JP3870073B2 - 画像表示装置および撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示素子等に表示された原画を拡大表示させるヘッドマウントディスプレイやプロジェクタ等の画像表示装置に好適な表示光学系および撮像装置に好適な撮像光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CRTやLCD等の画像表示素子を用い、これらの表示素子に表示された画像を光学系を介して拡大表示させる頭部装着型の画像表示装置(ヘッドマウントディスプレイ)が良く知られている。
【0003】
このヘッドマウントディスプレイ等の画像表示装置は、これらの装置を頭部に装着するため、特に装置全体の小型化、軽量化が要望されている。また、重量バランスや外観等を考慮すると、観察者の視軸方向に薄型であることが好ましい。さらに、表示される拡大像に迫力を持たせるために、できるだけ大きな拡大像が望まれている。
【0004】
図19には、従来の共軸凹面鏡を用いた画像表示装置を示している。同装置では、表示素子101に表示された画像からの光束をハーフミラー102で反射させ、凹面鏡103に入射させ、凹面鏡103で反射した光束をハーフミラー102を介して観察者の眼Eに導びいている。表示素子101に表示した画像は、凹面鏡103によって拡大した虚像として形成される。これにより、観察者は表示素子101に表示した画像の拡大虚像を観察することができる。
【0005】
また、例えば特開平7−333551号公報,特開平8−50256号公報,特開平8−160340号公報および特開平8−179238号公報等においては、画像を表示する画像表示素子としてのLCD(液晶)と、観察光学系としての薄型プリズムとを使用し、装置全体の薄型化を図った画像表示装置が提案されている。
【0006】
図20には、特開平7−333551号公報で提案されている画像表示装置を示している。この装置において、LCD111から発せられた光は、小型の偏心プリズム112の入射面113に入射する。そして、偏心プリズム112に形成した曲率を有した全反射面114と反射面115との間で光束が折り畳まれ、その後、面114より偏心プリズム112から射出して観察者の眼Eに導かれる。これによって表示素子(LCD)111に表示された画像の虚像が形成され、この虚像を観察者が観察する。
【0007】
偏心プリズム112の反射面115は、偏心非回転対称面(アジムス角度により光学的パワーの異なる面であり、いわゆる自由曲面)で構成された偏心自由曲面より構成されている。
【0008】
図20に示す光学系のタイプは、図19に示した従来の共軸凹面鏡を用いたタイプに比べ、装置全体の薄型化および観察視野の広画角化が容易であるという特徴を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
近年、画像を表示する表示素子であるLCD等の高精細化が進み、従来と同程度の画素数を有しながらも従来より小型化されたLCD等が開発されている。このような小型化された画像表示素子を用いると、装置の小型化には有利になるものの、従来と同様の画角を達成するためには、光学系の倍率を上げる必要が生じる。
【0010】
このような状況に鑑みて、特開平10−153748号公報には、偏心プリズムとリレーレンズ系とを組み合わせ、リレーレンズ系により一旦中間像を形成してから表示素子に表示された画像を観察者に導く光学系が提案されている。これにより、図20に示すタイプの薄型という特徴を有しつつ、更なる倍率向上を果たし、LCDサイズに対して広画角化を図っている。
【0011】
また、この特開平10−153748号公報にて提案の光学系に比べて、更なる光学性能向上を図ったものとして、偏心プリズムの内部反射面を増加させ、偏心プリズムのみで中間像を形成し、その像を観察者に導くタイプや、第1の偏心プリズム光学系に第2の偏心プリズムを設けたタイプ等が、特開2000−066106号公報,特開2000−105338号公報,特開2000−131614号公報,特開2000−199853号公報,特開2000−227554号公報および特開2000−231060号公報等に提案されている。
【0012】
一般的に、一旦中間像を形成するタイプの光学系は光路長が長くなり、装置が大型化するという問題があるが、これらの各公報にて提案の光学系においても、透過作用と反射作用とを果たす兼用面を用いたり、光路を交差させたりする等の工夫により小型化を目指している。
【0013】
本発明は、小型の表示素子を用いつつ表示広画角を達成でき、しかも全体として小型の表示光学系、および小型で撮像広画角を達成できる撮像光学系を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本願第1の発明では、画像表示素子と、画像表示素子が形成する原画からの光を観察者の眼又は被投射面に導く表示光学系とを有する画像表示装置において、表示光学系は、少なくとも反射作用を有する第1の面と、この第1の面で反射した原画からの光を再度第1の面に向けて反射する第2の面と、原画から第1の面に向かう光を透過するとともに、第2の面から第1の面に戻されて再度反射した光を反射して観察者の眼又は被投射面に導く第3の面とを有し、第1の面に再度入射した中心画角主光線はそのヒットポイント上での面の法線に対し、前回とは反対側に反射して進むと共に、表示光学系内で原画の中間像を形成するようにしている。
【0015】
また、原画からの光を観察者の眼又は被投射面に導く表示光学系において、少なくとも第1、第2および第3の面を持つ第1の光学系を有し、少なくとも第2および第3の面は曲面とし、光は第3の面を透過して第1の光学系に入射し、この第1光学系内で第1および第2の面で少なくとも1回ずつ反射し、第1および第2の面で計3回以上反射して第3面に戻り、第3の面で反射されて第1の面を透過し、第1の光学系から射出するようにしている。
【0016】
これら発明では、第1、第2および第3の面の間で光を略往復させて光路をほぼ重複させることにより、小型の光学系でありながらも光路長を長く確保できるようにしている。このため、小型の原画(画像表示素子に表示された画像等)を用いつつ表示広画角を達成でき、しかも全体として小型の表示光学系を実現することが可能となる。
【0017】
さらに、第1の面で複数回反射した光を、最初に第1の面に入射する光と異なる方向に向ける第3の面を設けることで、この光が最初に第1の面に入射する光と干渉することを避けることが可能となる。
【0018】
また、第3の面に透過作用と反射作用を持たせることで、光学面数を少なくすることができ、より小型化を図ることが可能となる。
【0019】
また、表示光学系(例えば、透明体)内で原画の中間像を形成させている。すなわち、小型の原画の中間結像面を拡大して表示する中間結像タイプとすることにより、レイアウトの自由度が増え、原画を大画面表示させることが可能となるとともに、光路長をかなり長くしても表示光学系を小型に構成することが可能である。
【0020】
