [CH2 =C(R1 )−R2 −C(=O)−O]aR6 (4) (但し、式中、R1 は水素またはメチル基、R2 は炭素
数0〜18の炭化水素基で1個以上のエーテル結合を含
有していてもよく、R3 、R4 、R6 は炭素数1〜30
の1〜4価の有機基、R5 は炭素数1〜50の1〜4価
の炭化水素基、aは1〜4から選ばれる整数である。) (10)前記多価ハイドロジェンオルガノシリコン化合
物(B)がトリメチルシリル基末端ポリメチルヒドロシ
ロキサンであることを特徴とする前記(6)または
(9)に記載のヒドロシリル基を含有する有機系硬化剤
の製造方法。 (11)前記多価ハイドロジェンオルガノシリコン化合
物(B)が1分子中に3個以上のヒドロシリル基を有す
る分子量500以下の多価ハイドロジェンポリオルガノ
シロキサンであるであることを特徴とする前記(6)ま
たは(9)に記載のヒドロシリル基を含有する有機系硬
化剤の製造方法。 (12)前記有機系化合物(A)が、1,9−デカジエ
ンで前記多価ハイドロジェンオルガノシリコン化合物
(B)が1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシ
ロキサンであることを特徴とする前記(6)、(9)及
び(11)のいずれか1項に記載のヒドロシリル基を含
有する有機系硬化剤の製造方法。 (13)金属触媒を用いて、オレフィンに対してヒドロ
シリル基を付加させる反応終了後に、チアゾール類、ホ
スフィン類から選ばれる化合物を添加することを特徴と
する前記(6)〜(12)のいずれか1項に記載のヒド
ロシリル基を含有する有機系硬化剤の製造方法。
【0010】すなわち、本発明の第一は、前記(1)な
いし(5)の各項に記載されている、金属触媒を用いて
オレフィンに対してヒドロシリル基を付加させる際に、
チアゾール類、ホスフィン類から選ばれる化合物を共存
させることにより反応を制御する方法である。本発明の
第二は、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含有
する有機系化合物(A)と多価ハイドロジェンオルガノ
シリコン化合物(B)とを、第一の発明のヒドロシリル
化法を用いて、反応後もヒドロシリル基が残存するよう
にして、ヒドロシリル化を行うことを特徴とする前記
(6)ないし(13)の各項に記載されているヒドロシ
リル基を含有する有機系硬化剤の製造方法である。ここ
で、反応を制御するとは、金属触媒を用いるヒドロシリ
ル化反応において例えば、急激な反応が起こることを抑
制し、ヒドロシリル基の加水分解反応やポリシロキサン
の不均化や重合などの副反応、および生成物の分子中に
ヒドロシリル基を残存させる場合には、前記副反応によ
って残存ヒドロシリル基数が減少することを抑制するこ
と等を意味する。
【0011】本発明の第一においては、チアゾール類と
して特に制限はないが、好ましくはベンゾチアゾールで
ある。ホスフィン類として特に制限はないが、好ましく
はトリフェニルホスフィンである。これらの反応を制御
するために添加される化合物の添加量には特に制限はな
い。前記添加化合物(添加剤ともいう)の量は、オレフ
ィン、ヒドロシリル基を持つ化合物及び触媒の種類、
量、濃度などにより変化し、反応を抑制したい程度に依
存する。添加剤の添加量が多すぎた場合には反応が極端
に遅くなってしまうし、逆に少なすぎた場合には十分な
効果が得られない。一般的な場合には触媒に対して1〜
1000倍モル、特に5〜50倍モル程度が好ましい。
【0012】触媒として用いられる金属錯体として特に
制限はなく、白金触媒、ロジウム触媒(例えば、RhC
l(PPh3 3 、RhAl2 3 )、ルテニウム触媒
(例えば、RuCl3 )、イリジウム触媒(例えば、I
rCl3 )、鉄触媒(例えば、FeCl3 )、アルミニ
ウム触媒(例えば、AlCl3 )、パラジウム触媒(例
えば、PdCl2 ・2H2 O)、ニッケル触媒(例え
ば、NiCl2 )、チタン触媒(例えば、TiCl4
