JP2001092468A - 遮音壁の設計方法および遮音壁 - Google Patents

遮音壁の設計方法および遮音壁

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JP2001092468A
JP2001092468A JP37032299A JP37032299A JP2001092468A JP 2001092468 A JP2001092468 A JP 2001092468A JP 37032299 A JP37032299 A JP 37032299A JP 37032299 A JP37032299 A JP 37032299A JP 2001092468 A JP2001092468 A JP 2001092468A
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Hisanaga Matsuoka
久永 松岡
Yoriaki Ando
順明 安藤
Yasuhiko Nishimura
靖彦 西村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮音壁の騒音の減衰効果を向上することであ
る。 【解決手段】 互いに間隔をおいて対向する平板状の1
対の主壁部21と、両主壁部21の外周を結合し両主壁
部21の間に内部空間100aを形成する副壁部3とで
遮音壁本体となし、両主壁部21の間に略均等間隔をお
いて両主壁部21を貫通し空気通路400aを形成する
筒部41を設け、筒部41には空気通路400aと内部
空間100aとを連通せしめる連通穴401を形成して
なる遮音壁を設計するに際し、内部空間体積V0 および
空気通路数Nを、騒音の中心周波数f1 、音速cとして
0 /N=(c/4f1 3 にしたがい決定することで
連通穴401位置における音響インピーダンスを急減せ
しめ空気通路400aを進行する上記騒音の減衰作用を
高めるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遮音壁に関し特に通
気可能な遮音壁に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の騒音対策としてエンジンルームの
底壁の一部に遮音壁が設けられており、エンジンからの
騒音が車外へ放射されるのを防止している。遮音壁に
は、遮音性の他、エンジンルーム内の排熱、排気を良好
に行い得るように通気性も必要であり、壁厚方向に貫通
する空気通路が遮音壁全面に複数貫通している。空気通
路の断面積を大きくすると通気性はよくなるが、遮音性
は低下する。
【0003】かかるトレードオフの関係にある遮音性と
通気性の両立を図ったものとして、、間隔をおいて対向
する2枚の遮音板に、それぞれ開口部を形成して互いに
対向する構造のものがある(特許第2894189号、
特開平9−263269号公報、特開平10−2544
56号公報)。これは、2枚の遮音板を開口部で透過す
る音波の周波数が、開口部に存在する空気をマスとしこ
の空気により挟まれる空気層をバネとする振動系の共振
周波数を越えると、透過波の位相が反転することを利用
しており、位相反転波と非反転波との干渉により遮音壁
を抜ける音を減衰する(第1従来例)。
【0004】また、遮音壁を貫通する各空気通路の背後
にそれぞれ空洞(空間)を形成し、空洞と空気通路とを
連通穴で連通せしめてヘルムホルツ共鳴器となし、空気
通路を通過する音を減衰し、通気性と遮音性との両立を
図ったものがある(特開平8−177456号公報等、
第2従来例)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1従
来例では、遮音板の開口部自体が振動系を構成してその
形状に遮音周波数が依存するので、通気性と遮音性とが
両立するように開口部の大きさ等を決定するのが必ずし
も容易ではない。
【0006】また、第2従来例も遮音周波数の広帯域化
が要求される場合、遮音性能は必ずしも十分ではない。
例えば、第1の共鳴周波数のヘルムホルツ共鳴器を付設
した空気通路と、第2の共鳴周波数のヘルムホルツ共鳴
器を付設した空気通路とを併存せしめることで、減衰す
る周波数帯域を広くしようとすると、広くなった分、各
周波数における音の減衰量が小さくなってしまうからで
ある。
【0007】本発明は上記実情に鑑みなされたもので、
騒音の減衰効果が十分な遮音壁の設計方法および遮音壁
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、互いに間隔をおいて対向する平板状の1対の主壁部
の周縁を副壁部により結合して両主壁部の間に内部空間
を形成し、両主壁部の間に略均等間隔をおいて両主壁部
を貫通し空気通路を形成する筒部を設け、筒部には空気
通路と上記内部空間とを連通せしめる連通穴を形成して
なる遮音壁の形状を決定するに際し、遮音しようとする
騒音の中心周波数をf1 とし、上記内部空間の体積をV
0 とし、上記空気通路の数をNとし、音速をcとして、
0 /N=(c/4f1 3 にしたがって、内部空間の
体積および空気通路の数を決定する。
【0009】上記遮音壁は、連通穴の空気と内部空間の
空気とのバネ−マス振動系により生じるヘルムホルツ共
鳴を利用した騒音低減効果に、次のように騒音低減効果
を発揮する。すなわち、空気通路を進行する音波は、空
気通路の断面積が実質的に拡大する連通穴形成位置にお
いて音響インピーダンスの急激な変化のため一部が反射
されて減衰する(拡張室効果)。
【0010】ここで、上記のごとく内部空間の容積およ
び空気通路の数を決定することで、通気性を規定する空
気通路の形状とは無関係に遮音が要求される周波数f1
を中心とする周波数帯域において拡張室効果を得ること
ができ、遮音壁を設置する場所における音場に応じて効
果的に騒音低減効果を得ることができる。
【0011】請求項2記載の発明では、上記連通穴と上
記空気通路の背後空間とにより形成されるヘルムホルツ
共鳴器の共鳴周波数f2 を、Vを背後空間の体積とし、
tを連通穴の長さとし、nを連通穴の数とし、S0 を連
通穴の断面積として、f2 =(c/2π)(C0 /V)
0.5 (ここで、C0 =nS0 /(t+0.8S0 0.5))
により算出するに際し、V=V0 /Nとする。
【0012】内部空間は、これをヘルムホルツ共鳴器を
構成する空気バネと考える場合、N個の体積V0 /Nの
小部分が互いに連結したものと捉えることができる。し
かして、共鳴周波数f2 の算出に際し、背後空間の体積
VとしてV0 /Nとすることで、共鳴周波数f2 を適正
に算出することができる。逆に遮音が要求される周波数
2 に対して内部空間の容積および空気通路の数を決定
することができる。
【0013】請求項3記載の発明では、遮音壁を次のよ
うに構成する。互いに間隔をおいて対向する平板状の1
対の主壁部の周縁を副壁部により結合し両主壁部の間に
内部空間を形成し、両主壁部の間に略均等間隔をおいて
両主壁部を貫通し空気通路を形成する筒部を設ける。筒
部には空気通路と上記内部空間とを連通せしめる連通穴
を形成する。上記内部空間には複数の上記空気通路ごと
に上記筒部を囲む内部空間仕切り板を設けて内部空間を
仕切る。上記内部空間仕切り板により囲まれた上記空気
通路の間の間隔を、遮音しようとする周波数をfL 、音
速をcとしてc/(4fL )以下に設定する。
【0014】連通穴形成位置において空気通路の断面積
が実質的に拡大することによる拡張室効果と、連通穴の
空気をマスとし内部空間の空気をバネとするバネ−マス
振動系によるヘルムホルツ共鳴効果とが得られる。
【0015】ここで、筒部の外周の空間を、複数の空気
通路ごとに仕切られた比較的広い上記内部空間とするこ
とにより、十分な拡張室効果を得る。一方、内部空間仕
切り板により囲まれた上記空気通路の間の間隔を上記間
隔以下とすることで空気通路間の入射音波の位相ばらつ
きを抑制して、上記バネを共通とする上記バネ−マス振
動系の間の干渉を回避することができる。このように騒
音減衰作用を高めることで騒音低減周波数の広帯域化に
良好に対応できる。
【0016】請求項4記載の発明では、遮音壁を次のよ
うに構成する。互いに間隔をおいて対向する平板状の1
対の主壁部の周縁を副壁部により結合し両主壁部の間に
内部空間を形成し、両主壁部の間に略均等間隔をおいて
両主壁部を貫通し空気通路を形成する筒部を設ける。筒
部には空気通路と上記内部空間とを連通せしめる連通穴
を形成する。上記筒部を長穴形状に形成して各筒部をそ
の長手方向を一定方向に向けて配置する。
【0017】連通穴形成位置において空気通路の断面積
が実質的に拡大することによる拡張室効果と、連通穴の
空気をマスとし内部空間の空気をバネとするバネ−マス
振動系によるヘルムホルツ共鳴効果とが得られる。
【0018】さらに、長穴形状の筒部はその長手方向を
一定方向に向けてあるので、この方向を遮音壁面に沿っ
て流れる空気の流れ方向に合わせることで空気が空気通
路内にスムーズに流れ込み、通気性の向上を図ることが
できる。その分、空気通路は通路断面積が小さくともよ
いので遮音性の向上を図ることができ、騒音低減周波数
の広帯域化にも良好に対応できる。
【0019】請求項5記載の発明では、請求項3または
4の発明の構成において、上記筒部は、上記連通穴の径
の異なる複数の種類の筒部からなる構成とする。
【0020】連通穴の径の種類に応じてヘルムホルツ共
鳴による騒音低減中心周波数が増え、増えた分に応じ
て、騒音低減周波数帯域の広帯域化を図ることができ
る。
【0021】請求項6記載の発明では、請求項3ないし
5の発明の構成において、上記筒部各々には、開口面積
の異なる複数の連通穴を形成する。
【0022】連通穴の径の種類に応じてヘルムホルツ共
鳴による騒音低減中心周波数が増え、増えた分に応じ
て、騒音低減周波数帯域の広帯域化を図ることができ
る。
【0023】請求項7記載の発明では、請求項3ないし
6の発明の構成において、上記連通穴の上記空気通路側
の開口端をラッパ状に形成する。
【0024】空気通路を形成する筒部の内周面が連通穴
の内周面へとなだらかに連続するので、空気通路を流通
する空気が連通穴位置にて剪断されにくく渦の発生を抑
制することができ、笛吹き音を低減することができる。
【0025】請求項8記載の発明では、請求項3ないし
7の発明の構成において、上記連通穴を菱形穴に形成し
