JP3870076B2 - 画像表示装置および撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示素子等に表示された原画を拡大表示させるヘッドマウントディスプレイやプロジェクタ等の画像表示装置に好適な表示光学系および撮像装置に好適な撮像光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CRTやLCD等の画像表示素子を用い、これらの表示素子に表示された画像を光学系を介して拡大表示させる頭部装着型の画像表示装置(ヘッドマウントディスプレイ)が良く知られている。
【0003】
このヘッドマウントディスプレイ等の画像表示装置は、これらの装置を頭部に装着するため、特に装置全体の小型化、軽量化が要望されている。また、重量バランスや外観等を考慮すると、観察者の視軸方向に薄型であることが好ましい。さらに、表示される拡大像に迫力を持たせるために、できるだけ大きな拡大像が望まれている。
【0004】
図15には、従来の共軸凹面鏡を用いた画像表示装置を示している。同装置では、表示素子101に表示された画像からの光束をハーフミラー102で反射させ、凹面鏡103に入射させ、凹面鏡103で反射した光束をハーフミラー102を介して観察者の眼Eに導びいている。表示素子101に表示した画像は、凹面鏡103によって拡大した虚像として形成される。これにより、観察者は表示素子101に表示した画像の拡大虚像を観察することができる。
【0005】
また、例えば特開平7−333551号公報,特開平8−50256号公報,特開平8−160340号公報および特開平8−179238号公報等においては、画像を表示する画像表示素子としてのLCD(液晶)と、観察光学系としての薄型プリズムとを使用し、装置全体の薄型化を図った画像表示装置が提案されている。
【0006】
図16には、特開平7−333551号公報で提案されている画像表示装置を示している。この装置において、LCD111から発せられた光は、小型の偏心プリズム112の入射面113に入射する。そして、プリズム112に形成した曲率を有した内部全反射面114と反射面115との間で光束が折り畳まれ、その後、面114より偏心プリズム112から射出して観察者の眼Eに導かれる。これによって表示素子(LCD)111に表示された画像の虚像が形成され、この虚像を観察者が観察する。
【0007】
偏心プリズム112の反射面115は、偏心非回転対称面(アジムス角度により光学的パワーの異なる面であり、いわゆる自由曲面)で構成された偏心自由曲面より構成されている。
【0008】
図16に示す光学系のタイプは、図15に示した従来の共軸凹面鏡を用いたタイプに比べ、装置全体の薄型化および観察視野の広画角化が容易であるという特徴を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
近年、画像を表示する表示素子であるLCD等の高精細化が進み、従来と同程度の画素数を有しながらも従来より小型化されたLCD等が開発されている。このような小型化された画像表示素子を用いると、装置の小型化には有利になるものの、従来と同様の画角を達成するためには、光学系の倍率を上げる必要が生じる。
【0010】
このような状況に鑑みて、特開平10−153748号公報には、偏心プリズムとリレーレンズ系とを組み合わせ、リレーレンズ系により一旦中間像を形成してから表示素子に表示された画像を観察者に導く光学系が提案されている。これにより、図16に示すタイプの薄型という特徴を有しつつ、更なる倍率向上を果たし、LCDサイズに対して広画角化を図っている。
【0011】
また、この特開平10−153748号公報にて提案の光学系に比べて、更なる光学性能向上を図ったものとして、偏心プリズムの内部反射面を増加させ、偏心プリズムのみで中間像を形成し、その像を観察者に導くタイプや、第1の偏心プリズム光学系に第2の偏心プリズムを設けたタイプ等が、特開2000−066106号公報,特開2000−105338号公報,特開2000−131614号公報,特開2000−199853号公報,特開2000−227554号公報および特開2000−231060号公報等に提案されている。
【0012】
一般的に、一旦中間像を形成するタイプの光学系は光路長が長くなり、装置が大型化するという問題があるが、これらの各公報にて提案の光学系においても、透過作用と反射作用とを果たす兼用面を用いたり、光路を交差させたりする等の工夫により小型化を目指している。
【0013】
本発明は、小型の表示素子を用いつつ表示広画角を達成でき、しかも全体として小型の表示光学系、および小型で撮影広画角を達成できる撮像光学系を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本願第1の発明では、画像表示素子と、画像表示素子が形成する原画からの光を観察者の眼又は被投射面に導く表示光学系とを有する画像表示装置であって、表示光学系は、少なくとも反射作用を有する第1の面と、この第1の面で反射した原画からの光を再度第1の面に向けて反射する第2の面とを有し、第1の面に再度入射した中心画角主光線はそのヒットポイント上での面の法線に対し、前回とは反対側に反射して進むと共に、表示光学系内で原画の中間像を形成することを特徴としている。
【0015】
すなわち、第1の面と第2の面との間で光を略往復させて光路をほぼ重複させる(往復光路とする)ことにより、小型の光学系でありながらも光路長を長く確保できるようにしている。このため、小型の原画(画像表示素子に表示された画像等)を用いつつ表示広画角を達成でき、しかも全体として小型の表示光学系を実現することが可能となる。
【0016】
また、原画からの光は、第2の面での反射、第1の面での再反射の後、入射する光線に対し偏心した別の第3の面で眼又は被投射面側に反射することを特徴としている。これは第1の面と第2の面で形成された往復行路から射出する光を、第3の面で、往復行路に入射する光とは異なる方向(眼又は被投射面側)に設定し、往復光路への入射光との干渉を避けるためのものである。
【0017】
本発明の表示光学系は、原画からの中心画角主光線がほぼ反対側に折り返し反射する、反射作用のみを有する折り返し反射面があることを特徴とする。これはマラソンの折り返し地点に相当するものであり、折り返し反射面を境に往路と復路がぼぼ重複し、第1の面または第2の面以外の面も含んだ長い往復光路が形成され、更なる光学系の小型化が可能になる。
【0018】
更に折り返し反射面は、前記第1の面または前記第2の面であることを特徴とする。こうすると必要最小限の面数で光学系を構成できるので、小型化を図ることが可能となる。
【0019】
また、表示光学系(例えば、透明体)内で原画の中間像を形成させている。すなわち、小型の原画の中間結像面を拡大して表示する中間結像タイプとすることにより、レイアウトの自由度が増え、原画を大画面表示させることが可能となるとともに、光路長をかなり長くしても表示光学系を小型に構成することが可能である。
【0020】
また、この表示光学系を構成する光学面を光線に対して偏心させることにより、さらなる薄型化を図ることが可能となり、光学面に曲率を持たせることで表示光学系における不要な面を取り除き、小型化を図ることが可能となる。さらに、光学曲面を回転非対称な面形状(自由曲面形状)とすることにより、諸収差を良好に補正でき、自由曲面を複数面採用すると原画のアスペクト比と表示画像のアスペクト比とを近いものにすることが可能となり、高品位な表示画像を得ることが可能となる。
【0021】
なお、この表示光学系は、観察者が頭部に装着して画像を観察するためのヘッドマウントディスプレイ(HMD)やスクリーン等の被投射面に画像を拡大投射する投射型画像表示装置(プロジェクタ)等の画像表示装置に好適である。
【0022】
また、本願第2の発明では、撮像素子と、被写体からの光を撮像素子の撮像面に導く撮像光学系とを有する撮像装置であって、撮像光学系は、少なくとも反射作用を有する第1の面と、この第1の面で反射した被写体からの光を再度第1の面に向けて反射する第2の面とを有し、第1の面に再度入射した中心画角主光線はそのヒットポイント上での面の法線に対し、前回とは反対側に反射して進むと共に、撮像光学系内で被写体の中間像を形成することを特徴とする。
【0023】
すなわち、第1の面と第2の面との間で光を略往復させて光路をほぼ重複させる(往復光路)ことにより、小型の光学系でありながらも光路長を長く確保できるようにしている。このため、小型でありながらも撮影広画角を達成することが可能となる。
【0024】
また被写体からの光線は、光線に対し偏心した第3の面で反射後、前記第1の面で反射、前記第2の面で反射後、再度前記第1の反射面で反射して進み撮像面に導かれることを特徴としている。これは第3の面での反射により、第1の面と第2の面で形成された往復行路への、被写体からの入射光線と撮像面に導かれる射出光線との干渉を避けている。
【0025】
本発明の撮像光学系は、被写体からの中心画角主光線がほぼ反対側に折り返し反射する、反射作用のみを有する折り返し面があることを特徴とする。これはマラソンの折り返し地点に相当するものであり、折り返し反射面を境に往路と復路がほぼ重複し、第1の面または第2の面以外の面も含んだ長い往復光路が形成され、更なる光学系の小型化が可能になる。
