JPH10301577A - 吸音材 - Google Patents

吸音材

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JPH10301577A
JPH10301577A JP9121538A JP12153897A JPH10301577A JP H10301577 A JPH10301577 A JP H10301577A JP 9121538 A JP9121538 A JP 9121538A JP 12153897 A JP12153897 A JP 12153897A JP H10301577 A JPH10301577 A JP H10301577A
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JP
Japan
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substrate
absorbing material
sound absorbing
sound
surface side
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Withdrawn
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JP9121538A
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English (en)
Inventor
Takeshi Sadano
健士 佐田野
Nobuhiko Narita
信彦 成田
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Nok Megulastik Co Ltd
Original Assignee
Nok Megulastik Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸音材の設置面積に対して奥行の比較的大き
い空間を有効利用することが可能であるとともに、一定
面積内で成形可能な隆起部7,9の数または成形面積を
増やすことが可能であり、もって優れた吸音性能を発揮
することが可能な吸音材を提供する。 【解決手段】 ヘルムホルツ共鳴器を形成する中空の隆
起部7,9を基板部1の一面側および他面側の双方に設
けることにし、またヘルムホルツ共鳴器を形成する中空
の隆起部9を基板部1の反音源側に設けることにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のエンジンル
ームまたは鉄道もしくは道路等の防音対策分野に用いら
れる吸音材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から図11に示すように、ヘルムホ
ルツ共鳴器を形成する中空の隆起部103を平板状の基
板部102に所要数一体成形し、各隆起部103の端壁
に孔状のオリフィス104を設けた樹脂製の吸音材10
1が知られている(特開平4−225398号公報参
照)。
【0003】しかしながらこの吸音材101において
は、隆起部103が基板部102の一面側(図上上側)
のみに設けられているために、以下の不都合がある。
【0004】すなわち先ず第一に、吸音材101の成形
上、隆起部103の底面積に対する高さの比率(絞り
率)に制限があることから、吸音材101の設置面積に
対して奥行の大きい空間105の場合、吸音材101を
設置できない空間が大きい。このような空間105の例
としては、V型エンジンの気筒間に形成される空間等が
ある。したがってこのような場合、空間105を有効利
用することができない。
【0005】第二に、一定面積内で成形可能な隆起部1
03の数に限りがあることから、これに伴って吸音性能
にも限りがある。すなわち隆起部103の数が少ない
と、これに伴って共鳴周波数の数も少ない。また特に低
周波の音に対しては、隆起部103の内部容積を大きく
設定する必要があることから、隆起部103の数が不足
しがちである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
み、吸音材の設置面積に対して奥行の比較的大きい空間
を有効利用することが可能であるとともに、一定面積内
で成形可能な隆起部の数または成形面積を増やすことが
可能であり、もって優れた吸音性能を発揮することが可
