JP3209661B2 - 共鳴型吸音板 - Google Patents

共鳴型吸音板

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JP3209661B2
JP3209661B2 JP17593995A JP17593995A JP3209661B2 JP 3209661 B2 JP3209661 B2 JP 3209661B2 JP 17593995 A JP17593995 A JP 17593995A JP 17593995 A JP17593995 A JP 17593995A JP 3209661 B2 JP3209661 B2 JP 3209661B2
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福治 宮里
賢一郎 旭
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Sekisui Jushi Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道、高架道路、
橋梁や高架道等の高架構造物の下部、あるいは堀割や半
地下道路の側面、高速道路、または一般ビルの壁面や地
下道の天井面等に取り付けられる共鳴型吸音板に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の吸音板として、例えば特
開平6−129029号公報に、コンクリート製で2種
類以上の異なる断面積の共鳴室が形成された吸音・遮音
パネル中空ユニットが記載されている。また、特公昭5
4−2006号公報に、中央部が曲折された多数の中空
ユニットが積み重ねられた騒音制御装置が記載されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の特
開平6−129029号公報に記載された吸音・遮音パ
ネルはコンクリート製のため重くて作業性に劣るという
欠点がある。また、共鳴室が断面横長の長方形状となさ
れ、吸音孔から入射された音が直接共鳴室の奥に到達
し、減衰されがたいという問題がある。また、特公昭5
4−2006号公報に記載された騒音制御装置は中空ユ
ニットが曲折された中央部が曲折された多数の中空ユニ
ットは両端部とも開口されており、遮音効果に乏しいと
いう問題がある。そこで本発明は上記の如き問題を解決
し、優れた吸音効果を有する共鳴型吸音板を提供せんと
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成としている。すなわちこの
発明に係る吸音構造体は、複数のスリットが形成された
前面板の背後に背面板が設けられ、前面板と背面板との
間が仕切板によりスリットごとに仕切られて複数の共鳴
室が形成され、各共鳴室の内壁がそれぞれ曲折されたも
のである。
【0005】
【発明の実施の形態】この発明による共鳴型吸音板によ
れば、密閉された共鳴室内での減衰効果が、共鳴室の内
壁が曲折されていることによる乱反射により、一層促進
される。すなわち密閉された共鳴室内に入射された音波
は通常該共鳴室内で反響し、共鳴しあって減衰される
が、共鳴室の内壁が曲折されていることにより、乱反射
が促進され、共鳴による減衰も促進され、共鳴室内での
減衰効果が増大し、吸音性能が向上するのである。
【0006】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照
し、具体的に説明する。まず、図1は本発明共鳴型吸音
板の一実施例を示す断面図であって、1は複数のスリッ
ト2が形成された前面板である。該前面板1の背後に背
面板3が設けられている。前面板1と背面板3との間が
仕切板4により、スリット2ごとに仕切られて複数の共
鳴室5が形成されている。
【0007】共鳴室5は、各共鳴室5間の仕切板4がそ
れぞれ曲折されており、それによって共鳴室5の内腔が
曲折されている。また、各共鳴室5ごとに背面板3の位
置が異なり前面板1と背面板3との間隔、すなわち奥行
き寸法が異なるようになされている。
【0008】図2の実施例は、隣接するスリット2、2
で区切られた前面板1の一部分と該前面板部分に連設さ
れた仕切板4の先端部に膨大部41が形成され、他の共
鳴室5内壁に蟻溝42が形成され、膨大部41が蟻溝4
2に着脱自在に嵌合されている。なお、共鳴室5内壁に
対し、仕切板4が着脱自在に嵌合されるのであれば、膨
大部と蟻溝の組合せにこだわらない。
【0009】図3の実施例は、共鳴室5の背後にさらに
第二の背面板6が設けられ、共鳴室5と第二背面板6間
に第二の共鳴室7が形成されている。この場合、共鳴室
