JP3930252B2 - ガスタービン燃焼器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガスタービン燃焼器に関し、特にガスタービン燃焼器の壁の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のガスタービンの燃焼器の構造が図16に示されており、図16の(A)は吸気車室内における燃焼器の配置を示す図であり、ガスタービンの燃焼器10は外側ケーシング21と内側ケーシング22から成るケーシング20で形成される略環状の車室30内に複数個配置される(図では1個のみ示す)。
圧縮機から出た空気は吸気車室30に入り、燃焼器10の周囲を通って燃焼器上部の空気取り入れ口11から燃焼器10の内部に入り、別途燃料ノズル40から導入された燃料と予混合された後、燃焼器10内で燃焼され、燃焼ガスはタービンに供給される。
【0003】
図16の(B)は、図16の(A)における(B)部を拡大して断面で示した図であって、燃焼器10の壁100は、燃料ノズル40の側の真っ直ぐに延びる第1壁200とタービン室側の傾斜した第2壁200’と、から構成され、第1壁200は冷却空気が通る隙間205を設けた冷却壁とされ、第2壁200’は蒸気冷却される2重壁とされていて、両者はスプリングクリップ105を介して連結されている。
【0004】
図17の(A),(B)は、燃焼器10の周りをカバー50で被い、対流冷却通路60を形成し、圧縮機を出た空気をこの対流冷却通路60に導いて燃焼器10を冷却してから燃焼器10の内部に導くようにしたものを、図16の(A)、(B)と同様な見方でそれぞれ示したものであって、燃焼器10の第1壁200、第2壁200’は図16の(B)に示したのと同じ構造を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図16の(B)、図17の(B)に示した、第1壁200、第2壁200’は、両者共に、音響的には非常に剛な境界であり、音波はほとんど透過しない。従って、燃焼器10内の音場の共鳴倍率が高くなり、いわゆる燃焼振動現象を引き起こしやすい。
【0006】
燃焼振動現象とは、燃焼変動の発生により発生した燃焼ガスの圧力変動の、音場の固有振動数に対応する、周波数成分が増幅されて燃焼器10内の圧力変動がさらに大きくなり、その結果、燃焼器10内に流入する燃料や空気量が変動し、益々大きな燃焼変動に成長していくものである。
特に、燃焼器10の断面内に発生する音響モードに対応する高周波の燃焼振動は、燃焼器10の壁100の音響特性に強く影響され、燃焼器10の壁100が音響的に剛な場合に非常に発生しやすい。
【0007】
そして、近年の、排気ガス規制の強化、特にNOxの規制の強化にともない、燃料の量に対する空気の量の比、すなわち空燃比が大きな希薄燃焼をおこなわねばならなくなってきている。このように希薄燃焼をおこなうと燃焼変動が発生しやすく、それにともなって燃焼ガスの圧力変動が発生しやすい。したがって、燃焼ガスの圧力変動が音場で増幅されることを防止し、燃焼振動の発生を抑制する燃焼器を提供することが強くもとめられている。
【0008】
本発明は上記問題に鑑み、燃焼振動の発生を防止したガスタービン燃焼器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、吸気車室内に配置される燃焼器の壁の一部または全部を、燃焼器内で発生した燃焼変動の音響エネルギを吸収し得る音響エネルギ吸収部材で形成し、同音響エネルギ吸収部材が、多孔板の孔径が複数種類ある多孔板と、多孔板の半径方向外側に離間配置された背後板から構成されたガスタービン燃焼器が提供される。
この様に構成されたガスタービン燃焼器では燃焼器内で発生した燃焼変動の音響エネルギは燃焼器の壁の音響エネルギ吸収部材の多孔板と背後板の間に形成される共鳴吸音壁で吸収されるので燃焼振動現象が発生することが防止される。また、多孔板の孔の径が複数種類とされ、異なる周波数の音響エネルギを吸収することができる。
【0012】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、背後板に孔が形成され、背後板の孔によっても音響エネルギが吸収される。