能な吸音材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の吸音材は、ヘルムホルツ共鳴器を形成する
中空の隆起部を基板部の一面側および他面側の双方に設
けることにした(請求項1)。
【0008】また上記したように従来、隆起部が基板部
の一面側、すなわち音源側のみに設けられていたことと
の対比において、ヘルムホルツ共鳴器を形成する中空の
隆起部を基板部の反音源側に設けたことを特徴とする吸
音材を提供する(請求項2)。
【0009】上記構成を備えた本発明の請求項1による
吸音材のように、ヘルムホルツ共鳴器を形成する中空の
隆起部が基板部の一面側および他面側の双方に設けられ
ていると、吸音材の延床面積が略倍増するために、一定
面積内で成形可能な隆起部の数または成形面積を従来よ
り増やすことが可能となる。したがって様々な共鳴周波
数を備えた共鳴器を多数設けることができ、これにより
吸音性能を向上させることができる。また上記した絞り
率に関する成形上の制約があるにも拘らず、これを遵守
した上で吸音材の高さも略倍増するために、設置空間を
有効利用することができる。請求項2による吸音材つい
ても同様である。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施形態を図面に
したがって説明する。
【0011】第一実施形態・・・図1は、当該実施形態
に係る吸音材の組立て前の斜視図を示しており、図2は
組立て後の斜視図を示している。
【0012】図1に示すように、当該実施形態に係る吸
音材は先ず、平板状の基板部(平板部または基準平面部
とも称する)1を備えており、この基板部1が平面上三
分割されて、第一ないし第三の基板2,3,4が直列に
並んだ状態に備えられるとともに、互いに隣り合う基板
2,3,4同士の間に、断面略円弧形を呈して可撓性を
備えた折曲げ用の第一および第二のヒンジ5,6が一体
に備えられている。すなわち、図上左上側から右下側に
かけて、第三基板(他面側基板とも称する)4、第二ヒ
ンジ6、第一基板(一面側基板とも称する)2、第一ヒ
ンジ5および第二基板(仕切板または隔壁とも称する)
3がこの順番に一列に並べられて一体成形されている。
【0013】図1における中央の第一基板2に、その一
面側(図上上側)に向けて、ヘルムホルツ共鳴器をそれ
ぞれ形成する中空立体状の隆起部(レゾネータケースま
たはチャンバとも称する)7が所要数一体成形されてい
る。図ではこの隆起部7が四つ、平面田型状に配置され
ている。中空状のこの隆起部7はそれぞれ平面四角形の
裁頭角錐形を呈していて、四方の斜面状の側壁7aと、
平面四角形の端壁7bとを一体に備えており、端壁7b
の中央に平面円形を呈する孔状のオリフィス8が設けら
れている。端壁7bは基板2に対して平行である。
【0014】図1における左上側の第三基板4に、同じ
くその一面側に向けて、ヘルムホルツ共鳴器を形成する
中空立体状の隆起部9が所要数一体成形されている。図
では比較的大きな隆起部9が一つ設けられている。中空
状のこの隆起部9も平面四角形の裁頭角錐形を呈してい
て、四方の斜面状の側壁9aと、平面四角形の端壁9b
とを一体に備えている。但し、端壁9bに孔状のオリフ
ィスは設けられておらず、その代わりに、第一基板2お
よび第二基板3にそれぞれ平面円形を呈する孔状のオリ
フィス10,11が組立て時に互いに上下に重なるよう
に設けられている。端壁9bは基板2に対して平行であ
る。
【0015】当該吸音材は、以下のようにして組み立て
られる。
【0016】すなわち図2に示すように、先ず第一ヒン
ジ5が折り曲げられて、第一基板2の下側に第二基板3
が配置され、次いで第二ヒンジ6が折り曲げられて、第
二基板3の更に下側に第三基板4が配置される。これに
より第一ないし第三の基板2,3,4が積層されて一枚
の基板部1となり、この基板部1の一面側に第一基板2
に一体成形された隆起部7が配置されるとともに、基板
部1の他面側(図上下側)に第三基板4に一体成形され
た隆起部9が配置される。
【0017】中空状の隆起部7,9はそれぞれ、組立後
にその底面開口を第二基板3により閉塞されて、内部に
空気室(図示せず)を備えたヘルムホルツ共鳴器(ヘル
ムホルツレゾネータとも称する、音のエネルギーがオリ
フィス8,10,11と空気室内の空気ばねで振動して
減衰する機構)を形成し、このヘルムホルツ共鳴器の面
(側壁7a,9aおよび端壁7b,9b)を板状吸音材
(板が振動して音のエネルギーを吸収する機構)として
