JP2014100917A - 積層体の製造方法及び積層体、それを用いた包装容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】異なる種類の熱可塑性樹脂フィルムまたはセロファンフィルムからなる第1の基材1及び第2の基材6が巻かれたロール体21,22からそれぞれ繰り出され、第1の基材及び第2の基材のいずれか一方の基材5が、大気圧プラズマ処理装置23による表面改質により熱接着性改質層が形成された面を有し、他方の基材8がエアコロナ処理装置24によりエアコロナ処理された面を有し、前記熱接着性改質層が形成された面と、前記エアコロナ処理された面を対向させて、接着剤及びアンカー剤を塗布することなく、加熱ロール25にて加熱圧着して連続貼合する。
【選択図】図1
Description
また、本発明による積層体は、化粧シート、光学フィルム、保護フィルム、包装容器などの各種用途に使用される。また、本発明による積層体を用いて作製される包装容器は、液体調味料、液体洗剤、液体漂白剤、液体ワックス、ヘアケア用品(シャンプー、リンス、コンディショナーなどが含まれる)、薬液、液体状の化粧品等の種々の液体状製品の包装容器及び詰替え用包装容器、さらには、食品、電子部品、医療用部品、医療用機器部品、精密機械部品などの各種包装容器に広く使用される。
また、近年では、料理用のたれなどの液体調味料、食器用や衣料用の液体洗剤、液体漂白剤、液体ワックス、ヘアケア用品(シャンプー、リンス、コンディショナーなどが含まれる)、液体状の化粧品等の種々の液体状製品の販売には、詰替え用包装容器が使用されるようになって来ている。
例えば、従来の缶、ビン、あるいは手押しポンプを備えたプラスチック製ボトルなどに代えて、多層フィルムを用いて製造された詰替え用プラスチック製包装容器に収納して、一般消費者に販売し、それを購入した一般消費者が、内容物を手持ちのプラスチック製専用ボトルなどに詰替えることが行われるようになっている。
このような現象の起きる社会的な背景としては、これらの製品を製造販売する企業に対して、製品の包装容器に使用される合成樹脂の重量を低減することで、包装容器の軽量化とコスト低減を図ると同時に、内容物を使い切った後の廃棄物となる包装容器を、廃棄し易くするために減容積化を図ることなど、経済性を追求するだけでなくて省資源化及び地球環境の保護対策へも充分に配慮することが、益々、強く求められているからである。
電子部品などの包装に使用される包装容器には、プラスチック製の袋体やシート成型された容器等がある。電子部品等は、これらの包装容器に収納され、包装容器の開口部を封鎖して密封された状態で出荷されている。
そして、積層体には、強度を補強したり、他の機能を付与したりするためにポリアミド、ポリエステル、アルミ箔、蒸着フィルムなどが積層される。このため、前もってヒートシール性に優れたポリエチレン樹脂と、例えば、ポリアミド樹脂フィルムを積層した積層体を準備し、最終的な包装容器に成型することが行われている。
また、包装容器は、充填する内容物の形態・性状に応じて、公知の包装容器の形状から適宜選択して用いることができる。例えば、スタンディングパウチ形状(例えば、特許文献1、2)、三方又は四方シールの平袋形状(例えば、特許文献3)、ガゼット袋体、ピロー包装形状、収納ケースなどが好適に用いられる。
また、電子部品、医療用部品、医療用機器部品、精密機械部品などの用途向けには、特別に清浄度管理された作業環境下において、清浄度の維持管理された基材フィルムを用いて包装材料用の積層体を作製した後、それを用いたクリーンな包装体(以下、包装袋と包装容器を総称して包装体と呼称する)が作製される。
接着剤やアンカーコート剤を用いないと接着強度が不足することがある。しかし、接着剤やアンカーコート剤を用いる場合、それらのフィルムの積層工程に際し、溶剤を蒸発、乾燥させることにより発生するVOC(揮発性有機化合物)が大気中に散逸することが環境問題となっている。このため、より好ましい包装容器用の積層体の製造方法として、接着剤やアンカーコート剤を用いないで、必要とされる接着強度を有する積層体を製造できる方法が求められている。
特許文献4には、プラスチック基材の少なくとも一面にコロナ処理、プラズマ処理、フレームプラズマ処理、電子線照射、紫外線照射などにより表面を酸化処理するとともに、溶融押出したフィルムの少なくとも一面にオゾン処理したのち、両者を接触させ圧着する押出ラミネート方法が記載されている。
特許文献5には、プラスチック基材の少なくとも一面に、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、ネオン、キセノン、窒素等の不活性気体の雰囲気で電子線照射処理、低圧プラズマ処理、大気圧プラズマ処理またはコロナ放電処理により表面処理するとともに、溶融押出したフィルムの少なくとも一面にオゾン処理したのち、両者を接触させ圧着する押出ラミネート方式が記載されている。
特許文献7には、窒素ガス(酸素濃度が3vol%以下)、炭酸ガスあるいは窒素/炭酸ガスの混合ガス雰囲気でのコロナ放電処理により、ESCA法による基材フィルムの表面の窒素と炭素の原子数比(N/C)が0.001〜0.1の範囲である被処理面を生成し、該被処理面に、水/低級アルコール混合溶液や水を溶媒とし、水溶性高分子及び無機系層状化合物を主たる構成成分とする塗剤を塗布し、乾燥して塗膜を形成するガスバリアフィルムの製造方法が記載されている。
特許文献9には、大気圧プラズマ処理装置によりフッ素樹脂シートの表面をプラズマ処理した基材同士を、接着剤を使用しないで、かつ、その構造・組成を変化させないで、基材の融点以下の温度で圧着することにより接着させる、接着装置及び接着方法が示されている。
特許文献10には、プラズマ表面処理されたアラミド繊維とアラミドパルプとからなるアラミド紙と、プラズマ処理したポリエステルフィルムとを、室温〜200℃の温度で、加圧ロールを用いて連続的に積層接着された無接着剤アラミド−ポリエステル積層体が示されている。
しかし、実施例によると、例えば、PPとLDPEとを熱圧着するときの熱圧着温度は、100℃としているが加圧力は示されていないので、産業上の利用を図ることができない。
表面改質により表面のフッ素樹脂に親水性が与えられるとしているが、プラズマ処理した樹脂表面の好ましい処理状態を判断する基準を定義したものは示されていない。また、熱圧着するときの熱圧着温度は、例えば、融点が327℃であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)では200℃以下としているが加圧力は示されていないので、産業上の利用を図ることができない。
表面改質により、ある種の官能基例えばCOOH基やOH基をフィルム表面に形成し、低温において、強固に積層・接着することができるとしているが、プラズマ処理した樹脂表面の好ましい処理状態を判断する基準を定義したものは示されていない。また、プラズマ処理は、種々の樹脂の接着性を高めるための方法として良く知られた方法であるので、これ自身に関する詳細な説明は省力するとして、プラズマ処理の具体的な説明が記載されていないので、産業上の利用を図ることができない。
このように、従来技術においては、異種フィルム同士を接着剤及びアンカーコート剤を使用しないことにより、VOC(揮発性有機化合物)の発生を完全に無くし、環境対策や省エネルギー対策に優れた積層体、及びそれを用いて作製された包装容器は、知られていなかった。
また、第1の基材と第2の基材の両方に、大気圧プラズマ処理装置を用いて表面改質が成され、両方の基材の表面改質により熱接着性改質層が形成された面を対向させて、接着剤及びアンカー剤を塗布することなく、加熱ロールにて加熱圧着して連続貼合することを特徴とする積層体の製造方法を提供する。
第1の基材となるフィルムの少なくとも片面には、印刷層が形成されていても良い。
また、本発明の積層体の製造方法では、接着剤及びアンカーコート剤を用いないので、有機溶剤を用いないことから、溶剤を乾燥除去するための乾燥炉を必要とせず、環境対策及び省エネルギー対策の点から環境負荷を低減できる。
