JP2000073034A - ポリオレフィン組成物 - Google Patents

ポリオレフィン組成物

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JP2000073034A
JP2000073034A JP11241565A JP24156599A JP2000073034A JP 2000073034 A JP2000073034 A JP 2000073034A JP 11241565 A JP11241565 A JP 11241565A JP 24156599 A JP24156599 A JP 24156599A JP 2000073034 A JP2000073034 A JP 2000073034A
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Qian Jane Feng
キアン ジェーン フェン
Kenneth Michael Lee
マイケル リー ケネス
Michael Andrew Lutz
アンドリュー ルッツ マイケル
Michael James Owen
ジェームズ オーエン マイケル
Susan Victoria Perz
ビクトリア パーツ スーザン
Toshio Suzuki
スズキ トシオ
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/54Silicon-containing compounds
    • C08K5/541Silicon-containing compounds containing oxygen
    • C08K5/5415Silicon-containing compounds containing oxygen containing at least one Si—O bond
    • C08K5/5419Silicon-containing compounds containing oxygen containing at least one Si—O bond containing at least one Si—C bond

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機基材及び有機基材に対する優れた接着性
を示すポリオレフィン組成物を提供すること。 【解決手段】 A.少なくとも1種のオレフィンから誘
導された繰返し単位及びポリオレフィンを架橋させるこ
とのできる官能基を含む少なくとも1種のポリオレフィ
ン;並びに B.前記ポリオレフィンのための有効量の接着促進剤;
を含む、無機基材及び有機基材上で硬化した場合にその
無機基材及び有機基材に対する接着性を示すポリオレフ
ィン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の種類の有機
ケイ素化合物を含んで、種々の基材、特にガラス及び金
属に対する強い結合を達成するポリオレフィン組成物に
関する。前記ポリオレフィンは、その後に反応してポリ
マーを架橋させる官能基を含む。
【0002】
【従来の技術】米国特許第5,397,648号明細書
には、自動車用マスキングテープのための感圧性組成物
が開示されている。この組成物は、加水分解可能な又は
縮合可能なシリル基を含む湿分硬化性α−オレフィンコ
ポリマーを含む。
【0003】米国特許第5,002,808号明細書に
は、ポリオレフィンのモノマー又はオリゴマー前駆体
と、ベンゾシクロブタン基を置換基として含むシラン接
着助剤とをブレンドすることが教示されている。モノマ
ー又はオリゴマーは好ましくはそれらの基を含む。
【0004】米国特許第4,981,728号明細書に
は、プライマーを使用して硬化性有機ポリマー組成物を
表面に結合させる方法が記載されている。その硬化性組
成物は、1)SiX単位(XはOH又は加水分解可能な
基である)を含む有機ポリマー、2)エポキシ樹脂、
3)前記エポキシ樹脂のための硬化剤、及び4)前記有
機ポリマーのための硬化剤を含む。前記プライマーは、
Siに結合しているOH又は加水分解可能な基を含むビ
ニルポリマーであって、a)ビニル含有ポリマー、好ま
しくはポリ(メタ)アクリレートと、b)ケイ素に結合
している水素及び加水分解可能な基を含むシラン又はシ
ロキサン、の反応生成物である。
【0005】米国特許第3,424,376号及び第
3,644,315号は、OH又は加水分解可能な基に
結合しているケイ素原子を少なくとも1つ含む炭化水素
系ポリマーを含むガラス用シーラントを提供するもので
ある。
【0006】米国特許第4,975,488号には、
1)少なくとも1つのケイ素原子が加水分解可能な基に
結合しているビニルポリマーと、2)少なくとも1つの
OH又は加水分解可能な基を含むシラン又はジシランと
を含む組成物がクレームされている。
【0007】特開平1−9204号公報には、少なくと
も1つの二重結合又は他のSiH反応性基を含む有機ポ
リマーとオルガノハイドロジェンシラン又はオルガノハ
イドロジェンシロキサンとを反応させることが示されて
いる。
【0008】ヨーロッパ特許出願公開第286,218
号明細書には、酸基又は酸基の前駆体と縮合可能なケイ
素含有基を含む有機ポリマーである接着促進剤が示唆さ
れている。
【0009】米国特許第4,518,726号明細書に
は、ケイ素に結合している加水分解可能な基を少なくと
も1つ有するビニルポリマーを含む金属含有ペイント組
成物が記載されている。金属粉末を懸濁状態に保つため
にシラン含有カップリング剤が好ましくは存在する。
【0010】先行技術文献に記載されている接着促進剤
は典型的には少なくとも2つの官能基を含む。
【0011】米国特許第5,223,006号、第5,
339,738号及び第5,532,298号は、加水
分解可能な基とアクリレート又はメタクリレート基を含
む重合性シランを提供するものである。この化合物は、
加水分解可能な基及びイソシアネート基を含むシラン
と、少なくとも1つのC=C基を含むヒドロキシル置換
又はアミノ置換化合物とを反応させることにより調製さ
れる。
【0012】米国特許第4,659,851号、第4,
719,262号及び第4,906,686号には、不
飽和アルコールと接着促進剤としてのアルコキシシラン
との反応生成物が記載されている。
【0013】アルキルオルトシリケートと飽和多価アル
コールの反応生成物が先行技術文献に記載されている。
【0014】米国特許第2,349,338号に係る発
明は、熱媒液用の腐蝕防止剤として1価及び多価アルコ
ールのケイ酸エステルの加水分解生成物、例えば種々の
グリコール及びグリセロールケイ酸エステル誘導体の加
水分解生成物を使用する。
【0015】米国特許第2,776,307号明細書に
は、一般式:(R1 O)3 Si(XR2 n OSi(O
3 3 (式中、R1 及びR3 は1〜16個の炭素原子
を含む飽和脂肪族炭化水素基であり、R2 はエチレン又
はプロピレンであり、Xは酸素であり、nは2,3又は
4の値である)で表される有機ケイ素エステルがクレー
ムされている。この化合物は圧媒液及び滑剤として使用
される。
【0016】米国特許第2,630,446号明細書に
は、テトラアルキルシリケートと多価アルコールから調
製される高分子シリケートを、可塑剤、滑剤及び圧媒液
添加剤として使用することが教示されている。
【0017】H.G. Emblem 及びK. Hargreaves は、"The
Preparation of Alkoxysilanes from Glycols and Gly
col Monoethers," J. Inorg. Nucl. Chem., Vol. 30
