JPH0841354A - 潜在性を持つ硬化性樹脂組成物 - Google Patents

潜在性を持つ硬化性樹脂組成物

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JPH0841354A
JPH0841354A JP19381494A JP19381494A JPH0841354A JP H0841354 A JPH0841354 A JP H0841354A JP 19381494 A JP19381494 A JP 19381494A JP 19381494 A JP19381494 A JP 19381494A JP H0841354 A JPH0841354 A JP H0841354A
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group
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curable resin
resin composition
composition according
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Application number
JP19381494A
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English (en)
Inventor
Yoshiki Nakagawa
佳樹 中川
Masato Kusakabe
正人 日下部
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の成分(A)、(B)及び(C)を必須
成分として含有してなる硬化性樹脂組成物; (A)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有
する、重合体でない有機系硬化剤、(B)分子中に少な
くとも1個のアルケニル基を含有する有機重合体、
(C)白金と、複数のビニル基を持つ環状シロキサンと
からなる白金−シロキサン錯体触媒。 【効果】 常温においては液状で保存安定性、相溶性、
取り扱い性に優れ、高温においては速硬化性、深部硬化
性に優れ、更に硬化後は機械的特性に優れた硬化物を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロシリル基を有す
る有機系硬化剤とアルケニル基を有する有機重合体と白
金/環状オルガノシロキサン錯体を用いた潜在性を持つ
硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、硬化してゴム状物質を生成する硬
化性液状組成物としては、各種のものが開発されてい
る。中でも、深部硬化性に優れた硬化系として、末端も
しくは分子鎖中に、1分子中に平均2個またはそれ以上
のビニル基を持つポリオルガノシロキサンを、ケイ素原
子に結合している水素原子を1分子中に2個以上有する
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンで架橋するもの
が開発され、その優れた耐候性、耐水性、耐熱性を利用
して、シーリング剤、ポッティング剤として使用されて
いる。更に、最近、従来ヒドロシリル化による硬化反応
に用いられてきたポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ンの代わりに、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル
基を含有する重合体でない有機系硬化剤を用いれば、ア
ルケニル基を含有する有機重合体に対する相溶性が良好
であることが開示されている(特開平3−95266号
公報)。そこで、ヒドロシリル化触媒を用いて上記両成
分を硬化させれば均一で、且つ速硬化、深部硬化性に優
れ、硬化物が十分な引張特性等の機械特性を有する硬化
性樹脂組成物が得られること、また、あらゆる種類の主
鎖骨格を有するアルケニル基含有有機重合体を用いるこ
とができるので、非常に幅広い用途に適用できる硬化物
を作成することができること、更に重合体でない有機系
硬化剤は一般に低粘度を有し、硬化物作成時に作業を行
なう上で有利であることを見い出されている。
【0003】この硬化性組成物において、ケイ素原子に
結合している水素原子を有する化合物と脂肪族不飽和を
有する化合物間の付加反応(ヒドロシリル化)を促進す
る触媒としてコバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウ
ム、白金などの種々の遷移金属錯体が使用されている。
Karstedtらの特公昭46−28795号公報、特公昭5
5−423号公報およびAshbyらの特開昭60−547
34号公報、特公平2−53102号公報に白金と不飽
和シロキサンよりなる錯体触媒が記載され、またケイ素
原子に結合している水素原子を含む化合物と脂肪族不飽
和有機化合物、特に脂肪族不飽和オルガノポリシロキサ
ン化合物との間のヒドロシリル化反応にこれらの触媒を
用いることも記載されている。これらの触媒において用
いられている不飽和シロキサンは様々なものがあるが、
代表的なものとしては、Chandra(Organometallics 198
7, 6, 191)やHitchcock (Angew. Chem. Int. Ed. Engl.
