JP5422897B2 - 投射光学系及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
特許文献2には、レンズ系とミラー系の間の光路に最終ミラーからの投射光を交差させ、被投射画面(スクリーン)をレンズ系の光軸に略平行に配置して、スクリーンを含めた装置全体の薄型化を図った背面投射型(リアプロジェクション型;以下、単に「リアプロ」と略す)の画像投影装置が開示されている。
特許文献3、4に開示された投影装置においても同様なことが言える。
しかしながら、投射光学系ユニットPUはリアプロとして最適化されているために、投射光学系ユニットPUをそのままフロントプロに適用することはできない。
フロントプロに適用する場合、折り返しミラー等で観察する側から投射画像を観察できるように投射光学系内を折り返す構成が考えられるが、スクリーン以外の投射光学系を筐体内に収容したプロジェクタ本体ではコンパクト化が阻害されるとともに、コスト上昇を避けられない。
としたときに、
|H 1 |>|H 2 |
を満たすことを特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項1又は2に記載の投射光学系において、第1光学系と第2光学系の間に、前記複数の光束が略収束化された前記一方の共役面の中間像を有することを特徴とする。
請求項5記載の発明では、請求項1〜4のいずれか1つに記載の投射光学系において、第1光学系は共軸光学系であることを特徴とする。
請求項6記載の発明では、請求項1〜5のいずれか1つに記載の投射光学系において、第2光学系の第1光学系に対応する反射面は、アナモフィックな自由曲面形状であることを特徴とする。
請求項8記載の発明では、請求項1〜7のいずれか1つに記載の投射光学系において、第2光学系の反射面のうち少なくとも1つは、移動可能に設けられていることを特徴とする。
請求項9記載の発明では、請求項8に記載の投射光学系において、前記移動可能な反射面は、第1光学系に対応した反射面であることを特徴とする。
請求項11記載の発明では、少なくとも1枚以上の画像形成素子と、前記画像形成素子により変調された光画像信号を拡大もしくは縮小する投射光学系を有する画像表示装置において、前記投射光学系が請求項1〜10のいずれか1つに記載の投射光学系であることを特徴とする。
レンズ系と反射面の間隔を有効利用できるため、全体の占有体積が小さくなり、コンパクトにできる。
第1光学系と第2光学系の間に中間像を作ることによって、中間像では各画角の光束が分離しているため、その直後の第2光学系、特に第2光学系の第1光学系側の正のパワーを持った反射面で、広角な光学系で発生しやすいディストーションや像面湾曲を補正しやすくなる。
射出瞳近傍は全光線が狭い位置で集まっているため、そこに反射面を配置すると、その反射面面積を小さくでき、システムのコンパクト化、コストダウンを図ることができる。
第2光学系の反射面がアナモフィックな自由曲面であることにより、設計自由度が上がり解像性能を上げることができる。特に、X方向とY方向の曲面のパワーを変えることができるため、サジタル方向とメリジオナル方向で結像位置が変化してしまう非点収差の補正に効果的である。
第2光学系の反射面を移動可能としたことにより、例えば非投射時に出っ張った反射面を光軸方向や第1光学系の方向に畳んだり動かすことができるため、装置を移動する際や収納する際、装置がコンパクトになる。
本実施形態に係るフロントプロの投射光学系1は、一方の共役面を含むプロジェクタ本体2と、他方の共役面をなすスクリーン105を有している。
プロジェクタ本体2は筐体110を有し、筐体110には、画像形成素子101、複数のレンズを有する第1光学系102、第2光学系112が収容されている。
第2光学系112は、正のパワーを持ち第1光学系102に対応する反射面103と、パワーを有してスクリーン105に対応する反射面104とからなる。反射面103と反射面104はいずれもアナモフィックな自由曲面形状を有している。