また、この表示光学系を構成する光学面を光線に対して偏心させることにより、さらなる薄型化を図ることが可能となり、光学面に曲率を持たせることで表示光学系における不要な面を取り除き、小型化を図ることが可能となる。さらに、光学面を回転非対称面(自由曲面)とすることにより、諸収差を良好に補正でき、複数面の自由曲面採用により、原画のアスペクト比と表示画像のアスペクト比とを近いものにすることが可能となり、高品位な表示画像を得ることが可能となる。
【0021】
なお、この表示光学系は、観察者が頭部に装着して画像を観察するためのヘッドマウントディスプレイ(HMD)やスクリーン等の被投射面に画像を拡大投射する投射型画像表示装置(プロジェクタ)等の画像表示装置に好適である。
【0022】
また、本願第2の発明では、撮像素子と、被写体からの光を撮像素子の撮像面に導く撮像光学系とを有する撮像装置において、撮像光学系は、少なくとも反射作用を有する第1の面と、この第1の面で反射した光線を再度第1の面に向けて反射する第2の面と、被写体からの光を第1の面に向けて反射するとともに、第2の面から第1の面に戻されて再度反射した光を撮像面側に透過する第3の面を有し、第1の面に再度入射した中心画角主光線はそのヒットポイント上での面の法線に対し、前回とは反対側に反射して進むようにし、撮像光学系内で被写体の中間像を形成させている。
【0023】
また、被写体からの光を撮像面に導く撮像光学系において、少なくとも第1、第2および第3の面を持つ第1の光学系を有し、少なくとも第2および第3の面は曲面であり、光は第1の面を透過して該第1の光学系に入射し、第1の光学系内で第1,第2および第3面で少なくとも1回ずつ反射し、第1および第2の面で計3回以上反射して,第3の面に戻り、第3の面を透過して第1の光学系から射出するようになっている。
【0024】
これら発明では、第1、第2および第3の面の間で光を略往復させて光路をほぼ重複させることにより、小型の光学系でありながらも光路長を長く確保できるようにしている。このため、小型でありながらも撮像広画角を達成することが可能となる。
【0025】
また、第3の面に透過作用と反射作用を持たせることで、光学面数を少なくすることができ、より小型化を図ることが可能となる。
【0026】
また、撮像光学系(例えば、透明体)内で被写体の中間像を形成させている。すなわち、被写体の中間結像面を縮小して撮像面に導く中間結像タイプとすることにより、レイアウトの自由度が増え、広画角の被写体像を十分縮小して撮像面に導くことが可能となるとともに、光路長をかなり長くしても撮像光学系を小型に構成することが可能である。
【0027】
また、この撮像光学系を構成する光学面を光線に対して偏心させることにより、さらなる薄型化を図ることが可能となり、光学面に曲率を持たせることで撮像光学系における不要な面を取り除き、小型化を図ることが可能となる。さらに、光学面を回転非対称面(自由曲面)とすることにより、諸収差を良好に補正でき、複数面の自由曲面採用により被写体のアスペクト比と撮影画像のアスペクト比とを近いものにすることが可能となり、高品位な撮影画像を得ることが可能となる。
【0028】
なお、この撮像光学系は、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置に好適である。
【0029】
また、第1の発明において、内部が光学媒質で満たされた透明体上に光学面を形成し、いずれかの光学面で光を内部全反射させるようにすることにより、長い光路長でも光量ロスを少なくすることが可能である。
【0030】
また、表示光学系および撮像光学系のいずれにおいても、光を反射して折り返す面を曲面とするとよい。折り返し反射面が平面であると、反射時に周辺画像の光線の方向を個々に制御できないため、光学系が大型化してしまう。折り返し反射面が回転非対称面であると、周辺画像の光線方向を自由に制御できるため、曲面の場合よりも更に小型化可能となる。
【0031】
ここで、折り返し反射面は反射作用のみの面であり、ほぼ100%近く光を反射する金属ミラーコーティングをして光量ロスをできるだけ少なくすることが望ましい。
【0032】
また、第1の発明において、第1の面で反射した中心画角主光線が第2の面で角度θをなして折り返し反射される場合、この折り返し反射面での入射中心画角主光線と反射中心画角主光線とのなす角度θは、
|θ|<30° …(1)
を満たすことが好ましい。この条件を外れると、光学系が大型化する。
【0033】
本発明の表示光学系をヘッドマウントディスプレイ(HMD)として使用する場合は、左右の目に対し、各々独立した原画(画像表示素子)と表示光学系とを設けるのがよい。
【0034】
つまり、2つの原画(同一のもの)とそれに合わせた2つの表示光学系(同一のもの)とを有することにより、1つの原画で左右の表示光学系に光を分けるようなHMDよりも明るい表示画像が得られる。
【0035】
また、本発明の表示光学系は、左眼用も右眼用も偏心断面であるローカル母線断面を人間の顔の上下方向に配置する(上下に光線を折り畳む)のがよい。
【0036】
通常、表示拡大像は人間の左右方向に画角が広く、上下方向に画角が狭い(左右4:上下3または16:9ぐらいの比)ため、偏心断面であり偏心収差の発生が大きいローカル母線断面を画角の小さい上下に設定すれば、表示拡大像での偏心収差の発生を少なくでき、好ましい。
【0037】
なお、上記光学系は、言い換えると、第1の面に最初に入射した中心画角主光線のヒットポイントにおける法線に対する反射角と、第2の面で反射されて第1の面に再度入射した中心画角主光線のヒットポイントにおける法線に対する反射角とが逆符号となるように構成されている。即ち、第1の面で反射された光を第2の面によって第1の面における最初の光の反射領域側(反射領域、反射領域付近あるいは反射領域寄りの領域)に戻すように反射することによって効果的に光路を重複させ、長い光路長を小型の光学系の中に納めることができるようにしている。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の説明に入る前に、本実施形態で使用される母線断面、子線断面、ローカル母線断面、ローカル子線断面の定義について説明する。
【0039】
偏心系に対応していない従来系の定義では、各面頂点座標系でz軸を光軸とすると、yz断面が従来の母線断面(メリジオナル断面)、xz断面が子線断面(サジタル断面)となる。
【0040】
本実施形態の光学系は偏心系であるので、偏心系に対応したローカル母線断面、ローカル子線断面を新たに定義する。
【0041】
中心画角主光線(表示光学系においては表示素子の画像中心から表示光学系の射出瞳中心に至る光線であり、撮像光学系においては撮像光学系の入射瞳中心を通り撮像素子の画像中心に至る光線である)と各面とのヒットポイント上で、中心画角主光線の入射光と射出光を含む面をローカル母線断面とし、ヒットポイントを含みローカル母線断面と垂直で、各面頂点座標系の子線断面(通常の子線断面)と平行な面をローカル子線断面として定義する。
【0042】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態である光学系(以下、第1の光学系と称す)を示している。この第1の光学系1は、3つの光学面を有して構成されており、面A(第1の面),面B(第3の面)はともに透過面および反射面として作用する透過反射兼用面であり、面C(第2の面)は反射面である。
