JPH0578040B2 - - Google Patents

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JPH0578040B2
JPH0578040B2 JP63329283A JP32928388A JPH0578040B2 JP H0578040 B2 JPH0578040 B2 JP H0578040B2 JP 63329283 A JP63329283 A JP 63329283A JP 32928388 A JP32928388 A JP 32928388A JP H0578040 B2 JPH0578040 B2 JP H0578040B2
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Takeshi Okada
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TOSHO ENJINIARINGU KK
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はダクト騒音、建築物内騒音及びその他
の一般騒音の減衰に用いられる消音・吸音要素に
関する。更に詳述すると、本発明は、リアクテイ
ブ型の吸音体及びこれを利用した吸音ダクトに関
する。
(従来の技術) 一般に消音器は吸音型消音器と、リアクテ
イブ型消音器の2種に分類される。吸音型消音器
は、ガラスウール等の繊維状吸音材や多孔質板等
の吸音効果を利用したものであり、中−高音域の
音の減衰に対し特に有効であり、減衰効果が周波
数に対しほぼ単調に増減するという特性がある。
一方、リアクテエイブ型消音器は音波の干渉や
共鳴現象を利用して減衰するものであり、低−中
音域の音の減衰に対し特に有効であり、構造等か
ら決定される特定の周波数に対しスポツト的に減
衰効果があると特性がある。
そこで、従来は、騒音のピーク周波数帯域及び
その帯域広さに応じてリアクテイブ型消音器と吸
音型消音器が使い分けられたり、あるいは組合せ
て使われている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、近年、消音器の適用条件は年々
厳しくなり、高温場、極低温場や高速ガス流場で
の使用が多くなつてきている。これらの条件下で
は従来の繊維吸音材の適用は難しい。またそれに
代るものとしてセラミツクス等の多孔質材等も使
用され始めているが、吸音率が低い上に大重量
で、しかも高温である等の欠点を有する。
また、リアクテイブ型消音器の場合、第2図A
に示すように、その減音特性が消音器の容積並び
に入口径や首下長さ等の条件によつて決まる特定
周波数をピークとする峻嶮なカーブを描く減衰特
性を呈するため、共鳴周波数より少しずれると減
音効果は大巾に減少する欠点がある。このため、
従来のリアクテイブ型消音器では、広帯域化に対
応させるには特性の異なる消音器を多数組合せな
ければならず、場所をとり嵩張る欠点がある。
また、従来のリアクテイブ型消音器には、低周
波帯域での吸音特性に優れるコンパクトな吸音体
も見当らない。
本発明は、高周波域を広帯域の音に対し減衰効
果が大きいコンパクトなリアクテイブ型の吸音体
及びそれを利用した吸音ダクトを提供することを
目的とする。また、本発明は、従来よりもコンパ
クトで低周波帯域において減音効果の高いリアク
テイブ型の吸音体及びそれを利用した吸音ダクト
を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) かかる目的を達成するため、本発明の吸音体
は、互いに共鳴周波数の異なる少なくとも2段以
上の共鳴室を流体の流れの方向と直交する方向に
