JP2002227322A - 建屋吸音構造 - Google Patents
建屋吸音構造Info
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Abstract
提供する。 【構成】 折り曲げ板であるスチールプレート(デッキ
プレートなど)5の底面構成部位に石膏ボード4が留め
付けられている。スチールプレート5における山構成部
内の両縁部には、台形の側板が溶接等によって取り付け
られている。これら両縁部に設けた側板及び石膏ボード
4により、各山構成部において互いに独立した空洞部が
形成される。更に、空洞部内に台形の仕切り板11を溶
接等によって設けることで、複数の分割空洞部を得てい
る。そして、各分割空洞部に対応させてスチールプレー
ト5の山面構成部位の上面に開口(ポート)12を設け
ている。各空洞部が前記開口12によって外部空間に連
通することにより、共鳴消音器(ホルムヘルツレゾネー
タ)が構成されることになる。
Description
収性に優れた建屋吸音構造に関する。
いて、音の伝搬阻止に有効な構造を適用することが行わ
れている。音の伝搬には、建屋構造体を伝搬媒体とする
固体伝搬と空気を媒体とする空気伝搬がある。そして、
音の伝搬阻止には、建屋構造における遮音性や吸音性を
高めることが重要である。遮音性は音の透過を防止する
性能であり、一般に重い重量ほど遮音性が高い。また、
吸音性は音を吸収する性能であり、グラスウールやロッ
クウール等は吸音性を有している。
音器(ホルムヘルツレゾネータ)というものが知られて
いる。この共鳴消音器は、所定容積の空洞部と、この空
洞部を外部に連通する開口部(ポート)とから成る。音
が空気伝搬によって前記開口部に至ると、この開口部と
空洞部との容積関係にて特定周波数の音について共鳴現
象を生じ、その音響エネルギーが熱エネルギーに変換さ
れることによって当該音の吸収が行われる。
どに多数配置して特定周波数の音の伝搬阻止に利用する
ことが考えられる。
作製された共鳴消音器を多数配置するのでは、多額の費
用がかかることになる。
で吸音が実現できる建屋吸音構造を提供することを目的
とする。
は、建屋の一部が折り曲げ板を有して構成されており、
前記折り曲げ板における波形状を利用して独立した複数
の空洞部が形成され、前記空洞部が開口部によって外部
空間に連通することで複数の共鳴消音器が構成されてい
ることを特徴とする。
た所定周波数の音が空気伝搬によって開口部に至ると、
この開口部と空洞部との容積関係にて共鳴現象を生じ、
音響エネルギーが熱エネルギーに変換されることによっ
て当該音の吸音が行われる。折り曲げ板を用いて複数の
共鳴消音器を構成しているから、個々に作製された共鳴
消音器を多数配置する構成に比べ、低コスト化が図れ
る。
部が更に複数の空洞部に分割形成されているとともに全
ての分割空洞部或いは任意の分割空洞部に対応して開口
部を形成して共鳴消音器を構成してもよい。前記仕切り
板によって空洞部の容積調整が行えるとともに、共鳴消
音器の数を増やすことができる。
波数を異ならせてもよい。これによれば、或る共鳴消音
器では消音できない周波数の音を他の共鳴消音器にて消
音することができ、全体として広い範囲の周波数の音に
ついて消音が可能になる。
連結して連結共鳴消音器を構成してもよい。これによれ
ば、連結部の口径と長さが共鳴周波数設計のパラメータ
として加わるため、単一共鳴器型に比べ、吸音特性の設
計の自由度が高まる。
のがよい。これによれば、建屋の耐火性も同時に向上す
ることができる。
られ、この天井板が空洞部の形成に関与していてもよ
い。また、折り曲げ板が階上床の構成部材として用いら
れていてもよい。また、折り曲げ板が階上床の床版上に
設けられ、この床版が空洞部の形成に関与していてもよ
い。また、折り曲げ板が壁の構成部材として用いられて
いてもよい。
部位の両方に空洞部を形成し、全ての空洞部或いは任意
の空洞部に開口を形成して共鳴消音器を構成してもよ
い。また、空洞部の密閉を溶接及び/又は弾性シール材
によって行ってもよい。
吸音構造を図1乃至図8に基づいて説明していく。
の一例を示した縦断側面図である。H型綱から成る梁
(大梁或いは小梁)1の上側フランジ部の上面には、防
振パッド2を介在させて床版(ALC版やPC版等)3
の縁部が載せ置かれており、床版3・3間には例えばモ
ルタルが充填されている。上記の床版3にて例えば2階
床が構成されることになり、この場合は床版3の下側は
1階側となる。1階側の天井面は、2重貼りされた石膏
ボート4から成っている。この石膏ボード4は、折り曲
