JP2005146650A - 吸音構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 二層壁の間に存在する空気層において特定の周波数の音を吸音する吸音構造であって、的を射た吸音性能を有するとともに、安価に構成することのできるものを提案する。
【解決手段】二層壁を構成する壁部材11と壁部材11の間の壁内空間15に介装される間柱10を、垂直方向に延在する中空管で構成し、該間柱10の側面に垂直方向に所定の間隔をあけて、壁内空間15に開口する複数の開口部14a・14a・・・を設けるとともに、該開口部14a・14a・・・の周縁部を他の部分より側方に突出した筒型形状として頸部13・13・・・を形成して、間柱10に複数のヘルムホルツ共鳴器を形成した。前記頸部13には延長部材20を設け、頸部13の実効長さを変更可能としてヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を変更可能とした。
【選択図】図1
【解決手段】二層壁を構成する壁部材11と壁部材11の間の壁内空間15に介装される間柱10を、垂直方向に延在する中空管で構成し、該間柱10の側面に垂直方向に所定の間隔をあけて、壁内空間15に開口する複数の開口部14a・14a・・・を設けるとともに、該開口部14a・14a・・・の周縁部を他の部分より側方に突出した筒型形状として頸部13・13・・・を形成して、間柱10に複数のヘルムホルツ共鳴器を形成した。前記頸部13には延長部材20を設け、頸部13の実効長さを変更可能としてヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を変更可能とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、建物における壁の吸音構造に関する。
単層壁の遮音性能は一般的に、『周波数が高いほど,壁の重量が大きいほど遮音性能が高い』という関係が成立し、この関係を遮音に関する質量則と呼んでいる。
壁の遮音性能を高めるためには,壁の重量を大きくする必要があるが,軽量化が要求される高層建物ではそれには限度がある。そこでこのような場合、二枚の壁の間に空気の層や多孔質材料を入れた二層壁が用いられる。
二層壁では、二枚の壁の面密度を合計して計算した質量則の値よりも大きな音響透過損失が得られる。例えば、図8に示すような、音響透過損失と周波数の関係を得ることができる。この図において、音響透過損失が低音域で質量則による値に比べて落ち込んでいるが、二枚の壁と中間の空気層によって生ずる共振現象によるものであって、低域共振透過と呼ばれている。また、音響透過損失が高音域で質量則による値に比べて落ち込んでいるが,これは壁体内部に生ずる曲げ波の波長と入射音波の波長とが一致することによって生ずる一種の共振現象によるもので,コインシデンス効果と呼ばれている。
壁の遮音性能を高めるためには,壁の重量を大きくする必要があるが,軽量化が要求される高層建物ではそれには限度がある。そこでこのような場合、二枚の壁の間に空気の層や多孔質材料を入れた二層壁が用いられる。
二層壁では、二枚の壁の面密度を合計して計算した質量則の値よりも大きな音響透過損失が得られる。例えば、図8に示すような、音響透過損失と周波数の関係を得ることができる。この図において、音響透過損失が低音域で質量則による値に比べて落ち込んでいるが、二枚の壁と中間の空気層によって生ずる共振現象によるものであって、低域共振透過と呼ばれている。また、音響透過損失が高音域で質量則による値に比べて落ち込んでいるが,これは壁体内部に生ずる曲げ波の波長と入射音波の波長とが一致することによって生ずる一種の共振現象によるもので,コインシデンス効果と呼ばれている。
前記低温域共鳴透過現象の生じる周波数をfrとし、コインシデンス現象の生じる周波数をfcとする。これら二つの周波数fr・fcの間で単層壁に勝る性能を得ることができるが、周波数fr・fcでの遮音欠損を改善することで、更なる遮音性能の向上が期待できる。
そこで、例えば、特許文献1や特許文献2において、ヘルムホルツの共鳴現象を利用した吸音構造が、提案されている。