重ねて設けると共にこれら共鳴室同士及び音源側
の共鳴室と音源空間とを共鳴室内に突出する共鳴
筒で連通させるようにしている。
また、本発明の吸音体は、互いに共鳴周波数の
異なる少なくとも2段以上の共鳴室を重ねて設け
ると共にこれら共鳴室同士及び外部空間とこれに
隣接する共鳴室とを流体の流れと直交する方向に
共鳴室内に突出する共鳴筒で開口するようにして
いる。
また、本発明の吸音体は、騒音を伴う流れに沿
つて配置される共鳴室内に、前記流体の流れと直
交させて共鳴室内へ突出する共鳴筒を設け、この
共鳴筒を介して当該共鳴室を流体の流れと直交す
る方向に貫通させて連通するようにしている。
また、上述の本発明の吸音体は、平面状に配置
することによつて吸音パネルを構成し、更にこの
吸音パネルをダクト内に流れに沿つて配置し、共
鳴室の開口を流れと直交方向に配置することによ
つて吸音ダクトを構成している。
また、互いに共鳴周波数が異なる少なくとも2
段以上の共鳴室を径方向に重ねたセルを円周方向
並びに軸方向に配置して内側に流路を形成する円
筒体とし、各セルの共鳴室同士及び流路とれこに
隣接する共鳴室とを、若しくは一部のセルについ
て内側の流路ないし外側の流路と隣接する共鳴室
とを、あるいは内外の流路とそれに隣接する共鳴
室とを夫々流れと直交する方向に共鳴室内へ突出
する共鳴筒で連通させることによつて円筒状の吸
音体を構成している。
そこで、この円筒吸音体をダクト内に俵積みな
いし直列状に積み重ねることによつつて吸音ダク
トを構成している。また、本発明の吸音体は、共
鳴筒を流れの方向と平行なスリツトとしたり、共
鳴室を構成するセルと別体にして着脱可能として
いる。更に、本発明の吸音体は共鳴室の入口に薄
膜を貼着したことを特徴としている。
(作用) したがつて、重ねられた共鳴室内に音だけが入
り、減衰特性の異なる多自由度系多段共鳴器内に
おいて多重共鳴を起こす。このため、各共鳴器の
共鳴周波数から離れた周波数帯域における減衰量
の落ち込みを引上げて緩やかに低下する減衰特性
を得る。即ち、第2図B,Cに示すようにf01
f02の共鳴周波数を有する共鳴型吸音構造体を互
いに独立させて形成すると、仮想線で示すような
減衰特性となるが、多重共鳴を起こさせると、実
線で示すように2つの共鳴周波数から離れた周波
数帯域特に両共鳴周波数の間において減衰効果が
得られ吸音材を使用した消音器の減衰特性に近づ
いて行く。ある程度共鳴周波数を接近させると、
前述の峻嶮な周波数特性が緩和されて広く減衰効
果のある消音器が得られ、ほとんど重なつてくる
と減衰量が増大する。
また、共鳴室の音の入口を流体の流れと直交す
る方向に開口し、かつ共鳴室の両端から騒音を流
入させる場合、減衰量の増大が見られ、特に1重
共鳴時には低周波数帯域における減衰量の増大が
顕著である。
(実施例) 以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基づ
いて詳細に説明する。
第1図に本発明の吸音体の原理を示す。この吸
音体1は互いに容積の異なる、即ち互いに共鳴周
波数の異なる共鳴室2,3を2段重ねて設け、各
共鳴室2,3及び騒音を伴う流体の流路4とを共
鳴筒5,6で連通させるようにして成る。即ち、
2自由度系共鳴型ヘルムホルツ共鳴器を構成して
いる。ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数は共鳴室
2,3の容積、共鳴筒5,6の穴径(D)、首部長さ
(共鳴筒の入口から出口までの長さ:L)によつ
て決まる。したがつて、これら要素を適宜設計す
ることによつて任意周波数の騒音を減衰させるこ
とができる。しかも、この多段共鳴型吸音構造体
は多重共鳴を惹き起こし、ヘルムホルツ共鳴器特
