JP2021051124A - 遮音ルーバーの設定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】同一断面を有する共鳴器を組み込んだルーバー羽根部材からなる遮音ルーバーの遮音性能を適切に確保することができる設定方法を提供する。【解決手段】スリット状開口部50を有する第1共鳴器10aが、前記ルーバー羽根部材3の第1主面4に配され、第2共鳴器10bが、前記ルーバー羽根部材3の第2主面5に配され、一つのルーバー羽根部材3の中での前記第1主面4と、前記第2主面5との間の距離をt’とし、一つのルーバー羽根部材3の中での第1共鳴器10aのスリット状開口部50と、前記第2共鳴器10bのスリット状開口部50との間の距離w’とし、一の前記ルーバー羽根部材3と、これに対して隣に配置される前記ルーバー羽根部材3との間の距離をd’とするとき、前記ルーバー羽根部材3の前記第1主面4及び前記第2主面5が水平方向となす角度θをθ=tan-1{w’/(t’+d’)}より設定することを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、通気性を確保することができ、さらに意匠性にも優れ、十分な遮音性能を確保することが可能な遮音ルーバーの設定方法に関する。
屋外に配置され、騒音が発生するような設備機器(例えば、空調機器の室外機など)の周辺にルーバー壁が設置される場合、ルーバー羽根部材の主面を傾斜させて設置するのが一般的である。これは、通気性を確保しつつ、意匠性を考慮して外部から設備機器等が見えることを防ぐためである。
発明者は、引用文献1(特開2018−053708)において、ルーバー羽根部材がある間隔をおいて複数連続して設置される構造において、スリット状の開口部を持つ共鳴器(スリット共鳴器)を、開口部がルーバー羽根部材間の隙間(通気経路)に面するように組み込んだ遮音構造、即ち遮音ルーバーを提案した。
引用文献1において、数値解析例を示したように、スリット共鳴器は通気経路(伝搬路)に対して向かい合うように対で配置すると効果が高い。
引用文献1の図3には、ルーバー羽根部材の2つの主面それぞれに開口部が設けられるように2つのスリット共鳴器を組み込み、ルーバー羽根部材の主面を傾斜させると共に、それぞれの開口部が通気経路を挟んで対向するように、複数連続してルーバー羽根部材を配置した遮音ルーバーの例が図示されている。
特開2018−053708号公報
引用文献1には、上記のように複数のルーバー羽根部材の主面を傾斜させて連続配置する場合、開口部が通気経路を挟んで対向配置するようにするためには、どのようにスリット共鳴器をルーバー羽根部材に組み込めばよいかに係る具体的な設定方法についての指針は示されていない。
ルーバー羽根部材に共鳴器が適切に組み込まれていなかったり、或いは、共鳴器が組み込まれたルーバー羽根部材が適切に配置されていなかったりすると、遮音ルーバーの遮音性能が十分に確保することができないが、従来、遮音ルーバーの適切な設定方法について、知見が存在しなかった。
また、ルーバー羽根部材を押出加工により大量生産することを考えると、複数配置するスリット共鳴器を組み込んだルーバー羽根部材は同一断面であることが望ましい。しかしながら、従来、このような同一断面のルーバー羽根部材を用いた遮音ルーバーの適切な設定方法についての指針が示されておらず問題であった。
この発明は、上記課題を解決するものであって、本発明に係る遮音ルーバーの設定方法は、ルーバー羽根部材が、複数連続して配置された遮音ルーバーの設定方法であって、スリット状開口部を有する第1共鳴器が、前記ルーバー羽根部材の第1主面に配され、前記第1共鳴器と同じ寸法を有する第2共鳴器が、前記ルーバー羽根部材の第2主面に配され、一つのルーバー羽根部材の中での前記第1主面と、前記第2主面との間の距離をt’とし、一つのルーバー羽根部材の中での第1共鳴器のスリット状開口部と、前記第2共鳴器のスリット状開口部との間の距離w’とし、一の前記ルーバー羽根部材と、これに対して隣に配置される前記ルーバー羽根部材との間の距離をd’とするとき、前記ルーバー羽根部材の前記第1主面及び前記第2主面が水平方向となす角度θをθ=tan-1{w’/(t’+d’)}
により設定することを特徴とする。