てその対角線を略上記筒部の軸線方向と一致せしめる。
【0026】空気通路を流れる空気流により、菱形連通
穴の上流側の辺位置で発生した渦が下流側の辺に衝突す
る。ここで、渦が菱形連通穴の内周面に対して斜めに衝
突するようにしたので、衝突の強さが緩和され、笛吹き
音を低減することができる。
【0027】請求項9記載の発明では、請求項3ないし
8の発明の構成において、上記連通穴の形状を、上記筒
部軸線方向の連通穴の幅のプロファイルが上記筒部周方
向の上記連通穴の中心を挟み非対称な形状ととする。
【0028】空気通路の空気流が連通穴開口周縁を通過
するときに、この連通穴開口周縁で渦が発生し連通穴内
を空気通路の下流側方向に移動して連通穴内周面で衝突
し笛吹き音を発生する。この渦は連通穴開口周縁の各部
で同時に発生するが、連通穴の上記軸線方向の幅が同じ
場所では渦の衝突のタイミングが一致して笛吹き音が重
畳する。筒部の軸線方向の連通穴の幅のプロファイルが
該連通穴を上記筒部の周方向の中心を挟み非対称である
から、発生する渦の重畳を緩和することができる。
【0029】請求項10記載の発明では、請求項3ない
し9の発明の構成において、上記筒部各々に、上記筒部
内を複数の並列の空気通路に分割する空気通路仕切り板
を設け、上記連通穴は、上記空気通路各々と上記内部空
間とを連通せしめるように形成する。
【0030】各連通穴と通じる空気通路の断面積が小さ
くなるので、同じ空気通路を進行する音波間の位相ばら
つきを小さく抑えることができ、好適に音波が減衰され
る。
【0031】請求項11記載の発明では、請求項10の
発明の構成において、上記空気通路仕切り板を上記筒部
の軸線方向に対して一定方向に傾げて設ける。
【0032】空気通路仕切り板の板面と遮音壁の壁面と
が90°以上の角度をなすから、遮音壁の壁面に沿って
流れる空気が空気通路にスムーズに流れ、通気性が向上
し、その分、筒部を小さなものにして遮音性を高めるこ
とができる。
【0033】請求項12記載の発明では、請求項3ない
し11の発明の構成において、上記内部空間を上記主壁
部の対向方向に二分する隔壁を設け、上記両主壁部およ
び上記隔壁を貫通する上記筒部に加え、一方の上記主壁
部を貫通し上記隔壁を閉鎖端とする別の筒部を設け、該
別の筒部には該筒部内空間と上記内部空間とを連通せし
める連通穴を形成する。上記別の筒部が開口する側の壁
面を遮音が要求される側に向ける。
【0034】例えば車両のアンダーカバーに遮音壁を取
り付けた場合、路面で反射した騒音が別の筒部内に入射
し、反射騒音が、連通穴で通路断面積が拡大することに
よる拡張室効果と、筒部の外周を背後空間とするヘルム
ホルツ共鳴効果とにより減衰し、さらに騒音低減効果を
得ることができる。
【0035】請求項13記載の発明では、請求項3ない
し12の発明の構成において、上記筒部と同軸で該筒部
の外周に上記両主壁部により閉鎖された外筒を設けて上
記筒部と上記外筒との間に環状空間を形成し、上記外筒
には筒壁内外を連通せしめる連通穴を上記筒部の連通穴
と重なる位置に形成する。
【0036】内筒に形成された連通穴を首部とし内筒と
外筒との間の環状空間を空洞とする第1のヘルムホルツ
共鳴器と、外筒に形成された連通穴を首部とし外筒の外
周部を空洞とする第2のヘルムホルツ共鳴器とが連結し
た構造となる。また内筒と外筒とに、互いに重なるよう
に形成された連通穴において空気通路の断面積が拡大し
拡張室効果が得られる。
【0037】外筒の径を変えることで両ヘルムホルツ共
鳴器における空洞の体積を調整できるので、これによっ
ても、連通穴の径等を変えるのと同様に共鳴周波数を設
定することができる。しかして設計の自由度が拡がり、
所望の遮音特性を得るのが容易になる。
【0038】請求項14記載の発明では、請求項3ない
し13の発明の構成において、騒音発生源とは反対側の
壁面を上記空気通路開口位置を除き吸音材で覆う。
【0039】請求項13の発明のように反射騒音を減衰
することができ、騒音をさらに低減することができる。
【0040】請求項15記載の発明では、請求項3ない
し14の発明の構成において、上記連通穴の内周面の一
部と上記両主壁部の対向面の少なくとも一方とを一致せ
しめる。
【0041】連通穴の周縁を形成する主壁部の内部空間
側の面を上向きにして取り付けると、内部空間に水が侵
入しても連通穴から空気通路開口部を通り排出され、遮
音壁内部に水が溜まるのを防止することができる。
【0042】請求項16記載の発明では、請求項3ない
し15の発明の構成において、上記筒部の外周に該筒部
と同軸に、その周方向に回動する可動筒を設け、該可動
筒にはその筒壁を貫通する横穴を形成し、可動筒の回動
位置に応じて上記筒部の連通穴と可動筒の横穴の重なり
部の面積を可変とする。
【0043】筒部の連通穴の開口面積を実質的に調整す
ることにより、ヘルムホルツ共鳴の共鳴周波数を変更し
て容易に遮音特性を調整することができ、要求される遮
音特性を速やかに得ることができる。
【0044】請求項17記載の発明では、請求項16の
発明の構成において、上記外筒各々と機械的に結合して
該可動筒と連動し外筒の回転角度位置を調整する可動筒
調整手段を具備せしめる。
【0045】遮音壁本体に設けられたすべての筒部につ
いて、筒部の連通穴と可動筒の横穴の重なり部の面積を
一度に調整することができる。
【0046】請求項18記載の発明では、請求項3ない
し17の発明の構成において、上記遮音壁本体を、一方
の主壁部を含む側の一方の半部と他方の主壁部を含む側
の他方の半部とが接合してなる構成とし、上記筒部を、
上記両半部各々から突出する複数の突出部が接合してな
る構成とし、かつ、突出部同志の接合面を上記連通穴の
縦断面に沿って形成する。
【0047】かかる構成とすることにより、使用部品を
2つにすることができる。
【0048】請求項19記載の発明では、請求項3ない
し17の発明の構成において、上記遮音壁本体を、一方
の主壁部を含む側の一方の半部と他方の主壁部を含む側
の他方の半部とが接合してなる構成とする。上記筒部
は、上記両半部の対向位置に開口部を形成するとともに
一方の半部の開口部の周縁部を突出せしめてこの突出部
を他方の半部の開口部の周縁部と接合してなる構成とす
る。上記連通穴を、上記突出部を周方向に突出高さが高
低を繰り返す形状として上記他方の半部と非接合となる
低所位置にて上記空気通路と内部空間とが連通してなる
構成とする。
【0049】かかる構成とすることにより、使用部品を
2つにすることができるとともに、連通穴が他方の半部
を連通穴の周縁の一部として形成されるので、両半部の
接合時の位置合わせが容易である。
【0050】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1、図2、図
3、図4に本発明の遮音壁の設計方法に供する遮音壁を
示す。図4に示すように、遮音壁1は車両Vのエンジン
V1が格納されるエンジンルームV2の底壁V3の一部
として取り付けられ、エンジンV1の騒音がエンジンル
ームV2内から外部へ放出されるのを防止しながら通気
するようになっており、車両Vの前部からエンジンルー
ムV2内に取り入れた空気がスムーズに車両Vの下方へ
と流れるようになっている。
【0051】図1、図2、図3において、遮音壁1は、
間隔をおいて対向する2枚の正方形の主壁部たるプレー
ト21を備えている。プレート21の間にはプレート2
1を縁取る副壁部たる4つのサイドプレート3が設けら
れ、両プレート21と接着してある。両プレート21と
サイドプレート3とで遮音壁本体1aを構成し、遮音壁
本体1a内部には扁平な矩形の内部空間100aが形成
される。
【0052】両プレート21には、それぞれ同じ位置に
円形の貫通穴201が縦方向および横方向に等間隔に複
数個(図例では7×7個)形成してある。各貫通穴20
1には、それぞれ同じ形状の筒部41が嵌入してあり、
貫通穴201を塞いでいる。筒部41は両端開口の筒状
体で、筒部41内は、遮音壁1により隔てられる一方の
プレート21が面した側と他方のプレート21が面した
側との間で空気が流通可能であり、空気通路400aと
なっている。
【0053】遮音壁1を構成する上記プレート21、サ
イドプレート3および筒部41には、ステンレススティ
ール等の金属やポリプロピレン等の樹脂が用いられる。
【0054】筒部41の筒壁には連通穴401が周方向
に等間隔に4箇所設けてあり、空気通路400aと上記
内部空間100aとを連通している。
【0055】空気通路400aに入射し進行する音波が
連通穴401位置を通過する際に、図5に示すように、
空気通路400aのみかけ上の断面積が拡大することで
(S1からS2)音響インピーダンスが急激に変化し、
それによって入射波の一部が反射されて減衰し、透過波
が弱まり、騒音を低減せしめる(拡張室効果)。また、
各連通穴401は、空気通路400aの背後空間ととも
にヘルムホルツ共鳴器を構成し、図6に示すように、首
部である連通穴401部分の空気(マス)と空洞である
上記背後空間の空気(バネ)が形成するバネ−マス系
と、空気通路を進行する音波との共鳴により空気通路4
00aを進行する入射音のエネルギーが摩擦による熱エ
ネルギーに変換され、騒音を低減せしめる(ヘルムホル
ツ共鳴)。
【0056】ここで、拡張室効果についてみると、遮音
壁本体1aを構成する対向するプレート21とこれを縁
取るサイドプレート3とで広い内部空間100aを形成
している。かかる内部空間100aが、空気通路400
aを進行する音波の移動先となっているので、空気通路
400aから移動した音波に対して優れた減衰作用を発
揮する。
【0057】しかして、ヘルムホルツ共鳴による作用に
加えて大きな拡張室作用を得ることができ、一層の騒音
低減を図ることができる。
【0058】なお、拡張室効果により低減する騒音の中
心周波数f1 は発明者らが得た知見によれば式(1)に
より与えられ、式(1)におけるL1 は、内部空間10
0aの体積をV0 、空気通路400aの数をN(図例で
は7×7=49)として式(2)により与えられる。こ
こでcは空気中の音速である。したがって、所望の中心
周波数f1 に対してV0 /Nを(c/4f1 3 により
算出し、算出したV0/Nを満たすようにV0 とNとを
決定する。
【0059】
【数1】
【0060】また、ヘルムホルツ共鳴により低減する騒
音の中心周波数f2 は式(3)により与えられる。ここ