有の共鳴周波数から離れた周波数帯域における減
衰率の急激な落ち込みを防いで減衰効果のある帯
域を広げる減衰特性を得る。そこで、各段の共鳴
器の共鳴周波数を減衰しようとする騒音等のピー
ク周波数を中心として多重共鳴効果のある範囲内
で適宜設定すれば、ある一定周波数帯域において
吸音材とほぼ同様に周波数に対しほぼ単調に増減
する減衰特性を得ることができる。
また、本吸音体1において、共鳴穴7と首部8
を構成する共鳴筒5,6は、本実施例の場合、図
示の如く共鳴室を構成するシエル13とは別構造
に形成されて着脱可能とされ、内径Dや首下長さ
の異なる他の共鳴筒と交換することによつて容易
に共鳴周波数を変えられるように設けられてい
る。勿論、使用環境などに変化が乏しく共鳴周波
数の変更が必要とされない場合にには、共鳴筒
5,6は共鳴室2,3を構成するセル13と一体
的に成形しても良い。また、流体の流れを伴う場
合、音源ないし流路4側の共鳴室2の音の入口例
えば共鳴筒5の共鳴穴7等には、第7図に示すよ
うに薄膜9が貼着されて流れが筒内に流入しない
ように設けられている。共鳴室に流れが入ると、
入口部分に定在渦が発生して音響共鳴を阻害して
一般に減衰特性が落ちる。そこで、共鳴筒5の入
口に貼着される薄膜9は、流れの流入を阻止しか
つ音の流入を妨げない程度の厚さ、材質等から成
るものであることが必要であり、通常テトラフロ
オロエチレン(商品名:テフロン)等のプラスチ
ツクフイルム、和紙、フエルト、金属箔これらの
ラミネート紙等の使用が好ましい。
また、共鳴室2,3は本実施例の場合、セルの
製作を容易にするため軸直角断面積は同じにして
奥行き深さを変えることによつて共鳴室容積を異
ならせ共鳴周波数を異ならしている。勿論、双方
の共鳴室2,3の容積を同じとすることも可能で
ある。尚、本実施例の場合、共鳴室の容積は一定
であるが、ベローズや二重筒等を使用して可変容
積とすることも可能である。以上のように構成さ
れた吸音体1は、構築物等の壁面に直接埋設して
吸音壁を構成したり、多数集合させて枠体に固定
しパネル状としたり、円筒状に多数配置して吸音
体1自体でダクトを形成したり、あるいは円筒形
状の吸音体を形成し、更にこのパネルを組合せて
複合吸音パネルを形成したり、ダクトに配置して
吸音ダクトを構成することも可能である。
第3図Aに上述の吸音体を利用した吸音パネル
の実施例を示す。この吸音パネル10は枠体11
内に共鳴室2,3を2段以上重ねた多数の吸音体
1を基盤の目状に配置して成る。1枚のパネル内
に形成される吸音体1は同じ減衰特性を有するも
のであつても良いが、減衰特性の異なる幾つかの
群あるいは全て減衰特性の異なるものを組合せて
も良い。この吸音パネル10は、例えば、第4図
A,Bに示すように、ます目のように交差させて
嵌込み可能な枠板11A,11Bを組合せること
によつて容積の異なる2種類の共鳴室を形成する
ことによつて製作される。即ち、パネル10の一
辺の長さに等しい枠板11A,11Bに一定間隔
あるいは所定間隔でスリツト12を設け、これら
をスリツト12部分を嵌め合せるようにして組合
せることによつて枡目状に区画された同じ共鳴容
積の多数のセル13あるいは異なる共鳴容積の多
数のセル13を構成する。次いで、このセル13
の上に共鳴筒5を挿入する穴14を各セルに対応
する位置に穿孔して成るパネル15を載置して枠
板11A,11Bと接合し、2段目の共鳴室3を
形成する。そして、各穴14に所定の共鳴筒5を
嵌め込む。次に、パネル15の上に再び櫛歯状板
11A,11Bを組合せて成るシエル13を載置
し、更にパネル16を接合して1段目の共鳴室3
を構成する。そして、各穴14に所定の共鳴筒4
を嵌め込む。
また、第5図A,Bに示すように共鳴筒5,6
を挿入する穴18を有する小さな円筒17を枠1