【0026】
更に折り返し反射面は、第1の面または第2の面であることを特徴とする。こうすると必要最小限の面数で光学系を構成できるので、小型化を図ることが可能となる。
【0027】
また、撮像光学系(例えば、透明体)内で被写体の中間像を形成させている。すなわち、被写体の中間結像面を縮小して撮像面に導く中間結像タイプとすることにより、レイアウトの自由度が増え、広画角の被写体像を十分縮小して撮像面に導くことが可能となるとともに、光路長をかなり長くしても撮像光学系を小型に構成することが可能である。
【0028】
また、この撮像光学系を構成する光学面を光線に対して偏心させることにより、さらなる薄型化を図ることが可能となり、光学面に曲率を持たせることで撮像光学系における不要な面を取り除き、小型化を図ることが可能となる。さらに、光学曲面を回転非対称面(自由曲面)とすることにより、諸収差を良好に補正でき、自由曲面を複数面採用すると被写体のアスペクト比と撮影画像のアスペクト比とを近いものにすることが可能となり、高品位な撮影画像を得ることが可能となる。
【0029】
なお、この撮像光学系は、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置に好適である。
【0030】
また、第1および第2の発明において、回転非対称面はローカル母線断面を唯一の対称面として持つ面対称形状が好ましい。これにより、対称性のない場合に比較して加工および製作を容易にすることが可能となる。
【0031】
また、透明体上に光学面を形成し、いずれかの光学面で光を内部全反射させるようにすることにより、長い光路長でも光量ロスを少なくすることが可能である。特に第1の面を内部反射面とすると、表示光学系、撮像光学系をコンパクにまとめられる。
【0032】
さらに、表示光学系および撮像光学系のいずれにおいても、光学的屈折力を有した面におけるローカル母線断面焦点距離が、原画からの光を第1の面で複数回反射し、眼又は被投射面側に反射させる第3の面の反射面又は被写体からの光を第1の面に向けて反射する第3の面の反射面において最も正で短くなるようにするとよい。これは、偏心した面に強い屈折力を持たせると、光の往路と復路とがあるためにローカル母線断面で2倍の偏心収差が発生してしまうため、1回しか反射しない第3の面に強い正のパワーを持たせることにより、ローカル母線断面での偏心収差発生を抑制することが可能となる。
【0033】
また、表示光学系および撮像光学系のいずれにおいても、光を反射して折り返す面を曲面とするとよい。折り返し反射面が平面であると、反射時に周辺画像の光線の方向を個々に制御できないため、光学系が大型化してしまう。折り返し反射面が回転非対称面であると、周辺画像の光線方向を自由に制御できるため、曲面の場合よりも更に小型化可能となる。
【0034】
ここで、折り返し反射面は、反射作用のみの面であり、ほぼ100%近く光を反射する金属ミラーコーティングをして光量ロスをできるだけ少なくすることが望ましい。
【0035】
また、折り返し反射面において、光がほぼ反対側に反射される場合、後述する中心画角主光線において、入射光線と反射光線の成す角度θは下記の値を満足することが望ましい。
【0036】
|θ|<60° …(1)
この条件式(1)の上限を超えると、折り返し反射後の光路(復路)が往路を逆戻りせず、往復光路というよりジグザク光路になってしまい光学系が大型化する。
【0037】
|θ|<30° …(2)
この条件式(2)の条件を外れると、逆戻りはできるが、往路と復路が重ならず光学系が大型化し、光学系全体を小型にすることが難しくなるため好ましくない。
【0038】
|θ|<20° …(3)
この条件式(3)を満たすと、光学系の更なる小型化が可能になる。
【0039】
なお、表示光学系および撮像光学系中の折り返し反射面を、偏心した反射面と兼用してもよい。この場合、光学面を削減できるため光学系を小型化できる。特に第1の面または第2の面を折り返し反射面と兼用させると、もっとも小型化が可能となる。
【0040】
また、上記第1の発明の表示光学系をヘッドマウントディスプレイ(HMD)として使用する場合は、左右の目に対し、各々独立した原画(画像表示素子)と表示光学系とを設けるのがよい。つまり、2つの原画(同一のもの)とそれに合わせた2つの表示光学系(同一のもの)とを有することにより、1つの原画で左右の表示光学系に光を分けるようなHMDよりも明るい表示画像が得られる。
【0041】
また、上記第1の発明の表示光学系は、左眼用も右眼用も偏心断面であるローカル母線断面を人間の顔の上下方向に配置する(上下に光線を折り畳む)のがよい。通常、表示拡大像は人間の左右方向に画角が広く、上下方向に画角が狭い(左右4:上下3または16:9ぐらいの比)ため、偏心断面であり偏心収差の発生が大きいローカル母線断面を、画角の小さい上下に設定すれば、表示拡大像での偏心収差の発生を少なくでき、好ましい。
【0042】
なお、上記光学系は、言い換えれば、第1の面に最初に入射した中心画角主光線のヒットポイントにおける法線に対する反射角と、第2の面で反射されて第1の面に再度入射した中心画角主光線のヒットポイントにおける法線に対する反射角とが逆符号となるように構成されている。即ち、第1の面で反射された光を第2の面によって第1の面における最初の光の反射領域側(反射領域、反射領域付近あるいは反射領域寄りの領域)に戻すように反射することによって効果的に光路を重複させ、長い光路長を小型の光学系の中に納めることができるようにしている。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の説明に入る前に、本実施形態で使用される母線断面、子線断面、ローカル母線断面、ローカル子線断面の定義について説明する。
【0044】
偏心系に対応していない従来系の定義では、各面頂点座標系でz軸を光軸とすると、yz断面が従来の母線断面(メリジオナル断面)、xz断面が子線断面(サジタル断面)となる。
【0045】
本実施形態の光学系は偏心系であるので、偏心系に対応したローカル母線断面、ローカル子線断面を新たに定義する。
【0046】
中心画角主光線(表示光学系においては表示素子の画像中心から表示光学系の射出瞳中心に至る光線であり、撮像光学系においては撮像光学系の入射瞳中心を通り撮像素子の画像中心に至る光線である)と各面とのヒットポイント上で、中心画角主光線の入射光と射出光を含む面をローカル母線断面とし、ヒットポイントを含みローカル母線断面と垂直で、各面頂点座標系の子線断面(通常の子線断面)と平行な面をローカル子線断面として定義する。ローカル母線断面焦点距離とローカル子線断面焦点距離については後述の各実施形態にて説明する。
【0047】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態である表示光学系を示している。この表示光学系は、屈折率が1より大きいガラスやプラスチック等の光学媒質で満たされた透明体により構成される第1の光学系1と、第2の光学系2とから構成されている。
【0048】
第1の光学系1の透明体(以下、第1の光学素子1ともいう)上には3つの光学面が形成されており、面A(第1の面),面B(第3の面)はともに透過面および反射面として作用する透過反射兼用面であり、面C(第2の面)は反射面である。
【0049】
面Aの一部(上部)と面Cには反射膜が形成されており、面Bには半透過反射膜(ハーフミラー)が形成されている。
【0050】
面Aの上部は折り返し反射作用を持つ領域である。面Aの下部は光束が面Aを射出する領域である。
【0051】
なお、反射膜およびハーフミラーは金属膜によるものが好ましい。金属膜は分光反射率特性がフラットで色が目立ちにくく、偏光方向が異なる光に対する反射率の差がほとんどないためである。
【0052】
図中の3は画像を表示する画像表示素子(LCD等)である。本実施形態においては、面Bは画像表示素子3からの光の入射面および反射面として作用し、面Aは反射面および射出面として作用し、面Cは反射面として作用する。
【0053】
画像表示素子3から発せられた光は、第2の光学系2を介して第1の光学素子1に導かれる。面Bから第1の光学素子1内に入射した光は、面Aで反射した後、面Cで反射し、面Aの上部に導かれる。そして、面Aの上部で折り返し反射した後、面Cで再反射し、面Aにおける最初の光の反射領域付近に戻される。そして、面Aで再反射し、さらに面Bで反射して面Aの下部を透過して第1の光学素子1を射出し、射出瞳Sに到達する。
【0054】
この図では、画像表示素子3から発した光の例として、画像表示素子3の表示面中心を射出し、射出瞳Sの中心に至る中心画角主光線を示している。
【0055】
本実施形態においては、射出瞳Sの位置付近に観察者が眼を置くことにより、画像表示素子3上に表示された画像の拡大像を視認することが可能となる。
【0056】
また、第1の光学素子1において、光は、面B(透過)→面A(反射)→面C(反射)→面A(折り返し反射)→面C(再反射)→面A(再反射)→面B(反射)(→面A(透過))の順で各面を通過し、面Aでの折り返し反射を境に最終反射面Bに至るまでそれまでの光路を逆にたどる。
【0057】