で、Vはヘルムホルツ空洞体積(空気通路の背後空
間)、tは連通穴の長さ、S0 は連通穴断面積、nは筒
部当たりの連通穴の数(図例では4)とする。式(3)
におけるVは式(4)により与える。内部空間100a
は、これをヘルムホルツ共鳴器を構成する空気バネと考
える場合、N個の体積V0/Nの小部分が互いに連結し
たものと捉えることができるからである。
【0061】
【数2】
【0062】したがって、所望の共鳴周波数f1
2 、例えば可聴周波数の中心帯域の2つの周波数に対
し、V0 ,Nを選択して周波数f1 ,f2 を中心とする
周波数帯域の騒音の低減を図ることができる。
【0063】このように設計した本遮音壁1の遮音性能
を無響音室にて測定した。測定は図7に示すように、矩
形の箱の互いに対向する壁の一方にスピーカーを箱の内
側に向けて取付け、壁の他方に遮音壁を嵌め込む矩形の
穴を形成し、穴に遮音壁を嵌め込んだ状態で遮音壁を通
して箱外に漏れるスピーカからの騒音を騒音マイクによ
り測定した。測定結果を図8に示す。図には本実施形態
(本発明)とともに、筒部に連通穴のない遮音壁(単純
穴)と遮音壁のない場合(開放)について併せて示して
いる。可聴周波数の中心帯域にて高い騒音低減効果を発
揮することが分かる。
【0064】なお、本実施形態では筒部の連通穴が筒部
の軸方向にひとつのみ配してあるが、複数配してもよ
く、各連通穴位置において騒音を減衰することができ
る。
【0065】また、遮音壁を設置する環境の音場の騒音
特性に応じて、上記周波数f1 ,f 2 は適宜設定してよ
いのは勿論である。
【0066】(第2実施形態)図9、図10、図11に
本発明の遮音壁の設計方法に適用した別の遮音壁を示
す。第1実施形態において、筒部を別の構成に代えたも
のである。図中、第1実施形態と同じ番号を付した部分
は実質的に同じ作用をするので、第1実施形態との相違
点を中心に説明する。
【0067】筒部42は、長さ、内外径等、基本的に第
1実施形態の筒部と同じものであり、相違点は、第1実
施形態では4つの連通穴の径が同じであったのに対し
て、本実施形態では、穴径の異なる2種類の連通穴40
2A,402Bが、筒部42の周方向に交互に形成して
ある。
【0068】本実施形態ではヘルムホルツ共鳴の共鳴周
波数が、連通穴径が2種類になることにより、式(3−
1)、(3−1)に示すように2つ(f21,f22)現れ
る。したがって、騒音低減周波数帯域が広くなる。式
中、S21は連通穴402Aの断面積、S22は連通穴40
2Bの断面積である。なお、拡張室効果による共鳴周波
数は、式(1),(2)より知られるように、内部空間
体積V0 、空気通路数Nが変わらないので第1実施形態
と同じである。
【0069】
【数3】
【0070】(第3実施形態)図12、図13、図14
に本発明の遮音壁の設計方法に供した別の遮音壁を示
す。第1実施形態において、筒部を別の構成に代えたも
のである。図中、第1実施形態と同じ番号を付した部分
は実質的に同じ作用をするので、第1実施形態との相違
点を中心に説明する。
【0071】筒部は筒部43と筒部44との2種類あ
り、プレート2に等間隔に形成された上記貫通穴201
に上記縦方向および上記横方向に交互に配置してある。
筒部43と筒部44とは、いずれも長さ、内外径等、基
本的に第1実施形態の筒部と同じもので、周方向に等間
隔で4つの連通穴が形成してある。第1の種類の筒部4
3に形成された連通穴403は、第2の種類の筒部44
に形成された連通穴404よりも小径としてある。
【0072】本実施形態でも、第2実施形態のごとく連
通穴径が2種類になることにより、第2実施形態と同様
にヘルムホルツ共鳴の共鳴周波数が2つ(f21,f22
現れる。式は式(3−1)、式(3−2)をそのまま適
用することができる。したがって、騒音低減周波数帯域
が広くなる。
【0073】(第4実施形態)図15、図16、図17
に本発明の遮音壁を示す。遮音壁1Cは基本的な構成は
上記図1等に示したものと同じもので、本体1bは、間
隔をおいて対向する2枚の正方形の主壁部たるプレート
22と、プレート22を縁取る副壁部たる4つのサイド
プレート3とで構成され、遮音壁本体1b内部には扁平
な矩形の内部空間100bが形成される。
【0074】両プレート22には、それぞれ同じ位置に
円形の貫通穴202が縦方向および横方向に等間隔に6
×6個形成してあり、それぞれ同じ形状の筒部45によ
り閉鎖されている。筒部45は両端開口の筒状体で、筒
部45内は、遮音壁1Cにより隔てられる一方のプレー
ト22が面した側と他方のプレート22が面した側との
間で空気が流通可能であり、空気通路400bとなって
いる。
【0075】内部空間100bには、筒部45の配列方
向に伸びる内部空間仕切り板51が格子状に設けてあ
り、筒部45を複数個(図例では2×2個)ごとに囲ん
でいる。内部空間100bは、内部空間仕切り板51に
より画成された内側部分のみが各2×2個の筒部45の
背後空間を形成する。内部空間仕切り板51には、例え
ば、細長の板状部材をサイドプレート3と同じ高さの幅
に成形するとともにこれに所定間隔で側縁から幅方向に
スリット状の切り欠きを入れたものを用い、この内部空
間仕切り板51同志を切り欠き部でかみ合わせて格子状
に形成することができる。
【0076】ここで、内部空間仕切り板51の数すなわ
ち内部空間仕切り板51により分割される内部空間10
0bの大きさは次のように設定する。分割内部空間10
0bが共通である2×2個の筒部45の配置間隔(筒部
45の中心間距離)Lを、遮音しようとする周波数をf
L 、音速をcとして式(5)を満たすように設定する。
【0077】L≦c/(4fL )・・・・(5)
【0078】筒部45の筒壁には連通穴405が周方向
に等間隔に4箇所設けてあり、空気通路400bと上記
内部空間100bとを連通している。連通穴405は空
気通路400b側の開口端が「R」に形成してあり、空
気通路400b側ほど拡径するラッパ状となっている。
【0079】本遮音壁1Cにおいて、空気通路400b
に入射し進行する音波が連通穴405位置を通過する際
に、上記遮音壁1(図1〜図3)等と同様に空気通路4
00bを進行する音波のみかけ上の通路断面積が拡大す
ることで音響インピーダンスが急激に変化する(拡張室
効果、図5参照)。
【0080】ここで、内部空間仕切り板51は筒部45
を2×2個囲んでおり、比較的大きな体積を有している
ので、連通穴405位置における音響インピーダンスの
変化は極めて大であり、入射波の多くが反射されて減衰
し、透過波が弱まり、効果的に騒音を低減せしめる。
【0081】また、各連通穴405は、空気通路400
bの背後空間である分割内部空間100bとともにヘル
ムホルツ共鳴器を構成し、騒音を低減せしめる(ヘルム
ホルツ共鳴、図6参照)。
【0082】しかも、上記のごとく内部空間仕切り板5
1が囲い込む2×2個の筒部45の配置間隔を設定する
ことで、次の効果を奏する。すなわち、上記のごとく、
連通穴405の空気と内部空間100bの空気とはバネ
−マス振動系を構成し、相隣れる筒部45に形成された
連通穴405同志は内部空間100bの空気をバネとし
て接続されていることになる。したがって、相隣れる空
気通路400bに入射する音波に位相差があるとその
分、摩擦による熱エネルギーに変換される量が減じられ
ることになる。ここで一定の音源から発せられた音波に
ついて考えると、空気通路400b同志が離れているほ
ど上記位相差は大きくなるおそれが高い。そこで、上記
のごとく筒部45の配置間隔Lを式(5)のように設定
することで騒音低減への影響が生じないとみなし得る位
相差π/2以下とすることができる。しかして、上記バ
ネ−マス振動系の共振を損なうことが回避され、良好な
騒音低減効果を発揮する。
【0083】また、連通穴405をラッパ状とすること
で次の効果を奏する。図18は連通穴の内周面が空気通
路と直交する場合(単純穴)の拡大図で、空気通路40
5を空気流(風)が通ると連通穴405位置において風
の通路断面積が急激に拡大して連通穴405内に渦が発
生し、空気流の下流側に移動する。この渦は下流側にて
連通穴405の内周面に衝突しその時圧力波が風とは逆
方向に進行して上記渦が強化されるとともに安定する。
この渦が連通穴405の内周面に衝突する時に発生する
音がヘルムホルツ周波数で共鳴し、笛吹き音となる。
【0084】これに対して本実施形態では連通穴405
をラッパ状とすることで空気通路400bの内周面が連
通穴405の内周面へとなだらかにつながるようにした
ので、渦の発生が抑制され笛吹き音を防止することがで
きる。
【0085】(第5実施形態)図19、図20、図21
に本発明の別の遮音壁を示す。遮音壁1Dは基本的な構
成は上記図15等に示したものと同じもので、本体1c
は、間隔をおいて対向する2枚の正方形の主壁部たるプ
レート23a,23bと、プレート23a,23bを縁
取る副壁部たる4つのサイドプレート3とで構成され、
遮音壁本体1c内部には扁平な矩形の内部空間100c
が形成される。
【0086】筒部46は、プレート23aに4×4に形
成された貫通穴203ごとに設けられ、貫通穴203を
開口端とする空気通路400cが形成される。空気通路
400cは第4実施形態の遮音壁よりもやや大径のもの
である。内部空間仕切り板52が2×2個の筒部46ご
とに筒部46を囲い込み、内部空間仕切り板52により
仕切られた内部空間100cが各2×2個の筒部46に
共通の背後空間となる。本実施形態も内部空間仕切り板
52が囲む筒部46は2×2個であるから、筒部46の
中心間距離2が上記式(5)を持たすようにすればよ
い。
【0087】筒部46には、周方向に等間隔に8つの連
通穴406が形成され、空気通路400cと内部空間1
00cとを連通する。この構成とすることで、ヘルムホ
ルツ共鳴と拡張室効果を利用でき、広い周波数で遮音効
果を得ることができ、遮音壁で囲まれた空間の音圧を下
げることができる。
【0088】(第6実施形態)図22、図23、図24
に本発明のさらに別の遮音壁を示す。遮音壁1Eは基本
的な構成は上記図15等に示したものと同じもので、本
体1dは、間隔をおいて対向する2枚の正方形の主壁部
たるプレート24と、プレート24を縁取る副壁部たる
4つのサイドプレート3とで構成され、遮音壁本体1d
内部には扁平な矩形の内部空間100dが形成される。
