JP2012166560A - 積層フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着剤やアンカーコート剤を使用したときと同レベルの膜接着強度を有し、かつ接着層に由来する溶出物が一切ないクリーンな積層体を製造する。
【解決手段】第1の樹脂フィルムの表面に、窒素ガスを含み、実質的に酸素ガスを含まない窒素ガス雰囲気下のコロナ放電処理により表面処理を行う第1処理工程と、第2の樹脂フィルムの表面に、酸素ガスおよび/または窒素ガスを含む雰囲気下で、コロナ放電処理により表面処理を行う第2処理工程と、第1の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面に、第2の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面を重ね合わせて、2枚の樹脂フィルムを重ね合わせた状態で加熱して樹脂を軟化ないしは溶融させることにより熱ラミネートする積層工程とを含む積層フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂フィルム同士を積層した積層構造を有する積層フィルム、例えば、包装材料等に用いられる積層フィルムの製造方法に関する。より詳細には、接着剤層やアンカーコート層を用いることなく、一の樹脂フィルムと他の樹脂フィルムを圧着した積層構造を有する積層フィルムの製造方法に関する。
食品、飲料、医薬品などの包装に使用される包装容器および袋体(以下、「包装容器」と総称する。)の分野では、2種類以上の樹脂フィルムを組み合わせて積層し、包装する内容物の性質、包装された包装体の使用方法等に応じて必要な機能を有する積層フィルムが使用される。そのような積層フィルムとしては、例えば、内容物を充填した後、包装容器の充填口をヒートシールして密封するために、シール面となる包装容器の内面にシール性に優れたポリエチレン等のポリオレフィン樹脂層がシーラント層として使用される。そして、積層フィルムには、強度を補強したり、他の機能を付与したりするためにポリエステル、ナイロンやポリプロピレン等の樹脂フィルムが積層される。このため、前もってポリエチレン樹脂と、例えば、ポリエステルフィルムを積層した積層フィルムを準備し、最終的な包装容器に成型することが行なわれている。
ところで、ポリエチレン樹脂と、他の樹脂フィルムとを圧着させて積層する場合、接着剤層やアンカーコート層を用いないと接着強度が不足することがある。ところが、アンカーコート層や接着剤層を用いる場合、それらの形成に際し溶剤を蒸発、乾燥させることにより発生するVOC(揮発性有機化合物)が大気中に散逸することが問題となっている。また、接着剤層を用いる場合は、ドライラミネート後に数日程度のエージング期間を必要とし、生産効率の問題もある。さらには、内容物、例えば、輸液等の医療用液体においては、アンカーコート層や接着剤層に残留する溶剤やアンカーコート剤や接着剤に起因する低分子成分が相互作用を引き起こすことがある。また、食品等においても臭気が問題となる場合もある。このため、アンカーコート層や接着剤層を用いないで、高い接着強度を有する積層フィルムを製造することが求められている。
このような要望に対して、接着強度を増加させるための処理を行い、アンカーコート層や接着剤層を用いないで積層フィルムを製造することに関して、様々な提案がなされている(例えば特許文献1〜6を参照)。
特許文献1には、プラスチック基材の少なくとも一面にコロナ処理、プラズマ処理、フレームプラズマ処理、電子線照射、紫外線照射などにより表面を酸化処理するとともに、溶融押出したフィルムの少なくとも一面にオゾン処理したのち、両者を接触させ圧着する押出ラミネート方法が記載されている。
特許文献2には、プラスチック基材の少なくとも一面に、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、ネオン、キセノン、窒素等の不活性気体の雰囲気で電子線照射処理、低圧プラズマ処理、大気圧プラズマ処理またはコロナ放電処理により表面処理するとともに、溶融押出したフィルムの少なくとも一面にオゾン処理したのち、両者を接触させ圧着する押出ラミネート方法が記載されている。
特許文献3には、合成樹脂の表面を活性化し、印刷インキや金属蒸着膜に対する接着性を向上するため、実質的に窒素と二酸化炭素とからなる混合気体雰囲気(望ましくは酸素濃度が0.1vol%以下)中でコロナ放電処理することを特徴とする合成樹脂の表面処理方法が記載されている。
特許文献4には、窒素ガス(酸素濃度が3vol%以下)、炭酸ガスあるいは窒素/炭酸ガスの混合ガス雰囲気でのコロナ放電処理により、ESCA法による基材フィルムの表面の窒素と炭素の原子数比(N/C)が0.001〜0.1の範囲である被処理面を生成し、該被処理面に、水/低級アルコール混合溶液や水を溶媒とし、水溶性高分子及び無機系層状化合物を主たる構成成分とする塗剤を塗布し、乾燥して塗膜を形成するガスバリアフィルムの製造方法が記載されている。