「第1光学系に対応する反射面」とは、第1光学系から射出した光線が先に入射する反射面のことであり、「スクリーン(共役面)に対応する反射面」とは、第1光学系に対応する反射面から反射した光線が入射し、共役面方向に反射させる反射面のことである。
もちろん、第1光学系102はレンズだけでなくパワーを持つ反射面を含んだ光学系でも良く、パワーを持たない反射面で光路を折り返しても良い。また、図1では第1光学系102は3つのレンズで模式的に記載しているが、3つのレンズで構成される光学系に限定されるものではない。
第2光学系112の共役面Bに対応する反射面104は図1では正のパワーを持った凹面反射面で記載されているが、光学系全体で最適化設計を行い所望の投射性能を満たす時には凹面でも凸面でもありうるため、凹面反射面に限定されるものではない。
反射面103から正のパワーを受けて射出した光束は、YZ平面上で第1光学系102の光軸106に対し、第2光学系112の第1光学系に対応する反射面103と反対側の空間に配置された共役面Bに対応する反射面104に入射する。
反射面103が正のパワーを持っているため、入射光に対し射出光は収束化される。このため、共役面Bに対応する反射面104のサイズが大きくならずコンパクトなものにできる。
共役面Bに対応する反射面104を射出した光束は、スクリーン105に到達するまでに、YZ平面上でそれまでに至った光路と1回のみ交差し、スクリーン105上で結像する。
換言すれば、スクリーン105上の投影画像の中心と、第1光学系102の最も口径が大きいレンズの光軸106で定義される平面である。
「光束がYZ平面上で交差する」とは、投射光学系全光束をYZ平面に投影したときに交差する、という意味である。
上記のように共役面Bに対応する第2光学系の反射面104を射出した光束が、YZ平面上でそれまでに至った光路と1回のみ交差することにより、投射光学系の内部の空間を結像に必須な所望の空間(投射性能を満足するために必要な空間)として有効利用することができるため、物体から結像面までの結像システムが占有する空間を有効利用できる。
このことにより、結像システム、投射システム、投射装置としてコンパクトにすることができる。
交差回数が多いとフレア光が共役面Bに到達する確率が高くなって画質劣化が懸念されるため、この観点からも1回のみの交差方式は有利である。
また、共役面B上のスクリーン105の中心を通る共役面Bの法線107がスクリーン以外の投射光学系と交差しないように、光学系全体が配置されている。このことにより、例えば図1の右側から人などがスクリーンに投射された投影画像を観察する際にスクリーン以外の投射光学系が邪魔になりにくい。そのことにより、例えばスクリーン以外の投射光学系をひとつの筐体に収容したプロジェクタ本体2にて、図1の右側から観察する場合、プロジェクタ本体2体が邪魔することなく、観察することができる。すなわち、本光学系はフロントプロの投影装置に採用するのに適している。
特に、本実施形態、後に示す第2の実施形態、および第3の実施形態は、スクリーン105を通る共役面Bの下端からの法線も、スクリーン以外の投射光学系と交差しないように、光学系全体が配置されている。
このことにより、スクリーンに投射された投射画像を観察する際に投射光学系が邪魔になりにくいという効果がより顕著に発揮される。
YZ平面において、第1光学系102の最も口径の大きいレンズ102aの光軸106を基準に、第1光学系102に対応する反射面103の有効径の光軸106からの最大高さをH1、共役面Bに対応する反射面104の有効径の光軸106からの最大高さをH2とし、H1の絶対値|H1|よりもH2の絶対値|H2|を小さくすることによって、第2光学系112の共役面Bに対応する反射面104がより光軸106に近い位置に配置され、光軸106に対しスクリーン105と反対の空間(図2における光軸106より下側)での光学系の空間占有箇所が小さくなる。
このことにより、図3(a)に示すように、スクリーン105を除く投射光学系(レンズ系と反射面)を装置(プロジェクタ本体2)としたときに、その厚みは、|H1|<|H2|としたとき(図3(b))の厚み、特許文献1の実施例で示されている光学系(図3(c))での厚みと比べて、上部に出っ張りはあるもののコンパクトになる。
