JPH1046700A - レゾネータ部材及びそれを用いた防音板の形成方法 - Google Patents

レゾネータ部材及びそれを用いた防音板の形成方法

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JPH1046700A
JPH1046700A JP8203337A JP20333796A JPH1046700A JP H1046700 A JPH1046700 A JP H1046700A JP 8203337 A JP8203337 A JP 8203337A JP 20333796 A JP20333796 A JP 20333796A JP H1046700 A JPH1046700 A JP H1046700A
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JP
Japan
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resonator
resonator member
slit
parallel
plate
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JP8203337A
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Inventor
Tomio Yoshioka
登美男 吉岡
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Nozawa Corp
Original Assignee
Nozawa Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度のレゾネータ型防音板を容易に形成す
ることができるレゾネータ部材及びそれを用いた防音板
の形成方法を得、精度の向上、製作の容易化、設備・製
品コストの低減を図る。 【解決手段】 レゾネータ部材11は、幅の異なる一対
の平行な長板13、15の長手側縁部同士を垂直基板1
7で連結することで長手方向に直交方向の断面形状を略
コ字状に形成する。また、レゾネータ部材11を用いた
防音板の形成方法は、レゾネータ部材11をスリットが
開口するようにして同一平面上で複数本を平行に並べて
連結し、スリット及び中空部を有したレゾネータ型防音
板を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レゾネータ型防音
板の形成に用いるレゾネータ部材及びそれを用いた防音
板の形成方法に関し、特に、既存の壁面に吸音構造を形
成する際に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道、道路、工場等の固有の音の
発生する場所に用いる防音板として、図9に示す所謂レ
ゾネータ型の防音板1がある。レゾネータ型防音板1
は、内部に形成した中空部3と、この中空部3を外部に
開口するスリット5とを有し、スリット3を介して取り
込んだ音を中空部3で共鳴させ、音エネルギーを摩擦抵
抗等により熱エネルギーに変換して減少させ、防音効果
を得ることができる。
【0003】このようなレゾネータ型防音板1のスリッ
ト5は、防音板1を押出成形する際に同時に成形する方
法や、防音板1の押出成形後に切断機によって成形板表
面を中空部3に到達する深さで切断する方法等によって
形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、押出成
形の際に同時にスリット5を形成する方法では、口金か
ら押出された直後の生板の保形性(押出時の形状を保つ
程度)が低いことから、高精度にスリット5を形成する
ことが困難であった。一方、押出成形後にスリット5を
切断加工して形成する方法では、硬化後の硬質のセメン
ト基材を切断するため、切断機の刃の寿命が短く、且つ
切断速度が遅く、製造コストが増大する問題があった。
また、押出成形によるレゾネータ型防音板1では、既存
の壁面に使用する場合、強度確保のために中空部3、
3’を2段で形成しなければならず、その重量のため置
き換えや重ね張り等作業に手間がかかり、施工コストの
増大する問題があった。更に、低音用のレゾネータ型防
音板は、中空部3を大きくするか、又はスリット5の深
さを深くしなければならないため、特にセメント系の押
出成形では、押出時の形状を保持することが困難であ
り、実用化されていないのが現状であった。そして、こ
のような防音板を押出成形により一体成形する場合で
は、装置が大型化し、設備コストが増大する問題があっ
た。本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、高精度
のレゾネータ型防音板を容易に形成することができるレ
ゾネータ部材及びそれを用いた防音板の形成方法を提供
し、精度の向上、製作の容易化、設備・製品コストの低
減を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るレゾネータ部材の構成は、同一平面上で
複数本を並設することでレゾネータ型防音板を形成する
レゾネータ部材であって、幅の異なる一対の平行な長板
の長手側縁部同士を垂直基板で連結することで長手方向
に直交方向の断面形状を略コ字状に形成したことを特徴
とするものである。本発明に係るレゾネータ部材を用い
た防音板の形成方法は、請求項1乃至請求項4記載のい
ずれか一つのレゾネータ部材を前記スリットが開口する
ようにして同一平面上で複数本を平行に並べて連結し、
スリット及び中空部を有したレゾネータ型防音板を形成
することを特徴とするものである。
【0006】上述の構成によるレゾネータ部材は、同一