また、フィルムサンド方式や押出しラミネート方式によって製造された積層体と比較して、本発明の積層体では、押出樹脂をその溶融温度まで加熱しないことから、樹脂溶融炉を必要とせず、省エネルギーの点から環境負荷を低減できる。
さらに接着剤及びアンカーコート剤を使用しないため、ヘアケア、ハウスホールド、農薬などの反応性の化学物質を含有することにより、従来、接着剤及びアンカーコート剤を侵し、デラミネーションにつながるために使用できなかった内容品の包装容器としても好適に使用できる。
このため、接着剤を用いたドライラミネートによって積層体を製造する方法と比較して、本発明による積層体の製造方法では、有機溶剤を用いないことから、溶剤を乾燥除去するための乾燥炉及び排ガス処理装置を必要とせず、環境対策及び省エネルギー対策の観点から見れば、環境負荷を低減できて非常に優れている。
また、アンカーコート剤を用いて行う押出しラミネートによって積層体を製造する方法と比較して、本発明の積層体の製造方法では、押出樹脂をその溶融温度まで加熱しないことから、樹脂溶融炉を必要とせず、省エネルギーであることから環境負荷を低減できる。
このため、接着剤を用いて行うドライラミネートによって製造された積層体と比較して、本発明の積層体では、有機溶剤を用いないことから、溶剤を乾燥除去するための乾燥炉及び排ガス処理装置を必要とせず、環境対策及び省エネルギー対策の観点から見れば、環境負荷を低減できて非常に優れている。
また、アンカーコート剤を用いて行う押出しラミネートによって製造された積層体と比較して、本発明の積層体では、押出樹脂をその溶融温度まで加熱しないことから、樹脂溶融炉を必要とせず、省エネルギーであることから環境負荷を低減できる。
表面処理した第1の基材5及び第2の基材8としては、表面処理が大気圧プラズマ処理による場合とエアコロナ処理である場合とを区別せず、同一の符号を用いている。また、図4及び図5では、第2の基材8の表面改質層7と熱接着性改質層7には特に区別せず、同一の符号7を用いている。なお、本発明では、第1の基材5が表面改質層2の代わりに熱接着性改質層を有することもでき、この場合には、第2の基材8に表面改質層が設けられる。
また、未処理の第1の基材1及び第2の基材6としては、図1及び図2に示すように、処理の対象となる(つまり処理前の)ものである場合にも、図4及び図5に示すように、処理後において処理が及んでいない部分を表す場合にも、同一の符号を用いている。
第1の基材1及び第2の基材6は、それぞれ長尺のフィルムからなり、第1の基材1の巻かれたロール体21と、第2の基材6の巻かれたロール体22から、それぞれ繰り出される。
第1の基材5には、大気圧プラズマ処理装置23を用いた表面改質により熱接着性改質層が形成され、また、第2の基材8には、エアコロナ処理装置24によりエアコロナ処理が施されている。
なお、図1には、大気圧プラズマ処理装置23と、エアコロナ処理装置24とを用いて、オンラインで表面改質する場合を示しているが、図3に示すように、事前に、大気圧プラズマ処理装置を用いた表面改質により熱接着性改質層が形成された第1の基材5が巻かれたロール体31、及びエアコロナ処理された第2の基材8が巻かれたロール体32を用いても良い。
第1の基材5の熱接着性改質層が形成された面と、第2の基材8のエアコロナ処理面とを対向させ、所定温度に保持された加熱ロール25及びバックアップロール26にて、加圧しながら熱圧着され、積層体10が得られる。得られた積層体10は、ロール体28に巻き取っても良く、又は、所定の寸法に裁断してシート状の積層体(図示は省略)としても良い。
なお、加熱ロール25に接触する第1の基材5は、加熱ロール25の設定温度よりも高い融点を有することが必要である。加熱ロール25の設定温度よりも第1の基材5の融点が低い場合は、加熱ロール25に融着してしまうので良好な熱圧着が施されない。
また、特に図示しないが、第1の基材の表面処理にエアコロナ処理装置を用い、第2の基材の表面処理に大気圧プラズマ処理装置を用いることもできる。
また、図1では、エアコロナ処理される基材と接触する側に加熱ロール25を、大気圧プラズマ処理される基材と側にバックアップロール26を用いた場合を示しているが、その反対で、エアコロナ処理される基材と接触する側にバックアップロールを、大気圧プラズマ処理される基材に接触する側に加熱ロールを用いることも可能である。
また、必要に応じて上下両方のロール25、26を共に加熱ロールとする場合もある。
第1の基材1及び第2の基材6は、それぞれ長尺のフィルムからなり、第1の基材1の巻かれたロール体21と、第2の基材6の巻かれたロール体22から、それぞれ繰り出される。
第1の基材5及び第2の基材8には、それぞれ、大気圧プラズマ処理装置23を用いた表面改質により熱接着性改質層が形成されている。なお、図2には、大気圧プラズマ処理装置23を用いて、オンラインで表面改質する場合を示しているが、図3に示すように、事前に、大気圧プラズマ処理装置を用いた表面改質により熱接着性改質層が形成された第1の基材5及び第2の基材8が巻かれたロール体31、32を用いても良い。
第1の基材5及び第2の基材8の熱接着性改質層が形成された面同士を対向させ、所定温度に保持された加熱ロール25及びバックアップロール26にて、加圧しながら熱圧着され、積層体10が得られる。得られた積層体10は、ロール体28に巻き取っても良く、又は、所定の寸法に裁断してシート状の積層体(図示は省略)としても良い。
また、必要に応じて上下両方のロール25、26を共に加熱ロールとする場合もある。
この場合、第1の基材5の少なくとも片面には大気圧プラズマ処理装置による表面改質が行われて熱接着性改質層2が形成されている。また、第2の基材8の片面にはエアコロナ処理による表面改質層7もしくは、大気圧プラズマ処理装置による表面改質が行われて熱接着性改質層7が形成されている。
第1の基材5の熱接着性改質層2が形成されている面と、第2の基材8の表面改質層7もしくは、熱接着性改質層7が形成されている面とを、対向させて、所定の加熱温度、加圧力で保持することにより熱圧着を行うことにより、本発明に係わる積層体10を得ることができる。この積層体10は、第1の基材5の熱接着性改質層2と、第2の基材8の表面改質層7もしくは熱接着性改質層7とに由来する熱接着部9が形成され、接着剤及びアンカーコート剤が使用されていない、第1の基材5と、第2の基材8が積層された積層体である。
この積層体10の一方の樹脂フィルムには、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂フィルムが用いられていることから、この積層体10を所定の形状・寸法に裁断し、ヒートシール層の樹脂を内面側としてヒートシールすることにより、包装容器を作製することができる。
図5において、第1の基材となるフィルム1の片面には印刷層3が形成されている。印刷層3が形成されているフィルム1の印刷層3の上に、大気圧プラズマ処理装置を用いて表面改質処理が成され、印刷層及び第1の基材の印刷層が形成されていない部分には熱接着性改質層2が形成されている。第1の基材5の熱接着性改質層2が形成されている面と、第2の基材8の表面改質層7もしくは、熱接着性改質層7が形成されている面とを、対向させて、所定の加熱温度、加圧力で保持することにより熱圧着を行うことにより、本発明に係わる印刷層を有する積層体20を得ることができる。この積層体20は、第1の基材5及び印刷層3の熱接着性改質層2と、第2の基材8の表面改質層7もしくは熱接着性改質層7とに由来する熱接着部9が形成され、接着剤及びアンカーコート剤が使用されていない、第1の基材5と、第2の基材8が積層された積層体である。
この積層体20の一方の樹脂フィルムには、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂フィルムが用いられていることから、この積層体20を所定の形状・寸法に裁断し、ヒートシール層の樹脂を内面側としてヒートシールすることにより、印刷層を有する実用的な包装容器を作製することができる。