ここでは、面B(透過)→面A(反射)→面C(反射)→面A(折り返し反射)までを往路と、面A(折り返し反射)→面C(再反射)→面A(再反射)→面B(反射)の光路を復路と称し、往路と復路を合わせて往復光路と呼ぶ。
【0058】
特に面Aでの再反射は、中心画角主光線がそのヒットポイント上での面の法線に対し、面Aでの最初の反射とは反対側に反射して進むようにして往復光路を形成している。
【0059】
このように、面Aに折り返し反射面としての作用を持たせ、第1の光学素子1内に往復光路を形成することで、光路をほぼ重複させ、長い光路を第1の光学素子1内に収めることができる。これにより、第2の光学系2を含む表示光学系全体を小型化できる。
【0060】
また、画像表示素子3からの光線は最終反射面Bでの反射によって往復光路を抜け、画像表示素子3側には行かず、眼球側に導かれる。
【0061】
面Aでの折り返し反射以外の反射を内部全反射とすると、光量の損失が少なくなり好ましい。また少なくとも、面Aでの反射光束と射出光束とが共用する領域(面Aの下部)で光を内部全反射させ、共用領域以外は反射膜による反射とすると、面Aでの折り返し反射以外の反射光束の全てを内部全反射させた場合に対して、設計の自由度を上げつつ同程度の明るさを確保できる。
【0062】
また、反射膜領域と共用領域の境界は反射膜の境界がはっきり目に見え好ましくないので、境界付近(面Aの上部と下部の間)は下部から上部に向かって徐々に反射率を上げて境界を目立たなくすることが望ましい。なお、反射膜は前述した理由より金属膜が好ましい。
【0063】
本実施形態において、最終反射面として作用するときの面Bは、面A(反射、折り返し反射、再反射、透過)および面C(反射、再反射)に対して非常に強い光学的パワー(1/焦点距離)を有した凹面鏡となっており、第1の光学系1の主パワーを担っている。
【0064】
第1の光学系1では、往復光路を形成するために面A,面Cにて光が2回以上反射するため、面Bにパワーを持たせて面A,Cのパワーを弱く設定して収差の発生を抑制している。
【0065】
特に、ローカル母線断面が偏心断面であるため、中心画角主光線におけるこの断面上での面Bのパワーを強く、面A,Cのパワーを弱く設定すると、偏心収差発生を抑制できる。また、面Bのみパワーを持ち、面A,Cを平面としてもよい。
【0066】
面Bは偏心した曲面であるため、回転非対称な形状の面(いわゆる自由曲面)を用いることで、偏心収差の発生を極力抑えることが望ましい。また、面B以外の面をもう1面自由曲面とすると、画像表示素子3のアスペクト比と拡大表示画面のアスペクト比を近いものに設定可能となる。
【0067】
また面A,B,Cをそれぞれ曲面で構成した場合は、すべての面が集光ないし発散または収差補正に寄与することになり、コスト削減の効果が期待できる。
【0068】
さらに好ましくは、第1の光学系1を構成する3つの面A,B,Cの全てを回転非対称形状とすることで、偏心収差補正の自由度が増し、良好な画質での画像表示が可能になる。
【0069】
このとき、各回転非対称面を、ローカル母線断面を唯一の対称面とするローカル子線断面方向に面対称な形状とすると、対称性のない場合に比較して加工および製作を容易にすることができるため好ましい。
【0070】
以上のように表示光学系を構成することにより、画像表示素子3に表示された画像を、良好な光学性能で拡大像として表示する画像表示装置を提供できる。
【0071】
また、透明体内で1回中間結像させることで、画像表示素子3の表示サイズに対する表示画角の自由度を向上させて、より広画角化(高倍率提示)を可能にするとともに、長い光路長の往復光路をほぼ重複させることで第1の光学系1の全長を短く抑え、非常にコンパクトな表示光学系を構成できる。
【0072】
(第2実施形態)
図2には、本発明の第2実施形態である撮像光学系を示している。図中の11は図1に示したものと同様の第1の光学系であり、2は第2の光学系、4は撮像素子である。
【0073】
Sは第1の光学系(以下、第1の光学素子ともいう)11および第2の光学系2からなる撮像光学系の入射瞳であり、この位置に絞りを置いて不要光の入射を防いでいる。
【0074】
本実施形態において、面A(第1の面)は被写体からの光の入射面および反射面として作用し、面B(第3の面)は反射面および射出面として作用し、面C(第2の面)は反射面としてのみ作用する。
【0075】
絞りSを通過した外界の被写体からの光は、第1の光学素子11に面Aから入射し、面Bで反射して、面Aで反射し、面Cで反射して面Aの上部に導かれる。そして、上部が折り返し反射作用を持つ面Aで折り返し反射した後、面Cで再反射して面Aにおける最初の光の反射領域付近で再反射し、面Bを透過して第1の光学素子11を射出し、第2の光学系2に向かう。
【0076】
第2の光学系2を通過した光は撮像素子4に導かれて結像する。この際、所望の外界像からの光束が撮像素子4の撮像面に結像し、外界像を取得することを可能としている。
【0077】
以上のように撮像光学系を構成することにより、外界の被写体を撮像素子4上に良好な光学性能で結像させる撮像装置を提供することができる。また、第1の光学素子11内で1回中間結像させることで、撮像素子4のサイズに対して撮影画角の自由度を向上させ、広画角化を可能にしているとともに、長い光路長をほぼ重複させて第1の光学素子11内に形成することで第1の光学系11の全長を短く抑え、非常にコンパクトな撮像光学系を構成できる。
【0078】
(第3実施形態)
図3には、本発明の第3実施形態である表示光学系を示している。この表示光学系は、第1の光学系21と、第2の光学系2とから構成されている。第1の光学系21を構成する透明体(以下、第1の光学素子21ともいう)上には、3つの光学面が形成されており、面A(第1の面),面B(第3の面)はともに透過面および反射面として作用する透過反射兼用面であり、折り返し反射面C(第2の面)は反射作用のみの面である。
【0079】
折り返し反射面Cには、反射膜が形成されており、面Bには半透過反射膜(ハーフミラー)が形成されている。
【0080】
なお、反射膜およびハーフミラーは金属膜によるものが好ましい。金属膜は分光反射率特性がフラットで色が目立ちにくく、偏光方向が異なる光に対する反射率の差がほとんどないためである。
【0081】
図中、3は画像を表示する画像表示素子(LCD等)である。本実施形態においては、面Bは画像表示素子3からの光の入射面および反射面として作用し、面Aは反射面および射出面として作用し、面Cは反射面として作用する。
【0082】
画像表示素子3から発せられた光は、第2の光学系2を介して第1の光学素子21に導かれる。光は面Bより第1の光学素子21に入射し、面Aで反射して折り返し反射面Cに導かれる。折り返し反射面Cでは、入射した光を入射方向に対して略逆向きに戻すように反射する。そして、面Aにおける最初の光の反射領域付近に戻された光は面Aで再反射し、面Bで反射した後、面Aを透過して第1の光学素子21から射出し、射出瞳Sに到達する。
【0083】
この図では、画像表示素子3から発した光の例として、画像表示素子3の表示面中心を射出して射出瞳Sの中心に至る中心画角主光線を示している。
【0084】
本実施形態においては、射出瞳Sの位置付近に観察者が眼を置くことにより、画像表示素子3上に表示した画像の拡大像を視認することが可能となる。
【0085】
また、第1の光学素子21において、光はB面入射→A面反射→折り返し反射面C→A面再反射→B面反射→A面射出の順で各面を通過し、折り返し反射面Cでの反射を境に、それまでの光路を逆にたどる。
【0086】
面B→面A→折り返し反射面Cまでが往路、折り返し反射面C→面A→面Bまでが復路であり、往路と復路を合わせて往復光路が形成される。
【0087】
特に面Aでの再反射は、中心画角主光線がそのヒットポイント上での面の法線に対し、面Aでの最初の反射とは反対側に反射して進むようにして往復光路を形成している。
【0088】
このように、第1の光学素子21内に往復光路を形成することで光路をほぼ重複させ、第1の光学素子21内を有効に利用し、光路長に対して第1の光学素子21のサイズを小さくしている。これにより、表示光学系全体をも小型化できる。
【0089】
折り返し反射面Cでの反射は反射膜によるものである。また、画像表示素子3からの光は面Bでの反射により往復光路を抜け、画像表示素子3側には行かず、眼球側に導かれる。
【0090】
面Aでの反射を内部全反射とすると、光量の損失が少なくなり好ましい。また、少なくとも面Aでの反射光束と射出光束とが共用する領域(面Aの下部)で光を内部全反射させ、共用領域以外は反射膜による反射とすると、面Aでの反射光束の全てを内部全反射させた場合に対して、設計の自由度を上げつつ同程度の明るさを確保できる。
【0091】
また、反射膜領域と共用領域の境界は反射膜の境界がはっきり目に見え好ましくないので、境界付近(反射膜領域内の下部側)は下部から上部に向かって徐々に反射率を上げて境界を目立たなくすることが望ましい。この反射膜は、金属膜によるものが好ましい。金属膜は分光反射率特性がフラットで色が目立ちにくく、偏光方向が異なる光に対する反射率の差がほとんどないためである。
【0092】
本実施形態において、最終反射面として作用するときの面Bは、面A(反射、再反射、透過)に対して非常に強い光学的パワー(1/焦点距離)を有した凹面鏡となっており、第1の光学系21の主パワーを担っている。これは、往復光路により面Aで光が2回反射するため、面Bにパワーを持たせて面Aのパワーを弱く設定することにより収差の発生を抑制するためである。