1991, 30, 438) らも報告している1分子内に2つのオ
レフィンを持つ直鎖シロキサン、特に1,3−ジビニル
−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンがある。
これを用いた錯体は非常に活性が高く、例えば室温にお
いてもヒドロシリル化反応を促進するが、逆に、これが
硬化性組成物の貯蔵安定性を低下させる原因となる。
【0004】この課題を克服するために、様々な触媒抑
制剤を添加することが一般に知られている。白金触媒抑
制剤の例としては不飽和有機化合物;例えば、エチレン
性又は芳香族不飽和アミド(米国特許第4337332
号);アセチレン系化合物(米国特許第3445420
号);エチレン性不飽和イソシアネート(米国特許第3
882083号);オレフィン系シロキサン(米国特許
第3989667号);及び共役エン−イン類(米国特
許第4465818号及び第4472563号);その
他の有機化合物、例えば、過酸化水素、スルホキシド、
アミン、ホスフィン、ホスファイト及びニトリル;及び
各種の金属塩を含むものがある。また、米国特許第42
56870号の不飽和炭化水素ジエステル抑制剤、例え
ばジアリルマレエート又はジエチルマレエート、及び米
国特許第42562096号のビス−ヒドロカルボノキ
シアルキルマレエート抑制剤、例えばビス(2−メトキ
シイソプロピル)マレエートが白金族金属触媒反応で硬
化するオルガノケイ素化合物の室温硬化を遅延又は防止
するのに有効であることが見いだされた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のマレエートで抑制した化合物の硬化時間及び/又は硬
化温度はこれらの抑制剤の使用によって不所望に増加す
る。従って、シリコン含有組成物における理想的な白金
触媒抑制剤についての要求はいまだ止まない。また、さ
きに述ベた代表的な白金錯体の配位子である1,3−ジ
ビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンは
配位力が低いため、触媒単独および触媒溶液での熱安定
性が低く、室温においてさえ長期間放置すると白金原子
が析出してくるため、触媒として硬化性樹脂組成物に使
用した場合は、かなりの低温での貯蔵が要求され、保存
性に優れているとはいえない。
【0006】本発明は、従来の硬化性樹脂組成物のヒド
ロシリル化触媒の欠点を克服し、常温においては液状で
保存安定性、相溶性、取り扱い性に優れ、高温において
は速硬化性、深部硬化性に優れ、更に硬化後は引張特
性、強度等の機械的特性にも優れた、潜在性を持つ硬化
性樹脂組成物を提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み鋭意研究の結果、1分子中に3つ以上の配位能
を持つオレフィンを有する環状シロキサンを配位子とし
て用いることにより、低温においてはほとんど触媒活性
を持たず高温においては既存の錯体と同等の触媒活性を
示し、さらには熱安定性にも優れていることを見いだ
し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。本発明
は、下記の成分(A)、(B)及び(C)を必須成分と
して含有してなる硬化性樹脂組成物; (A)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
る、重合体でない有機系硬化剤、(B)分子中に少なく
とも1個のアルケニル基を含有する有機重合体、(C)
潜在性を持つヒドロシリル化触媒をそれぞれ内容とする
ものである。なお、本発明で述べる潜在性とは、低温下
では触媒活性または硬化反応を示さず安定であり、高温
下において強い触媒活性または硬化反応を示す性質のこ
とを言う。
【0008】本発明の成分(A)である分子中に少なく
とも2個のヒドロシリル基を含有する、重合体でない有
機化合物としては特に制限はないが、ヒドロシリル基を
含む基を具体的に例示するならば、−Si(H)b(CH3)
3-b,−Si(H)b(C25)3-b,−Si(H)b(C65)
3-b(b=1〜3の整数),−SiH2(C613)などの
ケイ素原子1個だけ含有するヒドロシリル基、−Si
(CH3)2Si(CH3)2H,−Si(CH3)2CH2CH2
i(CH3)2H,−Si(CH3)2Si(CH3)H2
【0009】
【化7】
【0010】などのケイ素原子を2個以上含む基、
【0011】
【化8】
【0012】(式中、R11はH、OSi(CH3)3及び炭
素数が1〜10の有機基より選ばれる基であり、それぞ
れのR11は同じでも異なっていてもよい。m2,n3は正
の整数で、且つ2≦m2+n3≦50)
【0013】
【化9】
【0014】(式中、R11は上に同じ、m3は正の整
数、n4,p2,q1は0又は正の整数で、且つ1≦m3
4+p2+q1≦50)
【0015】
【化10】
【0016】(式中、R11は上に同じ、m4は正の整
数、n5は0又は正の整数で、且つ2≦m4+n5≦5
0)などで示される鎖状、枝分かれ状、環状の各種の多
価ハイドロジェンシロキサンより誘導された基などが挙
げられる。上記の各種のヒドロシリル含有基のうち、本
発明のヒドロシリル基含有の有機系硬化剤の各種有機重
合体に対する相溶性を損なう可能性が少ないという点か
ら、ヒドロシリル基を構成する基の部分の分子量は50
0以下が望ましく、さらにヒドロシリル基の反応性も考
慮すれば、下記のものが好ましい。
