JPH11152844A - 防音天井 - Google Patents

防音天井

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JPH11152844A
JPH11152844A JP9333645A JP33364597A JPH11152844A JP H11152844 A JPH11152844 A JP H11152844A JP 9333645 A JP9333645 A JP 9333645A JP 33364597 A JP33364597 A JP 33364597A JP H11152844 A JPH11152844 A JP H11152844A
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JP
Japan
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ceiling
sound absorbing
resonance
absorbing mechanism
resonance sound
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Application number
JP9333645A
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English (en)
Inventor
Kazutomo Murakami
和朋 村上
Susumu Tsukada
将 塚田
Kenji Inaba
健司 稲葉
Michitaka Takeshita
道孝 竹下
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音源から部屋に入力してきた低周波の騒音
(特に定在波)に対し効果的に吸音する。 【解決手段】 天井スラブ1の下方に天井板2を設けた
天井構造において、天井板2が共鳴吸音機構3を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、RC構造のマン
ション等の集合住宅、体育館、事務所ビル、学校の教
室、戸建住宅等に適用して好適な防音天井に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の防音天井は、音源となる階上の床
衝撃音遮断性能を主として追究していた。すなわち、音
の発生源の個所での音の伝播を防止することに工夫がな
されていた。例えば、階上で重量物を床に落下させたと
きに、この衝撃音が階下に伝わらないように、床下地パ
ネルを支持する支持脚下端にゴムを装着し、床下地パネ
ル上に仕上材を貼着したり、衝撃力が床に加わったとき
に床下空気を室内側へ流出させるようにしたもの等が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の防音天井では、
音源自身からの音を消し、階下の部屋への入力を少なく
することができるが、部屋へ入力してしまった音、特に
低い周波数の音(定在波)に対しては効果がなかった。
【0004】そこで、この発明は、音源から部屋に入力
してきた音、特に定在波に対し効果的に吸音することの
できる防音天井を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この請求項1の発明は、コンクリートスラブ等より
なる天井スラブの下方に天井材を設けた天井構造におい
て、前記天井材が共鳴吸音機構を有するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の好適な実施例
を図面を参照にして説明する。図1は、この発明に係る
防音天井を示すものであり、この防音天井は、(RC構
造のマンション等の)集合住宅(勿論、このような集合
住宅の限らず体育館、事務所ビル、学校の教室等に適用
可能)に用いられている。
【0007】この実施例の防音天井は、コンクリートス
ラブ等の天井スラブ1に固定し天井板2自体が全面に亘
り(図2参照)共鳴吸音機構3を構成している。
【0008】この天井板2は、図3に示すように、共鳴
吸音機構3を構成する天井板2の内面部30に通気性の
ない、例えば木、金属、セラミックス、プラスチック等
を使用する場合には、天井板2については特に材料につ
いての制限はない(通気性があってもよい)。また、図
4に示すように、特に天井板2の下部21は、室内の内
側部(天井面)を構成するため、吸音効果の高い材料、
例えばグラスウール、ロックウール、岩綿吸音板、アル
ミニュウム吸音板等を使用すると、より効果的である。
なお、外観的な見栄えの点から考えると、天井下面には