なお、図9(a)に示すように、ヘルムホルツ共鳴器は、音の入口となる孔に頸部をつけて壷状の容器としたものであり、この共鳴器では、空洞の中の空気はばね、孔の空気は質量に相当して、一つの共鳴(振)系が構成される。そして、その共振周波数に近い周波数の音が容器の入口にあたると内部の空気が激しく振動(共鳴現象)する。そのとき頸部の摩擦抵抗によって音のエネルギーの一部が熱のエネルギーに変換されるために吸音効果が生ずる。従って、図9(b)に示すように、このような共鳴器の吸音特性は著しい周波数選択特性をもつことになり、そのため,共鳴器は特定の振動数の音に対する吸音構造として利用されている。
なお、図9(a)に示すように、ヘルムホルツ共鳴器は、音の入口となる孔に頸部をつけて壷状の容器としたものであり、この共鳴器では、空洞の中の空気はばね、孔の空気は質量に相当して、一つの共鳴(振)系が構成される。そして、その共振周波数に近い周波数の音が容器の入口にあたると内部の空気が激しく振動(共鳴現象)する。そのとき頸部の摩擦抵抗によって音のエネルギーの一部が熱のエネルギーに変換されるために吸音効果が生ずる。従って、図9(b)に示すように、このような共鳴器の吸音特性は著しい周波数選択特性をもつことになり、そのため,共鳴器は特定の振動数の音に対する吸音構造として利用されている。
特許文献1に記載の技術では、間柱が天井裏空間に臨む箇所において、天井裏空間と間柱の内部空間を接続する連通空間部が設けられ、間柱により該連通空間部に向かって開口するヘルムホルツ共鳴器が構成されている。
また、特許文献2に記載の技術では、室内空間に設けた中空構造の柱に、室内空間に向かって開口する共鳴吸音機構を組み込んで、重量源床衝撃音等で最も問題となる低周波数帯域を効率的に適限できるようにした構造が提案されている。
低域共振透過、すなわち、二枚の壁と中間の空気層によって生ずる共振現象による音響透過損失の低下を改善するためには、二枚の壁の間に存在する空気層において、効率よく、低域共振透過現象が発生する周波数の音を吸音することが好ましい。すなわち、低域共振透過による音響透過損失低下の改善のためには、壁内空間の音を吸音することが好ましいのである。
また、壁における吸音構造は、各壁に設ける必要があり一件の建築物となると設ける吸音構造の数は膨大なものとなり、少しでもコストを下げることが望ましい。
そこで、本発明では、二枚の壁の間に存在する空気層において特定の周波数の音を吸音する吸音構造であって、良好に機能するとともに、安価に構成することのできるものを提案する。さらに、より効果的に機能するために、吸音できる周波数を容易に調整できるものを提案する。
また、壁における吸音構造は、各壁に設ける必要があり一件の建築物となると設ける吸音構造の数は膨大なものとなり、少しでもコストを下げることが望ましい。
そこで、本発明では、二枚の壁の間に存在する空気層において特定の周波数の音を吸音する吸音構造であって、良好に機能するとともに、安価に構成することのできるものを提案する。さらに、より効果的に機能するために、吸音できる周波数を容易に調整できるものを提案する。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、二層壁を構成する壁部材と壁部材の間に介装される間柱を、垂直方向に延在する中空管で構成し、二枚の壁部材と、隣接する間柱又は柱と、間柱を支持する上下のランナーとで形成される壁内空間に向けて、開口する複数の開口部を、間柱の側面に垂直方向に所定の間隔をあけて設けるとともに、該開口部の周縁部を他の部分より側方に突出した筒型形状として頸部を形成したものである。
請求項2においては、前記頸部に嵌入又は嵌装可能な延長部材を設け、頸部の実効長さを変更可能としたものである。
請求項3においては、前記頸部に螺入又は螺嵌して連結する延長部材を設け、前記延長部材の外周にスプロケットを設け、間柱に設けた全ての延長部材のスプロケットにチェーンベルトを巻回し二枚の壁部材間に、少なくとも一方の壁部材の室内側から操作可能な調整部材を備え、該調整部材にてチェーンベルトを回転操作可能としたものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、間柱に複数のヘルムホルツ共鳴器を形成することができ、開口部の形状を調整することによって所望の周波数の音を吸音することができる。これを利用して、二層壁の壁内空間における遮音欠損周波数にターゲットを絞った吸音を行うことによって、二層壁に効率的に高い遮音性を備えることができる。このような単純な構造により二層壁の遮音性能を向上させることができ、また、無駄に多くの部材が不要となるため、コストを抑制することができる。