などが挙げられるが、好ましくは白金触媒である。本発
明に有用な白金触媒は担体上の白金金属、白金化合物及
び白金錯体から選ぶ。白金化合物及び白金錯体は塩化白
金酸、塩化白金酸六水和物、塩化白金酸とアルコール、
アルデヒド、ケトンなどの錯体、白金−オレフィン錯体
(例えば、Pt(CH2 =CH2 2 Cl2 )、白金−
ビニルシロキサン錯体(例えば、Ptn (ViMe2
iOSiMe2 Vi)m 、Pt[(MeViSi
O)4 m)、(式中、Meはメチル基、Viはビニル
基を表し、m、nは整数を表す。)、ジカルボニルジク
ロロ白金などを挙げることができる。また、アシュビー
(Ashby)の米国特許第3,159,601号明細
書及び同第3,159,662号明細書中に記載された
白金−炭化水素複合体、並びに、ラモロー(Lamor
eaux)の米国特許第3,220,972号明細書中
に記載された白金アルコラート触媒も挙げることができ
る。さらに、モディク(Modic)の米国特許第3,
516,946号明細書中に記載された塩化白金−オレ
フィン複合体も本発明において有用である。白金金属
は、木炭、アルミナ、ジルコニア等のような担体上に付
着される。水素化ケイ素と不飽和化合物の不飽和部分間
の反応をさせる白金含有材料も本発明に有用である。触
媒量としては特に制限はないが、炭素−炭素二重結合1
molに対して、1×10-1〜1×10-8molの範囲
で用いるのがよい。さらには1×10-3〜1×10-7
olが好ましい。
【0013】ヒドロシリル化反応に用いられるオレフィ
ンとしては特に制限はないが、好ましくは末端オレフィ
ンである。例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1
−デセンなどの線状アルケニル化合物;1,5−ヘキサ
ジエン、1,9−デカジエン、4−ビニルシクロヘキセ
ンなどのジエン化合物;スチレン、α−メチルスチレン
などのスチレン化合物;塩化ビニル、臭化アリル、ヨウ
化アリル、臭化アリレン、トリ−及びテトラクロロエチ
レン、テトラフルオロエチレン、クロロプレン、塩化ビ
ニリデン及びジクロロスチレンなどのハロゲン化オレフ
ィン性不飽和官能性アルケニル化合物;アリルエーテ
ル、ビニルエーテル、アリルアルコール、メチルビニル
カルビノール、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢
酸、オレイン酸、リノレニン酸、チアウルムグラ酸、酢
酸ビニル、酢酸アリル、酢酸ブテニル、ステアリン酸ア
リル、メタクリレート、エチルクロトナート、コハク酸
ジアリル、フタル酸ジアリルなどの酸素含有オレフィン
性不飽和官能性アルケニル化合物;インジゴ、インドー
ル、アクリロニトリル、シアン化アリルなどの窒素含有
オレフィン性不飽和官能性アルケニル化合物;ビニルト
リメチルシラン、アリルトリメチルシランなどの不飽和
ケイ素化合物;ポリイソプレン、ポリブタジエンなどの
共役ジエンポリマー;オレフィン末端ポリプロピレング
リコール、オレフィン末端水添ポリイソプレン、オレフ
ィン末端ポリイソブチレン、オレフィン末端ポリエステ
ル、オレフィン末端ポリカーボネートなどのオレフィン
末端ポリマー;アルケニル基含有オルガノポリシロキサ
ンなどが挙げられる。ヒドロシリル化反応に用いられる
ヒドロシリル基を持つ化合物としては特に制限はない
が、式(5)〜(7)などの一般式で表される化合物が
挙げられ、
【0014】
【化1】
【0015】(但し、式中R7 〜R13はそれぞれ同一も
しくは異種の置換もしくは非置換のアルキル基、シクロ
アルキル基又はアリール基であり、Xは水素原子、置換
もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基又はア
リール基であり、mはXが水素原子のときm≧0の整
数、Xが水素原子でないときm≧1の整数であり、nは
n≧0の整数である。)
【0016】
【化2】
【0017】(但し、式中R14〜R16はそれぞれ同一も