【0089】プレート24には円穴に代えて図中左右方
向に細長の長穴である長方形の貫通穴204が図中前後
方向に3つ配列してある。貫通穴204には、それぞれ
上記貫通穴204と同形状の断面長方形の筒部47が嵌
入してあり、貫通穴204を閉鎖している。
【0090】両端開口の各筒部47内には、筒部47の
筒壁の長辺部同志を橋渡しする空気通路仕切り板471
が図中左右方向に等間隔に13枚設けてあり、各筒部4
7内を、14の空気通過400dに分割している。
【0091】筒部47の筒壁長辺部には、それぞれ筒壁
を貫通する横穴が形成してあり、空気通路400dと内
部空間100dとを連通する連通穴407としてある。
【0092】内部空間100dには内部空間仕切り板5
3が設けてあり、内部空間100dを仕切っている。内
部空間仕切り板53には、相隣れる筒部47の間をその
長手方向に伸びるものと、これと直交し各筒部47と順
次交叉するものとの2種類により内部空間100dを略
矩形の空間に分割し、3つまたは4つの空気通路400
dを囲い込む。
【0093】かかる構成でも、空気通路仕切り板53に
より囲い込まれる空気通路400dの中心間の距離が上
記式(5)を満たすように設定することで、騒音の位相
のばらつきによる影響を低減することができる。図例で
は3つないし4つの空気通路400dごとに空気通路4
00dを囲い込んでいるので、4つ並んだ空気通路40
0dのうちの、最も外側の2つの空気通路400dの中
心間距離が最も大きく、この距離が上記式(5)を満た
すように設定することになる。
【0094】(第7実施形態)図25、図26、図27
に本発明のさらに別の遮音壁を示す。第5実施形態にお
いて、筒部を別の構成に代えたものである。図中、第5
実施形態と同じ番号を付した部分は実質的に同じ作用を
するので、第5実施形態との相違点を中心に説明する。
【0095】本遮音壁1Fの筒部48は、長さ、内外径
等、基本的に第5実施形態の筒部と同じものであり、第
5実施形態では8つの連通穴の径が同じであったのに対
して、本実施形態では、筒部48に、穴径の異なる2種
類の連通穴408A,408Bが筒部48の周方向に交
互に形成してある。
【0096】本実施形態では、上記図9〜図11に示し
た遮音壁のごとく連通穴径が2種類になることにより、
ヘルムホルツ共鳴の共鳴周波数が2つ(f21,f22)現
れる。したがって、騒音低減周波数帯域が広くなり、例
えば遮音壁の設置場所の音場がピーク周波数を2つ有す
る特性の場合等に好適である。
【0097】(第8実施形態)図28、図29、図30
に本発明のさらに別の遮音壁を示す。第5実施形態にお
いて、筒部を別の構成に代えたものである。図中、第5
実施形態と同じ番号を付した部分は実質的に同じ作用を
するので、第5実施形態との相違点を中心に説明する。
【0098】本遮音壁1Gの筒部は筒部49Aと筒部4
9Bとの2種類あり、プレート23aに等間隔に形成さ
れた貫通穴203位置に上記縦方向および上記横方向に
交互に配置してある。筒部49Aと筒部49Bとは、い
ずれも長さ、内外径等、基本的に第5実施形態の筒部と
同じもので、空気通路400cと内部空間100dとを
連通する連通穴径が異なり、第1の種類の筒部49Aに
形成された連通穴409Aは、第2の種類の筒部49B
に形成された連通穴409Bよりも小径としてある。各
連通穴409A,409Bはそれぞれ筒部49A,49
Bの周方向に等間隔で8つずつ形成される。
【0099】本実施形態でも、第7実施形態のごとく連
通穴径が2種類になることによりヘルムホルツ共鳴の共
鳴周波数が2つ(f21,f22)現れる。したがって、騒
音低減周波数帯域が広くなる。
【0100】(第9実施形態)図31、図32、図33
に本発明のさらに別の遮音壁を示す。上記第4実施形態
に示した構成において、筒部構造を二重筒としたもの
で、図中、上記図15〜図17と同じ番号を付した部分
については実質的に同じ作動をするので上記第4実施形
態との相違点を中心に説明する。
【0101】遮音壁1Hの筒部45の外周にはこれと同
軸に外筒451が設けられ、筒部45と外筒451とで
内外二重筒構造となっており、筒部45と外筒451と
の間は両端がプレート22で閉鎖された環状の空間10
0eが形成される。
【0102】各外筒451には筒壁内外を連通せしめる
連通穴4051が周方向に等間隔に4つずつ形成してあ
り、空気通路400bが環状空間100eを介してその
外周の空間100fと連通するようになっている。同軸
配置される筒部45と外筒451とは、取り付け時に連
通穴405と連通穴4051とが重なるように位置決め
される。
【0103】図34(A)はかかる遮音壁1Hを模式的
に示したもので、図34(B)は上記図1〜図3に示し
た遮音壁を模式的に示したものである。後者が単一の共
鳴器であるのに対して、前者は、連通穴405に存在す
る空気をマスとし空間100eをバネとする第1の共鳴
器と、連通穴4051に存在する空気をマスとし空間1
00fをバネとする第2の共鳴器とが連結した結合型の
共鳴器を構成している。なお、図中、t1 ,t2 は連通
穴405,4051の長さである。
【0104】このときの共鳴周波数fa ,fb は式
(6)により表せる。式中、fa1,fb1は上記2つの共
鳴器各々の共鳴周波数であり、Va は連通穴405ひと
つ当たりの空間100eの体積であり、Vb は内部空間
仕切り板51により囲まれた2×2個の外筒451に共
通の閉鎖空間100fにおける連通穴4051ひとつ当
たりの空間100fの体積である。
【0105】
【数4】
【0106】本実施形態でもピーク周波数が2つある音
場の騒音低減に有効であり、本実施形態ではさらに設計
の自由度が拡がる。すなわち、式(6)より知られるよ
うに空間100eの体積Va と空間100fの体積Vb
の比率によっても共鳴周波数をコントロールすることが
できるからである。
【0107】なお、連通穴405と連通穴4051とは
上記のごとく重なっているので、拡張室効果の程度を規
定する空気通路400bの背後空間の体積は、内部空間
仕切り板51の内側部分のうち筒部45の外周部分の体
積、すなわち空間100eと空間100fとの和でよ
く、大きな背後空間体積を確保することができ、十分な
拡張室効果を得ることができる。
【0108】(第10実施形態)図35、図36、図3
7に本発明のさらに別の遮音壁を示す。上記第4実施形
態の構成において、筒部を別の構成としたもので、図
中、上記図15〜図17と同じ番号を付した部分につい
ては実質的に同じ作動をするので第4実施形態との相違
点を中心に説明する。
【0109】遮音壁1Iの筒部41’は、長さ、内外径
等、基本的に第4実施形態の筒部と同じものであり、相
違点は、空気通路400bと内部空間100bとを連通
する連通穴401’が第4実施形態では丸穴であったの
に対して、本実施形態では菱形とした点であり、連通穴
401’の対角線が筒部41’の軸線すなわち空気通路
400bにおける空気流方向に一致せしめてある。
【0110】本実施形態では、ヘルムホルツ共鳴効果と
拡張室効果によるすぐれた騒音低減効果を発揮するとと
もに、連通穴401’を菱形としたので次の効果を奏す
る。すなわち、上記のごとく空気通路400bを流通す
る空気流により連通穴401’内に渦が発生し、連通穴
401’内周面にて衝突することで笛吹き音が発生する
が、その大きさは連通穴401’内周面への衝突の強さ
に応じて大きくなる。連通穴が丸穴の場合、下流に流れ
た渦は多くが連通穴内周面に対し略垂直に衝突するのに
対し、本実施形態では、渦が菱形の下流側の辺に対応す
る位置で菱形連通穴401’の内周面に対し斜めに衝突
するから衝突の程度は弱く、笛吹き音は抑制される。ま
た、丸穴に比較して図中の縦方向の面積変化率が小さい
ので、発生する渦も少なくでき、笛吹き音を低減でき
る。
【0111】(第11実施形態)図38、図39、図4
0に本発明のさらに別の遮音壁を示す。上記第4実施形
態の構成において、筒部を別の構成としたもので、図
中、上記図15〜図17と同じ番号を付した部分につい
ては実質的に同じ作動をするので第4実施形態との相違
点を中心に説明する。
【0112】遮音壁1Jの筒部42’は、長さ、内外径
等、基本的に第4実施形態の筒部と同じものであり、相
違点は、空気通路と内部空間とを連通する連通穴が第4
実施形態では丸穴であったのに対して、本実施形態で
は、連通穴402’は、三角形とするとともにその空気
通路400bの下流側の辺を筒部42’の周方向に対し
て傾斜させている。さらに、連通穴402’は三角形
の、空気通路400bの上流側の頂点が図中右側に偏し
た位置となるように切り欠かれる。
【0113】本実施形態でも、渦が連通穴402’の内
周面に対し斜めに衝突するから衝突の強さは弱く、笛吹
き音は抑制される。
【0114】また、連通穴402’では、空気通路40
0bの上流側の頂点を下流側の2つの頂点のうち図中右
側の頂点の方に寄せてあるから、次の効果を奏する。す
なわち、例えば、連通穴として上記各実施形態の丸形や
菱形のような空気の流れ方向に平行な線に対して対称な
形状を有するものの場合、上流側の頂点の左側に渦が発
生すると右側でも発生し、これら2つの渦は衝突するま
での距離(時間)が同じであり、連通穴内周面への衝突
が同時に生じ笛吹き音を強める。一方、本遮音壁1Jで
は、連通穴402’は上流側の頂点が下流側の2つの頂
点のうちの図中右側の頂点寄りに位置しているので、上
流側の頂点よりも左側の領域の方が渦の量が多く、連通
穴が丸形等の場合に比して相対的に同時に衝突する渦の
割合が低いことになる。しかして、笛吹き音をさらに抑
制することができる。
【0115】なお、上記のごとく上流側頂点を左右いず
れかに寄せることで笛吹き音を抑制することができるの
で、上流側頂点をいずれかの下流側頂点の真上に位置せ
しめることで、同時に衝突する渦の割合を最も小さくす
ることができる。また、かかる作用が得られる連通穴の
形状は図例のものに限られるものではなく、空気通路形
成方向の連通穴の幅のプロファイルが上記筒部の周方向
の連通穴の中心位置を挟み非対称な形状となっておれば
よい。例えば、四角形穴の下流側辺のみが斜めに形成さ
れている形状でもよい。この場合、筒部軸線方向の連通
穴の幅が周方向に漸次大きくなるプロファイルとなるか
ら、衝突するまでの距離が同じ渦が存在しないことにな
り特に好ましい。
【0116】(第12実施形態)図41、図42、図4
