JP2010097149A - 吸音構造、吸音構造群及び音響室 - Google Patents

吸音構造、吸音構造群及び音響室 Download PDF

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Abstract

【課題】管状の吸音構造において、少量の抵抗で高い吸音効果を得る。
【解決手段】本発明に係る吸音構造は、吸音対象とする音による気体粒子の運動速度が最大となる位置に抵抗材12を設け、それ以外の位置には抵抗材12を設けない管状体11を有する。管状体11が閉管である場合、抵抗材12を設ける位置は、吸音対象とする音の波長をλとすると、閉鎖端からλ/4の奇数倍の位置である。この場合において、抵抗材12を設ける位置は、管状体11の長さに依存しない。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸音する技術に関する。
共鳴管により吸音する技術が知られている。また、かかる共鳴管の開口部や内部に抵抗材(多孔質材、グラスウール等)を付設する技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−302087号公報
ところで、共鳴管により吸音する場合には、吸音しようとする音の波長に応じて管長を定めるのが普通である。
一方、本発明は、管状の吸音構造において、管長に依存しない吸音効果を得ることを目的とするものである。
本発明に係る第1の吸音構造は、開口端と閉鎖端とを有し、又は、両端に閉鎖端を有する管状体であって、第1領域と、前記第1領域より媒質粒子の運動に対する抵抗が大である第2領域とを内部に有する管状体を備え、前記第2領域が、λを吸音対象の音の波長とし、nを1以上の整数とした場合に、前記閉鎖端から
d=(2n−1)λ/4
を満たす距離dの位置にあり、前記波長λが前記管状体の両端間の長さに依存しないことを特徴とする。ここにおいて、前記波長λからは、前記管状体の両端間の長さによって定まる当該管状体の共鳴周波数を除外してもよい。
本発明に係る第2の吸音構造は、両端に開口端を有する管状体であって、第1領域と、前記第1領域より媒質粒子の運動に対する抵抗が大である第2領域とを内部に有する管状体を備え、両端間の長さが、λを吸音対象の音の波長とした場合に、λ/2の整数倍から両開口端の開口端補正値を減じた値であり、前記第2領域が、nを1以上の整数とし、δを一方の開口端の開口端補正値とした場合に、当該開口端から
d=nλ/2−δ
を満たす距離dの位置にあることを特徴とする。
なお、本発明において、第2領域の位置は、前記波長λの定在波により発生する媒質粒子の粒子速度の腹の位置、すなわち、管状体内部の媒質粒子の速さの分布が極大となる位置であるともいえる。
本発明に係る吸音構造は、前記第2領域に媒質粒子の運動を妨げる抵抗材を備えることにより当該領域の前記抵抗を増加させる構成であってもよい。
また、本発明に係る吸音構造は、前記第2領域又は前記抵抗材の位置を移動可能に構成したものであってもよい。例えば、前記抵抗材を両端間の長さ方向に移動させる移動手段を備える構成であってもよいし、前記管状体が、両端間の長さ方向に対する複数の位置に前記抵抗材の挿入口を有し、当該挿入口を介して前記抵抗材を着脱することにより前記第2領域の位置を可変にする構成であってもよい。
本発明に係る吸音構造において、前記管状体が、第1領域を構成する第1部材と第2領域を構成する第2部材とを備え、前記第1部材は、他の第1部材又は前記第2部材と連結し、前記第2部材は、他の第2部材又は前記第1部材と連結する構成であってもよい。
本発明に係る吸音構造群は、上述した吸音構造を複数組み合わせて備えることを特徴とする。
本発明に係る吸音構造群は、複数の前記吸音構造の少なくともいずれかが、他の前記吸音構造と前記第2領域の位置を異にする構成であってもよい。
本発明に係る音響室は、上述した吸音構造又は吸音構造群を備えることを特徴とする。