しくは異種の置換もしくは非置換のアルキル基、シクロ
アルキル基又はアリール基であり、p≧1、q≧0、p
+q≧3である。)
【0018】
【化3】
【0019】(但し、式中R17、R18はそれぞれ同一も
しくは異種の置換もしくは非置換のアルキル基、シクロ
アルキル基又はアリール基であり、rは0〜3の整数で
ある。)などの一般的で表される化合物が挙げられ、さ
らに具体的にはトリメチルシラン、ジメチルフェニルシ
ラン、ジメチルシラン、メチルジメトキシシラン、トリ
エチルシラン、トリエトキシシラン、トリクロロシラ
ン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ト
リメトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリブトキ
シシラン、エチルジメトキシシラン、メチルジエトキシ
シラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシ
ラン、エチルジエトキシシラン、1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、1,1,1,3,5,5,5,
−ヘプタメチルトリシロキサン、末端トリメチルシリル
基封止メチル水素シロキサン重合体(Hオイル)、ジメ
チルシロキサン/メチル水素シロキサン共重合体、1,
3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,
5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンなどが挙
げられる。
【0020】ヒドロシリル化反応は、一般に0〜150
℃の温度範囲で行われるが、期待されない副反応が起こ
らないように制御し易くするために、60〜90℃が好
ましい。反応に対しては、反応温度の調節、反応系の粘
度の調節など必要に応じて、n−ペンタン、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の溶剤又はプロセスオイルなどの可塑剤を用いてもよ
い。ヒドロシリル化反応を実施するための装置として
は、特に制限はないが、オレフィン、ヒドロシリル基を
持つ化合物及び溶媒の沸点以上での反応を行う場合には
オートクレーブなどの耐圧容器が好ましい。さらに、均
一に反応を進行させるために、十分な攪拌能力を持った
装置が好ましい。
【0021】本発明の第二においては、基本的に本発明
の第一の方法を利用する。すなわち、チアゾール類とし
て特に制限はないが、好ましくはベンゾチアゾールであ
る。ホスフィン類として特に制限はないが、好ましくは
トリフェニルホスフィンである。これらの反応を制御す
るために添加される化合物の添加量には特に制限はな
い。前記添加化合物(添加剤ともいう)の量は、オレフ
ィン、ヒドロシリル基を持つ化合物及び触媒の種類、
量、濃度などにより変化し、反応を抑制したい程度によ
る。添加剤の添加量が多すぎた場合みには反応が極端に
遅くなってしまうし、更に、添加剤が生成物中に残存す
る場合にこの生成物を硬化剤として使用する際に、硬化
反応に悪影響を与える可能性がある。逆に少なすぎた場
合には十分な効果が得られない。一般的な場合には触媒
に対して1〜1000倍モル、特に5〜50倍モル程度
が好ましい。
【0022】触媒として用いられる金属錯体として特に
制限はなく、白金触媒、ロジウム触媒(例えば、RhC
l(PPh3 3 、RhAl2 3 )、ルテニウム触媒
(例えば、RuCl3 )、イリジウム触媒(例えば、I
rCl3 )、鉄触媒(例えば、FeCl3 )、アルミニ
ウム触媒(例えば、AlCl3 )、パラジウム触媒(例
えば、PdCl2 ・2H2 O)、ニッケル触媒(例え
ば、NiCl2 )、チタン触媒(例えば、TiCl4
などが挙げられるが、好ましくは白金触媒である。本発
明に有用な白金触媒は担体上の白金金属、白金化合物及
び白金錯体から選ぶ。白金化合物及び白金錯体は塩化白