凸部が無いほうが好ましいから、図5に示すようにフラ
ットな形状とし、開口部33の部分には図6に示すよう
に、通気性のあるクロス若しくはメッシュなどの適宜の
通気材21Aで塞いでおくのが好ましい。
【0009】図7はここで用いた共鳴吸音機構3を示
し、開口部33を一端側に有する首部32の基端側が本
体部31に連結しており、首部32内部の連通路が本体
部31内部の空洞部と連通するようになっている。
【0010】この共鳴吸音機構3は、重量源床衝撃によ
り発生する室内定在波を低減するように設計される。こ
の共鳴吸音機構3は、首部32の質量S・t・ρと本体
部31の空洞部内の空気バネ成分ρ・C2 ・S/Vによ
る共鳴現象を利用して上記定在波を低減する。ここで、
開口部33の開口面積をS、首部32の長さをt、空気
の密度をρ、空気中の音速をC、空洞部の体積をVとし
た。また、開口部43の内径をdとすると、共鳴の際の
共振周波数F0 は、例えば次の(1)式で求められる。 F0 ≒(C/2π)・〔S/V(t+0.8d)〕1/2 ・・・(1)
【0011】実際の集合住宅の部屋の場合、密閉された
空間で壁と壁または天井と床がほぼ平行に向かいあって
いるので、向かい合った壁と壁、天井と床との間で音が
反射し合って定在波が発生する。図8に示すようにこの
定在波は部屋の中央部が音圧が最低(空気の粒子速度は
最高)となり、部屋の端部が音圧が最高(空気の粒子速
度は最低)となる。このため、通常、定在波が発生する
周波数帯域では、部屋の中央部と端では重量源床衝撃音
は10dB以上差がでてしまい、部屋全体の音圧レベルも
定在波が発生しない周波数帯域に比べても高くなってし
まうことになる。図8を見てわかるように、平行する面
の距離Lが、ちょうど1/2波長となる周波数Fで定在
波が発生することになる。すなわち、平行面の距離を
L、音速をCとすると、定在波周波数Fは、次の(2)
式のようになる。 F=C/2L・・・・(2)
【0012】これは1次元のみを考えた場合の1次モー
ドであり、これを3次元空間に拡張すると(図9参
照)、次の(3)式のようになる。 Fr =(C/2)・〔(NX /LX 2 +(NY /LY 2 +(NZ /LZ 2 1/2 ・・・(3) (3)式においてNX ,NY ,NZ はモード次数(モー
ドの節の数)であり、NX =NY =NZ =1の場合、定
在波周波数Fは、次の(4)式で求めることができる。
【0013】一般的な集合住宅の部屋について、概算し
て定在波の発生する周波数を求めると次の表1に示すよ
うになる。
【0014】
【表1】
【0015】表1よりわかるように、ほとんどが、JI
S評価の63Hzオクターブバンド内にはいっていること
がわかる。すなわち、これらの定在波を低減しなけれ
ば、重量源床衝撃音の評価レベル(L値)は改善できな
いことになる。
【0016】上記(1)式で計算された共振周波数F0
を、(4)式で定まる定在波にチューニングすることに
より定在波を効果的に低減することができる。3次元の
定在波を1次モードのみで全て改善するためには、上記
(1)、(4)式から F0(X)=Fr(X)、 F0(Y)=Fr(Y)、 F0(Z)=Fr(Z) となるような3種類の共鳴吸音機構3を天井に組込む。
共振周波数F0 の調整のため、(1)式で分かるよう
に、V、t、S(又はd)のいずれか1つの要素を可変
構造としておくことが望ましい。実際の定在波周波数が
現場では(4)式等の見積りからはずれる可能性もある
からである。
【0017】この実施例を含むこの発明では、図10に
示すように共鳴吸音機構3は音圧の大きくなる天井の隅
に組込むことが望ましい。なお、この実施例では、これ
らの共鳴吸音機構3の設置場所として、X方向に関する
共鳴音を吸収する(○印で開口部を示す)配置のもの3
X、またY方向に関する共鳴音を吸収する(△印で開口
部を示す)配置のもの3Y、さらにZ方向に関する共鳴
音を吸収する(□印で開口部を示す)配置のもの3Zが
それぞれ設けてある。ただし、この実施例のような3次
元方向全てに共鳴吸音機構を設置する必要はなく、各方
向のモードに対応するものが少なくとも一つ以上設置さ
せてあればよい。
【0018】また、いずれの共鳴吸音機構3も図示する
形状に限定されるものではなく、種々の形状を採用可能
である。例えば首部を複数設け、それにともなって開口
部も同数有するものでもよく、この場合、複数の開口部
のうち1つのみを使う場合には他の2つを閉塞しておけ
ばよい。
【0019】また図11は本体31の空洞部41Aの体
積を可変にする構造の一例を示すものであり、本体部3
1をピストン構造としたものである。あるいは、本体部
に仕切板を入れて空洞部の体積を調整することもでき
る。あるいは、空洞部内に液体や固体を入れて空洞部の
