JPH09111017A - ガスバリアフィルム及びその製造方法 - Google Patents
ガスバリアフィルム及びその製造方法Info
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- JPH09111017A JPH09111017A JP7274018A JP27401895A JPH09111017A JP H09111017 A JPH09111017 A JP H09111017A JP 7274018 A JP7274018 A JP 7274018A JP 27401895 A JP27401895 A JP 27401895A JP H09111017 A JPH09111017 A JP H09111017A
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Abstract
スバリア性及び塗膜と基材フィルムの接着性を保有する
ガスバリアフィルムを提供することを目的とする。 【解決手段】熱可塑性樹脂基材フィルムの少なくとも片
面上に水溶性高分子及び無機系層状化合物を主たる構成
成分とした塗膜を形成したフィルムにおいて、該基材フ
ィルムの塗膜層側表面(A面)の窒素と炭素の原子数比
(N/C)が0.001〜0.1とする。
Description
及びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは
高湿度下でのガスバリア性及び防湿性を有するガスバリ
アフィルム及びその製造方法に関するものである。
らの酸素などの侵入があると内容物の変質によって長期
保存ができないことから、外気の混入を防ぐことができ
るガスバリア性をもったフィルムの開発が行われてい
る。
サイエンス、20巻、22号、1543〜1546頁
(1986年 12月)によると、従来より開発された
ガスバリア性フィルムとしては、ポリ塩化ビニリデン、
ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコールなどがあ
る。しかし、ポリ塩化ビニリデンは塩素原子、ポリアク
リロニトリルは−CN基を含有しているため、廃棄の際
に環境に対する問題が近年持ち上がっている。また、ポ
リビニルアルコールは−OH基を含有しているため、ガ
スバリア性の湿度依存性が大きく、高湿度ではガスバリ
ア性が著しく低下してしまう。ポリビニルアルコールの
湿度依存性を改良したエチレンービニルアルコール共重
合体においても、高湿度でのガスバリア性はまだ十分と
は言えない。
号公報等)や酸化アルミニウム(特開昭62−1799
35号公報等)などの無機物を基材の表面に蒸着したフ
ィルムが開発されている。しかし、これらのフィルムの
形成には蒸着過程が加わるのでコストが非常に高くなる
欠点や、無機蒸着膜の可とう性の無さ、基材との接着性
が悪い等によるフィルムとしての取り扱いにくさの問題
が生じている。
に金属酸化物及びポリビニルアルコールからなる塗膜を
設けたフィルム(特開昭56−4563号公報等)が開
発されているが、高湿度下でのガスバリア性に関しては
まだ満足のいくレベルではない。また、無機層状化合物
及び高水素結合性化合物からなるガスバリア層を有する
フィルム(特開平6−93133公報、特開平7−41
685公報等)があるがハイバリア性を得るにはガスバ
リア層を形成する過程において長時間の乾燥または熱処
理が必要であるので生産性の点で大きく不利であり、耐
久テスト後のガスバリア性の低下が大きい。また、オレ
フィン系樹脂基材フィルム上に塗膜を形成すると塗膜と
フィルムとの接着性が悪く簡単に剥がれてしまうという
問題が生じる。
述べた従来のガスバリアフィルムの問題点を解消し、か
つ高湿度下でも高いガスバリア性を有するガスバリアフ
ィルム及びその製造方法を提供することである。
達成するために、熱可塑性樹脂基材フィルムの少なくと
も片面上に水溶性高分子及び無機系層状化合物を主たる
構成成分とした塗膜を形成したフィルムにおいて、該基
材フィルムの塗膜層側表面(A面)の窒素と炭素の原子
数比(N/C)が0.001〜0.1であることを特徴
とするガスバリアフィルムからなるものである。
0.001〜0.1である熱可塑性樹脂基材フィルム表
面上に水溶性高分子及び無機系層状化合物を主たる構成
成分とする塗剤を塗布、乾燥することを特徴とするガス
バリアフィルムの製造方法からなるものである。
の窒素と炭素の原子数比(N/C)を規定したフィルム
上に水溶性高分子及び無機系層状化合物からなる塗膜を
形成することにより高湿度下でのガスバリア性、特に耐
久テスト後のガスバリア性及び塗膜の接着性に優れたガ
スバリアフィルムを開発したものであり、その効果は非
常に大きいものである。
側の表面(A面)の窒素と炭素の原子数比(N/C)
は、ガスバリア性、塗膜の接着性、技術的問題等を考慮
すると、0.001〜0.1の範囲内であることが必要
である。より好ましくは0.0015〜0.08、特に
好ましくは0.002〜0.05の範囲内である。A面
のN/Cの値は、X線光電子分光(ESCA)スペクト
ルの測定によって求めることができる。塗膜を形成した
フィルムのN/Cの値を求めるには、熱水処理やスパッ
タリング等で塗膜を除去してスペクトルを測定しても良
