JP5663845B2 - 音響構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、吸音及び音を散乱する技術に関する。
音場の音響的な品質を高めるために、吸音したり、音を散乱させたりする構造を備えた音響構造体を、音響空間を構成する壁面や天井面に取り付けることがある。特許文献1には、1方向に延在する空洞が形成され、その空洞を外部に通じさせる開口部を有する部材が複数並べられた音響構造体が開示されている。
特開2002−30744号公報
吸音効果や音の散乱効果を高めたい周波数帯域は音場の種類や利用者の要請等により異なるが、それらの効果が得られる周波数帯域が固定であると、所望する吸音効果を得るために様々なタイプの音響構造体を用意する必要があり不便であるし、コストが増大するという問題もある。また、音楽演奏などに用いられる拡声システムにおいては、ホールに備え付けられるタイプのものに限らず演奏形態や音楽の内容に適したものを持ち込むタイプのものもあるが、ホールの音響特性は、拡声システムの内容や設置場所、観客の数、舞台設備の内容など、様々な原因によって音響特性は敏感に変動するから、同一の拡声システムを同じ調整内容で使い続ければよいというものではない。このような事情があるから、音響技術者にとって音響特性の調整がし易いシステムが望まれている。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸音し、音を散乱させる周波数帯域を可変にすることである。
上述した目的を達成するために、本発明に係る音響構造体は、第1の中空空間と、第2の中空空間と、前記第1の中空空間と前記第2の中空空間とを通じさせる第3の中空空間とが内部に形成され、前記第1の中空空間及び前記第2の中空空間を、それぞれ異なる開口部を介して外部空間に通じさせる筐体であって、前記開口部のそれぞれが開口端となる共鳴体が内部に構成される筐体と、前記第1の中空空間内を移動させられ第1の移動部材と、前記第2の中空空間内を、前記第1の移動部材とは独立して移動させられる第2の移動部材と、前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材をそれぞれ移動させて、前記共鳴体の開口端の位置に対する閉口端の位置を変更する位置変更手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、吸音し、音を散乱させる周波数帯域を可変にすることができる。
本発明の一実施形態である吸音・散乱ボックスの外観を示す斜視図である。 同実施形態の吸音・散乱ボックスの箱型部材の内部の構成を示す図である。 同実施形態の音響管の外観を示す斜視図である。 図3に示す矢印VI方向から音響管を見た様子を表す平面図である。 図3に示す切断線V-Vで音響管を切断したときの断面を表す図である。 共鳴時における吸音・散乱ボックス周辺の反射波の挙動を説明する図である。 同実施形態の音響管の外観を示す斜視図である。 図7に示す切断線VII-VIIで音響管を切断したときの断面を表す図である。 同実施形態の吸音・散乱ボックスの制御系を説明する図である。 音響管を切断したときの断面を表す図である。 音響管によって実現される共鳴周波数の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る吸音・散乱体の外観を示す斜視図である。 同実施形態の中空部材の断面を表す図である。 同実施形態の吸音・散乱体により発現する吸音効果を説明する図である。 本発明の変形例に係る伸縮可能な音響管を例示する断面図である。 本発明の変形例に係る中空部材の断面を表す図である。
[第1実施形態]
まず、図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である吸音・散乱ボックス1の外観を示す斜視図である。図2は、吸音・散乱ボックス1が有する箱型部材2の内部の構成を示す図である。
吸音・散乱ボックス1の箱型部材2は、外形が直方体の箱型の部材である。箱型部材2は、例えば木材、合成樹脂又は金属などの反射性を有する材料の板状の部材で各面が構成され、内部には空間が形成されている。箱型部材2の六面のうち前方に位置する前面2aには、箱型部材2の内外を通じさせる3つの円形の孔3が開けられており、その表面は音圧透過性を有する例えばネット状等の保護部材で覆われている。箱型部材2の内部には、音響管10,20が設置されている。音響管10は、本発明の音響構造体の一例であり、中空状の部材である。音響管10は、中空空間を外部空間に通じさせる開口部12を有する。音響管20は、本発明の音響構造体の一例であり、中空状の部材である。音響管20は、中空空間を外部空間に通じさせる開口部12a,12bを有する。音響管10,20は、開口部12,12a,12bがそれぞれ異なる孔3に面し、且つ孔3の面に対して略平行となるように箱型部材2内に固定されている。このようにして、3つの開口部12,12a,12bは前面2aに近接した位置に配置されている。また、吸音・散乱ボックス1は、ケーブル4を介して図示せぬ拡声システムのミキサ(音響調整卓)と接続されている。音響エンジニアによりミキサが操作されると、その操作内容に応じた制御情報がケーブル4を介して吸音・散乱ボックス1に与えられる。吸音・散乱ボックス1は、その与えられた制御情報に応じた制御を行う。なお、ミキサから吸音・散乱ボックス1への制御情報の供給するための構成については有線、無線を問わない。
なお、説明の便宜のために、箱型部材2の前面2aの法線方向成分であって、孔3の面に直交する方向成分を「x軸」とし、前面2aに平行な一方向の成分を「y軸」とし、x軸及びy軸に直交する方向成分を「z軸」としたxyz直交座標系を定める。吸音・散乱ボックス1が水平面に平行な面に置かれたときには、z軸は重力方向の成分を表し、x軸及びy軸は水平面に平行な方向の成分を表す。音響管10,20は、それぞれ1方向の延在方向を有しており、その方向はx軸方向に延在するように箱型部材2内において固定されている。
次に、吸音・散乱ボックス1の内部の構成について説明する。
図3は、音響管10の外観を示す斜視図である。図4は、図3に示す矢印VI方向から音響管10を見た様子を表す平面図である。図5は、図3に示す切断線V-Vで音響管10を切断したときの断面を表す図である。
音響管10は、管状部材11と、開口部12と、リードスクリュー13と、隔壁14とを有する。管状部材11は、本発明の筐体の一例であり、金属で管状に形成された部材で、いわゆる一端開口の管状部材である。管状部材11の内部には、x軸方向に延在する柱状の中空空間15が形成されている。管状部材11は、中空空間15を外部空間に通じさせる開口部12を有する。管状部材11の中空空間15のx軸方向の長さはLである。管状部材11の開口部12に対する他端(閉口端)の一部には、リードスクリュー13を外部に通じさせるための貫通孔が開けられている。