また、本発明に係る遮音ルーバーの設定方法は、ルーバー羽根部材が、複数連続して配置された遮音ルーバーの設定方法であって、スリット状開口部を有する第1共鳴器が、前記ルーバー羽根部材の第1主面に配され、前記第1共鳴器と同じ寸法を有する第2共鳴器が、前記ルーバー羽根部材の第2主面に配され、一つのルーバー羽根部材の中での前記第1主面と、前記第2主面との間の距離をt' 'とし、前記ルーバー羽根部材の前記第1主面及び前記第2主面が水平方向となす角度をθ’とし、一の前記ルーバー羽根部材と、これに対して隣に配置される前記ルーバー羽根部材との間の距離をd' 'とするとき、一つのルーバー羽根部材の中での第1共鳴器のスリット状開口部と、前記第2共鳴器のスリット状開口部との間の距離wを、w=(t' '+d' ')tanθ’により設定することを特徴とする。
また、本発明に係る遮音ルーバーの設定方法は、前記第1主面及び前記第2共鳴器における内壁のうち、隣り合う内壁が垂直の関係にない内壁が存在することを特徴とする。
また、本発明に係る遮音ルーバーの設定方法は、前記スリット状開口部の両側に、共鳴器の内側の空間に延在する隔壁部が設けられることを特徴とする。
また、本発明に係る遮音ルーバーの設定方法は、前記スリット状開口部の片側にのみに、共鳴器の内側の空間に延在する隔壁部が設けられることを特徴とする。
本発明に係る遮音ルーバーの設定方法によれば、同一断面を有する共鳴器を組み込んだルーバー羽根部材からなる遮音ルーバーの遮音性能を適切に確保することができるようになる。
遮音ルーバー1で用いる共鳴器10を説明する図である。 通気経路(伝搬路)100に2つの共鳴器10を適用した例を説明する図である。 本発明に係る遮音ルーバー1の設定方法を説明する図である。 本発明の第1実施形態に係る遮音ルーバー1の設定方法を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る遮音ルーバー1の設定方法を説明する図である。 共鳴器10におけるスリット状開口部50の配置について説明する図である。 本発明の第3実施形態に係る遮音ルーバー1の設定方法を説明する図である。 本発明の第4実施形態に係る遮音ルーバー1の設定方法を説明する図である。 実験のパターンを示す図である。 実証実験の結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本発明に係る遮音ルーバー1では、図1に示すような背後に密閉された空洞を持つ、スリット構造によって共鳴現象が生じる共鳴器10を利用する。図1(A)はそのような共鳴器10の斜視図である。また、図1(B)は、図1(A)の共鳴器10のスリット状開口部50の長手方向を垂直で切って見た断面図である。
図1に示すように、本発明に係る遮音ルーバー1に組み込んで用いる共鳴器10は、基本的に、内側の空間が中空である四角柱状の筐体40から構成されている。このような筐体40は、断面が略矩形をなした長尺状の部材である。図1において、筐体40の長手方向と垂直な断面が、前記矩形をなすものである。共鳴器10を構成する筐体40の一面には、長手状のスリット状開口部50と、このスリット状開口部50の両側に配され、共鳴器10の内側の空間に延在する隔壁部60と、を有することを特徴としている。対向する2つの隔壁部60は基本的には同様の寸法を有している。ここで、共鳴現象が生じる共鳴器10の各寸法は図1に示す記号で表す。なお、スリット状開口部50が構成されている筐体40の一面と、隔壁部60の主面とは互いに直交している。
共鳴器10の各寸法が波長に対して十分に小さい場合、スリット状開口部50における音響インピーダンス比Zは次式(1)で求めることができる。
Figure 2021051124
ただし、fは騒音の周波数、cは音速、ρは媒質(空気)密度を表す。また、Vnは、スリット状開口部50と隔壁部60とで囲まれた、図1(B)の斜線部以外の空間の体積(対向する隔壁部60の間の空間の体積)で、開口端補正を考慮して次式(2)で計算される。なお、式(2)における[ ]内の第2項が、開口端補正に関連する項である。また、図1(B)で斜線部の空間は、共鳴現象が生じる共鳴器10の空気層に相当する。
Figure 2021051124
また、Vは共鳴器10の空洞部の体積(空気層の体積)で、次式(3)で計算される。
Figure 2021051124
また、Sは、スリット状開口部50(スリット開口)の面積で、次式(4)で計算される。
Figure 2021051124
