JP5418981B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性支持体のリサイクル使用が容易な電子写真感光体、また長寿命で且つ導電性支持体のリサイクル使用が容易な電子写真感光体に関する。
近年、電子写真感光体の導電性支持体としてはアルミドラムが最も広く使用されており、この上に感光層が形成されているが、感光層も複数層の場合が多く、上層の塗工の際に下層の溶解を防ぐために下層を3次元架橋させた硬化膜とする場合が多い。例えば下引き層において、電荷発生材料や電荷輸送材料の染み込みは、電荷リークの原因となるため、3次元架橋の熱硬化樹脂層として溶媒不溶の膜としている。
また、従来の電子写真感光体は、使用経時の摩耗により寿命となり交換して使用する消耗品であるが、近年、その交換頻度を少なくし、できるだけ1本当たりの印刷枚数を増やすために耐摩耗性を向上させた長寿命な電子写真感光体が開発されてきている。ここでは、感光層の機械的耐久性を向上させるために感光層表面に高密度に3次元架橋させた保護層が形成される。(例えば、特許文献1の特開2000−066424号公報や特許文献2の特開2000−206716号公報に記載。)
一方、省資源への対応として電子写真感光体のリサイクルが進められており、特に導電性支持体であるアルミドラムの再利用が検討されている。この際、感光層を取り除いて再利用することになるが、通常、溶媒で洗浄したり、膨潤させて剥がしたりするが、上述のように3次元架橋により不溶不融の硬化膜が形成された感光体は、溶媒への溶解性や膨潤性がなく、極めて除去しにくい。ナイフ等による切断はアルミドラムへの傷となりやすく、僅かな傷もアルミドラムの再利用を妨げている。
以上のように、近年では3次元架橋された構造体を感光層に含む電子写真感光体が増加する傾向にあるが、一方でそのリサイクル性は困難化しており、それらを両立できるものがなかった。
本発明の目的は、叙上の現状に鑑みて、製造工程で良好な積層塗工性を確保するために3次元架橋された構造体を含有する感光層を形成するにもかかわらず優れたリサイクル性を有す電子写真感光体を提供することにある。
また、3次元架橋された構造体を感光層の表層に形成し、優れた耐摩耗性を有し、高寿命であり、且つ、リサイクル性にも優れた電子写真感光体を提供することにある。
3次元架橋体が通常の使用条件下では結合を維持し、特定の条件下で結合を解離するものであればリサイクルの際に特定の条件とすることで溶媒への溶解や膨潤が可能となり、感光層の除去が容易となるはずとの発想の下で検討を進めてきたが、そこで、可逆反応であり、通常の電子写真感光体の使用条件では3次元架橋構造を維持しながら優れた機械的特性や溶媒不溶性を示し、電気的な感光体特性への副作用の少ない反応様式として、ディールス・アルダー反応(Diels−Alder reaction)による3次元架橋生成物がこれらの条件を満足することを見出し、本発明に至った。
而して、上記目的は、つぎの本発明により達成される。
(1)「導電性支持体上に単層または複数層からなる感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体がディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体を含むことを特徴とする電子写真感光体」:
(2)「導電性支持体上に少なくとも下引き層、及び電荷発生層と電荷輸送層を順次積層した感光層を有し、該電荷輸送層がディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体を含むものであることを特徴とする前記(1)項に記載の電子写真感光体」:
(3)「導電性支持体上に少なくとも下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次積層した感光層を有し、該保護層がディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体を含むものであることを特徴とする前記(1)項に記載の電子写真感光体」:
(4)「ディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体が、フラン誘導体をジエンとし、マレイミド誘導体をジエノフィルとしてディールス・アルダー反応させて形成されたものである前記(1)項1乃至(3)項のいずれかに記載の電子写真感光体」:
(5)「前記フラン誘導体がトリアリールアミン部分構造を有するものであることを特徴とする前記(4)項記載の電子写真感光体」:
(6)「前記フラン誘導体が下記一般式(1)で表されるものであることを特徴とする前記(5)項記載の電子写真感光体;
Figure 0005418981
(式中、Ar、Arは置換基を有しても良いアリール基を表し、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)」:
(7)「前記フラン誘導体が下記一般式(2)で表されるものであることを特徴とする前記(6)項に記載の電子写真感光体;
Figure 0005418981
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R〜R11は各々独立して、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基を表す。)」:
(8)「前記フラン誘導体が下記一般式(3)で表されるものであることを特徴とする前記(7)項に記載の電子写真感光体;