【0093】
特に、ローカル母線断面は偏心断面であるため、中心画角主光線に対してこの断面上での面Bのパワーを強く、面Aのパワーを弱く設定すると、偏心収差発生を抑制できる。
【0094】
また、面Bのみパワーを持ち、面Aを平面としてもよい。さらに、面Bは偏心した曲面であるため、回転非対称な形状の面(いわゆる自由曲面)を用いることで、偏心収差の発生を極力抑えることが望ましい。
【0095】
また、面B以外の反射面をもう1面自由曲面とすると、画像表示素子3に表示された画像のアスペクト比と拡大表示画面のアスペクト比とを近いものに設定可能となる。
【0096】
また、面A,B,Cをそれぞれ曲面で構成した場合は、すべての面が集光ないし発散または収差補正に寄与することになり、コスト削減の効果が期待できる。
【0097】
更に好ましくは、第1の光学系21を構成する3つの面A,B,Cの全てを回転非対称形状とすることで、偏心収差補正の自由度が増し、良好な画質での画像表示が可能になる。このとき、各回転非対称面はローカル母線断面を唯一の対称面とするローカル子線断面方向に面対称な形状とすると、対称性のない場合に比較して加工および製作を容易にすることができるため、好ましい。
【0098】
(第4実施形態)
図4には、本発明の第4実施形態である表示光学系を示している。この表示光学系は、第1の光学系31と、第2の光学系2とから構成されている。第1の光学系(以下、第1の光学素子ともいう)31は4つの光学面を有した透明体からなり、面A(第1の面)は透過面および反射面として作用する透過反射兼用面であり、折り返し反射面C(第2の面)および面B(第3の面)は反射作用のみの面、入射面Dは透過面である。
【0099】
折り返し反射面Cおよび面Bには反射膜が形成されている。なお、反射膜は金属膜によるものが好ましい。金属膜は分光反射率特性がフラットで色が目立ちにくく、偏光方向が異なる光に対する反射率の差がほとんどないためである。
【0100】
図中の3は画像を表示する画像表示素子(LCD等)である。本実施形態においては、面Dは画像表示素子3からの光の入射面として、面Aは反射面および射出面として、面B,面Cは反射面として作用する。
【0101】
画像表示素子3から発せられた光は、第2の光学系2を介して第1の光学素子31に導かれる。光は入射面Dより第1の光学素子31に入射し、面Aで反射して折り返し反射面Cに導かれる。折り返し反射面Cでは、入射した光を面Aにおける最初の光の反射領域寄りの領域に戻すよう反射するが、中心画角主光線の折り返し反射面Cへの入射光と反射光の成す角度がθで反射している。
【0102】
その後、光は面Aで再反射し、面Bで反射した後、面Aを透過して第1の光学素子31を射出し、射出瞳Sに到達する。
【0103】
この図では、画像表示素子3から発した光の例として、画像表示素子3の表示面中心を射出して射出瞳Sの中心に至る中心画角主光線を示している。
【0104】
本実施形態においては、射出瞳Sの位置付近に観察者が眼を置くことにより、画像表示素子3上に表示された画像の拡大像を視認することが可能となる。
【0105】
第1の光学素子31において、光は入射面D→A面反射→折り返し反射面C→A面再反射→B面反射→A面射出の順で各面を通過し、折り返し反射面Cでの反射を境に、それまでの光路を逆にたどる。
【0106】
A面→折り返し反射面Cまでが往路、折り返し反射面C→A面までが復路、往路と復路合わせて往復光路が形成される。
【0107】
特に面Aでの再反射は、中心画角主光線がそのヒットポイント上での面の法線に対し、面Aでの最初の反射とは反対側に反射して進むようにして往復光路を形成している。
【0108】
このように第1の光学素子31内に往復光路を形成することで光路をほぼ重複させ、第1の光学素子31内を有効に利用して、光路長に対して第1の光学系31のサイズを小さくすることができる。これにより、表示光学系全体をも小型化できる。
【0109】
また、画像表示素子3からの光線は面Bの反射により、往復光路を抜け、その後は画像表示素子3側には行かず、眼球側に導かれる。
【0110】
本実施形態の表示光学系は、第1および第3実施形態の表示光学系と比べ明るさの点でメリットがある。第1および第3実施形態では、画像表示素子からの光が第1の光学系の面Bから入射し、かつ面Bは第1の光学系の光路中で反射作用も持っていたため、ハーフミラーとする必要がある。従って、画像表示素子からの光量は第1の光学系に入るときにほぼ半分になってしまう。
【0111】
これに対し、本実施形態では、折り返し反射面Cへの中心画角主光線の入射光と反射光の成す角度θを比較的大きな値にして、復路を面Aまでとし、その後の光は入射面Dとは別の面Bに行くように設定している。このように入射面Dと面B(反射作用のみの面)とを分けることにより、第1の光学系への入射時の光量ロスをなくし、明るい表示光学系を実現している。
【0112】
面Aでの反射を内部全反射とすると、光量の損失が少なくなり好ましい。また、少なくとも面Aでの反射光束と射出光束とが共用する領域(面Aの下部)で光を内部全反射させ、共用領域以外は反射膜による反射とすると、面Aでの反射光束の全てを内部全反射させた場合に対して、設計の自由度を上げつつ同程度の明るさを確保できる。
【0113】
また、反射膜領域と共用領域の境界は反射膜の境界がはっきり目に見え好ましくないので、境界付近(反射膜領域内の下部側)は下部から上部に向かって徐々に反射率を上げて境界を目立たなくすることが望ましい。この反射膜は金属膜によるものが好ましい。金属膜は分光反射率特性がフラットで色が目立ちにくく、偏光方向が異なる光に対する反射率の差がほとんどないためである。
【0114】
本実施形態では、最終反射面として作用するときの面Bは、面A(反射、再反射、透過)に対して非常に強い光学的パワー(1/焦点距離)を有した凹面鏡となっており、第1の光学系31の主パワーを担っている。これは、往復光路により面Aで光が2回反射するため、面Bにパワーを持たせ、面Aのパワーを弱く設定して収差の発生を抑制するためである。
【0115】
特に、ローカル母線断面は偏心断面であるため、中心画角主光線に対してこの断面上での面Bパワーを強く、面Aのパワーを弱く設定すると、偏心収差発生を抑制できる。
【0116】
また、面Bのみパワーを持ち、面Aを平面としてもよい。面Bは偏心した曲面であるため、回転非対称な形状の面(いわゆる自由曲面)を用いることで、偏心収差の発生を極力抑えることが望ましい。
【0117】
また、面B以外の反射面をもう1面自由曲面とすると、画像表示素子3に表示される画像のアスペクト比と拡大表示画面のアスペクト比とを近いものに設定可能となる。
【0118】
また、面A,B,C,Dをそれぞれ曲面で構成した場合は、すべての面が集光ないし発散または収差補正に寄与することになり、コスト削減の効果が期待できる。
【0119】
更に好ましくは、第1の光学系31を構成する4つの面A,B,C,Dの全てを回転非対称形状とすることで、偏心収差補正の自由度が増し、良好な画質での画像表示が可能になる。
【0120】
このとき、各回転非対称面をローカル母線断面を唯一の対称面とするローカル子線断面方向に面対称な形状とすると、対称性のない場合に比較して加工および製作を容易にすることができるため好ましい。
【0121】
(第5実施形態)
図5には、本発明の第5実施形態である表示光学系を示している。この表示光学系は、透明体である光学素子41−aと反射部材41−bとからなる第1の光学系41と、第2の光学系2とから構成されている。
【0122】
光学素子41−aは、3つの光学面を有し、面A(第1の面)、面B(第3の面)は透過面および反射面として作用する透過反射兼用面、面C(第2の面)は反射作用のみの面ある。反射部材41−bは、中心画角主光線に対して偏心した透過面Dと裏面反射の折り返し反射面Eとを有している。
【0123】
面Cおよび反射部材41−bの折り返し反射面Eには反射膜が形成され、面Bはハーフミラーで構成されている。なお、反射膜およびハーフミラーは金属膜によるものが好ましい。金属膜は分光反射率特性がフラットで色が目立ちにくく、偏光方向が異なる光に対する反射率の差がほとんどないためである。
【0124】
図中、3は画像を表示する画像表示素子(LCD等)である。本実施形態においては、面Bは画像表示素子3からの光の入射面および反射面として作用し、面Aは射出面(反射部材41−bに向かう射出と射出瞳Sに向かう射出)および反射面として作用する。
【0125】
画像表示素子3から発せられた光は、第2の光学系2を介して第1の光学系41の光学素子41−aに導かれる。光は面Bより光学素子41−aに入射した後、面A、面Cと順に反射し、面Aに臨界角度以下で入射および射出する。そして光学素子41−aを射出した後、反射部材41−bの透過面Dを透過し、折り返し反射面Eで反射される。折り返し反射面では、入射した光を入射方向に対して略逆向きに戻すように反射するが、中心画角主光線の折り返し反射面への入射光と反射光の成す角度がθで反射している。
【0126】
その後、光は光学素子41−aに面Aから再入射し、面Cでの反射により面Aにおける最初の光の反射領域寄りの領域に戻されて反射し、面Bで射出瞳S(眼球)側に反射した後、面Aを透過して光学素子41−aを射出し、射出瞳Sに到達する。