平面上で複数本を並設することにより、スリット及び中
空部を構成することができる。そして、断面がコ字状の
単純な形状であることから、押出成形により製作した場
合、容易に且つ高精度な成形が可能となる。また、防音
板を一体成形する押出装置に比べ、押出装置も小型のも
ので済む。上述のレゾネータ部材を用いた防音板の形成
方法では、レゾネータ部材を既存の壁面に並べて留め付
けるのみで、スリット、中空部を有したレゾネータ型防
音板を高精度に形成することができる。また、一体成形
のレゾネータ型防音板のように強度を確保するための中
空部を形成する必要がなくなり、防音板が軽量なものと
なる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るレゾネータ部
材及びそれを用いた防音板の形成方法の好適な実施の形
態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明によ
るレゾネータ部材の第一実施形態の斜視図、図2は図1
に示したレゾネータ部材の長手方向に直交する方向の断
面図、図3は図1に示したレゾネータ部材を用いて構成
したレゾネータ型防音板の断面図である。レゾネータ部
材11は、幅の異なる一対の平行な長板13、15の長
手側縁部同士を垂直基板17で連結することで、断面が
コ字形状となっている。
【0008】図1、図2において、Lは必要とする防音
板の長さ、tはスリット高さ、sはスリット幅、dは中
空部高さ、wは中空部幅であり、各寸法は吸収しようと
する音の周波数により決定される。
【0009】レゾネータ部材11は、その材質を、セメ
ント系、セラミック系、金属系、樹脂系等、用途に応じ
て決定する。例えば、外壁、遮音壁等、外部環境で用い
るものであれば、無機質系で強靱なセメント系、セラミ
ック系、金属系の材料が好適であり、室内等の屋内環境
で用いるものであれば、樹脂系等の材料が好適となる。
【0010】レゾネータ部材11をセメント系等の水硬
性材料により押出成形する場合には、予め長板13、1
5の先端同士の間が垂直基板17と平行な塞ぎ部材(図
2の破線部分)19で塞がれた状態で押出成形する。そ
して、硬化後この塞ぎ部材19を取り外すことでレゾネ
ータ部材を成形する。
【0011】このレゾネータ部材11を用いてレゾネー
タ型防音板を形成するには、図3に示すように、防音板
を形成しようとする既存の壁面20等に、複数のレゾネ
ータ部材11を幅広側の長板15が同一平面状となるよ
うに密着して並べ、且つ長板15の先端面を他のレゾネ
ータ部材11の垂直基板17に突き合わせて接合し、留
め付ける。留め付けは、ビス留め、溶接、接着剤等、材
質に応じた方法で行うことができる。
【0012】これにより、隣接する他のレゾネータ部材
11との間に複数のスリット21、中空部23を形成し
たレゾネータ型防音板25を形成することができる。
【0013】このように構成したレゾネータ部材11
は、断面がコ字状の単純な形状であるため、例えば押出
成形により製作した場合、容易に且つ高精度に成形を行
うことができ、成形性を向上させることができる。ま
た、押出装置も小型のものにすることができるため、レ
ゾネータ型防音板を一体成形する押出装置に比べ、設備
コストを大幅に低減することができる。
【0014】そして、このレゾネータ部材11を用いた
防音板25の形成方法では、高精度なレゾネータ部材1
1を既存の壁面20に並べて留め付けるのみで、スリッ
ト21、中空部23を形成することができるので、従来
の押出成形による一体成形のレゾネータ型防音板に比
べ、容易且つ高精度にレゾネータ型防音板25を形成す
ることができる。また、一体成形のレゾネータ型防音板
のように強度を確保するための中空部3’(図9参照)
を形成する必要もなくなるため、軽量な防音板25を形
成することができる。
【0015】次に、図4〜図8に基づき本発明によるレ
ゾネータ部材の第二〜第六の実施形態を説明する。図4
は本発明によるレゾネータ部材の第二実施形態を示す断
面図である。このレゾネータ部材31では、幅広の長板
15の先端に、垂直基板17と平行な垂直壁33を形成
してある。従って、中空部23は長板15、垂直基板1
7、長板13、垂直壁33により包囲して形成し、スリ
ット21は長板13の先端と垂直壁33の間に形成して
ある。
【0016】このレゾネータ部材31は、中空部23が
包囲され、スリット21を介して開放されるため、単体
でレゾネータ機能を有し、接着面27(図3参照)より
の音漏れがなくなる。また、隣接するレゾネータ部材3
1を垂直基板17と垂直壁33とで接合できるので、接
着強度を高めることができる。
【0017】図5は本発明によるレゾネータ部材の第三
実施形態を示す断面図である。このレゾネータ部材41
では、断面ロ字状の長尺基材43の一側面中央に、基材
43の長手方向にスリット21を形成してある。
【0018】このレゾネータ部材41は、中空部23が
包囲され、スリット21を介して開放されるため、単体
でレゾネータ機能を有し、接着面27よりの音漏れがな
くなる。また、隣接するレゾネータ部材41を基材43
の外面同士で接合できるので、接着強度を高めることが
できる。
【0019】図6は本発明によるレゾネータ部材の第四
実施形態を示す断面図である。このレゾネータ部材51
では、断面ロ字状の長尺基材43の一側面中央に、基材
43の長手方向にスリット21を形成し、このスリット
21の両縁部から中空部23内に向けて一対の平行な垂
直壁53を形成してある。
【0020】このレゾネータ部材51は、音漏れをなく
し、接着強度を高めることができるのに加え、スリット
21の深さtを深くとることができるので、低音域の周
波数の音を吸音することができる。