【0017】
【化11】
【0018】(式中、p3は正の整数、q2は0又は正の
整数であり、且つ2≦p3+q2≦4)
【0019】
【化12】
【0020】同一分子中にヒドロシリル含有基が2個以
上存在する場合には、それらは互いに同一でも異なって
も構わない。ヒドロシリル基を含有する、重合体でない
有機系硬化剤中に含まれるトータルのヒドロシリル基の
個数については少なくとも1分子中に2個あればよい
が、2〜15個が好ましく、3〜12個が特に好まし
い。本発明のヒドロシリル基含有有機系硬化剤をヒドロ
シリル化触媒存在下に、アルケニル基を含有する各種の
有機重合体と混合してヒドロシリル化反応により硬化さ
せる場合には、該ヒドロシリル基の個数が2より少ない
と硬化が遅く硬化不良をおこす場合が多い。また該ヒド
ロシリル基の個数が15より多くなると、該硬化剤の安
定性が悪くなり、その上硬化後も多量のヒドロシリル基
が硬化物中に残存し、ボイドやクラックの原因となる。
【0021】ヒドロシリル基は、本発明のヒドロシリル
基含有有機系硬化剤中に一般式(6) X−R12− (6) (Xは少なくとも1個のヒドロシリル基を含む置換基、
12は炭素数2〜20の2価の炭化水素基で1個以上の
エーテル結合を含有していてもよい)で表わされる基と
して存在することが望ましい。更に具体的に詳述する
と、まず式(7) (X−R12−O)a−R13 (7) (X,R12は上に同じ、R13は炭素数1〜30の有機
基、aは1〜4から選ばれる整数。)で表わされるエー
テル結合を有する化合物が挙げられる。式(7)中、R
12は炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表わすが、R
12の中には1個以上のエーテル結合が含有されていても
かまわない。具体的には−CH2CH2−,−CH2CH2
CH2−,
【0022】
【化13】
【0023】などが挙げられる。合成上の容易さから−
CH2CH2CH2−が好ましい。式(7)中、R13は炭
素数1〜30の非環式脂肪族系の1〜4価の有機基であ
る。具体的に示すならば、CH3−,CH3CH2−,C
3CH2CH2−,
【0024】
【化14】
【0025】などが挙げられる。これらのうちで、下記
のものが好ましい。
【0026】
【化15】
【0027】次に、一般式(8)
【0028】
【化16】
【0029】(Xは少なくとも1個のヒドロシリル基を
含む基、R12は炭素数2〜20の2価の炭化水素基で1
個以上のエーテル結合を含有していてもよい。R14は炭
素数1〜30の有機基、aは1〜4から選ばれる整
数。)で表わされるエステル結合を有する化合物が挙げ
られる。式(8)中、R12は式(7)におけるR12と同
一である。またR14は炭素数1〜30の芳香族系又は脂
肪族系の1〜4価の有機基である。具体的に示すなら
ば、CH3−,CH3CH2−,CH3CH2CH2−,
【0030】
【化17】
【0031】などが挙げられる。これらのうちで下記の
ものが好ましい。
【0032】
【化18】
【0033】次に、一般式(9) Xa−R15 (9) (Xは少なくとも1個のヒドロシリル基を含む基、R15
は炭素数2〜50の1〜4価の炭化水素基、aは1〜4
から選ばれる整数。)で示される炭化水素を主鎖骨格と
する化合物が挙げられる。式(9)中、R15は炭素数2
〜50の1〜4価の炭化水素基を表すが、具体的には
【0034】
【化19】
【0035】
【化20】
【0036】が好ましい。さらに−(CH2)n7−(n7
2〜10)が特に好ましい。本発明のヒドロシリル基含
有有機系硬化剤の具体例としては、更に一般式(10)
【0037】
【化21】
【0038】(Xは少なくとも1個のヒドロシリル基を
含む基、R12は炭素数2〜20の2価の炭化水素基で1
個以上のエーテル結合を含有していてもよい。R16は1
〜4価の有機基、aは1〜4から選ばれる整数。)で表
わされるカーボネート結合を有する化合物が挙げられ
る。式中、R12は式(7)、(8)中のR12に同じであ
る。またR16としては、CH3−、CH3CH2−,CH3
CH2CH2−,
【0039】
【化22】
【0040】
【化23】
【0041】
【化24】
【0042】などが挙げられる。これらのうち下記のも
のが特に好ましい。
【0043】
【化25】
【0044】本発明のヒドロシリル基含有の有機系硬化
剤の製造方法については特に制限はなく、任意の方法を
用いればよい。例えば、(i)分子中にSi−Cl基を
もつ有機化合物をLiAlH4,NaBH4などの還元剤
で処理して該化合物中のSi−Cl基をSi−H基に還
元する方法、(ii)分子内にある官能基Xをもつ有機化
合物と分子内に上記官能基と反応する官能基Y及びヒド
ロシリル基を同時にもつ化合物とを反応させる方法、(i
ii)アルケニル基を含有する有機化合物に対して少なく
とも2個のヒドロシリル基をもつポリヒドロシラン化合
物を選択ヒドロシリル化することにより反応後もヒドロ
シリル基を該化合物の分子中に残存させる方法などが考
えられる。
【0045】本発明の(A)成分として特に好ましいも
のとしては、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を
有する式(1)〜(4)からなる群より選ばれる有機化
合物(D)成分と、 〔CH2=C(R4)−R5−O〕a6 (1) 〔CH2=C(R4)−R5−C(=O)〕a6 (2) 〔CH2=C(R4)〕a8 (3) 〔CH2=C(R4)−R5−C(=O)O〕a9 (4) {式(1)〜(4)中、R4は水素またはメチル基。R5