体積の調整を図ることも可能である。
【0020】図12は首部22の通気路32Aの体積す
なわち首部32の長さtを可変にした例を示すものであ
り、2つの部材をねじ式で嵌合したものを示す。このよ
うなねじ式に替えてスライド式や蛇腹式であってもよ
い。また、開口部33の開口面積を可変にするには、首
部内に肉厚の異なる筒体を挿入してもよいし、開口部に
絞り機構を設けることもできる。
【0021】上述したような共鳴吸音機構3を部屋の四
隅の天井に組込んだ場合、63Hzオクターブバンドの個
所において少なくとも4dBの減音改善が図られた。また
減衰時間も大幅に低減した。
【0022】また、この発明にかかる防音天井として
は、例えば図13に示すように、天井板2の一部にのみ
共鳴吸音機構3を有する構成としても構わない。この場
合の天井板2の材質としては、共鳴吸音機構3を構成す
る内周面30の部分には先の実施例と同様のものが使用
されるが、この共鳴吸音機構3を構成しない部分(開口
部33を有しない部分)の下面には、吸音材を使用した
り、メッシュ式天井としたりすれば、より効果的であ
る。
【0023】即ち、例えば、図14に示すように、共鳴
吸音機構3を有するところ以外の天井板2において下面
部分の全て若しくは一部に吸音板40を設けた吸音材天
井としたり、同様の部分に通気性のあるメッシュ材、例
えば岩綿吸音板やアルミ吸音板等を使用した構成として
もよい。なお、これらの実施例において、図15に示す
ように、共鳴吸音機構3を有する部分の天井のみが下が
り天井となり、それ以外の天井板2を天井スラブ1の極
く近くに取り付けた、換言すれば天井スラブ1と天井板
2との間に空気層を設けていない構造としてもよい。
【0024】また、この発明にかかる防音天井構造とし
て、例えば、図16に示すように、共鳴吸音機構3を有
するところ以外の天井板2とコンクリートスラブ等の天
井スラブ1との間の空間(空気層)の全て若しくは一部
において、吸音材4を充填させた吸音材天井としてもよ
い。この実施例の吸音材4は、天井スラブ1と天井材2
との間の空気層内で共鳴吸音機構3が配設されていない
部分の全てに配設してあるが、例えばこの空気層内に配
設する共鳴吸音機構の上部等に空間が形成される場合に
は、その空間部分に適宜の吸音材を装填させてもよい。
【0025】また、このように共鳴吸音機構3が配設さ
れている部分の上部にも空間を有する場合には、この共
鳴吸音機構3がどこに配設されているかに係わらず、吸
音材4の配置はその設置する個々の部屋の状況に応じて
適宜の態様が可能である。
【0026】また、この実施例の吸音材4には、一辺が
0.5m、厚さ55mmの正方形の繊維集合体(1ユニ
ットを形成する)が使用されているが、この繊維集合体
は必ずしも1ユニット全体に配設されているものには限
らない。
【0027】この繊維集合体は、繊維状物質の集合体か
らなる繊維成形体を所定の大きさに形成したものであ
る。この繊維成形体としては、繊維径分布の中心が30
デニール以下の短繊維を素材として平均見かけ密度0.
055g/cm3 (この平均見かけ密度は0.03〜
0.15g/cm3 であるのが好ましい)の繊維集合体
に成形してなるものが使用されている。なお、30デニ
ール以下の短い繊維を用いるとともに見かけ密度を所定
の範囲に収めることで繊維成形体内部の通気抵抗を大き
くして吸音特性を良好にしてあるが、ある程度の通気性
は確保してある。
【0028】短繊維の材質としては、例えばポリエステ
ル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ビニロ
ン等の合成繊維の他に、羊毛、綿、麻等の天然繊維を使
用することもできる。さらに、これらの繊維を使用した
布から開繊した短繊維を使用することもできる。
【0029】なお、この実施例の吸音材4は、コンクリ
ートスラブの天井スラブ1面と壁面6とに適宜の接着剤
で取り付けてあるが、これ以外に、例えばこの吸音材を
コンクリート釘やピン等の物理的手段を用いて取り付け
る等、適宜の手段で取り付けることが可能である。また
この発明に係る吸音材としては、勿論この繊維集合体に
限定されるものではなく、同様の効果を有するものであ
ればそれでもよい。
【0030】さらに、この発明にかかる防音天井構造と
して、例えば、図17に示すように、共鳴吸音機構3を
有するところ以外の天井板2とコンクリートスラブ等の
天井スラブ1との間に、防振手段7を介して天井板1を
設けた構成となっている。この防振手段7には、中間部
に例えば剪断型防振ゴム71(この他に、圧縮型防振ゴ
ム或いは引張型防振ゴム等が可能)が使用されている。
【0031】なお、以上説明してきた実施例において