【0043】
面Cには金属蒸着などによる略100%の反射率を持つ反射膜が形成されており、面Aおよび面Bには金属蒸着または誘電体の蒸着などによる半透過反射膜が形成されている。
【0044】
図2には、図1に示した第1の光学系1を、内部が光学媒質で満たされた透明体(以下、第1の光学素子1ともいう)で構成し、画像表示装置に用いた場合の表示光学系全体の構成を示している。
【0045】
図中、2は第2の光学系、3は画像を表示する画像表示素子(LCD等)である。本実施形態においては、面Bは画像表示素子3からの光の入射面および反射面として作用し、面Aは反射面および射出面として作用し、面Cは反射面として作用する。
【0046】
画像表示素子3により変調された光は、第2の光学系2を介して第1の光学素子1に導かれる。面Bから第1の光学素子1内に入射した光は、面Aで反射した後、面Cで略逆向きに反射し、再び面Aに導かれる。そして、面Aで反射した後、面Bで反射して面Aから第1の光学素子1を射出し、射出瞳Sに到達する。
【0047】
この図では、画像表示素子3から発した光の例として、画像表示素子3の表示面中心を射出し、射出瞳Sの中心に至る中心画角主光線を示している。
【0048】
本実施形態においては、射出瞳Sの位置付近に観察者が眼を置くことにより、画像表示素子3上に表示された画像の拡大像を視認することが可能となる。
【0049】
また、第1の光学素子1において、光は、面B(透過)→面A(反射)→面C(折り返し反射)→面A(再反射)→面B(反射)(→面A(透過))の順で各面を通過し、面Cでの折り返し反射を境に最終反射面Bに至るまでそれまでの光路を逆にたどる。
【0050】
ここでは、面B→面A→面Cまでを往路と、面C→面A→面Bの光路を復路と称し、往路と復路を合わせて往復光路と呼ぶ。
【0051】
特に面Aでの再反射は、中心画角主光線がそのヒットポイント上での面の法線に対し、面Aでの最初に反射した時とは反対側に反射して進むようにして往復光路を形成している。
【0052】
このように面Cに折り返し反射面としての作用を持たせ、第1の光学素子1内に往復光路を形成することで、光路をほぼ重複させ、長い光路を小型の第1の光学素子1内に収めることができる。これにより、表示光学系全体をも小型化している。
【0053】
また、画像表示素子3からの光線は最終反射面Bの反射によって往復光路を抜け、画像表示素子3側には行かず、眼球側に導かれる。
【0054】
さらに、図3に点線で示したように、画像表示素子3の画像表示面の端を出て射出瞳Sの中心に到る光(最大画角主光線)は、中心画角主光線と同様に、第2の光学系2を経て第1の光学素子1に導かれ、B面入射→A面反射→C面折り返し反射→A面反射→B面反射→A面射出の順に通過して射出瞳Sの中心に導かれる。
【0055】
また、図4に鎖線で示したように、画像表示素子3の画像表示面の中心より射出して射出瞳Sの両端に到る光線も、中心画角主光線と同様に、第2の光学系2を経て第1の光学素子1に導かれ、B面入射→A面反射→C面折り返し反射→A面反射→B面反射→A面射出の順に通過して射出瞳Sの両端に導かれる。
【0056】
この際、第1の光学系1内で両端からの光線が交わっており、画像表示素子3上に表示された画像の中間像が形成されている。第1の光学素子1内に中間像を形成することで、第2の光学系2のパワーを弱めてもコンパクトな構成とすることができ、第2の光学系2における余計な収差発生を抑え、第2の光学系2の複雑化を防止できる。
【0057】
なお、図4においては、C面折り返し反射→A面反射の間に中間像が形成されているが、必ずしもこの位置に中間結像位置がある必要はなく、第1の光学素子1内に形成されていればよい。
【0058】
また、中間像を略平行光として射出瞳Sに導くいわゆる接眼光学系部分の収差補正を容易にするために、中間結像面は接眼光学系部分での像面湾曲や非点収差の発生する状況に合わせて適宜湾曲したり非点隔差を有したりするように形成されていてもよい。
【0059】
図4においては、最終反射面である面Bと面Aでの射出面として作用している箇所とが接眼光学系部分にあたり、第1の光学系1でのそれ以外の部分と第2の光学系2とがリレー光学系に該当している。
【0060】
本実施形態において、最終反射面として作用するときの面Bは、非常に強い光学的パワー(1/焦点距離)を有した凹面鏡となっており、接眼光学系部分の主パワーを担っている。従って、凹面鏡面Bでは偏心収差の発生が大きく、接眼光学系としての面A,面Bのみでは収差を完全に補正することは困難であり、リレー光学系部分が接眼光学系での収差をキャンセルするような形の中間結像面ができるように中間像を形成することで、最終的な像観察における画質を向上させることが可能になる。
【0061】
以上説明した構成においては、第1の光学系1は、少なくとも面Bを含む2つの面を曲面で構成することが好ましい。集光ないし発散または収差補正に寄与しない面を少なくすることで、光学系全体に必要な光学面数を削減でき、製造コスト削減の効果が期待できる。更に望ましくは、面A,B,Cをそれぞれ曲面で構成することで、更なる製造コスト削減の効果が得られる。
【0062】
また、第1の光学系1の面A,Bは、最終的に射出瞳Sに導かれる有効光束がそれぞれの面で反射する際の反射光束に対して傾いた面として、折り返し反射面であるC面までの往路、即ちB面入射→A面反射→C面の光路と、C面以降の復路であるC面→A面反射→B面反射→A面射出の光路とを、ほぼ重複させた構成として第1の光学系1を薄型にしている。
【0063】
即ち、好ましくは面Aおよび面Bはともに有効光束に対して偏心した曲面であり、偏心収差が発生する。従って、第1の光学系1の少なくとも1面に、回転非対称な形状の面(いわゆる自由曲面)を用いて、偏心収差の発生を極力抑えることが望ましい。
【0064】
特に面Bはパワーの強い曲面であるため、面Bを回転非対称な形状として偏心収差の発生を抑制することが好ましい。
【0065】
更に好ましくは、第1の光学系1を構成する3つの面A,B,Cの全てを回転非対称形状とすることで、偏心収差補正の自由度が増し、良好な画質での画像表示が可能になる。このとき、各回転非対称面を図の紙面断面を唯一の対称面とする紙面垂直方向に面対称な形状とすると、対称性のない場合に比較して加工および製作を容易にすることができるため、好ましい。
【0066】
また、面Aでの反射を第1の光学素子1内での内部全反射とすると、光量ロスが少なくなり好ましい。少なくとも面Aでの反射光束と射出光束とが共用する領域においては、反射光束が内部全反射するようにすると、反射光束の全てを内部全反射とする場合に対して設計の自由度を上げつつ同程度の明るさを確保できる。
【0067】
以上のように光学系を構成することにより、画像表示素子3に表示された画像を、良好な光学性能で拡大像として表示する画像表示装置が提供可能となる。
【0068】