さらに、開口部の位置や開口部からの筒型形状の突出部の突出長さを調整することにより、一つの間柱で複数の周波数の音を吸音することも可能となる。
さらに、開口部の位置や開口部からの筒型形状の突出部の突出長さを調整することにより、一つの間柱で複数の周波数の音を吸音することも可能となる。
請求項2においては、吸音構造にて吸音できる周波数を容易に調整することができ、同一構造の間柱であっても、異なる周波数の音を吸音するように構成することが可能となる。
請求項3においては、吸音構造にて吸音できる周波数を容易に調整することができ、同一構造の間柱であっても、異なる周波数の音を吸音するように構成することが可能となる。さらに、壁の施工後であっても吸音しようとする音の周波数を微調整することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施例1に係る吸音構造を採用した二層壁を示す斜視図、図2は間柱の正面図、図3は間柱の側面図、図4は間柱の平面断面図である。
図5は本発明の実施例2に係る吸音構造の間柱の正面図、図6は延長部材の動作機構を示す間柱の正面図、図7は吸音構造を採用した二層壁を示す斜視図である。
図8は二層壁の透過損失を示す図、図9はヘルムホルツ共鳴器を説明する図である。
図1は本発明の実施例1に係る吸音構造を採用した二層壁を示す斜視図、図2は間柱の正面図、図3は間柱の側面図、図4は間柱の平面断面図である。
図5は本発明の実施例2に係る吸音構造の間柱の正面図、図6は延長部材の動作機構を示す間柱の正面図、図7は吸音構造を採用した二層壁を示す斜視図である。
図8は二層壁の透過損失を示す図、図9はヘルムホルツ共鳴器を説明する図である。
まず、本発明にかかる吸音構造の実施例1について説明する。
本発明に係る吸音構造は、二層壁において壁を支持する吸音機能を有する間柱により実現される。
図1に示す如く、二枚の壁部材11・11の間に空気層を挟んで構成された二層壁の間には、壁内空間15が形成されている。該壁内空間15には、壁部材11・11を支持するための間柱10・10・・・が立設されている。
間柱は10、内部空間を有する断面が矩形で直線状に延在する中空の軽鉄スタッドが採用されている。各間柱10・10・・・は、床スラブの上面に取り付けられたランナー17と、天井スラブの下面に取り付けられたランナー16にそれぞれ上下端部が嵌設されることで立設されている。
従って、間柱10により備えられる吸音構造によって吸音される音の存在する壁内空間15は、上のランナー16と、下のランナー17と、左右の間柱10・10と、前後の壁部材11・11とで、囲われて構成された空間ということになる。
本発明に係る吸音構造は、二層壁において壁を支持する吸音機能を有する間柱により実現される。
図1に示す如く、二枚の壁部材11・11の間に空気層を挟んで構成された二層壁の間には、壁内空間15が形成されている。該壁内空間15には、壁部材11・11を支持するための間柱10・10・・・が立設されている。
間柱は10、内部空間を有する断面が矩形で直線状に延在する中空の軽鉄スタッドが採用されている。各間柱10・10・・・は、床スラブの上面に取り付けられたランナー17と、天井スラブの下面に取り付けられたランナー16にそれぞれ上下端部が嵌設されることで立設されている。
従って、間柱10により備えられる吸音構造によって吸音される音の存在する壁内空間15は、上のランナー16と、下のランナー17と、左右の間柱10・10と、前後の壁部材11・11とで、囲われて構成された空間ということになる。
図2乃至図4に示す如く、間柱10には防震部材12・12を介して壁部材11・11が固定されている。ただし、防震部材12・12は必ずしも設ける必要はないが、これにより二層壁の遮音防音機能をより効果的に高めることができる。
各間柱10の上下端部は閉塞されており、間柱10の側面であって、隣接する間柱10又は柱に対峙する面には、壁内空間15に向かって開口する、音の入口となる開口部14aが設けられ、該開口部14aの周縁部が側方に向かって突出した筒型形状となるように、筒状部材が固設されることによって頸部13が形成されている。開口部14a及び頸部13は、間柱10の一側側面に所定の間隔をあけて複数設けられている。