請求項3の発明では、請求項1の発明において、多孔板と背板の間にハニカム板が配設され、空気層を仕切ることにより共鳴吸音壁としての効果をより高めている。
請求項4の発明では、請求項1の発明において、多孔板の孔の径が5mm以下とされる。
請求項5の発明では、請求項1の発明において、多孔板の孔の、燃焼器長手方向間隔L1と燃焼器周方向間隔L2が、0.25≦L1/L2≦4とされる。
請求項6の発明では、請求項1の発明において、多孔板の孔の間隔が不均等にされ、異なる周波数の音響エネルギを吸収することができる。
請求項7の発明では、請求項1の発明において、多孔板と背後板の間の距離が不均等にされ、異なる周波数の音響エネルギを吸収することができる。
請求項8の発明では、請求項1の発明において、多孔板の厚さが不均等にされ、異なる周波数の音響エネルギを吸収することができる。
請求項9の発明では、請求項1の発明において、多孔板が蒸気冷却される。
請求項10の発明では、請求項1の発明において、多孔板と背後板の間に冷却空気が導入され、多孔板の冷却が良好におこなわれる。
【0013】
請求項11の発明では、請求項1の発明において、音響エネルギ吸収部材の径方向外側に音響エネルギ吸収部材を離間被覆するカバー部材が配設され、多孔板と背後板で形成される吸音共鳴壁の後に背後空気層を介して剛壁が存在することになり、背後空気層の厚みによりチューニングされた吸音壁を有することになる。従ってこの場合はさらに燃焼器の内部で音がこもりにくく、より燃焼振動は発生しにくくなる。
請求項12の発明では、請求項11の発明において、音響エネルギ吸収部材とカバー部材の間に冷却空気が導入される。
請求項13の発明では、請求項1の発明において、音響エネルギ吸収部材が、周方向、および、または、長さ方向に延伸するフレームで補剛されている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係り本発明者が検討した検討例および本発明の実施形態について説明する。
初めに、第1の検討例について説明する。図1は第1の検討例にける燃焼器10の壁100の構造を示す図であって、第1の検討例における燃焼器10の壁100の第1壁110、第2壁110’はともに周方向に波形にされた薄い波板から構成されている。第1壁110と第2壁110’の連結部では波形ではなく互いに単純な円筒にされてスプリングクリップ105で結合されている。
第1壁110、第2壁110’共に、厚さが薄いのでフレーム111、111’で周方向に補剛され、必要に応じて、さらにフレーム112、112’で軸方向にも補剛される。
【0015】
第1の検討例の燃焼器10の壁100の第1壁110、第2壁110’は薄い波板で構成されており、圧力変化に応じて半径方向に伸縮することができる。したがって、断面方向の音場が誘起された場合に、そのモードに応じて第1壁110、第2壁110’が半径方向に伸縮し、吸音効果を発揮し、燃焼器10内での音のこもりは小さくなり、共鳴倍率が小さくなって燃焼振動が発生しにくい。また、第1壁110、第2壁110’の厚さは薄いので、外側を流れる空気で充分冷却される。
【0016】
図2の(A),(B)は第1の検討例の第1変形例の構造を示す図であって、この第1変形例は、従来技術に関し図17の(A),(B)で説明したのと同様に、対流冷却通路60を有する燃焼器を適用した例である。
【0017】
図3の(A),(B)は第1の検討例の第2変形例の構造を示す図であって第1壁110、第2壁110’がそれぞれ、複数の壁部分110a,110b,110c等、および110’a,110’b等に軸方向に分割され、分割された壁の端部同士が互いに重ね合わせて結合されている点が第1の検討例と異なる。なお、図3の(B)は分かりやすくするために拡大して示してある。
この様な構造とすることにより、重ね合わせた部分で振動しやすくなると共に、重ね合わせた部分の互いの摩擦によって振動を減衰する効果も得ることができるのである。
【0018】
図4は第1の検討例の第3変形例の特徴部分を示す図であって、この第3変形例は、燃焼器10の冷却が不足する場合の対策として有効なものであって、第2変形例に対して、重ね合わせ部分の一方に、この場合は内側にある方の壁部分110bに、図示のように微小波型を形成して、その結果形成される隙間115を介して冷却空気を燃焼器10の内部に導入するようにしてものである。