第1の基材フィルム41の片面にはエアコロナ処理による表面改質層43が形成されていて、表面改質層43の上には接着剤層45が積層されている。第1の基材フィルム41は、接着剤層45を介して、第2の基材フィルム42のエアコロナ処理による表面改質層44が形成されている面とドライラミネートされ、積層体40が得られる。
(1): (改質処理した第1の基材)/(エアコロナ処理した第2の基材)
(2): (改質処理した第1の基材)/(改質処理した第2の基材)
(3): (エアコロナ処理した第1の基材)/(改質処理した第2の基材)
このような積層体は、包装容器に好適に使用することができる。例えば、この積層体を、未延伸ポリエチレン(PE)をヒートシール層とするために内面にして2つ折りし、三方をヒートシールすることにより袋体を得ることができる。
また、所定寸法に裁断された2枚の積層体を重ねて、両側端部をヒートシールし、さらに、2つ折りした底部用の積層体をヒートシールすることによりスタンディングパウチ形式の自立型をした、包装容器を得ることができる。
また、詰替え用包装容器においては、自立型のスタンディングパウチとし、さらに、様々な注ぎ易い形状をした注出口を配設することにより、内容物の詰替え作業を簡便化した包装容器を得ることができる。
また、電子部品、医療用部品、医療用機器部品、精密機械部品などの用途向けとして、特別に清浄度管理されたクリーンルーム内の作業環境下において、清浄度の維持管理された基材フィルムを用いて本発明に係わる積層体を作製した後、それを用いたクリーンな包装体が作製することができる。
本発明で使用できる樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、未延伸ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(CPP)樹脂などの樹脂フィルムである。これらの熱可塑性樹脂の融点は、それぞれ、ポリエチレンテレフタレート(252℃)、ポリアミド(220℃)、ポリエチレンナフタレート(約270℃)、ポリアクリロニトリル(融点なし)、ポリカーボネート(融点なし)、ポリイミド(融点なし)、未延伸ポリエチレン(105〜140℃)、未延伸ポリプロピレン(130〜165℃)である。なお、ポリアミド樹脂は、酸とアミンが反応してできるアミド結合(−CONH−)の繰り返しによって主鎖が構成される線状高分子のことで、一般的な商品名としてはナイロンと呼ばれているものである。
本発明では、上記の樹脂フィルムの代わりに、セロファンフィルムを用いることができる。この場合、セロファンフィルムを第1の基材に用いて、ヒートシール層となる未延伸ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(CPP)樹脂などの樹脂フィルムを第2の基材に用いることが好ましい。
本発明で使用される熱可塑性樹脂フィルムまたはセロファンフィルムの厚みは、厚みが10〜500μm程度が好ましい。厚みが10μm未満であると皺に成り易く、ロールtoロールでの加工を行うことが困難であり取扱いに不自由が生じる。また、厚みが500μmを超えると、剛性が高くて可撓性がなくなり、薄すぎる場合と同様に、ロールtoロールでの加工を行うことが困難であり取扱いに不自由が生じる。従って、本発明による表面改質されたフィルム同士を熱圧着により積層して、積層フィルムを作製する場合、積層後のフィルムをロール体として巻き取るには、全体の厚みが500μmを超えないように配慮する必要がある。
また、積層された後のフィルムの厚みが500μmを超える場合には、積層されたフィルムをロール体に巻き取ることが困難であることから、一定の寸法長さで切断された積層フィルムのシートとして作製することになる。また、本発明による積層体を包装容器に用いる場合には、使用するフィルムの厚みは、10〜100μm程度であるのが、積層体の柔軟性を維持し、包装容器の加工性を良くする上で好ましい。
第1の基材となるフィルムは、少なくとも片面には、印刷層が形成されていることもできる。印刷層の位置は、第1の基材の表面処理がされる側の面、第1の基材の表面処理がされない側の面、第1の基材の内部など、特に限定されないが、特に、図5に示すように、第1の基材5の表面処理がされた側の面に印刷層3を有する場合には、印刷層3の上にも熱接着性改質層2が形成され得る。
印刷層3の上に熱接着性改質層2を形成するためには、印刷層3を構成する印刷用インキが、大気圧プラズマ処理によって改質可能な樹脂成分を含有する必要がある。このような樹脂成分としては、上記基材フィルムに用いられる熱可塑性樹脂のほか、ウレタン樹脂、アクリル樹脂などの各種インキバインダー樹脂が挙げられる。さらにインキには、各種顔料、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加される。
印刷層は、例えば、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの公知の印刷方法にて形成される。印刷層の厚さは、通常、0.05〜2.0μm程度で良い。
また、印刷層の占有面積が第1の基材の表面積に比して十分狭い場合には、印刷層の上に熱接着性改質層2が十分に形成されなくても、第2の基材と貼合することは可能である。
本発明を用いて積層体を製造する方法として、熱可塑性樹脂またはセロファンフィルムからなる第1の基材のフィルムの面上に、他の熱可塑性樹脂からなる第2の基材の樹脂フィルムを貼合する場合、下記の(1)〜(3)の工程により行うことができる。
(1)第1の基材のフィルムの表面に、大気圧プラズマ処理装置を用いて表面処理を行い、熱接着性改質層を形成する、または、空気雰囲気でのコロナ放電処理(エアコロナ処理)により、表面処理を行う。
(2)第2の基材のフィルムの表面に、大気圧プラズマ処理装置を用いて表面処理を行い、熱接着性改質層を形成する、または、空気雰囲気でのコロナ放電処理(エアコロナ処理)により、表面処理を行う。
(3)第1の基材のフィルムの前記熱接着剤層が形成された面に、第2のフィルムの前記表面処理が行われた面を重ね合わせて、接着剤及びアンカーコート剤を用いることなく、熱圧着によりラミネートする。
ただし、第1の基材及び第2の基材のいずれか一方の基材が、大気圧プラズマ処理装置による表面改質により熱接着性改質層が形成された面を有するため、(1)において第1の基材のフィルムの表面に、空気雰囲気でのコロナ放電処理(エアコロナ処理)により、表面処理を行う場合は、(2)においては、第2の基材のフィルムの表面に、大気圧プラズマ処理装置を用いて表面処理を行い、熱接着性改質層を形成する。
なお、大気圧プラズマ処理装置に用いる反応ガスは、窒素ガスをベースにするものに限らず、酸素ガスや炭酸ガスをベースにしても良い。
ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性ポリオレフィン樹脂フィルムは、表面層に極性基を持たないので、インキの印刷性、他の樹脂との接着性が低い。このため、インキの印刷性、他の樹脂との接着性を高めるために、コロナ放電処理による樹脂フィルム表面の改質が行われている。コロナ放電による表面改質の処理は、高周波電源電圧を用いて大気中にコロナ放電を発生させ、それに伴って発生する電子やイオンを樹脂フィルムの表面に照射し、樹脂フィルムの表面に官能基を付加することによって樹脂フィルムの表面改質を行うものである。
通常の、空気雰囲気下で行われるコロナ放電による表面改質の処理では、コロナ放電処理した樹脂フィルムの表面が酸化され、該樹脂フィルムの表面において、高分子の主鎖や側鎖に、カルボニル基(>CO)やカルボキシル基(−COOH)などの酸素官能基が主として形成すると考えられる。
窒素ガス雰囲気でのコロナ放電処理を行うことで、樹脂フィルム表面の高分子の主鎖や側鎖に、接着に寄与すると思われるアミノ基(−NH2)等の窒素官能基が主として生成すると考えられる。さらに、窒素ガス雰囲気でのコロナ放電処理は、通常の空気雰囲気でのコロナ放電処理(エアコロナ処理)と異なり、窒素ガス雰囲気中で放電が起こっているために、空気雰囲気でのコロナ放電処理(エアコロナ処理)を行った場合に発生する空気中の不純物による脆弱層の発生が抑えられる。幾つかの特許文献では、窒素ガスも大気圧グロープラズマ処理の雰囲気ガスとして使用できるような記載があるが、放電状態を観察すると大気圧グロープラズマ放電ではない。しかしながら、窒素ガス雰囲気でのコロナ放電は、放電条件の調整によって雷のようなストリーマー状(線状)、すなわち空気雰囲気でのコロナ放電よりは緩やかな(マイルドな)グローに近い放電が可能であるため、エアコロナ処理よりも均一な表面改質として利用できる。