1内に多数並べて共鳴室2,3を形成することも
可能である。この場合、円筒17の径を変えるこ
とによつて一つのパネル内に共鳴容積の異なる多
数共鳴室を容易に形成することが可能となる。
第3図Bに複合吸音パネルの一実施例を示す。
この複合吸音パネルは、減衰特性の異なる第3図
Aの吸音パネルを選択的に組合せ、枠体18内に
組込んだものである。該パネルは、音源に対して
遮蔽物として使用することも可能であるし、道路
等の道幅の両端に対向設置して走行車両の騒音を
吸音する遮音板として使うことも可能である。
第6図に本発明の吸音体を利用した吸音ダクト
の実施例を示す。この吸音ダクトは、上述のよう
に構成した吸音パネル10をダクト19内に流体
の流れに沿つて設置して成る。この場合、吸音パ
ネル10は対向設置し、その間に流体が流れるよ
うに設けることが好ましい。この吸音パネル10
の設置間隔は狭いほど音の減衰に効果的であり、
特に騒音の1/2波長の間隔をとるときに最も高い
減衰効果が得られる。
第9図A,Bに他の実施例を示す。この実施例
は、第1図に示す吸音体1を環状に配置すること
によつて、ダクト20を形成したものである。例
えば、少なくとも2段以上の共鳴室2,3を径方
向に重ね、各共鳴室2,3を共鳴筒5,6で連結
して成る吸音体1を円周方向に多数配置して筒状
体に形成し、その内部に騒音を伴う流体の流路4
を形成するようにしている。この場合、内周寄り
の共鳴室2と外周寄りの共鳴室3とでは容積が異
なり、異なる共鳴周波数を有する。ダクトを構成
する吸音体セル13は、円周方向及び軸方向に互
いに音響的に独立しており、ダクトの内周面に相
当する側が開口され、内側の流路4を流れる流体
に対して直交する方向に共鳴室2,3が重ねて配
置され、音だけが共鳴室2,3に入るように設け
られている。この場合、ダクト20内に流体が流
れるので、第7図に示すように、定在流体及び外
側の空間22を筒状吸音体35に沿つて流れる流
体に対して直交する方向に共鳴室2,3及び音の
入口7,32が重ねて配置されることとなる。そ
こで、騒音が円筒吸音体35の内外から共鳴室
2,3内へ入り、多重共鳴を引き起こして減音さ
れる。共鳴筒5,6は好ましくは共鳴室2,3を
構成するセル部材33とは別体に形成され、共鳴
室2,3に対し着脱自在に設けられている。この
ことによつて、共鳴筒5,6の共鳴穴7の径D、
首部8の首下長さなどを適宜変更し、共鳴周波数
を変更可能としている。勿論、共鳴室2,3を構
成する部材33と一体的に形成することも可能で
ある。
第15図に他の実施例を示す。この実施例は完
全開放型の一段の共鳴室によつて低周波数帯域に
おける減音効果を高めたものである。この吸音体
41は流体の流れに対して直角な方向に筒抜けと
なつている一段の共鳴室2を設け、該共鳴室2の
音の入口42の少なくとも一方に共鳴筒5を設け
て成る。共鳴筒5は前述した実施例と同じく、共
鳴室2を構成するセル43と別体に形成して着脱
可能とするか、あるいはセルと一体に形成してい
る。また、共鳴室2は流れに直角な方向に音の入
口7,42を設けて開口し、流体の流れと直交す
る方向において音が共鳴室2に入るように設けら
れている。音の入口の穴7即ち共鳴穴及び穴42
の径は、前述の通り設定共鳴周波数との関係にお
いて決定される。
また、第16図に他の実施例を示す。この実施
例は第15図の吸音体を使つて低周波数帯域にお
ける減衰に効果的な円筒吸音体45を構成したも
のである。この吸音体45は、互いに音響的に独
立した共鳴室2を円周方向並びに軸方向に配列し
て、全体として円筒体に形成したものである。各
共鳴室2は径方向に貫通するように共鳴筒5及び
穴42を設け、円筒吸音体45の内側の空間4,
22を流れる流体に対し直交する方向に音を取入