なお、隙間115を形成する方法は、このように、微小波型を形成する方法に限られるものではなく、一方に溝を切ったり、あるいは、周方向に連続しないスペーサを挟む等の他の適当な方法でよい。
【0019】
なお、第2変形例のように、対流冷却通路を有する場合においても、第3、第4変形例のように、壁を分割して重ね合わせで連結し、あるいは、さらに、重ね合わせ部に空気通路を形成するようにすることも可能である。
また、第2変形例、第3変形例において、分割波板の大きさ、厚さを燃焼変動の複数の周波数成分に合わせて変更することにより、燃焼変動の複数の周波数成分を吸収することができる。
【0020】
次に、第2の検討例について説明する。図5の(A)、(B)が第2の検討例の構造を示す図であって、この第2の検討例においては、燃焼器10の壁100を構成する第1壁120、第2壁120’は共に、セラミック等の耐熱性があり、流れ抵抗の非常に大きな多孔質材料121、121’を、多孔板122、123、および122’、123’で半径方向外側と半径方向内側から鋏んで形成されており、補剛のためにさらに外側の多孔板122、122’が周方向のフレーム124、124’、および軸方向のフレーム125、125’で保持されている。
第2の検討例は上記のように構成され、音響エネルギーは外部に逃げやすく、燃焼器10内で音のこもりは小さくなり、共鳴倍率が小さくなって燃焼振動が発生しにくくなる。
【0021】
図6は第2の検討例の変形例を示す図であって、第2の検討例に対して、外側に対流冷却通路60を持つ点が異なる。このようにすることによって、燃焼器10内部から見た場合、多孔質材121、121’の後ろに背後空気層を介して剛壁が存在することになり、背後空気層の厚みによりチューニングされた吸音壁を形成することになる。従ってこの場合はさらに燃焼器10内部で音がこもりにくく、より燃焼振動は発生しにくくなる。
【0022】
次に、本発明の実施形態1について説明する。図7の(A)、(B)が実施形態1の構造を示す図であって、燃焼器10の壁100を構成する第1壁130と第2壁130’は半径方向内側の多孔板131、131’と、該多孔板131、131’からスペーサ132、132’を介して半径方向外側に離間配置された背後板133、133’で形成されており、多孔板131、131’と背後板133、133’には、それぞれ、孔134、134’と孔135、135’が形成されている。
【0023】
実施形態1はこの様に構成され、多孔板131と背後板133の間に、いわゆる共鳴吸音壁が形成され、多孔板が音圧に対する抵抗となり、音圧エネルギを低減するが、背後板133、133’の孔135、135’から共鳴吸音壁の内部に空気を導き、その空気で共鳴吸音壁を冷却してから燃焼器内に導くようにされている点が、通常の共鳴吸音壁と異なる。
また、燃焼器10の複数の音響固有値に対応して、それを、減衰できるように、第1壁130に就いては、多孔板131と背後板133の間の隙間距離は、均一ではなく、また多孔板131の厚さも均一とはされておらず、また、多孔板131の孔134の径も均一ではない。なお、背後板133の孔径は均一にされている。
【0024】
この例では、軸方向で、多孔板131の厚さ、隙間、を変更し、周方向で孔134の径の大きさを変更しているが、どの方向で、どのパラメータを変更するかの選択は自由である。
【0025】
図8の(A),(B)は実施形態1の第1変形例の構造を示す図であって、実施形態1に対して、外側に対流冷却通路60を持つ点が異なる。このようにすることによって、第1の検討例に対する第1変形例と同じように、燃焼器10の内部から見た場合、多孔板131、131’と背後板133、133’で形成される吸音共鳴壁の後ろに背後空気層を介して剛壁が存在することになり、背後空気層の厚みによりチューニングされた吸音壁を有することになる。従ってこの場合はさらに燃焼器10の内部で音がこもりにくく、より燃焼振動は発生しにくくなる。
【0026】