機能させて吸音作用を奏するもので、設置に際しては、
オリフィス8,10,11が音源に向けられる。
【0018】当該吸音材は、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂もしくは
塩化ビニル樹脂等の樹脂または発泡材により一体成形さ
れている。
【0019】また当該吸音材は例えば、図3に示すよう
に、吸音材の設置面積に対して奥行の大きい空間105
に設置される。その取付けは、当該吸音材全体の下面を
成す隆起部9の端壁9bを接着剤またはクリップ等によ
り空間105の床面に対して固定することにより行なわ
れるが、その他の手段として、図1における第三基板4
の更に左上側に第三ヒンジを介して第四基板(何れも図
示せず)を一体に成形し、この第四基板を取付け部とし
て用いることにしても良い。
【0020】当該吸音材は、上記構成を備えていること
により以下の作用効果を奏する。
【0021】すなわち先ず、ヘルムホルツ共鳴器を形成
する所要数の中空状の隆起部7,9が基板部1の一面側
ないし音源側のみならず他面側ないし反音源側にも設け
られており、基板部1に設けられたオリフィス10,1
1を利用した隆起部9が基板部1の他面側ないし反音源
側に追加的に設けられているために、一定面積内で成形
可能な隆起部7,9の数または成形面積が従来より増え
ている。したがって一定面積内に設置されるヘルムホル
ツ共鳴器の数を従来より増やすことができ、共鳴周波数
の数も従来より増やすことができるために、吸音性能を
向上させることができる。
【0022】またヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数f0
は、次式によって求められるものである。
【数1】 但し、c :音速(m/s) S :オリフィス断面積(m2 ) V0 :空気室容積(m3 ) t :オリフィス長さ(m) d :オリフィス直径(m)
【0023】したがって当該吸音材のように、基板部1
の一面側に設けられた隆起部7四つ分に相当する成形面
積を備えた一つの大きな隆起部9が基板部1の他面側に
設けられていると、その空気室容積V0 が大きく、よっ
てその共鳴周波数f0 が低いために、この隆起部9によ
って形成されるヘルムホルツ共鳴器により低周波の音を
有効に吸収することができる。
【0024】また絞り率に関する成形上の制約を遵守し
つつ吸音材全体の高さが増したことにより、図3に示し
たような、吸音材の設置面積に対して奥行の大きい空間
105を有効利用することができる。
【0025】第二実施形態・・・図4に示すように、本
発明に係る吸音材は、これを三部品の組み合わせからな
るものとしても良い。
【0026】三部品の内訳は、平板状の第一基板22を
備えるとともにこの第一基板22の一面側に所要数(図
では2つ)の中空立体状の隆起部23を一体成形した第
一部品21と、平板状の第二基板25よりなる第二部品
24と、平板状の第三基板27を備えるとともにこの第
三基板27の他面側に所要数(図では一つ)の中空立体
状の隆起部28を一体成形した第三部品26とであり、
第一ないし第三の基板22,25,27が積層されて、
三層構造よりなる一枚の基板部29が形成されている。
【0027】隆起部23はその端壁23aに、平面円形
を呈する孔状のオリフィス30が設けられており、隆起
部28は第一基板22および第二基板25に、平面円形
を呈する孔状のオリフィス31,32が互いに上下に重
なるように設けられている。
【0028】第一ないし第三部品21,24,26はそ
れぞれ、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、AB
S樹脂、ポリエチレン樹脂もしくは塩化ビニル樹脂等の
樹脂または発泡材により一体成形されている。
【0029】当該吸音材は、上記第一実施形態に係る吸
音材からヒンジ5,6を省略して部品を三分割したもの
と言うことができ、よって第一実施形態に係る吸音材と
同じ作用効果を奏する。
【0030】第三実施形態・・・吸音材を構成する三部
品の内訳は、以下のようなものであっても良い。
【0031】すなわち図5ないし図8に示すように、先
ず第一部品41が、平面状の第一基板42を備えてお
り、この第一基板42にその一面側に向けて、ヘルムホ
ルツ共鳴器43を形成する中空立体状の隆起部44が所
要数一体成形されている。図ではこの隆起部44が十四
個設けられている。中空状の隆起部44はそれぞれ平面
四角形の裁頭角錐形を呈していて、四方の斜面状の側壁