(3), p. 721, 1968 の中で、そのような化合物を調製す
るのに有用な種々の反応を報告している。
【0018】ヨーロッパ特許出願公開第0,450,8
75号明細書には、オルトケイ酸の新規なエステルを調
製するためのエステル交換法が記載されている。開示さ
れているエステルの中には、多価アルコールから誘導さ
れたものがある。
【0019】米国特許第3,029,269号明細書に
は、一般式:(RO)3 SiOCR’2 (CH2 n
R’2 −OSi(OR)3 (式中、nは0〜16の値で
あり、R’はH又は低級脂肪族基であり、Rは1〜16
個の炭素原子を含む飽和脂肪族基である)により表され
る化合物が記載されている。この化合物について提案さ
れている用途には、圧媒液としての使用と、低い流動
点、良好な粘度及び粘度指数等の特性並びに加水分解安
定性を必要とする他の用途がある。
【0020】米国特許第5,424,384号明細書に
は、1)エチレン系不飽和を含まないポリオールと、
2)各ケイ素原子に結合しているアルコキシ基を少なく
とも3つ含むシラン又はビスシリルアルカン、の反応生
成物である接着促進剤を含む硬化性オルガノポリシロキ
サン組成物が開示されている。この明細書には、開示さ
れている接着促進剤をポリオレフィン用の接着促進剤と
して使用することを示唆する教示はない。
【0021】特開平9−316293号公報には、ヒド
ロシリル化反応により硬化可能な飽和炭化水素ポリマー
が記載されている。このポリマーは、それらの接着性を
向上させるためのシランカップリング剤を含む。開示さ
れている接着促進剤の1つにグリシドキシプロピルトリ
メトキシシランがある。この公報には、アルコキシ基が
多価アルコールから誘導されたものであるアルコキシシ
ランである接着促進剤は記載も示唆もされていない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ポリオレフィンの性質
は、種々の最終用途、特に建設業界、包装業界、自動車
業界及び消費者市場にとって望ましい。これらのポリマ
ーを含む組成物は、ペーパーラベル用及びシーリングタ
イヤ用の感圧接着剤として並びにシングルプライルーフ
ィングの集成用の接着剤として有用である。最近、硬化
性ポリオレフィン組成物を使用する一般の傾向がある。
これらの硬化性組成物の1つの利点は、適用し硬化させ
た後に溶剤型接着剤の性質に類似する性質を示す流動性
無溶剤型組成物を調製できることである。
【0023】ポリオレフィン組成物、特に白金族金属に
より触媒されるヒドロシリル化反応によって硬化したも
のの欠点は、時間及び温度に関して工業的に実現可能な
条件のもとで硬化させた後に、種々の基材、特にガラス
及び特定の金属に対する強い接着性を発現できないこと
にある。この欠点を改善するための1つの方法は、ケイ
素に結合している加水分解可能な基を複数有するととも
に少なくとも1個の炭素原子を介してケイ素に結合して
いる少なくとも1個の有機官能置換基を有する1種以上
のシラン及び/又はオルガノポリシロキサンを含むプラ
イマー組成物又は接着促進剤を使用することによるもの
である。プライマー組成物は、硬化性組成物の適用前
に、接着が望ましい基材に適用される。接着促進剤は硬
化性組成物中に追加の構成成分として存在する。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、硬化性ポリオ
レフィン組成物中に存在する場合に、その組成物の硬化
中に硬化したその組成物と種々の基材の間に強い凝集結
合を生じる一群の有機ケイ素化合物を提供する。
【0025】この有機ケイ素化合物は特定の群のヒドロ
カルビルオキシ置換有機ケイ素化合物及びそれらの縮合
生成物である。各ケイ素原子上に存在する少なくとも1
つのヒドロカルビルオキシ基は、1分子当たり少なくと
も2つのヒドロキシル基を含むアルコールから誘導され
る。
【0026】本発明は、 A.(1)少なくとも1種のオレフィンから誘導された
繰返し単位及び(2)反応してポリオレフィンを架橋さ
せることのできる官能基を含む少なくとも1種のポリオ
レフィン;並びに B.前記ポリオレフィンのための接着促進剤;を含み、
前記接着促進剤が各ケイ素原子上に存在する少なくとも
1つのヒドロカルビルオキシ基が実質的にエチレン系不
飽和を含まない多価アルコールの残基であるヒドロカル
ビルオキシ置換有機ケイ素化合物又はそれらの縮合生成
物から選ばれる少なくとも1つの員である、種々の無機
基材及び種々の選ばれた有機基材に対して接着性を示す
ポリオレフィン組成物を提供する。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明に係る接着促進剤は好まし
くは、(B1)一般式:R1 (OH)m により表される
多価アルコールと、(B2)一般式:R2 n SiX
(4-n) により表されるシラン又は一般式:X3 SiR3
SiX3 により表されるビスシリルアルカン(式中、R
1 は実質的にエチレン系不飽和を含まない価数がm(m
は少なくとも2の整数である)の炭化水素基又はアルコ
キシ置換炭化水素基であり、R2 は非置換炭化水素基又
はCH2 =CH−、アクリロキシ、メタクリロキシ、エ
ポキシ、カルボキシ、アミノ、アミド、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、
【化2】 若しくはメルカプトから選ばれる少なくとも1つの置換
基を含む炭化水素基から選ばれ、R3 はアルキレンであ
り、R4 は3価炭化水素基であり、Xは加水分解可能な
基であり、nは0又は1の値である)から選ばれる少な
くとも1種の有機ケイ素化合物を含む構成成分間の反応
生成物であり、前記有機ケイ素化合物は前記有機ケイ素
化合物と前記多価アルコールの合計重量の10〜90
%、好ましくは30〜70%を構成する。
【0028】本明細書において「硬化」なる用語は、硬
化剤による本発明の組成物のポリオレフィン(以下、構
成成分Aと呼ぶ)に存在する基の反応によって、液体又
は半固体組成物を、架橋ゲル、エラストマー又は樹脂状
材料に転化させることを意味する。
【0029】これらの種類の組成物に関して先行技術文
献に記載されている反応のいずれかを使用することによ
り硬化するポリオレフィン組成物に、前記接着促進剤を
使用することができる。
【0030】本発明の組成物のポリオレフィン構成成分
を硬化させるのに使用される反応としては、例えば、 1)ケイ素に結合している水素原子とポリオレフィンに
存在するアルケニル基又はシラノール基との白金触媒型
反応; 2)大気水分の存在下でのポリマーに存在するケイ素に
結合している加水分解可能な基の反応; 3)適切な触媒の存在下でのケイ素に結合している加水
分解可能な基とシラノール基との反応; 4)酸素と適切な触媒、典型的にはコバルトセンのよう
なキレート化有機金属化合物の存在下でのメルカプト基
同士の反応; 5)適切な触媒の存在下でのエポキシ基と酸無水物基又
はアミン基との反応; 6)典型的にはフェロセンのようなキレート化有機金属
化合物のカルボン酸金属塩である触媒の存在下でのメル
カプト基とアルケニル基との反応; 7)光感受性化合物に紫外線を照射することによって形
成される遊離基又はカチオンによるポリオレフィンに存
在する基が関与する反応;並びに 8)電子ビーム中に存在するものような高エネルギー粒
子により開始されるポリオレフィンに存在する基が関与
する反応;が挙げられる。
【0031】好ましい硬化反応としては、例えば 1)白金又は白金化合物を触媒として使用するポリオレ
フィンに存在するアリルのようなアルケニル基とオルガ