いが、イオンエッチング等を行いながらのESCAスペ
クトルを測定し表面から深さ方向への組成分布を調べ、
塗膜と基材フィルムとの界面付近において窒素原子数が
極大となった深さをA面とし、その深さでのスペクトル
からN/Cを求める方法が好ましく用いられる。極大を
とらない場合は界面付近において最大値と最小値の和の
1/2の値の深さをA面とすることができる。また、2
次イオン質量分析計(SIMS)を用いて深さ方向への
組成分布を測定しN/Cを求める方法も好ましく用いら
れる。
材フィルムは、主として機械的性質やフィルムの加工性
等を付与するために必要であり、一般に市販されている
各種の熱可塑性樹脂フィルムが含まれる。樹脂としては
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポ
リエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12などのア
ミド系樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重
合体またはそのけん化物、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリ
フェニレンサルファイド、芳香族ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、セルロース、酢酸セルロース、
ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニ
ルアルコールなど、およびこれらの共重合体が挙げられ
る。基材フィルムの樹脂としては、透明性、ガスバリア
性等の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
オレフィン系樹脂もしくはポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート等のポリエステル系樹脂が好ましい。
更に、防湿性の点でポリエチレン、ポリプロピレンなど
のオレフィン系樹脂が好ましく、ポリプロピレンが特に
好ましい。
る場合には、ポリプロピレン重合体を主成分とする層の
みからなる単層フィルムが好ましく用いられるが、ポリ
プロピレン共重合体を主成分とする樹脂層(I層)がポ
リプロピレン重合体を主成分とする基層(II層)の少な
くとも片面に積層してなるポリプロピレン複合フィルム
であることがより好ましい。
体(以下PP−1と略す)とは、エチレン、ブテン−1
などのα−オレフィンモノマーを1〜15wt%、好ま
しくは1〜10wt%、さらに好ましくは1〜6wt%
の範囲で共重合したポリプロピレン共重合体である。P
P−1の融点は、フィルムの耐熱性の点で、135〜1
65℃が好ましく、さらに140〜155℃が好まし
い。他の樹脂との相溶性の点から、例えば、エチレン/
プロピレン共重合体、エチレン/ブテン/プロピレン共
重合体が好ましい。また、PP−1のメルトフローイン
デックス(MFI)は0.1〜1g/minが好まし
く、0.2〜0.6g/minがより好ましい。I層を
構成する樹脂としてはPP−1が好ましく用いられる
が、PP−1とエチレン共重合体との混合樹脂とするこ
とがより好ましい。PP−1とエチレン共重合体との混
合樹脂とすることでI層表面の粗大突起が少なく、緻密
な突起群が形成され、ガスバリアフィルムとしての防湿
性が向上する。
合体(以下ECPと略す)とは、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エス
テル、アクリル酸モノマーとの共重合体などが挙げられ
る。エチレン−α−オレフィン共重合体のα−オレフィ
ンモノマーとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセ
ン−1、オクテン−1などが挙げられ、特にプロピレ
ン、ブテン−1が好ましい。α−オレフィンの共重合量
としては、10〜30wt%が好ましい。また、エチレ
ンと酢酸ビニル、アクリル酸エステル、アクリル酸モノ
マーとの共重合体の共重合モノマーの共重合量は樹脂の
相溶性の点で、15wt%以下が好ましい。ECPとし
て好ましいのは、エチレン−ブテン−1共重合体、エチ
レン−メチルメタアクリレートである。ECPのMFI
は(ポリエチレン樹脂法、温度=190℃)は0.1〜
2g/minが好ましく、0.2〜1g/minがより
好ましい。I層表面が粗くなり防湿性が悪化するので、
PP−1とECPの樹脂混合比は重量比で95:5〜7
5:25が好ましく、92:8〜80:20がより好ま
しく、90:10〜85:15が特に好ましい。
(以下PP−2と略す)とは結晶性ポリプロピレンであ
り、プロピレンの単独重合体、あるいはエチレン、ブテ
ン−1などのα−オレフィンを好ましくは10wt%以
下、より好ましくは6wt%以下、特に好ましくは4w
t%以下共重合した共重合体も含まれる。好ましくはポ
リプロピレンの単独重合体である。PP−2のMFIは
0.1〜1g/minの範囲が好ましく、より好ましく
は0.2〜0.6g/minである。フィルムの結晶化
度を高くすることができフィルムの防湿性から有利であ
るので、アイソタクチックインデックス(II)は95
〜99.5%が好ましく、より好ましくは97〜99.