げ板であるスチールプレート(デッキプレートなど)5
の底面構成部位にビス6によって留め付けられている。
る。スチールプレート5における横方向側での梁1によ
る支持は、スチールプレート5の山面構成部位を梁1の
下側フランジ部の上面に載せることで行っている。一
方、スチールプレート5における縦方向側での梁1によ
る支持は、例えば図2(a)に示すように、スチールプ
レート5の山面構成部位に溶接等によって固定した支持
板7を梁1の下側フランジ部の上面に載せることで行う
ことができる。梁1のフランジ部とスチールプレート5
や支持板7との間には、防振パッド2を介在させてあ
る。なお、図2(b)に示すように、例えば角棒状部材
8をスチールプレート5の横方向に配置して各山面構成
部位に溶接等によって固定することにより、スチールプ
レート5における縦方向側での梁1による支持を不要に
することも可能である。スチールプレート5自体は大き
な荷重を受ける構造体として用いておらず、せいぜいグ
ラスウール9の重み及び石膏ボード4の重みに耐えるこ
とができればよいからである。また、スチールプレート
5を床版3に固定された図示しない吊り下げボルトによ
って支持することも可能である。
両縁部には、台形の側板10が溶接等によって取り付け
られている。これら両縁部に設けた側板10及び石膏ボ
ード4により、各山構成部において互いに独立した空洞
部が形成される。更に、空洞部内に台形の仕切り板11
を溶接等によって設けることで、複数の空洞部に分割形
成している。そして、各分割空洞部に対応させてスチー
ルプレート5の山構成部の上面に開口(ポート)12を
設けている。各空洞部が前記開口12によって外部空間
に連通することにより、共鳴消音器(ホルムヘルツレゾ
ネータ)が構成されることになる。
方側へ空気伝搬していく音が開口12に入ってくると、
この開口12の箇所で空気の出入りを生じさせて空気分
子を摩擦させ、音エネルギーを熱エネルギーに変換させ
ることによって吸音を実現する。共鳴消音器における共
鳴周波数は、空洞部容積、開口12の面積、開口12の
深さ(長さ)を変えることで調整できる。各共鳴消音器
における吸音の周波数を同一としてもよいが、これに限
るものではない。すなわち、仕切り板11の配置間隔を
違えることで空洞部容積に違いを持たせたり、開口12
の面積に違いを持たせたり、開口12にパイプを溶接す
るなどして深さ(長さ)に違いを持たせることにより、
各共鳴消音器による吸音周波数を異ならせてもよい。
5を用いており、このスチールプレート5が比較的重い
ことにより、高い遮音性を持つと同時に、耐火性にも優
れたものとなる。更に、スチールプレート5上にグラス
ウール9を載せ置いてあるので、このグラスウール9に
よって、吸音性、耐火性、断熱性も向上している。な
お、グラスウール9に代えてロックウールを用いてもよ
いものである。
図である。スチールプレート5の縦方向に沿って配置さ
れる塞ぎ板13には予め、側板10及び仕切り板11を
溶接等により隙間なく固定してある。側板10及び仕切
り板11の縁には、弾性シール部材14を付着させてあ
る。従って、上記塞ぎ板13をスチールプレート5の山
構成部の裏側から装着することで、側板10及び仕切り
板11が山構成部内に挿入され、これによって空洞部が
形成される。側板10及び仕切り板11の縁には前記弾
性シール部材14を設けてあるので、側板10及び仕切
り板11の縁をスチールプレート5に溶接することを不
要にできる。塞ぎ板13とスチールプレート5との接続
は溶接やビス留め等によって行う。また、この図3の例
では、スチールプレート5の谷構成部から天井吊り下げ
用フック15を垂下させてあり、この天井吊り下げ用フ
ック15を用いて天井板を固定することができる。すな
わち、この例では天井板は空洞形成に関与しない構成と
なる。
図である。図3の構成例との相違点は、スチールプレー
ト5の谷構成部にも空洞部を形成して共鳴消音器の個数
を倍増させる例である。すなわち、側板10及び仕切り
板11が溶接によって予め固定されている第2の塞ぎ板
16をスチールプレート5の谷構成部に装着すること
で、谷構成部内にも空洞部を形成する。共鳴消音器とし
ての構成に必要な開口12は、第2の塞ぎ板16に設け
てある。また、この図4の構成であれば、塞ぎ板がスチ
ールプレート5の補強も兼ねることになる。
図である。隣接する二つの空洞部をパイプ17によって
連結し、ダブル共鳴消音器を構成している。このダブル
共鳴消音器においては、開口12が形成されている側の
空洞部が第1共鳴器となり、パイプ17によって第1共
鳴器に連結されている空洞部が第2共鳴器となる。この