ノハイドロジェンシロキサンとの反応; 2)ヒドロシリル化反応に対して使用されるものと同じ
触媒、錫化合物又はアミン、特にヒドロキシルアミンの
存在下でのポリオレフィンに存在するシラノール基と硬
化剤に存在するケイ素に結合している水素原子との反
応;並びに 3)ポリオレフィンに存在するアクリロキシ、メタクリ
ロキシ、アクリルアミド及びメタクリルアミドのような
エチレン系不飽和基の重合を伴う遊離基反応であって、
遊離基がα−ヒドロキシケトンのような光感受性化合物
の照射により生成される遊離基反応;が挙げられる。
【0032】本発明の接着促進剤は、25〜125℃の
温度で硬化されるポリオレフィン組成物において使用さ
れる場合に特に有効である。
【0033】少なくとも一構成成分である接着促進剤
は、ヒドロカルビルオキシ置換有機ケイ素化合物又はそ
れらの縮合生成物から選ばれる。前記化合物及び縮合生
成物の各ケイ素原子は、実質的にエチレン系不飽和を含
まない多価アルコールのヒドロキシル基のうちの1つに
属する水素原子の脱離から生じる残基であるヒドロカル
ビルオキシ基を少なくとも1つ含む。
【0034】接着促進剤は好ましくは、(B1)実質的
にエチレン系不飽和を含まない多価アルコールと、(B
2)ケイ素に結合している加水分解可能な基を少なくと
も3つ含むシラン及びビスシリルアルカンから選ばれる
少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む構成成分間の
反応生成物である。これらの反応生成物は、米国特許第
5,424,384号(本願出願人と同じ譲受人に一般
譲渡された)明細書において硬化性オルガノシロキサン
組成物のための接着促進剤としてすでに記載されてい
る。
【0035】以下で構成成分B2と呼ぶ有機ケイ素化合
物は、構成成分B2と前記多価アルコール(以下、構成
成分B1と呼ぶ)の合計重量の10〜90%、好ましく
は30〜90%を構成する。前記シランは一般式:R2
n SiX(4-n) により表され、ビスシリルアルカンは一
般式:X3 SiR3 SiX3 により表される。これらの
式において、R2 ,R3 ,X及びnは前記定義の通りで
ある。
【0036】R2 により表される1価炭化水素基は好ま
しくは1〜10個の炭素原子を含み、最も好ましくは1
〜4個の炭素原子を含むアルキルである。
【0037】R2 が置換炭化水素基を表す場合には、そ
の置換基は、CH2 =CH−、アクリロキシ、メタクリ
ロキシ、エポキシ、カルボキシ、アミノ、アミド、アク
リルアミド、メタクリルアミド、
【化3】 (式中、R4 は先に定義した通りの3価炭化水素基であ
る)若しくはメルカプトから選ばれる有機官能基であ
る。R4 は好ましくは1〜4個の炭素原子を含む。
【0038】構成成分B2のXにより表される加水分解
可能な基は好ましくは1〜20個の炭素原子を含むアル
コキシであるか又は3〜8個の炭素原子を含むイソアル
ケニルオキシ基である。
【0039】Xにより表される好ましいアルコキシ基又
はイソアルケニルオキシ基に取って代わってケトキシモ
又はアミノのような他の加水分解可能な基を用いてもよ
い。ただし、それらの代替的な基が本発明のオルガノポ
リシロキサン組成物の硬化又は貯蔵に悪影響を及ぼさな
いものであることを条件とする。
【0040】Xがアルコキシ基を表す場合には、Xは1
〜20個、好ましくは1〜4個の炭素原子を含み、最も
好ましくはメトキシ又はエトキシである。
【0041】Xがイソアルケニルオキシ基である場合に
は、Xは式:−OCR=CR’R”(式中、Rはアルキ
ル基を表し、R’及びR”は水素原子及び炭素原子数が
1〜4又はそれより大きいアルキル基から独立に選ばれ
る)により表される。ただし、前記イソアルケニルオキ
シ基は3〜8個の炭素原子を含むことを条件とする。R
とR’が結合してシクロアルケニル基を形成していても
良い。好ましくは、Rはメチルであり、R’及びR”が
水素であり、イソアルケニルオキシ基はイソプロペニル
オキシである。
【0042】好ましいシランとしては、限定するわけで
はないが、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、テト
ラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケ
ート及びメチルトリイソプロペニルオキシシランが挙げ
られる。
【0043】構成成分B2がビスシリルアルカンである
場合に、R3 は好ましくはメチレン、エチレン、プロピ
レン又はヘキサメチレンである。
【0044】構成成分B2として1種よりも多くの有機
ケイ素化合物が存在する場合には、それらの構成成分の
うちの1つは好ましくはテトラエトキシシラン(テトラ
エチルオルトシリケートとも呼ばれている)のようなテ
トラアルコキシシランであり、第2の有機ケイ素化合物
は好ましくは一般式:R2 Si(OR5 3 (式中、R
5 はアルキル基であり、R2 は置換基として有機官能基
を含む)により表されるシランである。R5 は好ましく
は1〜4個の炭素原子を含む。
【0045】この構成成分に関して前記式:R1 (O
H)m においてR1 により表されるB1の炭化水素又は
アルコキシ置換炭化水素基は線状、環状又は分枝状であ
ることができる。この炭化水素基は好ましくは線状又は
分枝状であり、2〜20個の炭素原子、最も好ましくは
2〜10個の炭素原子を含み、mは好ましくは2〜4の
値である。
【0046】好ましい多価アルコールとしては、限定す
るわけではないが、例えば、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセ
ロール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、2,2,2−トリメチロールプロパン、2,2,
2,2−テトラメチロールプロパン及び1,10−デカ
ンジオールが挙げられる。
【0047】構成成分Bのある好ましい態様は、式:
【0048】
【化4】
【0049】(式中、R1 ,R2 ,X及びmは先に定義
した通りであり、nは0又は1である)により表される
有機ケイ素化合物である。
【0050】式1により表される態様は、多価アルコー
ル1分子当たり構成成分B2から誘導された残基をmモ
ル含み、各ケイ素原子は多価アルコールのたった1つの
残基に結合している。
【0051】式1が構成成分Bの唯一の態様を表すもの
でないことは明らかである。アルコール及びシランの各
々は、接着促進剤の他の構成成分と反応することのでき
る基を少なくとも2つ含む。これらの構成成分の各々の
官能基及びそれらの相対濃度に依存して、線状又は架橋
オリゴマーを形成できる。この理由から、構成成分Bは
典型的には、モノマー化合物とオリゴマー化合物の混合
物である。これらの化学種のうちの1つが通常支配的に
存在する。
【0052】構成成分B中で支配的に存在する化学種
は、限定するわけではないが、例えば構成成分B1に存
在する炭素原子及びヒドロキシル基の数、構成成分B1
と構成成分B2の相対量並びにこれらの構成成分が反応
する条件等の多くの因子に依存する。
【0053】好ましい態様の構成成分Bは、25〜35
℃で流動性である。
【0054】本発明の接着促進剤組成物を調製するのに
使用される反応混合物は、硬化したポリオレフィン組成
物の使用中に経験するであろう種々の条件下で本発明の
接着促進剤の性能を改良することが確認されている種々
の任意構成成分を含むことができる。
【0055】以下で構成成分B3と呼ぶそれらの任意構
成成分のうちの1つは、式:R6 (OH)p (式中、R
6 は価数がpの炭化水素基を表し、CH2 =CH−、ア