また、図3(b)、(c)に示す構成では、光軸の位置が筐体底面から上方に位置するため、重心が高くなり、設置時に不安定となる懸念がある。
これに対して、本実施形態に係るプロジェクタ本体2は、光軸の位置が筐体の底面側に位置して低重心となり、設置安定性を確保することができる。
筐体110の底面は、第1光学系102の、スクリーン105上の画像の上下方向における略下端ラインを基準にして無駄なスペースが生じないように設定されており、第2光学系112の反射面104は、筐体110の底面近傍に配置されている。
図4は本実施形態に係る画像表示装置400の全体図、図5は図4においてスクリーン405を除いた部分の拡大図である。
透過型液晶パネルや反射型液晶パネル、DMDに代表される画像形成素子401を射出した光束はレンズのみで形成された共軸光学系の第1光学系402に入射する。
ここでは、第1光学系402はレンズのみで構成されているが、反射面や回折面などを用いて光路を折りたたむ等の手段があってもよく、所望の結像性能を満たすのであれば特に問題とならない。また、第1光学系402は共軸光学系としているが、上記実施形態と同様、所望の結像性能を満たすのであれば非共軸光学系でも特に問題とならない。
第1光学系402を射出した光束は第1光学系402のみによって共役面A上の画像形成素子401の中間像407を形成する。中間像407は画像形成素子401に対し若干拡大されている。
中間像407は最終的にスクリーン405で所望の結像性能が得られていればいいので、中間像自身の解像性能は特に問題とならない。中間像407にて略収束化された光束は再び発散し、第2光学系の正のパワーを持った反射面403に入射する。そこで正のパワーを受けた光束は、全体の有効光束幅が小さくなりながら、共軸光学系である第1光学系の光軸406を通過し、第2光学系の反射面404に入射する。反射面404でパワーを受けた光束は投射光学系の内部のこれまでに至った光束と1回交差(交差部409)し、共役面B上のスクリーン405に投射されている。
中間像を一旦得る光学系においては、中間像を形成しない従来の光学系と比較すると格段に光束を交差させやすい。
補足すると、本発明は、画像形成素子などの物体をシフトさせ(第1光学系の光軸からずらし)、斜め方向に投射する場合で、第2光学系の大きさが、第1光学系の有効径より大きい投射光学系の場合に特に有効である。
このような投射光学系であると、本発明の第2光学系の共役面Bに対応する反射面がない場合は、第2光学系がシフトしている側(側面Cとする:図示せず)に対して反対側(側面Dとする:図示せず)側に投射光束が進み投射画像を形成するが、本発明の第2光学系の共役面Bに対応する反射面により光路を折り曲げられ、さらに、その光束がそれまでに至った光路を1回のみ交差して上記側面C側に投射することにより、第2光学系がシフトしている側の空間を有効利用できることになる。
したがって、より小型の投射光学系、投射光学装置を実現できる。
本実施形態に係る画像表示装置のプロジェクタ本体2の第2光学系112における共役面Bに対応する反射面104'は、負のパワーを持った凸面反射面である。
勿論、光学系全体で最適化設計を行い所望の投射性能を満たす時には凹面でも凸面でもありうるため、凸面反射面に限定されるものではない。
図1に示した構成は中間像を第1光学系と第2光学系の間に形成する構成で、中間像をスクリーン上で再び結像させるには第2光学系で大きな正のパワーが必要なため、共役面Bに対応する反射面104も正のパワーを持つ反射面、つまり凹面になりやすいが、本実施形態では中間像を持たない構成で、スクリーン上で大きく拡大投影するために共役面Bに対応する反射面104'は光線を発散させる負のパワー、つまり凸面になりやすい。
本実施形態に係る投射光学系におけるプロジェクタ本体3は、図1等で示した筐体110に比べて外面に凹凸を有しない直方体状の筐体610を有しており、筐体610内に画像形成素子101、第1光学系102、第2光学系112が外部に出っ張ることなく収容されている。
