JP4889161B2 - 建物における吸音方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建物における吸音方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、床下空間や天井裏空間、壁内部の空間を吸音する方法として、これら空間にグラスウールやロックウールなどの多孔質吸音材を設置する方法が採られている。
また、室内を吸音する方法として、穴明き板や多孔質板などの吸音板を内装材として用いている方法が採られている。そして、低音領域の吸音性を得る場合、穴明き板や多孔質板に空気層を設けて施工している。さらに、特に低音領域の吸音調整のため、各種の吸音体が設置される場合ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、グラスウールやロックウールなどの多孔質吸音材を用いる方法では、これら多孔質材料は中高音域(250Hz以上)での吸音性能に優れるものの低音域(125Hz以下)での吸音性能に劣るため、低音域での吸音性能を発揮させるために、多孔質材料の厚さを大きくしたり、また、多孔質材料背後に大きな空気層を確保する必要があり、設置スペースが増大し、また、材料コストも増大する不具合がある。
また、穴明き板や多孔質板を用いる方法では、低音域での吸音性能を発揮させるために背後に大きな空気層を確保する必要があるため設置スペースが増大し、室内空間が狭められたり、天井面や壁面の意匠上の自由度が制約される不具合があり、さらに、穴明き板や多孔質板のコストが嵩む不具合がある。また、吸音体を用いた場合には、その設置スペースを必要とし室内が狭くなる不具合がある。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、スペースを確保することなく、また、室内を狭くすることなく低コストで吸音することができる建物における吸音方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明は、建物の吸音すべき空間に吸音性能を持たせる方法であって、前記空間内を延在する、あるいは、前記空間に隣接して延在する複数の中空の骨組み構造材の両端をそれぞれ閉塞し、前記空間と前記各骨組み構造材の内部空間とを接続する連通空間部を設けて前記各骨組み構造材により、各骨組み構造材毎に共鳴周波数を変えたヘルムホルツ共鳴器をそれぞれ構成し、前記各ヘルムホルツ共鳴器により前記空間の吸音を行なわせるようにし、前記骨組み構造材には厚さを有する下地ボードが取着され、前記連通空間部は、前記骨組み構造材と前記下地ボードに形成された孔により形成され、前記連通空間部は前記下地ボードの厚さにより長さを持って形成されていることを特徴とする。
【0005】
本発明によれば、既設の骨組み構造材を利用して構成したヘルムホルツ共鳴器により吸音するので、スペースを確保することなく、また、室内を狭くすることなく低コストで吸音できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の建物における吸音方法を添付図面にしたがって説明する。
まず、天井裏空間に吸音性能を持たせた第1の実施の形態から説明する。
図1(A)は室内の端部の断面図、(B)は間柱の斜視図を示す。
図1において符号12は室内、14は床スラブ、14Aは防振材、16は天井スラブ、18は床下地ボード(例えば合板)、20は壁下地ボード(例えば石膏ボード)、22は天井下地ボード(例えば石膏ボード)を示し、床下地ボード18や壁下地ボード20、天井下地ボード22にそれぞれ仕上げ材(不図示)が設けられ、これら仕上げ材により室内12が区画されている。
前記天井下地ボード22は、例えば、野縁26の下面に取着されている。
天井裏空間28は、天井スラブ16の下面と天井下地ボード22の上面と不図示の間仕切壁などにより形成されている。
【0007】
前記壁下地ボード20は、複数の間柱24(特許請求の範囲の骨組み構造材に相当)を介して取着されている。
前記間柱24として、図1(B)に示すように、内部空間2402を有する断面が矩形で直線状に延在する中空の軽鉄スタッドが用いられている。各間柱24は、例えば、床スラブ14の上面に取着されたランナー(不図示)と、天井スラブ16の下面に取着されたランナー(不図示)にそれぞれ上下端部を取着することで立設されている。
【0008】