特許文献5には、基材の少なくとも一面に表面活性化処理を施す工程、押出ラミネート樹脂を180〜340℃の樹脂温度でフィルム状に溶融押出し、その少なくとも一面にオゾン処理を施す工程、基材の表面活性化処理面と、押出ラミネート樹脂のオゾン処理面とを接触させ、圧着する工程、積層体の押出ラミネート樹脂面に、オゾンを接触作用させて臭気を除く工程を含む積層体の製造方法が記載されている。
特許文献6には、プラスチック基材の少なくとも一面に表面活性化処理を施す工程、押出ラミネート用樹脂をフィルム状に溶融押出し、プラスチック基材と接する該フィルムの少なくとも一面にオゾン処理を施す工程、プラスチック基材の表面活性化面と押出フィルムのオゾン処理面とを接触させ、該フィルムと該プラスチック基材を圧着する工程を含み、アンカーコート剤を使用しない、プラスチック基材と押出ラミネート用樹脂とからなる積層体の製造法が記載されている。
特開平7−314629号公報 特開平9−234845号公報 特公昭57−30854号公報 特開平9−111017号公報 特開2001−246660号公報 特開平10−264342号公報
しかしながら、従来の方法では、接着剤やアンカーコート剤を使用して貼り合わせた場合の膜接着強度と同等の実用強度が得られない。例えば、特許文献5,6のアンカーコート剤を用いない積層体の製造方法においては、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン間の膜接着強度は320〜600gf/15mm程度、延伸ナイロン/ポリエチレン間の膜接着強度は490〜1000gf/15mm程度しかない(特許文献5の表1、特許文献6の表1,2参照)。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、接着剤やアンカーコート剤を使用したときと同レベルの膜接着強度を有し、かつ接着層に由来する溶出物が一切ないクリーンな積層体が得られる製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、第1の樹脂フィルムの表面に、窒素ガスを含み、実質的に酸素ガスを含まない窒素ガス雰囲気下のコロナ放電処理により表面処理を行う第1処理工程と、第2の樹脂フィルムの表面に、酸素ガスおよび/または窒素ガスを含む雰囲気下で、コロナ放電処理により表面処理を行う第2処理工程と、第1の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面に、第2の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面を重ね合わせて熱圧着する積層工程とを含むことを特徴とする積層フィルムの製造方法を提供する。
また、本発明は、第1の樹脂フィルムの表面に、窒素ガスを含み、実質的に酸素ガスを含まない窒素ガス雰囲気下のコロナ放電処理により表面処理を行う第1処理工程と、第2の樹脂フィルムの表面に、酸素ガスおよび/または窒素ガスを含む雰囲気下で、コロナ放電処理により表面処理を行う第2処理工程と、第1の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面と、第2の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面との間に、押出樹脂を重ね合わせて押出ラミネートする積層工程とを含むことを特徴とする積層フィルムの製造方法を提供する。
本発明においては、前記押出ラミネートする積層工程における前記押出樹脂の、少なくとも第1の樹脂フィルム側の面にオゾン処理を行うことが好ましい。
前記第1処理工程における前記窒素ガス雰囲気中の酸素ガス濃度が容量比2%以下であることが好ましい。
前記第1処理工程における前記窒素ガス雰囲気中の酸素ガス濃度が容量比50ppm以下であることが好ましい。
前記積層工程後に、積層フィルムを常温で10日〜1ヶ月間、または40〜60℃で1〜3日間静置するエージング工程を含むことが好ましい。
なお、1gf/inch=9.8mN/25.4mm=5.79mN/15mmである。
本発明によれば、接着剤やアンカーコート剤を使用したときと同レベルの膜接着強度を有し、かつ接着層に由来する溶出物が一切ないクリーンな積層体を製造することができる。
以下、最良の形態に基づき、本発明を説明する。