Figure 0005418981
(式中、R〜R11は各々独立して、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基を表す。)」:
(9)「マレイミド官能基を3個以上持つマレイミド誘導体をジエノフィルとして用いることを特徴とする前記(4)項乃至(8)項のいずれかに記載の電子写真感光体」。
ディールス・アルダー反応は、ジエンとジエノフィルが反応して6員環の付加体を形成する反応であり、酸や塩基などの触媒も要らず、熱(室温も可)のみで反応が進み、生じた付加体も安定である。従来の熱硬化樹脂を用いた電子写真感光体では、その官能基がOH基やNCO基やSiOH基等の極性の高い基が用いられ、それらの残留基が感光層の電気抵抗を下げ、帯電性不良の原因となった。あるいは、エポキシ硬化やアクリル硬化反応を利用する場合にも、酸、塩基触媒やラジカル重合開始剤等の添加が必要であり、これらが感光体特性への副作用として帯電低下や残留電位発生という問題を生じさせていた。これに対し、3次元架橋反応に、ディールス・アルダー反応を利用した本発明の電子写真感光体は、未反応のジエン基、ジエノフィル基が残留してもそれらの極性が低いことから帯電性不良の問題を生じることがなく、また、触媒等の添加も不要なことからその副作用も生じることがない。従って、良好な電子写真感光体特性を示し、3次元架橋体とすることで高い機械的特性や溶媒不溶性を示す。
ディールス・アルダー反応は可逆な反応として知られ、この反応を利用して得られる高分子は、単に加熱処理することにより、レトロディールス・アルダー反応(逆ディールス・アルダー反応)による分解が起こる。従って、この反応により3次元架橋された構造体を感光層に含有する本発明の電子写真感光体は、そのリサイクル工程において熱処理することによりその架橋結合がレトロディールス・アルダー反応によって分解し、巨大高分子から低分子モノマーへと変わることで溶媒に容易に溶解できるようになり、その感光層除去が容易に行えるようになるという極めて優れた効果が奏される。
本発明の電子写真感光体の層構成の1例を示す模式図である。 本発明の電子写真感光体の層構成の別の1例を示す模式図である。 本発明の電子写真感光体の層構成の更に別の1例を示す模式図である。 本発明の電子写真感光体の層構成の更に別の1例を示す模式図である。 本発明の電子写真感光体の層構成の更に別の1例を示す模式図である。 本発明で使用した合成例1のトリアリールアミン構造を有するジエン化合物 式(1)−No.2(A−15)の赤外吸収スペクトルである。
初めに、ディールス・アルダー反応について念のため説明する。
知られているように、この反応の基本反応は、ジエン化合物(ジエン)である1,3−ブタジエンと、親ジエン化合物(ジエノフィル)であるエチレンの環化付加反応(6員環のヒドロアリール環を生成)であり、この反応は、ジエンに電子供与基、ジエノフィルに電子吸引基が置換されている場合に反応し易くなることが知られている。
本発明で使用できるジエン及びジエノフィルには特に制限はないが、反応させやすいと言う点から好ましいジエン及びジエノフィルとして以下の構造を挙げることができる。
(好ましいジエン構造)
シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、フラン及びこれらを置換基として結合させた化合物
(好ましいジエノフィル構造)
シアノエチレン、マレイン酸ジメチル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド、ビニルメチルケトン、ジメチルアセチレンジカルボキシレート及びこれらを置換基として結合させた化合物
これらの構造を有するジエン及びジエノフィルには従来公知の材料が適用できる。
特に、ジエンとしてフラン構造を有する化合物(フラン誘導体)とジエノフィルとしてマレイン酸イミド構造を有する化合物(マレイミド誘導体)との組合せが110℃以下での良好なディールス・アルダー反応性を示し、感光体の使用環境条件(−5℃〜60℃)において安定した構造を保持し、110℃〜150℃という比較的低温加熱でレトロディールス・アルダー反応を素早く起こして架橋解離できることが、最も好ましい。
本発明における反応は、室温〜100℃で加熱するだけで進行する。ルイス酸等の添加により反応が加速されることが知られており、感光体への副作用を抑える範囲で添加することもできる。ルイス酸としては、塩化アルミニウム、塩化チタン、塩化スズ、過塩素酸リチウム等の従来公知のものを使用できる。
環化付加体は、ジエンとジエノフィルとの組合せにより、ときによりexo体やendo体等の立体異性をとるが、特にどちらでも良い。例えば、フランと無水マレイン酸との環化付加体では、20℃より高温側ではexo体が熱力学的に安定であり主構造となる。本発明では、熱をかけて反応させる方が製造上有利なため、exo体の環化付加体構造を主とした架橋様式に結果的になっている。
[ディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体]
1分子中に2個以上のジエン構造を有する感光層組成物と、1分子中に2個以上(ジエンの分子内個数が2個の場合は3個以上が好ましい。)のジエノフィル構造を有する感光層組成物とをディールス・アルダー反応させて得られる構造体を示す。