前記間柱24の各上下端部には、ロックウールなどの詰め物30が充填され、間柱24の各上下端部は閉塞されている。なお、間柱24の各上下端部を閉塞するに際して閉塞用のキャップを用いたり、あるいはシーリング材を併用するなど任意である。
前記間柱24が天井裏空間28に臨む箇所には、天井裏空間28と間柱24の内部空間2402を接続する連通空間部32が設けられ、間柱24によりヘルムホルツ共鳴器が構成されている。
本実施の形態では、間柱24の上端寄り箇所で間柱24の内部空間2402側へ突出して取着された長さを有する筒状部材34により前記連通空間部32が形成されている。したがって、本実施の形態では、前記連通空間部32は筒状部材34により長さを持って形成されている。
なお、筒状部材34の間柱24への取り付けは、接着剤を用いたり、あるいは、嵌め込むなど任意である。また、間柱24の断面形状や筒状部材34(連通空間部32)の断面形状は、矩形や円形など任意である。また、間柱24や筒状部材34の材料は、鉄やアルミニウムなどの金属や、各種プラスチック、樹脂など中空形状を保持できるものであればよく、特に使用材料の制約はない。
【0009】
本実施の形態によれば、間柱24からなるヘルムホルツ共鳴器(ヘルムホルツ共鳴現象)により天井裏空間28の騒音が吸音される。
したがって、上階における歩行や物の落下による衝撃音を天井裏空間28において吸音する(あるいは遮音する)ことが可能となる。
そして、単に間柱24を利用することで、天井裏空間28に吸音性能を持たせることができるので、スペースを確保することなく、また、室内を狭くすることなく低コストで吸音することが可能となる。
【0010】
ここで、ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数(Hz)をfとし、空気中の音速(m/sec)をCとし、筒状部材34(連通空間部32)の断面積(m)をSとし、筒状部材34(連通空間部32)の内径(m)をdとし、筒状部材34(連通空間部32)の長さ(m)をlとし、間柱24の内部空間2402の容積をVとした場合、下記の式1が成り立つ。なお、筒状部材34の取り付け方により、間柱24の肉厚が連通空間部32の長さに影響を及ぼす場合には、前記筒状部材34の長さlは、間柱24の肉厚を加えた寸法とする。
【0011】
【数1】
Figure 0004889161
【0012】
したがって、筒状部材34(連通空間部32)の断面積Sや内径d、長さl、間柱24の内部空間2402の容積Vを適宜選択することで、吸音したい周波数にヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を合わせることができ、天井裏騒音を低減し(あるいは天井裏空間28に遮音性能を発揮させて)室内12の居住性を改善する上で極めて有利となる。
また、各間柱24毎に、ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を変えるように設定してもよく、このようにすることで天井裏騒音を低減する上でより一層有利となる。
なお、間柱24に設ける筒状部材34(連通空間部32)の個数は、複数であってもよく、この場合にも吸音性能が発揮される。
【0013】
次に、床下空間に吸音性能を持たせた第2の実施の形態について説明する。
図2は室内の端部の断面図を示し、以下の実施の形態の説明において、図1の実施の形態と同様な箇所、部材に同一の符号を付して説明する。
符号36は床下空間で、床下空間36は、床スラブ14の上面と、床下地ボード18の下面と、不図示の間仕切り壁などにより形成されている。
各間柱24(特許請求の範囲の骨組み構造材に相当)の各上下端部は、前記実施の形態と同様に閉塞され、間柱24が床下空間36に臨む箇所には、床下空間36と間柱24の内部空間2402を接続する連通空間部32が設けられ、間柱24によりヘルムホルツ共鳴器が構成されている。
【0014】
本実施の形態では、間柱24の下端寄り箇所で間柱24の側面の外方へ突出して取着された長さを有する筒状部材34により前記連通空間部32が形成されている。したがって、前記連通空間部32は筒状部材34により長さを持って形成されている。
なお、筒状部材34の間柱24への取り付けは、接着剤を用いたり、あるいは、嵌め込むなど任意である。また、間柱24の断面形状や筒状部材34の断面形状は、矩形や円形など任意である。
【0015】
本実施の形態によれば、間柱24からなるヘルムホルツ共鳴器(ヘルムホルツ共鳴現象)により床下空間36の騒音が吸音される。