ダブル共鳴消音器によれば、パイプ17の口径と長さが
共鳴周波数設計のパラメータとして加わるため、単一共
鳴器型に比べ、吸音特性の設計の自由度を高めることが
できる。なお、パイプ17は必須のものではなく、仕切
り板11に形成した開口における長さ(仕切り板11の
厚み)が吸音特性上良好であれば、パイプ17は設ける
必要はない。また、この図5では縦方向に隣接する空洞
部を用いてダブル共鳴消音器を構成したが、図4の構成
を利用する場合、パイプを斜面部に設けることで、横方
向に隣接する空洞部を用いてダブル共鳴消音器を構成す
ることが可能である。
側面図である。図6(a)では、スチールプレート5は
階上床の構成部材として用いられている。スチールプレ
ート5上にコンクリート18を打設する工法が一般に行
われており、かかる工法を利用して構成したものであ
る。スチールプレート5の下面には石膏ボード等の板材
22を設けて空洞部を形成する。スチールプレート5の
山構成部の上面に形成されている開口12には、打設さ
れるコンクリート18の嵩よりも高い位置に先端が突出
するようにパイプ19を溶接等によって接続しておく。
コンクリート18上には例えば根太20を介して床板材
21を配置し、パイプ19の先端側に空気層が形成され
るようにする。
版(PC版やALC版等)23上に載せ置いている。こ
の構成例では、床版23が空洞部形成に関与している。
ビス等を用いてスチールプレート5を床版23に固定し
てもよい。スチールプレート5の谷構成部に支持脚24
を配置し、この支持脚24にて床板材25を支持する。
いわゆる二重床構造の要領で床面を仕上げることができ
る。支持脚24における支持板部はスチールプレート5
の山構成部の上面よりも上に位置させ、開口12の側に
空気層が形成されるようにする。
スチールプレート5の谷構成部の下面にゴム板等の衝撃
吸収性やシール性に寄与する弾性部材26を介在させて
スチールプレート5を床版23上に載せ置いている。な
お、側板10や仕切り板11の下縁については、上記弾
性部材26の厚みに対応させて延設させてもよいし、或
いは下縁に上記弾性部材26の厚みに対応した厚みを有
するゴム板等を設けてもよい。弾性部材26を介在させ
たことで、空洞部の密閉性を向上できるとともに、衝撃
音等の発生防止効果も得られる。
側面図である。図7(a)では、スチールプレート5の
山構成部の上面にゴム板等の衝撃吸収性に寄与する弾性
部材27を介在させて角材28をスチールプレート5の
横方向に配置し、この角材28上に床板21を配置して
いる。開口12はスチールプレート5の山構成部の斜面
に形成しておく。かかる構成であれば、支持脚24を設
ける必要がないので、スチールプレート5の谷構成部全
体を配管や配線等の配置スペースとして利用することが
できる。
構成部の上面にゴム板等の衝撃吸収性に寄与する部材2
7を介在させて角材28をスチールプレート5の縦方向
に配置し、この角材28上に床板21を配置している。
開口12はスチールプレート5の山構成部の斜面に形成
しておく。かかる構成であっても、支持脚24を不要と
し、スチールプレート5の谷構成部を配管等を配置する
スペースとして広く利用することができる。
平面図である。図8(a)では、スチールプレート5は
室内壁の構成部材として用いられている。スチールプレ
ート5の一方の面に壁板材30をビス等によって貼り付
けている。スチールプレート5の表面には壁紙等の仕上
げ材を貼付しておいてもよい。なお、開口12が仕上げ
材にて塞がれるのでは不都合であり、また、開口12が
露呈しているのも不都合であるから、開口12にはメッ
シュの蓋を取り付けておいてもよい。また、図ではスチ
ールプレート5を設けた側をホール側としているが、ス
チールプレート5を廊下側に設けてもよい。図8(b)
は、スチールプレート5を壁板材30の両側に配置した
構成であり、ホールを仕切って二つに分けるための仕切
り壁として用いている。
スチールプレート5を用いたが、屋根材として使われる
折版(金属、非金属を問わないが、不燃性或いは準不燃
性を備える素材から成るのがよい)等を用いることも可
能である。また、連結共鳴消音器として、空洞部を2つ
連結したダブル共鳴消音器を示したが、空洞部を3つ以
上連結した連結共鳴消音器としてもよい。
ば、折り曲げ板を用いて複数の共鳴消音器を構成してい
るから、個々に作成された共鳴消音器を複数配置する構
成に比べ、低コスト化が図れる。空洞部に仕切り板を設
けて更に複数の空洞部を作製する構成であれば、空洞部
の容積調整が行えるとともに、共鳴消音器の数を容易に
増やすことができる。複数存在している共鳴消音器によ