式(1)の右辺第1項のrは、共鳴現象が生じる共鳴器10の隔壁部60表面と空気の間に生じる摩擦などの音響抵抗である。隔壁部60を金属など表面が平滑な材料で構成する場合、音響抵抗rは極めて小さな値となり、次式を満足する共鳴周波数fにおいてスリット状開口部50の開口における音響インピーダンス比Zがほぼ0となる。
Figure 2021051124
このような共鳴現象を生じさせるものとして機能する、2つの共鳴器10を、例えば、図2に示すように、通気経路(伝搬路)100の上下の内壁105に沿って対向配置すると、上記の周波数fにおいては対向するスリット部が音響的に“ソフト”な状態となり、音源側から伝搬してきた周波数fの騒音は音源側へ反射され受音側に伝搬しない。
図2は通気経路(伝搬路)100に2つの共鳴器10を適用した例を説明する図である。図2は通気経路(伝搬路)100を、通気経路(伝搬路)100の長手方向(或いは、スリット状開口部50の長手方向)を垂直に切って見た断面図である。共鳴器10が組み込まれる2つの対象物(本例では、ルーバー羽根部材3)の主面は内壁105とし働き、この内壁105が囲む空間が通気路(通気経路)として機能する。
本実施形態に係る通気経路(伝搬路)100においては、音源側に騒音源が存在し、騒音源からの騒音が受音側に伝搬されることを例として説明を行う。また、通気経路(伝搬路)100自体の長手方向(紙面に対して垂直な方向)は水平方向に設置されることを前提として説明するが、通気経路(伝搬路)100の設置方法はこのような例に限られない。
この通気経路(伝搬路)100においては、通気経路(伝搬路)100を形成する上下で対向する2つの内壁105を、音響的に“ソフト”な状態とする。すなわち、図2に示すように、通気経路(伝搬路)100内側で、上下の内壁105に対向するように2つの共鳴器10が設けられることで、対向する壁面が音響的に“ソフト”な状態、すなわち、壁面の表面における音響インピーダンス比Zが0となり、音源側から伝搬してきた騒音は音源側へ反射され受音側へ伝搬しないようにする。
図2に示すような通気経路(伝搬路)100によれば、共鳴器10の共鳴周波数において、対向した共鳴器10のスリット状開口部50における音響インピーダンス比がほぼ0となり、音源側(上流側)から入射した騒音は音源側へ反射され受音側(下流側)に伝搬することがない。
発明者は、引用文献1(特開2018−053708)において、上記のような共鳴器10をルーバー羽根部材に組み込み、このようなルーバー羽根部材をある間隔をおいて複数連続して設置した遮音ルーバーを提案した。
提案時においては、遮音ルーバーの遮音性能を十分に確保するための遮音ルーバーの適切な設定方法についての知見が十分ではなかったが、今回の発明により、このような知見を得るに至った。以下、本発明に係る遮音ルーバー1の設定方法についてより具体的に説明する。図3は本発明に係る遮音ルーバー1の設定方法を説明する図である。
遮音ルーバー1を構成するルーバー羽根部材3は2つの主面である第1主面4及び第2主面5を有している。ルーバー羽根部材3において、第1主面4と、第2主面5とは表裏の関係にある。一のルーバー羽根部材3の第1主面4と、それと隣り合うルーバー羽根部材3の第2主面5との間の空間が、空気の流路である通気経路或いは音の伝搬路となる。このような空間を通気経路(伝搬路)100と称している。
また、ルーバー羽根部材3においては、第1共鳴器10aが第1主面4に配され、この第1共鳴器10aと同じ寸法を有する第2共鳴器10bが、ルーバー羽根部材3の第2主面5に配されている。
例えば、第1共鳴器10aと第2共鳴器10bとが組み込まれた状態で一体化されたルーバー羽根部材3は、アルミニウムなどにより押出成形して製造することができる。本発明においては、このように製造された同一断面のルーバー羽根部材3を複数用いて構成された遮音ルーバー1が前提とされる。
なお、以下では、ルーバー羽根部材3は垂直方向に複数個が連続配置した遮音ルーバー1を例に説明するが、ルーバー羽根部材3の配置方向はこれに限るものではない。
本発明に係る遮音ルーバー1の設定方法では、ルーバー羽根部材3の主面(第1主面4、第2主面5)が水平方向(ルーバー羽根部材3を連続配置する方向と直交する方向)に対してなす角度をθとし、ルーバー羽根部材3間の隙間、すなわち、通気経路(伝搬路)100の幅をdとし、ルーバー羽根部材の厚さ(一つのルーバー羽根部材3の中での第1主面4と第2主面5との間の距離)をtとして、ルーバー羽根部材3の2つの主面(第1主面4、第2主面5)それぞれに設けられる共鳴器の開口部間の距離(一つのルーバー羽根部材3の中での第1共鳴器10aのスリット状開口部50中心と、第2共鳴器10bのスリット状開口部50中心との間の距離)をwとするとき、下式(6)の関係が成立するように各パラメーターを設定するようにする。