44aと、平面四角形の端壁44bとを一体に備えてお
り、端壁44bの中央に平面円形を呈する孔状のオリフ
ィス45が設けられている。端壁44bは基板42に対
して平行である。
【0032】また、この多数の隆起部44の間に位置し
て、ロングオリフィス47を形成する中空立体状の隆起
部48が所要数一体成形されている。図ではこの隆起部
48が二つ設けられている。またこの隆起部48はそれ
ぞれ直線的に長細く形成されており、その端壁48aで
あって長手方向の一端部に孔状の開口部49が設けられ
ている。
【0033】第二部品50は、平板状の第二基板51よ
りなっている。
【0034】第三部品53は、平面状の第三基板54を
備えており、この第三基板54にその他面側に向けて、
ヘルムホルツ共鳴器55を形成する中空立体状の隆起部
56が所要数一体成形されている。図では比較的大きな
隆起部56が一つ設けられている。中空状のこの隆起部
56も平面四角形の裁頭角錐形を呈していて、四方の斜
面状の側壁56aと、平面四角形の端壁56bとを一体
に備えている。但し、端壁56bに孔状のオリフィスは
設けられておらず、その代わりに、上記したロングオリ
フィス47が外部との連通路とされる。このため第二基
板51であってロングオリフィス47の長手方向の他端
部に、ロングオリフィス47と隆起部56内部の空気室
57とを連通する孔状の開口部52が設けられている。
【0035】第一ないし第三部品41,50,53はそ
れぞれ、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、AB
S樹脂、ポリエチレン樹脂もしくは塩化ビニル樹脂等の
樹脂または発泡材により一体成形されている。
【0036】当該吸音材は図6に示すように、第一ない
し第三の基板41,50,53をビス59により互いに
固定して積層し、これにより三層構造よりなる一枚の基
板部58を形成する。
【0037】中空状の隆起部44,56はそれぞれ、組
立後にその底面開口を第二基板51に閉塞されて、内部
に空気室46,57を備えたヘルムホルツ共鳴器43,
55を形成し、このヘルムホルツ共鳴器43,55の面
(側壁44a,56aおよび端壁44b,56b)を板
状吸音材として機能させて吸音作用を奏するもので、設
置に際してはオリフィス45および開口部49が音源6
0に向けられる。
【0038】当該吸音材は、上記構成を備えていること
により以下の作用効果を奏する。
【0039】すなわち先ず、ヘルムホルツ共鳴器43,
55を形成する所要数の中空状の隆起部44,56が基
板部58の一面側ないし音源60側のみならず他面側な
いし反音源60側にも設けられており、基板部58に設
けられたロングオリフィス47を利用した隆起部56が
基板部58の他面側ないし反音源60側に追加的に設け
られているために、一定面積内で成形可能な隆起部4
4,56の数または成形面積が従来より増えている。し
たがって一定面積内に設置されるヘルムホルツ共鳴器4
3,55の数を従来より増やすことができ、共鳴周波数
の数も従来より増やすことができるために、吸音性能を
向上させることができる。
【0040】またヘルムホルツ共鳴器43,55の共鳴
周波数f0 は、上記した(1)式によって求められる。
したがって当該吸音材のように、基板部58の一面側に
設けられた隆起部44多数個分に相当する成形面積を備
えた一つの大きな隆起部56が基板部58の他面側に設
けられていると、その空気室容積V0 が大きく、よって
共鳴周波数f0 が低いために、この隆起部56によって
形成されるヘルムホルツ共鳴器55により、低周波の音
を有効に吸収することができる。またロングオリフィス
47が設けられていてオリフィス長さtが大きく設定さ
れていることからも、共鳴周波数f0 が一層低められて
おり、これにより従来では吸収することができなかった
低周波の音をも有効に吸収することができる。またロン
グオリフィス47の開口部49,52の形成位置を適宜
変更することにより、ヘルムホルツ共鳴器55の共鳴周
波数f0 を簡単に調整することができる。
【0041】また絞り率に関する成形上の制約を遵守し
つつ吸音材全体の高さが増したことにより、吸音材の設
置面積に対して奥行の大きい空間を有効利用することが
できる。
【0042】第四実施形態・・・図9に示すように、当
該実施形態に係る吸音材は先ず、平板状の基板部71を
備えており、この基板部71が平面上二分割されて、第
一および第二の基板72,73が備えられるとともに、