【0021】図7は本発明によるレゾネータ部材の第五
実施形態を示す断面図である。このレゾネータ部材61
では、幅の狭い長板13の先端に、垂直基板17と平行
な垂直壁63を形成してある。従って、中空部23は長
板15、垂直基板17、長板13、垂直壁63により包
囲して形成し、スリット21は垂直壁63の先端と長板
15の間に形成してある。
【0022】このレゾネータ部材61は、スリット21
の深さtを深くとることができるので、低音域の周波数
の音を吸音することができる。
【0023】図8は本発明によるレゾネータ部材の第六
実施形態を示す断面図である。このレゾネータ部材71
では、幅の狭い長板13の先端に、垂直基板17と平行
な垂直壁63を形成するとともに、幅広の長板15の先
端に、垂直壁63と平行な垂直壁73を形成してある。
従って、中空部23は長板15、垂直基板17、長板1
3、垂直壁63により包囲して形成し、スリット21は
垂直壁63と長板15との間隙で形成してある。
【0024】このレゾネータ部材71は、単体でレゾネ
ータ機能を有するため、接着面27よりの音漏れがなく
なるとともに、隣接するレゾネータ部材71を垂直基板
17と垂直壁73とで接合できるので、接着強度を高め
ることができる。更に、スリット21の深さtを深くと
ることができるので、低音域の周波数の音を吸音するこ
とができる。
【0025】なお、本発明によるレゾネータ部材を用い
た防音板の形成方法は、上述したレゾネータ部材11、
31、41、51、61、71のうち一種類のものを異
なる寸法で形成し、それを混在させて使用することによ
り、複数の周波数の音を吸音する防音板25を形成する
ものであってもよい。
【0026】また、第二から第六実施形態によるレゾネ
ータ部材31、41、51、61、71は、第一実施形
態によるレゾネータ部材11と同様に、セメント系等の
水硬性材料により押出成形する場合には、予めスリット
21の間が塞ぎ部材19で塞がれた状態で押出成形す
る。そして、硬化後この塞ぎ部材19を取り外すことで
レート部材を成形する。
【0027】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るレゾネータ部材によれば、断面がコ字状の単純な形状
であるため、例えば押出成形により製作した場合、容易
に且つ高精度に成形を行うことができ、成形性を向上さ
せることができる。また、押出装置も小型のものにする
ことができるため、レゾネータ型防音板を一体成形する
押出装置に比べ、設備コストを大幅に低減することがで
きる。本発明に係るレゾネータ部材を用いた防音板の形
成方法によれば、高精度なレゾネータ部材を既存の壁面
に並べて留め付けるのみで、スリット、中空部を形成す
ることができるので、従来の押出成形による一体成形の
防音板に比べ、容易且つ高精度にレゾネータ型防音板を
形成することができる。また、一体成形のレゾネータ型
防音板のように強度を確保するための中空部を形成する
必要もなくなるため、防音板を軽量にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレゾネータ部材の第一実施形態の
斜視図である。
【図2】図1に示したレゾネータ部材の長手方向に直交
する方向の断面図である。
【図3】図1に示したレゾネータ部材を用いて構成した
レゾネータ型防音板の断面図である。
【図4】本発明によるレゾネータ部材の第二実施形態を
示す断面図である。
【図5】本発明によるレゾネータ部材の第三実施形態を
示す断面図である。
【図6】本発明によるレゾネータ部材の第四実施形態を
示す断面図である。
【図7】本発明によるレゾネータ部材の第五実施形態を
示す断面図である。
【図8】本発明によるレゾネータ部材の第六実施形態を
示す断面図である。
【図9】従来のレゾネータ型防音板を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
11、31、41、51、61、71 レゾネータ部材 13、15 長板 17 垂直基
板 21 スリット 25 レゾネ
ータ型防音板 33、53、63、73 垂直壁 43 断面ロ
字状の長尺基材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一平面上で複数本を並設することでレ
    ゾネータ型防音板を形成するレゾネータ部材であって、 幅の異なる一対の平行な長板の長手側縁部同士を垂直基
    板で連結することで長手方向に直交方向の断面形状を略
    コ字状に形成したことを特徴とするレゾネータ部材。
  2. 【請求項2】 前記一対の長板の長手側縁部に前記垂直
    基板と平行な垂直壁を連設したことを特徴とする請求項
    1記載のレゾネータ部材。
  3. 【請求項3】 同一平面上で複数本を並設することでレ
    ゾネータ型防音板を形成するレゾネータ部材であって、 断面ロ字状の長尺基材の一側面中央に該基材の長手方向
    にスリットを形成したことを特徴とするレゾネータ部
    材。
  4. 【請求項4】 前記スリットの両縁部から前記基材の中
    空部内に向けて一対の平行な垂直壁を形成したことを特
    徴とする請求項3記載のレゾネータ部材。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4記載のいずれか一
    つのレゾネータ部材を前記スリットが開口するようにし
    て同一平面上で複数本を平行に並べて連結し、スリット
    及び中空部を有したレゾネータ型防音板を形成すること
    を特徴とするレゾネータ部材を用いた防音板の形成方
    法。
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