れるように設けられている。
第11図及び第15図示す吸音体は第1図の吸
音体と同様に平面状に多数配置することによつ
て、例えば第14図及び第17図に示すように吸
音パネル36,46や吸音壁等を構成することも
できる。
また、第11図又は第15図に示す吸音体3
1,41を利用して形成された円筒吸音体35,
45をブロア排気ダクト51やその他の騒音を伴
う流れの中に流れの方向に筒体の長手方向が一致
するように設置することによつて吸音ダクト50
を構成することができる。このとき、円筒吸音体
35あるいは45はダクト51内に千鳥配列で積
み重ねたり[第13図A]、直列配列によつて積
み重ねられる[第13図B]。この場合、各円筒
吸音体35,45の中の流路4の他、吸音体3
5,45と吸音体35,45との間にも略三角形
ないしひし形の流路22が形成される。
尚、上述の実施例は好適な実施例の一つではあ
るがこれに限定されるものではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば、共鳴筒5,6としては、フランジ
を有する円筒形について説明しているが、スリツ
トすることもある。この場合、スリツトを流れの
方向に対して平行にあるいは直交させて配置する
と、細かな共鳴室を多数設けなくとも同様の減衰
特性を得ることができ、吸音パネルの製作が容易
かつ低コストにできる。また、共鳴室2,3を区
画するシエル13をベローズ等で形成して可動式
とし共鳴容積を可変とすれば、及び/又は共鳴筒
5,6の首部長さLや内径Dを可変式とすれば、
使用中に共鳴周波数を変更し得るので、アクテイ
ブコントロール型消音器を構成できる。また、共
鳴室2,3は本実施例の場合、2段としているが
これに限定されるものでなく、3段あるいはそれ
以上形成しても良い。
以上のように本発明の吸音体は構成したのでリ
アクテイブ型であり、かつコンパクトな構造であ
りながら、広い帯域に亘つて減衰効果を発揮でき
る。例えば、第8図に第6図の吸音ダクトについ
て行つた実施例を示す。
(発明の効果) 以上の説明より明らかなように、本発明の吸音
体は、互いに共鳴周波数の異なる少なくとも2段
以上の共鳴室を流体の流れの方向と直交する方向
に重ねて設けると共にこれらを共鳴室内へ突出す
る共鳴筒で連通しているので、多重共鳴を起こ
し、各共鳴器の共鳴周波数からずれた周波数帯域
においても減衰量の落ち込みを緩やかにして広帯
域において減衰効果のある減衰特性をリアクテイ
ブ型で実現できる。このような特性は共鳴周波数
が少しずつずれた共鳴器を多数組合せることによ
つても実現できるが、同じ特性を得る場合、本発
明の方がはるかに少ない数の共鳴室によつて極め
てコンパクトにできる。また、本発明の吸音体に
おいて、共鳴筒をシエルとは別構造にして着脱可
能にすると、異なる寸法の共鳴筒と交換すること
によつて減衰特性を容易に変更できるし、吸音体
を容易かつ安価に製作できる。また、本発明の吸
音体において流路側の共鳴筒の入口に薄膜を貼着
すれば、流れを伴う場合には流れの共鳴室への流
入を防いで定在渦の発生を抑制し、減衰特性の劣
化を防ぎ得る。更に、減衰特性の異なる吸音体を
組合せれば、コンパクトな構造にもかかわらず広
い帯域において減衰可能でかつ目的の性能をもつ
た吸音パネルを容易に作ることができる。更に、
吸音パネルをダクト内に流れに沿つて配置するこ
とによつて吸音ダクトを構成する場合、ガラスウ
ール等の繊維質吸音材を使用した吸音ダクトと同
等の減衰効果、即ち特定の周波数の騒音だけでな
く高音域を含む広帯域の音に対し減衰効果をあげ
得ることができる。しかも、この吸音ダクトはそ
れ自体が繊維吸音材に比べて経年変化や水分等の
影響を受け難いので使用条件に制約を受けず、高