従来、真空状態で放電させる低温プラズマ処理が表面改質に用いられていたが、真空設備を要することから装置が大掛かりとなり操作が煩雑であるという欠点があった。このため、通常、真空状態でしか発生できないグロー放電状態を大気圧下で発生させ、それにより生じる反応ラジカル、電子などを用いて表面改質を行う大気圧プラズマ処理装置が、樹脂フィルムの濡れ性改善・接着性改善に簡便に使用されるようになった。
酸素を反応ガスとする大気圧プラズマ処理では、樹脂フィルムの表面において、高分子の主鎖や側鎖に、カルボニル基(>CO)やカルボキシル基(−COOH)などの酸素官能基が主として形成する。また、窒素系ガスを反応ガスとする、例えば、N2、N2O、NH3など、さらに水素(H2)、酸素(O2)などを混合することにより、アミノ基、アミド基なども意図的に導入することができることを、本発明者らは確認している。
また、反応ガスには、CH4、CO2等を添加してもよい。
さらに、本発明ではフィルム表面に、熱接着性改質層が形成されるように、大気圧プラズマ処理において、大気圧プラズマ処理装置で発生したプラズマをフィルムの表面に対して照射する時間、印加電力、周波数などを調整して行う。
本発明は、貼合工程後に、積層体を常温で10日〜1ヶ月間、または40〜60℃で1〜3日間静置するエージング工程を含むことが好ましい。これにより、接着力を増大させることができる。
本発明の効果を確認するために、実施した実験は、次の測定機器及び測定方法を用いて行った。
・大気圧プラズマ処理による処理条件
周波数 3kHz〜13.56MHz
照射時間 0.001〜10秒
電極間距離 1〜4mm
なお、印加電力は装置規模に依存するため、以下の表面改質例において挙げた印加電力の値は、絶対的な数値としてよりも、相対的な強弱を示す参考として理解すべきである。
・ヒートシール強さの測定:JIS Z 0238「ヒートシール軟包装袋及び半剛性容器の試験方法 7.袋のヒートシール試験」に規定された測定方法に準じた。
・引張強度及び引張伸度の測定:JIS K 7127「プラスチック−引張特性の試験方法」に規定された測定方法に準じた。
・落下強さ:JIS Z 0238「ヒートシール軟包装袋及び半剛性容器の試験方法 9.落下強さ試験」に規定された測定方法に準じた。袋に水200mlを充填して、落下高さは1.2m、品温・試験環境は5℃で実施した。落下回数は、水平方向、続いて鉛直方向の各30回ずつとした。
・突刺し強さの測定:JIS Z 1707「食品包装用プラスチックフィルム通則 7.4 突刺し強さ試験」に規定された測定方法に準じた。
・ゲルボフレックステスター試験:MIL−B−131Gに規定された測定方法に準じた。
・ボイル試験及びレトルト試験:四方袋(130mm×170mm)に水200mlを充填して、ボイル条件は97℃×40min、レトルト条件は121℃×30minの処理を行った後、積層体の外観を評価した。
・耐内容品適性試験:接着剤及びアンカーコート剤の性能を劣化させる内容品を使って、四方袋(130mm×170mm)に200ml充填して、所定日数を経過(50℃にて保存1ヶ月)後に積層体の接着強度を評価した。
本発明による積層体を作製するに際して、まず、各種のフィルムに対して、大気圧プラズマ処理装置を用いて表面改質を行った後、熱接着性改質層の良否が確認された基材を準備する。
ここで、熱接着性改質層が形成された基材Aと、その基材Aと異なる種類のフィルムであってエアコロナ処理されてなる基材Bとを用い、基材Aの熱接着性改質層が形成された面と、基材Bのエアコロナ処理面を対向させて、接着剤及びアンカーコート剤を塗布することなく、熱圧着させて試験積層体を得た後、該試験積層体の貼合面における接着力を測定して、基材Aの熱接着性改質層の良否が確認される。
基材Aの試験積層体の貼合面における接着力が低い値であると、その基材Aを用いて本発明の積層体を作製した場合に不具合が生じることがある。例えば、その基材Aが用いられた積層体を使用して包装容器を作製した場合、積層体の貼合面からの剥離が生じることや、落下衝撃に耐えられないで破損するなど、実用的な積層体を得ることが困難となる。
なお、熱接着性改質層の形成状態が適切であるかどうかは、その基材Aと異なる種類のフィルムであってエアコロナ処理されてなる基材Bとを用い、基材Aの熱接着性改質層が形成された面と、基材Bのエアコロナ処理面を対向させて、接着剤及びアンカーコート剤を塗布することなく、熱圧着させて試験積層体を得た後、該試験積層体の貼合面における接着力が所定値を超えているかどうかで判定される。
ポリアミド(PA)樹脂フィルムを、大気圧プラズマ処理装置を用いて表面改質した。処理条件は、照射時間0.12s、印加電力1.0kW、周波数20kHzである。
厚みが15μmのポリアミド(PA)樹脂フィルム(株式会社興人製二軸延伸ポリアミドフィルム、商品名;ボニールRX)を用いて、大気圧プラズマ処理による表面改質処理を行い、表面改質例1の表面改質されたポリアミド(PA)樹脂フィルムを得た。
次に、表面改質例1のポリアミド(PA)樹脂フィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、市販されているエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルム(タマポリ株式会社製未延伸ポリエチレンフィルム、商品名;SK615P)のエアコロナ処理面とを対向させて、接着剤及びアンカーコート剤を塗布することなく、温度160℃、加圧力0.4MPaで10秒間保持して加熱圧着し、表面改質例1の試験積層体を得た。得られた表面改質例1の試験積層体について、貼合したフィルム同士の接着力を測定すると、はく離強度の測定結果は、22.5N/25.4mmであった。
大気圧プラズマ処理装置での、大気圧プラズマの照射時間、印加電力、周波数を弱い方向に変更した以外には表面改質例1と同じ操作を行い、表面改質例2の表面改質されたポリアミド(PA)樹脂フィルムを得た。処理条件は、照射時間0.10s、印加電力20W、周波数13.56MHzである。
次に、得られた表面改質例2の樹脂フィルムを用いて、表面改質例1と同一のエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムを用いて、表面改質例1と同一の条件で貼合して、表面改質例2の試験積層体を得た。得られた表面改質例2の試験積層体は、はく離強度の測定値が7.8N/25.4mmであった。
未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムを、大気圧プラズマ処理装置を用いて表面改質した。処理条件は、照射時間0.05s、印加電力10W、周波数13.56MHzである。
厚みが100μmの未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルム(タマポリ株式会社製未延伸ポリエチレンフィルム、商品名;SK615P)を用いて、大気圧プラズマ処理装置にて表面改質処理を行い、表面改質例3の表面改質された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムを得た。
次に、表面改質例3の樹脂フィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、市販されているエアコロナ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム(東洋紡績株式会社製二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、商品名;E5102)のエアコロナ処理面とを対向させて、接着剤及びアンカーコート剤を塗布することなく、表面改質例1と同一の条件で貼合して、表面改質例3の積層体を得た。得られた表面改質例3の試験積層体は、はく離強度の測定値が8.0N/25.4mmであった。