本発明で用いる樹脂フィルムは、特に限定されず、積層フィルムの用途に応じて適宜選択することができる。例えば、本発明の積層フィルムが包装材料用であれば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、6−ナイロンや66−ナイロンなどのポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)やポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂からなるフィルムが好ましい。また、本発明の積層フィルムが電子材料や電気材料用等であれば、ポリイミドやエポキシ樹脂等からなる硬化性の樹脂フィルムも用いることができる。また、セロファンも用いることができる。
本発明の積層フィルムに用いる積層構造の第1形態例は、窒素原子で表面処理を行った第1の樹脂フィルムの処理面上に、酸素原子および/または窒素原子で表面処理を行った第2の樹脂フィルムの処理面を、接着剤層を介すことなく圧着した積層構造である。
この積層構造は、例えば、下記の(1)〜(3)の工程を行うことで形成することができる。
(1)第1の樹脂フィルムの表面に、窒素ガスを含み、実質的に酸素ガスを含まない窒素ガス雰囲気でのコロナ放電処理により表面処理を行う第1処理工程。
(2)第2の樹脂フィルムの表面に、酸素ガスおよび/または窒素ガスを含む雰囲気下で、コロナ放電処理により表面処理を行う第2処理工程。
(3)第1の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた表面に、第2の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面を重ね合わせて熱圧着する積層工程。
本発明の積層フィルムに用いる積層構造の第2形態例は、窒素原子で表面処理を行った第1の樹脂フィルムの処理面上に、酸素原子および/または窒素原子で表面処理を行った第2の樹脂フィルムの処理面を、接着剤層を介すことなく、押出樹脂を介して圧着した積層構造である。
この積層構造は、例えば、下記の(1)〜(3)の工程を行うことで形成することができる。
(1)第1の樹脂フィルムの表面に、窒素ガスを含み、実質的に酸素ガスを含まない窒素ガス雰囲気でのコロナ放電処理により表面処理を行う第1処理工程。
(2)第2の樹脂フィルムの表面に、酸素ガスおよび/または窒素ガスを含む雰囲気下で、コロナ放電処理により表面処理を行う第2処理工程。
(3)第1の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面と、第2の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面との間に、押出樹脂を重ね合わせて押出ラミネートする積層工程。
以下、これらの工程を詳述する。
(第1処理工程)
この工程では、コロナ放電処理により窒素原子で第1のフィルムの表面処理を行う。
コロナ放電処理は、古くからポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性ポリオレフィン樹脂フィルムをはじめ各種の樹脂フィルムの接着性を向上させるため用いられてきた。特にポリオレフィンフィルムは、表面層に極性基を持たないので、インキの印刷性、接着剤など他の樹脂との接着性が低い。このため、インキの印刷性、接着剤など他の樹脂との接着性を高めるために、空気中でのコロナ放電処理による樹脂フィルム表面の改質が行われてきたのである。コロナ放電処理は、高周波電圧を用いて大気中にコロナ放電を発生させ、それに伴って発生する電子を樹脂フィルムの表面に照射し、樹脂フィルムの表面に酸素原子による官能基を付加することによって樹脂フィルムの表面改質を行うものである。
通常の空気雰囲気下で行なわれるコロナ放電表面処理では、活性酸素原子(酸素ラジカル)が発生するため、空気中においては酸素ガスの方が窒素ガスに比べて遙かに含有率が小さいにも関わらずコロナ放電処理した樹脂フィルムの表面が酸素原子で表面処理される。即ち、樹脂フィルムの表面が酸化され、樹脂フィルムの表面において、高分子の主鎖や側鎖に、カルボニル基(>CO)やカルボキシル基(−COOH)などの酸素官能基が主として形成される。そして、これらの官能基が接着性能に寄与すると考えられる。ところが、この活性酸素原子は、官能基を生成する際に高分子を切断して低分子化する作用も強いため、樹脂フィルムの表面において、酸素原子を含む低分子化合物が極めて薄い層状に生成する。この低分子化合物層は分子量が比較的小さいと考えられ、凝集力などの物理的強度が小さいと考えられる。
これに対して、第1処理工程で好適に用いる実質的に酸素ガスを含まない窒素ガス雰囲気でのコロナ放電処理は、樹脂フィルム表面の高分子の主鎖や側鎖に、窒素原子によるアミノ基(−NH)等の窒素官能基が主として生成すると考えられる。さらに、この窒素ガス雰囲気でのコロナ放電処理は、通常の空気雰囲気でのコロナ放電処理と異なり窒素ガス中で放電が起こっているために活性酸素原子の発生量が少なく、かつ、活性窒素原子が官能基を生成する際に高分子を切断して低分子化する作用も弱いため、空気雰囲気でのコロナ放電処理を行った場合に発生する低分子化合物の発生が抑えられる。