3に本発明のさらに別の遮音壁を示す。本遮音壁1Kの
本体1eは主壁部たるプレート25A,25B、隔壁た
る中間プレート251を有している。これらプレート2
5A,25B、中間プレート251は基本的に第4実施
形態のものと同じ寸法の平板で、遮音壁本体1eは、プ
レート25A、中間プレート251、プレート25Bと
を所定間隔をおいてこの順に重ね、プレート25Aと中
間プレート251の間、中間プレート251とプレート
25Bの間にそれぞれ4つのサイドプレート3を設け
て、これらプレート25A,25B、中間プレート25
1の周縁を結合してなり、遮音壁本体1eの内部に中間
プレート251を挟んで内部空間100gと内部空間1
001gとが形成される。
【0117】プレート25A,25Bおよび中間プレー
ト251にはそれぞれ貫通穴205が6×6の配列で同
じ位置に形成してある。貫通穴205には、それぞれ上
記貫通穴205と同形状の断面円形の筒部43’が嵌入
してあり、貫通穴205を閉鎖している。筒部43’は
両端開口のもので、筒部43’内は空気通路400eと
なっている。
【0118】筒部43’が配置される内部空間100g
には、筒部431’非形成位置で内部空間仕切り板54
が設けられて内部空間100gを仕切り、2×2個の筒
部43’ごとに該筒部43’を囲んでいる。
【0119】筒部43’には、一方のプレート25Aと
中間プレート251の中間位置に、筒壁を貫通する横穴
が形成してあり、空気通路400eと上記仕切られた内
部空間100g(以下、第1内部空間100gという)
とを連通している。
【0120】また、他方のプレート25Bには、上記貫
通穴205非形成位置に、2×2個の貫通穴205にひ
とつずつ該2×2個の貫通穴205の中央位置に別の貫
通穴2051が形成され、これに別の筒部431’が嵌
入してある。この筒部431’は一端が中間プレート2
51により閉鎖されている。
【0121】筒部431’が配置される内部空間100
1gには、内部空間仕切り板54と同位置に内部空間1
001gを仕切る内部空間仕切り板541が設けられて
おり、1個の筒部431’を囲んでいる。
【0122】別の筒部431’には、筒壁を貫通する横
穴が形成してあり、筒部431’内と上記仕切られた内
部空間1001g(以下、第2内部空間1001gとい
う)とを連通している。
【0123】本実施形態の遮音壁は騒音発生源に面して
一方のプレート25A側の壁面を向け、静粛性が要求さ
れる方に他方のプレート25B側の壁面を向けて取り付
ける。例えば、図44に示すように、遮音壁1Kを車両
アンダーカバーV3に取り付ける場合にはプレート25
B側の壁面を路面Eに向けて取り付ける。
【0124】本実施形態も、空気通路400eに入射し
た音波に対して拡張室効果とヘルムホルツ共鳴効果とを
得ることができるから良好な遮音性を発揮する。
【0125】さらに、本実施形態では、路面Eで反射し
た音が別の筒部431’の内側の円形空間4001eに
入り、この反射音に対しても図45に示すように連通穴
4031’に存在する空気をマスとし第2内部空間10
01gに存在する空気をバネとするバネ−マス振動系が
形成されヘルムホルツ共鳴効果が得られる。また、図4
6に示すように、反射波の進行通路のみかけ上の通路断
面積が連通穴4031’において急激に拡大し拡張室効
果が得られる。かかる反射音の減衰作用により、さらに
騒音を低減することができる。
【0126】(第13実施形態)図47、図48、図4
9に本発明のさらに別の遮音壁を示す。本遮音壁1L
は、第4実施形態の遮音壁において、一方の壁面が筒部
45の開口部を除き吸音材6で覆ってある。吸音材は専
用の材料の他、プレート22の材質よりも吸音性のよい
ものが用いられ得る。
【0127】本実施形態の遮音壁1Lは吸音材6が形成
された壁面を、上記図44のごとく路面等の音の反射面
に向けて取り付けることで、反射面からの反射騒音を吸
音材6が吸収しさらに良好な騒音低減効果を得ることが
できる。
【0128】(第14実施形態)図50、図51、図5
2に本発明のさらに別の遮音壁を示す。遮音壁1Mは基
本的な構成は上記図15等に示したものと同じもので、
本体1fは、間隔をおいて対向する2枚の正方形の主壁
部たるプレート26と、プレート26を縁取る4つのサ
イドプレート3とで構成され、遮音壁本体1f内部には
扁平な矩形の内部空間100hが形成される。
【0129】プレート26には円穴に代えて、図中左右
方向に細長の長穴である長方形の貫通穴206が図中前
後方向に3つ配列してある。貫通穴206には、それぞ
れ上記貫通穴206と同形状の断面長方形の筒部44’
が嵌入してあり、貫通穴206を閉鎖している。筒部4
4’内は遮音壁本体1fを貫通する空気通路400fと
なり、3つの空気通路400fがその長手方向とは直交
する方向に配列される。
【0130】筒部47の筒壁の長辺部には、それぞれ筒
壁を貫通する横穴が形成してあり、空気通路400fと
内部空間100hとを連通する連通穴404’としてあ
る。
【0131】内部空間100hには、内部空間仕切り板
55が設けてあり、内部空間100hを仕切っている。
内部空間仕切り板55は、相隣れる筒部44’の間をそ
の長手方向に伸びるものと、これと直交し各筒部44’
と順次交叉するものとの2種類により内部空間100h
を略矩形の空間に分割している。
【0132】本遮音壁1Mは壁面に沿って空気流が形成
される場合に有効なもので、図53に示すように、車両
アンダーカバーV3に取り付ける場合、空気通路400
fの長手方向が取り入れ空気の流れる方向すなわち車両
Vの前後方向となるように取り付ける。このように、空
気流の方向に空気通路400fを細長とすることで、空
気通路400fを通り遮音壁1Mを通り抜ける空気の流
通がスムーズになされる。しかして、その分、同等の通
気性が得られる丸形空気通路のものに比して空気通路断
面積を小さくすることができ、遮音性を高めることがで
きる。
【0133】(第15実施形態)図54、図55、図5
6に本発明のさらに別の遮音壁を示す。上記第14実施
形態において、筒部を別の構成に代えたもので、図中、
第14実施形態と同じ番号を付した部分については同じ
作動をするので第14実施形態との相違点を中心に説明
する。
【0134】本遮音壁1Nの長方形の筒部45’には筒
壁の長辺部にそれぞれ長手方向に14個の横穴が形成し
てあり、空気通路400gと内部空間100hとを連通
する連通穴405’としてある。連通穴405’は四角
形に形成され、その上辺および下辺がそれぞれ両プレー
ト26の対向面と一致せしめてある。
【0135】本実施形態の遮音壁1Nでは第14実施形
態と同様に遮音性と通気性との両立を図ることができる
とともに、プレート26の対向面が連通穴405’の形
成位置において無段差となっているので、車両アンダー
カバーに取り付けた場合、内部空間100hに侵入した
水を連通穴405’から空気通路400gの開口部を介
して外へ排出することができ、遮音壁1N内部に水が溜
まるのを防止することができる。
【0136】なお、連通穴405’は下辺のみが下側の
プレート26の面と一致すればよいのは勿論である。
【0137】(第16実施形態)図57、図58、図5
9に本発明のさらに別の遮音壁を示す。第14実施形態
の遮音壁のごとく通気性と遮音性とを両立せしめたもの
である。
【0138】遮音壁1Oの本体1gは2枚の互いに対向
する主壁部たるプレート27とその周縁を結合する4つ
のサイドプレート3とで構成され、内部空間100iが
形成される。遮音壁本体1gは実質的に第14実施形態
のものにおいてプレートに形成する貫通穴の数を増やし
たもので、プレート27には7つの細長の貫通穴207
が形成されており、貫通穴207には、それぞれ貫通穴
207と同形状の断面長方形の筒部46’が嵌入してあ
る。
【0139】各筒部46’内には、筒壁の長辺部同志を
橋渡しする空気通路仕切り板461’が図中左右方向に
等間隔に複数枚(図例では6枚)設けてあり、筒部4
6’内を、7つの並列の空気通路400hに分割してい
る。
【0140】筒部46’の筒壁の長辺部には、それぞれ
筒壁を貫通する横穴が形成され、空気通路400hと内
部空間100iとを連通する連通穴406’としてあ
る。連通穴406’は空気通路400hごとに4つずつ
形成され、各筒壁に2つずつ図中左右方向に配してあ
る。
【0141】本実施形態でも、各空気通路400hを長
穴状とするとともに長手方向を同方向に向けてあるの
で、上記第14実施形態のごとく通気性と遮音性との両
立を図ることができる。
【0142】また、仕切り板461’を設け、空気通路
400hの中心間距離を上記L以下に設定することで、
位相の異なる音波による影響を抑制することができ、さ
らに騒音の低減を図ることができる。
【0143】(第17実施形態)図60、図61、図6
2に本発明のさらに別の遮音壁を示す。第6実施形態の
構成において、空気通路仕切り板に別の構成を用いたも
のである。図中、第6実施形態と同じ番号を付した部分
は実質的に同じ作用をするので、第6実施形態との相違
点を中心に説明する。
【0144】本遮音壁1Pの筒部47内を仕切る空気通
路仕切り板471’は筒部47の長手方向にやや傾げて
取り付けてあり、筒部47の筒壁と空気通路仕切り板4
71’により形成される空気通路400iが斜めに向け
られる。
【0145】このように空気通路仕切り板471’を傾
げて取り付けることで、空気通路仕切り板471’の板
面において空気通路400iに入射した音波の一部を反
射する。しかして、空気通路400iの開口面積を減じ
ることなく、プレート24の貫通穴204非形成部のご
とく音波を遮蔽可能な部位の面積を拡大することがで
き、遮音性をさらに高めることができる。
【0146】しかも、遮音壁1Pを車両アンダーカバー
に取り付ける場合のように壁面に沿って空気流がある場
合、空気通路がプレートに対して直交する方向に取り付
けられる構造では壁面に沿って流れた空気流が空気通路
入口において進路が直角に変わることになるが、本実施
形態では、空気通路仕切り板の傾斜方向を空気流方向と
一致するように設けると、壁面に沿って流れる空気が壁
面に対して傾斜した空気通路仕切り板の板面に沿って案
内されて流れるので、空気流の進路が大きく変わらず空
気の流通がスムーズに行われ、通気性をさらに向上せし
めることができる。
【0147】(第18実施形態)図63、図64、図6