クリロキシ、メタクリロキシ、エポキシ、カルボキシ、
アミノ、アミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、
【化5】 (式中、R4 は先に定義した通りである)及びメルカプ
トから選ばれる少なくとも1つの有機官能置換基を含
む)で表される1価又は多価アルコールであり、pは少
なくとも1の整数、好ましくは1、2又は3である。
【0056】構成成分B3に対する構成成分B1の好ま
しいモル比は1:2〜2:1である。この比は好ましく
は、1モルの構成成分B3当たり1モルの構成成分B1
である。特に好ましい態様は、1.4モルの構成成分B
2当たり1モルの構成成分B1と1モルの構成成分B3
を含む。
【0057】構成成分Bを調製するための反応混合物に
含めることができる第2の任意構成成分(B4と呼ぶ)
は、式:R7 q 8 r SiY4-q-r により表されるオル
ガノシランであるか又は繰返し単位が平均的に式:R7
q 8 r s SiO(4-q-r-s )/2 により表されるオルガ
ノポリシロキサンである。
【0058】構成成分B4に関する前記式において、R
7 は非置換1価炭化水素基を表し、R8 は、CH2 =C
H−、アクリロキシ、メタクリロキシ、エポキシ、カル
ボキシ、アミノ、アミド、アクリルアミド、メタクリル
アミド又はメルカプトから選ばれる有機官能置換基を含
む1価炭化水素基を表し、Yはヒドロキシル基又は水の
存在下でヒドロキシルに加水分解する基を表し、qの平
均値は0〜3であり、r及びsの平均値は0よりも大き
く3以下であり、オルガノシランのqとrの和並びにオ
ルガノポリシロキサンのqとrとsの和は3を超えな
い。
【0059】R7 により表される非置換1価炭化水素基
とR8 の炭化水素部分は1〜20個又はそれ以上の炭素
原子を含む。R7 炭化水素基は実質的にエチレン系不飽
和を含まず、メチル、エチル及びプロピルのようなアル
キル基;シクロヘキシルのようなシクロアルキル基;並
びにフェニル、トリル及びベンジルのような芳香族炭化
水素基から選ばれる。R7 は好ましくは1〜5個の炭素
原子を含むアルキルであり、最も好ましくはメチル又は
エチルである。R8 により表される前記炭化水素基は上
記有機官能置換基のうちの少なくとも1つを含む。R8
の炭化水素部分は、メチレン若しくはエチレンのような
アルキレン、シクロヘキシレンのようなシクロアルキレ
ン、又はフェニレン若しくはトリレンのようなアリール
であることができる。
【0060】構成成分B4は、使用される場合には、構
成成分Bを調製するのに使用される有機ケイ素化合物の
好ましくは40〜70重量%を構成する。
【0061】水の存在下又は高湿度環境中での硬化した
ポリオレフィン組成物の接着性が保たれるように、硬化
性組成物に第2の接着促進剤(以下、B5と呼ぶ)を含
めることができる。構成成分B5は、(a)シラノール
及びアルコキシ又はイソアルケニルオキシのような加水
分解可能な基から選ばれるポリオレフィン組成物の硬化
を妨げない第1の反応性基を少なくとも1つ、並びに
(b)硬化反応に関与することのできる第2の反応性基
を少なくとも1つ含むオルガノシラン又はオルガノポリ
シロキサンから選ばれる有機ケイ素化合物である。ヒド
ロシリル化反応により硬化する好ましいポリオレフィン
組成物において、第2の反応性基(b)は、エチレン系
不飽和炭化水素基又はケイ素に結合している水素原子を
含む。
【0062】構成成分B5の好ましい不飽和基は、ビニ
ル、アリル、5−ヘキセニル、10−ウンデセニル、及
び末端位置に炭素−炭素二重結合を含む他の炭化水素基
又は有機官能置換基である。
【0063】本発明のポリオレフィン組成物がヒドロシ
リル化反応により硬化される場合、シランの態様をとっ
た構成成分B5は式:R9 t 10 u Si(OZ)4-t-u
により表され、構成成分B5として有用な好ましいオル
ガノポリシロキサンにおける繰返し単位の少なくとも一
部は式:R9 t 10 u SiO(4-t-u)/2 及び(OZ) v
10 u SiO(4-u-v)/2 により表される。これらの式に
おいて、R9 はヒドロシリル化反応を受けることのでき
る水素又はエチレン系不飽和基を表し、R10は1〜4個
の炭素原子を含む非置換又は置換アルキル基を表し、t
及びvは1,2又は3であり、uは0,1,2又は3で
あり、tとuの和及びuとvの和は3を超えず、OZは
ヒドロキシル、1〜4個の炭素原子を含むアルコキシ、
又はイソアルケニルオキシから選ばれるが、ZがHであ
る場合にvが1であることを条件とする。R10は好まし
くは1〜4個の炭素原子を含むアルキルである。
【0064】ポリオレフィンを硬化させるのに使用され
る反応に関与することのできるシラノール及び/又は加
水分解可能な基及び置換基に加え、構成成分B5は、炭
素を介してこの構成成分のケイ素原子に結合しているエ
ポキシド基のような接着促進作用をもつ反応性基も含む
ことができる。ただし、これらの接着促進作用をもつ基
は本発明のシリコーン組成物の硬化又は貯蔵安定性に悪
影響を及ぼすものであってはならない。有用な接着促進
作用をもつ基としては、限定するわけではないが、例え
ば、CH2 =CH−、アクリロキシ、メタクリロキシ、
エポキシ、カルボキシ、アミノ、アミド、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド及びメルカプトが挙げられる。
【0065】構成成分B5中に存在することのできる好
ましい接着促進作用をもつ基としては、例えば3−グリ
シドキシプロピル及び4−エポキシ−シクロヘキシルエ
チルが挙げられる。
【0066】構成成分B5は、硬化性組成物に含められ
る場合に、ポリオレフィンのための接着促進剤の合計重
量を基準にして10〜90重量%、好ましくは20〜5
0重量%を構成する。
【0067】必須及び任意の有機ケイ素化合物(構成成
分B2及びB4)と必須及び任意の1価及び多価アルコ
ール(構成成分B1及びB3)の間の反応は、これらの
種類の化合物間の交換反応に典型的な条件で行われる。
これらの反応は典型的には不活性な無水雰囲気中、例え
ば窒素雰囲気中、周囲温度から200℃の温度で行わ
れ、触媒が使用されてもよい。適切な触媒としては、限
定するわけではないが、例えば、酸、塩基及び有機チタ
ン化合物が挙げられる。トリフルオロメタンスルホン酸
のようなスルホン酸が好ましい触媒である。
【0068】触媒の重量は、典型的には、全反応物の合
計重量の0.1〜5%を構成する。
【0069】上記式1に対応する化合物を調製すること
が望ましい場合には、反応混合物は1モルの構成成分B
1当たり少なくともmモルの構成成分B2を含む。
【0070】構成成分B2がアルコキシシランである場
合に、この構成成分を調製してそれを多価アルコールと
反応させる前に単離するか、又は同一反応器内で対応す
るクロロシランと望ましい1価アルコールとの反応によ
り構成成分B2を調製し、続いてそれを構成成分B1と
反応させる。
【0071】ケイ素に結合しているアルコキシ基及びイ
ソアルケニルオキシ基の交換を伴う反応によって、元の
ケイ素に結合しているアルコキシ基又はイソアルケニル
オキシ基に対応するアルコール又はケトンが副生成物と
して生成する。これらの反応がしばしば可逆的なため、
反応が進行する際に蒸留によりこの副生成物であるアル
コール又はケトンを除去することが一般的に望ましい。
【0072】アルコール及び/又はケトン副生成物の生
成及び除去を伴う交換反応の経過は、集められた副生成
物の量を測定して容易に追跡される。
【0073】メタノール及びエタノールはアルコールの
うちで沸点が最も低いものであり、本発明に係る接着促