つまり、この低分子化合物は、空気雰囲気でのコロナ放電処理時に生成するものより分子量が大きく、この低分子物層の凝集力などの物理的強度も大きくなる。このことから、ポリオレフィンフィルムへ使用することでも接着性向上の効果が得られる。
本発明においては、異なる2種類の樹脂フィルムを熱圧着する場合、使用するTg(ガラス転移温度)の高い方の樹脂フィルムに対して、この窒素ガス雰囲気でのコロナ放電処理を行うことで、低分子化合物層の脆弱化をほとんど誘発することなく接着に有利となるアミノ基(−NH)等の窒素官能基を効率的に導入できる。
窒素官能基を効率的に導入するためには、特許文献3や4に記載されているようにコロナ放電処理を行う処理雰囲気の酸素ガス濃度を下げる必要がある。なお、この特許文献3や4においては意図的にCOをコロナ放電処理の雰囲気ガス中に導入しており、アミノ基ではなくアミド基(−NHCO−)を形成させていることが推定される。プラズマ雰囲気中ではCOがラジカルとなり、COラジカルおよび酸素ラジカルが生成してしまうため、通常の空気雰囲気でのコロナ処理と同様にアミノ基よりアミド基が優先的に生成され、優先的にアミノ基を導入することはできない。
そこで、第1処理工程では、意図的にアミド基よりアミノ基を多く導入することが好ましいため、コロナ放電処理の雰囲気ガス中に酸素ガスを実質的に含まないようにするのである。酸素ガス濃度は、処理する樹脂フィルムや処理条件等にもよるが、容量比2%以下、好ましくは容量比50ppm以下に制御する。そして、それと共に、樹脂フィルム以外には酸素原子を供給する材料(例えばCOやNOなど)を放電雰囲気中へ導入しないことが好ましい。また、さらに積極的にアミノ基を導入するためには、酸素原子を吸収する材料(例えばH、NHやCHなど)を放電雰囲気中に添加しても良い。
(第2処理工程)
この工程では、酸素原子および/または窒素原子で第2のフィルムの表面処理を行う。具体的には、酸素ガスおよび/または窒素ガスを含む雰囲気下で、コロナ放電処理により表面処理を行う。これらの表面処理は、酸素ガスを含有する雰囲気で行っても良いし、第1処理工程と同様に、実質的に酸素ガスを含まない窒素ガス雰囲気でコロナ放電処理を行っても良い。
酸素ガスを含有する雰囲気でのコロナ放電では、樹脂フィルムの表面において、高分子の主鎖や側鎖に、カルボニル基(>CO)やカルボキシル基(−COOH)などの酸化官能基が主として生成すると考えられる。これらが生成する限り、雰囲気は大気でも良い。
(積層工程)
この工程は、第1形態例においては、第1の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた表面に、第2の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面を重ね合わせて熱圧着する、いわゆる、熱ラミネートの工程である。
また、第2形態例においては、第1の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面と、第2の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面との間に、押出樹脂を重ね合わせて圧着する、いわゆる押出ラミネートの工程である。
第1形態例における熱ラミネートは、2枚の樹脂フィルムを重ね合わせた状態で加熱して熱圧着することによりラミネートする。熱圧着する条件は、目標とする接着強度が得られる条件を適宜選定すればよい。接着強度は、熱圧着温度、時間、圧力を上げることで向上し、例えば、ポリエステルフィルムとポリエチレンフィルムの組合せにおいても、6N/15mm程度にすることが可能である。これはコロナ放電処理で生成した低分子化合物が適度に拡散することによると考えられる。しかし、温度や圧力、時間を上げすぎるとポリエチレンの過剰な溶融や、熱収縮してしまうこと、ポリエステルフィルムの熱収縮、加工速度が遅くなる、装置が大掛かりになるなどの問題が発生するため、適度な条件を選定することが好ましい。
第2形態例における押出ラミネートは、熱可塑性樹脂を押出機中で溶融した溶融樹脂をTダイから膜状に押し出した溶融樹脂膜を用いる。押出ラミネートにおいて、Tダイから押し出される熱溶融状態の溶融樹脂膜は、第1の樹脂フィルムと第2の樹脂フィルムに接触し、冷却ロールとピンチロールの2つのロール間で圧着されて積層フィルムとなる。押出ラミネートにおいては、溶融樹脂膜の熱を利用するので別途加熱する必要はない。むしろ、冷却ロールを用いて、溶融樹脂膜が有する過剰の熱を積極的に除去し、積層構造を速やかに固定するのである。