リードスクリュー13は、隔壁14をx軸方向に移動させるための軸状の部材であり、その周面には、図示せぬ螺子山が設けられている。リードスクリュー13は、管状部材11の閉口端に開けられた貫通孔を介して、モータ31aの回転軸に接続されている。リードスクリュー13は、モータ31aの駆動により回転する。なお、モータ31aを含む吸音・散乱ボックス1の制御系については後述する。隔壁14は、本発明の移動部材の一例であり、管状部材11に対して中空空間15内をx軸方向に移動可能に設けられ、金属で円柱状に形成されている。隔壁14の高さに相当するx軸方向(移動方向)に対する長さはDである。隔壁14のyz平面方向に対する中心の位置にはリードスクリュー13が貫通する孔が開けられている。リードスクリュー13が貫通する孔には、リードスクリュー13が有する螺子山に係わり合う螺子山が設けられている。隔壁14の外周面は、筐体11の内周面の形に近い形状に形成されており、隔壁14は筐体11の内側に接触させることにより、リードスクリュー13の回転に対して回り止めされる。これにより、隔壁14にリードスクリュー13が貫通した状態でリードスクリュー13が回転させられると、隔壁14はx軸方向に移動する。また、リードスクリュー13をx軸方向に移動させるために、軸状のガイドレール(案内手段)をリードスクリュー13に平行に設け、これを隔壁14を貫通させて、ガイドレールによって案内される方向に隔壁14が移動させられるようにしてもよい。また、リードスクリュー13と隔壁14とを結合した構造とし、リードスクリュー13の外周面の螺子山に噛み合わせた歯車の回転に応じて、リードスクリュー13とともに隔壁14がx軸方向に移動させられる構成であってもよく、隔壁14がリードスクリュー13に対して移動可能に構成されていればよい。
隔壁14の外周面(側面)は管状部材11の内周面に良好に密着しており、隔壁14は、中空空間15を、部分空間151と部分空間152とに隔てる。部分空間151のx軸方向の長さは、開口部12の位置から、部分空間151と隔壁14とが接する位置までの長さであり、lである。部分空間152のx軸方向の長さは、管状部材11の開口部12に対する他端の位置から、部分空間152と隔壁14とが接する位置までの長さであり、lである。つまり、L=l+D+lという関係を満たす。
音響管10において部分空間151には共鳴体が構成されている。この共鳴体は開口部12を開口端とし、部分空間151と隔壁14とが接する面を閉口端とする、いわゆる閉管が音響管10に構成されている。中空空間15を延在方向に直交するyz平面方向に切断したときの断面の直径はLに対して十分に小さく、より具体的には、共鳴時においてx軸方向には定在波が発生し、その直径方向(z方向)には位相のずれがほとんどなく定在波が発生しないような関係となっている。例えば、中空空間の直径は0.58λ(λ:共鳴周波数での波長)以下である。また、部分空間151と部分空間152とは、実質的に互いに独立した空間として扱われるように、隔壁14によって各部分空間に隔てられている。ただし、部分空間151と部分空間152とが完全に遮断されていなくても、部分空間151に開口部12を開口端とし、隔壁14を閉口端とした1つの共鳴体が構成されていると扱える程度に両空間が接していてもよい。このようにして部分空間151に構成される共鳴体において、隔壁14が閉口端となるからx軸方向の長さはlである。音響管10の開口部12に外部空間から共鳴周波数の音波が入射すると、部分空間151に構成された共鳴体はその入射波に応じて共鳴する。音響管10は共鳴によって生じる反射波を、開口部12を介して外部空間に放射する。この反射波と入射波との位相差により互いの波が干渉して打ち消しあうので、この作用により共鳴周波数付近の周波数帯域で吸音効果及び散乱効果が発現する。部分空間151に構成された共鳴体の共鳴周波数fは、部分空間151の長さlを用いると式(1)の関係を満たす。式(1)において、vは音速(大気中であれば、約340m/s)であり、nは1以上の整数である。また、式(1)や以下の説明において開口端補正を無視する。
=(2n−1)・v/4l ・・・(1)
ここで、吸音・散乱ボックス1によって実現される作用により発現する吸音効果及び散乱効果についてより具体的に説明する。
図6は、共鳴時における吸音・散乱ボックス1が備える箱型部材2の前面2a周辺の反射波の挙動を説明する図である。同図において、入射波の音圧が極大となる「山」が前面2a及び孔3(すなわち、開口部12)に到達し、それに応じた反射波が生成される様子を示している。また、同図には、反射波を実線と破線とで示しているが、実線は、反射波の音圧が極大となる「山」の位置を表しており、破線は、音圧が極小(「山」とは逆位相)となる「谷」の位置を表している。
吸音・散乱ボックス1の前面2aに対して共鳴周波数の入射波が入射すると、共鳴によって生じる反射波として、前面2aは、入射波に対して位相が変位(完全反射であれば、180度変位)した反射波を放射する。前面2aは、反射性を有する材料で形成されており、前面2aから放射される反射波の位相は、入射波の位相に対してほとんど変位しない。すなわち前面2aから放射される反射波の位相は、入射波とほぼ同位相の反射波となり、図6の例では、前面2aの位置で「山」となっている。つまり、前面2aは、音響管10,20を収容する箱としてだけでなく、反射面(バッフル板)としても機能している。一方、孔3の位置では、音響管10が放射する共鳴によって生じる反射波によって、図6の例では、孔3、すなわち開口部12の位置で「谷」となっている。この作用により、孔3(開口部12)、及び前面2a付近の外部空間では、図6に楕円で示した領域C1,C2で示すように、前面2aからの反射波と孔3からの反射波とが互いに隣接し、且つ両者の反射波の位相が不連続となる現象が発生する。このとき、この位相の不連続さを解消しようとする気体分子(つまり、音を伝搬させる媒質分子)の流れが発生する。この気体分子の流れにより、前面2aからの反射波のエネルギーの一部が、領域C1,C2の方へ流れ込むように方向を変えるため、吸音・散乱ボックス1による散乱効果が発現する。このようにして、吸音効果は、孔3付近の領域で共鳴現象、及び気体分子の流れに起因するエネルギーの損失により発現し、散乱効果はエネルギーの不連続な領域C1,C2の生成により発現する。これに加え、前面2a及び孔3から放射する反射波は位相角度に応じて互いに打ち消しあうように作用するので、高い散乱効果及び吸音効果が発現する。