0%の範囲である。またフィルムの製造上、フィルムの
端部が切り除かれ、これらを回収原料として本発明を構
成するII層に再利用すると、フィルムの製造コストダウ
ンができ好ましい。この場合本発明のポリプロピレン重
合体に積層するI層樹脂が15wt%以下混合したもの
も本発明のII層に含まれる。
一軸延伸、二軸延伸のいずれでもよいが、寸法安定性お
よび機械特性の観点から、二軸延伸されたものが特に好
ましい。また、基材フィルムの構成は、I層/II層ある
いはI層/II層/I層の複合フィルムが好ましく、より
好ましくはI層/II層の複合フィルムである。この場合
はI層/II層/ヒートシール層となるようにヒートシー
ル層を積層することもできる。基材フィルムの全厚みは
限定されるものではないが、1〜500μmが好まし
い。ガスバリア性と耐熱性を両立させるために、I層の
厚みは0.2〜5μmが好ましく、より好ましくは0.
3〜2.5μmである。
/m、より好ましくは35〜60mN/m、40〜55
mN/mがさらに好ましい。
量の熱安定剤、酸化防止剤、無機あるいは有機の粒子な
どを含有させても良い。例えば、熱安定剤としては2,
6−ジ−第3−ブチル−4−メチルフェノール(BH
T)などが0.5wt%以下、酸化防止剤としてはテト
ラキス−(メチレン−(3,5−ジ−第3−ブチル4−
ハイドロオキシ−ハイドロシンナメート))ブタン
(“Irganox”1010)などを0.1wt%以
下で添加されていてもよい。無機、有機の粒子として
は、例えば、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化
チタン、酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化リチウ
ム、アルミナ、硫酸バリウム、ジルコニア、マイカ、リ
ン酸カルシウム、架橋ポリスチレン系粒子などである。
aは、ガスバリア性と防湿性の点から、0.03〜0.
