JP2002348985A - 建物における吸音方法 - Google Patents

建物における吸音方法

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JP2002348985A JP2001155557A JP2001155557A JP2002348985A JP 2002348985 A JP2002348985 A JP 2002348985A JP 2001155557 A JP2001155557 A JP 2001155557A JP 2001155557 A JP2001155557 A JP 2001155557A JP 2002348985 A JP2002348985 A JP 2002348985A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スペースを確保することなく、また、室内を
狭くすることなく低コストで吸音することができる建物
における吸音方法を提供すること。 【解決手段】 天井裏空間28は、天井スラブ16の下
面と天井下地ボード22の上面と間仕切壁などにより形
成されている。壁下地ボード20取り付け用の間柱24
として、内部空間2402を有する断面が矩形で直線状
に延在する中空の軽鉄スタッドが用いられている。間柱
24の各上下端部は、ロックウールなどの詰め物30に
より閉塞されている。間柱24が天井裏空間28に臨む
箇所には、天井裏空間28と間柱24の内部空間240
2を接続する連通空間部32が設けられ、間柱24によ
りヘルムホルツ共鳴器が構成されている。間柱24の上
端寄り箇所で間柱24の内部空間2402側へ突出して
取着された長さを有する筒状部材34により前記連通空
間部32が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建物における吸音方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、床下空間や天井裏空間、壁内部の
空間を吸音する方法として、これら空間にグラスウール
やロックウールなどの多孔質吸音材を設置する方法が採
られている。また、室内を吸音する方法として、穴明き
板や多孔質板などの吸音板を内装材として用いている方
法が採られている。そして、低音領域の吸音性を得る場
合、穴明き板や多孔質板に空気層を設けて施工してい
る。さらに、特に低音領域の吸音調整のため、各種の吸
音体が設置される場合ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、グラス
ウールやロックウールなどの多孔質吸音材を用いる方法
では、これら多孔質材料は中高音域(250Hz以上)
での吸音性能に優れるものの低音域(125Hz以下)
での吸音性能に劣るため、低音域での吸音性能を発揮さ
せるために、多孔質材料の厚さを大きくしたり、また、
多孔質材料背後に大きな空気層を確保する必要があり、
設置スペースが増大し、また、材料コストも増大する不
具合がある。また、穴明き板や多孔質板を用いる方法で
は、低音域での吸音性能を発揮させるために背後に大き
な空気層を確保する必要があるため設置スペースが増大
し、室内空間が狭められたり、天井面や壁面の意匠上の
自由度が制約される不具合があり、さらに、穴明き板や
多孔質板のコストが嵩む不具合がある。また、吸音体を
用いた場合には、その設置スペースを必要とし室内が狭
くなる不具合がある。本発明は前記事情に鑑み案出され
たものであって、本発明の目的は、スペースを確保する
ことなく、また、室内を狭くすることなく低コストで吸
音することができる建物における吸音方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は、建物の吸音すべき空間に吸音性能を持たせる
方法であって、前記空間内を延在する、あるいは、前記