大気圧プラズマ処理装置での、大気圧プラズマの照射時間、印加電力、周波数を弱い方向に変更した以外には表面改質例3と同じ操作を行い、表面改質例4の表面改質された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムを得た。処理条件は、照射時間0.005s、印加電力20W、周波数13.56MHzである。
次に、得られた表面改質例4の樹脂フィルムを用いて、表面改質例3と同一のエアコロナ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムと、表面改質例1と同一条件で貼合して、表面改質例4の積層体を得た。得られた表面改質例4の試験積層体は、はく離強度の測定値が2.5N/25.4mmであった。
ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムを、大気圧プラズマ処理装置を用いて表面改質した。処理条件は、照射時間0.05s、印加電力10W、周波数13.56MHzである。
厚みが12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム(東洋紡績株式会社製二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、商品名;E5102)を用いて、大気圧プラズマ処理装置にて表面改質処理を行い、表面改質例5の表面改質されたポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムを得た。
次に、表面改質例5の樹脂フィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、市販されているエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルム(タマポリ株式会社製未延伸ポリエチレンフィルム、商品名;SK615P)のエアコロナ処理面とを対向させて、接着剤及びアンカーコート剤を塗布することなく、表面改質例1と同一の条件で貼合して、表面改質例5の試験積層体を得た。得られた表面改質例5の試験積層体は、はく離強度の測定値が7.9N/25.4mmであった。
大気圧プラズマ処理装置での、大気圧プラズマの照射時間、印加電力、周波数を弱い方向に変更した以外には表面改質例5と同じ操作を行い、表面改質例6の表面改質されたポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムを得た。処理条件は、照射時間0.01s、印加電力10W、周波数13.56MHzである。
次に、得られた表面改質例6の樹脂フィルムを用いて、表面改質例5と同一の条件で、市販されているエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムと貼合して、表面改質例6の積層体を得た。得られた表面改質例6の試験積層体は、はく離強度の測定値が3.9N/25.4mmであった。
未延伸ポリプロピレン(CPP)樹脂フィルムを、大気圧プラズマ処理装置を用いて表面改質した。処理条件は、照射時間0.27s、印加電力2.2kW、周波数40kHzである。
厚みが60μmの未延伸ポリプロピレン(CPP)樹脂フィルム(東洋紡績株式会社製未延伸ポリプロピレンフィルム、商品名;パイレンP1146)を用いて、大気圧プラズマ処理装置にて表面改質処理を行い、表面改質例7の表面改質されたポリプロピレン(CPP)樹脂フィルムを得た。
次に、表面改質例7の樹脂フィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、市販されているエアコロナ処理された12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム(東洋紡績株式会社製二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、商品名;E5102)のエアコロナ処理面とを対向させて、接着剤及びアンカーコート剤を塗布することなく、表面改質例1と同一の条件で貼合して、表面改質例7の試験積層体を得た。得られた表面改質例7の試験積層体は、はく離強度の測定値が16.4N/25.4mmであった。
大気圧プラズマ処理装置での、大気圧プラズマの照射時間、印加電力、周波数を弱い方向に変更した以外には表面改質例7と同じ操作を行い、表面改質例8の表面改質された未延伸ポリプロピレン(CPP)樹脂フィルムを得た。処理条件は、照射時間0.12s、印加電力1.0kW、周波数20kHzである。
次に、得られた表面改質例8の樹脂フィルムを用いて、表面改質例7と同一の条件で、市販されているエアコロナ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムと貼合して、表面改質例8の積層体を得た。得られた表面改質例8の試験積層体は、はく離強度の測定値が0.2N/25.4mmであった。
セロファンフィルムを、大気圧プラズマ処理装置を用いて表面改質した。処理条件は、照射時間0.15s、印加電力1.2kW、周波数30kHzである。
厚みが#300のセロファンフィルム(二村化学工業株式会社製セロファンフィルム、商品名;太閤PF−3)を用いて、大気圧プラズマ処理装置にて表面改質処理を行い、表面改質例9の表面改質されたセロファンフィルムを得た。
次に、表面改質例9のフィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、市販されているエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルム(タマポリ株式会社製未延伸ポリエチレンフィルム、商品名;SK615P)のエアコロナ処理面とを対向させて、接着剤及びアンカーコート剤を塗布することなく、表面改質例1と同一の条件で貼合して、表面改質例9の試験積層体を得た。得られた表面改質例9の試験積層体は、はく離強度の測定値が2.3N/25.4mmであった。
大気圧プラズマ処理装置での、大気圧プラズマの照射時間、印加電力、周波数を弱い方向に変更した以外には表面改質例9と同じ操作を行い、表面改質例10の表面改質されたセロファンフィルムを得た。処理条件は、照射時間0.15s、印加電力300W、周波数10kHzである。
次に、得られた表面改質例10のフィルムを用いて、表面改質例9と同一の条件で、市販されているエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムと貼合して、表面改質例10の積層体を得た。得られた表面改質例10の試験積層体は、はく離強度の測定値が1.3N/25.4mmであった。
得られた表面改質例1〜10の試験積層体の積層フィルムについて、はく離強度を測定した結果を、表1に示した。
また、得られた表面改質例1〜4の表面改質されたフィルム同士を用いて、接着剤やアンカーコート剤を用いないで、熱圧着のみにより貼合して実施例6及び比較例6の積層体を作製した。
更に、本発明により作製された積層体と比較するため、従来技術である接着剤を用いたドライラミネート方式により貼合して比較例7の積層体を作製した。
また、スタンディングパウチ形式の包装容器は、実施例1、6及び比較例1、6、7において作製した。また、四方シール袋の包装容器は、実施例1〜6及び比較例1〜7において作製した。
上記の表面改質例1のポリアミド(PA)樹脂フィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、市販されているエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルム(タマポリ株式会社製未延伸ポリエチレンフィルム、商品名;SK615P)のエアコロナ処理面とを対向させて、接着剤及びアンカーコート剤を塗布することなく、速度5m/min、温度150℃、圧力0.23MPaで、加熱ロールにて加熱圧着し、実施例1の積層体を得た。得られた実施例1の積層体は、はく離強度の測定値が15.1N/25.4mmであった。また、得られた実施例1の積層体を用いてスタンディングパウチ形式及び四方シール袋の包装容器を作製した後、包装容器に関する各種の試験を行った。