金酸、塩化白金酸六水和物、塩化白金酸とアルコール、
アルデヒド、ケトンなどの錯体、白金−オレフィン錯体
(例えば、Pt(CH2 =CH2 2 Cl2 )、白金−
ビニルシロキサン錯体(例えば、Ptn (ViMe2
iOSiMe2 Vi)m 、Pt[(MeViSi
O)4 m)、(式中、Meはメチル基、Viはビニル
基を表し、m、nは整数を表す。)、ジカルボニルジク
ロロ白金などを挙げることができる。また、アシュビー
(Ashby)の米国特許第3,159,601号明細
書及び同第3,159,662号明細書中に記載された
白金−炭化水素複合体、並びに、ラモロー(Lamor
eaux)の米国特許第3,220,972号明細書中
に記載された白金アルコラート触媒も挙げることができ
る。さらに、モディク(Modic)の米国特許第3,
516,946号明細書中に記載された塩化白金−オレ
フィン複合体も本発明において有用である。白金金属
は、木炭、アルミナ、ジルコニア等のような担体上に付
着される。水素化ケイ素と不飽和化合物の不飽和部分間
の反応をさせる白金含有材料も本発明に有用である。触
媒量としては特に制限はないが、炭素−炭素二重結合1
molに対して、1×10-1〜1×10-8molの範囲
で用いるのがよい。さらには1×10-3〜1×10-7
olが好ましい。
【0023】本発明において用いられるオレフィンとし
ては特に制限はないが、好ましくは末端オレフィンであ
る。例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、
1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセ
ンなどの線状アルケニル化合物;1,5−ヘキサジエ
ン、1,9−デカジエン、4−ビニルシクロヘキセンな
どのジエン化合物;スチレン、α−メチルスチレンなど
のスチレン化合物;塩化ビニル、臭化アリル、ヨウ化ア
リル、臭化アリレン、トリ−及びテトラクロロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン、クロロプレン、塩化ビニ
リデン及びジクロロスチレンなどのハロゲン化オレフィ
ン性不飽和官能性アルケニル化合物;アリルエーテル、
ビニルエーテル、アリルアルコール、メチルビニルカル
ビノール、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、オ
レイン酸、リノレニン酸、チアウルムグラ酸、酢酸ビニ
ル、酢酸アリル、酢酸ブテニル、ステアリン酸アリル、
メタクリレート、エチルクロトナート、コハク酸ジアリ
ル、フタル酸ジアリルなどの酸素含有オレフィン性不飽
和官能性アルケニル化合物;インジゴ、インドール、ア
クリロニトリル、シアン化アリルなどの窒素含有オレフ
ィン性不飽和官能性アルケニル化合物;ビニルトリメチ
ルシラン、アリルトリメチルシランなどの不飽和ケイ素
化合物;ポリイソプレン、ポリブタジエンなどの共役ジ
エンポリマー;オレフィン末端ポリプロピレングリコー
ル、オレフィン末端水添ポリイソプレン、オレフィン末
端ポリイソブチレン、オレフィン末端ポリエステル、オ
レフィン末端ポリカーボネートなどのオレフィン末端ポ
リマー;アルケニル基含有オルガノポリシロキサンなど
が挙げられる。
【0024】なかでも、分子中に少なくとも1個のアル
ケニル基を有する式(1)〜(4)からなる群より選ば
れる有機化合物が好ましい。 [CH2 =C(R1 )−R2 −O]aR3 (1) [CH2 =C(R1 )−R2 −C(=O)]aR4 (2) [CH2 =C(R1 )]aR5 (3) [CH2 =C(R1 )−R2 −C(=O)−O]aR6 (4) (但し、式中、R1 は水素またはメチル基。R2 は炭素
数0〜18の炭化水素基で1個以上のエーテル結合を含
有していてもよい。R3 、R4 、R6 は炭素数1〜30
の1〜4価の有機基。R5 は炭素数1〜50の1〜4価
の炭化水素基。aは1〜4から選ばれる整数。)