筐体610は第1光学系102のスクリーン105上の画像の上下方向の高さに対応した直方体状に形成されている。すなわち、筐体610の上下方向の高さは、第1光学系102を無駄なスペースが存在しない状態で収容する必要最小限の高さに設定されており、コンパクト化を実現している。
第2光学系112の第1光学系102に対応する反射面103は、下端側を軸支されてスクリーン105に形成される画像の上下方向に回動可能に設けられている。
筐体610の反射面103に対応する上面は開口されており(その他の上面は透光性部材で閉塞)、使用する際には、実線で示す退避位置(収納位置)から二点鎖線で示す使用位置に引き上げて設定され、図示しないストッパにより位置決めされる。
不使用時(非投射時)には実線で示す位置に収納され、上記開口部を塞ぐ側板を兼ねる。
因みに、図3(c)に示す従来構成においてこのようなプロジェクタ本体のコンパクト化を試みようとした場合、反射面103は筐体610の底面側に突出することになるので適用できない。
図示しないが、さらに、筐体610を分割構成とし、第2光学系112側をガイドレール構成等を介して第1光学系102側に対して摺動自在とし、不使用時には押し込んで光軸方向の装置幅を短くする構成としてもよい。このようにすればかさばらず、可搬性、取扱い性を一層向上させることができる。
反射面103とは別に上記開口部を開閉する蓋を光軸方向にスライド自在に設け、不使用時に筐体110内にゴミ等が侵入しないようにしてもよい。
本実施形態に係る投射光学系におけるプロジェクタ本体4は、直方体状の筐体710を有しており、筐体710内に画像形成素子101、第1光学系102、第2光学系112が外部に出っ張ることなく収容されている。
第2光学系112の第1光学系102に対応する反射面103は、スクリーン105に形成される画像の上下方向にスライド自在に設けられている。
筐体710の反射面103に対応する上面は上記反射面103のスライドを許容する寸法に開口されており(その他の上面は透光性部材で閉塞)、使用する際には、実線で示す退避位置(収納位置)から二点鎖線で示す使用位置に引き上げて設定され、図示しないストッパにより位置決めされる。
筐体710のその他の付加構成については、第4の実施形態と同様に実施できる。
上記実施形態では、反射面103の回動とスライドを別々に説明したが、もちろん同時に行うような機構を設けてもよい。
上記各実施形態ではフロントプロへの適用例を示したが、本発明はプロジェクタ本体の最適化を変えずにリアプロ(背面投射型)にもそのまま利用することができる。
図1に示した構成をそのままリアプロとして実施できるが、ここでは、さらに装置全体のコンパクト化を図った構成を例示する。
画像形成素子101から射出した光束は、複数のレンズを有する第1光学系内で、装置全体の厚み(Z方向)を薄くするために第1光学系内に配置された光路折り曲げミラー120によって光路を曲げられ、第2光学系に入射する。
ここで光路折り曲げミラー120の配置箇所は第1光学系内であるが、第1光学系と第2光学系の間でも良く、また画像形成素子101と第1光学系の間でも良く、限定されるものではない。また折り曲げ回数も1回でなくともよい。同図では光路を紙面垂直方向(X方向)からZ方向に約90度折り曲げているが、90度でなくともよい。もちろん折り曲げなくとも良い。
投射光を折り返すことにより、装置全体の厚み(Z方向)を薄くすることができる。
上述した投射光学系を用いて画像表示装置を構成することができる。図10にその構成例を模式的に示す。
符号10は光源としてのランプ光源を示している。ランプ光源としては、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプなどを用いることができる。あるいは、LED、LD、レーザーなどの固体光源を用いてもよい。
光源光はUV成分、IR成分を含んでいるが、これらはカットフィルタ11でカットすることによって、光学素子の劣化を抑制することができる。