空間に隣接して延在する中空の骨組み構造材の両端を閉
塞し、前記空間と骨組み構造材の内部空間とを接続する
連通空間部を設けて前記骨組み構造材によりヘルムホル
ツ共鳴器を構成し、前記ヘルムホルツ共鳴器により前記
空間の吸音を行なわせるようにしたことを特徴とする。
【0005】本発明によれば、既設の骨組み構造材を利
用して構成したヘルムホルツ共鳴器により吸音するの
で、スペースを確保することなく、また、室内を狭くす
ることなく低コストで吸音できる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の建物における吸音
方法を添付図面にしたがって説明する。まず、天井裏空
間に吸音性能を持たせた第1の実施の形態から説明す
る。図1(A)は室内の端部の断面図、(B)は間柱の
斜視図を示す。図1において符号12は室内、14は床
スラブ、14Aは防振材、16は天井スラブ、18は床
下地ボード(例えば合板)、20は壁下地ボード(例え
ば石膏ボード)、22は天井下地ボード(例えば石膏ボ
ード)を示し、床下地ボード18や壁下地ボード20、
天井下地ボード22にそれぞれ仕上げ材(不図示)が設
けられ、これら仕上げ材により室内12が区画されてい
る。前記天井下地ボード22は、例えば、野縁26の下
面に取着されている。天井裏空間28は、天井スラブ1
6の下面と天井下地ボード22の上面と不図示の間仕切
壁などにより形成されている。
【0007】前記壁下地ボード20は、複数の間柱24
(特許請求の範囲の骨組み構造材に相当)を介して取着
されている。前記間柱24として、図1(B)に示すよ
うに、内部空間2402を有する断面が矩形で直線状に
延在する中空の軽鉄スタッドが用いられている。各間柱
24は、例えば、床スラブ14の上面に取着されたラン
ナー(不図示)と、天井スラブ16の下面に取着された
ランナー(不図示)にそれぞれ上下端部を取着すること
で立設されている。
【0008】前記間柱24の各上下端部には、ロックウ
ールなどの詰め物30が充填され、間柱24の各上下端
部は閉塞されている。なお、間柱24の各上下端部を閉
塞するに際して閉塞用のキャップを用いたり、あるいは
シーリング材を併用するなど任意である。前記間柱24
が天井裏空間28に臨む箇所には、天井裏空間28と間
柱24の内部空間2402を接続する連通空間部32が
設けられ、間柱24によりヘルムホルツ共鳴器が構成さ
れている。本実施の形態では、間柱24の上端寄り箇所
で間柱24の内部空間2402側へ突出して取着された
長さを有する筒状部材34により前記連通空間部32が
形成されている。したがって、本実施の形態では、前記
連通空間部32は筒状部材34により長さを持って形成
されている。なお、筒状部材34の間柱24への取り付
けは、接着剤を用いたり、あるいは、嵌め込むなど任意
である。また、間柱24の断面形状や筒状部材34(連
通空間部32)の断面形状は、矩形や円形など任意であ
る。また、間柱24や筒状部材34の材料は、鉄やアル
ミニウムなどの金属や、各種プラスチック、樹脂など中
空形状を保持できるものであればよく、特に使用材料の
制約はない。
【0009】本実施の形態によれば、間柱24からなる
ヘルムホルツ共鳴器(ヘルムホルツ共鳴現象)により天
井裏空間28の騒音が吸音される。したがって、上階に
おける歩行や物の落下による衝撃音を天井裏空間28に
おいて吸音する(あるいは遮音する)ことが可能とな
る。そして、単に間柱24を利用することで、天井裏空
間28に吸音性能を持たせることができるので、スペー
スを確保することなく、また、室内を狭くすることなく
低コストで吸音することが可能となる。
【0010】ここで、ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数
(Hz)をfとし、空気中の音速(m/sec)をC
とし、筒状部材34(連通空間部32)の断面積