次に、図7は音響管20の外観を示す斜視図である。図8は、図7に示す切断線VII-VIIで音響管20を切断したときの断面を表す図である。図7、8に示すように、音響管20は、本発明の筐体の一例である筐体21の内部に中空空間が形成された中空状の部材である。音響管20は、音響部20a,20b,20cの各部に大別される。音響管20は、音響部20a,20bの構成は音響管10の構成と略同じであり、以下の説明において、音響部20aの構成のうち、音響管10の構成と対応する構成には末尾に「a」という符号を付して表し、音響部20bの構成のうち、音響管10と対応する構成には末尾に「b」という符号を付して表す。このような符号の関係にある構成どうしはそれぞれ同等の機能を実現するから、それらの詳細な説明を省略する。また、音響管20により実現される作用によって発現する吸音・散乱効果は、音響管10の場合と同じ作用により発現するので、その説明についても省略する。
音響部20aの内部には、x軸方向に延在し、開口部12aを介して外部空間に通じる柱状の中空空間15a(本発明の第1の中空空間の一例)が形成されている。音響部20bの内部には、x軸方向に延在し、開口部12bを介して外部空間に通じる柱状の中空空間15b(本発明の第2の中空空間の一例)が形成されている。音響部20cは、両端開口の管状部材と同等の構成を有し、その内部には、y軸方向に延在する柱状の中空空間15c(本発明の第3の中空空間の一例)が形成されている。ここでは、図8に示すように、中空空間15a,15bの延在方向はx軸方向に平行であり、中空空間15a,15bの延在方向(x軸方向)と、中空空間15cの延在方向(y軸方向)とは直交する。中空空間15cは、中空空間15aと中空空間15bとの間に設けられ、中空空間15aと中空空間15bとを通じさせる通路に相当する。換言すれば、音響管20において、延在する中空空間15aと、延在する中空空間15bとのそれぞれから分岐する中空空間はともに音響部20cの中空空間15cであり、両者で共通している。このようにして、中空空間15a,15b,15cによって、図8に示すような略「H」字型を成す連続した中空空間が筐体21内に形成される。また、以下の説明の便宜のために、図8に示すように、中空空間15aと中空空間15cとの境界であり、中空空間15cの一端を端部161とし、中空空間15bと中空空間15cの境界となり、中空空間15cの他端を端部162とする。
音響部20aには、リードスクリュー13aの回転により、筐体21に対して中空空間15aをx軸方向に移動する隔壁14aが設けられ、音響部20bには、リードスクリュー13bの回転により、筐体21に対して中空空間15bをx軸方向に移動する隔壁14bが設けられている。リードスクリュー13aは、モータ31bの回転軸に接続され、リードスクリュー13bは、モータ31cの回転軸に接続されている。部分空間151aのx軸方向の長さをl1aとし、部分空間152aのx軸方向の長さをl2aとする。また、部分空間151bのx軸方向の長さをl1bとし、部分空間152bのx軸方向の長さをl2bとする。また、中空空間15cのy軸方向の長さはlである。隔壁14a,14bのx軸方向の長さは、隔壁14と同じでDである。なお、音響部20cの端部161,162の直径はDよりも僅かに小さくなるように形成されている。以上の構成を有する音響管20において、中空空間15aには、開口部12aを開口端とし、隔壁14aを閉口端とした共鳴体が構成され、中空空間15bには、開口部12bを開口端とし、隔壁14bを閉口端とした共鳴体が構成される。
図9は、吸音・散乱ボックス1の制御系を説明する図である。
制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)等を備えた演算装置である。制御装置40は、ケーブル4を介してミキサからの制御情報が与えられると、その制御情報に応じた位置に隔壁14,14a,14bを移動させるための駆動信号を、それぞれ対応するモータ31a,31b,31cに出力する。モータ31a,31b、31cは、制御装置40からの駆動信号に応じて駆動し、この駆動により隔壁14,14a,14bをx軸方向に移動させて、その位置を変更する。ミキサからの制御情報は、隔壁14,14a,14bのそれぞれの位置又は移動量に関するものであり、制御装置40は、制御情報に従って、リードスクリュー13,13a,13bをそれぞれ独立して回転させる。すなわち、制御装置40及びモータ31a〜31cは、本発明の位置変更手段の一例である。なお、ここでは、リードスクリュー毎に1ずつモータを用いているが、クラッチやギア等を用いて、1のモータでリードスクリュー13,13a,13bを回転させるようにしてもよい。また、油圧、水圧、電磁ソレノイド(アクチュエータ)等によって駆動力を発生する、モータ以外の駆動手段を用いてもよい。
以上説明した構成を有する吸音・散乱ボックス1では、制御装置40が隔壁14,14a,14bの位置を移動させることにより、音響管10,20に構成される共鳴体の閉口端の位置を変更する。この制御により、吸音・散乱効果が発現する周波数帯域が変化する。
音響管10については、隔壁14の位置に応じて、共鳴体の開口端(つまり、開口部12)の位置に対する閉口端の位置が変化するから、部分空間151のx軸方向の長さlが変化して、音響管10の共鳴周波数fが変化する。具体的には、開口部12の位置に隔壁14が移動させられたときには、lは最小値「0」となるし、隔壁14が開口部12の反対側の端部に移動させられたときには、lは最大値「L−D」となる。よって、音響管10の共鳴周波数fは、およそ0≦f≦(2n−1)・v/4(L−D)という関係を満たす。隔壁14が開口部12寄りの位置に移動させられるほど、部分空間151の長さlが短くなるので共鳴周波数が高くなり、高い周波数帯域で吸音・散乱効果が発現する。一方、隔壁14が閉口端側の位置に移動させられるほど、部分空間151の長さlが長くなるので共鳴周波数は低くなり、低い周波数帯域で吸音・散乱効果が発現する。
次に、音響管20の吸音作用及び散乱作用について説明する。
図8に示す例では、隔壁14a,14bによって各音響部の部分空間が他の空間と隔てられている。よって、音響管20の共鳴周波数fは、音響部20aの部分空間151aの長さl1a、及び音響部20bの部分空間151bの長さl1bによって決まり、式(1)のlをl1a,l1bに置き換えた共鳴周波数となる。
図10は、図8と同じ方向に音響管20を切断したときの断面図である。なお、図10ではモータ31b、31cの図示を省略している。