なお、上下に配置される開口部14a・14aの間隔は、間柱10の内部断面積Smと、吸音しようとする音の波長や周波数により決定される。すなわち、間柱10の内部断面積Smと上下に配置される開口部14a・14aの間隔により求められる体積(この体積が、後述する実効体積Vを決定する)が、吸音しようとする音の波長に比べて小さな寸法であり、且つ、後述する共鳴周波数を得ることのできる寸法であるように決定される。なお、広範囲な吸音性能を求めるためには開口部14a・14a・・・のピッチをずらして調整することもできる。
そして、頸部13の内側13aを通じて、各開口部14aより同様に間柱10内部に入った音によって、擬似的に空気の境目14c・14c・・・が形成されることになって、特殊な壁にて連通する間柱10内部を仕切ることなく、擬似的な空気の境目14c・14cの間の体積である実効容積Vを形成することができる。これにより、間柱10の構造が簡易となり、製造に係るコストを低減することに寄与している。
そして、頸部13の内側13aを通じて、各開口部14aより同様に間柱10内部に入った音によって、擬似的に空気の境目14c・14c・・・が形成されることになって、特殊な壁にて連通する間柱10内部を仕切ることなく、擬似的な空気の境目14c・14cの間の体積である実効容積Vを形成することができる。これにより、間柱10の構造が簡易となり、製造に係るコストを低減することに寄与している。
上述の如く構成される間柱10には、ヘルムホルツ共鳴器が形成されている。
この共鳴器では、間柱10の内側14bにおいて実効容積Vを形成する空気が『ばね』、頸部13の内側13bの空気が『質量』に相当して、一つの共鳴系が構成される。
ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数をfhとし、空気中の音速(m/sec)をCとし、頸部13の内側13bの断面積(m2)をSとし、頸部13の内側13bの半径(m)をrとし、頸部13の入口から開口部14aまでの長さである実効長さ(m)をlとし、間柱10の内側14bの実効容積をVとした場合、下記式[数1]が成立する。
この共鳴器では、間柱10の内側14bにおいて実効容積Vを形成する空気が『ばね』、頸部13の内側13bの空気が『質量』に相当して、一つの共鳴系が構成される。
ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数をfhとし、空気中の音速(m/sec)をCとし、頸部13の内側13bの断面積(m2)をSとし、頸部13の内側13bの半径(m)をrとし、頸部13の入口から開口部14aまでの長さである実効長さ(m)をlとし、間柱10の内側14bの実効容積をVとした場合、下記式[数1]が成立する。
従って、頸部13の断面積Sや、半径r、実効長さl、実効容積Vを適宜選択することで、間柱10に形成される複数の各共鳴系において吸音しようとする周波数にヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を合わせることができる。
すなわち、二層壁の壁内空間15において遮音欠陥周波数である低域共振透過の周波数frにターゲットを絞り、fh=frとなる、断面積S、半径r、実効長さl、実効容積Vを決定して、間柱10を設計し、二層壁の遮音性能の確実な向上を図ることができるのである。
すなわち、二層壁の壁内空間15において遮音欠陥周波数である低域共振透過の周波数frにターゲットを絞り、fh=frとなる、断面積S、半径r、実効長さl、実効容積Vを決定して、間柱10を設計し、二層壁の遮音性能の確実な向上を図ることができるのである。
上述の如く決定される共振周波数fhに近い周波数の音がヘルムホルツ共鳴器の入口である頸部13の入口にあたると、頸部13の内側13aにある空気が激しく振動(共鳴現象)し、そのとき頸部13の内周との摩擦抵抗によって音のエネルギーの一部が熱のエネルギーに変換されるために吸音効果が生ずる。
このヘルムホルツ共鳴現象を利用した間柱10により、壁内空間15の所定の周波数の音を吸音することができる。
このヘルムホルツ共鳴現象を利用した間柱10により、壁内空間15の所定の周波数の音を吸音することができる。