12μmが好ましく、より好ましくは0.03〜0.1
0μm、特に好ましくは0.04〜0.08μmの範囲
である。ガスバリア性と防湿性が悪化するのは、塗膜形
成後のフィルムとロールとの接触等により塗膜が削られ
るためと考えられる。A面の表面粗さRaの変更は、基
材フィルムへの無機または有機の粒子を混合や樹脂のM
FIの変更で達成でき、I層表面がA面になる場合はP
P−1のMFIの変更、PP−1のMFIとECPのM
FIの組み合わせあるいは混合比率の変更で達成するこ
とができる。I層に無機あるいは有機の粒子を添加しな
いのが好ましく、添加する場合は粒径1μm以下の粒子
が好ましい。
ムは、透明であることが好ましい。光線透過率が、40
%以上が好ましく、60%以上がさらに好ましい。
つである水溶性高分子とは、常温で水に完全に溶解もし
くは微分散可能なな高分子を指し、例えば、ポリビニル
アルコールおよびその誘導体、カルボチシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘
導体、酸化でんぷん、エーテル化でんぷん、デキストリ
ンなどのでんぷん類、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リル酸、ポリメタクリル酸、またはそのエステル、塩類
およびそれらの共重合体、スルホイソフタル酸等の極性
基を含有する共重合ポリエステル、ポリヒドロキシエチ
ルメタクリレートおよびその共重合体などのビニル系重
合体、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基な
ど官能基変性重合体などが挙げられる。好ましくはポリ
ビニルアルコール系重合体およびその誘導体であり、特
に好ましくはけん化度75mol%以上のポリビニル
アルコール、全水酸基の40mol%以下がアセター
ル化しているポリビニルアルコール、ビニルアルコー
ル単位が60mol%以上である共重合ポリビニルアル
コールである。ポリビニルアルコールおよびその誘導体
の重合度は、100〜5000が好ましく、500〜3
000がさらに好ましい。
機系層状化合物とは、極薄の単位結晶層が数枚重なって
一つの層状粒子を形成している無機化合物のことであ
り、溶媒に膨潤・へき開するものが好ましい。これらの
中でも特に溶媒への膨潤性を持つ粘土化合物が好ましく
用いられる。本発明における溶媒への膨潤性を持つ粘土
化合物とは極薄の単位結晶層間に水を配位、吸収・膨潤
する性質を持つ粘土化合物であり、一般にはSi4+がO
2-対して配位し4面体構造を構成する層とAl3+、Mg
2+、Fe2+、Fe3+等がO2-およびOH- に対して配位
し8面体構造を構成する層とが1対1あるいは2対1で
結合し積み重なって層状構造を構成しており、天然のも
のであっても合成されたものでも良い。代表的なものと
しては、カオリナイト、ハロイサイト、モンモリロナイ
ト、バーキュライト、ディッカイト、ナクライト、アン
チゴライト、パイロフィライト、ヘクトライト、バイデ
ライト、マーガライト、タルク、テトラシリリックマイ
カ、白雲母、金雲母、緑泥石等が挙げられる。層状化合
物の大きさとしては、平均粒径5μm以下、厚さ500
nm以下が好ましい。
ータRt/Raは、ガスバリア性の観点から、20以下
であることが好ましく、15以下であることがより好ま
しい。Rtは最大高さであり表面粗さ曲線の最大の山と
最深の谷の距離である。ガスバリア性が悪化するのは、
高速で塗膜を形成したときロールとの接触や巻取り時の
フィルム同士での接触で塗膜面が削れてしまうためであ
ると考えられる。なお、パラメータの詳細は奈良治朗著
「表面粗さの測定法・評価法」(総合技術センター、1
983)等に示されている。
の混合比率は、塗膜の強度(伸度、屈曲性やピンホール
性)とガスバリア性を両立させるために、重量比で10
/90〜95/5の範囲内が好ましい。
れないが、ガスバリア性フィルムの観点から、0.1〜
10μmが好ましく、0.3〜6μmが特に好ましい。
ない範囲内であれば各種の添加剤が含まれていても良
い。例えば、酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、滑剤、結
晶核剤、紫外線吸収剤、着色剤等である。また、透明性
を損なわない程度であれば、無機または有機の粒子を含
んでいても良い。例えば、タルク、カオリン、炭酸カル
シウム、酸化チタン、酸化珪素、フッ化カルシウム、フ
ッ化リチウム、アルミナ、硫酸バリウム、ジルコニア、
マイカ、リン酸カルシウム、架橋ポリスチレン系粒子な
どである。
物−ポリマ間、ポリマ間または層状化合物間等の相互作
用を高めるために、2価以上の金属塩、触媒成分などを
添加しても良い。カルシウム、マグネシウム、アルミニ
ウム元素などを有する酢酸塩、硫酸塩、または硝酸塩な
どを用いると耐湿性が向上するので望ましい。その量と
しては、塗膜に対して1〜10000ppm程度であ
る。
的製造方法について述べるが、これに限定されるもので
はない。
る。例えばポリプロピレンの場合は、原料となる樹脂を
準備し押出機に供給し、230〜280℃の温度で溶融