第1および第2形態例において、第1および第2の樹脂フィルムは、特に限定されないが、包装材料等の用途を考えると、一方の樹脂フィルムがシーラント層としてポリオレフィンやヒートシーラブルPETであることが好ましく、他方の樹脂フィルムがポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、セロファンや二軸延伸ポリプロピレンフィルムとすることが好ましい。また、押出樹脂はポリオレフィンやヒートシーラブルPETであることが好ましい。
第1および第2の樹脂フィルムに対する表面処理は、押出ラミネートの前段階で行う。Tダイによって製造される押出樹脂膜は、少なくとも、第1の樹脂フィルムと貼り合わされる側の表面をオゾン処理したものが好ましい。オゾン処理を行うには、Tダイの下方にオゾン処理の処理装置を設置し、樹脂フィルムに接触する前段階で、押出樹脂膜に表面処理を行えば良い。
オゾン処理は、オゾンを樹脂フィルム表面に吹き付け、オゾンが分解して発生する活性酸素原子による表面処理である。オゾンの発生方法には、制限はないが、UV/オゾン処理が好ましい。UV/オゾン処理は、低圧水銀ランプ、Xeエキシマランプ等の紫外線を発生させる光源が使用され、樹脂表面に照射される光源のエネルギーと、光源の照射で発生するオゾンの相乗効果が得られるからである。240nm以下の波長の紫外光は、酸素を分解してオゾンを発生させ、低圧水銀ランプを使用する場合は、185nm線がオゾンの発生に用いられる。UV/オゾン処理では、樹脂表面の改質と洗浄に効果があるとされているが、照射する光源のエネルギーが樹脂化合物の分子結合エネルギーよりも高い場合は、分子結合が切れて分解反応生成物が生じることも考えられるので、処理する樹脂フィルムによって調整することが好ましい。
また、UV/オゾン処理の効果は、樹脂の化学組成により異なるが、オゾンが分解して発生する活性酸素が表面改質に寄与し、該樹脂フィルムの表面において、高分子の主鎖や側鎖に、カルボニル基(>CO)やカルボキシル基(−COOH)などの酸素官能基が主として形成し、活性酸素原子がメインで作用するためにアミノ基(−NH)等の窒素官能基は、ほとんど生成しない。
本発明においては、異なる2種類の樹脂フィルムを熱圧着するに際して、Tgの高い方の樹脂からなる樹脂フィルムに対して実質的に酸素ガスを含まない窒素ガス雰囲気でのコロナ放電処理を行うこと、即ち、第1処理工程を行うことで、低分子化合物層の脆弱化をほとんど誘発することなく接着に有利となるアミノ基(−NH)等の窒素官能基を効率的に導入できる。
一方、Tgの低い方の樹脂からなる樹脂フィルムに対して酸素ガスを含む雰囲気でのコロナ放電処理を行うこと、即ち、第2処理工程を行うことで、接着に有利となるカルボニル基(>CO)やカルボキシル基(−COOH)などの酸素官能基を効率的に導入できる。
この2種類の樹脂フィルムを熱圧着することで、アミド結合が生成して、強固な接着強度を有する積層構造が実現する。
ここで、第2処理工程において、活性酸素原子は、酸素官能基を生成する際に高分子を切断して低分子化する作用も強いため、樹脂フィルムの表面において、酸素原子を含む低分子化合物が極めて薄い層状に生成する。この低分子化合物層は分子量が比較的小さいと考えられ、凝集力などの物理的強度が小さいと考えられる。したがって、単に2枚の種類の樹脂フィルムを熱圧着して、アミド結合が生成して強固な接着が実現しても、第2の樹脂フィルムの表層で凝集破壊が起きるので、常識的には、積層界面の接着強度は上がらないと考えられる。
ところが、実際に熱圧着してみると、強固な接着強度を有する積層構造が実現したのである。
この理由は、定かではないが、おおよそ次のように推定される。
即ち、第1形態例の熱ラミネートにおいては、熱圧着時の熱により、第2処理工程において生成した酸素原子を含む低分子化合物の層表面から極浅い内部にかけて軟化ないしは溶融が起きると考えられる。低分子化合物の分子量は、小さいものから大きなものまで幅広く分布しており、分子量の小さいものほど、表面近くに存在しているものと推定される。この軟化や溶融によって、低分子化合物の内、分子量の小さいものから流動が始まり、表層内部への移動が起こる。その結果、比較的分子量の大きいものが表面に露出することになる。一方、第1の樹脂フィルムの樹脂は第2の樹脂フィルムの樹脂よりTgが同等ないしは高いので、表面処理により荒れて微細な凹凸を有する第1フィルムの表層の軟化度合いは、第2の樹脂フィルムより同等ないしは小さい。この状態で両樹脂フィルムを圧着すると、第2の樹脂フィルムの低分子物層が第1の樹脂フィルムの表層の微細な凹凸に追従して、投錨効果が生まれる。そして、第2の樹脂フィルムの比較的分子量の大きい低分子化合物が有する酸素官能基と第1の樹脂フィルムが有する窒素官能基が結合して、アミド結合が生成し、高い接着強度が発現する。