上述の如く、二層壁の間に介在する間柱10に吸音構造を設けるため、部屋の内部に当該吸音構造に関する部分が露出することなく、美観を損ねることがない。そして、従来の間仕切り壁と同様の施工方法にて吸音機能を備えることができ、施工が簡易である。
また、図5に示すように、二層壁構造を採ることで、単層壁と比較して高い音響透過損失をえるとともに、その二層壁に特有の遮音欠損である低温域共鳴透過現象の生じる周波数を間柱10に設けた吸音構造にて吸音することで、ポイントを抑えた効果的な遮音構造を構成することができる。これにより、二層壁に遮音機能を備えるために無駄に多くの材料や材質を必要としないため、コストを抑制することができる。
さらに、上述の二層壁の構造にて十分な遮音性能を備えることができるが、二層壁の壁内空間15に、グラスウール等の吸音部材を装填させることもでき、この場合、二層壁の遮音性能の更なる向上が見込まれる。
また、図5に示すように、二層壁構造を採ることで、単層壁と比較して高い音響透過損失をえるとともに、その二層壁に特有の遮音欠損である低温域共鳴透過現象の生じる周波数を間柱10に設けた吸音構造にて吸音することで、ポイントを抑えた効果的な遮音構造を構成することができる。これにより、二層壁に遮音機能を備えるために無駄に多くの材料や材質を必要としないため、コストを抑制することができる。
さらに、上述の二層壁の構造にて十分な遮音性能を備えることができるが、二層壁の壁内空間15に、グラスウール等の吸音部材を装填させることもでき、この場合、二層壁の遮音性能の更なる向上が見込まれる。
次に、本発明に係る吸音構造の実施例2について説明する。実施例2においては、前記実施例1において間柱10に形成されるヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数fhを容易に変更可能であることを特徴としている。
図5に示す如く、頸部13には、該頸部13よりも一回り小さい筒状の延長部材20が螺入されている。頸部13の内周13aと、延長部材20の外周20aとに螺子が形成されており、頸部13に対して延長部材20を回転させることによって、延長部材20の頸部13からの突出長さである延長長さΔlを変更することができる。
但し、延長部材20を頸部13よりも一回り大きな筒状の部材として、延長部材20の内周と頸部13の外周とに螺子を形成し、延長部材20を頸部13の外側に螺嵌するように構成することもできる。
但し、延長部材20を頸部13よりも一回り大きな筒状の部材として、延長部材20の内周と頸部13の外周とに螺子を形成し、延長部材20を頸部13の外側に螺嵌するように構成することもできる。
ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数fhを決定する頸部13の実効長さlは、延長長さΔlと、予め頸部13の長さにより決定される基礎長さl0の和となる(l=l0+Δl)。すなわち、延長長さΔlを変更することによって、共鳴周波数fhを調整することができ、本形態の間柱10では、頸部13から突出する延長部材20の長さが容易に変更可能である。
従って、同形状の間柱10であっても、当該間柱10に形成されるヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数fhを様々なものとすることが可能となる。これにより、間柱10の汎用性が高まり、また、シュチュエーションに応じて好ましい共鳴周波数fhとなるように調整することができる。
従って、同形状の間柱10であっても、当該間柱10に形成されるヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数fhを様々なものとすることが可能となる。これにより、間柱10の汎用性が高まり、また、シュチュエーションに応じて好ましい共鳴周波数fhとなるように調整することができる。
図5及び図6に示す如く、前記延長部材20の端部外周には、スプロケット20bが形成されている。
また、間柱の頸部13が設けられているのと同一面に調整部材22が設けられている。調整部材22は、間柱10に固定された基台22dと、該基台22dに回動可能に支承された軸22cと、軸22cに嵌装されたスプロケット22b及び調整ダイヤル22aとで構成されている。調整ダイヤル22aと軸22cとスプロケット22bとは一体的に回転する。