また、第1の光学素子1内で1回中間結像を行うことで、画像表示素子3の表示サイズに対する表示画角設定の自由度を向上させて広画角化(高倍率表示)を可能にするとともに、それに伴い光路長が長くなるのを第1の光学素子1内に往復光路を形成することで、長い光路長の往復光路をほぼ重複するようにして第1の光学系1の全長を短く抑え、非常にコンパクトな表示光学系を構成できる。
【0069】
(第2実施形態)
図5には、本発明の第2実施形態である撮像光学系を示している。図中1は図1に示したものと同様の第1の光学系(第1の光学素子)であり、2は第2の光学系、4は撮像素子である。
【0070】
Sは第1の光学系1および第2の光学系2からなる撮像光学系の入射瞳であり、この位置に絞りを置いて不要光の入射を防いでいる。
【0071】
本実施形態において、第1の光学素子1の面A(第1の面)は被写体からの光の入射面および反射面として作用し、面B(第3の面)は反射面および射出面として作用し、面C(第2の面)は反射面としてのみ作用する。
【0072】
絞りSを通過した被写体からの光は、第1の光学素子1に面Aから入射し、面Bで反射し、面Aで反射して面Cに導かれる。そして、面Cで折り返し反射して面Aに戻され、面Aで再反射して面Bを透過して第1の光学素子1を射出する。ここで、面Aおよび面Bはそれぞれの面での反射光束に対して偏心している。
【0073】
第1の光学素子1を射出した光は、第2の光学系2を通過して撮像素子4に到達する。この際、所望の外界(被写体)からの光は撮像素子4の撮像面上に結像し、これにより、外界像の撮像を行うことができる。
【0074】
以上のように撮像光学系を構成することにより、被写体を撮像素子4に良好な光学性能で結像させる撮像装置を提供することができる。
【0075】
また、第1の光学素子1内で1回中間結像させることで、撮像素子4のサイズに対して撮影画角の自由度を向上させて広画角化を可能にし、これに伴い光路長が長くなるのを第1の光学素子1内に往復光路を形成することで光路をほぼ重複させ、第1の光学系1の全長を短く抑え、非常にコンパクトな撮像光学系を実現している。
【0076】
以上説明した第1および第2実施形態においては、中心画角主光線(表示光学系においては画像表示素子の表示面中心から射出瞳S中心に至る光線であり、撮像光学系においては入射瞳中心を通り撮像素子の撮像面中心に至る光線である)の面Cにおける折り返し反射が略垂直反射であるように描かれているが、本発明の光学系はこの構成に限るものではない。
【0077】
(第3実施形態)
図6および図7にはそれぞれ、第1実施形態とは異なる第1の光学系を用いた第3実施形態である表示光学系の構成を示している。これらの図に示した第1の光学系1’,1”では、中心画角主光線の光路が第1実施形態のものと異なっている。
【0078】
図6および図7ともに、B面入射→A面反射→C面折り返し反射→A面反射→B面反射→A面射出の光路が形成されている点は第1実施形態の第1の光学系1と同様である。
【0079】
但し、図6の第1の光学系1’では、面Aで反射した中心画角主光線が面Cで角度θをなして折り返し反射されて、面Aでの先の反射地点よりも高い位置(但し、最初の光の反射領域寄りの領域)で再反射される点が第1実施形態と異なる。また、図7の第1の光学系1”では、面Aで反射した中心画角主光線が面Cで角度θをなして折り返し反射されて、面Aでの先の反射地点よりも低い位置(但し、最初の光の反射領域寄りの領域)で再反射される点が第1実施形態と異なる。
【0080】
このように折り返し反射面Cの前後で光が所定角度θをなして入射・反射されてもよい。但し、角度θは、
|θ|<30°
を満たすことが好ましい。
【0081】
この条件を外れると、第1の光学系が大型化し、表示光学系全体を小型にすることが難しくなるため、好ましくない。
【0082】
なお、本実施形態では、第1の光学系を有する表示光学系について説明したが、第2実施形態に示したような撮像光学系にも本実施形態と同様の考え方を適用することができる。
【0083】
[数値実施例1]
図8には、図2に示した第1実施形態の数値実施例の光路断面図を示している。図中、1は表示光学系を構成する第1の光学系であり、3つの光学面を有したプリズム形状の透明体(光学素子)により構成されている。S2,S4,S6は同一面、S3,S7は同一面であり、これら2面とS5はそれぞれ第1実施形態において説明した面A,B,Cに相当する。
【0084】
2は第2の光学系であり、ここではS8,S9,S10の3面を有した同一媒質からなる透明体により構成されている。SIは画像表示面、S1は表示光学系の射出瞳Sである。
【0085】
本数値実施例において、S1からS10の光学面は回転非対称面であり、紙面(yz断面)を唯一の対称面として持つ面対称形状をしている。
【0086】
なお、図中のx,y,zは観察者の視軸方向をz軸,紙面内でz軸に垂直な方向をy軸,紙面に垂直な方向をx軸とした座標系定義である。
【0087】
本数値実施例1の光学データを表1に示す。表1の光学データのうち最も左の項目SURFは面番号を示している。また、X,Y,ZおよびAは、第1面S1の中心を原点(0,0,0)とし、図中に示したy軸,z軸と紙面奥向きにx軸をとった座標系における各面の面頂点の位置(x,y,z)並びに図面上で反時計回り方向を正方向とするx軸回りの回転角度a(単位:度)である。
【0088】
Rは曲率半径である。TYPの項(数値実施例2ではFFSの項)は面形状の種類を表し、SPHは球面であり、FFS(数値実施例2では数字)は以下の式に従う回転非対称面である。
【0089】
【数1】
【0090】
TYPの欄でFFSの横に記された数値(数値実施例2では、FFSの欄に記された数字)は、その面の形状が同表の下側に記載された非球面係数kおよびciに対応する回転非対称形状であることを示している。
【0091】
Nd,νd(但し、表ではvdと記す)はそれぞれ、その面以降の媒質のd線波長での屈折率とアッベ数を示しており、屈折率Ndの符号の変化はその面で光が反射されることを示している。また、媒質が空気層の場合は、屈折率Ndのみを1.000として表示し、アッベ数νdは省略している。
【0092】
また、折り返し反射面での中心画角主光線の入射光線と反射光線とのなす角度θの絶対値を|θ|として記載している。以上の表の項目は、以降の数値実施例においても同様である。
【0093】
【表1】
【0094】
表1から分かるように、画像表示面SIからの光はS10より第2の光学系2を構成する透明体である光学素子に入射し、S9で裏面反射し、S8から射出して第1の光学素子1に向かう。第1の光学素子1に向かった光は、S7(面B)から第1の光学素子1の透明体内に入射し、S6(面A)で裏面反射し、S5(面C)で裏面反射して折り返され、S4(面A)で裏面反射し、S3(面B)で裏面反射してS2から第1の光学素子1を射出し、射出瞳S1(S)に導かれる。
【0095】
本数値実施例の長さのディメンジョンを有する数値をmmとして考えると、射出瞳径φ6mm、画像表示サイズ10mm×7.5mm程度で、水平約50°,垂直約39°の画角で画像をz軸の正方向無限遠方に表示する表示光学系となる。
【0096】