上記の表面改質例2のポリアミド(PA)樹脂フィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、実施例1のエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムを用いて、実施例1と同一条件で熱ラミネートを行い、比較例1の積層体を得た。得られた比較例1の積層体は、はく離強度の測定値が6.7N/25.4mmであった。また、得られた比較例1の積層体を用いてスタンディングパウチ形式及び四方シール袋の包装容器を作製した後、包装容器に関する各種の試験を行った。
上記の表面改質例3の未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、市販されているエアコロナ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム(東洋紡績株式会社製二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、商品名;E5102)を用いて、実施例1と同一の条件で熱ラミネートを行い、実施例2の積層体を得た。得られた実施例2の積層体は、はく離強度の測定値が7.8N/25.4mmであった。また、得られた実施例2の積層体を用いて四方シール袋の包装容器を作製した後、包装容器に関する各種の試験を行った。
上記の表面改質例4の未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、実施例2のエアコロナ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムを用いて、実施例1と同一の条件で熱ラミネートを行い、比較例2の積層体を得た。得られた比較例2の積層体は、はく離強度の測定値が2.4N/25.4mmであった。また、得られた比較例2の積層体を用いて四方シール袋の包装容器を作製した後、包装容器に関する各種の試験を行った。
上記の表面改質例5のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、市販されているエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルム(タマポリ株式会社製未延伸ポリエチレンフィルム、商品名;SK615P)を用いて、実施例1と同一の条件で熱ラミネートを行い、実施例3の積層体を得た。得られた実施例3の積層体は、はく離強度の測定値が8.0N/25.4mmであった。また、得られた実施例3の積層体を用いて四方シール袋の包装容器を作製した後、包装容器に関する各種の試験を行った。
上記の表面改質例6のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、実施例3のエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムを用いて、実施例1と同一の条件で熱ラミネートを行い、比較例3の積層体を得た。得られた比較例3の積層体は、はく離強度の測定値が2.4N/25.4mmであった。また、得られた比較例3の積層体を用いて四方シール袋の包装容器を作製した後、包装容器に関する各種の試験を行った。
上記の表面改質例7の未延伸ポリプロピレン(CPP)樹脂フィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、市販されているエアコロナ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム(東洋紡績株式会社製二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、商品名;E5102)フィルムを用いて、接着剤及びアンカーコート剤を塗布することなく、速度5m/min、温度185℃、圧力0.23MPaで、加熱ロールにて加熱圧着し、実施例4の積層体を得た。得られた実施例4の積層体は、はく離強度の測定値が12.8N/25.4mmであった。また、得られた実施例4の積層体を用いて四方シール袋の包装容器を作製した後、包装容器に関する各種の試験を行った。
上記の表面改質例8の未延伸ポリプロピレン(CPP)樹脂フィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、実施例4のエアコロナ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムを用いて、実施例4と同一の条件で熱ラミネートを行い、比較例4の積層体を得た。得られた比較例4の積層体は、はく離強度の測定値が0.3N/25.4mmであった。また、得られた比較例4の積層体を用いて四方シール袋の包装容器を作製した後、包装容器に関する各種の試験を行った。
上記の表面改質例9のセロファンフィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、市販されているエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルム(タマポリ株式会社製未延伸ポリエチレンフィルム、商品名;SK615P)を用いて、実施例1と同一の条件で熱ラミネートを行い、実施例5の積層体を得た。得られた実施例5の積層体は、はく離強度の測定値が2.5N/25.4mmであった。また、得られた実施例5の積層体を用いて四方シール袋の包装容器を作製した後、包装容器に関する各種の試験を行った。
上記の表面改質例10のセロファンフィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、実施例5のエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムを用いて、実施例1と同一の条件で熱ラミネートを行い、比較例5の積層体を得た。得られた比較例5の積層体は、はく離強度の測定値が1.0N/25.4mmであった。また、得られた比較例5の積層体を用いて四方シール袋の包装容器を作製した後、包装容器に関する各種の試験を行った。
上記の表面改質例1のポリアミド(PA)樹脂フィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、表面改質された表面改質例3の未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムを用いて、実施例1と同一の条件で熱ラミネートを行い、実施例6の積層体を得た。得られた実施例6の積層体は、はく離強度の測定値が16.7N/25.4mmであった。
また、得られた実施例6の積層体を用いてスタンディングパウチ形式及び四方シール袋の包装容器を作製した後、包装容器に関する各種の試験を行った。
上記の表面改質例2のポリアミド(PA)樹脂フィルムの熱接着性改質層が形成された表面と、表面改質された表面改質例4の未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムを用いて、実施例1と同一の条件で熱ラミネートを行い、比較例6の積層体を得た。得られた比較例6の積層体は、はく離強度の測定値が6.4N/25.4mmであった。また、得られた比較例6の積層体を用いてスタンディングパウチ形式及び四方シール袋の包装容器を作製した後、包装容器に関する各種の試験を行った。
従来技術により、エアコロナ処理されたポリアミド(PA)樹脂フィルムと、エアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムを、接着剤を用いたドライラミネートにより積層体を得た後、その積層体を用いてスタンディングパウチ形式及び四方シール袋の包装容器を作製した。