両基板72,73の間に、断面略円弧形を呈して可撓性
を備えた折曲げ用のヒンジ74が一体に備えられてい
る。
【0043】図9における左側の第一基板72に、その
一面側に向けて、ヘルムホルツ共鳴器を形成する中空立
体状の隆起部75が所要数一体成形されている。図では
この隆起部75が十二個設けられている。中空状のこの
隆起部75はそれぞれ平面四角形の裁頭角錐形を呈して
いて、四方の斜面状の側壁75aと、平面四角形の端壁
75bとを一体に備えており、端壁75bの中央に平面
円形を呈する孔状のオリフィス76が設けられている。
端壁75bは基板72に対して傾斜しており、また全隆
起部75の端壁75bが同一の平面上に配置されてい
る。端壁75bの傾斜方向は、隆起部75の高さがヒン
ジ74側で最も高く、ヒンジ74から離れるにしたがっ
て徐々に低くなる向きである。すなわち全隆起部75
が、ヒンジ74側で高くなる一のテーパ面を共鳴器天井
とするように設定されている。
【0044】図9における右側の第二基板73に、同じ
くその一面側に向けて、ヘルムホルツ共鳴器を形成する
中空立体状の隆起部77が所要数一体成形されている。
図ではこの隆起部77が十二個設けられている。中空状
のこの隆起部77はそれぞれ平面四角形の裁頭角錐形を
呈していて、四方の斜面状の側壁77aと、平面四角形
の端壁77bとを一体に備えており、端壁77bの中央
に平面円形を呈する孔状のオリフィス78が設けられて
いる。端壁77bは基板73に対して傾斜しており、ま
た全隆起部77の端壁77bが同一の平面上に配置され
ている。端壁77bの傾斜方向は、隆起部77の高さが
ヒンジ74側で最も低く、ヒンジ74から離れるにした
がって徐々に高くなる向きである。すなわち全隆起部7
7が、ヒンジ74側で低くなる一のテーパ面を共鳴器天
井とするように設定されている。
【0045】第一基板72に設けられた隆起部75と第
二基板73に設けられた隆起部77とは、当該吸音材を
ヒンジ74で折り曲げて基板72,73同士を上下に重
ねたときに、隆起部75,77同士が一つずつ丁度上下
に重なるように形成されており、このような意味で全隆
起部75,77の底面開口がヒンジ74を中心線として
線対称に形成されている。またこのように当該吸音材を
ヒンジ74で折り曲げて基板72,73同士を上下に重
ねたときに、第一基板72に設けられた隆起部75の端
壁75bと第二基板73に設けられた隆起部77の端壁
77bとが、互いに平行になるように形成されている。
また更に、このように当該吸音材をヒンジ74で折り曲
げて基板72,73同士を上下に重ねたときに上下に重
ねられるた一対の隆起部75,77による高さhが、全
対について同じになるように設定されている。
【0046】当該吸音材は、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂もしくは
塩化ビニル樹脂等の樹脂または発泡材により一体成形さ
れている。
【0047】当該吸音材は、以下のように使用される。
【0048】すなわち先ず、当該吸音材により比較的高
周波の音を吸収する場合には、当該吸音材をヒンジ74
で折り曲げずに図9の状態のまま、所定箇所に設置す
る。このとき、第一基板72に設けられた隆起部75お
よび第二基板73に設けられた隆起部77はそれぞれ個
別に底面開口を設置床面に閉塞されて、内部に比較的小
さな空気室(図示せず)を備えたヘルムホルツ共鳴器を
形成し、このヘルムホルツ共鳴器の面(側壁75a,7
7aおよび端壁75b,77b)を板状吸音材として機
能させて吸音作用を奏する。空気室容積V0 が比較的小
さいため、上記(1)式から、共鳴周波数f0 が比較的
高くなるものである。設置に際しては全オリフィス7
6,78が音源に向けられる。
【0049】また当該吸音材により比較的低周波の音を
吸収する場合には、当該吸音材をヒンジ74で折り曲げ
て図10の状態とし、この状態で当該吸音材を所定箇所
に設置する。このとき、第一基板72に設けられた隆起
部75および第二基板73に設けられた隆起部77はそ
れぞれ上下に重ねられた対毎に組み合わされて、内部に
比較的大きな空気室(図示せず)を備えたヘルムホルツ
共鳴器を形成し、このヘルムホルツ共鳴器の面(側壁7
5a,77aおよび端壁75b,77b)を板状吸音材
として機能させて吸音作用を奏する。空気室容積V0
比較的大きいため、上記(1)式から、共鳴周波数f0
が比較的低くなるものである。設置に際しては第一基板
72側のオリフィス76が音源に向けられ、反対側の第