5、図66に本発明のさらに別の遮音壁を示す。
【0148】遮音壁1Qの本体1hは、上記各実施形態
と同様の構造を有し平板状の主壁部たる2枚のプレート
28の周縁をサイドプレート3’により結合して内部に
扁平な内部空間100iを形成したものである。プレー
ト28は実質的に第1実施形態のものと同じであり、等
間隔に7×7個形成された貫通穴208に筒部48’が
嵌入してあり、遮音壁を貫通する空気通路400jが形
成される。
【0149】筒部48’の外周には筒部48’を内筒と
する外筒が設けてあり、可動筒481’としてある。可
動筒481’はその両端部がそれぞれ、プレート28の
貫通穴208の周縁部に形成した環状溝209に遊嵌
し、筒部48’の周りに回動自在としてある。
【0150】筒部48’、可動筒481’にはそれぞれ
筒壁を貫通する菱形の連通穴408’,4081’が同
じ高さに周方向に等間隔で4つずつ形成してあり、空気
通路400jと内部空間100iとを連通している。
【0151】図66(A)は筒部48’および可動筒4
81’の斜視図を示し、図66(B)はその分解図を示
している。可動筒481’には周面からアーム部481
1’が突出しており、これを可動筒481’の周方向に
動かすことでスムーズに可動筒481’が筒部48’に
対して回動し、可動筒481’の回動角度位置に応じ
て、筒部48’の連通穴408’と可動筒481’の連
通穴4081’との重なり部の面積を増減できるように
なっている。この重なり部の面積が空気通路400jと
内部空間100iとの連通部における実質的な通路断面
積となる。
【0152】内部空間100iには、可動筒481’と
アーム部4811’を介して連動する可動筒調整手段た
る調整器7が格納してある。調整器7は、櫛歯状に7つ
のバー部71を備えており、各バー部71は、図中前後
方向に7つの可動筒481’が並んだ可動筒の列のそれ
ぞれに沿って配置される。バー部71には等間隔に7つ
の軸711が突設してあり、可動筒481’から突出す
るアーム部4811’をその先端部にて回動自在に軸支
している。調整器7には、バー部71と一体の操作部7
2が、サイドプレート3’に形成した穴から遮音壁1Q
外側へ突出している。操作部72を略前後動してバー部
71を並進運動せしめると、可動筒481’が回動し、
上記筒部48’の連通穴408’と可動筒481’の横
穴4081’との重なり部の面積を増減する。
【0153】本遮音壁1Qによれば、操作部72を操作
することにより、一度にすべての筒部48’における、
空気通路400jと内部空間100iとの連通部の実質
的な断面積(式(3)における断面積S0 )を変更して
ヘルムホルツ共鳴周波数を変更することができるので、
遮音壁を設置する場所の音場に応じて要求される遮音特
性(周波数に対する減衰量の特性)に即応することがで
きる。
【0154】勿論、調整器7によらずに可動筒481’
を一つずつ回動せしめる構成とし、構成を簡略化するこ
ともできる。
【0155】(第19実施形態)図67、図68、図6
9に本発明のさらに別の遮音壁を示す。上記各実施形態
では遮音壁を2枚のプレート、4本のサイドプレート、
空気通路の数の筒部等で構成したが、本実施形態は、遮
音壁を2つに分割した1対の半部を金型を使った射出成
形により製作し、両半部を接着剤により貼り合わせて遮
音壁を得られるようにしたものである。
【0156】半部8a,8bは平板状部材で、半部8a
と半部8bとを貼り合わせて遮音壁1Rとなる。両半部
8a,8bの略正方形の主壁部81a,81bの対向す
る側の面には、それぞれ主壁部81a,81bの辺を縁
取るように立壁82a,82bが形成してあり、立壁8
2a,82bで囲まれた領域には横方向および縦方向に
等間隔に立壁82a,82bと同じ高さで円形の突出部
83a,83bが形成してある。
【0157】突出部83a,83bは断面円形の筒状
で、主壁部81a,81bを貫通している。突出部83
a,83bの環状先端面には、径方向に断面半月状の切
り欠き831a,831bが形成してある。切り欠き8
31a,831bは突出部83a,83bの周方向に等
間隔で4箇所に形成される。
【0158】そして、両半部8a,8bを図68、図6
9に示すように、その立壁82a,82bの先端面同
志、突出部83a,83bの先端面同志で接合せしめる
と、両立壁82a,82bが、主壁部81a,81bを
その外周で結合する副壁部82となり、主壁部81a,
81bの間に扁平な内部空間800が形成される。ま
た、両突出部83a,83bが筒部83となり、筒部8
3内に空気通路830が形成され、さらに一方の突出部
83aに形成された切り欠き831aと他方の突出部8
3bに形成された切り欠き831bとで、空気通路83
0と内部空間800とを連通する連通穴831が形成さ
れる。しかして、遮音壁1Rが完成する。このように、
本遮音壁1Rは第1実施形態の遮音壁と実質的に同じ構
成のものを2つの部材から簡単に製造できる。
【0159】また、突出部83aと突出部83bとの接
合面である突出部83a,83bの先端面が、筒部83
の連通穴831の縦断面を通るようになっているので、
穴開け加工が不要となる。
【0160】ここで、半部8aを裏返したときに半部8
bと同じ形状となるように、突出部83a,83bの配
列や高さ、突出部83a,83bの先端面に形成する切
り欠き831a,831bの形成方向および位置を設定
することで、半部8a,8bを1つの金型から製作した
同じ形状のものを用いることができ、部品数、コストの
低減を図ることができる。例えば、同じ高さの突出部8
3a,83bを正方形の主壁部81a,81bに、図1
のごとく図中左右対称または前後対称に配列し、かつ突
出部83a,83bの先端面の切り欠き831a,83
1bを上記突出部83a,83bの配列方向に形成す
る。
【0161】なお、本実施形態の特徴部分は、第2、第
3実施形態の遮音壁に適用できる他、第4実施形態等に
も適用でき、半部8a,8bそれぞれに、立壁82a,
82bと同じ高さの突出部を互いに対向するように、突
出部83a,83bの間を格子状に突出部83a,83
bの配列方向に形成して、内部空間仕切り板となせばよ
い。
【0162】(第20実施形態)図70、図71、図7
2に本発明のさらに別の遮音壁を示す。第19実施形態
の構成において、各半部の突出部を第19実施形態とは
異なる形状のものに代えたものである。図中、第19実
施形態と同じ番号を付した部分は実質的に同じ作用をす
るので、第19実施形態との相違点を中心に説明する。
【0163】各半部8c,8dの主壁部81a,81b
には空気通路形成位置に貫通穴811a,811bが横
方向および縦方向に等間隔に形成され、各貫通穴811
a,811bの開口端縁部には、他方の半部8d,8c
側へ突出する突出部84c,84dが形成してある。突
出部84c,84dは貫通穴811a,811bの1/
4円に相当する円弧状の立壁で、貫通穴811a,81
1bの軸線に対して対称位置に同じ形状のものが対をな
して形成してある。突出部84c,84dの側面にはそ
れぞれ断面半月状の切り欠きが側面ごとに2つずつ形成
してある。
【0164】そして、両半部8c,8dを図70、図7
1に示すように接合せしめる。一方の半部8cの1対の
突出部84cと他方の半部8cの1対の突出部84dと
は、互いに他方の突出部84d,84cの間に入ってか
み合い状に一体化し、筒状体を形成して筒部84とな
る。筒部84内には空気通路840が形成され、一方の
突出部84cに形成された切り欠き841cと他方の突
出部84dに形成された切り欠き841dとで、空気通
路840と内部空間800とを連通する連通穴841が
形成される。しかして、遮音壁1Sが完成する。このよ
うに、本遮音壁1Sも2つの部材から簡単に製造でき
る。
【0165】本実施形態では、筒部84を構成する突出
部84c,84dが筒部84を連通穴841の縦断面を
通るように筒部84の軸線方向に縦割りした部分からな
るので、図例のごとく筒部84の軸線方向に連通穴84
1が配列した遮音壁であっても、2つの半部8c,8d
を貼り合わせるだけで遮音壁を完成することができる。
【0166】ここで、貫通穴811a,811bを等間
隔に配列し、突出部84c,84d形成位置の中心線に
対する対称位置が突出部非形成となるようにすること
で、同じ形状のものを2つ貼り合わせるだけでよい。す
なわち、部品が1つの金型から製作した1種類で済む。
【0167】(第21実施形態)図73に本発明のさら
に別の遮音壁を示す。上記第21実施形態と同様に製造
容易性を追求したものである。
【0168】遮音壁1Tは、図74に示すように2つの
平板状の半部8f,8gからなり、両半部8f,8gは
対向位置に3列に長穴850f,850gが形成してあ
る。一方の半部85fは、その周縁部が突出して突出部
86の先端面が他方の半部8gの周縁部と接着されてサ
イドプレート86となり、これと半部8f,8gの平板
部である主壁部85f,85gとで扁平な矩形の内部空
間800’が形成される。
【0169】また、一方の半部85fは、長穴850f
を囲む位置が突出しており、この突出部87はスリット
状に複数の切り欠き871fが形成されて高さが長穴8
50fの周方向に高低を繰り返す形状となっている。突
出部87は切り欠き非形成部の上端面で他方の半部8g
と長穴850gの周縁部と接着されて筒部87となり、
筒部87内は矩形の空気通路870となる。切り欠き8
71fは上端が他方の半部8gで閉じられて上記空気通
路870と上記内部空間800’とを連通せしめる。
【0170】このように2つの半部8f,8gから上記
第15実施形態の遮音壁と同等の遮音壁が構成される。
連通穴が突出部の切り欠きを他方の半部で閉じることで
形成されるので、主壁部85gが連通穴871の一辺を
なしており水切れがよいのは勿論である。
【0171】(第22実施形態)図75に本発明のさら
に別の遮音壁を示す。本実施形態は、第21実施形態に
おいて、開口部の周縁部の突出部の形状を代えたもの
で、図中、第21実施形態と同じ番号を付した部分は実
質的に同じ作動をするので第21実施形態との相違点を
中心に説明する。
【0172】本遮音壁1Uは半部8h,8gからなり、
半部8hの長穴850f周縁部の突出部は上記筒部87
と同等のもので筒部88としてある。筒部88には、そ
の長辺部に斜め方向に切り欠き881hが形成され、こ