【0025】本発明に用いられるヒドロシリル基を持つ
化合物は一分子中に少なくとも2つ以上のケイ素原子結
合水素原子を持つ多価ハイドロジェンオルガノシリコン
化合物である。この多価ハイドロジェンオルガノシリコ
ン化合物としては特に制限はないが、下記式(8)、
(9)などの一般式で表される化合物が挙げられる。
【0026】
【化4】
【0027】(但し、式中R19〜R25はそれぞれ同一も
しくは異種の置換もしくは非置換のアルキル基、シクロ
アルキル基又はアリール基であり、Yは水素原子、置換
もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基又はア
リール基であり、sはYが水素原子のときs≧0の整
数、Yが水素原子でないときs≧2の整数であり、tは
t≧0の整数である。)
【0028】
【化5】
【0029】(但し、式中R26〜R28はそれぞれ同一も
しくは異種の置換もしくは非置換のアルキル基、シクロ
アルキル基又はアリール基であり、u≧2、v≧0、u
+v≧3である。)さらに具体的には1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−
ヘキサメチルトリシロキサン、末端トリメチルシリル基
封止メチル水素シロキサン重合体(Hオイルともよばれ
る。)、ジメチルシロキサン/メチル水素シロキサン共
重合体、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサ
ン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキ
サンなどが挙げられる。なかでも、1分子中に3個以上
のヒドロシリル基を有する分子量500以下の多価ハイ
ドロジェンポリオルガノシロキサンが好ましい。
【0030】これらのオレフィンとヒドロシリル基を持
つ化合物の組み合わせには特に制限はないが、一般には
大きく分けて2つの組み合わせが挙げられる。オレフィ
ンが一分子中に1つだけのオレフィンを持っている場合
と複数のオレフィンを持っている場合である。オレフィ
ンが1つだけの場合は、オレフィン分子により架橋され
ることがないので、オレフィンとヒドロシリル基を持つ
化合物の組み合わせは自由度が大きく、その比も生成物
中に2つ以上のヒドロシリル基を持つ条件であれば任意
の比で可能である。この場合の具体例としてはトリメチ
ルシリル基末端ポリメチルヒドロシロキサン(Hオイル
ともよばれる)のα−オレフィンによる変性が挙げられ
る。複数のオレフィンを持っている場合は、オレフィン
による架橋が起こり反応系全体がゲル化してしまう可能
性があるので、それを考慮する必要がある。この場合、
ヒドロシリル基を持つ化合物をオレフィンに対して過剰
に使用することが好ましい。更に、反応終了後に過剰量
が除けることが好ましい。蒸留により除去する場合に
は、分子量が500以下のものが好ましい。
【0031】生成物中に触媒が残存する場合、生成物の
貯蔵中にも、ゆっくりではあるが反応中に問題となるよ
うな各種の副反応が進行し、貯蔵安定性を悪化させる場
合がある。本発明の添加剤添加系においては、添加剤も
生成物中に残存する場合には、そのような副反応を抑制
し貯蔵安定性を向上させる効果を持つが、更に、反応終
了後において、速やかに触媒活性を低下させ、後処理中
及び貯蔵中の生成物の更なる安定化を図るために、ホス
フィン類、チアゾール類から選ばれる化合物を更に添加
することが好ましい。この添加量は、多すぎると、添加
剤が生成物中に残存する場合にこの生成物を硬化剤とし
て使用する際に、硬化反応に悪影響を与える可能性があ
る。逆に少なすぎた場合には十分な効果が得られない。
一般的な場合には触媒に対して1〜1000倍モル、特
に5〜50倍モル程度が好ましい。
【0032】ヒドロシリル化反応は、一般に0〜150
℃の温度範囲で行われるが、活性なヒドロシリル基が過
剰に存在し、期待されない副反応が起こりやすい状態に
あるので、60〜90℃が好ましい。反応に対しては、