市販されている厚みが15μmのポリアミド(PA)樹脂フィルム(株式会社興人製二軸延伸ポリアミドフィルム、商品名;ボニールRX)のエアコロナ処理面と、市販されているエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルム(タマポリ株式会社製未延伸ポリエチレンフィルム、商品名;SK615P)のエアコロナ処理面とを対向させて、接着剤を塗布した後、加圧ロールで圧着し、エージングを経て比較例7の積層体を得た。得られた比較例7の積層体は、はく離強度の測定値が12.2N/25.4mmであった。また、得られた比較例7の積層体を用いてスタンディングパウチ形式及び四方シール袋の包装容器を作製した後、包装容器に関する各種の試験を行った。
比較例7は、従来技術による接着剤を用いてドライラミネート方式で作製した積層体を用いて作製した包装容器の試験結果である。
実施例1〜6は、本発明による熱圧着で作製した積層体を用い作製した包装容器の試験結果である。従来技術により作製した包装容器である比較例7の試験結果と、本発明による包装容器である実施例1〜6の試験結果とを比較しても、顕著な差異は見られない。
したがって、本発明による積層体は、従来技術による接着剤を用いたドライラミネート方式による積層体と同等レベルの性状を有しており、包装容器の構成材料として何ら問題を生じることなく利用することが可能である。
いずれも、デラミ(貼り合わせ面からの剥離)現象の発生が起きておらず、通常の従来技術による接着剤を用いてドライラミネート方式で作製した積層体を用いて作製した包装容器と同様な耐久性を有している。
実施例1の包装容器は、デラミ(貼り合わせ面からの剥離)現象の発生も起きておらず、通常の従来技術による接着剤を用いてドライラミネート方式で作製した積層体を用いて作製した包装容器と同様以上の優れた耐久性を有している。
これに対して、本発明の場合には、接着剤を使用しないため、溶剤も全く使用しないで包装容器を作製することが可能になった。
ポリアミド(PA)樹脂フィルムに対して、大気圧プラズマ処理装置により表面改質により熱接着性改質層が形成された表面の良否を判定するには、ポリアミド(PA)の樹脂フィルムの表面改質により熱接着性改質層が形成された表面と、市販のエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルム(タマポリ株式会社製未延伸ポリエチレンフィルム、商品名;SK615P)のエアコロナ処理面と対向させて、接着剤及びアンカーコート剤を塗布することなく、温度160℃、加圧力0.4MPaで10秒間保持して加熱圧着させたときの接着力が、JIS K 6854−1「接着剤 はく離接着強さ試験方法 第一部:90度はく離」に規定された測定方法で測定した値が9.8N/25.4mm以上となるように、大気圧プラズマ処理装置を用いた表面改質をすれば良い。
未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムに対して、大気圧プラズマ処理装置により表面改質により熱接着性改質層が形成された表面の良否を判定するには、未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムの表面改質により熱接着性改質層が形成された表面と、市販のエアコロナ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム(東洋紡績株式会社製二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、商品名;E5102)のエアコロナ処理面と対向させて、接着剤及びアンカーコート剤を塗布することなく、温度160℃、加圧力0.4MPaで10秒間保持して加熱圧着させたときの接着力が、JIS K 6854−1「接着剤 はく離接着強さ試験方法 第一部:90度はく離」に規定された測定方法で測定した値が5.9N/25.4mm以上となるように、大気圧プラズマ処理装置を用いた表面改質をすれば良い。
ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムに対して、大気圧プラズマ処理装置により表面改質により熱接着性改質層が形成された表面の良否を判定するには、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムの表面改質により熱接着性改質層が形成された表面と、市販のエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルム(タマポリ株式会社製未延伸ポリエチレンフィルム、商品名;SK615P)のエアコロナ処理面と対向させて、接着剤及びアンカーコート剤を塗布することなく、温度160℃、加圧力0.4MPaで10秒間保持して加熱圧着させたときの接着力が、JIS K 6854−1「接着剤 はく離接着強さ試験方法 第一部:90度はく離」に規定された測定方法で測定した値が5.9N/25.4mm以上となるように、大気圧プラズマ処理装置を用いた表面改質をすれば良い。
未延伸ポリプロピレン(CPP)樹脂フィルムに対して、大気圧プラズマ処理装置により表面改質により熱接着性改質層が形成された表面の良否を判定するには、未延伸ポリプロピレン(CPP)樹脂フィルムの表面改質により熱接着性改質層が形成された表面と、市販のエアコロナ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム(東洋紡績株式会社製二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、商品名;E5102)のエアコロナ処理面と対向させて、接着剤及びアンカーコート剤を塗布することなく、温度190℃、加圧力0.4MPaで10秒間保持して加熱圧着させたときの接着力が、JIS K 6854−1「接着剤 はく離接着強さ試験方法 第一部:90度はく離」に規定された測定方法で測定した値が5.9N/25.4mm以上となるように、大気圧プラズマ処理装置を用いた表面改質をすれば良い。
セロファンフィルムに対して、大気圧プラズマ処理装置により表面改質により熱接着性改質層が形成された表面の良否を判定するには、セロファンフィルムの表面改質により熱接着性改質層が形成された表面と、市販のエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルム(タマポリ株式会社製未延伸ポリエチレンフィルム、商品名;SK615P)のエアコロナ処理面と対向させて、接着剤及びアンカーコート剤を塗布することなく、温度160℃、加圧力0.4MPaで10秒間保持して加熱圧着させたときの接着力が、JIS K 6854−1「接着剤 はく離接着強さ試験方法 第一部:90度はく離」に規定された測定方法で測定した値が2.0N/25.4mm以上となるように、大気圧プラズマ装置を用いた表面改質をすれば良い。
また、本発明によれば、接着剤及びアンカーコート剤を用いることなく貼合された積層体の製造方法、積層体、及びそれを用いて作製した包装容器を得ることができる。
本発明による積層体は、化粧シート、光学フィルム、保護フィルム、包装容器などの各種用途に使用できる。
また、本発明による積層体を用いて作製される包装容器は、液体調味料、液体洗剤、液体漂白剤、液体ワックス、ヘアケア用品(シャンプー、リンス、コンディショナーなどが含まれる)、薬液、液体状の化粧品等の種々の液体状製品の包装容器及び詰替え用包装容器、さらには、食品、電子部品、医療用部品、医療用機器部品、精密機械部品などの各種包装容器に使用できる。
また、本発明によれば、接着剤及びアンカーコート剤を用いないで、即ち有機溶剤を全く使用しないで、積層体及びそれを用いた包装容器を作製することが可能となるので、環境対策及び省エネルギー対策として有効である。
Claims (12)