は炭素数0〜18の炭化水素基で1個以上のエーテル結
合を含有していてもよい。R6,R7,R9は炭素数1〜
30の有機基。R8は炭素数1〜50の1〜4価の炭化
水素基。aは1〜4から選ばれる整数。}式(5)
【0046】
【化26】
【0047】で表される多価ハイドロジェンシリコン化
合物(E)成分とを、ヒドロシリル化触媒の存在下に、
反応後もヒドロシリル基が残存するようにして製造した
ことを特徴とする化合物である。本発明の(A)成分と
して、更に好ましいものとしては、前記(D)成分とし
てCH2=CH(CH26CH=CH2を、前記(E)成
分として次式
【0048】
【化27】
【0049】の化合物を用いて製造される
【0050】
【化28】
【0051】(n2=0〜2)で表される化合物であ
る。尚、本発明の硬化性組成物を構成する(A)成分
は、1種の化合物からなっても、またはそれ以上の化合
物からなっても構わない。
【0052】本発明の成分(B)である分子中に少なく
とも1個のアルケニル基を含有する有機重合体としては
特に制限はなく、各種主鎖骨格をもつものを使用するこ
とができる。具体的に例示するならば、ポリオキシエチ
レン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシテトラメチレ
ン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合
体などのポリエーテル系重合体、テレフタル酸、イソフ
タル酸、アジピン酸等の2塩基酸またはその酸無水物と
エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペン
チルグリコール等のグリコールとの縮合又はラクトン類
の開環重合で得られるポリエステル系重合体、エチレン
−プロピレン系共重合体、ポリイソブチレン、イソブチ
レンとイソプレン等との共重合体、ポリクロロプレン、
ポリイソプレン、イソプレンとブタジエン、アクリロニ
トリル、スチレン等との共重合体、ポリブタジエン、ブ
タジエンとスチレン、アクリロニトリル等との共重合
体、ポリイソプレン、ポリブタジエン、イソプレンある
いはブタジエンとアクリロニトリル、スチレン等との共
重合体を水素添加して得られるポリオレフィン系重合
体、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のモノ
マーをラジカル重合して得られるポリアクリル酸エステ
ル、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアク
リル酸エステルと酢酸ビニル、アクリロニトリル、メチ
ルメタクリレート、スチレン等とのアクリル酸エステル
系共重合体、前記有機重合体中でビニルモノマーを重合
して得られるグラフト重合体、ポリサルファイド系重合
体、ε−アミノカプロラクタムの開環重合によるナイロ
ン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合に
よるナイロン66、ヘキサメチレンジアミンとセバシン
酸の縮重合によるナイロン610、ε−アミノウンデカ
ン酸の縮重合によるナイロン11、ε−アミノラウロラ
クタムの開環重合によるナイロン12、上記のナイロン
のうち2成分以上の成分を有する共重合ナイロン等のポ
リアミド系重合体、例えばビスフェノールAと塩化カル
ボニルより縮重合して製造されたポリカーボネート系重
合体、ジアリルフタレート系重合体等が例示される。
【0053】上記主鎖骨格をもつ重合体のうち、(A)
成分のヒドロシリル基含有有機系硬化剤に対する相溶性
が良好であるという点からポリエステル系重合体、アク
リル酸エステル系重合体、アクリル酸エステル系共重合
体、ポリエーテル系重合体、炭化水素系重合体、ポリカ
ーボネート系重合体が好ましい。更に、(A)、(B)
両成分の組合せが、エーテル系硬化剤とポリエーテル系
重合体、エステル系硬化剤とポリエステル系重合体、炭
化水素系重合体と炭化水素系重合体の組合せである場合
が特に好ましい。 (B)成分のアルケニル基としては特に制限されない
が、式
【0054】
【化29】
【0055】(R4は水素又はメチル基)で示されるア
ルケニル基が好適である。アルケニル基を(B)成分の
有機重合体に導入する方法については、種々提案されて
いるものを用いることができるが、重合後にアルケニル
基を導入する方法と重合中にアルケニル基を導入する方
法に大別することができる。重合後にアルケニル基を導
入する方法としては、例えば末端、主鎖あるいは側鎖に
水酸基、アルコキシド基等の官能基を有する有機重合体
に、上記官能基に対して反応性を示す活性基及びアルケ
ニル基を有する有機化合物を反応させることによりアル
ケニル基を末端、主鎖あるいは側鎖に導入することがで
きる。上記官能基に対して反応性を示す活性基及びアル
ケニル基を有する有機化合物の例としては、アクリル
酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、アクリル酸クロライ
ド、アクリル酸ブロマイド等のC3〜C20の不飽和脂肪
酸、酸ハライド、酸無水物等やアリルクロロホルメート
(CH2=CHCH2OCOCl)、アリルブロモホルメ
ート(CH2=CHCH2OCOBr)等のC3〜C20
不飽和脂肪酸置換炭酸ハライド、アリルクロライド、ア
リルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、ア
リル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1−ブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1−ヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼン等が
挙げられる。
【0056】重合中にアルケニル基を導入する方法とし
ては、例えばラジカル重合法で(B)成分の有機重合体
を製造する場合に、アリルメタクリレート、アリルアク
リレート等の分子中にラジカル反応性の低いアルケニル
基を有するビニルモノマー、アリルメルカプタン等のラ
ジカル反応性の低いアルケニル基を有するラジカル連鎖
移動剤を用いることにより、重合体の主鎖又は末端にア
ルケニル基を導入することができる。本発明の組成物を
用いてゴム状硬化物を作製する場合には、(B)成分の
アルケニル基は分子末端に存在する方が硬化物の有効網
目鎖長が長くなるので好ましい。該アルケニル基と有機
重合体との結合様式には特に制限はなく、炭素−炭素結
合で直接結合している場合の他にエーテル、エステル、
カーボネート、アミド、ウレタン結合を介して該アルケ
ニル基が有機重合体の主鎖骨格に結合しているものなど
が例示される。本発明の(B)成分として好適なポリプ
ロピレングリコールにアルケニル基を導入する方法は、
特開昭53−134095号公報に開示されている。ポ
リオキシプロピレングリコールと粉末苛性ソーダを60
℃で攪拌し、ブロモクロロメタンを加えて反応を行ない
分子量を増大させ、次に、アリルクロライドを加えて、
ll0℃で末端をアリルエーテル化する。これをケイ酸
アルミニウムにより処理して、精製末端アリルエーテル
化ポリオキシプロピレンが合成される。
【0057】本発明の(B)成分として好適に使用され
るイソブチレン系重合体は特に制限されないが、特に主
鎖成分が単量体組成として90モル%以上のイソブチレ
ン単位を含むイソブチレン系重合体(以下簡単のためイ
ソブチレン系重合体と記す)であって数平均分子量を成
形や加工に支障をきたさないよう1,000以上40,
000未満にコントロールしたものの場合、イソブチレ
ン特有のゴム的弾性、電気絶縁性、低い水蒸気透過性、
耐候性、耐熱性等を生かした特徴ある材料となりうる。
このように分子量を制御したイソブチレン系重合体は、
ケネディ氏によって堤案された1,4−ビス(α−クロ
ロイソプロピル)ベンゼンのような二官能成分または
1,3,5−トリス(α−クロロイソプロピル)ベンゼ
ンのような三官能成分を開始剤兼連鎖移動剤、BCl3
触媒としてイソブチレンをカチオン重合させるイニファ
ー法(米国特許第4276394号明細書)により製造
されることが知られている。また、このイソブチレン系
重合体にアルケニル基を導入する方法としては重合直後
のイソブチレン系重合体にアリルシランを反応させる、
あるいは単離精製を行った両末端にクロル基を有するイ
ソブチレン系重合体にTiCl4を加えアリルトリメチル
シランを反応させることにより両末端にアリル基を有す
る重合体を得る方法(特開昭63−l05005号公
報)、非共役ジエン類を共重合ないしは末端停止剤とし
て用いる方法(特開平4−288309号公報)などが
公知となっている。
【0058】(B)成分の分子量については、硬化物の
特性及び(A)成分との相溶性等を考慮して500〜5
0000が好ましく、500〜20000が特に好まし
い。アルケニル基の個数については、1分子中に平均2
〜5個存在するのが好ましい。上記の如くして製造され
た(A)成分及び(B)成分のヒドロシリル基とアルケ
ニル基との比率はモル比で0.2〜5.0が好ましく、
更に0.4〜2.5が特に好ましい。モル比が0.2よ
り小さくなると、本発明の組成物を硬化した場合に硬化
が不充分でベトツキのある強度の小さい硬化物しか得ら
れず、またモル比が5.0より大きくなると硬化後も硬
化物中に活性なヒドロシリル基が多量に残存するので、
クラック、ボイドが発生し、均一で強度のある硬化物が
得られない傾向がある。尚、本発明の硬化性組成物を構
成する(B)成分は、1種の重合体からなっても、また
は2種以上の重合体からなっても構わない。本発明の成
分(C)である潜在性を持つヒドロシリル化触媒は少な
くとも白金と、次式:
【0059】
【化30】
【0060】(式中のR1、R2、R3は炭化水素基であ
り、nは3から10の整数であり、mは0から10の整
数である)で表される環状オルガノシロキサンの少なく
とも1種とからなる白金−シロキサン錯体触媒。炭化水
素基R1、R2、R3としては、アルキル、シクロアルキ
ルまたはアリール、具体的には1〜18個の炭素原子を
有するこれらの基を示し得、場合により、代表的にはメ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、へキシ
ル、へプチル、オクチルなど、シクロヘキシル、シクロ
ヘプチルなど、フェニル、トリル、キシリルなど、ベン
ジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどを示す。
好ましくは入手の容易さ、過剰量のものを除去する際の
沸点の低さなどからメチル基が挙げられる。上記の構造
式におけるnについては3〜l0であるが、好ましくは
入手の容易さ、過剰量のものを除去する際の沸点の低さ