進剤の調製中に最も容易に除去される。従って、前記式
の中でOR4 により表される本発明の接着促進剤のアル
コキシ基がメトキシ又はエトキシであることが好まし
い。同じ理由から、イソアルケニルオキシ基は好ましく
はイソプロペニルオキシである。
【0074】反応物及び触媒は、実質的に完全な反応を
達成するのに十分な時間加熱される。実質的に完全な反
応は、集められた副生成物であるアルコール又はケトン
の量により示される。この時間は典型的には1〜5時間
であり、反応混合物は好ましくは50〜120℃に加熱
される。
【0075】反応物に対する溶剤としても作用しうる液
体希釈剤を反応混合物に含めることが望ましい場合があ
る。適切な希釈剤としては、例えば、周囲温度で液体で
あり、50〜200℃の範囲内で沸騰する脂肪族炭化水
素及び芳香族炭化水素が挙げられる。代表的な希釈剤と
しては、例えば、メタノール、エタノール及びイソプロ
パノールのようなアルコール、ヘキサン及びヘプタンの
ような脂肪族炭化水素、並びにトルエン及びキシレンの
ような液体芳香族炭化水素が挙げられる。
【0076】本発明の接着促進剤は、150℃未満の温
度で白金族金属により触媒されるヒドロシリル化反応に
より硬化するポリオレフィン組成物において特に有用で
ある。この接着促進剤は、シラノールとケイ素に結合し
ているアルコキシ若しくは他のケイ素に結合している加
水分解可能な基の間の縮合反応により又はポリオレフィ
ン組成物を硬化させることに関して先行技術文献に記載
されている反応のうちのいずれかにより、水分が存在す
る周囲条件下で硬化するポリオレフィン組成物において
も有用である。硬化性ポリオレフィン組成物は多数の特
許文献及び技術文献に記載されており、それらのうちの
幾つかは本明細書の先の段落で述べた通りである。
【0077】接着促進剤(構成成分B)の濃度は、望ま
しい基材への硬化した組成物の凝集結合を得るのに十分
なものである。これには、典型的には、硬化性組成物の
重量を基準にして少なくとも1重量%の接着促進剤を必
要とする。2〜6重量%の間の濃度が好ましい。
【0078】望ましい条件で完全に硬化するポリオレフ
ィン組成物の能力及び/又は硬化した組成物の性質は、
接着促進剤の濃度が硬化性組成物の重量を基準にして1
0重量%を超える場合に悪影響を受ける場合がある。
【0079】本発明の目的に対し、凝集結合は、硬化し
たポリオレフィンと基材の間の結合の強さが硬化した材
料の引張強さを超える場合に起こる凝集破壊により特徴
付けられる。典型的な接着試験において、硬化した材料
の少なくとも一部が基材から離れるまで硬化した材料の
層に増加する力を加える。
【0080】凝集破壊は、硬化したポリオレフィン材料
と硬化反応中にポリオレフィン材料が付触していた基材
の間の界面よりもむしろ硬化したポリオレフィン材料の
塊中で起こる。硬化した材料の少なくとも一部が基材に
付着したまま残る。
【0081】本発明の接着促進剤と共に使用するのに適
する好ましい硬化性ポリオレフィン組成物の構成成分を
以下で詳細に説明する。
【0082】本発明の好ましい硬化性組成物の以下で構
成成分Aと呼ぶポリオレフィンはこれらの組成物の基本
構成成分である。ポリオレフィンの分子は、(a)2〜
10個の炭素原子を含む少なくとも1種のオレフィンか
ら誘導された繰返し単位と、(b)ポリオレフィンの硬
化中に反応して架橋した材料を形成する1分子当たり少
なくとも2つの官能基を含む。このポリオレフィンの繰
返し単位は2〜5個の炭素原子を含む。最も好ましくは
繰り返し単位の少なくとも90%はブチレン又はイソブ
チレンである。
【0083】ポリオレフィンの分子構造は本発明にとっ
て重要ではなく、硬化した組成物で望まれる物理的性質
により決定される。本発明の組成物を硬化させることに
より調製されるエラストマー及び他の生成物で有用なレ
ベルの引張特性を達成するために、この構成成分の分子
量は25℃で0.1Pa・sよりも大きい粘度となるの
に十分なものであるべきである。
【0084】ポリオレフィンの分子量の上限に特に制限
はなく、典型的には硬化性組成物の加工性によってのみ
制限される。
【0085】ポリオレフィンの粘度は、流し込み可能な
液体からガム型ポリマーにおよぶことができ、典型的に
はWilliams可塑度により特徴付けられる。
【0086】構成成分Aの好ましい態様は、下記一般式
I,II又はIII:
【0087】
【化6】
【0088】により表されるイソブチレンポリマー又は
コポリマーである。
【0089】これらの式において、R11は3価炭化水素
基を表し、R12及びR13はCH=CH2 基を含む1価炭
化水素基であり、R14は2価オレフィン系不飽和炭化水
素基を表す。y及びwとxの和により表される重合度
は、25℃で測定した場合に少なくとも100センチポ
アズ(0.1Pa・s)、好ましくは0.1〜1000
Pa・sの粘度を与えるのに十分なものである。
【0090】本発明の組成物は、先行技術文献に記載さ
れている種々の反応により硬化して架橋生成物を形成す
ることができる。好ましい反応としては、限定するわけ
ではないが、例えば、水のような活性化剤及び高エネル
ギー電子ビームによるポリオレフィンに存在する基の反
応;有機過酸化物及び紫外線の存在下で遊離基を生成す
る化合物のような遊離基供給源によるポリオレフィンに
存在する基の反応;ポリオレフィンに存在する基と、ポ
リオレフィンを硬化させることが望ましい場合に加えら
れる硬化剤に存在する基との反応、が挙げられる。ポリ
オレフィンと硬化剤の間の反応は、ケイ素に結合してい
る水素原子とエチレン系不飽和官能基との反応に必要と
される白金触媒のような触媒の存在も必要とする場合が
ある。
【0091】ポリオレフィンを硬化させるための好まし
い反応は、エチレン系不飽和基とケイ素に結合している
水素原子の間のヒドロシリル化反応である。
【0092】ポリオレフィンは好ましくは、ケイ素に結
合しているアルケニル基を各分子中に少なくとも2つ含
む。適切なアルケニル基は2〜10個の炭素原子を含
み、そのようなものとしては、限定するわけではない
が、ビニル、アリル及び5−ヘキセニルが例示される。
【0093】本発明の組成物のポリオレフィン(構成成
分A)は好ましくは少なくとも2つのエチレン系不飽和
炭化水素基を含み、ケイ素に結合している水素原子を1
分子当たり少なくとも2つ含む少なくとも1種のオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンにより組成物を反応さ
せることにより硬化する。この反応はヒドロシリル化と
して周知であり、ヒドロシリル化触媒の存在下で行われ
る。ヒドロシリル化触媒は典型的には白金族金属及びそ
れらの金属の化合物である。
【0094】好ましくは、1種より多いオルガノハイド
ロジェンポリシロキサンが使用される場合には、それら
のオルガノハイドロジェンポリシロキサンのうちの1つ
はメチルハイドロジェンシロキサン単位とジメチルシロ
キサン単位から実質的になる共重合体であり、第2のオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンはメチルハイドロ
ジェンシロキサン単位と2種のジオルガノシロキサン単
位から実質的になる共重合体である。ジオルガノシロキ
サン単位の1つの種類はジメチルシロキサンであり、第
2の種類は一般式:(CH3 )(Cz 2z+1)SiO
(式中、zの値は10〜20である)で表されるもので
ある。最も好ましくは、ジオルガノシロキサン単位の総
数は共重合体中のメチルハイドロジェンシロキサン単位
の数にほぼ等しい。ここで「ほぼ等しい」なる表現は、
数字上の差が+10単位以内であることを意味する。