なお、本数値実施例の光学系を撮像光学系に利用してもよい。この場合、z軸負方向無限遠方の物点からの光は、絞りS1を通過して第1の光学素子1に導かれる。そして、S2(面A)から第1の光学素子1に入射した光は、S3(面B)で反射してS4(面A)で反射し、S5(面C)で折り返し反射してS6(面A)で反射した後、S7(面B)から射出して第2の光学系2に導かれる。そして、第2の光学系2に導かれた光は、S8から透明体に入射し、S9で反射し、S10を射出して撮像面SIに結像する。
【0097】
(第4実施形態)
図9には、本発明の第4実施形態である表示光学系の構成を示している。なお、本実施形態では、第1実施形態と異なる点を重点的に説明する。本実施形態では、第1の光学系21を、3面の光学面を有した透明体と類似した光学素子とこれとは別に設けられた反射面Cの計4面の光学面を有して構成されている。
【0098】
光学素子上の3つの光学面A,B,Dのうち面A,面Bはともに透過面および反射面として作用する透過反射兼用面、面Dは透過面、面Cは反射面である。
【0099】
面Cには金属蒸着などにより略100%の反射率を持つ反射膜が形成されており、面Bには金属または誘電体の蒸着による半透過反射膜が形成されている。
【0100】
画像表示素子3により変調された光は、第2の光学系2を介して第1の光学系21の光学素子に導かれる。光は面Bから第1の光学系21の光学素子に入射し、面Aで反射して面Dを透過する。面Dを透過した光は、面Cに入射し、入射方向に対して略逆向きに戻すように反射する。これにより、光は面Dを再び透過して面Aに導かれ、面Aで再反射して面Bで反射した後、面Aを透過して第1の光学系21の光学素子を射出し、射出瞳Sに到達する。
【0101】
本実施形態においても、射出瞳Sの位置付近に観察者が眼を置くことにより、画像表示素子3上に表示された画像の拡大像を視認することが可能となる。
【0102】
また、本実施形態では、第1の光学系21において、光はB→A→D→C→D→A→B(→A)の順で各面を通過し、面Cでの反射を境に、それまでの光路を逆にたどる。
【0103】
面Cを挟んでそれまでの順路を逆にたどるB→A→D→C→D→A→Bの光路で第1の光学系21内に往復光路を形成することで、光路をほぼ重複させ、第1の光学系21内を有効に利用して光路長に対して第1の光学系21のサイズを小さくしている。これにより、表示光学系全体をも小型化できる。
【0104】
本実施形態では、面Dを透過面として用い、第1の光学系21を構成する光学面が4面と、第1実施形態よりも1面増えている。これにより、光学設計上の自由度が増し、収差補正を更に良好に行うことができる。
【0105】
特に、第1実施形態に比べて透明体と空気との間の透過面が増えており、色収差の補正を行うための自由度が増えている。
【0106】
[数値実施例2]
図10は、上記第4実施形態の数値実施例を示す光学断面図である。図中、20は表示光学系を示し、21は3つの光学面を有する第1の光学系を構成する透明体(第1の光学素子)、22は反射ミラー部材である。
【0107】
S2,S4,S8は同一面、S3,S9は同一面、S5,S7は同一面であり、第5実施形態にて説明した面A,B,Dにそれぞれ相当する。また、S6は面Cに相当する。
【0108】
また、図中の30は第2の光学系であり、S9からS12の面で構成されている。本数値実施例では、透明体(第1の光学系21)の1つの面と第2の光学系30を構成する透明体(光学素子)の1つの面とを接合しており、接合面をS9としている。
【0109】
これら第1および第2の光学系21,30を構成する面は、本数値実施例においては全て回転非対称面であり、紙面(yz断面)を唯一の対称面として持つ面対称形状をしている。本実施例の光学データを表2に示す。
【0110】
【表2】
【0111】
表2から分かるように、画像表示面SIからの光は、S12,S11,S10を介してS9(面B)より第1の光学系21に入射し、S8(面A)で反射し、S7(面D)で屈折しつつ第1の光学系21の透明体を射出する。射出した光は、S6(面C)で反射し、S5(面D)から再び透明体に入射し、S4(面A)で反射し、S3(面B)で反射してS2(面A)から透明体を射出し、射出瞳S1(S)に導かれる。
【0112】
本数値実施例の長さのディメンジョンを有する数値をmmとして考えると、射出瞳径φ6mm、画像表示サイズ10mm×7.5mm程度で水平約50°,垂直約39°の画角で画像をz軸の正方向無限遠方に表示する表示光学系となる。
【0113】
なお、本数値実施例の光学系を撮像光学系に利用してもよい。この場合、z軸負方向無限遠方の被写体からの光は、絞りS1を通過してS2から第1の光学系21の透明体に入射し、S3,S4で反射してS5から透明体を射出する。そして、S6で反射し、S7から再び透明体に入射してS8で反射し、S9から透明体を射出する。透明体を射出した光は、第2の光学系30に導かれ、S10,S11,S12を介して撮像面SI上に外界(被写体)像を形成する。
【0114】
(第5実施形態)
図11には、本発明の第5実施形態である表示光学系を示している。本実施形態では、第1の光学系31内での反射回数が6回である点が第1の光学系での反射回数が4回である第1〜第4実施形態と異なる。
【0115】
第1の光学系31において、透明体(以下、第1の光学素子31ともいう)上に形成された3つの光学面A,B,Cのうち面A,面Bはともに透過面および反射面として作用する透過反射兼用面、面Cは反射面である。面Cには、金属蒸着などにより略100%の反射率を持つ反射膜が形成されており、面Bには金属または誘電体の蒸着による半透過反射膜が形成されている。面Aの一部(上部)には、金属蒸着などにより略100%の反射率を持つ反射膜が形成されている。
【0116】
画像表示素子3により変調された光は、第2の光学系2を介して第1の光学素子31に導かれる。光は面Bから第1の光学素子31に入射し、面Aで1回目の反射をして面Cに導かれる。面Cで2回目の反射をした光は、面Aの上部に導かれ、3回目の反射をする。この面Aでの3回目の反射は、入射した光を入射方向に対して略逆向きに戻すような反射であり、光は再度面Cに戻されて面Cで4回目の反射をして再度面Aに導かれ、5回目の反射をして面Bに導かれる。そして、面Bで6回目の反射をした後、面Aを透過して第1の光学素子31を射出し、射出瞳Sに到達する。
【0117】
本実施形態においても、射出瞳Sの位置付近に観察者が眼を置くことにより、画像表示素子3上に表示された画像の拡大像を視認することが可能となる。
【0118】
本実施形態では、第1の光学素子31において、光は面B(透過)→面A(1回目反射)→面C(2回目反射)→面A(3回目反射(折り返し反射))→面C(4回目反射(再反射))→面A(5回目反射(再反射))→面B(6回目反射(反射))(→面A(透過))の順で各面を通過し、面Aでの折り返し反射を境に最終反射面Bに至るまでそれまでの光路を逆にたどる。
【0119】
面Aを挟んでそれまでの順路を逆にたどる面B→面A→面C→面A→面C→面A→面Bという往復光路を第1の光学素子31内に形成することで、光路をほぼ重複させ、第1の光学素子31内のスペースを有効に利用して光路長に対して第1の光学系31のサイズを小さくすることができる。これにより、表示光学系全体をも小型化できる。