反応温度の調節、反応系の粘度の調節、添加する基質の
拡散性の向上など必要に応じて、n−ペンタン、n−ヘ
キサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの溶剤又はプロセスオイルなどの可塑剤を用いても
よい。
【0033】ヒドロシリル化反応を実施するための装置
としては、特に制限はないが、オレフィン、ヒドロシリ
ル基を持つ化合物及び溶媒の沸点以上での反応を行う場
合にはオートクレーブなどの耐圧容器が好ましい。さら
に、均一に反応を進行させるために、十分な攪拌能力を
もった装置が好ましい。
【0034】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0035】製造例1:特開昭53−134095に開
示された方法に従って、末端にアリル型オレフィン基を
有するポリオキシプロピレンを合成した。平均分子量3
000であるポリオキシプロピレングリコールと粉末苛
性ソーダを60℃で攪拌し、ブロモクロロメタンを加え
て反応を行い、分子量を増大させた。次に、アリルクロ
ライドを加えて、110℃で末端をアリルエーテル化し
た。これをケイ酸アルミニウムにより処理して、精製末
端アリルエーテル化ポリオキシプロピレンを合成した。
このポリエーテルの平均分子量は約8000であり、ヨ
ウ素価からオレフィン含量は0.023mol/100
gであった。E型粘度系による粘度は135ポイズ(4
0℃)であった。
【0036】実施例1:製造例1で合成されたアリル型
オレフィン基を有するポリオキシプロピレン200gに
対し、実施例3で合成されたオルガノポリシロキサン系
硬化剤4.84g(アリル基とSi−H基は等量)、P
t[{(CH2 =CH)Me2 Si}2O]2 触媒溶液
5.61×10-4mmolを加え、よく混合したものを
マスターバッチとする。これより4gづつ量り取ったも
のに、ベンゾチアゾール(1wt%トルエン溶液)7.
6mg(白金に対して1倍モル)を入れ、よく混練し
た。該混合物の一部をゲル化試験器(日新科学(株)
製)の上に採り、所定温度でスナップアップタイム(ゴ
ム弾性になるまでの時間)を測定した。更に、同様に白
金に対して10、20、100倍モルになるようにベン
ゾチアゾールを加えた場合についてもスナップアップタ
イムを測定した。
【0037】実施例2:ベンゾチアゾールの代わりにト
リフェニルホスフィンを用いた以外は実施例1と同様に
して実験を行った。但し、トリフェニルホスフィンの量
は白金に対して1、1.5、3倍モルとした。
【0038】比較例1〜5:ベンゾチアゾールの代わり
にトリブチルアミン、フェニルスルフィド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、ピリジン、o−ニトロアニソール
を用いた以外は実施例1と同様にして実験を行った。以
上実施例1、2及び比較例1〜5で得られた分析結果を
第1表に示す。この結果より、ベンゾチアゾール及びト
リフェニルホスフィンの添加量により反応速度を制御で
きることがわかる。
【0039】
【表1】
【0040】実施例3:攪拌可能な50Lのステンレス
製反応容器中に1,3,5,7−テトラメチルシクロテ
トラシロキサン10.0kg(41.6mol)、トル
エン12.0kgを入れ、窒素下80℃に加熱した。よ
く攪拌しながらベンゾチアゾール189mg(1.40
mmol)を1wt%トルエン溶液で添加した。10分
後にビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン)白金錯体触媒(8.2×10-2
mol)を入れた。更に10分後に十分な攪拌を加えな
がら1,9−デカジエン0.575kg(4.16mo
l)とトルエン1.15kgの混合物を1時間かけて添
加した。全量添加後、ガスクロマトグラフィーで1,9
−デカジエンの残存量を定量し、消失するまで80℃で
攪拌を続けた。反応混合物を濃縮し、残留物として2.