【0127】
この図では、画像表示素子3から発した光の例として、画像表示素子3の表示面中心を射出し射出瞳Sの中心に至る中心画角主光線を示している。
【0128】
本実施形態においては、射出瞳Sの位置付近に観察者が眼を置くことにより、画像表示素子3上に表示された画像の拡大像を視認することが可能となる。
【0129】
第1の光学系41おいて、光は面B(透過)→面A(反射)→面C(反射)→面A(透過)→反射部材41−bの透過面D(透過)→反射部材41−bの折り返し反射面E(折り返し反射)→反射部材41−bの透過面D(再透過)→面A(再透過)→面C(再反射)→面A(再反射)→面B(反射)(→面A(再々透過))の順で各面を通過し、折り返し反射面での反射を境に、それまでの光路を逆にたどる。
【0130】
面B(透過)→折り返し反射面Eまでが往路、折り返し反射面E→面B(反射)までが復路、往路と復路合わせて往復光路が形成される。
【0131】
特に面Aでの再反射は、中心画角主光線がそのヒットポイント上での面の法線に対し、面Aでの最初の反射とは反対側に反射して進むようにして往復光路を形成している。
【0132】
このように第1の光学系41内に往復光路を形成することで、光路をほぼ重複させ、第1の光学系41内を有効に利用して、光路長に対して第1の光学系41のサイズを小さくすることができる。これにより、表示光学系全体をも小型化できる。
【0133】
また、画像表示素子3からの光線は、面Bでの反射により往復光路を抜け、その後は画像表示素子3側には行かず、眼球側に導かれる。
【0134】
本実施形態では、折り返し反射面(反射部材41−bの折り返し反射面E)への入射光線が図上でやや下側に反射するようにθを設定している。これにより、第1の光学系41に対して第2の光学系2または画像表示素子3を比較的上側に配置できるため、上下をコンパクト化することができる。
【0135】
また、第1の光学系41では、折り返し反射面を含む反射部材41−bを光学素子41−aとは別部材とすることにより、光路中の有効面を増やし、設計の自由度を増加させ、光学性能の向上を実現している。
【0136】
面Aでの反射を内部全反射とすると、光量の損失が少なくなり好ましい。また、少なくとも面Aでの反射光束と射出光束とが共用する領域(射出瞳Sに向かう射出の面Aの下部と反射部材41−bへ向かう射出の面Aの上部)で光を内部全反射させ、共用領域以外は反射膜による反射とすると、面Aでの反射光束の全てを内部全反射させる場合に対して、設計の自由度を上げつつ同程度の明るさを確保できる。
【0137】
また、反射膜領域と共用領域の境界は反射膜の境界がはっきり目に見え好ましくないので、境界付近(反射膜領域内の下部側と上部側)は共有領域から遠ざかるにつれて徐々に反射率を上げて境界を目立たなくすることが望ましい。この反射膜は金属膜によるものが好ましい。金属膜は分光反射率特性がフラットで色が目立ちにくく、偏光方向が異なる光に対する反射率の差がほとんどないためである。
【0138】
本実施形態では、最終反射面として作用するときの面Bは、面A(反射、透過、再透過、再反射、再々透過)、面C(反射、再反射)に対して非常に強い光学的パワー(1/焦点距離)を有した凹面鏡となっており、第1の光学系41の主パワーを担っている。第1の光学系41では往復光路により面A、Cで光が2回以上反射するため、面Bにパワーを持たせて面A、Cのパワーを弱く設定して収差の発生を抑制している。
【0139】
特に、ローカル母線断面は偏心断面であるため、中心画角主光線におけるこの断面上での面Bのパワーを強く、面A、Cのパワーを弱く設定すると、偏心収差発生を抑制できる。
【0140】
また、面Bのみパワーを持ち、面A、Cを平面としてもよい。面Bは偏心した曲面であるため、回転非対称な形状の面(いわゆる自由曲面)を用いることで、偏心収差の発生を極力抑えることが望ましい。
【0141】
また、面B以外の面をもう1面自由曲面とすると、画像表示素子3に表示される画像のアスペクト比と拡大表示画面のアスペクト比とを近いものに設定可能となる。
【0142】
また、光学素子41−aの面A,B,Cおよび反射部材41−bの両面D,Eをそれぞれ曲面で構成した場合は、すべての面が集光ないし発散または収差補正に寄与することになり、コスト削減の効果が期待できる。
【0143】
更に好ましくは、第1の光学系41を構成する面A,B,C、反射部材41−bの両面D,Eの全てを回転非対称形状とすることで、偏心収差補正の自由度が増し、良好な画質での画像表示が可能になる。
【0144】
このとき、各回転非対称面をローカル母線断面を唯一の対称面とするローカル子線断面方向に面対称な形状とすると、対称性のない場合に比較して加工および製作を容易にすることができるため好ましい。
【0145】
(第6実施形態)
図6には、本発明の第6実施形態である表示光学系を示している。この表示光学系は、第1の光学系51と、第2の光学系2とから構成されている。第1の光学系(以下、第1の光学素子ともいう)51は、4つの光学面を有した透明体により構成され、面A(第1の面)、面B(第3の面)は透過面および反射面として作用する透過反射兼用面、面C(第2の面)は反射作用のみの面である。さらに、透明体には折り返し反射面Dが形成されている。
【0146】
面C、折り返し反射面Dには反射膜が形成され、面Bはハーフミラーである。なお、反射膜およびハーフミラーは金属膜によるものが好ましい。金属膜は分光反射率特性がフラットで色が目立ちにくく、偏光方向が異なる光に対する反射率の差がほとんどないためである。
【0147】
図中の3は画像を表示する画像表示素子(LCD等)である。本実施形態においては、面Bは画像表示素子3からの入射面および反射面として作用し、面Aは反射面および射出面として作用する。
【0148】
画像表示素子3から発せられた光は、第2の光学系2を介して第1光学素子51に導かれる。光は面Bから第1の光学素子51に入射した後、面A、面Cと順に反射し、折り返し反射面Dで反射する。その後、面Cでの反射により面Aにおける最初の光の反射領域に戻されて反射し、面Bで射出瞳S(眼球)側に反射した後、面Aを透過して第1の光学素子51を射出し、射出瞳Sに到達する。
【0149】
この図では、画像表示素子3から発した光の例として、画像表示素子3の表示面中心を射出し、射出瞳Sの中心に至る中心画角主光線を示している。
【0150】
本実施形態においては、射出瞳Sの位置付近に観察者が眼を置くことにより、画像表示素子3上に表示された画像の拡大像を視認することが可能となる。
【0151】
第1の光学素子51おいて、光は面B(透過)→面A(反射)→面C(反射)→折り返し反射面D(折り返し反射)→面C(再反射)→面A(再反射)→面B(反射)(→面A(透過))の順で各面を通過し、折り返し反射面Dでの反射を境に、それまでの光路を逆にたどる。
【0152】
面B(透過)→折り返し反射面Dまでが往路、折り返し反射面D→面B(反射)までが復路、往路と復路を合わせて往復光路が形成される。
【0153】
特に面Aでの再反射は、中心画角主光線がそのヒットポイント上での面の法線に対し,面Aでの最初の反射とは反対側に反射して進むようにして往復光路を形成している。
【0154】
このように第1の光学素子51内に往復光路を形成することで光路をほぼ重複させ、第1の光学素子51内を有効に利用して、光路長に対して第1の光学系51のサイズを小さくすることができる。これにより、表示光学系全体をも小型化できる。
【0155】
また、画像表示素子3からの光線は面Bの反射により、往復光路を抜けた後は画像表示素子側には行かず、眼球側に導かれる。
【0156】
本実施形態では、図1に示した第1実施形態の構成に対し、折り返し反射面Dを面Aから独立した面としている。これにより、面を1面増やして設計の自由度を上げている。
【0157】
また、第1実施形態の構成では、面Aの折り返し反射領域の上部に反射膜が必要であり、部分的な反射膜蒸着をしなければならないが、本実施形態では折り返し反射面Dが面Aから独立しているため、反射膜蒸着が容易である。
【0158】
さらに、本実施形態において、面Aでの反射を内部全反射とすると、光量の損失が少なくなり好ましい。この他に、少なくとも面Aでの反射光束と射出光束とが共用する領域(面Aの下部)で光を内部全反射させ、共用領域以外は反射膜による反射とすると、面Aでの反射光束の全てを内部全反射させる場合に対して、設計の自由度を上げつつ同程度の明るさを確保できる。
【0159】
また、反射膜領域と共用領域の境界は反射膜の境界がはっきり目に見え好ましくないので、境界付近(反射膜領域内の下部側)は共有領域から遠ざかるにつれて徐々に反射率を上げて境界を目立たなくすることが望ましい。この反射膜は金属膜によるものが好ましい。金属膜は分光反射率特性がフラットで色が目立ちにくく、偏光方向が異なる光に対する反射率の差がほとんどないためである。
【0160】
本実施形態において、最終反射面として作用するときの面Bは、面A(反射、再反射、透過)、面C(反射、再反射)に対して非常に強い光学的パワー(1/焦点距離)を有した凹面鏡となっており、第1の光学系51の主パワーを担っている。
【0161】