また、第2形態例の押出ラミネートにおいても、押出樹脂膜の、少なくとも、第1の樹脂フィルムと貼り合わされる側の表面をオゾン処理した場合は、オゾン処理により第2の樹脂フィルムの表面に生じた低分子化合物が有する酸素官能基と第1の樹脂フィルムが有する窒素官能基が結合して、アミド結合が生成し、高い接着強度が発現する。なお、第2形態例の場合は、押出樹脂膜の軟化度合いが大きいので、押出樹脂膜の表面にオゾン処理をしない場合でも、第1の樹脂フィルムと押出樹脂膜との間、および押出樹脂膜と第2の樹脂フィルムとの間に高い接着強度が得られる。
したがって、本発明において、第1の樹脂フィルムの表面処理にコロナ放電処理が好ましい理由は、この様な接着機構によると推定される。
なお、本発明においては、第2処理工程において、第1処理工程と同様に、実質的に酸素ガスを含まない窒素ガス雰囲気下の放電により表面処理を行った場合にも高い接着強度が得られるが、この場合は、次のように推定される。
上述した投錨効果と併せて、第1の樹脂フィルムの表面と第2の樹脂フィルムの表面には、共に、窒素官能基を有する低分子化合物層が形成されており、これらは、相溶性がよいので、容易に拡散混合が起きる。この拡散混合により、互いの分子鎖が絡み合うことで高い接着強度が得られる。
逆に、この様な分子鎖の絡み合いによる接着強度の向上は、第1および第2の樹脂フィルムの表面処理が共に酸素原子によるものである場合でも起こるものと推定される。しかし、この場合は拡散混合によって生成する分子鎖の絡み合いがあっても、酸素原子による表面処理で生成する低分子化合物の分子量が低いために、絡み合いがほどけやすいと考えられる。
上述した接着機構を有する本発明においては、熱圧着する2枚の樹脂フィルムは、特に限定されないが、包装材料等の用途を考えると、そのうち一方の樹脂フィルムがポリオレフィンからなり、他方の樹脂フィルムがポリエステル、ポリアミド、またはセロファンからなることが好ましい。積層する2枚の樹脂フィルムに対する表面処理は、熱圧着の前であれば、どちらを先に行っても良く、同時もしくは並行して行っても良い。また、3枚以上の樹脂フィルムを熱圧着する場合は、積層する側の面への表面処理および熱圧着の工程を必要な回数繰り返して3層以上の積層フィルムを製造することができる。また、樹脂フィルムの両面を表面処理したのち、樹脂フィルムの両面に、表面処理した別の樹脂フィルム2枚を重ね合わせ、熱圧着することによって、樹脂フィルムの両面それぞれに別の樹脂フィルムが熱圧着された3層の積層フィルムを製造することもできる。
本発明の積層フィルムの製造方法では、2枚の樹脂フィルムの積層される側の面に対して所定の表面処理を施したのち熱圧着することにより、接着剤層やアンカーコート層を用いて積層したときと同等もしくは高い接着強度を有する。
また、本発明の第2形態例に係る積層フィルムの製造方法においては、第1の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面と、第2の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面との間に、ダイから押し出されたばかりの溶融状態にある押出樹脂を重ね合わせることで押出ラミネートすることができる。この形態例においては、溶融状態にある押出樹脂の両側の面を、それぞれ樹脂フィルムの表面処理が行われた面に対して圧着するので、樹脂フィルムと押出樹脂との間に接着剤層やアンカーコート層を用いずとも、同等もしくは高い接着強度を有する。
本発明においては、積層工程後に、積層フィルムを常温で10日〜1ヶ月間、または40〜60℃で1〜3日間静置するエージング工程を含むことが好ましい。これにより、接着力を増大させることができる。
得られた積層フィルムは、様々な用途に適用が可能であるが、好ましくは、包装材料として、種々の包装袋の製造に用いることができる。包装袋の形態は、自立袋(スタンディングパウチ)の他、三方袋、四方袋、合掌貼り袋、ガゼット袋等の比較的小型の軟包装袋(パウチ)、あるいはバッグインボックス用の内袋やドラム缶内装袋などの大型の袋等、特に限定なく適用可能である。
以上、最良の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これらの形態に限定されることなく、本発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、フィルムの接着される面に印刷が施されていても良い。また、ポリ塩化ビニリデンなどの他の樹脂層がコートされていても良い。そして、本発明の積層フィルムは、上述した積層構造以外に、さらに他の樹脂層や金属層などが従来公知の積層方法で積層されていても良い。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。膜接着強度は、JIS K 6854−1「接着剤 はく離接着強さ試験方法 第一部:90度はく離」に定められた測定方法により、90度剥離で速度5mm/minで剥離させたときの接着強度として求めた。