れは半部8gにより閉じられて連通穴881となる。ま
た、筒部88には、その対向する両長辺部を橋渡しする
板状部が切り欠き非形成位置に切り欠き881hに平行
に形成してあり、筒部88内を仕切る空気通路仕切り板
882としてある。
【0173】これにより、第17実施形態と同等以上の
遮音壁が得られ、空気通路仕切り板882に沿って空気
をスムーズに案内することができる。
【0174】(第23実施形態)図77に本発明のさら
に別の遮音壁を示す。本実施形態は、実質的には第21
実施形態の遮音壁であり、図中、第21実施形態と同じ
番号を付した部分は実質的に同じ作動をするので第21
実施形態との相違点を中心に説明する。
【0175】車両のエンジンV1はラジエータV4の後
方位置でアンダーカバーV3上に載置され、トランスミ
ッションV5と接続される。遮音壁1TはエンジンV1
の直下位置に配設される。
【0176】ここで、アンダーカバーV3には図78に
示すようにエンジンV1の取り付け位置に3本の長穴8
50gが並列位置に形成してあり、アンダーカバーV3
が上記第21実施形態における他方の半部8gとなる。
しかして、アンダーカバーV3に一方の半部8fを接合
することで、遮音壁1Tが完成する。
【0177】部品数が低減するともに、一方の半部8f
を接合すると同時にアンダーカバーV3への組付けが終
了するので製造行程を短縮することができる。
【0178】なお上記各実施形態は主として車両のエン
ジンルームの遮音壁に適用したものについて説明した
が、図79に示すように、部屋を複数の会議室91に仕
切る遮音壁92としても好適である。本発明の遮音壁は
遮音性能と空気の流通性とを両立することができるか
ら、空調用の吹き出し穴93を多く設けなくとも、遮音
壁92で仕切られた会議室91間に空調効果のむらを生
じることなく、好適に空調を行うことができる。したが
って空調設備の簡略化、コスト低減を図ることができ
る。
【0179】また、図80に示すように、本発明は、道
路94の両側に建てられる遮音壁95に適用することも
できる。本発明の遮音壁は遮音性能と空気の流通性すな
わち空気通路の大径化とを両立することができるから、
風光明媚な地域において車両96の同乗者が景色を楽し
むことができる。
【0180】また、図81に示すように、本発明は、車
両収容庫97の遮音壁95に適用することもでき、メン
テナンス等で車両99のエンジンを始動させる場合にも
通気性を確保しながら遮音を図ることができる。
【0181】また、図82に示すように、本発明は、ト
イレ91’の換気口92’にも適用することができる。
【0182】また図83、図84に示すように、コンピ
ュータ93’の背面に送風ファン94’を覆うように設
けて送風ファンのカバー用としても好適であり、通気性
の確保と送風ファン94’が発する騒音の低減とを好適
に行い得る。なお図83は第15実施形態の遮音壁1N
と同様のものを、図84は第17実施形態の遮音壁1P
と同様のものを用いた例である。コンピュータは通常、
背面を部屋の壁面近くに寄せて設置されることから、部
屋壁面に沿って空気流が形成され、上記遮音壁1N,1
Pのようなものが特に適しているからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮音壁の設計方法を説明する遮音壁の
正面図である。
【図2】(A)は図1におけるI−I線に沿う断面図で
あり、(B)はその拡大図である。
【図3】図2(A)におけるII−II線に沿う断面図
である。
【図4】上記遮音壁の設置場所を説明する図である。
【図5】上記遮音壁の拡張室効果を説明する図である。
【図6】上記遮音壁のヘルムホルツ共鳴効果を説明する
図である。
【図7】上記遮音壁の遮音性能の測定方法を示す図であ
る。
【図8】上記遮音壁の遮音性能を説明するグラフであ
る。
【図9】本発明の遮音壁の設計方法を説明する別の遮音
壁の正面図である。
【図10】(A)は図9におけるIII−III線に沿
う断面図であり、(B)はその拡大図である。
【図11】図10(A)におけるIV−IV線に沿う断
面図である。
【図12】本発明の遮音壁の設計方法を説明するさらに
別の遮音壁の正面図である。
【図13】(A)は図12におけるV−V線に沿う断面
図であり、(B)はその拡大図である。
【図14】図13(A)におけるVI−VI線に沿う断
面図である。
【図15】本発明の第1の遮音壁の正面図である。
【図16】(A)は図15におけるVII−VII線に
沿う断面図であり、(B)はその拡大図である。
【図17】図16(A)におけるVIII−VIII線
に沿う断面図である。
【図18】上記遮音壁の作動を説明する図である。
【図19】本発明の第2の遮音壁の正面図である。
【図20】(A)は図19におけるIX−IX線に沿う
断面図であり、(B)はその拡大図である。
【図21】図20(A)におけるX−X線に沿う断面図
である。
【図22】本発明の第3の遮音壁の正面図である。
【図23】(A)は図22におけるXI−XI線に沿う
断面図であり、(B)は図22におけるXI’−XI’
線に沿う断面図である。
【図24】図23(A)におけるXII−XII線に沿
う断面図である。
【図25】本発明の第4の遮音壁の正面図である。
【図26】(A)は図25におけるXIII−XIII
線に沿う断面図であり、(B)はその拡大図である。
【図27】図26(A)におけるXIV−XIV線に沿
う断面図である。
【図28】本発明の第5の遮音壁の正面図である。
【図29】(A)は図28におけるXV−XV線に沿う
断面図であり、(B)はその拡大図である。
【図30】図29(A)におけるXVI−XVI線に沿
う断面図である。
【図31】本発明の第6の遮音壁の正面図である。
【図32】(A)は図31におけるXVII−XVII
線に沿う断面図であり、(B)はその拡大図である。
【図33】図32(A)におけるXVIII−XVII
I線に沿う断面図である。
【図34】(A)は上記遮音壁の作動を説明する図であ
り、(B)は上記遮音壁と比較する別の遮音壁の作動を
説明する図である。
【図35】本発明の第7の遮音壁の正面図である。
【図36】(A)は図35におけるXIX−XIX線に
沿う断面図であり、(B)はその拡大図である。
【図37】図36(A)におけるXX−XX線に沿う断
面図である。
【図38】本発明の第8の遮音壁の正面図である。
【図39】(A)は図38におけるXXI−XXI線に
沿う断面図であり、(B)はその拡大図である。
【図40】図39(A)におけるXXII−XXII線
に沿う断面図である。
【図41】本発明の第9の遮音壁の正面図である。
【図42】(A)は図41におけるXXIII−XXI
II線に沿う断面図であり、(B)はその拡大図であ
り、(C)は図41におけるXXIV−XXIV線に沿
う断面図である。
【図43】図42(A)におけるXXV−XXV線に沿
う断面図である。
【図44】上記遮音壁の設置場所を説明する図である。
【図45】上記遮音壁の拡張室効果を説明する図であ
る。
【図46】上記遮音壁のヘルムホルツ共鳴効果を説明す
る図である。
【図47】本発明の第10の遮音壁の正面図である。
【図48】(A)は図47におけるXXVI−XXVI
線に沿う断面図であり、(B)はその拡大図である。
【図49】図48(A)におけるXXVII−XXVI
I線に沿う断面図である。
【図50】本発明の第11の遮音壁の正面図である。
【図51】(A)は図50におけるXXVIII−XX
VIII線に沿う断面図であり、(B)は図50におけ
るXXIX−XXIX線に沿う断面図である。
【図52】図51(A)におけるXXX−XXX線に沿
う断面図である。
【図53】上記遮音壁の設置場所を説明する図である。
【図54】本発明の第12の遮音壁の正面図である。
【図55】(A)は図54におけるXXXI−XXXI
線に沿う断面図であり、(B)は図54におけるXXX
II−XXXII線に沿う断面図である。
【図56】図55(A)におけるXXXIII−XXX
III線に沿う断面図である。
【図57】本発明の第13の遮音壁の正面図である。
【図58】図57におけるXXXIV−XXXIV線に
沿う断面図である。
【図59】図58におけるXXXV−XXXV線に沿う
断面図である。
【図60】本発明の第14の遮音壁の正面図である。
【図61】(A)は図60におけるXXXVI−XXX
VI線に沿う断面図であり、(B)は図60におけるX
XXVII−XXXVII線に沿う断面図である。
【図62】図61(A)におけるXXXVIII−XX
XVIII線に沿う断面図である。
【図63】本発明の第15の遮音壁の正面図である。
【図64】(A)は図63におけるXXXIX−XXX
IX線に沿う断面図であり、(B)はその拡大図であ
る。
【図65】図64(A)におけるXXXX−XXXX線
に沿う断面図である。
【図66】(A)は上記遮音壁の内部構造を示す斜視図
であり、(B)はその分解斜視図である。
【図67】本発明の第16の遮音壁の分解斜視図であ
る。
【図68】図67におけるXXXXI−XXXXI線に
沿う断面図である。
【図69】上記遮音壁の完成状態の断面図である。
【図70】本発明の第17の遮音壁の分解斜視図であ
る。
【図71】図70におけるXXXXII−XXXXII
線に沿う断面図である。
【図72】上記遮音壁の完成状態の断面図である。
【図73】(A)は本発明の第18の遮音壁の斜視図で
あり、(B)は(A)におけるXXXXIII−XXX
XIII線に沿う断面図である。
【図74】上記遮音壁の分解斜視図である。
【図75】(A)は本発明の第19の遮音壁の斜視図で
あり、(B)は(A)におけるXXXXIV−XXXX
IV線に沿う断面図である。
【図76】上記遮音壁の分解斜視図である。
【図77】車両に組付けられた状態の本発明の第18の
遮音壁の斜視図である。
【図78】車両に組付けられる前の状態の上記遮音壁の
斜視図である。
【図79】本発明の遮音壁の他の適用例を示す会議室の
図である。
【図80】本発明の遮音壁のさらに他の適用例を示す道
路の図である。
【図81】本発明の遮音壁のさらに他の適用例を示す車
両収容庫の図である。
【図82】本発明の遮音壁のさらに他の適用例を示すト
イレの図である。
【図83】(A)は本発明の遮音壁のさらに他の適用例
を示すコンピュータの背面図であり、(B)は上記コン
ピュータの側面図である。
【図84】(A)は本発明の遮音壁のさらに他の適用例