温場、極低温場、高速流れ場等においても使用可
能である。更に、セラミツクス等の吸音材に比べ
て軽量かつ安価であると共に減衰効果も高い。
また、本発明の吸音体は、共鳴質の音の出入口
を流れに対し直交する方向に貫通させて設け、両
方から騒音が入り多重共鳴を起こすようにしてい
るので、共鳴周波数は変わらないが一面にだけ開
口部を有する場合に比べて減音量が相当大きくな
る。このため減音量を同じにする場合には、円筒
吸音体を短くコンパクトにできる。例えば、この
円筒吸音体をダクト例えばブロアの排気ダクト内
に千鳥状ないし直列状に積み重ねて充填する場
合、円筒吸音体内の流路を流れる騒音だけでな
く、隣接する吸音体同士の隙間に形成される流路
を通る流れの騒音も同時に共鳴室内に入り多重共
鳴を起こすため、共鳴周波数は変らないが減音量
が大幅に増大する。
また、本発明の消音器を環状に配置して円筒体
を形成しダクトを構成する場合、圧力損失を大き
くせずに騒音の発生を抑えることができる。
また、一段の共鳴室に流れと直交する方向の開
口を設けて音が入るようにする場合、高周波数帯
域における減衰は期待でないが低周波数帯域に共
鳴周波数が得られ、しかも減音量が大幅に増大す
るので筒長さを短くコンパクトにできる。
【図面の簡単な説明】
第1図Aは吸音体の原理を示す中央断面図、第
1図Bは共鳴筒の斜視図、第2図Aは従来のリア
クテイブ型消音器の減音特性を示すグラフ、第2
図B,Cは本発明の減音特性を示すグラフ、第3
図Aは吸音体パネルの外観を示す斜視図、第3図
Bは同パネルを更に組合せた複合吸音パネルの一
例を示す斜視図、第4図Aは吸音パネルの平面
図、第4図Bはその−線概略断面図、第5図
Aは吸音パネルの他の実施例を示す平面図、第5
図Bはその−線概略断面図、第6図は吸音ダ
クトの一例を示す斜視図、第7図は吸音体の他の
実施例の原理を示す中央縦断面図、第8図は吸音
ダクトの減衰効果を示すグラフである。第9図
A,Bは円筒吸音体の一実施例を示し、Aは横断
面図、Bは中央半截縦断面図である。第10図
A,Bは円筒吸音体の他の実施例を示し、Aは横
断面図、Bは中央半截縦断面図である。第11図
は本発明の他の吸音体の原理を示す中央縦断面
図、第12図A,Bは第11図の吸音体を利用し
た円筒吸音体の一実施例を示し、Aは横断面図、
Bは中央半截縦断面図、第13図A,Bは円筒吸
音体をダクト内に配置した実施例の説明図、第1
4図は第11図の吸音体を利用した吸音パネルの
一例を示し、Aは横断面図、Bは正面図である。
第15図は他の吸音体の原理を示す中央縦断面
図、第16図A,Bは第15図の吸音体を利用し
た円筒吸音体の一例を示し、Aは横断面図、Bは
中央半截縦断面図である。第17図A,Bは第1
5図の吸音体を利用した吸音パネルの一例を示す
もので、Aは横断面図、Bは正面図である。 1,31,41……吸音体、2,3……共鳴
室、5,6……共鳴筒、7……共鳴穴、8……首
部、9……薄膜、10,36,46……吸音パネ
ル、11……枠体、13,17,33,43……
セル、18……複合吸音パネル用枠体、19……
ダクト、20……ダクト、35,45……円筒吸
音体、50……吸音ダクト。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 互いに共鳴周波数の異なる少なくとも2段以
    上の共鳴室を流体の流れの方向と直交する方向に
    重ねて設けると共にこれら共鳴室同士及び音源側
    の共鳴室と音源空間とを前記共鳴室内に突出する
    共鳴筒で連通させて成ることを特徴とする吸音
    体。 2 互いに共鳴周波数の異なる少なくとも2段以
    上の共鳴室を径方向に重ねたセルを円周方向並び
    に軸方向に配置して内側に流路を形成する円筒体