(m)をSとし、筒状部材34(連通空間部32)の
内径(m)をdとし、筒状部材34(連通空間部32)
の長さ(m)をlとし、間柱24の内部空間2402の
容積をVとした場合、下記の式1が成り立つ。なお、筒
状部材34の取り付け方により、間柱24の肉厚が連通
空間部32の長さに影響を及ぼす場合には、前記筒状部
材34の長さlは、間柱24の肉厚を加えた寸法とす
る。
【0011】
【数1】
【0012】したがって、筒状部材34(連通空間部3
2)の断面積Sや内径d、長さl、間柱24の内部空間
2402の容積Vを適宜選択することで、吸音したい周
波数にヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を合わせること
ができ、天井裏騒音を低減し(あるいは天井裏空間28
に遮音性能を発揮させて)室内12の居住性を改善する
上で極めて有利となる。また、各間柱24毎に、ヘルム
ホルツ共鳴器の共鳴周波数を変えるように設定してもよ
く、このようにすることで天井裏騒音を低減する上でよ
り一層有利となる。なお、間柱24に設ける筒状部材3
4(連通空間部32)の個数は、複数であってもよく、
この場合にも吸音性能が発揮される。
【0013】次に、床下空間に吸音性能を持たせた第2
の実施の形態について説明する。図2は室内の端部の断
面図を示し、以下の実施の形態の説明において、図1の
実施の形態と同様な箇所、部材に同一の符号を付して説
明する。符号36は床下空間で、床下空間36は、床ス
ラブ14の上面と、床下地ボード18の下面と、不図示
の間仕切り壁などにより形成されている。各間柱24
(特許請求の範囲の骨組み構造材に相当)の各上下端部
は、前記実施の形態と同様に閉塞され、間柱24が床下
空間36に臨む箇所には、床下空間36と間柱24の内
部空間2402を接続する連通空間部32が設けられ、
間柱24によりヘルムホルツ共鳴器が構成されている。
【0014】本実施の形態では、間柱24の下端寄り箇
所で間柱24の側面の外方へ突出して取着された長さを
有する筒状部材34により前記連通空間部32が形成さ
れている。したがって、前記連通空間部32は筒状部材
34により長さを持って形成されている。なお、筒状部
材34の間柱24への取り付けは、接着剤を用いたり、
あるいは、嵌め込むなど任意である。また、間柱24の
断面形状や筒状部材34の断面形状は、矩形や円形など
任意である。
【0015】本実施の形態によれば、間柱24からなる
ヘルムホルツ共鳴器(ヘルムホルツ共鳴現象)により床
下空間36の騒音が吸音される。したがって、歩行や物
の落下による下階への衝撃音を床下空間36において吸
音することが可能となる。そして、単に間柱24を利用
することで、床下空間36に吸音性能を持たせることが
できるので、スペースを確保することなく、また、室内
を狭くすることなく低コストで吸音することが可能とな
る。なお、この実施の形態でも、前記実施の形態と同様
に、吸音したい周波数にヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波
数を合わせたり、また、各間柱24毎に、ヘルムホルツ
共鳴器の共鳴周波数を変えることができる。さらに、こ
の第2の実施の形態に、前記第1の実施の形態を加える
ようにしてもよく、このように構成することで、間柱2
4により天井裏空間28と床下空間36の双方に吸音性
能を持たせることができる。この場合には、間柱24の
内部に壁部を設けて間柱24の内部を上下の空間に仕切
り、間柱24の上部の内部空間で、天井裏空間28に吸
音性能を持たせたヘルムホルツ共鳴器を構成し、間柱2
4の下部の内部空間で、床下空間36に吸音性能を持た
せたヘルムホルツ共鳴器を構成するようにしてもよい。
【0016】次に、天井裏空間に吸音性能を持たせた第
3の実施の形態について説明する。図3は室内の端部の
断面図を示す。第3の実施の形態では、天井裏空間28