w = (t+d)tanθ・・・ (6)
本発明に係る遮音ルーバー1の設定方法では、上記のように各パラメーターを設定することで、ルーバー羽根部材3に組み込まれた第1共鳴器10a、第2共鳴器10bが、確実に正対するようにして配置されることとなる。これによれば、確実に、第1主面4と第2主面5を音響的に“ソフト”な状態とすることができ、第1主面4と第2主面5の表面における音響インピーダンス比Zを0として、音源側から伝搬してきた騒音は上流側へ反射され下流側である受音側へと伝搬しないようにすることができる。
以上のような本発明に係る遮音ルーバー1の設定方法の原則を踏まえ、まず第1実施形態について説明する。図4は本発明の第1実施形態に係る遮音ルーバー1の設定方法を説明する図である。本実施形態において例示するものは、全てのルーバー羽根部材3が同期して、Oを中心としてx方向またはx’方向に回動しθが調整可能である遮音ルーバー1である。遮音ルーバー1を構成するルーバー羽根部材3は同一断面を有するものである。
遮音ルーバー1のルーバー羽根部材3の厚さ(一つのルーバー羽根部材3の中での第1主面4と第2主面5との間の距離)がt’であり、共鳴器10の開口部間の距離(一つのルーバー羽根部材3の中での第1共鳴器10aのスリット状開口部50中心と、第2共鳴器10bのスリット状開口部50中心との間の距離)がw’であり、及び通気経路(伝搬路)100の幅がd’であり、Oを中心として回動することでルーバー羽根部材3の傾斜角θが調整可能な場合、式(7)より導かれる下記の傾斜角θでルーバー羽根部材3を設定する。
θ=tan-1[w’/(t’+d’)] ・・・(7)
ただし、tan-1は正接(tan)の逆関数である。
このような第1実施形態に係る設定方法によれば、同一断面を有する共鳴器10を組み込んだルーバー羽根部材3からなる遮音ルーバー1の遮音性能を適切に確保することができるようになる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は本発明の第2実施形態に係る遮音ルーバー1の設定方法を説明する図である。本実施形態においては、例えば、通気性能(開口率)や意匠上の理由により、遮音ルーバー1のルーバー羽根部材3の厚さt' '、傾斜角θ’、及び通気経路(伝搬路)100の幅d' 'が予め決められている場合を想定している。
このような想定の場合、共鳴器10のスリット状開口部50の間の距離wは、下式(8)から算出した下記の値となるように、共鳴器10をルーバー羽根部材3に組み込むようにする。
w = (t' '+d' ')tanθ’・・・(8)
図5で示した遮音ルーバー1を構成するルーバー羽根部材3に組み込まれた共鳴器10は、これまで説明したものと相違する点があるので、この相違について説明する。図6は共鳴器10におけるスリット状開口部50の配置について説明する図である。
図6(A)は、共鳴器10におけるスリット状開口部50が、図の幅方向でみてちょうど中心に位置している場合を示している。このように、スリット状開口部50が中心に位置する共鳴器10は図1乃至図4で説明した共鳴器10に対応するものである。
一方、図6(B)は共鳴器10におけるスリット状開口部50が、図の幅方向で中心からずれている場合を示している。図5におけるルーバー羽根部材3には、スリット状開口部50が中心からずれた共鳴器10が組み込まれたものが用いられている。
(8)式で算出された開口部間の距離wが小さく、図6(A)に示すようにそれぞれの共鳴器10の中心にスリット状開口部50をルーバー羽根部材3内に配置できない場合、図5に示すようにスリット状開口部50を中心からずらして配置したものを採用することもできる。