などから4〜5である。mについては0〜l0である。
【0061】この触媒の製造方法については特に制限は
ないが、Karstedtらの特公昭46−28795号公報に
開示された方法で容易に合成される。即ち、塩化白金酸
をエタノールなどの還元剤を用いて還元し、共存させた
シクロシロキサン配位子を配位させる。その際に生成す
る無機ハロゲンを、共存させた重炭酸ナトリウムなどの
酸結合剤を用いて除去する。あるいは、特開昭60−5
4734号公報に開示されたように酸結合剤を使用せず
に大量の配位子存在下で合成してもかまわない。これら
の触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもか
まわない。触媒量としては特に制限はないが、(B)成
分中のアルケニル基1molに対して10-1〜l0-8
olの範囲で用いるのが良い。好ましくは10-3〜10
-6molの範囲で用いるのがよい。なぜなら、白金触媒
は高価であるため、できるだけ最小限で利用することが
望ましいが、少なすぎる場合には硬化不良を起こす可能
性があるためである。本発明の(A)、(B)及び
(C)成分を混合すると、室温付近においては良好な貯
蔵安定性を持ち、加熱硬化させれば発泡等の現象を伴う
ことなく深部硬化性に優れた均一な硬化物が得られる。
硬化条件については特に制限はないが、一般に80〜2
00℃、好ましくは100〜150℃で10秒〜4時間
で硬化するのがよい。硬化物の性状は用いる(A)及び
(B)成分の重合体の主鎖骨格や分子量等に依存する
が、ゴム状のものから樹脂状のものまで作製することが
できる。
【0062】硬化物を作製する際には、(A)、(B)
及び(C)の必須3成分の他に、その使用目的に応じて
溶剤、接着性改良剤、物性調整剤、保存安定性改良剤、
可塑剤、充填剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、金属不活
性化剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、アミン系ラジカ
ル連鎖禁止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発
泡剤等の各種添加剤を適宜添加できる。更に、これまで
述ベてきた貯蔵安定性及び潜在性をより高めるために、
貯蔵安定性改良剤を添加しても構わない。貯蔵安定性改
良剤の例としてはエチレン性又は芳香族不飽和アミド、
アセチレン系化合物、エチレン性不飽和イソシアネー
ト、オレフィン系シロキサン及び共役エン−イン類、そ
の他の有機化合物、例えば、過酸化水素、スルホキシ
ド、アミン、ホスフィン、ホスファイト及びニトリル;
及び各種の金属塩を含むものが挙げられる。また、不飽
和炭化水素ジエステル抑制剤、例えばジアリルマレエー
ト又はジエチルマレエート、及びビス−ヒドロカルボノ
キシアルキルマレエート抑制剤、例えばビス(2−メト
キシイソプロピル)マレエートが挙げられる。
【0063】
【発明の効果】本発明の組成物を用いれば、機械特性が
良好で、速硬化性であり、且つ深部硬化性にも優れると
ともに、貯蔵安定性に優れた均一な硬化物を得ることが
できる。すなわち、常温においては液状で保存安定性、
相溶性、取り扱い性に優れ、高温においては速硬化性、
深部硬化性に優れ、更に硬化後は引張特性、強度等の機
械的特性にも優れた硬化物となる、潜在性を持つ硬化性
樹脂組成物を得ることができる。
【0064】
【実施例】当業者が一層容易に本発明を実施できるよう
にするために、以下に実施例を限定のためでなく例示と
して示す。「部」はすべて重量部である。 製造例1:還流コンデンサー、滴下ロート、攪拌装置の
取り付けられたフラスコに重炭酸ナトリウム1.41
部、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−
テトラビニルシクロテトラシロキサン3.70部を入れ
た。室温、窒素気流下で攪拌しながら塩化白金酸H2Pt
Cl6・6H2O l.0部をエタノール2.0部に溶解
したものを滴下した。滴下後すぐにオイルバスで70℃
に加熱し攪拌を続けた。1時間後、室温に冷却した。攪
拌しながら真空ポンプで減圧にし低沸点成分を留去し
た。キシレンを少量加え、ろ過した。キシレンをさらに
加え、全量で20.0部にした。無色から淡黄色にかけ
ての透明溶液が得られた。
【0065】比較例1:Karstedtの特開昭46−287
95号公報の実施例7の手順に従った。適当な容器に
1.41部の重炭酸ナトリウム、sym−テトラメチル
ジビニルシロキサン4部を入れた。容器内の空気を乾燥
窒素で置換し、塩化白金酸H2PtCl6・6H2O l.
0部をエタノール2.0部に溶解したものを室温でかき
まぜながら加えた。混合物を乾燥窒素中で70℃で1時
間加熱した。室温に冷却した後、攪拌しながら真空ポン
プで減圧にし低沸点成分を留去した。キシレンを少量加
え、ろ過した。キシレンをさらに加え、全量で20.0
部にした。無色から淡黄色にかけての透明溶液が得られ
た。
【0066】製造例2:攪拌可能な2リットルのガラス
製反応容器中に1,3,5,7−テトラメチルシクロテ
トラシロキサン500g(2.08mol)、トルエン
600g、ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(8.0×1
-7mol)を入れ、窒素下80℃に加熱した。十分な
攪拌を加えながら1,9−デカジエン28.7g(0.