本発明によれば、管状の吸音構造において、少量の抵抗で高い吸音効果を得ることが可能となる。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態である吸音構造を示す図である。この吸音構造10の外観は、一方(図中右側)の端部が開いた開口端であり、他方(図中左側)の端部が閉じた閉鎖端である管状体である。かかる管状体のことを、ここでは「閉管」という。なお、この閉鎖端には、音響的にほぼ完全反射とみなせる境界条件(剛壁)を想定する。吸音構造10は、閉管たる管状体11を備えるとともに、その内部に抵抗材12を備える。管状体11は、所定の厚さを有する円筒状の部材であり、その内部が中空である。管状体11の材料は、例えば、金属やプラスチックである。抵抗材12は、管状体11の内部の所定の位置に設けられている。抵抗材12の材料は、管状体11の内部の媒質たる気体粒子(空気分子)の運動に対して抵抗となって、その運動を妨げるものであり、例えば、スポンジや発泡材、グラスウール等の多孔質材などである。抵抗材12は、気体粒子の運動エネルギーを熱エネルギーに変換することによって吸音効果を奏する。
図2は、吸音構造10を円筒の中心を含む平面で切断した場合の断面図である。同図において、二点鎖線は、所定の波長の定在波に関する粒子速度の振幅の分布を表している。管状体11の内部には、閉鎖端で粒子速度が零となる境界条件に合致する複数種類の波長の音波が存在し得る。さらに、同図に示すように、管状体11の内部は、抵抗材12が設けられた領域とそうでない領域とに分けられる。以下においては、前者を「高抵抗領域」といい、後者を「低抵抗領域」という。低抵抗領域は、本発明における「第1領域」の一例であり、高抵抗領域は、本発明における「第2領域」の一例である。
抵抗材12が設けられる位置、すなわち高抵抗領域の位置は、その中心をdnとすると、次の(1)式を満たす。なお、dnは、管状体11の閉鎖端からの距離である。また、(1)式において、λは、図2に示した閉管内の音波の波長であり、nは、1以上の整数である。また、(1)式におけるλは、管状体11の両端間の長さに依存しない。換言すれば、管状体11の両端間の長さは、吸音の対象(目標)である音の波長には依存しない。すなわち、(1)式におけるλ及びdnは、管状体11の両端間の長さではなく、吸音の対象(目標)である音の波長に基づいて設定される。
n=(2n−1)λ/4 (1)
抵抗材12は、この距離dnを中心とし、管状体11の長さ(開口端から閉鎖端までの距離)方向に対して有限の厚さを有している。抵抗材12の厚さは、任意であり、波長λや管状体11の長さに応じて適当に定めてよいが、少なくとも粒子速度が零の箇所には存在しない。
抵抗材12の位置は、管状体11の閉鎖端からみて、所定の定在波の波長λの4分の1の奇数倍となる。抵抗材12の位置は、所定の定在波により発生する気体粒子の粒子速度の腹(すなわち音圧の節)の位置に相当する。なお、粒子速度の腹が生じる位置とは、管状体11内部の気体粒子の振動する速さ(粒子速度の振幅)の分布が極大となる位置をいう。
ここにおいて、波長λは、管状体11の長さL(管状体11の両端間の長さ)に依存しない。換言すれば、管状体11の長さLは、吸音の対象(目標)である音の波長には依存しない。すなわち、(1)式におけるλ及びdnは、管状体11の長さLではなく、吸音の対象(目標)である音の波長に基づいて設定される。よって、抵抗材12の位置は、図2に示すものに代えて図3(a)に示すようにしてもよいし、図3(b)に示すようにこれらを組み合わせてもよい。したがって、抵抗材12の位置dnは、吸音の対象(目標)である音の波長に基づいて設定される。
閉管たる管状体11においては、開口端から入射した入射波は、固定端たる閉鎖端での反射に際して、入射波と略同じ振幅の反射波を同位相で反射する。そうすると、この入射波と当該入射波の反射波とを重ね合わせた合成波は、その波長によらず常に定在波となり、音圧(又は粒子速度)が腹又は節となる位置が、管状体11内の所定の位置に規則的に現れる。すなわち、この合成波は、管状体11において共鳴するか否かによらずに定在波となり、気体粒子の粒子速度及び音圧の分布に位置的な偏りを生じさせる。本実施形態の吸音構造10において、波長λが管状体11の長さLに依存しないのは、以上の理由による。