    とし、各セルの共鳴室同士及び前記流路とこれに
    隣接する共鳴室とを流体の流れと直交する方向に
    前記共鳴室内に突出する共鳴筒で連通させたこと
    を特徴とする吸音体。 3 互いに共鳴周波数の異なる少なくとも2段以
    上の共鳴室を径方向に重ねたセルを円周方向並び
    に軸方向に配置して内側に流路を形成する円筒体
    とし、前記セルの一部は共鳴室同士及び内側の流
    路とこれに隣接する共鳴室とを、一部のセルは共
    鳴室同士及び円筒体の外側の空間とを、夫々流体
    の流れと直交する方向に前記共鳴室内に突出する
    共鳴筒で連通させることを特徴とする吸音体。 4 互いに共鳴周波数の異なる少なくとも2段以
    上の共鳴室を重ねて設けると共にこれら共鳴室同
    士及び外部空間とこれに隣接する共鳴室とを流体
    の流れと直交する方向に前記共鳴室内に突出する
    共鳴筒で開口することを特徴とする吸音体。 5 互いに共鳴周波数の異なる少なくとも2段以
    上の共鳴室を径方向に重ねたセルを円周方向並び
    に軸方向に配置して内側に流路を形成する円筒体
    し、各セルの共鳴室同士及び前記円筒体の内方及
    び外方の空間とこれに隣接する共鳴室とを流体の
    流れと直交する方向に前記共鳴室内に突出する共
    鳴筒で連通することを特徴とする吸音体。 6 騒音を伴う流れに沿つて配置される共鳴室
    に、前記流体の流れと直交させて前記共鳴室内へ
    突出する共鳴筒を設け、該共鳴筒を介して当該共
    鳴室を流体の流れと直交する方向に貫通させて開
    口することを特徴とする吸音体。 7 音響的に互いに独立した多数の共鳴室を円周
    方向並びに軸方向に配置して内側に流路を形成す
    る円筒体とし、該円筒体の円周面と外周面に相当
    する各共鳴室の面に流体の流れと直交する径方向
    に前記共鳴室内に突出する共鳴筒を設けて開口す
    ることを特徴とする吸音体。 8 請求項1又は4若しくは6記載の吸音体を一
    平面上に多数配置してパネル状としたことを特徴
    とする吸音体。 9 前記共鳴筒は流体の流れの方向に平行なスリ
    ツトを構成することを特徴とする請求項1ないし
    8のいずれかに記載の吸音体。 10 前記共鳴筒は共鳴室を構成するシエルと別
    体とし、前記共鳴室内への突出長さと内径のいず
    れか一方若しくは双方を異にする共鳴筒と交換可
    能としたことを特徴とする請求項1ないし9のい
    ずれかに記載の吸音体。 11 流体流路側に配置された共鳴室の音の入口
    に薄膜を貼着したことを特徴とする請求項1ない
    し10のいずれかに記載の吸音体。 12 前記パネル状吸音体をダクト内に流体の流
    れに沿つて設置し、流れと直交する方向に共鳴室
    の開口が配置されたことを特徴とする請求項8、
    9、10若しくは11のいずれかに記載の吸音ダ
    クト。 13 前記パネル状吸音体は少なくとも2枚1組
    を流れを挾んで対向設置していることを特徴とす
    る請求項12記載の吸音ダクト。 14 請求項3、5、7、9、10若しくは11
    のいずれかに記載の吸音体をダクト内に流れの方
    向と平行に配置して俵積みし、ダクト内を充填し
    たことを特徴とする吸音ダクト。 15 請求項3、5、7、9、10若しくは11
    のいずれかに記載の吸音体をダクト内に流れの方
    向と平行に配置し、直列状に積み重ねて充填した
    ことを特徴とする吸音ダクト。
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