<熱ラミネート>
第1のフィルムとしてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み16μm)、ナイロン(Ny)フィルム(厚み15μm)、セロファンフィルム(#300)のいずれかを用い、第2のフィルムとして直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム(厚み100μm)を用いた(表1参照)。
第1処理工程として、第1のフィルム(基材フィルム)に対して窒素/水素混合ガス(N/H)または大気で充満した雰囲気下でコロナ放電処理を実施した。コロナ放電処理の表面エネルギーは、PETフィルムには20Wmin/m、Nyフィルムには40Wmin/m、セロファンフィルムには50Wmin/mとした。
第2処理工程として、第2のフィルム(合わせ材フィルム)に対して空気雰囲気でのコロナ放電処理を実施した。
積層工程として、第1のフィルムの表面処理が行われた面と、第2のフィルムの表面処理が行われた面とを重ね合わせ、熱ラミネーターで温度150℃、速度5m/min、圧力0.23MPaで熱圧着し、積層フィルムを作製した。
それぞれの積層フィルムの膜接着強度を表1に示す。第1処理工程がN/H雰囲気下コロナ放電処理であるもの(番号1,3,5)の方が、大気下でコロナ放電処理したもの(番号2,4,6)よりも、高い膜接着強度を得ることができた。
<押出ラミネート>
第1のフィルムとしてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み16μm)、ナイロン(Ny)フィルム(厚み15μm)、セロファンフィルム(#300)のいずれかを用い、第2のフィルムとして直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム(厚み40μm)を用いた(表2参照)。
第1処理工程として、第1のフィルム(基材フィルム)に対して窒素/水素混合ガス(N/H)または大気で充満した雰囲気下でコロナ放電処理を実施した。コロナ放電処理の表面エネルギーは、PETフィルムには20Wmin/m、Nyフィルムには40Wmin/m、セロファンフィルムには50Wmin/mとした。
第2処理工程として、第2のフィルム(合わせ材フィルム)に対して空気雰囲気でのコロナ放電処理を実施した。
積層工程として、第1のフィルムの表面処理が行われた面と、第2のフィルムとの表面処理が行われた面との間に、第1のフィルムに貼合される面にオゾン処理により表面処理されたLLDPE、LDPEのいずれか(いずれも温度320℃、厚み20μm)の押出樹脂を重ね合わせ、速度80m/min、圧力0.23MPaで押出ラミネートして、積層フィルムを作製した。押出樹脂がダイから押し出され、第1及び第2のフィルムと重ね合わされるまでの距離(エアギャップ)は130mmとした。
それぞれの積層フィルムの膜接着強度を表2に示す。第1処理工程がN/H雰囲気下コロナ放電処理であるもの(番号1,3,5,7,9,11)の方が、大気下でコロナ放電処理したもの(番号2,4,6,8,10,12)よりも、高い膜接着強度を得ることができた。
<オゾン処理の効果>
第1のフィルムとして8色印刷したナイロン(Ny)フィルム(厚み15μm)を用い、第2のフィルムとして直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム(厚み40μm)を用いた(表3参照)。
第1処理工程として、第1のフィルム(基材フィルム)に対して窒素/水素混合ガス(N/H)充満した雰囲気下でコロナ放電処理を実施した。コロナ放電処理の表面エネルギーは、50Wmin/mとした。
第2処理工程として、第2のフィルム(合わせ材フィルム)に対して空気雰囲気でのコロナ放電処理を実施した。
積層工程として、第1のフィルムの表面処理が行われた面と、第2のフィルムとの表面処理が行われた面との間に、LDPE(温度330℃、厚み20μm)の押出樹脂を重ね合わせ、速度100m/min、圧力0.23MPaで押出ラミネートして、積層フィルムを作製した。押出樹脂がダイから押し出され、第1及び第2のフィルムと重ね合わされるまでの距離(エアギャップ)は130mmとした。オゾン処理の効果を評価するため、押出ラミネートの際、押出樹脂膜の、第1のフィルムに貼合される面にオゾン処理をした場合(表3の番号2)と、オゾン処理をしない場合(表3の番号1)を実施し、結果を比較した。
また、押出樹脂膜の、第1のフィルムに貼合される面にオゾン処理をした例と同様にしてラミネート速度や、押出樹脂厚みを変更して積層フィルムを作製した(表3の番号3,4)。