したがって、歩行や物の落下による下階への衝撃音を床下空間36において吸音することが可能となる。
そして、単に間柱24を利用することで、床下空間36に吸音性能を持たせることができるので、スペースを確保することなく、また、室内を狭くすることなく低コストで吸音することが可能となる。
なお、この実施の形態でも、前記実施の形態と同様に、吸音したい周波数にヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を合わせたり、また、各間柱24毎に、ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を変えることができる。
さらに、この第2の実施の形態に、前記第1の実施の形態を加えるようにしてもよく、このように構成することで、間柱24により天井裏空間28と床下空間36の双方に吸音性能を持たせることができる。
この場合には、間柱24の内部に壁部を設けて間柱24の内部を上下の空間に仕切り、間柱24の上部の内部空間で、天井裏空間28に吸音性能を持たせたヘルムホルツ共鳴器を構成し、間柱24の下部の内部空間で、床下空間36に吸音性能を持たせたヘルムホルツ共鳴器を構成するようにしてもよい。
【0016】
次に、天井裏空間に吸音性能を持たせた第3の実施の形態について説明する。
図3は室内の端部の断面図を示す。
第3の実施の形態では、天井裏空間28が、天井スラブ16の下面と天井下地ボード22の上面と壁下地ボード(特許請求の範囲の下地ボードに相当)20により形成されている。
前記壁下地ボード20は、複数の間柱24(特許請求の範囲の骨組み構造材に相当)を介して取着されている。
前記間柱24は、図1(B)に示すように、内部空間2402を有する断面が矩形で直線状に延在する中空の軽鉄スタッドであり、前記実施の形態と同様に上下端部は閉塞されている。
【0017】
前記間柱24が天井裏空間28に臨む箇所には、天井裏空間28と間柱24の内部空間2402を接続する連通空間部32が設けられ、間柱24によりヘルムホルツ共鳴器が構成されている。
本実施の形態では、間柱24の壁面に貫設された孔と、この孔と同軸上に壁下地ボード20に貫設された孔2002により前記連通空間部32が構成されている。そして、前記連通空間部32は間柱24の壁面の厚さと壁下地ボード20の厚さを加えた寸法の長さを持って形成されている。
【0018】
本実施の形態によれば、間柱24からなるヘルムホルツ共鳴器(ヘルムホルツ共鳴現象)により天井裏空間28の騒音が吸音され、上階における歩行や物の落下による衝撃音を天井裏空間28において吸音することが可能となる。
そして、単に間柱24や壁下地ボード20を利用することで、天井裏空間28に吸音性能を持たせることができるので、スペースを確保することなく、また、室内を狭くすることなく低コストで吸音することが可能となる。
また、この実施の形態でも、前記実施の形態と同様に、吸音したい周波数にヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を合わせたり、また、各間柱24毎に、ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を変えることができる。
【0019】
次に、床下空間に吸音性能を持たせた第4の実施の形態について説明する。
図4は室内の端部の断面図を示す。
第4の実施の形態では、床下空間36が、床スラブ14の上面と床下地ボード18の下面と壁下地ボード(特許請求の範囲の下地ボードに相当)20により形成されている。
前記壁下地ボード20は、複数の間柱24(特許請求の範囲の骨組み構造材に相当)を介して取着されている。
前記間柱24は、図1(B)に示すように、内部空間2402を有する断面が矩形で直線状に延在する中空の軽鉄スタッドであり、前記実施の形態と同様に上下端部は閉塞されている。
【0020】
前記間柱24が床下空間36に臨む箇所には、床下空間36と間柱24の内部空間2402を接続する連通空間部32が設けられ、間柱24によりヘルムホルツ共鳴器が構成されている。
本実施の形態では、間柱24の壁面に貫設された孔と、この孔と同軸上に壁下地ボード20に貫設された孔2002により前記連通空間部32が構成され、連通空間部32は間柱24の壁面の厚さと壁下地ボード20の厚さを加えた寸法の長さを持って形成されている。
【0021】
本実施の形態によれば、間柱24からなるヘルムホルツ共鳴器(ヘルムホルツ共鳴現象)により床下空間36の騒音が吸音され、歩行や物の落下による下階への衝撃音を床下空間36において吸音することが可能となる。