合成波の気体粒子は、上述した粒子速度の腹の位置で最も激しく振動し、腹と腹の中間の位置(すなわち節の位置)でほとんど振動しなくなる。よって、粒子速度の腹の位置において気体粒子の運動を抑制させれば、他の位置において運動を抑制させる場合に比べ、その抑制の効果を高めることが可能である。そのため、本実施形態においては、抵抗材12を気体粒子の粒子速度の腹の位置に設けて気体粒子の運動を効率的に抑制することにより、その吸音効果を高めているのである。
以上のとおり、本実施形態の吸音構造10によれば、管状体11の長さに依存することなく、所望の波長(すなわち所望の周波数)の音を吸音することが可能である。換言すれば、本実施形態の吸音構造10によれば、管状体11の長さを変えることなく、所望の波長の音を吸音することが可能である。
吸音が可能な構造体においては、吸音が主たる目的ではなく、吸音を付随的に行うものがある。例えば、自動車等の車両においては、シャーシやボディの一部をなす構造体を中空にして、車両として必要な強度を確保することを主たる目的としつつ、これを共鳴管としても機能させることがある。しかし、その構造体の設計に際しては、車両全体としての美観(デザイン)や機能、安全性などが優先されることが多い。この場合、吸音性のみを目的にかかる構造体を設計変更することは、現実的でなく、また、設計変更をすれば機能や安全性を損なうおそれもある。これに対し、本実施形態の吸音構造10は、抵抗材12の位置を吸音対象の音に応じて変化させるだけでよいので、吸音構造10の寸法を変更する必要がない。すなわち、本実施形態の吸音構造10によれば、これを設ける構造物(車両等)の寸法や構造を変えずに、その吸音特性のみを変えることが可能である。また、振動する車両から放射された音波により、再び車両やその構成部材(車室内の仕上げ内装部材等)が加振された結果、車両内で振動が再発生する場合がある。本実施形態の吸音構造10によれば、このような場合に、振動する車両から放射された音波を吸音し、車両やその構成部材からの振動の再発生を抑制することが可能となる。
また、本実施形態の吸音構造10は、高抵抗領域と低抵抗領域とを設けることにより、管状体11の内部を抵抗材で満たす場合や、粒子速度の腹の位置以外にも抵抗材を設ける場合に比べ、抵抗材の使用量を少なくすることが可能である。これにより、本実施形態の吸音構造10は、抵抗材の使用に係るコストを削減するとともに、全体としての軽量化を図ることが可能である。
さらに、本実施形態の吸音構造10は、図3(b)に示すように、複数の波長を単一の管状体11で吸音対象とすることも可能である。共鳴現象を利用する場合において、複数の波長を吸音対象をするときには、吸音対象とする波長が一方の音に対して倍音となる関係を有する必要があるが、本実施形態の吸音構造10においては、このような制限は生じず、上記(1)式を満たす任意の波長を選択することができる。
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態である吸音構造を示す図である。この吸音構造20は、両端が開口端である管状体である。かかる管状体のことを、ここでは「開管」という。吸音構造20は、開管たる管状体21を備えるとともに、その内部に抵抗材22を備える。管状体21は、所定の厚さを有する円筒状の部材であり、その内部が中空である。抵抗材22は、管状体21の内部の所定の位置に設けられている。管状体21及び抵抗材12の材料は、第1実施形態のそれと同様である。
図5は、吸音構造20を円筒の中心を含む平面で切断した場合の断面図である。同図において、二点鎖線は、所定の波長の定在波に関する粒子速度の振幅の分布を表している。同図に示すように、管状体21の内部は、抵抗材22が設けられた高抵抗領域とそうでない低抵抗領域とに分けられる。
管状体21の長さ(一方の開口端から他方の開口端までの距離)は、これをLとすると、次の(2)式を満たす。なお、(2)式において、λは、図5に示した定在波の波長であり、Nは、1以上の整数である。また、δ1及びδ2は、各開口端の開口端補正値であり、図5中の左側をδ1、右側をδ2とするが、両者が同一(すなわちδ1=δ2)であることを妨げない。
L=Nλ/2−(δ1+δ2) (2)