し濾過フィルターを経た後、スリット状口金から押出
す。この時、I層とII層からなる複合フィルムの場合は
それぞれの樹脂を別々の押出機に供給し溶融した後、短
管内あるいは口金内で、I層/II層あるいはI層/II層
/I層となるように合流せしめスリット状口金から押出
す。これを金属ドラムに巻き付けてシート状に冷却固化
せしめ、未延伸フィルムとする。この場合冷却用金属ド
ラムの温度は30〜70℃としフィルムを結晶化させる
のが好ましい。この未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸
配向せしめる。延伸方法は、逐次二軸延伸法、又は同時
二軸延伸法を用いることができ、特に防湿性の点で逐次
二軸延伸法が好ましい。逐次二軸延伸法としては、まず
未延伸フィルムを115〜145℃の温度に加熱し、長
手方向に4〜7倍延伸し冷却後、テンター式延伸機内に
導き140〜165℃の温度に加熱し幅方向に5〜10
倍に延伸した後、155〜170℃の温度で弛緩熱処理
した後冷却することで得られる。
の原子数比(N/C)を本発明の範囲内とするには、塗
膜層形成前にA面にコロナ放電処理あるいは減圧下にお
いて希薄ガス中でのプラズマ処理を施して行われる。コ
ロナ放電処理時の雰囲気は窒素ガス(酸素濃度が3vo
l%以下)、炭酸ガスあるいは窒素/炭酸ガスの混合ガ
スが好ましく、窒素/炭酸ガスの混合ガス(体積比=9
5/5〜50/50)がさらに好ましい。また、プラズ
マ処理は10-2Pa程度の真空度の容器内に少量のアル
ゴン、ヘリウム、炭酸ガスなどを導入しながら高電圧を
印加した電極からフィルムのA面に向けてグロー状放電
させながら処理する。この時、処理効果及び経済性の点
で炭酸ガスが好ましい。処理強度は、電圧×電流/(電
極幅×フィルム走行速度)(W・min/m2 )から算
出するが、5〜400が好ましく、10〜200がより
好ましく、20〜100がさらに好ましい。また、ウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂などの公知のアンカー処理剤を
用いてアンカー処理を施しておいても良い。
する方法は特に限定されず、押出しラミネート法、メル
トコーティング法を用いても良いが、高速で薄膜コート
する事が可能である点で、塗膜の構成成分を各種溶媒に
分散させた分散溶液をグラビアコート、リバースコー
ト、スプレーコート、キッスコート、ダイコートあるい
はメタリングバーコートするのが好適である。また、オ
フラインコート、インラインコートのどちらの方法でも
良いが、ガスバリア性の点でオフラインコートが好まし
い。また、I層とII層から構成される複合フィルムの場
合には、I層表面に塗膜が形成されることが望ましい。
ル接触法、熱媒(空気、オイル等)接触法、赤外線加熱
法、マイクロ波加熱法等が利用できる。塗膜の乾燥は、
ガスバリア性の観点から、80℃から170℃の範囲内
で行われることが好ましく、乾燥の時間としては20秒
以内が好ましい。
溶性高分子が均一に溶解もしくは分散しかつ層状化合物
が均一に分散もしくは膨潤した溶液が好ましい。溶媒と
しては、水または水/低級アルコール混合溶液が用いら
れるが、高湿度下でのガスバリア性、塗膜の接着性及び
生産性の観点で水/低級アルコール混合溶液を用いるこ
とが好ましい。低級アルコールとは炭素数1〜3の直鎖
または分岐鎖の脂肪族基を有するアルコール性化合物の
ことであり、例えばメタノール、エタノール、n−また
はイソ−プロパノールが好ましく用いられる。また、水
/アルコールの混合比率は重量比で99/1〜20/8
0が好ましい。
に、分散溶液の安定性が維持される範囲内であれば、混
合溶媒中に第3成分として他の水溶性有機化合物が含ま
れていても良い。上記水溶性有機化合物としては例え
ば、メタノール、エタノール、n−またはイソ−プロパ
ノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピ
レングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ、n−ブチルセルソルブ等のグリコー
ル誘導体、グリセリン、ワックス類等の多価アルコール
類、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステ
ル類、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。
また、分散溶液のpHは溶液の安定性の面から2〜11
が好ましい。
水溶性高分子を溶媒に均一に溶解させた後に層状化合物
を均一に分散させた溶液と混合する方法等が有効に用い
られる。
以下の通りである。
置(mocon社製、OX−TRAN2/20)を用い
て酸素透過率を測定した。測定条件は温度23℃、相対
湿度80%である。
ルボ繰り返し(往復運動周期:40回/分)を行ったサ
ンプル(280mm×180mm)について、前述の方
法でガスバリア性を測定した。
(mocon社製、PERMATRAN−W1A)を用
いて、40℃、90%RHの雰囲気下で水蒸気透過率を
測定した。
50)を用い、励起X線MgKα 1.2線(284.