【0095】ポリオレフィンが1分子当たりたった2つ
だけのアルケニル基を含む場合に、最終的な硬化生成物
において架橋構造が得られるように、硬化剤はケイ素に
結合している水素原子を平均して2つよりも多く含んで
いなくてはならない。
【0096】オルガノハイドロジェンポリシロキサン中
の有機基は好ましくは実質的にエチレン系又はアセチレ
ン系不飽和を含まない。オルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンの分子構造は直鎖であることも、枝分かれを含
む直鎖であることも、環状であることも、網状であるこ
ともできる。
【0097】好ましい種類のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンの分子量に特に制限はないが、25℃で3
〜10,000センチポアズ(0.003〜10Pa・
s)の範囲内の粘度が好ましい。
【0098】オルガノハイドロジェンポリシロキサンの
濃度は、硬化性組成物中のアルケニル基に対するケイ素
に結合している水素原子のモル比が0.4〜20となる
のに十分なものである。0.4〜4の範囲が好ましい。
【0099】硬化性組成物が、ケイ素に結合している水
素原子をアルケニル基1モル当たり0.4モル未満含む
場合には、硬化に続いて望ましい物理的性質を得ること
ができない場合がある。硬化した製品の物理的特性は、
アルケニル基1モルに対するケイ素に結合している水素
原子のモル比が20を超える場合に、経時的に変化する
場合がある。
【0100】オルガノハイドロジェンポリシロキサンと
エチレン系不飽和基の間の反応は、周期表の白金族に属
する金属及びそれらの金属の化合物により触媒される。
この金属としては、例えば、白金、パラジウム及びロジ
ウムが挙げられる。ヒドロシリル化反応におけるそれら
の高い活性レベルに基づいて白金化合物が好ましい。
【0101】好ましい硬化触媒の例には、限定するわけ
ではないが、白金黒、種々の固体担体に担持された白金
金属、クロロ白金酸、クロロ白金酸のアルコール溶液、
並びにクロロ白金酸と液状のエチレン系不飽和化合物、
例えばオレフィン及びケイ素に結合しているエチレン系
不飽和炭化水素基を含むオルガノポリシロキサンとの錯
体が挙げられる。クロロ白金酸と、エチレン系不飽和炭
化水素基を含む上記オルガノポリロシロキサンとの錯体
は米国特許第3,419,593号明細書に記載されて
いる。
【0102】本発明の組成物中のヒドロシリル化触媒の
濃度は構成成分Aと構成成分Bの合計重量100万部当
たり0.1〜500重量部(構成成分Aと構成成分Bの
合計重量を基準にして0.1〜500ppm)、好まし
くは1〜50重量部(1〜50ppm)の白金金属が存
在する白金濃度に等しい。
【0103】0.1ppm未満の白金濃度では硬化は満
足のいくように進行せず、一方、500ppmよりも高
い白金濃度では硬化速度に有意な増加はもたらされない
ため経済的でない。
【0104】上記ポリオレフィン、接着促進剤、オルガ
ノハイドロジェンポリシロキサン及びヒドロシリル化触
媒の混合物は周囲温度で硬化を開始できる。より長い
「可使時間」を得るために、適切な抑制剤の添加により
周囲条件下での触媒の活性を阻害又は抑制することがで
きる。
【0105】周知の白金触媒抑制剤としては、例えば、
米国特許第3,445,420号明細書に開示されてい
るアセチレン系化合物が挙げられる。2−メチル−3−
ブチン−2−オールのようなアセチレン系アルコール
は、25℃で白金含有触媒の活性を抑制する好ましい種
類の抑制剤を構成する。これらの触媒抑制剤を含む組成
物は典型的には、実際的な速度で硬化させるために70
℃以上の温度での加熱を必要とする。
【0106】周囲条件下での硬化性組成物の可使時間を
長くすることが望ましい場合には、これは米国特許第
3,989,667号明細書に記載されている種類のア
ルケニル置換シロキサンを使用して達成される。環状メ
チルビニルシロキサンが好ましい。
【0107】白金1モル当たり1モル程度の低い抑制剤
濃度は、ある場合に十分満足のいく貯蔵安定性及び硬化
速度を与える。他の状況では、白金1モル当たり500
モル以下又はそれよりも多くの抑制剤濃度が必要な場合
がある。所定の組成物で優れた接着性を与える抑制剤の
種類及び濃度は、常套的実験により容易に決定でき、本
発明の一部を構成するものではない。本発明者は、特定
の種類の触媒抑制剤が、別の種類の抑制剤を含む組成物
と比べて、所定の硬化条件で発現した接着度に悪影響を
及ぼす場合があることを認めた。
【0108】本明細書の先の段落で触れたポリオレフィ
ンに存在するエチレン系不飽和炭化水素基及びオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサン硬化剤の代わりに存在す
ることのできる他の種類の官能基としては、例えば、 1)水分の存在下に互いに反応する第1群の官能基; 2)有機過酸化物及び光分解性化合物により生成する遊
離基の存在下に互いに反応する第2群の官能基; 3)前記組成物の構成成分である硬化剤中に存在する第
4群の官能基と反応する第3群の官能基;並びに 4)硬化剤及び硬化触媒が前記組成物の構成成分である
場合に、硬化触媒の存在下に硬化剤中に存在する第6群
の官能基と反応する第5群の官能基;が挙げられる。
【0109】本発明のポリオレフィン組成物は、接着性
に加えて硬化したポリマーの特定の物理的特性を付与若
しくは高めるため又は組成物の加工を容易にするために
この種の組成物中に一般的に存在する1種以上の添加剤
を含むことができる。
【0110】典型的な添加剤には、限定するわけではな
いが、微粉シリカのような強化用充填剤;石英、アルミ
ナ、マイカ及び炭酸カルシウムのような非強化用充填
剤;カーボンブラック及び二酸化チタンのような顔料;
染料;難燃剤並びに熱及び/又は紫外線安定剤が挙げら
れる。
【0111】本発明の組成物は、全ての構成成分を周囲
温度で組み合わせることにより調製できる。この目的に
対し、先行技術文献に記載されている混合技術及び装置
のいずれも使用できる。使用される個々の装置は、構成
成分の粘度及び最終的な硬化性組成物の粘度により決定
される。適切な混合機としては、限定するわけではない
が、例えば、櫂形混合機、ニーダー型混合機、1軸スク
リュー押出機又は2軸スクリュー押出機並びにゴム用2
本ロール及び3本ロール機が挙げられる。
【0112】組成物の早期硬化を防ぐために、混合中に
構成成分を冷却することが望ましい。
【0113】ヒドロシリル化反応により硬化する好まし
い硬化性ポリオレフィン組成物の貯蔵安定性を最大限に
高めるために、これらの組成物は使用されるまで好まし
くは密閉容器内に保存される。高い貯蔵安定性が望まし
い場合には、オルガノハイドロジェンシロキサンと白金
族金属触媒を別々の容器に入れて組成物を2つ以上の容
器に包装できる。
【0114】本発明の組成物を使用して調製される硬化
した材料は、脆い樹脂からエラストマーさらにはゲルに
及ぶ多様な特性をもつことができ、コーティング又は成
形品若しくは押出品のような種々の最終用途において有
用である。充填剤の入れられていない材料は、集積回路
のような壊れやすい電子デバイスをデバイスの動作に有
害な影響を及ぼしうる環境中に存在する湿気及び他の物
質からのダメージを保護するためのゲル及びコーティン
グとして特に有用である。この組成物を、個々のデバイ
ス又は多数のこれらのデバイスとともに他の電子部品を
含む回路板をコーティングすることに使用できる。
【0115】強化用及び/又は非強化用充填剤を含む組
成物は接着剤、封入剤及び注封材料として有用である。
【0116】吹付け、浸漬、流し込み、押出により又は