【0120】
本実施形態によれば、上記各実施形態に比べて更に光路長を長くとることができ、表示の拡大率を上げる場合に有利である。
【0121】
図12に点線で示したように、画像表示素子3の画像表示面の端を出て射出瞳Sの中心に到る光(最大画角主光線)は、第2の光学系2を経て第1の光学素子31に対して面B入射→面A反射→面C反射→面A折り返し反射→面C再反射→面A再反射→面B反射→面A射出と中心画角主光線と同様の経路をたどって射出瞳Sの中心に導かれる。
【0122】
また、図13に点線で示したように、画像表示素子3の画像表示面の中心より射出して射出瞳Sの両端に至る光線も、第2の光学系2を経て第1の光学系31に対して面B入射→面A反射→面C反射→面A折り返し反射→面C再反射→面A再反射→面B反射→面A射出と中心画角主光線と同様の経路をたどる。
【0123】
この際、第1の光学素子31内で画像表示面の両端からの光線が交わっており、画像表示素子3上に表示された画像の中間結像面が形成されている。このように第1の光学素子31内に中間像を形成することで、第2の光学系2のパワーを弱めてもコンパクトな構成とすることができ、第2の光学系2における余計な収差発生を抑え、第2の光学系2の複雑化を防止できる。
【0124】
なお、本実施形態においては、C面再反射→A面再反射の間に中間像が形成されているが、中間結像面は必ずしもこの位置にある必要はない。また、中間結像面を略平行光として射出瞳Sに導くいわゆる接眼光学系部分の収差補正を容易にするために、中間像は、接眼光学系部分での像面湾曲や非点収差の発生する状況に合わせて適宜湾曲したり非点隔差を有したりするように結像されていることが好ましい。
【0125】
また、本実施形態においては、最終反射面である面Bと面Aでの再反射面と射出面として作用している箇所とが接眼光学系部分にあたり、第1の光学系31でのそれ以外の部分と第2の光学系2とがリレー光学系に該当している。
【0126】
最終反射面として作用するときの面Bは、非常に強い光学的パワー(1/焦点距離)を有した凹面鏡となっており、接眼光学系部分の主パワーを担っている。従って、凹面鏡面Bでは偏心収差の発生が大きく、接眼光学系としての面A,面Bのみでは収差を完全に補正することは困難であり、リレー光学系部分が接眼光学系での収差をキャンセルするような形の中間結像面を形成することで、最終的な像観察における画質を向上させることが可能になる。
【0127】
以上説明した実施形態において、第1の光学系31の少なくとも面B,Cを曲面とすることで、集光ないし発散または収差補正に寄与しない面を少なくし、光学系に必要な面数を削減することができる。更に面A,B,Cをそれぞれ曲面で構成することで、集光ないし発散または収差補正に寄与しない面を更に省いた光学素子とすることができ、コスト削減の効果が期待できる。
【0128】
また、第1の光学系31の面B,Cと面Aの一部(下部)の領域は、射出瞳Sに導かれる有効光束がそれぞれの面で反射する際の反射光束を構成する任意の光線に対して傾いた面で構成されており、上述したB面入射→A面反射→C面反射→A面反射折り返し反射→C面再反射→A面再反射→B面反射→A面射出の光路を形成している。
【0129】
即ち、面B,Cおよび面Aの一部(下部)の領域は、反射光束を構成する任意の光線に対して偏心した偏心反射曲面であり、ここで偏心収差が発生する。従って、第1の光学素子31の少なくとも1面に回転非対称な形状の面(いわゆる自由曲面)を用いることで、偏心収差の発生を極力抑えることが望ましい。
【0130】
特に、面Bはパワーの強い曲面であるため、面Bを回転非対称な形状として偏心収差の発生を抑制することが好ましい。
【0131】
更に好ましくは、第1の光学系31を構成する3つの面A,B,Cの全てを回転非対称形状とすることで、偏心収差補正の自由度が増し、良好な画質での画像表示が可能になる。このとき、各回転非対称面を図の紙面断面を唯一の対称面とする紙面垂直方向に面対称な形状とすると、対称性のない場合に比較して加工および製作を容易にすることができるため、好ましい。
【0132】
なお、面Aでの3回の反射のうち、第1の光学素子31内での3回目の反射(折り返し反射)は、面Aの上部の金属蒸着などで反射率100%に近い反射膜が形成されている部分で行われ、それ以外の1回目の反射および5回目の反射は、面Aの下部で行われ、入射光と面Aの法線のなす角度が大きいため、内部全反射による反射となる。
【0133】
面Aでの折り返し反射以外の反射に関し、面Aでの反射を第1の光学素子31内での内部全反射とすると、光量の損失が少なくなり好ましい。少なくとも面Aでの反射光束と射出光束とが共用する領域(面Aの下部)において、反射光束が内部全反射するようにすると、面Aでの折り返し反射以外の反射光束の全てを内部全反射とする場合に比べて設計の自由度を上げつつ同程度の明るさを確保できる。
【0134】
以上のように表示光学系を構成することにより、画像表示素子3に表示された画像を良好な光学性能で拡大像として表示する表示光学系を実現することができる。また、表示光学系内で1回結像を行うことで、画像表示素子3の表示サイズに対する表示画角の自由度を向上させて、より広画角化(高倍率提示)を可能にするとともに、長い光路長を第1の光学素子31内に往復光路を形成することで重複させて第1の光学系31の全長を短く抑え、非常にコンパクトな表示光学系を構成できる。
【0135】
以上説明した実施形態においては、中心画角主光線(表示光学系においては表示素子の表示面中心から射出瞳S中心に至る光線であり、撮像光学系においては入射瞳中心を通り撮像素子の撮像面中心に至る光線である)の面Aにおける折り返し反射が略垂直反射であるように描かれているが、本発明の光学系はこの構成に限るものではない。
【0136】
(第6実施形態)
図14および図15にはそれぞれ、第5実施形態とは異なる第1の光学系を用いた第6実施形態の表示光学系の構成を示している。これらの図に示した第1の光学系31’,31”では、中心画角主光線の光路が第6実施形態のものと異なっている。
【0137】
図14および図15ともに、面B入射→面A反射→面C反射→面A折り返し反射→面C再反射→面A再反射→面B反射→面A射出の光路が形成されている点は第5実施形態と同様である。
【0138】
但し、図14に示す第1の光学系31’においては、面Cで反射した中心画角主光線が面Aで角度θをなして折り返し反射されて面Cの先の反射地点よりも高い位置(但し、最初の光の反射領域寄りの領域)で再反射される点が第5実施形態と異なる。
【0139】
また、図15に示す第1の光学系31”においては、面Cで反射した中心画角主光線が面Aで角度θをなして折り返し反射されて面Cのはじめの反射地点よりも低い位置(但し、最初の光の反射領域寄りの領域)で再反射される点が第5実施形態と異なる。
【0140】
このように、折り返し反射面Aの前後で光が所定角度θを成して入射・反射するようにしてもよい。但し、角度θは、
|θ|<30° …(1)
を満たすことが好ましい。
【0141】
この条件を外れると、第1の光学系31’,31”が大型化し、表示光学系全体を小型にすることが難しくなるため好ましくない。