図9の(A),(B)は実施形態1の第2変形例の構造を示す図であって、図10は図9の(B)のX-X 線に沿って見た断面図であり、図11は図9の(B)のXI-XI 線に沿って見た断面図であり、この実施形態1の第2変形例はスペーサ132、132’の代わりにハニカム材136、136’を配した点が、実施形態1と異なる。
実施形態1の第2変形例は上記のように構成され、実施形態1と同様の効果を発生することができる。
なお、この第2変形例に対しても、第1変形例のように対流冷却層60を設けることができる。
【0027】
次に、実施形態1の第3変形例について説明する。図12が実施形態1の第3変形例の構造を示す断面図であって、燃焼器10の壁100は、第1壁140と第2壁140’で構成されるが、第1壁140と第2壁140’は半径方向内側の多孔板141、141’と、該多孔板141、141’から半径方向外側に離間配置された共通の背後板142で形成されている。実施形態1、および、その第1〜第2変形例と同様に、多孔板141,141’には、孔143、143’が形成されており、背後板には孔144が形成されている。
【0028】
しかしながら、背後板142は第1の検討例の第1変形例、第2の検討例の変形例、実施形態1の第1変形例における対流冷却通路60を形成するためのカバー50と同じような位置に配設されており、背後板142と多孔板141,141’との離間距離が大きい点が実施形態1、および、その第1〜第2変形例と異なる。
したがって、この実施形態1の第3変形例においては、カバー50を設ける必要はない。
なお、多孔板141,141’の冷却を向上させるために背後板142と多孔板141,141’との間に冷却空気を導入するのが好ましい。
【0029】
ここで、前述したように、背後板142と多孔板141,141’との離間距離が大きいのでチューニングがしやすい。そして、実験の結果、孔143の径を5mm以下にし、孔143の長さ方向の間隔をL1、周方向の間隔をL2としたときに、L1/L2が、0.25から4の間にあるように、すなわち、0.2≦L1/L2≦4となるようにすると、最適な効果を得られることが確認されている。
【0030】
図13の(A)は多孔板141に形成されている孔143の配列を示すものであって、周方向の隣接した列に並ぶ孔の長さ方向位置がずれ、1つおきの列に並ぶ孔の長さ方向の位置が同じになるように、すなわち市松模様状に、配列されている。
一方、図13の(B)は多孔板141’に形成されている孔143’の配列を示す図であって、多孔板141’は内部に蒸気冷却用の配管141s’を有するのでこの配管141s’を避けながら、周方向に隣接した列に並ぶ孔の長さ方向の位置が同じになるようにされている。
なお、多孔板141’を図13の(A)のようにし、多孔板141を図13の(B)のようにしてもよいし、両方の多孔板の孔の配列をいずれかに統一してもよい。
【0031】
図14に示すのは、実施形態1の第4変形例であって、背後板142に孔を形成しない点が第3変形例と異なる。この場合は、背後板142は第1の検討例の第1変形例、第2の検討例の変形例、実施形態1の第1変形例における対流冷却通路60を形成するためのカバー50と同じ機能を有する。すなわち、多孔板141,141’と背後板142の間の空気層の厚みによりチューニングされた吸音壁を形成するので、この作用が多孔板141,141’の孔143,143’の抵抗作用による効果に付加される。
【0032】
図15は実施形態1の第5変形例を示す図であって、第3の変形例に対して吸音構造にされている範囲が小さくされている点が異なる。すなわち、第3の変形例では、燃焼器10の全長にわたって吸音構造とされているのに対し、この第5変形例においては、図16、図17で丁度符合(B)を付して楕円で囲んだ範囲のみが吸音構造とされている。このように吸音構造にする部分を限定することにより、コストが低減される。なお、どこの部分を吸音構造にするかは燃焼振動の発生部位等により決められるものであり、図15に示した部分とすることが必要ということではなく、各燃焼器の特性に応じて、より燃料ノズル40に近い部分、あるいは、よりタービンに近い部分を吸音構造にしてもよい。
このように、吸音構造とする範囲を限定することは、変形例を含む第1〜第2の検討例、実施形態1の第1、2、4の変形例においても可能である。
【0033】
【発明の効果】