前記調整ダイヤル22aは、図7に示す如く、間柱10に取り付けられる壁部材11・11のうち、少なくとも片側に形成された開口部24より、室内側から操作可能とされている。
また、間柱の頸部13が設けられているのと同一面に調整部材22が設けられている。調整部材22は、間柱10に固定された基台22dと、該基台22dに回動可能に支承された軸22cと、軸22cに嵌装されたスプロケット22b及び調整ダイヤル22aとで構成されている。調整ダイヤル22aと軸22cとスプロケット22bとは一体的に回転する。
前記調整ダイヤル22aは、図7に示す如く、間柱10に取り付けられる壁部材11・11のうち、少なくとも片側に形成された開口部24より、室内側から操作可能とされている。
そして、間柱10に設けられる全ての、又は、いずれか複数の延長部材20のスプロケット20bと、調整部材22のスプロケット22bとには、一つの無端チェーンベルト21が巻回されている。従って、調整部材22の調整ダイヤル22aを回転操作することにより、スプロケット22bが回転することに伴って、チェーンベルト21を介して延長部材20のスプロケット20bが回転し、延長部材20が頸部13に対して回転することとなる。すなわち、調整ダイヤル22aを回転操作することにより、頸部13より突出する延長部材20の長さを変更して、延長長さΔlを変更することができるのである。
上述の如く、室内側に露出する調整ダイヤル22aにて、頸部13より突出する延長部材20の長さを変更操作し、二層壁の壁内空間15に存在する間柱10に形成されるヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数fhを、調整することができる。
従って、二層壁を施工したあとからでも、該二層壁にて吸音しようとする音の周波数を調整することができることとなり、壁の大きさや素材等によって異なってくる吸音対象音を微調整することができ、より高い遮音性能を壁に備えることができる。
従って、二層壁を施工したあとからでも、該二層壁にて吸音しようとする音の周波数を調整することができることとなり、壁の大きさや素材等によって異なってくる吸音対象音を微調整することができ、より高い遮音性能を壁に備えることができる。
なお、上記実施例2においては、頸部13に延長部材20を螺入又は螺嵌する構造としているが、頸部13に延長部材20を嵌入又は外嵌する構造として、チェーンベルト21や調整部材22を備えない簡易な構造とすることもできる。この場合、二層壁の施工後は間柱10に形成されるヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数fhの調整をすることはできないが、同様の構成の間柱10に異なるヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数fhを備えることができるため、部材の汎用性が高まり、また、様々なシュチュエーションに対応する吸音構造とすることができるのである。
10 間柱
11 壁部材
13 頸部
14a 開口部
15 壁内空間
20 延長部材
21 チェーンベルト
22 調整部材
11 壁部材
13 頸部
14a 開口部
15 壁内空間
20 延長部材
21 チェーンベルト
22 調整部材
Claims (3)
- 二層壁を構成する壁部材と壁部材の間に介装される間柱を、垂直方向に延在する中空管で構成し、
二枚の壁部材と、隣接する間柱又は柱と、間柱を支持する上下のランナーとで形成される壁内空間に向けて、開口する複数の開口部を、間柱の側面に垂直方向に所定の間隔をあけて設けるとともに、
該開口部の周縁部を他の部分より側方に突出した筒型形状として頸部を形成したことを特徴とする吸音構造。 - 前記頸部に嵌入又は嵌装可能な延長部材を設け、頸部の実効長さを変更可能とした、請求項1に記載の吸音構造。
- 前記頸部に螺入又は螺嵌して連結する延長部材を設け、
前記延長部材の外周にスプロケットを設け、
間柱に設けた全ての延長部材のスプロケットにチェーンベルトを巻回し
二枚の壁部材間に、少なくとも一方の壁部材の室内側から操作可能な調整部材を備え、該調整部材にてチェーンベルトを回転操作可能とした、請求項1に記載の吸音構造。
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