は、天井板が共鳴吸音機構の一部(下面部分)のみを構
成していたが、この他に、共鳴吸音機構が全て天井板か
ら構成されるものであってもよい。例えば、図1に対比
される図18に示す防音天井にあっては、下面部分のみ
ならず、共鳴吸音機構を構成する面(六面)の全て、つ
まり上面及び側面部分についても、天井板として構成さ
れている。また図13に対応する図19の防音天井につ
いても、共鳴吸音機構を構成する面(六面)の中で側面
の一部を柱面若しくは壁面で構成していることを除けば
残り全てが天井板として構成されている。さらに、図2
0に示すように、図18に示す防音天井の共鳴吸音機構
により構成された天井板を天井スラブ1に対して防振手
段7で支持した構成としてもよい。
【0032】次に、この発明に係る図1の防音天井にお
いて、図21に示す共鳴吸音機構(レゾネータ)3を設
置場合に合わせた最適体積Vに調整して4階建の集合住
宅の2階天井に配置しておき、JIS A1418にの
っとり、2,3階を使用して、タイヤ落下評価実験を行
なった。 なお、このときのレゾネータについては、 を用いた。ここで、体積Vを可変とし、実際の部屋の定
在波周波数に合わせて微調整を行った。
【0033】図22に示すバングマシンMにて、3階床
の5点を加振し、その時の騒音を、2階5点でそれぞれ
計測し、平均としたときのデータを求めた。部屋の寸法
は、6帖相当で約3.6×2.7m、高さ2.4mであ
る。スラブ=150mm厚、各方向の定在波を概算すると
(4)式より、 LX (3.6m)=C/2LX ≒47Hz LY (2.7m)=C/2LY ≒63Hz LZ (2.4m)=C/2LZ ≒71Hz となる。この部屋の床衝撃音を計測してみると、特にX
方向の定在波による騒音が最もレベルが大きいことがわ
かった。これは、部屋のドアや窓の配置の影響と考えら
れる。
【0034】そこで、ここではX方向についての実験を
行った。実際の部屋の定在波は、音の計測より、46Hz
と、上記(4)式からの概算値47Hzからずれていたが、
レゾネータの体積V(実際には、図21の仕切板31B
を動かして調整した)を変え、46Hzに調整したレゾネ
ータを用いた。 (1) オクターブバンド分析結果については、共鳴吸音機
構を備えていない場合に比べ、図23に示すように、6
3Hzバンドで5dBの改善、すなわち、遮音等級(L値)
が1ランクアップした。 (2) 狭帯域スペクトル分析結果については、共鳴吸音機
構を備えていない場合に比べ、図24に示すように、4
6Hzのピーク値において約10dB程度の低減が見られ
た。 (3) 時系列波形分析結果については、共鳴吸音機構を備
えていない場合に比べ、図25に示すように、減衰時間
が大幅に低減した。 なお、(2),(3)については、中央マイク以外のマイク
から計測された結果である。
【0035】さらに、図20に示す実施例の防音天井に
ついて、コンクリート素地の天井及び従来の天井との比
較実験(全てスラブ厚さ150mmの残響室内で実験し
た。)を行ってみたところ、重量床衝撃音の遮断性能に
ついては、図26に示す結果が得られた。この実験結果
により、JIS遮音等級について、コンクリート素地で
はL−55,従来の天井構造ではL−60、この実施例
の防音天井では少なくともL−50以上の遮音性能が得
られることが確認できた。一方、同様の比較実験を軽量
床衝撃音について行ってみたところ、図27に示す結果
が得られた。この実験結果により、JIS遮音等級につ
いて、コンクリート素地ではL−80、従来の天井構造
ではL−65、この実施例の防音天井では少なくともL
−55以上の遮音性能が得られることが確認できた。
【0036】次に、この発明に係る防振支持機構におけ
る設計概念について説明する。この出願にかかる発明者
によって繰り返し行った各種実験や試行錯誤の結果、つ
ぎのような知見が得られた。 図28に示すような、単純支持天井構造に対して、防
振ゴム71の共振点(周波数がf。)に21/2 を乗算さ
せた特定周波数値(21/2 ・f。)以上の周波数帯域で
本願発明の吸音効果が現れること。ただし、ここで、共
振点での周波数f。は、k(k=k1 +k 2+k3 +・
・・)を防振ゴム71のばね定数、mを天井板2の質量
とすると、f。≒(1/2π)・〔k/m〕1/2 であ
る。 しかしながら、図29に示す特定周波数値(21/2
f。)以下の周波数帯域、特に共振点付近では逆に天井
スラブ1から天井板2への振動動作の伝搬割合が増大
し、却って天井板2からの放射音が増加してしまう。こ
のような事情から、本願発明では防振ゴムの共振点f。
をなるべく低く抑える必要がある。従って、本願発明で
のレゾネータによる定在波周波数に応じて行う周波数の
調整(チューニング)については、 問題となる最低周波数帯域(床衝撃音のJISでは、