第1の光学系51では、往復光路により面A、面Cで光が2回以上反射するため、面Bにパワーを持たせ、面A,Cのパワーを弱く設定して収差の発生を抑制している。特に、ローカル母線断面は偏心断面であるため、中心画角主光線におけるこの断面上での面Bのパワーを強く、面A,Cのパワーを弱く設定すると、偏心収差発生を抑制できる。また、面Bのみパワーを持ち、面A,Cを平面としてもよい。
【0162】
面Bは偏心した曲面であるため,回転非対称な形状の面(いわゆる自由曲面)を用いることで、偏心収差の発生を極力抑えることが望ましい。また、面B以外の面をもう1面自由曲面とすると、画像表示素子3に表示された画像のアスペクト比と拡大表示画面のアスペクト比とを近いものに設定可能となる。
【0163】
また、第1の光学系51の面A,B,Cおよび折り返し反射面Dをそれぞれ曲面で構成した場合は、すべての面が集光ないし発散または収差補正に寄与することになり、コスト削減の効果が期待できる。
【0164】
更に好ましくは、第1の光学系51を構成する面A,B,C,Dの全てを回転非対称形状とすることで、偏心収差補正の自由度が増し、良好な画質での画像表示が可能になる。
【0165】
このとき、各回転非対称面をローカル母線断面を唯一の対称面とするローカル子線断面方向に面対称な形状とすると、対称性のない場合に比較して加工および製作を容易にすることができるため、好ましい。
【0166】
(第7実施形態)
図7には、本発明の第7実施形態である表示光学系を示している。この表示光学系は、透明体である2つの光学素子61−a1,61−a2と反射部材61−bとからなる第1の光学系61により構成される。光学素子61−a1,61−a2はともに3つの光学面を有し、面A(第1の面)、面B(第3の面)、面Eは透過面および反射面として作用する透過反射兼用面、面C(第2の面)は反射作用のみの面、面D、面Fは透過作用のみの面である。
【0167】
反射部材61−bは反射膜による表面反射面である折り返し反射面Gを有している。面Cと反射部材61−bの折り返し反射面Gには反射膜が形成され、面Bはハーフミラーである。なお、反射膜、ハーフミラーは金属膜によるものが好ましい。金属膜は分光反射率特性がフラットで色が目立ちにくく、偏光方向が異なる光に対する反射率の差がほとんどないためである。
【0168】
図中の3は画像を表示する画像表示素子(LCD等)である。本実施形態では、面Bは画像表示素子3からの光の入射面および反射面として作用し、面Aは反射面および射出面として作用し、面Cは反射面として、面Eは入射面、反射面および射出面として作用する。
【0169】
画像表示素子3から発せられた光は、直接、第1の光学系61の光学素子61−a1に導かれる。光は面Bから光学素子61−a1に入射した後、面Aで反射し、光学素子61−a1の面Dから射出する。次に、光学素子61−a2に面Eから入射し、面Cと面Eで反射した後、光学素子61−a2の面Fから射出する。そして、反射部材61−bの表面の反射膜(面G)で折り返し反射される。その後、光学素子61−a2に面Fから入射し、面E、面Cで再反射されて光学素子61−a2の面Eから射出する。さらに、光学素子61−a1に面Dから入射し、面Aにおける最初の光の反射領域に戻されて再反射し、反射面Bで射出瞳S(眼球)側に反射した後、面Aを透過して光学素子61−a1を射出し、射出瞳Sに到達する。
【0170】
この図では、画像表示素子3から発した光の例として、画像表示素子3の表示面中心を射出し、射出瞳Sの中心に至る中心画角主光線を示している。
【0171】
本実施形態においては、射出瞳Sの位置付近に観察者が眼を置くことにより、画像表示素子3上に表示された画像の拡大像を視認することが可能となる。
【0172】
第1の光学系61おいて、光は面B(透過)→面A(反射)→面D(透過)→面E(透過)→面C(反射)→面E(反射)→面F(透過)→反射部材61−bの折り返し反射面G(折り返し反射)→面F(再透過)→面E(再反射)→面C(再反射)→面E(再透過)→面D(再透過)→面A(再反射)→面B(反射)(→面A(透過))の順で面を通過し、折り返し反射面での反射を境に、それまでの光路を逆にたどる。
【0173】
面B(透過)→折り返し反射面Gまでが往路、折り返し反射面G→面B(反射)までが復路、往路と復路を合わせて往復光路が形成される。
【0174】
特に面Aでの再反射は、中心画角主光線がそのヒットポイント上での面の法線に対し、面Aでの最初の反射とは反対側に反射して進むようにして往復光路を形成している。
【0175】
このように第1の光学系61内に往復光路を形成することで光路をほぼ重複させ、第1の光学系61内を有効に利用して、光路長に対して第1の光学系61のサイズを小さくすることができる。これにより、表示光学系全体をも小型化できる。
【0176】
また、画像表示素子3からの光線は面Bの反射により、往復光路を抜けた後は画像表示素子側には行かず、眼球側に導かれる。
【0177】
本実施形態では、第1の光学系61が2つの光学素子により構成されているため、往復光路を長くすることができ、非常に長い光路長を第1光学系61内に収めることができる。このため、前述した各実施形態のように、画像表示素子と第1の光学系の間に、別の第2の光学系を挿入する必要がなく、表示光学系が下側に大型化しない。
【0178】
本実施形態において、面A、面Eでの反射を内部全反射とすると、光量の損失が少なくなり好ましい。また少なくとも、面A、面Eでの反射光束と射出光束とが共用する領域(面A、面Eの下部)で光を内部全反射させ、共用領域以外は反射膜による反射とすると、面A、面Eでの反射光束の全てを内部全反射させた場合に対して、設計の自由度を上げつつ同程度の明るさを確保できる。
【0179】
また、反射膜領域と共用領域の境界は反射膜の境界がはっきり目に見え好ましくないので、境界付近(反射膜領域内の下部側)は共有領域から遠ざかるにつれて徐々に反射率を上げて境界を目立たなくすることが望ましい。この反射膜は金属膜によるものが好ましい。金属膜は分光反射率特性がフラットで色が目立ちにくく、偏光方向が異なる光に対する反射率の差がほとんどないためである。
【0180】
また、本実施形態では、最終反射面として作用するときの面Bと反射面として作用する面Cの凹面鏡の光学的パワー(1/焦点距離)が他の反射面に対して強い。その中でも反射面として作用する面Cの凹面鏡パワーの方が強い。面Bの凹面鏡パワーのほうを弱めないと、第1の光学系61と表示素子3の間隔を十分に取れなくなるためである。特に、ローカル母線断面上でその傾向が強く出る。
【0181】
また、面B、面Cのみパワーを持ち、面A、面Eを平面としてもよい。面B、面Cは偏心した曲面であるため,回転非対称な形状の面(いわゆる自由曲面)を用いることで、偏心収差の発生を極力抑えることが望ましい。
【0182】
また、光学素子61−a1,61−a2の面A,B,C、面Eおよび反射部材61−bの折り返し反射面Gをそれぞれ曲面で構成した場合は、すべての面が集光ないし発散または収差補正に寄与することになり、コスト削減の効果が期待できる。
【0183】
更に好ましくは、第1の光学系61を構成する面A,B,C,E,Gを回転非対称形状とすることで、偏心収差補正の自由度が増し、良好な画質での画像表示が可能になる。また、全ての面を自由曲面とすると更に良好な画質が得られる。
【0184】
このとき,各回転非対称面をローカル母線断面を唯一の対称面とするローカル子線断面方向に面対称な形状とすると、対称性のない場合に比較して加工および製作を容易にすることができるため、好ましい。
【0185】
(第8実施形態)
図8には、本発明の第8実施形態である表示光学系を示している。この表示光学系は、反射部材71−b1,71−b2,71−b3による3面反射ミラー構成の第1の光学系71と、第2の光学系2とから構成されている。
【0186】
3つの反射部材71−b1,71−b2,71−b3の表面には、反射膜が形成されている。反射部材71−b2の反射面は折り返し反射面である。なお、反射膜は金属膜によるものが好ましい。金属膜は分光反射率特性がフラットで色が目立ちにくく、偏光方向が異なる光に対する反射率の差がほとんどないためである。
【0187】
図中の3は画像を表示する画像表示素子(LCD等)である。画像表示素子3から発せられた光は、第2の光学系2を介して第1の光学系71の反射部材71−b1に導かれる。光は反射部材71−b1の反射ミラー面である面A(第1の面)から第1の光学系71に入射し、面Aで反射して、反射部材71−b2のミラー面である折り返し反射面C(第2の面)に導かれる。折り返し反射面Cでは、入射した光を面Aにおける最初の光の反射領域寄りの領域に戻すように反射するが、中心画角主光線の折り返し反射面Cへの入射光と反射光の成す角度がθとなるように反射している。
【0188】
その後、光は面Aで再反射し、反射部材71−b3のミラー面である面B(第3の面)で反射した後、第1の光学系71から射出して、射出瞳Sに到達する。
【0189】
この図では、画像表示素子3から発した光の例として、画像表示素子3の表示面中心を射出し射出瞳Sの中心に至る中心画角主光線を示している。
【0190】
本実施形態においては、射出瞳Sの位置付近に観察者が眼を置くことにより、画像表示素子3上に表示された画像の拡大像を視認することが可能となる。
【0191】