例えば、導電性支持体、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順に積層した電子写真感光体の電荷輸送層にディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体を用いる場合には、以下の方法が挙げられる。
電荷輸送層の一般的な組成は、低分子電荷輸送物質とバインダー樹脂とからなるため、従来公知の低分子電荷輸送物質に前記ジエン構造を一分子当たり二個導入し、バインダー樹脂側に前記ジエノフィル構造を複数導入し、これらを熱硬化させることで形成できる。
また、バインダー樹脂の代わりにジエノフィル構造を3個以上有するモノマーを使用し、ジエン構造を導入した低分子電荷輸送物質と反応硬化させて形成することもできる。
また、低分子電荷輸送物質のジエン構造をジエノフィル構造に置き換え、バインダー樹脂側またはモノマー側をジエン構造に置き換えて反応硬化させても良い。
また、低分子電荷輸送物質は従来のまま使用し、バインダー樹脂をジエン構造を複数有するモノマーまたはオリゴマーとジエノフィル構造を複数有するモノマーまたはオリゴマーとをディールス・アルダー反応させて形成することもできる。
ディールス・アルダー反応の加熱温度は40℃〜110℃が好ましい。110℃を超えると、逆ディールス・アルダー反応が支配的になる恐れがある。40℃より低くなると、ディールス・アルダー反応が不十分であるし、溶媒残留の恐れもある。60℃〜110℃がもっとも好ましい。
適用される感光体が負帯電型の積層感光体であり、従って、低分子電荷輸送物質がホール輸送性を示すトリアリールアミン構造を有する化合物が使用される場合、構造的に電子供与性を示すことから、低分子電荷輸送物質をジエン誘導体とするのが好ましい。
本発明で言うトリアリールアミン構造とは、3個のアリール基が窒素に結合した3級アミン構造であり、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ビフェニリル基、アントリル基、ピレニル基等を表す。
導電性支持体、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に積層した電子写真感光体の保護層にディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体を用いる場合も電荷輸送層に用いる場合と同様である。
下引き層に用いる場合は、以下の方法が挙げられる。
下引き層の一般的な組成は、導電性微粒子である酸化チタンや酸化スズをメラミン樹脂やウレタン樹脂のような熱硬化性樹脂中に分散させたものが多く、従って熱硬化樹脂組成部をディールス・アルダー反応樹脂に置き換えればよい。ディールス・アルダー反応樹脂としては、従来公知の樹脂組成物を適用することができる。例えば、非特許文献1のJ.Mater.Chem.,2008、18、41-62 のスキーム2、スキーム3、図1、図2、スキーム4等に記載の樹脂または樹脂形成組成物を使用することができる。又は、非特許文献2のJournal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry,Vol.30,1755-1760,1992に記載の樹脂や合成法を適用することができる。
例えば、導電性支持体上に電荷発生顔料と1種以上の電荷輸送物質とをバインダー樹脂に分散させた感光層を単層で設けた単層型感光体の場合も積層型の電荷輸送層の場合と同様に使うことができる。
次表にジエンの具体例を示す。表中、A−1〜A−7及び式(1)No.1〜No.17(A−14〜A−30)は、電荷輸送物質にジエン基を導入した例であり、特に式(1)No.1〜No.17(A−14〜A−30)は、前記一般式(1)〜(3)で表されるフラン誘導体である。また、表中、A−10〜12は、組成比n/mのランダム共重合体を表わす。
Figure 0005418981
Figure 0005418981
Figure 0005418981
Figure 0005418981
Figure 0005418981
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また次表に、本発明で用いるのに適したジェノフィルの例を挙げる。うち、B−1は、電荷輸送物質にジエノフィル基を導入した例である。また、表中、B−8は、組成比n/mのランダム共重合体を表わす。
Figure 0005418981
Figure 0005418981
これらのジエン及びジエノフィルは従来公知の方法で得られるが、これら表記載のジエン及びジエノフィルのうち、特にトリフェニルアミン部分構造を有するフラン誘導体は、新規物質となり、従来公知の反応を利用して合成する(具体的な合成例は後ほど詳述する)。
例えば、一般式(1)〜(3)で示されるフラン誘導体の場合は、下記の合成反応により容易に合成することができる。
Figure 0005418981
この場合、フラン誘導体は、触媒とするアゾジカルボン酸エステルとトリフェニルホスフィンの存在下、アルコール体とジフェノール誘導体とを脱水縮合させることによって製造される。
ここで使用されるアゾジカルボン酸エステルとトリフェニルホスフィンは何れも市販品が使える。アゾジカルボン酸エステルは1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル、アゾジカルボン酸ジベンジル、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボン酸ジメチルなどが挙げられる。トリフェニルホスフィンは4−(ジメチルアミノ)フェニルジフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、フェノキシジフェニルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどが挙げられる。