図10(a)は、図8に示す位置から隔壁14a、14bの位置が移動させられた場合の様子を表したものである。同図(a)に示す位置に隔壁14bがある場合、隔壁14aによって中空空間15cが塞がれて、中空空間15aと、中空空間15b及び15cとが隔てられる一方で、隔壁14bは中空空間15c(つまり、端部162)に接しない位置にあり、音響部20b、20cによって1つの管が形成され、部分空間151bと中空空間15cとにより「L」字型の空間が形成されている。図10(a)に示すように、部分空間151bと中空空間15cとが通じている場合に、これらが分岐しないか、又は、或る許容範囲内で分岐するが実質的に分岐しないとみなせる位置に隔壁14bがあるときには、音響部単体の全長よりも長い1つの管が形成される。これにより、音響部単体により実現可能な共鳴周波数よりも、さらに低い共鳴周波数を実現することができる。開口部12a,12bを開口端とした各共鳴体は、それぞれ隔壁14aを閉口端とする空間に構成される。これにより、音響管20の共鳴周波数fには、音響部20aの部分空間151aの長さl1aに応じて式(1)により算出される周波数と、部分空間151bと中空空間15cとの合計の長さl1b+lに応じた周波数とが存在する。音響管20においては部分空間151bと中空空間15cとが連なっているので、音響管20内部に構成された共鳴体の全長を、音響部単体で構成される共鳴体よりも長くすることができる。これにより、低い周波数帯域で吸音・散乱効果が発現する。
これと同様に、隔壁14bによって中空空間15cが塞がれて、中空空間15bと、中空空間15a、15cとが隔てられる場合がある。この場合、開口部12a,12bを開口端とした共鳴体は、それぞれ隔壁14bの位置を閉口端とする。音響管20の共鳴周波数fには、音響部20bの部分空間151bの長さl1bに応じて式(1)により算出される周波数と、部分空間151aと中空空間15cとの合計の長さl1a+lに応じた周波数とが存在するから、この場合も低い周波数帯域で吸音・散乱効果が発現する。この場合、隔壁14aは中空空間15c(つまり、端部161)に接しておらず、音響部20a、20cによって1つの管が形成されて「L」字型の空間が形成され、その空間が途中で分岐していない。このように、部分空間151aと中空空間15cとが通じる場合に、これらが分岐しないか、又は、或る許容範囲内で分岐しないとみなせる位置に隔壁14aがあるときには、音響部20b、20c音響部単体の全長よりも長い1つの管が形成される。これにより、音響部単体により実現可能な共鳴周波数よりも、さらに低い共鳴周波数を実現することができる。
次に、図10(b)に示す位置に隔壁14a,14b(閉口端の位置)がある場合、中空空間15cは塞がれず、中空空間15a,15b,15cはすべて通じている。また、部分空間151aと、中空空間15cと、部分空間151bとにより「コ」字型の空間が形成され、その空間が途中で分岐していない。このように、部分空間151aと、中空空間15cと、部分空間151bとが通じる場合に、これらが分岐しないか、又は、或る許容範囲内で分岐しないとみなせる位置に隔壁14a,14bがあるときには、音響部20a、20b、20c音響部単体の全長よりも長い1つの管が形成される。これにより、音響部単体により実現可能な共鳴周波数よりも、さらに低い共鳴周波数を実現することができる。この構成において、共鳴体の全長は中空空間15a,15b,15cの延在方向の合計の長さに相当する大きさとなる。つまり、音響管20の共鳴周波数fは、中空空間15c、部分空間151a及び151bの長さの合計l1a+l+l1bに応じた周波数となる。ただし、開口部12aを一端とし、開口部12bを他端とした1つの管が音響管20に構成されることになる。よって、共鳴周波数fは、両端開口の音響管の場合と同様で、式(2)の関係を満たす。式(2)において、vは音速であり、nは1以上の整数である。また、以下の説明において開口端補正を無視する。
=n・v/2(l1a+l+l1b) ・・・(2)
両端開口の音響管の共鳴周波数と、一端開口の音響管の共鳴周波数とを同一にする場合、両端開口の音響管の方が管全体としての長さを大きくすることになるが、その長さの設定の仕方によって、同図(a)の場合よりもさらに共鳴周波数を低く設定することもできる。
以上述べたように、図8に示す位置に隔壁14a,14bがある場合や、又は図10(a)に示す位置に隔壁14aがある場合など、これらの隔壁が決められた位置に移動させられたときには、一の音響部の内部に形成された中空空間と、これと異なる他の音響部の内部に形成された中空空間との間の通路(中空空間)が塞がれる。一方、隔壁14a,14bが図10(b)に示す位置にあるとき、及び隔壁14bが図10(a)に示す位置にあるときには通路は塞がれず、複数の音響部の中空空間が通じて1つの管が構成される。この場合、共鳴体の全長が音響部20a,20b,20c単体で構成される共鳴体のそれよりも大きくなり、共鳴周波数をさらに低くすることができる。低い周波数帯域で吸音・散乱効果を発現させるためには、音響構造体の構造をかなり大きくせざるを得ないという問題があるが、音響管20の外形は図8,10に示したように音響部20a、20bとがx軸方向に対して平行で、且つx軸方向に対する位置が略同じであるから、共鳴体の長さを十分に確保しつつ、吸音・散乱ボックス1全体としての寸法を小さくすることができる。また、移動部材である、隔壁14,14a,14bは音響管10,20に中空空間を移動するから、その移動に応じて音響管10,20自体の寸法が変化することもなく、比較的小型の箱型部材2内に音響管10,20を収容することができる。
図11は、音響管20によって実現される共鳴周波数の計算結果の一例を示す図である。なお、ここでは、l1a=500mm,l1b=200mm,l=100mmとし、複数の共鳴周波数fのうち、低いものから順に、f01,f02,f03,f04[Hz]と表す。図11に示す第1行及び第2行は、図8に示される位置に隔壁14a,14bが位置する場合の共鳴周波数を示したものである。同図に示すように、この場合、170Hz,425Hz,510Hz,850Hz,1190Hz,1275Hz,2125Hz,2975Hzに共鳴周波数が実現される。第1行、第3行は、図10(a)に示される位置に隔壁14a,14bが位置する場合の共鳴周波数を示す。この場合、170Hz,283Hz,510Hz,850Hz,1190Hz,1417Hz,1983Hzであり、図8の場合よりも共鳴周波数は全体として低くなっている。また、第2行、第4行は、図10(a)とは異なり、隔壁14bによって中空空間15cが塞がれて、中空空間15bと、中空空間15a、15cとが隔てられる場合の共鳴周波数である。この場合、142Hz,425Hz,708Hz、992Hz,1275Hz,2125Hz,2975Hzに共鳴周波数が実現される。また、図10(b)の場合、第5行に示されるように、213Hz,425Hz,638Hz,850Hzに共鳴周波数が実現され、図8や図10(a)の場合よりも、共鳴周波数の総数は少なくなるが、低い周波数帯域に集中して共鳴周波数が現れる。このように、隔壁14a,14bの位置によって、かなり広い周波数範囲から共鳴周波数を選択可能である。