以上のような第2実施形態に係る設定方法によっても、同一断面を有する共鳴器10を組み込んだルーバー羽根部材3からなる遮音ルーバー1の遮音性能を適切に確保することができるようになる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。これまで説明した遮音ルーバー1のルーバー羽根部材3に組み込まれた共鳴器10には、隣り合う内壁は必ず垂直の関係にあるものが用いられていた。これに対して、第3実施形態の遮音ルーバー1のルーバー羽根部材3に組み込まれた共鳴器10は、隣り合う内壁が垂直の関係にない内壁が存在する。このことを図により説明する。図7は本発明の第3実施形態に係る遮音ルーバー1の設定方法を説明する図である。
図7において、例えば、最下段のルーバー羽根部材3において説明書きが加えられている共鳴器10の隣り合う内壁同士は、垂直の関係にない。このように、本実施形態においては、これまで説明した各パラメーターの関係性を有すると共に、共鳴器10における内壁のうち、隣り合う内壁が垂直の関係にない内壁が存在することを特徴としている。
共鳴器10の共鳴周波数は式(5)に示されるように空洞部の体積、スリット状開口部50の面積S及び開口端補正を考慮したスリット状開口部50部分の体積で決まる。本発明に係る遮音ルーバー1の設定方法においては、スリット状開口部50間の距離wが式(8)を満たすようにすれば、開口部の位置や空洞部の形状が図1に示す共鳴器10の基本的な形状と異なっても遮音ルーバー1の騒音低減性能は変わらない。
以上のような第3実施形態に係る設定方法によっても、同一断面を有する共鳴器10を組み込んだルーバー羽根部材3からなる遮音ルーバー1の遮音性能を適切に確保することができるようになる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。これまで説明した遮音ルーバー1のルーバー羽根部材3に組み込まれた共鳴器10においては、スリット状開口部50の両側に、一対の隔壁部60が配される構成であった。これに対して、第4実施形態の遮音ルーバー1のルーバー羽根部材3に組み込まれた共鳴器10は、スリット状開口部50の片側にのみ、隔壁部60が配される構成を有している。このことを図により説明する。図8は本発明の第4実施形態に係る遮音ルーバー1の設定方法を説明する図である。
図8において、ルーバー羽根部材3に組み込まれた共鳴器10は、開口部を共鳴器10の片側に寄せて、スリット状開口部50の両側に構成される隔壁部60の片側を、空洞部を構成する筐体の一部と一体化したような構造とされている。これまで説明した各パラメーターの関係性を有する限り、共鳴器10をこのような構造としてもよい。
上記の構造の場合、共鳴器10は筐体と一体化していないもう片側の隔壁部60の長さをスリット長lとして共鳴し、その共鳴周波数付近において遮音ルーバー1の騒音低減効果が得られる。
なお、ルーバー状構造ではなく単一の通気経路に共鳴器10を配置した例であり、また、図8などに示された共鳴器10と全く同じ構造に相当するものではないが、(A)スリット状開口部50の両側に隔壁部60を有する共鳴器10と、(B)スリット状開口部50の片側のみに隔壁部60を有する共鳴器10とを用いた実験について説明する。
図9は実験のパターンを示す図である。図9(A)は両側に隔壁部60を有する共鳴器10を対向配置したバターンであり、図9(B)は片側のみに隔壁部60を有する共鳴器10を対向配置したバターンである。図9(A)の共鳴器10は共鳴周波数500Hzであり、図9(B)の共鳴器10は500Hzと630Hzの2つの共鳴周波数を持つであった。
図10は実証実験の結果を示す図である。図10において(A)と(B)の結果は、図9(A)と図9(B)の共鳴器のものと対応している。また、(O)は、全く共鳴器が設置されていないときの結果を示している。
(A)は、共鳴器の共鳴周波数である500Hz帯域付近で(O)と比較して音響透過損失が大きく向上していることがわかる。これが共鳴器10による騒音低減効果である。(B)は、(A)と比較して効果の最大値は低下するものの、より幅広い周波数帯域で騒音低減効果が得られていることが確認できる。
実験からも、片側にのみに隔壁部60が配された共鳴器10により騒音低減効果が得られることが確認でき、これまで説明した各パラメーターの関係性を有する限り、遮音ルーバー1のルーバー羽根部材3に組み込む共鳴器10を、スリット状開口部50の片側のみに隔壁部60が配される構成のものとすることができる。
以上のような第4実施形態に係る設定方法によっても、同一断面を有する共鳴器10を組み込んだルーバー羽根部材3からなる遮音ルーバー1の遮音性能を適切に確保することができるようになる。