なお、δ1及びδ2は、これが長さLや波長λに比して微小である場合には、考慮しないでもよい。すなわち、開口端補正値は、かかる場合には「0」とみなしてもよい。また、δ1及びδ2の具体的な値は、管状体21の内径が半径aの円形で、開口端が自由空間にあり、他の物体の干渉を受けない場合には0.6a、前記開口端が無限とみなせる広い壁(剛壁)に接続されて開口している場合には0.85a、などといったように、管状体21の形状や条件に応じて適宜設定すればよい。
抵抗材22が設けられる位置、すなわち高抵抗領域の位置は、その中心をdnとすると、次の(3)式を満たす。なお、dnは、管状体21の開口端からの距離であり、図5中の左側の音波が入射する開口端からの距離である。また、(3)式において、λは、図5に示した定在波の波長であり、nは、1以上N以下の整数である。
n=nλ/2−δ1 (3)
抵抗材22が複数の位置に設けられる場合、隣り合う抵抗材22の位置どうしの間隔は、長さLの約整数分の1である。すなわち、長さLは、隣り合う抵抗材22の位置どうしの間隔の約整数倍である。これらのことは、(2)式及び(3)式より導くことができる。例えば、簡単に開口端補正値を無視すると、(2)式及び(3)式より、dnは、「(n/N)L」である。よって、隣り合う抵抗材22の位置どうしの間隔、すなわちdn−dn-1は、「L/N」となる。
抵抗材22は、この距離dnを中心とし、管状体21の長さ方向に対して有限の厚さを有している。抵抗材22の厚さは、任意であり、波長λや管状体21の長さに応じて適当に定めてよいが、少なくとも粒子速度が零の箇所を除く。また、図5中の右側の開口端を基準に距離を求める場合には、上記(3)式のδ1をδ2に置き換えればよい。
なお、本実施形態においては、管状体21の両端に抵抗材22を設けない構成としているが、両端に抵抗材22を設けてもよい。
本実施形態の吸音構造20の吸音原理は、第1実施形態の吸音構造10のものと同様である。ただし、吸音構造20においては、共鳴を利用する点、すなわち管状体21の長さLが吸音対象の音の波長λに依存する点が、第1実施形態の吸音構造10と異なる。そのため、吸音構造20において複数の波長を吸音対象とする場合には、吸音対象とする波長が一方の音に対して倍音となる関係を有する。
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態での実施が可能である。以下に示す変形例は、本発明に適用可能な変形の一例である。なお、これらの変形例は、必要に応じて、各々を適宜に組み合わせて実施されてもよい。また、以下の説明においては、既に説明した構成と共通する構成については、その説明を適宜省略する。
(1)変形例1
本発明に係る管状体の具体的な形状や構成は、上述したものに限らない。例えば、管状体の断面は、円形でなく、四辺形などであってもよい。また、管状体は、長さ方向について直線的でなくてもよく、中途で屈曲したりしていてもよい。このような場合であっても、吸音対象の音により生じる定在波の粒子速度の腹の位置に第2領域が形成されていれば、所望の効果を得ることができる。
また、管状体は、両端が閉鎖端である構成も採用し得る。すなわち、本発明の管状体は、密閉され、その内部が独立した空間となっていてもよい。この場合、管状体に入射する音は、管状体の管壁を透過する音、または音以外により加振されて振動する管状体の管壁から放射される音が考えられる。なお、第2領域の位置を決める基準は、いずれの閉鎖端であってもよい。さらに、開口端から閉鎖端(又はその逆)への切り替えができるように、端部に開閉する蓋状の部材を設けてもよい。
なお、本発明において、管状体内部の媒質は、典型的には気体(特に空気)であるが、それ以外の物質を媒質としてもよい。特に、管状体の内部が密閉されていれば、管状体の内部を周囲と異なる媒質にすることも容易である。
(2)変形例2
本発明に係る吸音構造は、管状体を複数組み合わせたものであってもよい。この場合において、管状体は、同一のものを複数組み合わせてもよいし、異なるものを組み合わせてもよい。本発明に係る吸音構造は、同一の管状体を組み合わせれば、特定の波長の音をより効率良く吸音することが可能となり、異なる管状体を組み合わせれば、複数の波長の音を吸音することが可能となる。