を示す別のコンピュータの背面図であり、(B)は上記
コンピュータの側面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1
H,1I,1J,1K,1L,1M,1N,1O,1
P,1Q,1R,1S,1T,1U 遮音壁 100a,100b,100c,100d,100e,
100f,100g,100h,100i 内部空間 1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h 遮
音壁本体 21,22,23,23a,23b,24,25,2
6,27,28 プレート(主壁部) 251 中間プレート(隔壁) 3,3’ サイドプレート(副壁部) 41,42,43,44,45,46,47,48,4
9A,49B,41’,42’,43’,44’,4
5’,46’,47’,48’ 筒部 431’ 別の筒部 451 外筒 471,471’ 空気通路仕切り板 481’ 可動筒 4081’ 横穴 4811’ アーム部 400a,400b,400c,400d,400e,
400f,400g,400h,400i,400j
空気通路 401,402A,402B,403,404,40
5,406,407,408A,408B,409A,
409B,401’,402’,403’,404’,
405’,406’,408’ 連通穴 51,52,53,54,55 内部空間仕切り板 6 吸音材 7 調整器(可動筒調整手段) 8a,8b,8f,8g,8h 半部 800,800’ 内部空間 81a,81b,85f,85g 主壁部 82,86 副壁部 82a,82b 立壁 83,84,87,88 筒部 830,840,870,880 空気通路 83a,83b,84c,84d 突出部 831,841 連通穴 831a,831b,841a,841b 切り欠き
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松岡 久永 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 安藤 順明 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 西村 靖彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 2D001 AA01 BB01 CA02 CB02 DA07 2E001 DF02 DF05 FA03 FA07 FA30 FA43 GA12 GA18 GA48 NB00 3G004 CA02 CA06 DA04 DA08 DA09 DA13 EA01 5D061 BB03 BB37 CC04 CC12 DD08

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに間隔をおいて対向する平板状の1
    対の主壁部と、両主壁部の周縁を結合し両主壁部の間に
    内部空間を形成する副壁部とで遮音壁本体となし、両主
    壁部の間に略均等間隔をおいて両主壁部を貫通し空気通
    路を形成する筒部を設け、筒部には空気通路と上記内部
    空間とを連通せしめる連通穴を形成してなる遮音壁の形
    状を決定するに際し、遮音しようとする騒音の中心周波
    数をf 1 とし、上記内部空間の体積をV0 とし、上記空
    気通路の数をNとし、音速をcとして、V0 /N=(c
    /4f1 3 にしたがって、上記内部空間の体積および
    上記空気通路の数を決定することを特徴とする遮音壁の
    設計方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の遮音壁の設計方法におい
    て、上記連通穴と上記空気通路の背後空間とにより形成
    されるヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数f2を、Vを背
    後空間の体積とし、tを連通穴の長さとし、nを連通穴
    の数とし、S 0 を連通穴の断面積として、f2 =(c/
    2π)(C0 /V)0.5 (ここで、C 0 =nS0 /(t
    +0.8S0 0.5))により算出するに際し、V=V0
    Nとした遮音壁の設計方法。
  3. 【請求項3】 互いに間隔をおいて対向する平板状の1
    対の主壁部と、両主壁部の周縁を結合し両主壁部の間に
    内部空間を形成する副壁部とで遮音壁本体となし、両主
    壁部の間に略均等間隔をおいて両主壁部を貫通し空気通
    路を形成する筒部を設け、筒部には空気通路と上記内部
    空間とを連通せしめる連通穴を形成し、上記内部空間に
    は複数の上記空気通路ごとに上記筒部を囲む内部空間仕
    切り板を設けて内部空間を仕切り、上記内部空間仕切り
    板により囲まれた上記空気通路の間の間隔を、遮音しよ
    うとする周波数をfL 、音速をcとしてc/(4fL )
    以下に設定したことを特徴とする遮音壁。
  4. 【請求項4】 互いに間隔をおいて対向する平板状の1
    対の主壁部と、両主壁部の周縁を結合し両主壁部の間に
    内部空間を形成する副壁部とで遮音壁本体となし、両主
    壁部の間に略均等間隔をおいて両主壁部を貫通し空気通
    路を形成する筒部を設け、筒部には空気通路と上記内部
    空間とを連通せしめる連通穴を形成し、上記筒部を長穴
    形状に形成して各筒部をその長手方向を一定方向に向け
    て配置したことを特徴とする遮音壁。
  5. 【請求項5】 請求項3または4いずれか記載の遮音壁
    において、上記筒部は、上記連通穴の開口面積の異なる
    複数の種類の筒部からなる遮音壁。
  6. 【請求項6】 請求項3ないし5いずれか記載の遮音壁
    において、上記筒部各々には、開口面積の異なる複数の
    連通穴を形成した遮音壁。
  7. 【請求項7】 請求項3ないし6いずれか記載の遮音壁
    において、上記連通穴の上記空気通路側の開口端をラッ
    パ状に形成した遮音壁。
  8. 【請求項8】 請求項3ないし7いずれか記載の遮音壁
    において、上記連通穴を菱形に形成してその対角線を略
    上記筒部の軸線方向と略一致せしめた遮音壁。
  9. 【請求項9】 請求項3ないし8いずれか記載の遮音壁
    において、上記連通穴の形状を、上記筒部軸線方向の連
    通穴の幅のプロファイルが上記筒部周方向の上記連通穴
    の中心を挟み非対称な形状とした遮音壁。
  10. 【請求項10】 請求項3ないし9いずれか記載の遮音
    壁において、上記筒部各々に、上記筒部内を複数の並列
    の空気通路に分割する空気通路仕切り板を設け、上記連
    通穴は、空気通路各々と上記内部空間とを連通せしめる
    ように形成した遮音壁。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の遮音壁において、上
    記空気通路仕切り板を上記筒部の軸線に対して一定方向
    に傾げて設けた遮音壁。
  12. 【請求項12】 請求項3ないし11いずれか記載の遮
    音壁において、上記内部空間を上記主壁部の対向方向に
    二分する隔壁を設け、上記両主壁部および上記隔壁を貫
    通する上記筒部に加え、一方の上記主壁部を貫通し上記
    隔壁を閉鎖端とする別の筒部を設け、該別の筒部には該
    筒部内空間と上記内部空間とを連通せしめる連通穴を形
    成し、上記別の筒部が開口する側の壁面を遮音が要求さ
    れる側に向けた遮音壁。
  13. 【請求項13】 請求項3ないし12いずれか記載の遮
    音壁において、上記筒部と同軸で該筒部の外周に上記両
    主壁部により閉鎖された外筒を設けて上記筒部と上記外
    筒との間に環状空間を形成し、上記外筒には筒壁内外を
    連通せしめる連通穴を上記筒部の連通穴と重なる位置に
    形成した遮音壁。
  14. 【請求項14】 請求項3ないし13いずれか記載の遮
    音壁において、騒音発生源とは反対側の壁面を上記空気
    通路開口位置を除き吸音材で覆った遮音壁。
  15. 【請求項15】 請求項3ないし14いずれか記載の遮
    音壁において、上記連通穴の内周面の一部と上記両主壁
    部の対向面の少なくとも一方とを一致せしめた遮音壁。
  16. 【請求項16】 請求項3ないし15いずれか記載の遮
    音壁において、上記筒部の外周に該筒部と同軸に、その
    周方向に回動する可動筒を設け、該可動筒にはその筒壁
    を貫通する横穴を形成し、可動筒の回動位置に応じて上
    記筒部の連通穴と可動筒の横穴の重なり部の面積を可変
    とした遮音壁。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の遮音壁において、上
    記可動筒各々と機械的に結合して該可動筒と連動しその
    回転角度位置を調整する可動筒調整手段を具備せしめた
    遮音壁。
  18. 【請求項18】 請求項3ないし17いずれか記載の遮
    音壁において、上記遮音壁本体を、一方の主壁部を含む
    側の一方の半部と他方の主壁部を含む側の他方の半部と
    が接合してなる構成とし、上記筒部を、上記両半部各々
    から突出する複数の突出部が接合してなる構成とし、か
    つ、突出部同志の接合面を上記連通穴の縦断面に沿って
    形成した遮音壁。
  19. 【請求項19】 請求項3ないし17いずれか記載の遮
    音壁において、上記遮音壁本体を、一方の主壁部を含む
    側の一方の半部と他方の主壁部を含む側の他方の半部と
    が接合してなる構成とし、上記筒部は、上記両半部の対
    向位置に開口部を形成するとともに一方の半部の開口部
    の周縁部を突出せしめてこの突出部を他方の半部の開口
    部の周縁部と接合してなる構成とし、上記連通穴を、上
    記突出部を周方向に突出高さが高低を繰り返す形状とし
    て上記他方の半部と非接合となる低所位置にて上記空気
    通路と内部空間とが連通してなる構成とした遮音壁。
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