以上、本発明に係る遮音ルーバー1の設定方法によれば、意匠上の理由などによりルーバー羽根部材3の主面を傾斜させて連続配置する場合に、共鳴器10のスリット状開口部50が確実に通気経路(伝搬路)100を挟んで対向するように設置できる。
そして、共鳴器10のスリット状開口部50が通気経路(伝搬路)100を挟んで対向することにより、遮音ルーバー1の騒音低減効果を最大化できる。
上記のような効果を、同一断面のルーバー羽根部材3を用いて実現できる。同一断面のルーバー羽根部材3は、一つの押出型材で大量生産することが可能であり、製造コストを抑えることができる。
実施形態では、ルーバー羽根部材3がある一定の間隔をおいて複数連続配置されるルーバー構造を例として説明したが、本発明はこれに限らず、複数の遮音部材が通気経路(或いはより一般的に隙間)と交互に配置される構造において有効である。
また、実施形態では、ルーバー羽根部材3の2つの主面それぞれに開口部が設けられるように2つの共鳴器10を組み込んだ例を示したが、組み込む共鳴器の数はこれに限定されるものではない。
また、実施形態では、通気経路(伝搬路)100を挟んで開口部が対向するように同じ形状、すなわち、寸法が同じで、共鳴数周波数が同じ共鳴器10を組み込んだ例を示したが、形状・寸法が異なり、共鳴周波数が異なる共鳴器10を開口部が対向するように組み込む場合においても、本発明の考え方は有効である。
1・・・遮音ルーバー
3・・・ルーバー羽根部材
4・・・第1主面
5・・・第2主面
10・・・共鳴器
10a・・・第1共鳴器
10b・・・第2共鳴器
50・・・スリット状開口部
60・・・隔壁部
100・・・通気経路(伝搬路)
105・・・内壁
O・・・回動中心

Claims (5)

  1. ルーバー羽根部材が、複数連続して配置された遮音ルーバーの設定方法であって、
    スリット状開口部を有する第1共鳴器が、前記ルーバー羽根部材の第1主面に配され、
    前記第1共鳴器と同じ寸法を有する第2共鳴器が、前記ルーバー羽根部材の第2主面に配され、
    一つのルーバー羽根部材の中での前記第1主面と、前記第2主面との間の距離をt’とし、
    一つのルーバー羽根部材の中での第1共鳴器のスリット状開口部と、前記第2共鳴器のスリット状開口部との間の距離w’とし、
    一の前記ルーバー羽根部材と、これに対して隣に配置される前記ルーバー羽根部材との間の距離をd’とするとき、

    前記ルーバー羽根部材の前記第1主面及び前記第2主面が水平方向となす角度θを
    θ=tan-1{w’/(t’+d’)}
    により設定することを特徴とする遮音ルーバーの設定方法。
  2. ルーバー羽根部材が、複数連続して配置された遮音ルーバーの設定方法であって、
    スリット状開口部を有する第1共鳴器が、前記ルーバー羽根部材の第1主面に配され、
    前記第1共鳴器と同じ寸法を有する第2共鳴器が、前記ルーバー羽根部材の第2主面に配され、
    一つのルーバー羽根部材の中での前記第1主面と、前記第2主面との間の距離をt' 'とし、
    前記ルーバー羽根部材の前記第1主面及び前記第2主面が水平方向となす角度をθ’とし、
    一の前記ルーバー羽根部材と、これに対して隣に配置される前記ルーバー羽根部材との間の距離をd' 'とするとき、
    一つのルーバー羽根部材の中での第1共鳴器のスリット状開口部と、前記第2共鳴器のスリット状開口部との間の距離wを、
    w=(t' '+d' ')tanθ’
    により設定することを特徴とする遮音ルーバーの設定方法。
  3. 前記第1主面及び前記第2共鳴器における内壁のうち、隣り合う内壁が垂直の関係にない内壁が存在することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遮音ルーバーの設定方法。
  4. 前記スリット状開口部の両側に、共鳴器の内側の空間に延在する隔壁部が設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の遮音ルーバーの設定方法。
  5. 前記スリット状開口部の片側にのみに、共鳴器の内側の空間に延在する隔壁部が設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の遮音ルーバーの設定方法。
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