第1の光学系71において、光は面A(反射)→反射部材71−b2のミラー面C(折り返し反射)→面A(再反射)→面B(反射)の順で各面を通過し、折り返し反射面Cでの反射を境に、それまでの光路を逆にたどる。
【0192】
A(反射)→折り返し反射面Cまでが往路、折り返し反射面C→A(再反射)までが復路、往路と復路を合わせて往復光路が形成される。
【0193】
特に面Aでの再反射は、中心画角主光線がそのヒットポイント上での面の法線に対し、面Aでの最初の反射とは反対側に反射して進むようにして往復光路を形成している。
【0194】
このように第1の光学系71内に往復光路を形成することで光路をほぼ重複させ、第1の光学系71内を有効に利用して、光路長に対して第1の光学系71のサイズを小さくすることができる。これにより、表示光学系全体を小型化できる。
【0195】
また、画像表示素子3からの光線は面Bの反射により、往復光路を抜けた後、画像表示素子側には行かず、眼球側に導かれる。
【0196】
本実施形態は、上記第6実施形態のものと同様に明るさの点でメリットがある。本実施形態では、折り返し反射面への中心画角主光線の入射光と反射光とのなす角度θを比較的大きな値にして、復路を面Aまでとし、第1の光学系71に入射してきた光線とはややずれたところに別の面Bを配置し、面Bに光線が行くように設定している。これにより、3面(面A、面B、折り返し反射面C)の反射ミラーを光をほぼ100%反射可能な反射膜で形成し、明るい第1の光学系71を実現している。なお、反射膜は金属膜によるものが好ましい。金属膜は分光反射率特性がフラットで色が目立ちにくく、偏光方向が異なる光に対する反射率の差がほとんどないためである。
【0197】
また、本実施形態において、最終反射面として作用するときの面Bは面A(反射、再反射)に対して非常に強い光学的パワー(1/焦点距離)を有した凹面鏡となっており、第1の光学系71の主パワーを担っている。これは、往復光路により面Aで光が2回反射するため、面Bにパワーを持たせ、面Aのパワーを弱く設定して収差の発生を抑制するためである。
【0198】
特に、ローカル母線断面は偏心断面であるため、中心画角主光線に対してこの断面上での面Bパワーを強く、面Aのパワーを弱く設定すると、偏心収差発生を抑制できる。また、面Bのみパワーを持ち、面Aを平面としてもよい。
【0199】
面Bは偏心した曲面であるため,回転非対称な形状の面(いわゆる自由曲面)を用いることで、偏心収差の発生を極力抑えることが望ましい。
【0200】
また、面B以外の反射面をもう1面自由曲面とすると、画像表示素子3に表示される画像のアスペクト比と拡大表示画面のアスペクト比とを近いものに設定可能となる。
【0201】
また、面A,B,折り返し反射面Cをそれぞれ曲面で構成した場合は、すべての面が集光ないし発散または収差補正に寄与することになり、コスト削減の効果が期待できる。
【0202】
更に好ましくは、第1の光学系71を構成する3つの面A,B,折り返し反射面Cの全てを回転非対称形状とすることで、偏心収差補正の自由度が増し、良好な画質での画像表示が可能になる。このとき、各回転非対称面をローカル母線断面を唯一の対称面とするローカル子線断面方向に面対称な形状とすると、対称性のない場合に比較して加工および製作を容易にすることができるため、好ましい。
【0203】
(第9実施形態)
図9には、本発明の第9実施形態である表示光学系を示している。この表示光学系は、透明体としての光学素子81−aと反射部材81−bとからなる第1の光学系81と、2つの光学系82−1,82−2からなる第2の光学系とから構成されている。
【0204】
光学素子81−aは、3つの光学面を有し、面A(第1の面),B(第3の面)は透過面および反射面として作用する透過反射兼用面であり、面Dは透過面として作用する。また、反射部材81−bは、表面に反射膜を形成した折り返し反射面C(第2の面)を有する。面Bはハーフミラーである。なお、反射膜およびハーフミラーは金属膜によるものが好ましい。金属膜は分光反射率特性がフラットで色が目立ちにくく、偏光方向が異なる光に対する反射率の差がほとんどないためである。
【0205】
図中の3は画像を表示する画像表示素子(LCD等)である。本実施形態においては、面Bは画像表示素子3からの光の入射面および反射面として作用し、面Aは反射面および射出面として作用する。
【0206】
画像表示素子3から発せられた光は、第2の光学系のうち光学系82−1を介して第1の光学系81の光学素子81−aに導かれる。光は面Bより光学素子81−aに入射した後、面Aで反射し、面Dから射出する。そして、反射部材81−bの表面の折り返し反射面Cで反射する。その後、光学素子81−aの面Dから入射し、面Aにおける最初の光の反射領域に戻されて再反射し、面Bで射出瞳S(眼球)側に反射した後、面Aを透過して光学素子81−aを射出し、第2の光学系82のうちもう1つの光学系82−2で光学的パワーが調節されて射出瞳Sに到達する。
【0207】
この図では、画像表示素子3から発した光の例として、画像表示素子3の表示面中心を射出し、射出瞳Sの中心に至る中心画角主光線を示している。
【0208】
本実施形態においては、射出瞳Sの位置付近に観察者が眼を置くことにより、画像表示素子3上に表示された画像の拡大像を視認することが可能となる。
【0209】
第1の光学系81おいて、光は面B(透過)→面A(反射)→面D(透過)→反射部材81−bの折り返し反射面C(折り返し反射)→面D(再透過)→面A(再反射)→面B(反射)(→面A(透過))の順で各面を通過し、折り返し反射面での反射を境に、それまでの光路を逆にたどる。
【0210】
面B(透過)→折り返し反射面Cまでが往路、折り返し反射面C→面B(反射)までが復路、往路と復路を合わせて往復光路が形成される。
【0211】
特に面Aでの再反射は、中心画角主光線がそのヒットポイント上での面の法線に対し、面Aでの最初の反射とは反対側に反射して進むようにして往復光路を形成している。
【0212】
このように第1の光学系81内に往復光路を形成することで光路をほぼ重複させ、第1の光学系81内を有効に利用して、光路長に対して第1の光学系81のサイズを小さくすることができる。これにより、表示光学系全体をも小型化できる。
【0213】
また、画像表示素子3からの光線は面Bの反射により、往復光路を抜けた後、画像表示素子側には行かず、眼球側に導かれる。
【0214】
本実施形態では、光学素子81−aの3面を平面で構成しているため、光学素子81−a自体は光学的パワーを持たず、反射部材81−bの折り返し反射面が光学的パワーを持っている。これにより、光学素子81−aのコストをかなり安くでき、光学素子81−aでの収差発生も抑制される。
【0215】
面Aでの反射を内部全反射とすると、光量の損失が少なくなり好ましい。また、少なくとも面Aでの反射光束と射出光束とが共用する領域(面Aの下部)で光を内部全反射させ、共用領域以外は反射膜による反射とすると、面Aでの反射光束の全てを内部全反射させる場合に対して、設計の自由度を上げつつ同程度の明るさを確保できる。
【0216】
また、反射膜領域と共用領域の境界は反射膜の境界がはっきり目に見え好ましくないので、境界付近(反射膜領域内の下部側)は共有領域から遠ざかるにつれて徐々に反射率を上げて境界を目立たなくすることが望ましい。この反射膜は金属膜によるものが好ましい。金属膜は分光反射率特性がフラットで色が目立ちにくく、偏光方向が異なる光に対する反射率の差がほとんどないためである。
【0217】
以下、上記各実施形態を、数値実施例を用いて説明する。
【0218】
[数値実施例1]
図10には、図1に示した第1実施形態の数値実施例での光路断面図を示している。図中、1は表示光学系を構成する第1の光学系であり、3つの光学面を有したプリズム形状の透明体(光学素子)により構成されている。S2,S4,S6,S8は同一面、S3,S9は同一面、S5,S7は同一面であり、これら3面はそれぞれ第1実施形態において説明した面A,B,Cに相当する。
【0219】
2は第2の光学系であり、ここではS10,S11,S12の3面を有した同一媒質からなる透明体により構成されている。
【0220】
SIは画像表示面、S1は表示光学系の射出瞳Sである。また、折り返し反射面A(S6)と面C(S5,S7)には反射膜が形成され、面B(S3,S9)にはハーフミラーが形成されている。
【0221】
本数値実施例において、全ての光学面は回転非対称面であり、紙面(yz断面)を唯一の対称面として持つ面対称形状をしている。
【0222】
本数値実施例の光学データを表1に示す。この数値実施例は射出瞳径φ10mm,画像表示サイズ10mm×7.5mm程度で水平画角50°の画像をz軸の正方向無限遠方に表示する表示光学系である。
【0223】
なお、表1の光学データのうち最も左の項目SURFは面番号を示している。また、X,Y,ZおよびAは、第1面S1の中心を原点(0,0,0)とし、図中に示したy軸,z軸と紙面奥向きにx軸をとった座標系における各面の面頂点の位置(x,y,z)並びに図面上で反時計回り方向を正方向とするx軸回りの回転角度A(単位:度)である。
【0224】
Rは曲率半径である。FFSの項(数値実施例2以降はTYPの項)は面形状の種類を表し、SPHは球面であり、数字(数値実施例2以降はFFS)は以下の式に従う回転非対称面である.