208mol)とトルエン58gの混合物を1時間かけ
て添加した。全量添加後、ガスクロマトグラフィーで
1,9−デカジエンの残存量を定量し、消失するまで8
0℃で攪拌を続けた。反応混合物を濃縮し、残留物とし
てll0gのSi−H基含有硬化剤を得た。この生成物
はGPC分析により、下記式の構造を有する化合物が主
生成物であることが解った。また、既述の各種分析によ
りこの生成物のSi−H基含量は0.967mo1/1
00gであることがわかった。
【0067】
【化31】
【0068】製造例3:特開昭53−134095号公
報に開示された方法に従って、末端にアリル型オレフィ
ン基を有するポリオキシプロピレンを合成した。平均分
子量3000であるポリオキシプロピレングリコールと
粉末苛性ソーダを60℃で攪拌し、ブロモクロロメタン
を加えて反応を行い、分子量を増大させた。次に、アリ
ルクロライドを加えて、ll0℃で末端をアリルエーテ
ル化した。これをケイ酸アルミニウムにより処理して、
精製末端アリルエーテル化ポリオキシプロピレンを合成
した。このポリエーテルの平均分子量は8300であ
り、ヨウ素価から末端の90%がオレフィン基(0.0
215mol/l00g)であった。E型粘度系による
粘度は135ポイズ(40℃)であった。
【0069】製造例4:特開昭63−105005号公
報に開示された方法を参考にして、末端にアリル型オレ
フィン基を有するポリイソブチレンを合成した。メカニ
カルスターラーを備えた5リットル耐圧容器を十分に乾
燥、窒素置換した後、モレキュラーシーブス3Aで予め
脱水した塩化メチレン1040ml、n−へキサン69
4ml、1,4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベン
ゼン(以下、p−DCCと略)2.89g、2−メチル
ピリジン0.23gを仕込んだ。容器を−50℃に冷却
し、別容器に計量したイソブチレンモノマー145ml
をここに移送した。三方コックを通じて窒素ガスを少量
ずつ流しながら、乾燥したシリンジを用いて四塩化チタ
ンll.9gを加え重合を開始した。35分後にアリル
トリメチルシラン5.7lgを添加した。そのまま攪拌
を継続し、60分後にイオン交換水と混合し、更にイオ
ン交換水で2回洗浄しイオン性不純物を除いた。100
℃で1時間かけて揮発分を留去しポリマーを得た。 1
−NMRスペクトルにおいて末端の炭素−炭素二重結合
の導入量を計算した。 数平均分子量 :8500 分子量分布 :1.3 末端オレフィン数(一分子中):2.02(0.023
8mol/l00g)
【0070】参考例1:製造例1で得られた白金錯体と
比較例1で得られた白金錯体とをそれぞれ2mlとり、
5mlスクリューキャップ付きガラス瓶に入れ密栓し
た。それらを80℃のオーブンに入れ放置した。比較例
1のものは1時間程度で白金が析出し全体が黒色になっ
たが、製造例1のものは1日経過後も特に変化はなかっ
た。 実施例1:製造例3で合成されたアリル型オレフィン基
を有するポリオキシプロピレン25gに対し、製造例2
で合成されたオルガノポリシロキサン系硬化剤0.56
g(アリル基とSi−H基は等量)、ジメチルマレート
0.0l0mlを加え、よく混合したものをマスターバ
ッチとする。これより4gづつ量り取ったものに、製造
例1で得られた白金錯体と比較例1で得られた白金錯体
とをそれぞれ5.2μl入れ、よく混練した。該混合物
の一部をゲル化試験器(日新科学(株)製)の上に採
り、所定温度でスナップアップタイム(ゴム弾性になる
までの時間)を測定した。結果を表1に示す。100℃
における安定が高まり、150℃では十分な硬化性を持
つことがわかる。
【0071】
【表1】
【0072】実施例2:製造例3で合成されたアリル型
オレフィン基を有するポリオキシプロピレン25gに対
し、製造例2で合成されたオルガノポリシロキサン系硬
化剤0.56g(アリル基とSi−H基は等量)を加
え、よく混合したものをマスターバッチとする。これよ
り4gづつ量り取ったものに、製造例1で得られた白金
錯体と比較例1で得られた白金錯体とをそれぞれ5.2
μl入れ、よく混練した。この時点で比較例1で得られ
た白金錯体を加えたものは室温においてゲル化を起こし
た。製造例1で得られた白金錯体を加えたものについて
所定温度でスナップアップタイムを測定した。結果を表
2及び図1に示す。
【0073】
【表2】
【0074】実施例3:製造例4で合成されたアリル型
オレフィン基を有するポリイソブチレン25gに対し、
製造例2で合成されたオルガノポリシロキサン系硬化剤
0.62g(アリル基とSi−H基は等量)、ジメチル
マレート0.010mlを加え、よく混合したものをマ
スターバッチとする。これより4gづつ量り取ったもの
に、製造例1で得られた白金錯体と比較例1で得られた
白金錯体とをそれぞれ5.2μl入れ、よく混練した。
該混合物の一部を採り、所定温度でスナップアップタイ
ムを測定した。結果を表3に示す。実施例1と同様、1
00℃における安定が高まり、150℃では十分な硬化
性を持つことがわかる。
【0075】
【表3】
【0076】実施例4:製造例4で合成されたアリル型
オレフィン基を有するポリイソブチレン25gに対し、
製造例2で合成されたオルガノポリシロキサン系硬化剤
0.62g(アリル基とSi−H基は等量)を加え、よ
く混合したものをマスターバッチとする。これより4g
づつ量り取ったものに、製造例1で得られた白金錯体と
比較例1で得られた白金錯体とをそれぞれ5.2μl入