以上説明した第1実施形態の吸音・散乱ボックス1において、制御装置40は、ミキサから供給された制御情報に応じた位置に隔壁14,14a,14bを移動させて、音響管10,20の共鳴体の閉口端の位置を変更して共鳴周波数を可変にする。この構成により、エンジニアはミキサを操作する簡易な操作を行うだけで、吸音・散乱ボックス1に吸音し、散乱させる対象となる音の周波数帯域を変更することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図12は、本発明の第2実施形態に係るパネル型の吸音・散乱体50の外観を示す斜視図である。図13は、吸音・散乱体50を構成する中空部材51−1〜51−5の断面を表す図である。図13(a)は、図12の切断線XI−XIで切断したときの断面を表した図であり、図13(b)は、図12の切断線XII−XIIで切断したときの断面を表した図である。
中空部材51−1〜51−5は、それぞれ本発明の筐体の一例であり、それぞれ同じ延在方向に配列され、それぞれ同じ長さを有している。中空部材51−1〜51−5は、図10に示すように、開口部52−1〜52−5の位置がそれぞれ異なるだけで、その他の構成は略同じである。よって、以下の説明において、中空部材51−1〜51−5のそれぞれを区別する必要のないときには「中空部材51」と総称し、開口部52−1〜52−5のそれぞれを区別する必要のないときには「開口部52」と総称する。また、説明の便宜のために、中空部材51−1〜51−5の延在方向の成分を「x軸」とし、x軸に直交し、中空部材51−1〜51−5が並べられた方向の成分を「y軸」とし、x軸及びy軸に直交する方向の成分を「z軸」としたxyz直交座標系を定める。
吸音・散乱体50は、x軸方向に延在する角筒状の中空部材51−1〜51−5を有する。中空部材51−1〜51−5は、本発明の筐体の一例であり、それぞれが例えばアクリル樹脂等の反射性の材料を用いて形成されている。中空部材51−1〜51−5は、ぞれぞれの閉口端(底面)の位置がx軸方向に対して同じになるように、y軸方向に対して複数(ここでは、5個)並べて配置されている。吸音・散乱体50において、隣り合う中空部材51−1〜51−5どうしは接着される等して一体とされている。中空部材51の内部には、x軸方向に延在する直方体状の中空空間53が形成されている。また、中空部材51には、中空空間53を外部空間に通じさせる正方形の開口部52が設けられている。また、図示しないが、吸音・散乱体50はケーブルを介してミキサと接続されており、ミキサから制御情報が供給されると、供給された制御情報に応じた制御を行う。このように、吸音・散乱体50には筐体内部に複数の中空空間が形成され、それらを外部空間に通じさせる複数の開口部が形成されている。
なお、ここでは、吸音・散乱体50を構成する中空部材の数を「5」としているが、この数は一例に過ぎず、さらに多くてもよいし、少なくてもよい。
吸音・散乱体50において、中空部材51の中空空間53が共鳴体として構成されている。具体的には、中空部材51の閉口端511を一端とした共鳴体と、中空部材51の閉口端512を一端とした共鳴体とが構成される。これらの共鳴体は、開口部52を介して外部空間から入射する音波に応じて共鳴する。ここで閉口端511の位置を一端とする共鳴体の長さをlとし、閉口端512の位置を一端とする共鳴体の長さをlとすると、中空部材51の共鳴周波数fは、共鳴体の長さl、lに応じた固定の周波数となる。上述したように、中空部材51−5〜51−5において、開口部52−1〜52−5のx軸方向に対する位置がそれぞれ異なるから、共鳴周波数はそれぞれ異なる。また、中空部材51の表面はそれぞれ反射面として機能し、その表面からの反射波と開口部52から放射される反射波との関係が、図6に示すような関係になることにより、吸音・散乱体50は、吸音・散乱効果を発現させる。また、中空部材51−5〜51−5の各中空空間53のx方向の長さは同じであるが、それぞれで開口部52の位置が異なっているので、それぞれが異なる共鳴周波数を実現する。具体的には、図12に示すように、開口部52−1、・・・、52−5の順に、閉口端511寄りの一端の位置から中空空間53の中央部の位置まで、少しずつ位置を変えて開口部が設けられている。この場合、吸音・散乱体50による吸音・散乱効果が発現する周波数帯域のうち、中空部材51−1寄りにある中空部材ほど、その周波数帯域の高域側及び低域側の周波数帯域の効果の発現に寄与し、中空部材51−5寄りにある中空部材ほど、その周波数帯域の中心に近い周波数帯域の効果の発現に寄与する。
また、図13(a),(b)に示すように、中空部材51の開口部52の位置には、板状の開閉部材54が開口部52を塞ぐようにして設けられている。開閉部材54は、例えば中空部材51と同じ材料により形成され、入射する音波を遮る材料で形成されている。なお、開閉部材54の材料は、音波を全く透過させないものに限らず、共鳴現象の発生を十分に抑制するような、音波をほとんど透過させないものであればよい。開閉部材54には、「閉状態」と「開状態」という2つの状態がある。「閉状態」においては、中空部材51の開口部52を塞いで外部空間から中空空間53に入射する音波を遮り、「開状態」においては、開口部52を塞がない。開閉部材54の位置は、図13(a)に示すように、モータ60及び制御装置70により変更させられる。制御装置70は、ミキサから開閉部材54の開閉状態に関する制御情報が与えられると、この制御情報に応じてモータ60に駆動信号を供給する。モータ60は、制御装置70からの駆動信号に応じて、開閉部材54により開口部52を塞いで「閉状態」としたり、中空部材51による支持点を中心として、「閉状態」の位置から開閉部材54を90度だけ回転させて、「開状態」としたりする。「閉状態」である中空部材51の中空空間53には、外部空間からの音波が入射しないので、共鳴現象は生じず、吸音・散乱効果は発現しない。なお、開閉部材54の開閉に係る構成にはスライド式でもよく、これ以外の開閉を切り替え可能な種々の公知の手法を採り得る。