アルコール体は市販品と合成品とも使える。例えば、フルフリルアルコールなどが挙げられる。
ジフェノール誘導体は従来公知の化合物及び合成方法を適用できる。例えば、特許文献3の特許第3540099号公報記載の方法を適用できる。溶媒としては、ピリジン、トリエチルアミン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、クロロホルムおよびトルエン等が挙げられる。
反応温度は、−5℃から溶媒の沸点の範囲で実施可能であり、0℃から室温の範囲が好ましい。さらに、反応は窒素、アルゴン等の不活性ガス気流下に実施することが好ましい。反応時間は通常1時間から24時間で完結する。
また、例示化合物A1〜A6では、フルフリルアルコールから誘導されるアルコキシドとハロゲン化アルキル含有トリフェニルアミン化合物とのWilliamson反応によりエーテル結合によりフラン基を導入できる。
Figure 0005418981
また、例示化合物B1では、ジアミノ体と無水マレイン酸とを酸触媒下でイミド化することで得ることができる。また、イソシアネートとアルコールの付加縮合反応や酸クロライドとアルコールとのエステル化による結合によってもジエン基の導入が可能である。
Figure 0005418981
Figure 0005418981
Figure 0005418981
このように従来公知の電荷輸送性物質の構造を基にジエン又はジエノフィルとなる構造を各種反応により結合させることで種々の電荷輸送性を有するジエン又はジエノフィルを得ることができ、それらを用いてディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体を形成することができる。
以下に一般式(1)〜(3)で表されるフラン誘導体について更に詳述する。
Figure 0005418981
(式中、Ar、Arは置換基を有しても良いアリール基を表し、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)」:
Figure 0005418981
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R〜R11は各々独立して、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基を表す。)」:
Figure 0005418981
(式中、R〜R11は各々独立して、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基を表す。)」
前記一般式(1)、(2)、(3)において、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、メチレンが好ましい。
Ar、Arにおいて置換基を有しても良いアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基等が挙げられ、また下記一般式(4)、(5)、(6)、(7)で表される基も挙げることができる。
Figure 0005418981
Figure 0005418981
(式中、Xは−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−及び以下の2価基を表す。)
Figure 0005418981
Figure 0005418981
(ここで、R12、R13は水素原子、ハロゲン原子、置換を有しても良いアルキル基、置換を有しても良いアリール基を表し、aは1〜12の整数、bは1〜3の整数を表す。)
これらの置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基が挙げられる。ハロゲン原子の具体例として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。また、炭素数1〜6のアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、フェニル基が挙げられる。また、置換基を有しても良いアルコキシ基は、上記置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基を有するアルコキシ基を表し、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
前記R〜R11は、それぞれ独立して、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基を表す。炭素数1〜6のアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、フェニル基が挙げられる。置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基等が挙げられる。
また、アルコキシ基は、上記置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基を有するアルコキシ基を表し、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