それぞれの積層フィルムの膜接着強度を表3に示す。押出樹脂にオゾン処理を行ったものの方が、オゾン処理を行わなかったものよりも、高い膜接着強度を得ることができた。
<酸素濃度の効果>
第1のフィルムとしてナイロン(Ny)フィルム(厚み15μm)を用い、第2のフィルムとして直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム(厚み100μm)を用いた(表4参照)。
第1処理工程として、第1のフィルム(基材フィルム)に対して窒素/水素混合ガス(N/H)充満した雰囲気下でコロナ放電処理を実施した。この時の酸素濃度を0.005%以下、0.03%、0.1%、0.2%とした。コロナ放電処理の表面エネルギーは、40Wmin/mとした。
第2処理工程として、第2のフィルム(合わせ材フィルム)に対して空気雰囲気でのコロナ放電処理を実施した。
積層工程として、第1のフィルムの表面処理が行われた面と、第2のフィルムの表面処理が行われた面とを重ね合わせ、ヒートシーラーで温度160℃、圧力0.4MPa、圧着時間10秒で熱圧着し、積層フィルムを作製した。
それぞれの積層フィルムの膜接着強度を表4に示す。酸素濃度が低いほど、高い膜接着強度を得ることができた。
<エージングの効果>
第1のフィルムとして無地のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み16μm)または8色印刷したナイロン(Ny)フィルム(厚み15μm)を用い、第2のフィルムとして直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム(厚み40μm)を用いた(表5、表6参照)。
第1処理工程として、第1のフィルム(基材フィルム)に対して窒素/水素混合ガス(N/H)で充満した窒素ガス雰囲気下でコロナ放電処理を実施した。コロナ放電処理の表面エネルギーは、無地PETフィルムには20Wmin/m、印刷Nyフィルムには50Wmin/mとした。
第2処理工程として、第2のフィルム(合わせ材フィルム)に対して空気雰囲気でのコロナ放電処理を実施した。
積層工程として、第1のフィルムの表面処理が行われた面と、第2のフィルムとの表面処理が行われた面との間に、LDPE(温度330℃、厚み20μm)の押出樹脂(オゾン処理は行わず)を重ね合わせ、速度100m/min、圧力0.23MPaで押出ラミネートして、積層フィルムを作製した。押出樹脂がダイから押し出され、第1及び第2のフィルムと重ね合わされるまでの距離(エアギャップ)は120mmとした。
それぞれの積層フィルムを、表6に示すように、40〜60℃で1〜3日間静置することによりエージング工程を行った。
それぞれの積層フィルムの積層直後(初期)およびエージング後の膜接着強度を表6に示す。第1のフィルムとして8色印刷したNyフィルムを用いた例では、白色印刷部および透明緑色印刷部の膜接着強度を測定した。表6に示すように、エージング処理を行った方が、初期よりも高い膜接着強度を得ることができた。
本発明は、食品、飲料、医薬品などの包装に使用される包装容器に適した積層フィルムの製造に利用することができる。

Claims (4)

  1. 第1の樹脂フィルムの表面に、窒素ガスを含み、酸素ガス濃度が容量比2%以下である窒素ガス雰囲気下のコロナ放電処理により表面処理を行う第1処理工程と、
    第2の樹脂フィルムの表面に、酸素ガスおよび/または窒素ガスを含む雰囲気下で、コロナ放電処理により表面処理を行う第2処理工程と、
    第1の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面に、第2の樹脂フィルムの前記表面処理が行われた面を重ね合わせて、2枚の樹脂フィルムを重ね合わせた状態で加熱して樹脂を軟化ないしは溶融させることにより熱ラミネートする積層工程と
    を含むことを特徴とする積層フィルムの製造方法。
  2. 前記第1の樹脂フィルムの樹脂は、前記第2の樹脂フィルムの樹脂よりTg(ガラス転移温度)が同等ないしは高いことを特徴とする請求項1に記載の積層フィルムの製造方法。
  3. 前記第1処理工程における前記窒素ガス雰囲気中の酸素ガス濃度が容量比50ppm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルムの製造方法。
  4. 前記積層工程後に、積層フィルムを常温で10日〜1ヶ月間、または40〜60℃で1〜3日間静置するエージング工程を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
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