はけ、ローラー若しくはコーティングバー(coating ba
r )の使用により本発明の組成物を基材に適用できる。
個々の適用法の選択は、少なくとも硬化性組成物の粘度
をある程度勘案して決定される。当該技術分野で周知の
適切な可塑剤又は溶剤を使用して組成物の粘度を減少さ
せることができる。
【0117】以下の実施例により本発明の硬化性組成物
を説明する。特に断らないかぎり、実施例中の全ての部
及び百分率は重量で表されており、粘度は25℃で測定
されたものである。
【0118】
【実施例】次の手順を用いて多価アルコールとアルコキ
シシランの反応生成物を調製した:3つ口丸底ガラス反
応器に84.3部のテトラエチルオルトシリケートを構
成成分B2として入れるともに0.1部のテトラブチル
チタネートを入れた。次に、反応器に、電磁攪拌機、温
度計、滴下漏斗、蒸留ヘッド、凝縮器、ドライアイスに
より冷却された受けフラスコ、ドライアイス冷却式フィ
ンガートラップ及び窒素を反応器に導入するための管を
備え付けた。全てのガラス器具を使用前に120℃で乾
燥させた。15.7部のエチレングリコールを構成成分
B1として滴下漏斗に入れるとともに15.7部のエチ
ルアルコールを滴下漏斗に入れた。
【0119】次に、反応器を乾燥窒素を用いてフラッシ
ュし、内容物を攪拌し、90℃に加熱した。その際に、
多価アルコール溶液を55分間にわたって徐々に添加し
た。反応中を通して窒素流を送り続けた。反応容器内の
当初は黄色であった混合物は、エチレングリコール/エ
チルアルコール混合物の添加によって透明になった。添
加の完了から20分後、窒素流を停止し、その際に反応
器内部を真空に引き、14分間にわたって50mmHgまで
徐々に減圧にし、加熱しながらその減圧度を20分間保
った。得られた反応混合物を周囲温度に放冷し大気圧に
戻した。
【0120】反応器には、69.3gの透明な黄色流体
(以下、接着促進剤(AP)と呼ぶ)が含まれていた。
【0121】例1 1)5000の分子量を示すテレケリックアリル官能ポ
リイソブチレン(Epion (商標)200A;鐘淵化学工業株
式会社)76.9部;2)有機可塑剤(ApolloAmerica
CorporationからKP-32 として入手可能な長鎖炭化水素
油)23.1部;及び二塩化白金とテトラメチルジビニ
ルジシロキサンから形成された錯体の0.1重量%液状
水素化ポリブテン溶液として白金15ppmをブレンド
することにより硬化性ポリイソブチレン配合物を調製し
た。21重量%の白金及び液状水素化ポリブテンを含む
錯体はAmoco Corporation からPanalane(商標)L-14E
(数平均分子量=363)として入手可能である。
【0122】得られた混合物に、互いに異なる2種のオ
ルガノハイドロジェンシロキサンのうちの一方を、ポリ
オレフィン中のアリル基に対するケイ素に結合している
水素原子のモル比が2:1となるのに十分な量で加え
た。使用したオルガノハイドロジェンシロキサンは、M
3 SiO(Me2 SiO)3 (MeHSiO)5 Si
Me3 (架橋剤I)及びMe3 SiO(Me2 SiO)
5 (MeHSiO)10(MeC1633SiO)3 SiM
3 (架橋剤II)であった。架橋剤I及びIIを重量
比1:1で含む混合物も使用した。
【0123】使用した白金触媒抑制剤は、1)環状メチ
ルビニルシロキサン(MVC)(白金に対する抑制剤の
モル比は57:1又は114:1)、又は2)メチルブ
チノール(MB)(白金に対する抑制剤のモル比は6
0:1)であった。
【0124】各ポリオレフィン組成物の一部を接着促進
剤(AP)とブレンドし、次に、引落棒を使用して望ま
しい基材に10ミル(0.25mm)の粘稠液状フィル
ムとしてそれらを適用することにより評価した。コーテ
ィングされた基材を強制空気循環炉内120℃で90分
間加熱することによりコーティングを硬化させ、コーテ
ィングの接着性を評価する前に周囲条件のもと7日間エ
ージングした。
【0125】使用した基材はガラス、圧延アルミニウ
ム、裸アルミニウム及びステンレススチール(SS)で
あった。
【0126】接着試験は、硬化したコーティングを金属
スパチュラの刃で引っ掻いて、表面に残留物を残さずに
コーティングを除去できるかどうかを決定することから
構成された。表面に残留物を残さずにコーティングを除
去できた場合には、コーティングに0の等級を付けた。
若干の残留物が残った場合に、それを指先でこすり、残
留物を除去するのに必要な圧力を求め、次の尺度: 1=低圧力 2=中程度の圧力 3=高圧力 4=コーティングを除去できなかった に従って評価した。
【0127】評価した10種の組成物中に存在する接着
促進剤(AP)の量、触媒抑制剤(Inhib.)の種類及び
量並びに架橋剤(XL)の種類を表1にまとめた。
【0128】
【表1】
【0129】これらの組成物に関する接着性の等級を表
2にまとめた。
【0130】
【表2】
【0131】例2 この例は、構成成分B1としてのエチレングリコール
を、a)テトラエチルオルトシリケート(C2 5 O)
4 Si(構成成分B2の一態様)及び先に構成成分B4
と呼んだ任意の有機ケイ素化合物と反応させることによ
り調製した接着促進剤の調製及び性能を説明するもので
ある。
【0132】以下で接着促進剤2と呼ぶ反応生成物を、
41.47gのアリルトリエトキシシラン(構成成分B
4)、42.27gのテトラエチルオルトシリケート
(構成成分B2)及び0.10gのテトラブチルチタネ
ートを計量して3つ口丸底フラスコに入れることにより
調製した。次に、フラスコを例1のように装備した。滴
下漏斗に、計量した構成成分B1としての16.26g
のエチレングリコールと16.26gエチルアルコール
を入れ、これらの構成成分を混合した。次に、反応混合
物を攪拌し、90℃に加熱し、50分間にわたってエチ
レングリコール/エチルアルコール溶液を徐々に添加し
た。反応フラスコ内の当初は黄色であった混合物は、エ
チレングリコール/エチルアルコール溶液の添加によっ
て無色透明になった。
【0133】90℃での反応混合物の加熱をさらに20
分間続け、その20分間が経過した時点で窒素パージを
停止し、真空に引いた。5分間で圧力を50mmHgに下
げ、その圧力を15分間保った。次に反応混合物を冷却
すると、反応混合物に濁りが生じた。反応器の内容物を
大気圧に戻し、Whatmans #1 フィルターペーパーを通じ
て加圧濾過すると、透明液体として回収された(接着促
進剤2)。
【0134】滴下漏斗、蒸留ヘッド、凝縮器、ドライア
イスにより冷却された受け容器及び窒素パージを備え付
けた乾燥ガラス反応器に61.42部のテトラエチルオ
ルトシリケート及び0.10部のテトラブチルチタネー
トを入れることにより接着促進剤を調製した。
【0135】滴下漏斗に、エチレングリコール5.72
部と、ヒドロキシル含有量が10.1重量%及びビニル
含有量が10.1重量%であるヒドロキシル末端ポリメ
チルビニルシロキサン32.86部(構成成分B4)を
入れた。
【0136】反応器の内容物を窒素流中で攪拌しながら
90℃に加熱し、その際に滴下漏斗の内容物を40分間
にわたって徐々に添加した。添加の完了後に反応混合物
の加熱及び攪拌をさらに23分間続け、その23分間が
経過した時点で反応器に通す窒素流を停止し、反応器を
真空引きした。10分間で圧力を50mmHgまで下げ、そ
の圧力を29分間保った。次に、反応混合物を冷却し、
大気圧に戻した。反応器から75.1gの透明な濃黄色
液状生成物(接着促進剤3)が回収された。
【0137】以下で接着促進剤4と呼ぶ反応生成物を、
例1に記載したように装備したガラス反応器に、29.