が、天井スラブ16の下面と天井下地ボード22の上面
と壁下地ボード(特許請求の範囲の下地ボードに相当)
20により形成されている。前記壁下地ボード20は、
複数の間柱24(特許請求の範囲の骨組み構造材に相
当)を介して取着されている。前記間柱24は、図1
(B)に示すように、内部空間2402を有する断面が
矩形で直線状に延在する中空の軽鉄スタッドであり、前
記実施の形態と同様に上下端部は閉塞されている。
【0017】前記間柱24が天井裏空間28に臨む箇所
には、天井裏空間28と間柱24の内部空間2402を
接続する連通空間部32が設けられ、間柱24によりヘ
ルムホルツ共鳴器が構成されている。本実施の形態で
は、間柱24の壁面に貫設された孔と、この孔と同軸上
に壁下地ボード20に貫設された孔2002により前記
連通空間部32が構成されている。そして、前記連通空
間部32は間柱24の壁面の厚さと壁下地ボード20の
厚さを加えた寸法の長さを持って形成されている。
【0018】本実施の形態によれば、間柱24からなる
ヘルムホルツ共鳴器(ヘルムホルツ共鳴現象)により天
井裏空間28の騒音が吸音され、上階における歩行や物
の落下による衝撃音を天井裏空間28において吸音する
ことが可能となる。そして、単に間柱24や壁下地ボー
ド20を利用することで、天井裏空間28に吸音性能を
持たせることができるので、スペースを確保することな
く、また、室内を狭くすることなく低コストで吸音する
ことが可能となる。また、この実施の形態でも、前記実
施の形態と同様に、吸音したい周波数にヘルムホルツ共
鳴器の共鳴周波数を合わせたり、また、各間柱24毎
に、ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を変えることがで
きる。
【0019】次に、床下空間に吸音性能を持たせた第4
の実施の形態について説明する。図4は室内の端部の断
面図を示す。第4の実施の形態では、床下空間36が、
床スラブ14の上面と床下地ボード18の下面と壁下地
ボード(特許請求の範囲の下地ボードに相当)20によ
り形成されている。前記壁下地ボード20は、複数の間
柱24(特許請求の範囲の骨組み構造材に相当)を介し
て取着されている。前記間柱24は、図1(B)に示す
ように、内部空間2402を有する断面が矩形で直線状
に延在する中空の軽鉄スタッドであり、前記実施の形態
と同様に上下端部は閉塞されている。
【0020】前記間柱24が床下空間36に臨む箇所に
は、床下空間36と間柱24の内部空間2402を接続
する連通空間部32が設けられ、間柱24によりヘルム
ホルツ共鳴器が構成されている。本実施の形態では、間
柱24の壁面に貫設された孔と、この孔と同軸上に壁下
地ボード20に貫設された孔2002により前記連通空
間部32が構成され、連通空間部32は間柱24の壁面
の厚さと壁下地ボード20の厚さを加えた寸法の長さを
持って形成されている。
【0021】本実施の形態によれば、間柱24からなる
ヘルムホルツ共鳴器(ヘルムホルツ共鳴現象)により床
下空間36の騒音が吸音され、歩行や物の落下による下
階への衝撃音を床下空間36において吸音することが可
能となる。そして、単に間柱24や壁下地ボード20を
利用することで、床下空間36に吸音性能を持たせるこ
とができるので、スペースを確保することなく、また、
室内を狭くすることなく低コストで吸音することが可能
となる。なお、この第4の実施の形態でも、前記実施の
形態と同様に、吸音したい周波数にヘルムホルツ共鳴器
の共鳴周波数を合わせたり、また、各間柱24毎に、ヘ
ルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を変えることができる。
さらに、この第4の実施の形態に、前記第3の実施の形
態を加えるようにしてもよく、このように構成すること
で、間柱24により天井裏空間28と床下空間36の双