15kgのSi−H基含有硬化剤を得た。この生成物は
GPC分析により、下記式の構造を有する化合物が主生
成物であることが解った。また、この生成物をアルカリ
水により加水分解した時に発生する水素ガス量よりこの
生成物のSi−H基含量は0.951mol/100g
であることがわかった。この反応中、発熱はほとんど観
察されなかった。1,9−デカジエンの残存量をもと
に、この反応の速度解析をした結果を図1に示す。1,
9−デカジエンに対してほぼ一次で速度が安定している
ことがわかる。室温で半年間貯蔵後も性質に大きな変化
は見られなかった。
【0041】
【化6】
【0042】実施例4:実施例3と同様に実施した反応
系に対し、反応終了後にベンゾチアゾール189mg
(1.40mmol)を1wt%トルエン溶液で添加し
た。後は、同様に濃縮した。この生成物は40℃で2カ
月間、密栓保存したあとも性質に大きな変化は見られな
かった。
【0043】実施例5:攪拌可能な5Lのガラス製反応
器中にH−オイル(トリメチルシリル封止ポリメチルヒ
ドロシロキサン;Si−H15.8mmol/g)6
3.3g(Si−H1.00mol)、トルエン60.
0mlを入れ、窒素下80℃に加熱した。よく攪拌しな
がらベンゾチアゾール2.99mg(2.21×10-5
mmol)を1wt%トルエン溶液で添加した。10分
後にビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン)白金錯体触媒(0.52×10-5
mmol)を入れた。更に10分後に十分な攪拌を加え
ながらスチレン26.0g(0.25mol)とトルエ
ン20.0mlの混合物を30分間かけて添加した。全
量添加後、2時間加熱攪拌を継続した。反応混合物を濃
縮し、残留物として83.3gのSi−H基含有硬化剤
を得た。また、既述の分析によりこの生成物のSi−H
基含有量は0.78mol/100gであることがわか
った。この生成物は室温で1カ月貯蔵後も性質に大きな
変化は見られなかった。
【0044】実施例6:スチレン量を52.0gにしニ
ートで1時間かけて添加した以外は実施例6と全く同様
にSi−H基含有硬化剤を合成した。Si−H基含量は
0.40mol/100gであることがわかった。この
生成物は室温で1カ月貯蔵後も性質に大きな変化は見ら
れなかった。
【0045】比較例6:ベンゾチアゾールを添加しない
こと以外は実施例5と全く同様にSi−H基含有硬化剤
を合成した。Si−H基は0.50mol/100gで
あることがわかった。この生成物は室温で1週間貯蔵後
にゲル化した。
【0046】参考例1:製造例1で合成されたアリル型
オレフィン基を有するポリオキシプロピレン200gに
対し、実施例2で合成されたオルガノポリシロキサン系
硬化剤4.84g(アリル基とSi−H基は等量)、ジ
メチルマレート0.20g(1.38mmol)Pt
[{(CH2 =CH)Me2 Si}2 O]2 触媒溶液
2.3×10-2mmolを加え、よく混合した。該組成
物を厚さ約2mmの型枠に流し込み、減圧乾燥機中で室
温で1時間脱泡した。その後、100℃で一時間加熱し
て硬化物を得た。該硬化物のシートからJISK630
1に準拠した3号ダンベルを打ち抜き、引っ張り速度2
00mm/分の引張試験に供した。得られた分析結果を
第2表に示す。
【0047】
【表2】
【0048】表中、M(後の数字は%で表した伸びを表
す)は、モジュラスを表す。TBは、破断強度、EB
は、破断伸びを表す。ゲル分率は、硬化物を金網に入
れ、トルエン中に1日間浸漬し、乾燥した後の重量の減
少率を表す。
【0049】
【本発明の効果】本発明はヒドロシリル化反応を容易に
制御する方法を与え、それを利用してヒドロシリル基を
分子内に2つ以上持つ有機化合物変性シリコン化合物を
製造する方法を与える。この化合物は付加型硬化性組成
物の硬化剤として使用される。更に付随する効果とし
て、生成した硬化剤中に触媒及び本発明の添加剤が残存
する場合、触媒だけが残存する場合に比べ貯蔵安定性が
向上することが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒドロシリル基含有硬化剤の生成反応の時間変
化の1例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B01J 23/42 X

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属触媒を用いてオレフィンに対してヒ
    ドロシリル基を付加させるヒドロシリル化反応におい
    て、チアゾール類、ホスフィン類から選ばれる化合物を
    共存させることにより反応を制御することを特徴とする