れ、よく混練した。この時点で比較例1で得られた白金
錯体を加えたものは室温においてゲル化を起こした。製
造例1で得られた白金錯体を加えたものについて所定温
度でスナップアップタイムを測定した。結果を表4及び
図2に示す。
【0077】
【表4】
【0078】実施例5:実施例1、2、3、4のマスタ
ーバッチを室温で7日間放置した。いずれも外観に変化
はなく、ほとんど粘度の上昇もみられなかった。スナッ
プアップタイムも変化しなかった。 実施例6:実施例1、2、3、4のマスターバッチをそ
れぞれ該組成物を厚さ約2mmの型枠に流し込み、減圧
乾燥機中で室温で1時間脱泡した。その後、100℃で
一時間加熱して硬化物を得た。該硬化物のシートからJ
ISK6301に準拠した3号ダンベルを打ち抜き、引
っ張り速度200mm/分の引張試験に供した。得られ
た分析結果を表5に示す。
【0079】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2の硬化性組成物の温度とスナップアッ
プタイムとの関係を示すグラフである。
【図2】実施例4の硬化性組成物の温度とスナップアッ
プタイムとの関係を示すグラフである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A)、(B)及び(C)を
    必須成分として含有してなる硬化性樹脂組成物; (A)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有
    する、重合体でない有機系硬化剤、(B)分子中に少な
    くとも1個のアルケニル基を含有する有機重合体、
    (C)少なくとも白金と、次式: 【化1】 (式中のR1、R2、R3は炭化水素基であり、nは3か
    ら10の整数であり、mは0から10の整数である)で
    表される環状オルガノシロキサンの少なくとも1種とか
    らなる白金−シロキサン錯体触媒。
  2. 【請求項2】 (C)成分中のR1、R2、R3がメチル
    基を示すものである、請求項1記載の硬化性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 (C)成分中のnが4、mが0である請
    求項1または2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分中のヒドロシリル基と、
    (B)成分中のアルケニル基との比率がモル比で0.2
    〜5.0である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬
    化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A)成分が 【化2】 で示される基の少なくとも1種を有する化合物である請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (A)成分が、分子中に少なくとも1個
    のアルケニル基を有する式(1)〜(4)からなる群よ
    り選ばれる有機化合物(D)成分と、 〔CH2=C(R4)−R5−O〕a6 (1) 〔CH2=C(R4)−R5−C(=O)〕a7 (2) 〔CH2=C(R4)〕a8 (3) 〔CH2=C(R4)−R5−C(=O)O〕a9 (4) {式(1)〜(4)中、R4は水素またはメチル基。R5
    は炭素数0〜18の炭化水素基で1個以上のエーテル結
    合を含有していてもよい。R6 ,R7,R9は炭素数1〜
    30の1〜4価の有機基。R8は炭素数1〜50の1〜
    4価の炭化水素基。aは1〜4から選ばれる整数。}式
    (5) 【化3】 で表される多価ハイドロジェンシリコン化合物(E)成
    分とを、ヒドロシリル化触媒の存在下に、反応後もヒド
    ロシリル基が残存するようにして製造したことを特徴と
    する化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (D)成分としてCH2=CH(CH2
    6CH=CH2を、(E)成分として次式 【化4】 の化合物を用いて製造される 【化5】 (n2=0〜2)で表される1種またはそれ以上からな
    る(A)成分を用いた請求項6記載の硬化性樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】 (B)成分のアルケニル基含有の有機重
    合体の分子量が500〜50000である請求項1〜7
    のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 (B)成分の重合体のアルケニル基が式 【化6】 (R4は水素又はメチル基)で示される基である請求項
    1〜8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 (B)成分が末端にアルケニル基を含
    有するポリプロピレングリコールである請求項1〜9の
    いずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 (B)成分が末端にアルケニル基を含
    有するイソブチレン系重合体である請求項1〜9のいず
    れか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
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