6eV)、光電子脱出角度90°で窒素1S軌道
(N1S)スペクトルと炭素の1S軌道(C1S)スペクト
ルを測定し、各々のピークの積分強度比をもとに、A面
の窒素原子数と炭素の原子数の比を求めた。
t) 小坂研究所製高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて
測定した。測定条件は下記の通りであり、20回の測定
の平均値をもって値とした。
ン製“セロハンテープ”をその上に貼り付け指で強く押
しつけた後、90°方向に急速に剥離し、残存した塗膜
の個数により4段階評価(◎:100、○:80〜9
9、△:50〜79×:0〜49)した。(◎、○)を
接着性良好とした。
I) 試料を130℃で2時間乾燥した。これから重量W(m
g)の試料をとり、ソックスレー抽出器にいれ沸騰、n
−ヘプタンで12時間抽出した。次にこの試料をとりだ
しアセトンで十分洗浄した後、130℃で6時間乾燥し
その後重量W’(mg)を測定し次式で求めた。
I) JIS K−6758ポリプロピレン試験法(230
℃、21.2N)で測定した値を示した。
ン量3.2wt%共重合したポリプロピレン(MFI=
0.45g/min、融点=145℃、PP−1)及び
ブテンー1を15wt%共重合したエチレンーブテン共
重合体(MFI=0.36g/min、ECP)とII層
を構成する樹脂としてポリプロピレン単独重合体(II
=97.0%、MFI=0.25g/min、PP−
2)を表1に示した組成に混合した樹脂を準備し、これ
らI層樹脂とII層樹脂を別々の押出機に供給し、260
℃の温度で溶融させ濾過フィルターを経由し短管内でI
層/II層となるように合流せしめスリット状口金から押
出し、40℃の温度に加熱した金属ドラムに巻き付けて
シート状に成形した。このシートを135℃の温度に加
熱し長手方向に5倍延伸し冷却後、引き続きテンター式
延伸機に導き、165℃の温度に加熱し幅方向に9倍延
伸後、165℃の温度で幅方向に8%の弛緩を与えつつ
熱処理して常温に冷却した。その後、窒素/炭酸ガス
(体積比85/15)の混合ガス雰囲気下でコロナ放電
処理(処理強度=60W・min/m2 )行い、基材フ
ィルムを得た。フィルムの全厚さは18μm、I層の厚
さは0.8μmであった。
5mol%以上、重合度2400のポリビニルアルコー
ル(以下PVAと略す)を5wt%になるよう水/イソ
プロピルアルコール(以下IPA)溶液(重量比90/
10)に分散させた(A液)。層状化合物としてモンモ
リロナイト(クニミネ工業社製、クニピア−F)を3w
t%になるよう水に分散させた(B液)。PVA/モン
モリロナイトの混合比が重量比で50/50になるよう
にA液とB液を混合し、IPAが全塗剤に対して10w
t%、固形分濃度2.5wt%になるように塗剤を調製
した。
ー(塗工速度60m/min)にて塗布後、熱風乾燥式
ドライヤー内に導き低張力下で120℃、10秒間乾燥
し、フィルムを巻取った。
で、その他の特性は表2に示す。ガスバリア性、防湿
性、塗膜接着性に優れるフィルムが得られた。
以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。ガスバリ
ア性、防湿性、接着性に優れるフィルムが得られた。
コロナ放電処理(処理強度=60W・min/m2 )に
変更したこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得
た。ガスバリア性、防湿性、接着性に優れるフィルムが
得られた。
=0.25g/min、PP−2)を準備し、これを押
出機に供給し、260℃の温度で溶融させ濾過フィルタ
ーを経由しスリット状口金から押出したこと以外は実施
例1と同様にしてフィルムを得た。ガスバリア性、防湿
性、接着性に優れるフィルムが得られた。
1と同様にしてフィルムを得た。被膜が形成されず、ガ
スバリア性、塗膜の接着性が不良であった。
(処理強度=60W・min/m2 )に変更したこと以
外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。耐久テスト
後のガスバリア性、塗膜の接着性が不良であった。
窒素/炭酸ガス(体積比85/15)の混合ガス雰囲気
下でのコロナ放電処理(処理強度=60W・min/m