偏光変換素子12は、前記光線の偏光特性を直線偏光に変換することで、光利用効率を高めることができる。
1対のフライアイレンズアレイ13、14によって照明光量分布を均一化することができる。コンデンサレンズ15によって、ライトバルブを照明する角度、照明領域を調整することができる。
ダイクロイックミラー17は緑色波長成分を選択反射して緑と赤の照明光路を分離する。ダイクロイックミラー16の反射光は、偏光分離素子18を反射して、画像形成素子21を照明する。ダイクロイックミラー17の反射光は、偏光分離素子19を反射して、画像形成素子22を照明する。
ダイクロイックミラー17の透過光は、偏光分離素子20を反射して、画像形成素子23を照明する。ここで示す画像形成素子21、22、23は反射型画像形成素子である。
画像形成素子21への照明光は画像形成素子21によって変調され、青色波長成分の画像信号が与えられる。
画像形成素子21によって変調された反射光は、偏光分離素子18を透過して、クロスプリズム24によって他色の反射光と合成される。画像形成素子22によって変調された反射光は、偏光分離素子19を透過して、クロスプリズム24によって他色の反射光と合成される。
画像形成素子23によって変調された反射光は、偏光分離素子20を透過して、クロスプリズム24によって他色の反射光と合成される。クロスプリズム24によって合成された反射光は、投射光学系本体部25に入射し、投射光学系本体部25によってスクリーン26に到達し、スクリーン26上に画像形成素子の像を結ぶ。
投射光学系本体部25とスクリーン26からなる投射光学系27として、上述した各実施形態における投射光学系を用いることができる。
なお、透過型のライトバルブ素子を用いた画像表示装置においても、本発明に記載の投射光学系はなんらの問題なく適用することができる。
あるいは、1枚のライトバルブ素子でフィールドシーケンシャルに画像を表示させる画像表示装置においても、本発明に記載の投射光学系を適用することができる。
実際の投射光学系の設計例である数値実施例(図5の構成に対応)を以下に示す。
表1に投射光学系の面番号、曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数の数値実施例を示す。
表1において非球面を※1に○印で示す。第24、25、31、32面は回転対称非球面であり、第34、35面はアナモフィックな多項式自由曲面である。
表1において反射面を※2に○印で示す。すなわち第34、35面はミラーである。
物体から第8面までの間には、クロスプリズムや偏光ビームスプリッタが設けられる場合と等価な光路長が与えられている。
Z=c・r2/[1+√{1−(1+k)c2r2}]+Ar4+Br6+Cr8・・・
という非球面式となり、k、A、B、C・・・の値を与えて形状を特定する。
アナモフィックな多項式自由曲面は、投射画像を基準として、短軸方向をY方向、長軸方向をX方向、曲面のデプスをZ方向、「X2、Y2、X2Y、Y3、X2Y2など」を係数として、
Z=X2・x2+Y2・y2+X2Y・x2y+Y3・y3+X4・x4+X2Y2・x2y2+Y4・y4+X4Y・x4y+X2Y3・x2y3+Y5・y5+X6・x6+X4Y2・x4y2+X2Y4・x2y4+Y6・y6+・・
で表される形状である。
本実施例において、画像形成素子の位置は、その中心と第1光学系の光軸がY方向に−6.37mmずれて配置されている。
本実施例における画像形成素子のサイズは対角0.61インチであり、スクリーンサイズは対角100インチであるため、その投射倍率は約164倍である。
本実施例におけるスクリーン面上でのスポットダイアグラムを図11に示す。
図11と共役面Aから射出する光束の画像形成素子上の位置の対応図を、図12に示す。図12においては、XY面上にある画像形成素子上の物点のうち、X≦0のエリアについて、X方向に3等分割、Y方向に3等分割して得られる9個の格子点を示している。
これらの格子点を(1)〜(9)(図面上では番号を丸で囲んでいる)で示し、投射光学系によりスクリーンへ到達した光束の収束具合をスポットダイアグラムとして図11に示している。