49部のテトラエチルオルトシリケート、33.46部
の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(構成
成分B4)及び0.10部のテトラブチルチタネートを
入れることにより調製した。滴下漏斗に、構成成分B4
としてのエチレングリコール5.49部、ヒドロキシル
含有量が10.1重量%及びビニル含有量が10.1重
量%であるヒドロキシル末端ポリメチルビニルシロキサ
ン31.56部を入れた。
【0138】反応器内の混合物を窒素流中で攪拌し、9
0℃に加熱し、その際に滴下漏斗の内容物を44分間に
わたって徐々に添加した。添加の完了後に加熱及び攪拌
をさらに20分間続け(この間窒素流は停止した)、反
応器を真空引きした。6分間で圧力を50mmHgまで下
げ、その圧力を23分間保った。
【0139】反応器の内容物を冷却し、大気圧に戻し、
82.52gの透明な黄褐色液体(接着促進剤4)が得
られた。
【0140】10,000の分子量を示すアリル官能ポ
リイソブチレン(Epion (商標)EP400A)100部を、
100部のPanalane(商標)L-14 E及びWinnofil(商
標)SPM とGeorgia Marble CS-11の2:1混合物から実
質的になる炭酸カルシウム充填剤150部とブレンドす
ることによって、接着促進剤2,3又は4を含む硬化性
ポリイソブチレン組成物を調製した。次に、得られたポ
リマー混合物を例1に記載の架橋剤I、接着促進剤2,
3又は4及び接着触媒としての0.1重量%のテトラブ
チルチタネートとブレンドした。均質になるまでブレン
ドした後、組成物をヒドロシリル化触媒混合物と組み合
わせた。この触媒混合物は、二塩化白金とテトラメチル
ジビニルジシロキサンから形成された錯体の液状水素化
ポリブテン(数平均分子量=363)0.4重量%溶液
であった。この錯体は21重量%の白金を含んでいた。
【0141】ポリイソブチレン、接着促進剤、触媒混合
物及び架橋剤の百分率を表3にまとめた。
【0142】
【表3】
【0143】組成物11,12及び13を、ガラス、裸
アルミニウム、ステンレススチール及びエポキシ−ガラ
ス繊維複合材料(FR-4ボード)に例1に記載したように
適用した。コーティングされた基材を120℃で90分
間加熱することによりコーティングを硬化させた。冷却
し、周囲条件のもとで24時間、3日間及び7日間のエ
ージング後のコーティングされた試料の接着性を評価し
た。例1に記載した手法を用いてコーティングの接着性
を評価した。評価結果を表4にまとめた。
【0144】
【表4】
【0145】表4中のデータを前掲表2中の接着性デー
タと比較すると、本発明の組成物に係る構成成分B4と
呼ぶ任意のシランのうちの1つを使用を使用した場合に
ガラスに対して改良された接着性が得られることが示さ
れる。構成成分B4としてのアリルトリエトキシシラン
の添加も、アルミニウムに対する接着性を改良する。
【0146】例3 この例は、接着性に及ぼす、充填剤入りポリイソブチレ
ン組成物において接着促進剤及び硬化触媒抑制剤の濃度
を変える影響を示すものである。
【0147】10,000の分子量を示すアリル官能ポ
リイソブチレン100部を、100部のPanalane(商
標)L-14 E及びWinnofil(商標)SPM とGeogia Marble
CSの2:1混合物から実質的になる炭酸カルシウム充填
剤150部とブレンドすることによって、充填剤入り硬
化性ポリイソブチレン配合物を調製した。この組成物1
8.2部に、例2に記載の触媒混合物1.0部、0.2
5部の架橋剤I及び0.02部のテトラブチルチタネー
トを加えた。
【0148】得られた組成物の一部を本明細書の例1に
記載の接着促進剤(AP)及びメチルビニル環状物触媒
抑制剤とブレンドして組成物14〜18を形成した。こ
れらの追加の構成成分の量を表5にまとめた。
【0149】
【表5】
【0150】組成物を表4に列挙した基材に適用した。
コーティングを硬化させ、先の例1に記載したように等
級をつけた。これらの組成物に関する接着性の等級を表
6にまとめた。
【0151】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08G 77/442 C08G 77/442 (72)発明者 ケネス マイケル リー アメリカ合衆国,ミシガン 48708,ベイ シティー,トゥエンティーフィフス ス トリート 2417 (72)発明者 マイケル アンドリュー ルッツ アメリカ合衆国,ミシガン 48628,ホー プ,イースト サイコ 408 (72)発明者 マイケル ジェームズ オーエン アメリカ合衆国,ミシガン 48640,ミッ ドランド,ウエスト セント アンドリュ ーズ ロード 1505 (72)発明者 スーザン ビクトリア パーツ アメリカ合衆国,ミシガン 48632,エセ ックスビル,オールド オーチャード 445 (72)発明者 トシオ スズキ アメリカ合衆国,ミシガン 48640,ミッ ドランド,スターリング コート 1209

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A.少なくとも1種のオレフィンから誘
    導された繰返し単位及び反応してポリオレフィンを架橋
    させることのできる官能基を含む少なくとも1種のポリ
    オレフィン;並びに B.前記ポリオレフィンのための有効量の接着促進剤;
    を含む、無機基材及び有機基材上で硬化した場合にその
    無機基材及び有機基材に対して接着性を示すポリオレフ
    ィン組成物であって、前記接着促進剤が、(B1)一般
    式:R1 (OH)m により表される多価アルコールと、
    (B2)一般式:R2 n SiX(4-n) により表されるシ
    ラン又は一般式:X3 SiR3 SiX3 により表される
    ビスシリルアルカン(式中、R1 は実質的にエチレン系
    不飽和を含まない価数がm(mは少なくとも2の整数で
    ある)の炭化水素基又はアルコキシ置換炭化水素基を表
    し、R2 は非置換炭化水素基又はCH2 =CH−、アク
    リロキシ、メタクリロキシ、エポキシ、カルボキシ、ア
    ミノ、アミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、 【化1】 若しくはメルカプトから選ばれる少なくとも1つの置換
    基を含む炭化水素基から選ばれ、R3 はアルキレンであ
    り、R4 は3価炭化水素基であり、Xは加水分解可能な
    基を表し、nは0又は1の値である)から選ばれる少な
    くとも1種の有機ケイ素化合物との1分子当たり少なく
    とも2つのケイ素原子を含む反応生成物であり、前記有
    機ケイ素化合物(B2)が前記多価アルコール(B1)
    と前記有機ケイ素化合物(B2)の合計重量の10〜9
    0%を構成するポリオレフィン組成物。
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