【0142】
[数値実施例3]
図16には、図13に示した第5実施形態の表示光学系の数値実施例の光学断面図を示している。
【0143】
図中、31は表示光学系の第1の光学系を構成する透明体(第1の光学素子)である。S2,S4,S6,S8は同一面、S3,S9は同一面、S5,S7は同一面であり、これら3面はそれぞれ第5実施形態の面A,B,Cに相当する。2は第2の光学系であり、ここではS10,S11面からなる凸レンズとして構成されている。また、折り返し反射面A(S6)と面Cには反射膜が形成されている。
【0144】
本数値実施例において、S2,S4,S6,S8の光学面は平面であり、S3,S5,S7,S9からS11までの光学面は全て回転非対称面で構成されている。これら3面は、紙面(yz断面)を唯一の対称面として持つ面対称形状を有している。本数値実施例の光学データを表3に、中心画角主光線に対するローカルデータを表4に示す。
【0145】
【表3】
【0146】
【表4】
【0147】
表3から分かるように,画像表示面SIからの光はS11から第2の光学系2の凸レンズに入射し、S10から射出して第1の光学系31に向かう。第1の光学系(第1の光学素子)31に向かった光は、S9(面B)から第1の光学素子31に入射し、S8(面A)で反射し、S7(面C)で反射した後、S6(面A−折り返し反射面)で反射し、S5(面C)で反射してS4(面A)で反射する。そして、S3(面B)で反射してS2から第1の光学素子31を射出し、射出瞳S1(S)に導かれる。
【0148】
本数値実施例の長さのディメンジョンを有する数値をmmとして考えると、射出瞳径φ10mm、画像表示サイズ10mm×7.5mm程度で水平画角50°の画像をz軸の正方向無限遠方に表示する表示光学系となる。
【0149】
なお、本数値実施例の光学系を撮像光学系に利用してもよい。この場合、z軸負方向無限遠方の物点からの光は、絞りS1を通過して第1の光学系31の透明体に導かれ、S2(面A)から透明体に入射してS3(面B)で反射し、S4(面A)で反射し、S5(面C)で反射してS6(面A―折り返し反射面)で反射する。さらに、S7(面B)で反射し、S8(面A)で反射してS9(B面)から透明体を射出して第2の光学系2の凸レンズに導かれる。凸レンズに導かれた光束は、S10から凸レンズに入射し、S11から射出して撮像面SIに結像する。
【0150】
なお、S6(面A−折り返し反射面)で反射する光は内部全反射を起こさないため、少なくともS6で光が反射する部分には反射膜を形成させておくとよい。但し、第1の光学系31の透明体の面Aから射出する光の射出範囲(この数値実施例ではS2の範囲)には反射膜を形成しておらず、S2から射出する光の妨げにならないようにするのがよい。
【0151】
また、S4,S8で反射する光のうち面Aから射出する光の射出範囲で反射する光束は内部全反射するため、光量の損失は少ない。更に、面C(この数値実施例ではS5,S7)で反射する光も内部全反射を起こさないため、面Cには反射膜を形成させておくとよい。
【0152】
(第7実施形態)
図17には、本発明の第7実施形態である表示光学系の構成を示している。なお、本実施形態では、上記第5実施形態と異なる点を重点的に説明する。
【0153】
本実施形態では、第1の光学系51を構成する透明体(光学素子)の面Aを透過面として用い、光学素子の外部の面Aの後ろに配置された反射面Dを折り返し反射面として用いる点が第5実施形態と異なる。
【0154】
本実施形態において、光学素子上の光学面A,B,Cのうち面A,面Bはともに透過面および反射面として作用する透過反射兼用面、面Cは反射面、面Dは反射面である。
【0155】
面C,面Dには、金属蒸着などにより略100%の反射率を持つ反射膜が形成されており、面Bには金属または誘電体の蒸着による半透過反射膜が形成されている。
【0156】
画像表示素子3により変調された光は、第2の光学系2を介して第1の光学素子51に導かれる。光は面Bから第1の光学素子51に入射し、面Aで反射して面Cに導かれる。面Cで反射した光は、面Aの上部に導かれてここを透過し、面Dに入射する。面Dでは入射した光を入射方向に対して略逆向きに戻すように反射する。この後、光は面Aを透過して再び透明体に入射し、面Cで反射し、面Aに戻される。そして、面Aで再反射して面Bで反射した後、面Aを透過して第1の光学素子51を射出し、射出瞳Sに到達する。
【0157】
本実施形態においても、射出瞳Sの位置付近に観察者が眼を置くことにより、画像表示素子3上に表示された画像の拡大像を視認することが可能となる。
【0158】
本実施形態においては、第1の光学素子51において、光はB→A→C→A→D→A→C→A→B(→A)の順で各面を通過し、面Dでの反射を境にそれまでの光路を逆にたどる。面Dを挟んでそれまでの順路を逆にたどるB→A→C→A→D→A→C→A→Bという往復光路を第1の光学素子51内に形成することで、光路をほぼ重複させ、第1の光学素子51内を有効に利用して光路長に対して第1の光学系51のサイズを小さくすることができる。これにより、表示光学系全体をも小型化することができる。
【0159】
本実施形態では、面Aを透過面として用いることで、第1の光学系51を構成する光学面が4面と、第6実施形態のものよりも1面増えており、これにより光学設計の自由度が増え、収差の補正が更に良好に行われる。
【0160】
特に、第6実施形態に比べて透明体と空気の間の透過面が増えており、色収差の補正を行うための自由度が増えている。
【0161】
[数値実施例4]
図18には、上記第7実施形態の表示光学系の数値実施例の光学断面図を示している。図中、50は表示光学系を示し、51は少なくとも3つの面を有する透明体(光学素子)51aと反射ミラー部材51bとからなる第1の光学系である。S2,S4,S6,S8,S10は同一面、S3,S11は同一面、S5,S9は同一面であり、上記第7実施形態にて説明した面A,B,Cにそれぞれ相当する。図中、30は第2の光学系であり、S12,S13で構成される。
【0162】
画像表示面SIからの光は、S13,S12を介してS11(面B)から第1の光学系51の光学素子51aに入射し、S10(面A)で反射してS9(面C)で反射し、S8(面A)で屈折しつつ光学素子51aを射出する。射出した光はS7(反射ミラー部材51bの反射面)で反射し、S6(面A)から再び光学素子51aに入射し、S5(面C)で反射してS4(面A)で反射し、S3(面B)で反射してS2(面A)から光学素子51aを射出し、射出瞳S1(S)に導かれる。
【0163】
本数値実施例において、長さのディメンジョンを有する数値をmmとして考えると、第1実施形態とほぼ同等の仕様の表示光学系となる。
【0164】
なお、第2実施形態以外の実施形態では表示光学系について説明したが、これ実施形態において画像表示素子3の位置にCCDなどの撮像素子を配置し、射出瞳Sの位置から取り込んだ外部からの被写体光を各実施形態で説明した逆向きの光路を通って結像させ、撮像光学系として使うことができる。
【0165】
また、以上説明した全ての実施形態において、第1の光学系を通過する光束の任意の光線をトレースしたとき、その光線は、第1の面における最初の(1回目)の反射と2回目の反射とで、一方の反射角を基準として他方では逆符号の反射角で反射するような光路をとっている。