TVディストーションは1%以下であり、歪はよく補正されている。
また、スクリーン面と第2光学系の第1光学系側の反射面の最大長は769mmである。スクリーン面までの距離は短く、本実施例は、至近距離から高い倍率で拡大投射することができるという性能を実現するものである。
2 一方の共役面としてのプロジェクタ本体
102 第1光学系
103、104、104' 反射面
105 他方の共役面としてのスクリーン
106 光軸
107 法線
112 第2光学系
120 折り曲げミラー
121折り返しミラー
407 中間像
Claims (11)
- 一方の共役面から射出した複数の光束を、他方の共役面に入射させて該他方の共役面上に前記一方の共役面で形成された画像を投影可能な投射光学系において、
レンズのみからなる第1光学系と、
2面の屈折力を有する反射面のみからなる第2光学系と、からのみなり、
前記他方の共役面上に投影された画像の中心からの前記他方の共役面の法線が、第1光学系、第2光学系、及び第1光学系と第2光学系の間のいずれの空間にも交差しない光学系であって、
前記他方の共役面上に投影された画像の上下方向と、前記法線の延びる方向とによって規定される平面をYZ平面としたときに、
第1光学系から光束が射出してから前記他方の共役面に入射するまでに、光束がYZ平面上で1回のみ交差し、
前記YZ平面上における第1光学系の最も第2光学系寄りのレンズの光軸の延長線から、第2光学系の第1光学系に対応する反射面の有効径の高さをH1、
前記YZ平面上における前記光軸の延長線から、第2光学系の前記他方の共役面に対応する反射面の有効径の高さをH2、
としたときに、
|H1|>|H2|
を満たすことを特徴とする投射光学系。 - 請求項1に記載の投射光学系において、
第2光学系の第1光学系に対応する反射面は正のパワーを持った反射面であることを特徴とする投射光学系。 - 請求項1又は2に記載の投射光学系において、
第1光学系と第2光学系の間に、前記複数の光束が略収束化された前記一方の共役面の中間像を有することを特徴とする投射光学系。 - 請求項3に記載の投射光学系において、
第2光学系の前記他方の共役面に対応する反射面は、前記他方の共役面へ向かう光束の射出瞳位置の近傍に配置されていることを特徴とする投射光学系。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載の投射光学系において、
第1光学系は共軸光学系であることを特徴とする投射光学系。 - 請求項1〜5のいずれか1つに記載の投射光学系において、
第2光学系の第1光学系に対応する反射面は、アナモフィックな自由曲面形状であることを特徴とする投射光学系。 - 請求項1〜6のいずれか1つに記載の投射光学系において、
第2光学系の前記他方の共役面に対応する反射面は、アナモフィックな自由曲面形状であることを特徴とする投射光学系。 - 請求項1〜7のいずれか1つに記載の投射光学系において、
第2光学系の反射面のうち少なくとも1つは、移動可能に設けられていることを特徴とする投射光学系。 - 請求項8に記載の投射光学系において、
前記移動可能な反射面は、第1光学系に対応した反射面であることを特徴とする投射光学系。 - 請求項9に記載の投射光学系において、
第1光学系に対応した反射面が前記画像の上下方向に回動可能に又はスライド可能に設けられ、第1光学系と第2光学系を収容する筐体が第1光学系の前記上下方向の高さに対応した直方体状に形成され、第1光学系に対応した反射面は、前記筐体から突出する使用位置と、前記筐体内に収容される退避位置とに選択的に設定されることを特徴とする投射光学系。 - 少なくとも1枚以上の画像形成素子と、前記画像形成素子により変調された光画像信号を拡大もしくは縮小する投射光学系を有する画像表示装置において、
前記投射光学系が請求項1〜10のいずれか1つに記載の投射光学系であることを特徴とする画像表示装置。
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