本発明のガスタービン燃焼器は、吸気車室内に配置される燃焼器の壁の一部または全部が、燃焼器内で発生した燃焼変動の音響エネルギを吸収し得る音響エネルギ吸収部材で形成されており、同音響エネルギ吸収部材が、多孔板の孔径が複数種類ある多孔板と、多孔板の半径方向外側に離間配置された背後板から構成されるので、燃焼器内で発生した燃焼変動の音響エネルギは燃焼器の壁の音響エネルギ吸収部材の多孔板と背後板の間に形成される共鳴吸音壁で吸収されるため、燃焼振動現象が発生することが防止される。また、多孔板の孔の径が複数種類とされ、異なる周波数の音響エネルギを吸収することができる。
【0036】
さらに、請求項2のようにすれば、背後板に孔が形成され、背後板の孔によっても音響エネルギが吸収される。
さらに、請求項3のようにすれば、多孔板と背板の間にハニカム板が配設され、空気層を仕切ることにより共鳴吸音壁としての効果をより高めている。
さらに、請求項6のようにすれば、多孔板の孔の間隔が不均等にされ、異なる周波数の音響エネルギを吸収することができる。
さらに、請求項7のようにすれば、多孔板と背後板の間の距離が不均等にされ、異なる周波数の音響エネルギを吸収することができる。
さらに、請求項8のようにすれば、多孔板の厚さが不均等にされ、異なる周波数の音響エネルギを吸収することができる。
さらに、請求項9のようにすれば、多孔板が蒸気冷却され、多孔板の冷却が良好におこなわれる。
さらに、請求項10のようにすれば、多孔板と背後板の間に冷却空気が導入され、多孔板の冷却が良好におこなわれる。
【0037】
特に、請求項11のようにすれば、音響エネルギ吸収部材の径方向外側に音響エネルギ吸収部材を離間被覆するカバー部材が配設され、多孔板と背後板で形成される吸音共鳴壁の後に背後空気層を介して剛壁が存在することになり、背後空気層の厚みによりチューニングされた吸音壁を有することになる。従ってこの場合はさらに燃焼器の内部で音がこもりにくく、より燃焼振動は発生しにくくなる。
さらに、請求項12のようにすれば、音響エネルギ吸収部材とカバー部材の間に冷却空気が導入され音響エネルギ吸収部材の冷却が良好におこなわれる。
さらに、請求項13のようにすれば、音響エネルギ吸収部材が、周方向、および、または、長さ方向に延伸するフレームで補剛される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係り本発明者が検討した第1の検討例の構造を示す図で、
(A)は軸に平行な面で切った断面図であって、
(B)は図1の(A)のIB-IB 線に沿って見た断面図である。
【図2】 第1の検討例の第1変形例の構造を示す図で、
(A)は軸に平行な面で切った断面図であって、
(B)は図2の(A)のIIB-IIB 線に沿って見た断面図である。
【図3】 第1の検討例の第2変形例の構造を示す図で、
(A)は軸に平行な面で切った断面図であって、
(B)は図3の(A)のIIIB-IIIB 線に沿って見た断面図である。
【図4】 第1の検討例の第3変形例の構造を示す断面図である。
【図5】 本発明に係り本発明者が検討した第2の検討例の構造を示す図で、
(A)は軸に平行な面で切った断面図であって、
(B)は図5の(A)のVB-VB 線に沿って見た断面図である。
【図6】 第2の検討例の変形例の構造を示す図で、
(A)は軸に平行な面で切った断面図であって
(B)は図6の(A)のVIB-VIB 線に沿って見た断面図である。
【図7】 本発明の実施形態1の構造を示す図で、
(A)は軸に平行な面で切った断面図であって
(B)は図7の(A)のVIB-VIB 線に沿って見た断面図である。
【図8】 実施形態1の第1変形例の構造を示す図で、
(A)は軸に平行な面で切った断面図であって
(B)は図8の(A)のVIIIB-VIIIB 線に沿って見た断面図である。
【図9】 実施形態1の第2変形例の構造を示す図で、
(A)は軸に平行な面で切った断面図であって
(B)は図9の(A)のIXB-IXB 線に沿って見た断面図である。
【図10】 図9の(B)のX-X 線に沿って見た断面図である。
【図11】 図9の(B)のXI-XI 線に沿って見た断面図である。
【図12】 実施形態1の第3変形例の構造を軸に平行な面で切った断面で示す図である。