なお、モータ60は、中空部材51−1〜51−5のそれぞれに対して1ずつ設けられており、制御装置70は中空部材51毎に独立して開閉状態を切り替える制御を行う。すなわち、制御装置70及びモータ60は、本発明の切替制御手段の一例である。
次に、吸音・散乱体50により発現する吸音・散乱作用について、図14を参照しつつ説明する。
図14(a)〜(c)はそれぞれ、中空部材51の開閉状態と、吸音・散乱効果が発現する周波数域との関係を説明する図である。同図(a)〜(c)において、開口部52がハッチングされたものは開閉部材54により塞がれていることを意味し、中空部材51が「閉状態」であることを意味する。一方、開口部52がハッチングされていないものは開閉部材54により塞がれていないことを意味し、中空部材51が「開状態」であることを意味する。また、同図(a)〜(c)に示すグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は吸音・散乱効果の程度を表す。横軸については矢印方向に周波数が高くなり、縦軸については矢印方向に吸音・散乱効果が高くなることを意味する。また、吸音・散乱効果が発現する周波数帯域の中心周波数をfとする。
まず、図14(a)は、開口部52−1〜52−5のすべてが開放し、中空部材51−1〜51−5のすべてが「開状態」である場合を例示したものである。この場合、グラフに実線で示すように、中心周波数fを中心として比較的広い周波数帯域で吸音・散乱効果が発現する。図14(b)は、中空部材51−1のみが「閉状態」で、中空部材51−2〜51−5が「開状態」の場合を例示したものである。上述したように、中空部材51−1の開口部52−1は、他の中空部材に比べて最も閉口端511側に位置するから、この中空部材51−1が「閉状態」となると、同図(a)において吸音・散乱効果が発現する周波数帯域のうち、高域側の帯域および低域側でその効果が発現しなくなる。よって、図14(b)に示すように、吸音・散乱効果が発現する実線で示した周波数幅は、点線で示した同図(a)の場合よりも小さくなる。即ち、吸音・散乱特性の鋭さ(Q値)は大きくなる。なお、吸音・散乱特性の鋭さのことを、以下では単に「鋭さQ」ということがある。図14(c)は、中空部材51−1〜51−3が「閉状態」で、中空部材51−4及び51−5が「開状態」の場合を例示したものである。この場合、図14(a)、(b)に示す周波数帯域のうち、高域側の帯域および低域側の帯域の吸音・散乱効果が発現しなくなるから、実線で示したようにその効果が発現する周波数帯域はさらに小さくなる。よって、図14(c)に示すように、点線で示した同図(a)、(b)の場合よりも、吸音・散乱特性の鋭さQはさらに大きくなる。このように、第2実施形態の吸音・散乱体50によれば、制御装置70が中空部材51−1〜51−5のそれぞれの開閉状態をそれぞれ切り替えることにより、吸音・散乱効果を発現させる周波数幅を可変にして、吸音・散乱特性の鋭さQを調整することができる。
なお、制御装置70による中空部材51−1〜51−5のどれを「閉状態」とし、又は「開状態」とするかはミキサの操作者の操作内容に依存する。よって、例えば、中空部材51−3のみを「閉状態」とし、それ以外を「開状態」とする構成であってもよく、制御装置70は、各開口部52−1〜52−5に設けられた開閉部材54を個別に開閉状態を制御するものであればよい。
以上説明した第2実施形態の吸音・散乱体50によれば、制御装置70は中空部材51−1〜51−5のそれぞれの開閉状態を切り替えることにより、中心周波数fを中心とした、吸音・散乱効果が発現する周波数幅を変化させる。これにより、吸音・散乱特性の鋭さQが変化する。このような吸音・散乱体50においても、エンジニアはミキサを操作する簡易な操作を行うだけで、吸音・散乱体50の吸音し、散乱させる対象となる音の周波数帯域を可変にすることができる。
上述したように、第1実施形態で説明した吸音・散乱ボックス1や、第2実施形態で説明した吸音・散乱体50は、劇場やコンサートホール等の音響空間に設置される。吸音・散乱ボックス1は、音響空間内の複数の位置に配置され、例えばスピーカ装置のスピーカボックス上に置かれる。吸音・散乱ボックス1は、外観の構成が直方体であるから、その積み上げがしやすく、設置位置や設置数を変えるための作業負担は少なく、所望する吸音・散乱効果を得るための調整を容易に行える。また、それぞれ独立した部材として扱え、吸音・散乱ボックス1と反射面との距離や向きなどの位置関係の調整も容易であるから、音響特性を測定しながら、それが所望する特性となるように、吸音・散乱ボックス1の設置態様を微調整することもできる。
また、吸音・散乱ボックス1や吸音・散乱体50を、音響空間の壁面や天井付近に設置した場合、拡声システムにより拡声して発せられた音や、拡声していない生音の周波数特性上のピーク或いはディップ(カラレーションやハウリングに関連する周波数特性上の癖)を、壁面や天井に近い位置で改善することができるし、取り付け位置や設置数の制約が小さく、その調整をより自在に行える。また、吸音・散乱ボックス1や吸音・散乱体50を、拡声システムやマイクロホン近く、特にスピーカ直近に設置した場合、収音及び発音が行われる位置でこれらの効果が発現することになり、音響特性に作用する効果は高いと考えられる。
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
[変形例1]
上述した第1実施形態の吸音・散乱ボックス1は、音響管10,20が1つずつ箱型部材2内に設置された構成を有していたが、音響管10,20の数はそれぞれいくつであってもよい。また、箱型部材2の形状は、例えば球型や、六面体よりも面数の多い多面体状の箱型の部材によって構成されてもよい。また、音響管10,20の一部又は全体が外部空間に露出するように構成されていてもよい。この場合、音響ホールの壁面や天井面を反射面として利用し、その反射面からの反射波と、音響管10,20が放射する反射波との関係が図6の関係を満たすような位置関係になるようにすれば、実施形態と同じように吸音・散乱効果を発現させることができる。
また、音響管10の管状部材11や隔壁14、音響管20の筐体21や隔壁14a,14bの材料は、金属に限らず、合成樹脂や木材等の他の材料により形成されていてもよい。
[変形例2]