方に吸音性能を持たせることができる。この場合にも、
第2の実施の形態と同様に、間柱24の内部に壁部を設
けて間柱24の内部を上下の空間に仕切り、間柱24の
上部の内部空間で、天井裏空間28に吸音性能を持たせ
たヘルムホルツ共鳴器を構成し、間柱24の下部の内部
空間で、床下空間36に吸音性能を持たせたヘルムホル
ツ共鳴器を構成するようにしてもよい。
【0022】次に、室内に吸音性能を持たせた第5の実
施の形態について説明する。図5は室内の端部の一部破
断斜視図を示す。第5の実施の形態では、室内12が、
床スラブ14の上面と、天井スラブ16の下面と、壁下
地ボード(特許請求の範囲の下地ボードに相当)20
と、この壁下地ボード20に貼られた仕上げ材により形
成されている。前記壁下地ボード20は、複数の間柱2
4(特許請求の範囲の骨組み構造材に相当)を介して取
着され、各間柱24は、床スラブ14の上面に取着され
たランナー25と、天井スラブ16の下面に取着された
ランナー25にそれぞれ上下端部を取着することで立設
されている。前記間柱24は、図1(B)に示すよう
に、内部空間2402を有する断面が矩形で直線状に延
在する中空の軽鉄スタッドであり、前記実施の形態と同
様に上下端部は閉塞されている。
【0023】前記間柱24が室内12に臨む上下端部箇
所には、室内12と間柱24の内部空間2402を接続
する連通空間部32が設けられ、間柱24によりヘルム
ホルツ共鳴器が構成されている。本実施の形態では、間
柱24の壁面に貫設された孔と、この孔と同軸上に壁下
地ボード20および仕上げ材に貫設された孔2002に
より前記連通空間部32が構成され、連通空間部32は
間柱24の壁面の厚さと壁下地ボード20の厚さを加え
た寸法の長さを持って形成されている。
【0024】本実施の形態によれば、間柱24からなる
ヘルムホルツ共鳴器(ヘルムホルツ共鳴現象)により室
内12の騒音が吸音され、室内12の響き(残響時間)
の調整や音圧の低減を図ることが可能となる。そして、
単に間柱24や壁下地ボード20を利用することで、室
内12に吸音性能を持たせることができるので、スペー
スを確保することなく、また、室内を狭くすることなく
低コストで吸音することが可能となる。なお、この第5
の実施の形態でも、前記実施の形態と同様に、吸音した
い周波数にヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数を合わせた
り、また、各間柱24毎に、ヘルムホルツ共鳴器の共鳴
周波数を変えることができる。さらに、室内12が床下
地ボード18の上面と、天井下地ボード22の下面と、
壁下地ボード20で形成される場合には、この第5の実
施の形態に、前記第3の実施の形態および第4の実施の
形態を加えるようにしてもよく、このように構成するこ
とで、間柱24により天井裏空間28と床下空間36と
室内12の3つの空間に吸音性能を持たせることができ
る。この場合にも、第2の実施の形態と同様に、間柱2
4の内部に壁部を設けて間柱24の内部を上下3つの空
間に仕切り、間柱24の上部の内部空間で、天井裏空間
28に吸音性能を持たせたヘルムホルツ共鳴器を構成
し、間柱24の上下中間の内部空間で、室内12に吸音
性能を持たせたヘルムホルツ共鳴器を構成し、間柱24
の下部の内部空間で、床下空間36に吸音性能を持たせ
たヘルムホルツ共鳴器を構成するようにしてもよい。
【0025】図6に本発明の試験結果を示す。この試験
では、残響室に、共鳴周波数が58Hzとなるように設
計した筒状部材34付きで両端が閉塞された10本の間
柱24(第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態と
同様な構成の間柱)と、両端が開放された10本の間柱
とを別々に設置し、1/3オクターブバンド毎の残響時
間を計測した。なお、共鳴周波数が58Hzとなる間柱
24は、例えば、間柱24の内部空間の断面寸法が0.