- 異なる種類の熱可塑性樹脂フィルムまたはセロファンフィルムからなる第1の基材と第2の基材とを貼合して積層体を製造する方法であって、厚みが10〜500μmであり、長さが3〜10,000mの長尺のフィルムからなる前記第1の基材及び前記第2の基材の巻かれたロール体からそれぞれ繰り出された、前記第1の基材及び前記第2の基材のいずれか一方の基材が、大気圧プラズマ処理装置による表面改質により熱接着性改質層が形成された面を有し、他方の基材がエアコロナ処理された面を有し、前記熱接着性改質層が形成された面と、前記エアコロナ処理された面を対向させて、接着剤及びアンカー剤を塗布することなく、加熱ロールにて加熱圧着して連続貼合することを特徴とする積層体の製造方法。
- 異なる種類の熱可塑性樹脂フィルムまたはセロファンフィルムからなる第1の基材と第2の基材とを貼合して積層体を製造する方法であって、厚みが10〜500μmであり、長さが3〜10,000mの長尺のフィルムからなる前記第1の基材及び前記第2の基材の巻かれたロール体からそれぞれ繰り出された、前記第1の基材及び前記第2の基材の両方が大気圧プラズマ処理装置による表面改質により熱接着性改質層が形成された面を有し、前記熱接着性改質層が形成された面同士を対向させて、接着剤及びアンカー剤を塗布することなく、加熱ロールにて加熱圧着して連続貼合することを特徴とする積層体の製造方法。
- 前記第1の基材と前記第2の基材とを貼合するに際し、事前に、大気圧プラズマ処理装置を用いてフィルムの表面改質により熱接着性改質層が形成された前記第1の基材及び/又は前記第2の基材と、前記第1の基材及び前記第2の基材と同一又は異なる種類のフィルムであってエアコロナ処理されてなる第3の基材とを用い、前記第1の基材及び/又は前記第2の基材の熱接着性改質層が形成された面と、前記第3の基材のエアコロナ処理面を対向させて、接着剤及びアンカーコート剤を塗布することなく熱圧着させて試験積層体を得た後、該試験積層体の貼合面における接着力を測定して、前記第1の基材及び/又は前記第2の基材の熱接着性改質層の形成状態の良否を確認することを特徴とする請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
- 大気圧プラズマ処理装置を用いて熱接着性改質層が形成される基材がポリアミド(PA)樹脂フィルムである場合には、前記第3の基材としてエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムを用い、温度160℃、加圧力0.4MPaで10秒間保持して加熱圧着させたときの接着力が、JIS K 6854−1「接着剤 はく離接着強さ試験方法 第一部:90度はく離」に規定された測定方法で測定した値が9.8N/25.4mm以上となることを確認し、
大気圧プラズマ処理装置を用いて熱接着性改質層が形成される基材が未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムである場合には、前記第3の基材としてエアコロナ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムを用い、温度160℃、加圧力0.4MPaで10秒間保持して加熱圧着させたときの接着力が、JIS K 6854−1「接着剤 はく離接着強さ試験方法 第一部:90度はく離」に規定された測定方法で測定した値が5.9N/25.4mm以上となることを確認し、
大気圧プラズマ処理装置を用いて熱接着性改質層が形成される基材がポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムである場合には、前記第3の基材としてエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムを用い、温度160℃、加圧力0.4MPaで10秒間保持して加熱圧着させたときの接着力が、JIS K 6854−1「接着剤 はく離接着強さ試験方法 第一部:90度はく離」に規定された測定方法で測定した値が5.9N/25.4mm以上となることを確認し、
大気圧プラズマ処理装置を用いて熱接着性改質層が形成される基材が未延伸ポリプロピレン(CPP)樹脂フィルムである場合には、前記第3の基材としてエアコロナ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムを用い、温度190℃、加圧力0.4MPaで10秒間保持して加熱圧着させたときの接着力が、JIS K 6854−1「接着剤 はく離接着強さ試験方法 第一部:90度はく離」に規定された測定方法で測定した値が5.9N/25.4mm以上となることを確認し、
大気圧プラズマ処理装置を用いて熱接着性改質層が形成される基材がセロファンフィルムである場合には、前記第3の基材としてエアコロナ処理された未延伸ポリエチレン(PE)樹脂フィルムを用い、温度160℃、加圧力0.4MPaで10秒間保持して加熱圧着させたときの接着力が、JIS K 6854−1「接着剤 はく離接着強さ試験方法 第一部:90度はく離」に規定された測定方法で測定した値が2.0N/25.4mm以上となることを確認することを特徴とする請求項3に記載の積層体の製造方法。 - 本発明は、貼合工程後に、積層体を常温で10日〜1ヶ月間、または40〜60℃で1〜3日間静置するエージング工程を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 前記第1の基材が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、セロファンフィルムからなる群の中から選ばれた1種類であり、前記第2の基材が、未延伸ポリエチレン(PE)、又は未延伸ポリプロピレン(CPP)であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 前記第1の基材となるフィルムの少なくとも片面には、印刷層が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 請求項1から7のいずれかに記載の積層体の製造方法により製造された積層体。
- 請求項8に記載の積層体を用いて、前記第2の基材がシーラント層として内側面となるように製造されてなることを特徴とする包装容器。
- 異なる種類の熱可塑性樹脂フィルムまたはセロファンフィルムからなる第1の基材と第2の基材とを貼合された積層体であって、前記第1の基材が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、セロファンフィルムからなる群の中から選ばれた1種類であり、前記第2の基材が、未延伸ポリエチレン(PE)、又は未延伸ポリプロピレン(CPP)であり、前記第1の基材及び第2の基材は、厚みが10〜500μmであり、長さが3〜10,000mの長尺のフィルムからなり、前記積層体の貼合面において、前記第1の基材及び前記第2の基材のいずれか一方の基材が大気圧プラズマ処理装置による表面改質により熱接着性改質層が形成された面を有し、他方の基材がエアコロナ処理された面を有し、前記熱接着性改質層が形成された面と、前記エアコロナ処理された面とが、接着剤及びアンカー剤を含まないで、加熱圧着されて貼合されていることを特徴とする積層体。
- 異なる種類の熱可塑性樹脂フィルムまたはセロファンフィルムからなる第1の基材と第2の基材が貼合された積層体であって、前記第1の基材が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、セロファンフィルムからなる群の中から選ばれた1種類であり、前記第2の基材が、未延伸ポリエチレン(PE)、又は未延伸ポリプロピレン(CPP)であり、前記第1の基材及び第2の基材は、厚みが10〜500μmであり、長さが3〜10,000mの長尺のフィルムからなり、前記積層体の貼合面において、前記第1の基材及び前記第2の基材の両方が大気圧プラズマ処理装置による表面改質により熱接着性改質層が形成された面を有し、前記熱接着性改質層が形成された面同士が、接着剤及びアンカー剤を含まないで、加熱圧着されて貼合されていることを特徴とする積層体。
- 請求項10または11に記載の積層体を用いて、前記第2の基材がシーラント層として内面側となるように製造されてなることを特徴とする包装容器。
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