そして、単に間柱24や壁下地ボード20を利用することで、床下空間36に吸音性能を持たせることができるので、スペースを確保することなく、また、室内を狭くすることなく低コストで吸音することが可能となる。
なお、この第4の実施の形態でも、前記実施の形態と同様に、吸音したい周波数にヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を合わせたり、また、各間柱24毎に、ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を変えることができる。
さらに、この第4の実施の形態に、前記第3の実施の形態を加えるようにしてもよく、このように構成することで、間柱24により天井裏空間28と床下空間36の双方に吸音性能を持たせることができる。この場合にも、第2の実施の形態と同様に、間柱24の内部に壁部を設けて間柱24の内部を上下の空間に仕切り、間柱24の上部の内部空間で、天井裏空間28に吸音性能を持たせたヘルムホルツ共鳴器を構成し、間柱24の下部の内部空間で、床下空間36に吸音性能を持たせたヘルムホルツ共鳴器を構成するようにしてもよい。
【0022】
次に、室内に吸音性能を持たせた第5の実施の形態について説明する。
図5は室内の端部の一部破断斜視図を示す。
第5の実施の形態では、室内12が、床スラブ14の上面と、天井スラブ16の下面と、壁下地ボード(特許請求の範囲の下地ボードに相当)20と、この壁下地ボード20に貼られた仕上げ材により形成されている。
前記壁下地ボード20は、複数の間柱24(特許請求の範囲の骨組み構造材に相当)を介して取着され、各間柱24は、床スラブ14の上面に取着されたランナー25と、天井スラブ16の下面に取着されたランナー25にそれぞれ上下端部を取着することで立設されている。
前記間柱24は、図1(B)に示すように、内部空間2402を有する断面が矩形で直線状に延在する中空の軽鉄スタッドであり、前記実施の形態と同様に上下端部は閉塞されている。
【0023】
前記間柱24が室内12に臨む上下端部箇所には、室内12と間柱24の内部空間2402を接続する連通空間部32が設けられ、間柱24によりヘルムホルツ共鳴器が構成されている。
本実施の形態では、間柱24の壁面に貫設された孔と、この孔と同軸上に壁下地ボード20および仕上げ材に貫設された孔2002により前記連通空間部32が構成され、連通空間部32は間柱24の壁面の厚さと壁下地ボード20の厚さを加えた寸法の長さを持って形成されている。
【0024】
本実施の形態によれば、間柱24からなるヘルムホルツ共鳴器(ヘルムホルツ共鳴現象)により室内12の騒音が吸音され、室内12の響き(残響時間)の調整や音圧の低減を図ることが可能となる。
そして、単に間柱24や壁下地ボード20を利用することで、室内12に吸音性能を持たせることができるので、スペースを確保することなく、また、室内を狭くすることなく低コストで吸音することが可能となる。
なお、この第5の実施の形態でも、前記実施の形態と同様に、吸音したい周波数にヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を合わせたり、また、各間柱24毎に、ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を変えることができる。
さらに、室内12が床下地ボード18の上面と、天井下地ボード22の下面と、壁下地ボード20で形成される場合には、この第5の実施の形態に、前記第3の実施の形態および第4の実施の形態を加えるようにしてもよく、このように構成することで、間柱24により天井裏空間28と床下空間36と室内12の3つの空間に吸音性能を持たせることができる。この場合にも、第2の実施の形態と同様に、間柱24の内部に壁部を設けて間柱24の内部を上下3つの空間に仕切り、間柱24の上部の内部空間で、天井裏空間28に吸音性能を持たせたヘルムホルツ共鳴器を構成し、間柱24の上下中間の内部空間で、室内12に吸音性能を持たせたヘルムホルツ共鳴器を構成し、間柱24の下部の内部空間で、床下空間36に吸音性能を持たせたヘルムホルツ共鳴器を構成するようにしてもよい。
【0025】
図6に本発明の試験結果を示す。