045m角、長さが2.65m、内部空間2402の容
積が0.0053mの場合、筒状部材34(連通空間
部32)の内径を0.009mとし、長さを0.003
mとすればよい。この試験から、図6に示されるよう
に、共鳴周波数付近の50Hzから63Hz帯域の残響
時間が約2秒ほど短縮されており、設計周波数の58H
zを含む63Hz帯域で吸音性能が得られることが明ら
かとなった。
【0026】なお、前記実施の形態では、天井裏空間2
8や床下空間36、室内12を吸音する場合について説
明したが、他に、中空壁の内部空間を吸音するようにし
てもよい。この場合には、前記実施の形態と同様に、間
柱を利用してヘルムホルツ共鳴器を構成することができ
る。また、天井裏空間28において、中空状の野縁26
の内部空間を利用してヘルムホルツ共鳴器を構成し、あ
るいは、床下空間36において、中空状の根太の内部空
間を利用してヘルムホルツ共鳴器を構成し、あるいは、
室内12において、中空状の野縁26の内部空間や、中
空状の根太の内部空間を利用してヘルムホルツ共鳴器を
構成し、それぞれ各箇所28,36,12を吸音するよ
うにしてもよい。また、ヘルムホルツ共鳴器を構成する
ために用いる骨組み構造材は、間柱24、野縁26、根
太以外にも種々の中空状の構造材を利用することができ
る。また、実施の形態では、連通空間部32に長さを持
たせた場合について説明したが、本発明は、長さを持た
ない連通空間部32にも無論適用されるものである。
【0027】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、既設の骨組み構造材を利用して構成したヘルムホ
ルツ共鳴器により吸音するので、従来の壁構造や、床構
造、天井構造などの内装構造に大きな変更を加えずに、
天井裏空間や床下空間、中空壁の内部空間、室内空間に
簡単に吸音性能(あるいは遮音性能)を持たせることが
でき、したがって、吸音のためのスペースを何ら確保す
ることなく、また、室内を狭くすることなく低コストで
吸音できる。また、連通空間部を形成するに際して筒状
部材を用いれば、この筒状部材の内径や長さを調節する
ことで、吸音したい音域を簡単に設定でき、例えば、低
音域(125Hz以下)に対する吸音処理も簡単に行な
うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は第1の実施の形態の説明図であって室
内の端部の断面図、(B)は間柱の斜視図である。
【図2】第2の実施の形態の説明図であって室内の端部
の断面図である。
【図3】第3の実施の形態の説明図であって室内の端部
の断面図である。
【図4】第4の実施の形態の説明図であって室内の端部
の断面図である。
【図5】第4の実施の形態の説明図であって室内の端部
の一部破断斜視図である。
【図6】試験結果を示す図である。
【符号の説明】
12 室内 14 床スラブ 16 天井スラブ 24 間柱 28 天井裏空間 32 連通空間部 34 筒状部材 36 床下空間

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の吸音すべき空間に吸音性能を持た
    せる方法であって、 前記空間内を延在する、あるいは、前記空間に隣接して
    延在する中空の骨組み構造材の両端を閉塞し、前記空間
    と骨組み構造材の内部空間とを接続する連通空間部を設
    けて前記骨組み構造材によりヘルムホルツ共鳴器を構成
    し、 前記ヘルムホルツ共鳴器により前記空間の吸音を行なわ
    せるようにした、 ことを特徴とする建物における吸音方法。
  2. 【請求項2】 前記吸音すべき空間は天井裏空間であ
    り、前記骨組み構造材は間柱、あるいは、野縁であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の建物における吸音方法。
  3. 【請求項3】 前記吸音すべき空間は床下空間であり、
    前記骨組み構造材は間柱、あるいは、根太であることを
    特徴とする請求項1記載の建物における吸音方法。
  4. 【請求項4】 前記吸音すべき空間は室内であり、前記
    骨組み構造材は間柱、あるいは、野縁、あるいは、根太
    であることを特徴とする請求項1記載の建物における吸
    音方法。
  5. 【請求項5】 前記吸音すべき空間は中空壁の内部空間
    であり、前記骨組み構造材は間柱であることを特徴とす
    る請求項1記載の建物における吸音方法。
  6. 【請求項6】 前記連通空間部は、前記骨組み構造材に
    取着された長さを有する筒状部材により形成され、前記
    連通空間部は前記筒状部材により長さを持って形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の建物における吸
    音方法。
  7. 【請求項7】 前記骨組み構造材には厚さを有する下地
    ボードが取着され、前記連通空間部は、前記骨組み構造
    材と前記下地ボードに形成された孔により形成され、前
    記連通空間部は前記下地ボードの厚さにより長さを持っ
    て形成されていることを特徴とする請求項1記載の建物
    における吸音方法。
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