2 )、b法は窒素ガス雰囲気下でのコロナ放電処理(処
理強度=60W・min/m2 )、c法は空気中でのコ
ロナ放電処理(処理強度=60W・min/m2 )であ
る。
でのガスバリア性、耐久テスト後のガスバリア性及び塗
膜と基材フィルムの接着性を保有することから、あらゆ
る包装材料として使用することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂基材フィルムの少なくとも
片面上に水溶性高分子及び無機系層状化合物を主たる構
成成分とした塗膜を形成したフィルムにおいて、該基材
フィルムの塗膜層側表面(A面)の窒素と炭素の原子数
比(N/C)が0.001〜0.1であることを特徴と
するガスバリアフィルム。 - 【請求項2】 該基材フィルムがオレフィン系樹脂から
なることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィ
ルム。 - 【請求項3】 該基材フィルムが、ポリプロピレン共重
合体を主成分とする樹脂層(I層)がポリプロピレン重
合体を主成分とする基層(II層)の少なくとも片面に積
層してなるポリプロピレン複合フィルムであり、I層表
面に該塗膜層を形成したことを特徴とする請求項1また
は請求項2に記載のガスバリアフィルム。 - 【請求項4】 樹脂層(I層)がポリプロピレン共重合
体とエチレン共重合体との混合樹脂からなり、両者の混
合比が重量比で95:5〜75:25であることを特徴
とする請求項3に記載のガスバリアフィルム。 - 【請求項5】 窒素と炭素の原子数比(N/C)が0.
001〜0.1である熱可塑性樹脂基材フィルム表面上
に水溶性高分子及び無機系層状化合物を主たる構成成分
とする塗剤を塗布、乾燥することを特徴とするガスバリ
アフィルムの製造方法。 - 【請求項6】 該基材フィルムがオレフィン系樹脂であ
ることを特徴とする請求項5に記載のガスバリアフィル
ムの製造方法。 - 【請求項7】 該基材フィルムが、ポリプロピレン共重
合体を主成分とする樹脂層(I層)がポリプロピレン重
合体を主成分とする基層(II層)の少なくとも片面に積
層してなるポリプロピレン複合フィルムであり、I層表
面に該塗膜層を形成することを特徴とする請求項5また
は請求項6に記載のガスバリアフィルムの製造方法。 - 【請求項8】 樹脂層(I層)がポリプロピレン共重合
体とエチレン共重合体との混合樹脂からなり、両者の混
合比が重量比で95:5〜75:25であることを特徴
とする請求項7に記載のガスバリアフィルムの製造方
法。
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---|---|---|---|
JP27401895A JP3346126B2 (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | ガスバリアフィルム及びその製造方法 |
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---|---|
JPH09111017A true JPH09111017A (ja) | 1997-04-28 |
JP3346126B2 JP3346126B2 (ja) | 2002-11-18 |
Family
ID=17535817
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WO2022224647A1 (ja) | 2021-04-23 | 2022-10-27 | 東洋紡株式会社 | 積層フィルム及び包装材料 |
KR20230045005A (ko) | 2020-08-06 | 2023-04-04 | 도요보 가부시키가이샤 | 적층 필름 및 포장 재료 |
WO2023054103A1 (ja) | 2021-09-30 | 2023-04-06 | 東洋紡株式会社 | 積層フィルム及び包装材料 |
-
1995
- 1995-10-23 JP JP27401895A patent/JP3346126B2/ja not_active Expired - Lifetime
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