図6は、複数の管状体を有する吸音構造を示す断面図である。この吸音構造30は、上部にある1面が開口した直方体状の部材31の内部を複数の隔壁32によって区切ったものであり、区切られた1つ1つの角柱状の空間に応じた管状体が構成されている。すなわち、図6に示す吸音構造30は、5つの管状体を有する。抵抗材33は、それぞれの管状体について決められた所定の位置に設けられている。抵抗材33の位置は、上述した実施形態と同様に、吸音対象とする音の波長に応じて決められる。
なお、管状体やその開口端及び閉鎖端の向きは、特に限定されず、これを適用する場所や条件に応じて決めてよい。例えば、図7に示すように、床41と壁面42の間に開口部を設け、この部分に開口端が形成されるように吸音構造30を壁面42に沿って設置してもよい。また、同様の要領で、天井と壁面の間に開口部を設けて管状体が構成されるようにしてもよい。
(3)変形例3
本発明において、媒質粒子の運動に対する抵抗が他よりも大である領域、すなわち第2領域は、当該領域に抵抗材を設ける方法以外の方法によっても実現可能である。第2領域は、例えば、管状体の内壁面を粗くし、内壁面を気体粒子の運動に対して抵抗として作用させることによっても得られる。また、例えば、管状体の内壁面の形状や管径を変更して、管内の空気に対して抵抗が大きくなる構成としてもよい。
(4)変形例4
本発明は、第2領域又は抵抗材の位置が可変である構成を採用し得る。かかる構成は、例えば、第2領域又は抵抗材の位置を移動可能にし、又は、種々の位置に第2領域又は抵抗材を設けることを可能にすることで実現される。第2領域又は抵抗材の位置が可変であると、同一の管状体において吸音対象とする音を変化させることが可能となる。また、このようにすれば、管状体を設置した後に吸音特性を変化させることも可能となる。
図8は、抵抗材を管状体の長さ方向に移動可能にする構成を第1実施形態の吸音構造10に追加した場合を例示する図である。この場合において、管状体11は、微小な孔部11a及び11bを有し、ここにワイヤ15が通されている。ワイヤ15は、抵抗材12に固定されており、ワイヤ15の移動に応じて抵抗材12も移動するように構成されている。すなわち、ワイヤ15は、抵抗材12を移動させる移動手段である。ワイヤ15は、管状体11の長さ方向への移動が容易となるように、支持部材13及び14によって支持されている。支持部材13及び14は、両端が管状体11に固定された棒状の部材である。なお、ワイヤ15は、手動であってもよいし、モータ等の駆動手段によって移動されるものであってもよい。
図9は、第1実施形態の吸音構造10に抵抗材を出し入れする挿入口を設けた場合を例示する図である。同図において、開閉口16は、図中の端部16aを軸として回動(開閉)するように構成されており、開時には挿入口として機能する。開閉口16は、抵抗材12の出し入れを行わないときには、閉じられている。図9に示す構成において、挿入口は、抵抗材12が挿入できる程度の大きさである。なお、開閉口16は、管状体11の長さ方向について複数設けられる。
図10は、挿入口の他の例を示す図である。同図に示す挿入口17は、抵抗材12よりも小さい微小な孔部であり、管状体11の長さ方向について複数設けられる。本例の場合、抵抗材12は、スポンジ等の容易に伸縮するものや、発泡材料等のはじめは液状で次第に固化するものなどである。なお、挿入口17は、開閉可能な構成であってもよい。
本例において、抵抗材12は、挿入口17から挿入される。抵抗材12が液状である場合には、挿入口17に抵抗材12の型(かた)となる物(ゴム風船等)を最初に挿入し、液状である抵抗材12をその型に注入して固化させるとよい。なお、型が吸音効果を阻害するおそれがある場合には、抵抗材12が固化した後に除去するのが望ましい。例えば、ゴム風船であれば、固化した後に破裂させれば、これを挿入口17から容易に取り出すことが可能である。
