JP5444683B2 - 吸音構造 - Google Patents
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Description
一方、本発明は、管状の吸音構造において、管長に依存しない吸音効果を得ることを目的とするものである。
d=(2n−1)λ/4
を満たす距離dの位置にあり、前記波長λが前記管状体の両端間の長さに依存しないことを特徴とする。
図1は、本発明の第1の実施形態である吸音構造を示す図である。この吸音構造10の外観は、一方(図中右側)の端部が開いた開口端であり、他方(図中左側)の端部が閉じた閉鎖端である管状体である。かかる管状体のことを、ここでは「閉管」という。なお、この閉鎖端には、音響的にほぼ完全反射とみなせる境界条件(剛壁)を想定する。吸音構造10は、閉管たる管状体11を備えるとともに、その内部に抵抗材12を備える。管状体11は、所定の厚さを有する円筒状の部材であり、その内部が中空である。管状体11の材料は、例えば、金属やプラスチックである。抵抗材12は、管状体11の内部の所定の位置に設けられている。抵抗材12の材料は、管状体11の内部の媒質たる気体粒子(空気分子)の運動に対して抵抗となって、その運動を妨げるものであり、例えば、スポンジや発泡材、グラスウール等の多孔質材などである。抵抗材12は、気体粒子の運動エネルギーを熱エネルギーに変換することによって吸音効果を奏する。
dn=(2n−1)λ/4 (1)
抵抗材12は、この距離dnを中心とし、管状体11の長さ(開口端から閉鎖端までの距離)方向に対して有限の厚さを有している。抵抗材12の厚さは、任意であり、波長λや管状体11の長さに応じて適当に定めてよいが、少なくとも粒子速度が零の箇所には存在しない。
ここにおいて、波長λは、管状体11の長さL(管状体11の両端間の長さ)に依存しない。換言すれば、管状体11の長さLは、吸音の対象(目標)である音の波長には依存しない。すなわち、(1)式におけるλ及びdnは、管状体11の長さLではなく、吸音の対象(目標)である音の波長に基づいて設定される。よって、抵抗材12の位置は、図2に示すものに代えて図3(a)に示すようにしてもよいし、図3(b)に示すようにこれらを組み合わせてもよい。したがって、抵抗材12の位置dnは、吸音の対象(目標)である音の波長に基づいて設定される。
図4は、本発明の第2の実施形態である吸音構造を示す図である。この吸音構造20は、両端が開口端である管状体である。かかる管状体のことを、ここでは「開管」という。吸音構造20は、開管たる管状体21を備えるとともに、その内部に抵抗材22を備える。管状体21は、所定の厚さを有する円筒状の部材であり、その内部が中空である。抵抗材22は、管状体21の内部の所定の位置に設けられている。管状体21及び抵抗材12の材料は、第1実施形態のそれと同様である。
管状体21の長さ(一方の開口端から他方の開口端までの距離)は、これをLとすると、次の(2)式を満たす。なお、(2)式において、λは、図5に示した定在波の波長であり、Nは、1以上の整数である。また、δ1及びδ2は、各開口端の開口端補正値であり、図5中の左側をδ1、右側をδ2とするが、両者が同一(すなわちδ1=δ2)であることを妨げない。
L=Nλ/2−(δ1+δ2) (2)
dn=nλ/2−δ1 (3)
なお、本実施形態においては、管状体21の両端に抵抗材22を設けない構成としているが、両端に抵抗材22を設けてもよい。
本発明は、上述した実施形態と異なる形態での実施が可能である。以下に示す変形例は、本発明に適用可能な変形の一例である。なお、これらの変形例は、必要に応じて、各々を適宜に組み合わせて実施されてもよい。また、以下の説明においては、既に説明した構成と共通する構成については、その説明を適宜省略する。
本発明に係る管状体の具体的な形状や構成は、上述したものに限らない。例えば、管状体の断面は、円形でなく、四辺形などであってもよい。また、管状体は、長さ方向について直線的でなくてもよく、中途で屈曲したりしていてもよい。このような場合であっても、吸音対象の音により生じる定在波の粒子速度の腹の位置に第2領域が形成されていれば、所望の効果を得ることができる。