【0166】
具体的には、例えば図2の紙面内において、1回目の反射(A面反射)における反射角が正符号(反射光が法線の紙面内反時計周り方向に存在する場合)であれば、2回目の反射(A面再反射)における反射角は負符号(反射光が法線の紙面内時計周り方向に存在する場合)となるような光路になっている。
【0167】
このような光路をとることによって、第1の面と第2の面との間で光束は略往復することになるので、第1の光学系内の空間を有効に利用して光路長を稼ぐことができる。しかも、光路長が長くとも小型の光学系が実現できる。
【0168】
【発明の効果】
以上説明したように、本願第1および第2の発明によれば、第1、第2および第3の面の間で光を略往復させて光路をほぼ重複させるようにしているので、小型の光学系でありながらも光路長を長く確保できる。このため、小型の原画を用いつつ表示広画角を達成でき、しかも全体として小型の表示光学系を実現することができる。
【0169】
また、第3の面に透過作用と反射作用を持たせているので、光学面数を少なくすることができ、より表示光学系の小型化を図ることができる。
【0170】
なお、表示光学系内で光を中間結像させるようにすれば、レイアウトの自由度が増え、原画を大画面表示させることができるとともに、光路長をかなり長くしても表示光学系を小型に構成することができる。
【0171】
また、本願第3および第4の明によれば、第1、第2および第3の面の間で光を略往復させて光路をほぼ重複させるようにしているので、小型の光学系でありながらも光路長を長く確保できる。このため、小型でありながらも撮像広画角を達成することができる。
【0172】
また、第3の面に透過作用と反射作用を持たせているので、光学面数を少なくすることができ、より撮像光学系の小型化を図ることができる。
【0173】
なお、撮像光学系内で光を中間結像させるようにすれば、レイアウトの自由度が増え、広画角の被写体像を十分縮小して撮像面に導くことができるとともに、光路長をかなり長くしても撮像光学系を小型に構成することができる。
【0174】
また、第1および第2の発明において、(1)式を満足するようにすれば、光学系が大型化するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である表示光学系に用いられる第1の光学系の構成図。
【図2】上記表示光学系の構成図。
【図3】上記表示光学系の構成図。
【図4】上記表示光学系の構成図。
【図5】本発明の第2実施形態である撮像光学系の構成図。
【図6】本発明の第3実施形態である表示光学系(1)の構成図。
【図7】本発明の第3実施形態である表示光学系(2)の構成図。
【図8】本発明の数値実施例1(第1実施形態の実施形)の光学系断面図。
【図9】本発明の第4実施形態である表示光学系の構成図。
【図10】本発明の数値実施例2(第4実施形態の実施形)の光学系断面図。
【図11】本発明の第5実施形態である表示光学系の構成図。
【図12】上記第5実施形態の表示光学系の構成図。
【図13】上記第5実施形態の表示光学系の構成図。
【図14】本発明の第6実施形態である表示光学系(1)の構成図。
【図15】本発明の第6実施形態である表示光学系(2)の構成図。
【図16】本発明の数値実施例3(第6実施形態の実施形)の光学系断面図。
【図17】本発明の第7実施形態である表示光学系の構成図。
【図18】本発明の数値実施例4(第7実施形態の実施形)の光学系断面図。
【図19】従来の表示光学系の構成図。
【図20】従来の表示光学系の構成図。
【符号の説明】
1,1’,1”,11,11’,11”,21,31,31’,31”,51 第1の光学系
2 第2の光学系
3 画像像表示素子
4 撮像素子
Claims (10)
- 画像表示素子と、その画像表示素子が形成する原画からの光を観察者の眼又は被投射面に導く表示光学系とを有する画像表示装置であって、
前記表示光学系は、少なくとも反射作用を有する第1の面と、この第1の面で反射した前記原画からの光を再度前記第1の面に向けて反射する第2の面と、原画から前記第1の面に向かう光を透過するとともに、前記第2の面から前記第1の面に戻されて再度反射した光を反射して観察者の眼又は被投射面に導く第3の面とを有し、
前記第1の面に再度入射した中心画角主光線はそのヒットポイント上での面の法線に対し、前回とは反対側に反射して進むと共に、
この表示光学系内で前記原画の中間像を形成することを特徴とする画像表示装置。 - 前記表示光学系が、内部が光学媒質で満たされた透明体を用いて構成されており、
前記透明体内で前記原画の中間像を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。 - 前記第1から第3の面のうち少なくとも1つが、入射する光線に対して偏心していることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
- 前記第1から第3の面のうち少なくとも1つが、曲率を有することを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の画像表示装置。
- 前記第1から第3の面のうち少なくとも1つが、回転非対称面であることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の画像表示装置。
- 前記第1から第3の面が、内部が光学媒質で満たされた透明体上に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像表示装置。
- 前記第1および第3の面が、内部が光学媒質で満たされた透明体上に形成されており、前記第2の面が反射部材により構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像表示装置。
- 前記透明体上に形成された光学面のいずれかで光が内部全反射することを特徴とする請求項6又は7に記載の画像表示装置。
- 前記第2の面に入射する中心画角主光線とその反射中心画角主光線とのなす角度θが、
|θ|<30°
なる条件を満たすことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の画像表示装置。 - 撮像素子と、被写体からの光をその撮像素子の撮像面に導く撮像光学系とを有する撮像装置であって、
前記撮像光学系は、少なくとも反射作用を有する第1の面と、この第1の面で反射した前記被写体からの光を再度前記第1の面に向けて反射する第2の面と、前記被写体からの光を前記第1の面に向けて反射するとともに、前記第2の面から前記第1の面に戻されて再度反射した光を撮像面側に透過させる第3の面とを有し、
前記第1の面に再度入射した中心画角主光線はそのヒットポイント上での面の法線に対し、前回とは反対側に反射して進むと共に、
この撮像光学系内で前記被写体の中間像を形成することを特徴とする撮像装置。
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