また、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基等が挙げられる。
これらの置換基としては、ハロゲン原子や炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基は、上記記載と同様である。
次に、本発明の電子写真感光体の層構成について、図1〜図5に基づいて説明する。なお、図1〜図5は、電子写真感光体の断面図である。図中、符号(10)は導電性支持体を、(11)は下引き層を、(12)は電荷発生層を、(13)は電荷輸送層を、(14)は保護層を、(20)は電荷発生物質と電荷輸送物質を両方含有する単層感光層を、そして(21)は単層感光層用保護層を、それぞれ示す。
図1は、最も基本的な積層感光体の構成例であり、導電性支持体(10)上に電荷発生層(12)、電荷輸送層(13)を順次積層したものである。負帯電で使用する場合は電荷輸送層にホール輸送性電荷輸送物質が使用され、正帯電で使用される場合は電荷輸送層に電子輸送性電荷輸送物質が使用される。
これらの場合、本発明のディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体は、主に電荷輸送層に適用される。電荷発生層は、一般に極めて薄い溶媒不溶の顔料分散層として形成されるため、3次元架橋膜として形成することが少なく、本発明のディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体を適用する必要性は低いが、顔料分散媒体となる樹脂の代わりに適用することもできる。
図2は、基本構成の積層感光体に下引き層(11)を形成した構成であり、最も実用化されている構成である。本発明のディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体は、主に電荷輸送層と下引き層に適用される。電荷発生層については図1と同様である。
図3は、さらに保護層(14)を最表面に設けた構成であり、クリーニングブレードとの摺擦による摩耗や帯電による劣化を防ぐために機械的に丈夫な膜として保護層を形成することが多く、無機フィラーを含有させたり、ゾルゲル系の熱硬化樹脂で形成したり、電子線や紫外線によって架橋されたアクリル硬化樹脂を形成したりするが、本発明では、この保護層にもディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体を適用することができ、良好な機械的特性と感光体特性の両立が可能である。
図4は、導電性支持体(10)上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層(20)が設けられている。感光層(20)に本発明のディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体を適用できる。
図5は、単層感光層(20)上に保護層(22)を設けた構成であり、保護層(22)は、前記保護層(14)と同様である。
これら各層の組成は、本発明のディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体を適用しない箇所において、全て従来公知の組成を使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これら各例は、本発明をより詳細かつ具体的に説明するためのものであって、本発明を制限するためのものではない。各例中の「部」は別段の注釈ないかぎり「質量部」を表わす。
「[合成例1](トリアリールアミン構造を有するジエン式(1)−No.2(A−15)の合成)」
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、下記分子式で表されるジフェノール誘導体10g、フルフリルアルコール4.06g(東京化成品製)、トリブチルホスフィン10.05g(東京化成品製)、脱水ジクロロメタン200mlを入れ、窒素気流下、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン12.53g(東京化成品製)を溶かしたジクロロメタン溶液30mlを3℃でゆっくり滴下し、さらに同温度で10時間反応を行った。その後、ろ過して、エバポレーターにより反応溶媒を除き、粗収物の黄色粉体を得、さらにシリカゲルによりカラム精製を行った後、淡黄色粉体のフラン誘導体(例示化合物式(1)−No.2(A−15)4.53gを得た。
Figure 0005418981
元素分析結果を以下に示す。
元素分析値(%)
C H N
実測値 81.85% 5.80% 1.96%
計算値 82.09% 5.79% 2.18%
また、赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図6に示す。
他の化合物も、同様にして合成することができる。詳細は、先の出願の特願2009−210195号明細書に記載されている。
φ60mmの表面研磨したアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液を浸積塗工により成膜し、60℃で15時間反応硬化させ、膜厚3.5μmの下引き層を形成した。(部は重量部を表す、以下同様。)
〔下引き層用塗工液〕
具体例A−8化合物 4.1部
具体例B−2化合物 5.9部
酸化チタン 50部
テトラヒドロフラン 40部