5と第二共鳴室7との間の背面板3に図4のごとく小孔
8が穿設されていると、共鳴室5内で吸収されなかった
音波が第二共鳴室7に入り、第二共鳴室7でさらに吸収
されることになり、吸音性能が向上し好ましい。
【0010】
【発明の効果】上述の如く、本発明共鳴型吸音板は複数
のスリットが形成された前面板の背後に背面板が設けら
れ、前面板と背面板との間が仕切板によりスリットごと
に仕切られて複数の共鳴室が形成されると共に、各共鳴
室の内腔がそれぞれ曲折されているので、スリットから
入射され、共鳴室内で共鳴しあって減衰する騒音が曲折
された内腔によって複雑に反射して干渉し共鳴による減
衰も一層促進され、吸音効果が一層増大するのである。
【0011】また、複数の共鳴室はスリットごとに奥行
き寸法が異なるようになされているので、各共鳴室ごと
に周波数の異なる騒音が共鳴し、全体として低周波域か
ら高周波域に至る広範囲の騒音が吸収され、吸音性能が
優れるのである。
【0012】さらに、隣接するスリットで区切られた前
面板の一部分と該前面板部分に連設された仕切板とが他
の共鳴室内壁に対し、着脱自在となされた場合は形状の
異なる前面板部分および仕切板を用意しておくことによ
り、騒音発生源に応じた最適の共鳴室を得ることがで
き、特定の周波数域の騒音に絞って効果的に吸音するこ
とができる。
【0013】さらにまた、共鳴室の背後にさらに第二の
背面板が設けられ、共鳴室と第二背面板間に第二の共鳴
室が形成されている場合は、共鳴室で吸収されなかった
騒音の残余が第二の共鳴室で共鳴して減衰し、吸音性能
が一層向上すると共に、共鳴室と第二共鳴室とが開口部
により連通された場合は共鳴室で吸収されなかった騒音
の残余が円滑に第二共鳴室に移行し、吸音性能がより一
層向上することになり好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明共鳴型吸音板の一実施例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明共鳴型吸音板の他の実施例を示す一部切
欠斜視図である。
【図3】本発明共鳴型吸音板のさらに他の実施例を示す
断面図である。
【図4】本発明共鳴型吸音板のさらに他の実施例を示す
断面図である。
【図5】従来の吸音板を示す断面図である。
【図6】従来の吸音板を示す断面図である。
【符号の説明】
1 前面板 2 スリット 3 背面板 4 仕切板 41 膨大部 42 蟻溝 5 共鳴室 6 第二背面板 7 第二共鳴室 8 小孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/82 - 1/86 G10K 11/172 E01F 8/00 E01F 8/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のスリットが形成された前面板の背
    後に背面板が設けられ、前面板と背面板との間が仕切板
    によりスリットごとに仕切られて複数の共鳴室が形成さ
    れ、各共鳴室の内腔がそれぞれ曲折された共鳴型吸音
    板。
  2. 【請求項2】 前記複数の共鳴室はスリットごとに奥行
    き寸法が異なるようになされた請求項1記載の共鳴型吸
    音板。
  3. 【請求項3】 隣接するスリットで区切られた前面板の
    一部分と該前面板部分に連設された仕切板とが他の共鳴
    室内壁に対し、着脱自在となされた請求項1ないし2記
    載の共鳴型吸音板。
  4. 【請求項4】 共鳴室の背後にさらに第二の背面板が設
    けられ、共鳴室と第二背面板間に第二の共鳴室が形成さ
    れてなる請求項1ないし3記載の共鳴型吸音板。
  5. 【請求項5】 共鳴室と第二共鳴室とが開口部により連
    通された請求項4記載の共鳴型吸音板。
JP17593995A 1995-07-12 1995-07-12 共鳴型吸音板 Expired - Fee Related JP3209661B2 (ja)

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JP5206818B2 (ja) * 2011-02-14 2013-06-12 トヨタ自動車株式会社 車両用吸音構造体
KR102052618B1 (ko) * 2019-04-22 2019-12-05 주식회사 큐디앤 통풍형 방음패널 및 이를 이용한 방음벽
JP7306757B2 (ja) * 2021-06-10 2023-07-11 株式会社山本 吸音板ユニット及びそれを用いた吸音装置

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