二基板73側のオリフィス78は設置床面により閉塞さ
れる。
【0050】当該吸音材はこのように高周波から低周波
まで一つの製品で対応することができ、大量生産による
低コスト化が可能である。
【0051】また図10の状態における、上下に重ねら
れた一対の隆起部75,77による高さhは、上記した
成形上の制約を遵守した上で従来の約二倍であり、これ
に伴って空気室容積V0 も約二倍となっている。したが
って上記した成形上の制約を遵守しながら従来の約二倍
の空気室容積V0 を備えたヘルムホルツ共鳴器を形成す
ることが可能となり、上記(1)式からして共鳴周波数
0 が大幅に引き下げることができる。したがって従来
では吸収することができなかった低周波の音を有効に吸
収することができる。
【0052】尚、当該吸音材において、第一基板72側
の全隆起部75をヒンジ74側で高くなる一のテーパ面
を共鳴器天井とするように設定するとともに、第二基板
73側の全隆起部77をヒンジ74側で低くなる一のテ
ーパ面を共鳴器天井とするように設定したのは、図9の
状態で各ヘルムホルツ共鳴器の空気室容積V0 を異なら
せるとともに、図10の状態で第一基板72側の全隆起
部75の端壁75bまたは第二基板73側の全隆起部7
7の端壁77bを平面状の設置床面に面接触させて、設
置床面によりオリフィス76,78を閉塞させるためで
ある。したがって当該吸音材によれば設置について上下
の方向性がなく便利である。
【0053】また絞り率に関する成形上の制約を遵守し
つつ吸音材全体の高さが増したことにより、吸音材の設
置面積に対して奥行の大きい空間を有効利用することが
できる。
【0054】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。
【0055】すなわち、上記構成を備えた本発明の請求
項1または請求項2による吸音材においては、ヘルムホ
ルツ共鳴器を形成する中空の隆起部が基板部の一面側な
いし音源側のみならず他面側ないし反音源側にも設けら
れているために、一定面積内で成形可能な隆起部の数ま
たは成形面積が従来より増えている。したがって一定面
積内に設置されるヘルムホルツ共鳴器の数を従来より増
やすことができ、共鳴周波数の数も従来より増やすこと
ができるために、吸音性能を向上させることができる。
【0056】また絞り率に関する成形上の制約を遵守し
つつ吸音材全体の高さが増すことにより、設置空間を有
効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る吸音材の組立て前
の状態を示す斜視図
【図2】同吸音材の組立て後の状態を示す斜視図
【図3】同吸音材の使用状態を示す斜視図
【図4】本発明の第二実施形態に係る吸音材の斜視図
【図5】本発明の第三実施形態に係る吸音材の分解斜視
【図6】同吸音材の斜視図
【図7】図6におけるA−A線断面図
【図8】図6におけるB−B線断面図
【図9】本発明の第四実施形態に係る吸音材の使用状態
を示す斜視図
【図10】同吸音材の他の使用状態を示す斜視図
【図11】従来例に係る吸音材の使用状態を示す斜視図
【符号の説明】
1,29,58,71 基板部 2,3,4,22,25,27,42,51,54,7
2,73 基板 5,6,74 ヒンジ 7,9,23,28,44,48,56,75,77
隆起部 7a,9a,44a,56a,75a,77a 側壁 7b,9b,23a,44b,48a,56b,75
b,77b 端壁 8,10,11,30,31,32,45,76,78
オリフィス 21,24,26,41,50,53 部品 43,55 ヘルムホルツ共鳴器 46,57 空気室 47 ロングオリフィス 49,52 開口部 59 ビス 60 音源 105 空間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘルムホルツ共鳴器を形成する中空の隆
    起部を基板部の一面側および他面側の双方に設けたこと
    を特徴とする吸音材。
  2. 【請求項2】 ヘルムホルツ共鳴器を形成する中空の隆
    起部を基板部の反音源側に設けたことを特徴とする吸音
    材。
JP9121538A 1997-04-25 1997-04-25 吸音材 Withdrawn JPH10301577A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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