る吸音周波数を異ならせた構成であれば、全体として広
い範囲の周波数の音について消音が可能になる。隣接す
る二つの空洞部をパイプによって連結してダブル共鳴消
音器とした構成であれば、パイプの口径と長さが共鳴周
波数設計のパラメータとして加わるため、単一共鳴器型
に比べ、吸音特性の設計の自由度が高まる。折り曲げ板
が不燃材又は準不燃材から成る構成であれば、建屋の耐
火性も同時に向上することができる。折り曲げ板におけ
る山構成部位及び谷構成部位の両方に共鳴消音器を作製
する構成であれば、更に共鳴消音器の数を増やすことが
できる。
した縦断側面図である。
建屋吸音構造におけるスチールプレートの支持例を示し
た斜視図である。
示した斜視図である。
示した斜視図である。
示した斜視図である。
された建屋吸音構造の例を示した縦断側面図である。
された建屋吸音構造の他の例を示した縦断側面図であ
る。
された建屋吸音構造の例を示した横断平面図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 建屋の一部が折り曲げ板を有して構成さ
れており、前記折り曲げ板における波形状を利用して独
立した複数の空洞部が形成され、前記空洞部が開口部に
よって外部空間に連通することで複数の共鳴消音器が構
成されていることを特徴とする建屋吸音構造。 - 【請求項2】 請求項1に記載の建屋吸音構造におい
て、空洞部に仕切り板を設けることで当該空洞部が更に
複数の空洞部に分割形成されているとともに全ての分割
空洞部或いは任意の分割空洞部に対応して開口部を形成
して共鳴消音器を構成したことを特徴とする建屋吸音構
造。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の建屋吸音
構造において、複数存在している共鳴消音器による吸音
周波数を異ならせたことを特徴とする建屋吸音構造。 - 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
の建屋吸音構造において、隣接する二以上の空洞部を開
口部によって連結して連結共鳴消音器を構成したことを
特徴とする建屋吸音構造。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
の建屋吸音構造において、折り曲げ板が不燃材又は準不
燃材から成ることを特徴とする建屋吸音構造。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
の建屋吸音構造において、折り曲げ板が天井板の支持部
材として用いられ、この天井板が空洞部の形成に関与し
ていることを特徴とする建屋吸音構造。 - 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
の建屋吸音構造において、折り曲げ板が階上床の構成部
材として用いられていることを特徴とする建屋吸音構
造。 - 【請求項8】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
の建屋吸音構造において、折り曲げ板が階上床の床版上
に設けられ、この床版が空洞部の形成に関与しているこ
とを特徴とする建屋吸音構造。 - 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載
の建屋吸音構造において、折り曲げ板が壁の構成部材と
して用いられていることを特徴とする建屋吸音構造。 - 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれかに記
載の建屋吸音構造において、折り曲げ板における山構成
部位及び谷構成部位の両方に空洞部を形成し、全ての空
洞部或いは任意の空洞部に開口部を形成して共鳴消音器
を構成したことを特徴とする建屋吸音構造。 - 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれかに
記載の建屋吸音構造において、空洞部の密閉が溶接及び
/又は弾性シール材によって行われていることを特徴と
する建屋吸音構造。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001024680A JP4753477B2 (ja) | 2001-01-31 | 2001-01-31 | 建屋吸音構造 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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