    ヒドロシリル化法。
  2. 【請求項2】 前記チアゾール類、ホスフィン類から選
    ばれる化合物がベンゾチアゾールであることを特徴とす
    る請求項1に記載のヒドロシリル化法。
  3. 【請求項3】 前記チアゾール類、ホスフィン類から選
    ばれる化合物がトリフェニルホスフィンであることを特
    徴とする請求項1に記載のヒドロシリル化法。
  4. 【請求項4】 金属触媒が白金触媒であることを特徴と
    する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のヒドロ
    シリル化法。
  5. 【請求項5】 オレフィンに対して過剰のヒドロシリル
    基が存在する状態において、請求項1〜請求項4のいず
    れか1項に記載の方法によりヒドロシリル化を行うこと
    を特徴とするヒドロシリル化法。
  6. 【請求項6】 分子中に少なくとも1個のアルケニル基
    を含有する有機系化合物(A)と多価ハイドロジェンオ
    ルガノシリコン化合物(B)とを請求項1に記載の方法
    を用いて、反応後もヒドロシリル基が残存するようにし
    て請求項5に記載の方法によりヒドロシリル化を行うこ
    とを特徴とするヒドロシリル基を含有する有機系硬化剤
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記チアゾール類、ホスフィン類から選
    ばれる化合物がベンゾチアゾールであることを特徴とす
    る請求項6に記載のヒドロシリル基を含有する有機系硬
    化剤の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記チアゾール類、ホスフィン類から選
    ばれる化合物がトリフェニルホスフィンであることを特
    徴とする請求項6に記載のヒドロシリル基を含有する有
    機系硬化剤の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記有機系化合物(A)が、下記式
    (1)〜式(4)からなる群より選ばれる、分子中に少
    なくとも1個のアルケニル基を有する有機化合物である
    ことを特徴とする請求項6に記載のヒドロシリル基を含
    有する有機系硬化剤の製造方法。 [CH2 =C(R1 )−R2 −O]aR3 (1) [CH2 =C(R1 )−R2 −C(=O)]aR4 (2) [CH2 =C(R1 )]aR5 (3) [CH2 =C(R1 )−R2 −C(=O)−O]aR6 (4) (但し、式中、R1 は水素またはメチル基、R2 は炭素
    数0〜18の炭化水素基で1個以上のエーテル結合を含
    有していてもよく、R3 、R4 、R6 は炭素数1〜30
    の1〜4価の有機基、R5 は炭素数1〜50の1〜4価
    の炭化水素基、aは1〜4から選ばれる整数である。)
  10. 【請求項10】 前記多価ハイドロジェンオルガノシリ
    コン化合物(B)がトリメチルシリル基末端ポリメチル
    ヒドロシロキサンであることを特徴とする請求項6また
    は請求項9に記載のヒドロシリル基を含有する有機系硬
    化剤の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記多価ハイドロジェンオルガノシリ
    コン化合物(B)が1分子中に3個以上のヒドロシリル
    基を有する分子量500以下の多価ハイドロジェンポリ
    オルガノシロキサンであるであることを特徴とする請求
    項6または請求項9に記載のヒドロシリル基を含有する
    有機系硬化剤の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記有機系化合物(A)が、1,9−
    デカジエンで前記多価ハイドロジェンオルガノシリコン
    化合物(B)が1,3,5,7−テトラメチルシクロテ
    トラシロキサンであることを特徴とする請求項6、請求
    項9及び請求項11のいずれか1項に記載のヒドロシリ
    ル基を含有する有機系硬化剤の製造方法。
  13. 【請求項13】 金属触媒を用いて、オレフィンに対し
    てヒドロシリル基を付加させる反応終了後に、チアゾー
    ル類、ホスフィン類から選ばれる化合物を添加すること
    を特徴とする請求項6〜請求項12のいずれか1項に記
    載のヒドロシリル基を含有する有機系硬化剤の製造方
    法。
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