その上に下記組成の電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、浸積塗布、乾燥することにより0.2μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
〔電荷発生層用塗工液〕
チタニルフタロシアニン 1.5部
ポリビニルブチラール (XYHL、UCC社製)0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZ ポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
下記低分子電荷輸送物質(D−1) 10部
テトラヒドロフラン 100部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業社製)
BHT 0.2部
Figure 0005418981
φ60mmの表面研磨したアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液を浸積塗布し、130℃で反応硬化させ、3.5μmの下引き層を形成した。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業社製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業社製)
酸化チタン 50部
メチルエチルケトン 50部
その上に下記組成の電荷発生層用塗工液を、浸積塗布、乾燥することにより0.2μmの電荷発生層を形成した。
〔電荷発生層用塗工液〕
チタニルフタロシアニン 1.5部
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
さらにその上に下記組成の電荷輸送層用塗工液を浸積塗布し、80℃で8時間反応硬化させて25μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
具体例A−2化合物 13.4部
具体例B−2化合物 6.6部
テトラヒドロフラン 70部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業社製)
φ60mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層
用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き
層、0.2μmの電荷発生層、18μmの電荷輸送層を形成した。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂(大日本インキ化学工業社製 ベッコゾール1307−60−EL)6部
メラミン樹脂(大日本インキ化学工業社製 スーパーベッカミンG−821−60)4部
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 50部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記式(F−1)で示されるビスアゾ顔料 2.5部
ポリビニルブチラール(UCC社製 XYHL) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
Figure 0005418981
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZポリカーボネート(帝人化成社製 パンライトTS−2050)10部
前記低分子電荷輸送物質(D−1) 7部
テトラヒドロフラン 100部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液
(信越化学工業社製 KF50−100CS) 0.2部
次いで、さらにその上に下記組成の保護層用塗工液をスプレー塗布し、80℃で8時間反応硬化させて5μmの保護層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
〔保護層用塗工液〕
具体例A−2化合物 13.4部
具体例B−2化合物 6.6部
テトラヒドロフラン 70部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業社製)
φ60mmの表面研磨したアルミニウムシリンダー上に、実施例1と同様にして膜厚4μmの下引き層を形成した。
その上に下記組成の電荷発生層用塗工液を浸積塗布、乾燥することにより0.2μmの電荷発生層を形成した。
〔電荷発生層用塗工液〕
チタニルフタロシアニン 1.5部
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
さらにその上に下記組成の電荷輸送層用塗工液を浸積塗布し、80℃で10時間架橋反応させ、目的の電子写真感光体を得た。
〔電荷輸送層用塗工液〕
具体例A−9化合物 6.1部
具体例B−2化合物 3.9部
前記低分子電荷輸送物質(D−1) 7部
テトラヒドロフラン 100部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業社製)
BHT 0.2部
φ60mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の単層感光層用塗工液を浸積塗布し、90℃で20時間架橋反応させ、27μmの感光層を形成し、目的の電子写真感光体を作製した。
〔単層感光層用塗工液〕
下記構造の電荷発生物質(F−2) 5部