上述した第1実施形態において、音響管20は音響部20a,20b,20cの3つの音響部により構成されていたが、さらに多くの音響部を有する構成であってもよい。音響部の数に関係なく、隔壁が決められた位置に移動させられたときには、通路に相当する中空空間が塞がれて、複数の音響部の中空空間どうしが隔てられ、隔壁がそれ以外の位置に移動させられたときには複数の音響部の中空空間どうしが連なるようにすれば、共鳴周波数をより広い周波数範囲から設定可能となる。また、音響管20において、音響部20a,20bの内部空間はx軸方向に延在し、音響部20cの内部空間はy軸方向に延在していたが、これらの延在方向はxy平面上、又はxyz空間においてどの方向を向いていてもよい。また、音響管10,20の筐体や、その中空空間をyz平面方向に切断したときの断面形状が円形となるものに限らず、例えば別の形状となるようにしてもよい。ただし、隔壁14,14a、14bは音響管10,20の中空空間を複数に隔てるものであるから、その断面形状に応じた形状、寸法のものが用いられる。また、音響管10や、音響管20の音響部20a,20b,20は、一方向(x方向)に延在する中空空間を有していたが、中空空間に共鳴体が構成されればよく、例えば湾曲状である等の他の形状であってもよい。
上述した第2実施形態では、中空部材51は角筒状の部材であったが、円柱状や底面が多角形の柱状に構成されていてもよく、さらに別の形状であってもよい。要するに、音響管が有する延在する中空空間が共鳴体と機能するとともに、その断面方向には音圧分布がほとんど生じないような小ささであればよい。また、中空空間53を、yz平面方向やxz平面方向に切断したときの断面の形状が別の形状であってもよい。また、中空部材51は、2つの共鳴体が構成されるように中空部材51の側面に開口部52が設けられていたが、閉口端511,512を開口させるようにしてもよい。また、中空部材51は、2つの共鳴体が一直線上に位置するように構成されていたが、それ以外の角度をなすように構成されていてもよい。また、各共鳴体は同一平面(xy平面)上に構成されていなくてもよく、各共鳴体の延在方向はxyz空間内においてどの方向に向いていてもよい。また、中空部材51は、金属や木材などの他の材料で形成されていてもよい。
また、上述した第2実施形態では、吸音・散乱体50は、それぞれ別々の部材である中空部材51−1〜51−5によって構成され、その各々が中空空間を有することにより、吸音・散乱体50に複数の共鳴体が形成されていた。この構成に代えて、内部に中空空間が形成された箱状部材を用い、その中空空間をx方向に延在する仕切部材(例えば、板状部材)によって複数の中空空間にそれぞれ分けることにより、複数の中空空間が、それぞれ共鳴周波数の異なる共鳴体として構成されるようにしてもよい。この構成であっても、中空部材51は、中空空間をそれぞれ外部空間に通じさせる複数の開口部を有することになる。
[変形例3]
上述した第1実施形態の吸音・散乱ボックス1において、音響管10,20の内部に構成される共鳴体の全長が変更されるように構成されていれば、共鳴周波数を可変にすることができる。よって、筐体の開口部を開口端とした共鳴体において、閉口端となる移動部材を設けておき、制御装置が移動部材の位置を移動させて共鳴体の開口端の位置に対する閉口端の位置を変更する構成を有していればよい。すなわち、隔壁14,14a,14bに代えて、中空空間を移動可能な他の形状や他の寸法の部材を用いてもよい。例えば音響管10に代えて、図15に示すような音響管100を用いてもよい。
図15は、この変形例に係る音響管を例示する断面図である。図15(a)は、音響管100に伸縮可能な機構を設けた音響管100を、図5と同一方向に切断したときの断面を表した図であり、図15(b)は、同図(a)の状態から音響管100を縮めたときの断面を表した図である。
図15(a)に示すように、音響管100は、第1部材101と、第2部材102により構成され、内部には柱状の中空空間103が形成されている。第1部材101は、内部空間を外部に連通させる開口部120を有する中空状の部材であり、両端開口の管状部材である。第2部材102は、一端開口の管状部材であり、その外周面の直径は、第1部材101の内周面の直径よりも小さい。第2部材102は開口端側が中空空間103内を移動可能に設けられ、開口端に対する他端は閉口端104となっている。このように、音響管100は、第2部材102の外周面が第1部材101の内周面に接するようにして嵌め込まれた構成を有している。
第2部材102は、図中の矢印が示す方向(x軸方向)に移動させられる。この第2部材102の移動に係る構成の構成は、第2部材102の外周面に雄螺子を構成する溝が設けられ、第1部材101の内周面に雌螺子を構成する溝が設けられる構成とし、第1部材101に対して第2部材102が移動可能に設けられ、制御装置がモータを駆動して、第2部材102を回転させる。この駆動により、第2部材102が第1部材101に対してx軸方向に移動させられる。なお、この移動に係る構成は、スライドによる移動を採用するなど、公知のものを用いることができる。この音響管100において、第2部材102が本発明の移動部材に相当する。このような音響管100においては、開口部120の位置を開口端とし、閉口端104を閉口端とした共鳴体が中空空間103に構成される。
制御装置は、制御情報をミキサから受け取ると、それに応じて第2部材102の位置をx軸方向に移動させる。例えば、制御装置は、第2部材102を開口部120の方向(つまり、図15(b)に示す白抜き矢印方向)へ移動させると、共鳴周波数は高くなるし、その反対側へ移動させると、共鳴周波数は低くなる。この構成によれば、第1部材101と第2部材102との密着度が高く、共鳴周波数に応じて音響管10の寸法や形状が安定する。また、共鳴時に音響管が伸び縮みしにくいので、安定した共鳴現象を発生させることができる。
また、移動部材を移動させるための制御系の構成は前掲のもの以外にも、種々の公知の構成を採ることができる。
また、本発明をヘルムホルツ共鳴器に適用してもよい。この構成においては、ヘルムホルツ共鳴器のバネ成分に相当する容器の内側に形成される空気層(気体層)の体積を可変にするよう移動部材が設けられていればよい。具体的には、ヘルムホルツ共鳴器の容器の底面や側面を移動部材により構成しておけば、この移動部材は共鳴体の閉口端となる。この構成であっても、制御装置が共鳴体の閉口端となる移動部材を移動させることにより共鳴周波数が変化するので、実施形態と同等の効果を奏する。また、ヘルムホルツ共鳴器のマス成分に相当する首部分の長さを可変にするように移動部材が設けられてもよい。この場合、変形例3で述べたような管状部材が伸縮可能な構成を用いて、両端開口の管状部材を伸縮させる構成を採るとよい。
[変形例4]
上述した第2実施形態の吸音・散乱体50は、吸音・散乱効果が発現する周波数幅(鋭さQ)を可変にする構成を有していたが、さらに第1実施形態で説明した音響管10,20が備える構成を採用することにより、共鳴周波数も可変にする構成を備えるようにしてもよい。例えば中空部材51の中空空間に、第1実施形態と同様にして、隔壁14がx軸方向に対して移動可能なように、リードスクリュー13及び隔壁14を設けておく。この構成において、隔壁14が共鳴体の閉口端となっていれば、隔壁14の位置に応じて共鳴体の閉口端の位置が変化し、共鳴周波数が変わるからである。