【図13】 実施形態1の第3変形例の多孔板に形成される孔の配列の例を示す図で、
(A)は周方向の隣接した列に並ぶ孔の長さ方向位置がずれ、1つおきの列に並ぶ孔の長さ方向の位置が同じになるように配列されたものを示し、
(B)は周方向に隣接した列に並ぶ孔の長さ方向の位置が同じになるように配列されたものを示している。
【図14】 実施形態1の第4変形例の構造を示す断面図である。
【図15】 実施形態1の第5変形例の構造を示す断面図である。
【図16】 従来技術の燃焼器の構造の構造を示す図で、
(A)は軸に平行な面で切った断面図であって
(B)は図16の(A)の(B)部の拡大図である。
【図17】 対流冷却層を有する別の従来技術の構造を示す図で、
(A)は軸に平行な面で切った断面図であって
(B)は図17の(A)の(B)部の拡大図である。
【符号の説明】
10…燃焼器
11…空気取り入れ口
30…吸気車室
50…カバー
60…対流冷却通路
100…壁
105…スプリングクリップ
110、120、130、140、200…第1壁
110’、120’、130’、140’、200’…第2壁
111、111’、124、124’…周方向フレーム
112、112’、125、125’…軸方向フレーム
115…隙間
121、121’…多孔質部材
131、131’、141,141’…多孔板
134、134’、143、143’…(多孔板の)孔
132、132’…スペーサ
133、133’、142、142’…背後板
135、135’、144、144’…(背後板の)孔
136、136’…ハニカム部材
Claims (13)
- 吸気車室内に配置される燃焼器の壁の一部または全部を、燃焼器内で発生した燃焼変動の音響エネルギを吸収し得る音響エネルギ吸収部材で形成したガスタービン燃焼器において、同音響エネルギ吸収部材が、多孔板の孔径が複数種類ある多孔板と、多孔板の半径方向外側に離間配置された背後板から構成されることを特徴とするガスタービン燃焼器。
- 背後板が空気の流通可能な孔を有することを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
- 多孔板と背後板の間にハニカム板を配設したことを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
- 多孔板の孔径が5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
- 多孔板の孔の、燃焼器長手方向間隔L1と燃焼器周方向間隔L2が、0.25≦L1/L2≦4とされていることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
- 多孔板の孔の間隔が不均等であることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
- 多孔板と背後板の離間距離が不均等であることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
- 多孔板の厚さが不均等であることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
- 多孔板が蒸気冷却されることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
- 多孔板と背後板の間に冷却空気が導入されることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
- 音響エネルギ吸収部材の径方向外側に音響エネルギ吸収部材を離間被覆するカバー部材を配設したことを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
- 音響エネルギ吸収部材とカバー部材の間に冷却空気が導入されることを特徴とする請求項11に記載のガスタービン燃焼器。
- 音響エネルギ吸収部材が、周方向、および、または、長さ方向に延伸するフレームで補剛されていることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
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