図11は、第1領域を構成する部品と第2領域を構成する部品とを組み立てることによって管状体を構成する場合を例示する図である。同図において、第1部材51は、第1領域を構成する管状の部材であり、第2部材52は、第2領域を構成する管状の部材である。第2部材52は、その全体が抵抗材であってもよいし、内壁面を第1部材51よりも粗くした管状の部材であってもよい。また、第1部材51は、長さ方向について伸縮する機構を設けると、より望ましい。
第1部材51及び第2部材52は、これらを適宜に組み合わせて所望の長さの管状体を構成することが可能である。第1部材51と第2部材52とは、結合するための形状や機構を端部に有していてもよいし、接着によって結合させてもよい。
(5)変形例5
本発明は、上述した吸音構造を備える音響室としても実施可能である。かかる音響室は、例えば、スピーカや防音室などの、楽音の聴取の用に供される物品や構造物である。また、船舶、飛行機、車両等の乗り物の壁面や、浴室や浴槽などの壁面に本発明を適用し、音響室を構成するようにしてもよい。本発明は、特定の周波数の音が騒音として生じるような場所に適用するに好適なものであるため、かかる物品や構造物に用いると、騒音の抑制に一定の効果を奏する。特に、本発明に係る吸音構造のうち、管状体が閉管であるものは、その長さを問わないため、種々の構造物に適用可能であり、また、既存の構造物への適用も比較的容易である。
閉管の吸音構造を示す図 閉管の吸音構造を示す断面図 閉管の吸音構造を示す断面図 開管の吸音構造を示す図 開管の吸音構造を示す断面図 複数の管状体を有する吸音構造を示す断面図 吸音構造を壁面に設置する場合を示す図 抵抗材を管状体の長さ方向に移動可能にした吸音構造を示す図 抵抗材を出し入れする挿入口を設けた吸音構造を示す図 抵抗材を挿入する挿入口を設けた吸音構造を示す図 第1領域を構成する部品と第2領域を構成する部品とを組み立てることによって管状体を構成する吸音構造を示す図
符号の説明
10、20、30…吸音構造、11、21、31…管状体、12、22、32…抵抗材、15…ワイヤ、16、17…挿入口

Claims (8)

  1. 開口端と閉鎖端とを有し、又は、両端に閉鎖端を有する管状体であって、第1領域と、前記第1領域より媒質粒子の運動に対する抵抗が大である第2領域とを内部に有する管状体を備え、
    前記第2領域が、λを吸音対象の音の波長とし、nを1以上の整数とした場合に、前記閉鎖端から
    d=(2n−1)λ/4
    を満たす距離dの位置にあり、
    前記波長λが前記管状体の両端間の長さに依存しない
    ことを特徴とする吸音構造。
  2. 前記第2領域に媒質粒子の運動を妨げる抵抗材を備えることにより当該領域の前記抵抗を増加させることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造。
  3. 前記抵抗材を両端間の長さ方向に移動させる移動手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の吸音構造。
  4. 前記管状体が、両端間の長さ方向に対する複数の位置に前記抵抗材の挿入口を有し、当該挿入口を介して前記抵抗材を着脱することにより前記第2領域の位置を可変にすることを特徴とする請求項3に記載の吸音構造。
  5. 前記管状体が、第1領域を構成する第1部材と第2領域を構成する第2部材とを備え、
    前記第1部材は、他の第1部材又は前記第2部材と連結し、
    前記第2部材は、他の第2部材又は前記第1部材と連結する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の吸音構造。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の吸音構造を複数組み合わせて備えることを特徴とする吸音構造群。
  7. 複数の前記吸音構造の少なくともいずれかが、他の前記吸音構造と前記第2領域の位置を異にすることを特徴とする請求項6に記載の吸音構造群。
  8. 請求項1ないし5のいずれかに記載の吸音構造又は請求項6若しくは7に記載の吸音構造群を備えることを特徴とする音響室。
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