上述した第2実施形態において共鳴周波数及び鋭さQを可変にする構成として、以下のような中空部材を用いてもよい。
図16は、この変形例に係る中空部材51aを例示する断面図である。図16(a)、(b)は、それぞれ図13(b)と同一方向に中空部材51aを切断したときの断面を表した図である。なお、中空部材51と同じ構成については同一の符号を用いて表し、その説明を省略する。
図16(a)に示すように、中空部材51aの側面には内部空間53を外部空間に通じさせる孔55が開けられている。この孔55のx軸方向の寸法Bは、第2実施形態の孔52の例えば3倍程度あり、y軸方向に対する寸法は孔52の寸法と同じである。また、内部空間53には、可動板56が設けられている。可動板56は、板状の基部56aと、基部56aの中央付近に開けられた正方形の孔56bとにより構成される。孔56bのx軸方向に対する寸法Eは、孔55のそれとほぼ同じであり、y軸方向に対する寸法も孔55のそれと同じである。可動板56は、制御装置70の制御の下で、内部空間53において中空部材51aの孔55が開けられた側の内壁に沿って、x軸方向にスライド方式により移動させられる。可動板56のうち基部56aは孔55を塞ぎ、孔56bは孔55と内部空間53とを通じさせる。すなわち、孔56bと孔55とが重なり合った位置で内部空間53は外部空間に通じる。
例えば、図16(a)の位置に可動板56がある場合、中空部材51aは、x軸方向に対する中央付近の位置で開口する。一方、図16(a)の位置から図中左方向に可動板56が移動させられ、同図(b)に示すように可動板56が端部511に接する位置に移動させられた場合、同図(a)の場合よりも、端部511寄りの位置で中空部材51aは開口する。この構成により、可動板56の位置に応じて端部511,512を一端としてそれぞれ構成される共鳴体の全長が変化する。例えば、同図(a)の場合、吸音・散乱効果が発現する周波数帯域のうち、中心周波数fに近い周波数帯域での効果の発現に寄与する。一方、同図(b)の場合、中心周波数fから遠い周波数帯域の効果の発現に寄与する。この構成によれば、可動板56の位置によって共鳴周波数が変わるから、各中空部材51aについて可動板56の位置を調整することにより、鋭さQの調整が可能となる。また、鋭さQの調整の仕方によらず、すべての中空部材51aが吸音・散乱効果を発現させるので、第2実施形態の構成のように、鋭さQを変化させるために有効に働かない部材を増やしてしまうことがない。つまり、鋭さQを可変にするにあたり、吸音・散乱効果の強さの変化を少なくすることができる。なお、ここでは、可動板56は、同図(a)、(b)示す範囲で移動可能であったが、端部511と512との間で移動可能に設けられてもよく、中空部材51aの左右方向を逆にすれば、端部512の位置に移動させられる場合と同等の機能を実現できる。また、孔55の寸法においては、共鳴周波数を変化させたい周波数範囲に基づいて決められればよい。また、また、スライド方式に限らず、例えばローラ等の駆動手段を用いて、可動板56を移動可能にしてもよい。
ここで、中空部材51aに係る構成においてx軸方向に対する寸法は以下の関係式を満たす。ただし、Aは、端部511の位置から孔56bの位置(端部511寄りの基部56aと孔56bとの境界)までの距離であり、Cは端部511の位置から基部56aの位置までの距離であり、Dは基部56aの端部511側の部分の長さであり、Fは基部56aの端部512側の部分の長さである。
C+D<A
D≦C
E+F>B
[変形例5]
上述した第1実施形態では、音響部20a,20bの中空空間15a,15bの延在方向と、音響部20cの中空空間15cとが直交していた。これに代えて、これらの中空空間が連なったときに1本の管と機能しやすいように、つまり、共鳴体として機能しやすいように、音響部20cの内部空間を中空空間15a,15bに対して直交させる構成に代えて、「U」字型のように湾曲させ、1本の管としての形状が滑らかなものとなるようにすることが好ましい。
また、上述した第1実施形態では、複数の音響部の中空空間を通じさせる場合に、図10に示すように空間が分岐しないように隔壁14a、14bの位置を設定していたが、分岐する位置に設定することを妨げるものではない。かかる位置に設定することにより、実施形態の場合よりも複雑な音響現象が発現し、実施形態とは異なる音響作用が発現すると考えられる。
[変形例6]
上述した第1、第2実施形態又は変形例に係る吸音・散乱ボックス、吸音・散乱体は、音響特性を制御する各種の音響室に配置することが可能である。ここで各種音響室は、防音室、ホール、劇場、音響機器のリスニングルーム、会議室等の居室、各種輸送機器の空間、スピーカや楽器などの筐体等である。
1…吸音・散乱ボックス、10,20,100…音響管、20a,20b,20c…音響部、101,101a…第1部材、102,102a…第2部材、103、15,15a,15b,15c,53…中空空間、104…閉口端、11…管状部材、12,12a,12b、120…開口部、13,13a、13b…リードスクリュー、14,14a,14b…隔壁、151,151a,151b,152,152a,152b…部分空間、161,162…端部、2…箱型部材、3…孔、31a,31b,31c、60…モータ、4…ケーブル、40,70…制御装置、50…吸音・散乱体、51,51a…中空部材、52…開口部、54…開閉部材、55,56b…孔、56…可動板。

Claims (1)

  1. 第1の中空空間と、第2の中空空間と、前記第1の中空空間と前記第2の中空空間とを通じさせる第3の中空空間とが内部に形成され、前記第1の中空空間及び前記第2の中空空間を、それぞれ異なる開口部を介して外部空間に通じさせる筐体であって、前記開口部のそれぞれが開口端となる共鳴体が内部に構成される筐体と、
    前記第1の中空空間内を移動させられる第1の移動部材と、
    前記第2の中空空間内を、前記第1の移動部材とは独立して移動させられる第2の移動部材と、
    前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材をそれぞれ移動させて、前記共鳴体の開口端の位置に対する閉口端の位置を変更する位置変更手段と
    を備えることを特徴とする音響構造体。
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