63Hzオクターブバンド周波数帯域)以下に特定周波
数値が収まるように設定するのがよい、 天井板の支持のため、耐久性(クリープ性等)を考え
ると、なるべく共振点は高い方がよい。即ち、この発明
では、例えば最低周波数帯域がを45Hzとして特定周
波数値がこれ以下に収まるには、45Hz≧21/2
f。であるから、共振点はf。≦31.8Hzとなる。
【0037】次に、この発明に係る他の実施例について
説明する。図30は、この発明に係る防音天井を示すも
のであり、この防音天井では、図18に示す防音天井に
おいて、共鳴吸音機構により構成された天井板と天井ス
ラブ1との間の空間(空気層)に、吸音材4を充填させ
た構成となっている。このような構成とする防音天井に
よれば、重量床衝撃音を観測した結果、JIS遮音等級
について、コンクリート素地ではL−55、レゾネータ
がなく吸音材を設けた防音天井ではL−55、レゾネー
タと吸音材を設けた防音天井ではL−50の遮音性能が
得られることが確認された。同様に、軽量床衝撃音を観
測した結果、それぞれ遮音性能についてL−80、L−
55、L−55以上の結果が得られた。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、コンクリートスラブ等よりなる天井スラブの下方に
天井材を設けた天井構造において、前記天井材が共鳴吸
音機構を有する構成としたから、重量源床衝撃音で最も
問題となる低周波数帯域(63Hzオクターブバンド、3
1.5Hzオクターブバンド)の騒音レベルを効果的に軽
減することが可能となる。
【0039】また、この発明によれば、天井内に共鳴吸
音機構の主要体積を占める本体部を組込んであるので、
部屋の中に飛び出さずに構成でき、部屋のスペースを犠
牲にすることはない。さらに、空洞部の体積、首部長
さ、開口部断面積のうち少なくとも1つを可変構造とす
ることにより、どのような形状の部屋でもそこで発生す
る固有周波数の共鳴音に合わせた微調整(チューニン
グ)を容易にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の好適な実施例を示す断面図。
【図2】図1の実施例で使用した共鳴吸音機構の設置状
態等を示す平面図。
【図3】この実施例に使用する共鳴吸音機構を示す断面
図。
【図4】同共鳴吸音機構の変形例を示す断面図。
【図5】この発明の変形例をを示す断面図。
【図6】図5の要部断面図。
【図7】共鳴吸音機構を示す要部斜視図。
【図8】1次元における定在波を示す図。
【図9】3次元空間における平行面の距離をそれぞれ示
す図。
【図10】共鳴吸音機構の具体的配置を示す説明図。
【図11】空洞部の体積を可変構造とした一例を示す断
面図。
【図12】首部内の通気路を可変構造とした一例を示す
断面図。
【図13】この発明の変形例を示す概略断面図。
【図14】変形例を示す構成図。
【図15】変形例を示す構成図。
【図16】変形例を示す構成図。
【図17】他の変形例を示す構成図。
【図18】同変形例を示す構成図。
【図19】同変形例を示す構成図。
【図20】同変形例を示す構成図。
【図21】タイヤ落下評価実験に使用するレゾネータを
示す斜視図。
【図22】タイヤ落下評価実験を示す説明図。
【図23】オクターブバンド分析結果を示すグラフ。
【図24】狭帯域スペクトルの分析結果を示すグラフ。
【図25】時系列波形の分析結果を示すグラフ。
【図26】重量床衝撃音遮断性能の比較実験を示すグラ
フ。
【図27】軽量床衝撃音遮断性能の比較実験を示すグラ
フ。
【図28】この発明に係る防音天井の作用を示す原理
図。
【図29】振動周波数に対する床衝撃音を示すグラフ。
【図30】同変形例を示す構成図。
【符号の説明】
1 天井スラブ 2 天井板 3 共鳴吸音機構(レゾネータ) 31 本体部 32 首部 33 開口部 4 吸音材 6 柱 7 防振手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリートスラブ等よりなる天井スラ
    ブの下方に天井材を設けた天井構造において、 前記天井材が共鳴吸音機構を有することを特徴とする防
    音天井。
JP9333645A 1997-11-18 1997-11-18 防音天井 Pending JPH11152844A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002227322A (ja) * 2001-01-31 2002-08-14 Daiwa House Ind Co Ltd 建屋吸音構造
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