【0225】
【数1】
【0226】
FFSの項の数字又はTYPの欄でFFSの横に記された数値は、その面形状が同表の下側に記載された非球面係数kおよびciに対応する回転非対称形状であることを示している。
【0227】
Nd,νd(但し、表ではvdと記す)はそれぞれ、その面以降の媒質のd線波長での屈折率とアッベ数を示しており、屈折率Ndの符号の変化はその面で光が反射されることを示している。また、媒質が空気層の場合は、屈折率Ndのみを1.000として表示し、アッベ数νdは省略している。
【0228】
また、折り返し反射面での中心画角主光線の入射光線と反射光線とのなす角度θの絶対値を|θ|として記載している。以上の表の項目は、以降の数値実施例においても同様である。
【0229】
【表1】
【0230】
なお、本数値実施例に示した光学系は、z軸負方向における無限遠方の物点からの光束を、絞りS1を通過させて第1の光学系1に導き、第1の光学系1を射出した後、第2の光学系2を経て撮像面SIに結像させる撮像光学系(第2実施形態)としても利用できる。
【0231】
[数値実施例2]
図11には、図3に示した第3実施形態(やや図4の第4実施形態に近いもの)の数値実施例での光路断面図を示している。
【0232】
図中、21は表示光学系を構成する第1の光学系であり、S2,S4,S6が面A,S3,S7が面B、S5が折り返し反射面Cである。折り返し反射面C(S5)には反射膜が形成され、面B(S3,S7)にはハーフミラーが形成されている。SIは画像表示面、S1は表示光学系の射出瞳Sである。
【0233】
22は第2の光学系であり、それぞれが2面構成の2つのレンズ22−1,22−2からなり、レンズ22−1の一方の面は第1の光学系21を構成する透明体と接合されており、この面はS7として表記している。
【0234】
また、第1の光学系21および第2の光学系22におけるS1からS10までの光学面は、本数値実施例においては全て回転非対称面であり、紙面(yz断面)を唯一の対称面として持つ面対称形状をしている。本数値実施例の光学データを表2に示す。
【0235】
【表2】
【0236】
なお、図4に示した第4実施形態は、本数値実施例の面S7と面S3の有効面が重ならないようにθを設定し、面S7を入射面として別面とし、S3面は反射のみの面、S7面は接合面で透過作用のみの面とすることによって実施できる。またS7とS3の有効面を重ならないようにθを設定し、S7とS3を同一面のままとし、S3面は反射のみの面、S7面は接合面で透過作用のみの面としてもよい。
【0237】
これにより、1面分減らすことができ、かつ明るさのメリットも残る。また透過作用のみのS7の接合面をなくし、光学系21とレンズ22−1を同一部材の一体物(一体成形品など)とすると、部品が1個減り光学系のコストダウンが可能になる。また、透過作用のみのS7の接合面をなくし、光学系21とレンズ22−1を微小間隔の空気層をおいて配置してもよい。
【0238】
本数値実施例の長さのディメンジョンを有する数値をmmとして考えると、射出瞳径φ6mm、画像表示サイズ10mm×7.5mm程度で、水平約50°,垂直約39°の画角で、画像をz軸の正方向無限遠方に表示する表示光学系となる。
【0239】
また、本数値実施例も、数値実施例1と同様に撮像光学系として利用することもできる。
【0240】
[数値実施例3]
図12には、図5に示した第5実施形態の数値実施例での光路断面図を示している。
【0241】
図中、41は第1の光学系を示し、41−aは少なくとも3つの面を有する透明体としての光学素子、41−bは反射ミラー部材である。S2,S4,S6,S8,S10は同一面、S3,S11は同一面、S5,S9は同一面であり、それぞれ図5にて説明した面A,面B,面Cに相当する。
【0242】
S7は折り返し反射面である。この折り返し反射面(S7)と面C(S5,S9)には反射膜が、面B(S3,S11)にはハーフミラーが形成されている。SIは画像表示面、S1は表示光学系の射出瞳Sである。
【0243】
図中、2は第2の光学系であり、S12,S13を有するレンズにより構成されている。
【0244】
図5では、ある程度の大きさの角度θを設定していたが、本数値実施例ではθの値をかなり小さくして表示光学系の光学性能を優先させている。本数値実施例の光学データを表3に示す。
【0245】
【表3】
【0246】
本数値実施例は、長さのディメンジョンを有する数値をmmとして考えると、数値実施例1とほぼ同等の仕様の表示光学系となる。
【0247】
また、本数値実施例も、数値実施例1と同様に撮像光学系として利用することもできる。
【0248】
[数値実施例4]
図13には、図6に示した第6実施形態の数値実施例での光路断面図を示している。図中,51は表示光学系を構成する第1の光学系であり、4つの光学面を有した透明体としての光学素子により構成されている。
【0249】
S2,S4,S8は同一面、S3,S9は同一面、S5,S7は同一面であり、これら3面はそれぞれ第6実施形態にて説明した面A,B,Cに相当する。
【0250】
S6は折り返し反射面Dである。折り返し反射面D(S6)と面C(S5,S7)には反射膜が、面B(S3,S9)にはハーフミラーが形成されている。
【0251】
52は第2の光学系であり、それぞれ2面を有する2つのレンズ52−1,52−2から構成されている。レンズ52−1の一方の面S10は第1の光学系51(光学素子)の面S9と同一面で接合されている。SIは画像表示面、S1は表示光学系の射出瞳Sである。
【0252】
本数値実施例において、全ての光学面は回転非対称面であり、紙面(yz断面)を唯一の対称面として持つ面対称形状をしている。本数値実施例の光学データを表4に示す。
【0253】
【表4】
【0254】
本数値実施例は、長さのディメンジョンを有する数値をmmとして考えると、数値実施例2とほぼ同等の仕様の表示光学系となる。
【0255】
また、本数値実施例も、数値実施例1と同様に撮像光学系として利用することもできる。
【0256】
[数値実施例5]
図14には、図7に示した第7実施形態に類似の実施形態における数値実施例での光路断面図を示している。図中、61は表示光学系を構成する第1の光学系であり、2つの光学素子61−a1,61−a2からなる。両光学素子61−a1,61−a2とも3つの光学面を有している。
【0257】
S2,S4,S14は同一面、S3,S15は同一面、S7,S11は同一面、S6,S8,S10,S12は同一面であり、これら4面はそれぞれ第7実施形態に説明した面A,B,C,Eに相当する。
【0258】
S9は折り返し反射面Gである。この折り返し反射面G(S9)と面C(S7,S11)には反射膜が、面B(S3,S15)にはハーフミラーが形成されている。
【0259】
なお、本数値実施例5は図7に示した第7実施形態と若干異なり、第1の光学系61に折り返し反射面Gを有する反射部材を用いず、光学素子61−a2内のS9面を折り返し反射面として光学調整を簡単なものにしたものである。また、第1の光学系61に光学素子を2つ採用したため、第1の光学系61と画像表示素子3(SI)との間に第2の光学系を必要としない。
【0260】
SIは画像表示面、S1は表示光学系の射出瞳Sである。本数値実施例では、面B(S3,S15)、面C(S7,S11)、折り返し反射面G(S9)に回転非対称面を採用し、紙面(yz断面)を唯一の対称面として持つ面対称形状をしている。なお、全ての光学面に回転非対称面を採用したほうが、より良好な光学性能が得られる。本数値実施例の光学データを表5に示す。
【0261】
【表5】
【0262】
本数値実施例は、長さのディメンジョンを有する数値をmmとして考えると、数値実施例1とほぼ同等の仕様の表示光学系となる。
【0263】
また、本数値実施例は、数値実施例1と同様に撮像光学系として利用することもできる。
【0264】
【発明の効果】
以上説明したように、本願第1の発明によれば、第1の面と第2の面との間で光を略往復させて光路をほぼ重複させる(往復光路)ようにしているので、小型の光学系でありながらも光路長を長く確保できる。このため、小型の原画を用いつつ表示広画角を達成でき、しかも全体として小型の表示光学系を実現することができる。
【0265】
なお、表示光学系内で光を中間結像させるようにすれば、レイアウトの自由度が増え、原画を大画面表示させることができるとともに、光路長をかなり長くしても表示光学系を小型に構成することができる。
【0266】
また、本願第2の発明によれば、第1の面と第2の面との間で光を略往復させて光路をほぼ重複させる(往復光路)ようにしているので、小型の光学系でありながらも光路長を長く確保できる。このため、小型でありながらも撮影広画角を達成することができる。
【0267】
なお、撮像光学系内で光を中間結像させるようにすれば、レイアウトの自由度が増え、広画角の被写体像を十分縮小して撮像面に導くことができるとともに、光路長をかなり長くしても撮像光学系を小型に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である表示光学系の構成図。
【図2】本発明の第2実施形態である撮像光学系の構成図。
【図3】本発明の第3実施形態である表示光学系の構成図。
【図4】本発明の第4実施形態である表示光学系の構成図。
【図5】本発明の第5実施形態である表示光学系の構成図。
【図6】本発明の第6実施形態である表示光学系の構成図。
【図7】本発明の第7実施形態である表示光学系の構成図。
【図8】本発明の第8実施形態である表示光学系の構成図。
【図9】本発明の第9実施形態である表示光学系の構成図。
【図10】本発明の数値実施例1(第1実施形態の実施形)の光学系断面図。
【図11】本発明の数値実施例3(第3実施形態の実施形)の光学系断面図。
【図12】本発明の数値実施例4(第4実施形態の実施形)の光学系断面図。
【図13】本発明の数値実施例5(第5実施形態の実施形)の光学系断面図。
【図14】本発明の数値実施例6(第6実施形態の実施形)の光学系断面図。
【図15】従来の表示光学系の構成図。
【図16】従来の表示光学系の構成図。
【符号の説明】
1,11,21,31,41,51,61,71,81 第1の光学系
2,22,52,82 第2の光学系
3 画像像表示素子
4 撮像素子
Claims (12)
- 画像表示素子と、その画像表示素子が形成する原画からの光を観察者の眼又は被投射面に導く表示光学系とを有する画像表示装置であって、
前記表示光学系は、少なくとも反射作用を有する第1の面と、この第1の面で反射した前記原画からの光を再度前記第1の面に向けて反射する第2の面とを有し、
前記第1の面に再度入射した中心画角主光線はそのヒットポイント上での面の法線に対し、前回とは反対側に反射して進むと共に、
この表示光学系内で前記原画の中間像を形成することを特徴とする画像表示装置。 - 前記原画からの光は、第2の面で反射し、第1の面で再反射した後、入射する光線に対し偏心した別の第3の面で眼又は被投射面側に反射することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記表示光学系に、前記原画からの中心画角主光線がほぼ反対側に折り返し反射する、反射作用のみを有する折り返し反射面があることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
- 前記折り返し反射面は、前記第1の面又は前記第2の面であることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
- 前記表示光学系は、内部が光学媒質で満たされた透明体を用いて構成されており、前記透明体内で前記原画の中間像を形成することを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の画像表示装置。
- 前記第1の面および前記第2の面の少なくとも一方が、入射する光線に対して偏心していることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の画像表示装置。
- 前記第1の面および前記第2の面の少なくとも一方が、曲率を有することを特徴とする請求項1から6いずれかに記載の画像表示装置。
- 前記第1の面および前記第2の面の少なくとも一方が、回転非対称な面形状であることを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置。
- 前記第3の面が、曲率を有することを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
- 前記第3の面が、回転非対称な面形状であることを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
- 前記第3の面の反射におけるローカル母線断面焦点距離が、前記第1の面または前記第2の面のうち、複数回反射または複数回透過する面のローカル母線断面焦点距離より、正で最も短いことを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
- 撮像素子と、被写体からの光をその撮像素子の撮像面に導く撮像光学系とを有する撮像装置であって、
前記撮像光学系は、少なくとも反射作用を有する第1の面と、この第1の面で反射した前記被写体からの光を再度前記第1の面に向けて反射する第2の面とを有し、
前記第1の面に再度入射した中心画角主光線はそのヒットポイント上での面の法線に対し、前回とは反対側に反射して進むと共に、
前記撮像光学系内で前記被写体の中間像を形成することを特徴とする撮像装置。
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