この試験では、残響室に、共鳴周波数が58Hzとなるように設計した筒状部材34付きで両端が閉塞された10本の間柱24(第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態と同様な構成の間柱)と、両端が開放された10本の間柱とを別々に設置し、1/3オクターブバンド毎の残響時間を計測した。
なお、共鳴周波数が58Hzとなる間柱24は、例えば、間柱24の内部空間の断面寸法が0.045m角、長さが2.65m、内部空間2402の容積が0.0053mの場合、筒状部材34(連通空間部32)の内径を0.009mとし、長さを0.003mとすればよい。
この試験から、図6に示されるように、共鳴周波数付近の50Hzから63Hz帯域の残響時間が約2秒ほど短縮されており、設計周波数の58Hzを含む63Hz帯域で吸音性能が得られることが明らかとなった。
【0026】
なお、前記実施の形態では、天井裏空間28や床下空間36、室内12を吸音する場合について説明したが、他に、中空壁の内部空間を吸音するようにしてもよい。この場合には、前記実施の形態と同様に、間柱を利用してヘルムホルツ共鳴器を構成することができる。
また、天井裏空間28において、中空状の野縁26の内部空間を利用してヘルムホルツ共鳴器を構成し、あるいは、床下空間36において、中空状の根太の内部空間を利用してヘルムホルツ共鳴器を構成し、あるいは、室内12において、中空状の野縁26の内部空間や、中空状の根太の内部空間を利用してヘルムホルツ共鳴器を構成し、それぞれ各箇所28,36,12を吸音するようにしてもよい。
また、ヘルムホルツ共鳴器を構成するために用いる骨組み構造材は、間柱24、野縁26、根太以外にも種々の中空状の構造材を利用することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、既設の骨組み構造材を利用して構成したヘルムホルツ共鳴器により吸音するので、従来の壁構造や、床構造、天井構造などの内装構造に大きな変更を加えずに、天井裏空間や床下空間、中空壁の内部空間、室内空間に簡単に吸音性能(あるいは遮音性能)を持たせることができ、したがって、吸音のためのスペースを何ら確保することなく、また、室内を狭くすることなく低コストで吸音できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は第1の実施の形態の説明図であって室内の端部の断面図、(B)は間柱の斜視図である。
【図2】第2の実施の形態の説明図であって室内の端部の断面図である。
【図3】第3の実施の形態の説明図であって室内の端部の断面図である。
【図4】第4の実施の形態の説明図であって室内の端部の断面図である。
【図5】第4の実施の形態の説明図であって室内の端部の一部破断斜視図である。
【図6】試験結果を示す図である。
【符号の説明】
12 室内
14 床スラブ
16 天井スラブ
24 間柱
28 天井裏空間
32 連通空間部
34 筒状部材
36 床下空間

Claims (5)

  1. 建物の吸音すべき空間に吸音性能を持たせる方法であって、
    前記空間内を延在する、あるいは、前記空間に隣接して延在する複数の中空の骨組み構造材の両端をそれぞれ閉塞し、前記空間と前記各骨組み構造材の内部空間とを接続する連通空間部を設けて前記各骨組み構造材により、各骨組み構造材毎に共鳴周波数を変えたヘルムホルツ共鳴器をそれぞれ構成し、
    前記各ヘルムホルツ共鳴器により前記空間の吸音を行なわせるようにし、
    前記骨組み構造材には厚さを有する下地ボードが取着され、
    前記連通空間部は、前記骨組み構造材と前記下地ボードに形成された孔により形成され、
    前記連通空間部は前記下地ボードの厚さにより長さを持って形成されている、
    ことを特徴とする建物における吸音方法。
  2. 前記吸音すべき空間は天井裏空間であり、前記骨組み構造材は間柱、あるいは、野縁であることを特徴とする請求項1記載の建物における吸音方法。
  3. 前記吸音すべき空間は床下空間であり、前記骨組み構造材は間柱、あるいは、根太であることを特徴とする請求項1記載の建物における吸音方法。
  4. 前記吸音すべき空間は室内であり、前記骨組み構造材は間柱、あるいは、野縁、あるいは、根太であることを特徴とする請求項1記載の建物における吸音方法。
  5. 前記吸音すべき空間は中空壁の内部空間であり、前記骨組み構造材は間柱であることを特徴とする請求項1記載の建物における吸音方法。
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