本発明に係る吸音構造は、管状体を複数組み合わせたものであってもよい。この場合において、管状体は、同一のものを複数組み合わせてもよいし、異なるものを組み合わせてもよい。本発明に係る吸音構造は、同一の管状体を組み合わせれば、特定の波長の音をより効率良く吸音することが可能となり、異なる管状体を組み合わせれば、複数の波長の音を吸音することが可能となる。
本発明において、媒質粒子の運動に対する抵抗が他よりも大である領域、すなわち第2領域は、当該領域に抵抗材を設ける方法以外の方法によっても実現可能である。第2領域は、例えば、管状体の内壁面を粗くし、内壁面を気体粒子の運動に対して抵抗として作用させることによっても得られる。また、例えば、管状体の内壁面の形状や管径を変更して、管内の空気に対して抵抗が大きくなる構成としてもよい。
本発明は、第2領域又は抵抗材の位置が可変である構成を採用し得る。かかる構成は、例えば、第2領域又は抵抗材の位置を移動可能にし、又は、種々の位置に第2領域又は抵抗材を設けることを可能にすることで実現される。第2領域又は抵抗材の位置が可変であると、同一の管状体において吸音対象とする音を変化させることが可能となる。また、このようにすれば、管状体を設置した後に吸音特性を変化させることも可能となる。
本例において、抵抗材12は、挿入口17から挿入される。抵抗材12が液状である場合には、挿入口17に抵抗材12の型(かた)となる物(ゴム風船等)を最初に挿入し、液状である抵抗材12をその型に注入して固化させるとよい。なお、型が吸音効果を阻害するおそれがある場合には、抵抗材12が固化した後に除去するのが望ましい。例えば、ゴム風船であれば、固化した後に破裂させれば、これを挿入口17から容易に取り出すことが可能である。
第1部材51及び第2部材52は、これらを適宜に組み合わせて所望の長さの管状体を構成することが可能である。第1部材51と第2部材52とは、結合するための形状や機構を端部に有していてもよいし、接着によって結合させてもよい。
本発明は、上述した吸音構造を備える音響室としても実施可能である。かかる音響室は、例えば、スピーカや防音室などの、楽音の聴取の用に供される物品や構造物である。また、船舶、飛行機、車両等の乗り物の壁面や、浴室や浴槽などの壁面に本発明を適用し、音響室を構成するようにしてもよい。本発明は、特定の周波数の音が騒音として生じるような場所に適用するに好適なものであるため、かかる物品や構造物に用いると、騒音の抑制に一定の効果を奏する。特に、本発明に係る吸音構造のうち、管状体が閉管であるものは、その長さを問わないため、種々の構造物に適用可能であり、また、既存の構造物への適用も比較的容易である。
Claims (2)
- 開口端と閉鎖端とを有し、又は、両端に閉鎖端を有する管状体であって、第1領域と、前記第1領域より媒質粒子の運動に対する抵抗が大である第2領域とを内部に有する管状体と、
前記第2領域に設けられて媒質粒子の運動を妨げる抵抗材を両端間の長さ方向に移動させる移動手段と
を備え、
前記管状体が、両端間の長さ方向に対する複数の位置に前記抵抗材の挿入口を有し、当該挿入口を介して前記抵抗材を着脱することにより前記第2領域の位置を可変にし、
前記第2領域が、λを吸音対象の音の波長とし、nを1以上の整数とした場合に、前記閉鎖端から
d=(2n−1)λ/4
を満たす距離dの位置にあり、
前記波長λが前記管状体の両端間の長さに依存しない
ことを特徴とする吸音構造。 - 前記管状体が、第1領域を構成する第1部材と第2領域を構成する第2部材とを備え、
前記第1部材は、他の第1部材又は前記第2部材と連結し、
前記第2部材は、他の第2部材又は前記第1部材と連結する
ことを特徴とする請求項1に記載の吸音構造。
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