具体例 式(1)−No.2(A−15)化合物 7.1部
具体例B−2化合物 2.9部
テトラヒドロフラン 30部
シクロヘキサノン 10部
Figure 0005418981
φ60mmのアルミニウムシリンダー上に、メタノール/ブタノール混合溶媒に溶解したポリアミド樹脂(CM−8000:東レ社製)溶液を浸積塗布し、自然乾燥して0.3μmの下引き層を設けた。この上に電荷発生物質として前記(F−2)で表されるビスアゾ化合物をシクロヘキサノンと2−ブタノンの混合溶媒中でボールミルにより粉砕し、得られた分散液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥して0.3μmの電荷発生層を形成した。
次に、形成した電荷発生層の上に下記組成の電荷輸送層塗工液を浸積塗布し、自然乾燥し、次いで130℃で30分間乾燥して厚さ20μmの電荷輸送層を形成して感光体を作製した。
[電荷輸送層塗工液]
フラン誘導体(具体例 式(1)−No.2(A−15)化合物) 3部
2,2−ジ(2−フリル)プロパン(東京化成社製) 0.9部
具体例B−2化合物 2.4部
ジクロロメタン 25.2部
φ60mmのアルミニウムシリンダー上に、実施例6と同様に下引き層と電荷発生層をそれぞれ形成して、その上に下記組成の電荷輸送層塗工液を浸積塗布し、自然乾燥し、次いで80℃で8時間乾燥して厚さ17μmの電荷輸送層を形成して感光体を作製した。
[電荷輸送層塗工液]
フラン誘導体(具体例 式(1)−No.2(A−15)化合物) 1.75部
マレイミド誘導体(具体例B−8共重合樹脂;n、mの組成比は、mol比で80:20)
2.5部
テトラヒドロフラン 24.1部
φ60mmの表面研磨したアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、浸積塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成した。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業社製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業社製)
酸化チタン 50部
メチルエチルケトン 50部
〔電荷発生層用塗工液〕
チタニルフタロシアニン 1.5部
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZ ポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
下記構造式の低分子電荷輸送物質(D−2) 10部
テトラヒドロフラン 100部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業社製)
BHT 0.2部
Figure 0005418981
この電荷輸送層上に下記組成の保護層用塗工液をスプレー塗工し、85℃で10時間架橋反応させ、5μmの保護層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
〔保護層用塗工液〕
具体例 式(1)−No.2(A−15)化合物 3部
2,2−ジ(2−フリル)プロパン(東京化成社製) 0.9部
具体例B−2化合物 2.4部
テトラヒドロフラン 56.7部
φ60mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の単層感光層用塗工液を浸積塗布し、120℃で20分乾燥させ、23μmの感光層を形成した。
〔単層感光層用塗工液〕
3重量%チタニルフタロシアニン分散液 6.67部
(溶媒:シクロヘキサノン、分散:振動ミル、1時間)
前記構造の低分子電荷輸送物質(D−1) 6部
下記構造の低分子電荷輸送物質(D−3) 4部
ビスフェノールZ ポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
テトラヒドロフラン 74部
Figure 0005418981
次に、形成した単層感光層の上に下記組成の保護層塗工液をスプレー塗布し、自然乾燥し、次いで90℃で5時間乾燥して厚さ6μmの保護層を形成して感光体を作製した。
〔保護層用塗工液〕
合成例されたフラン誘導体(具体例 式(1)−No.2(A−15)化合物) 3部
2,2−ジ(2−フリル)プロパン(東京化成社製) 0.9部
具体例B−2化合物 2.4部
テトラヒドロフラン 56.7部
φ60mmの表面研磨したアルミニウムシリンダー上に、実施例1と同様にして膜厚4μmの下引き層を形成した。
その上に下記組成の電荷発生層用塗工液を浸積塗布、乾燥することにより0.2μmの電荷発生層を形成した。
〔電荷発生層用塗工液〕
チタニルフタロシアニン 1.5部
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
さらに電荷発生層上に下記組成の電荷輸送層用塗工液を浸積塗布し、乾燥することにより21μmの電荷輸送層を形成した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZポリカーボネート(帝人化成社製 パンライトTS−2050)10部
前記低分子電荷輸送物質(D−1) 7部
テトラヒドロフラン 100部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液
(信越化学工業社製 KF50−100CS) 0.2部
さらに電荷輸送層上に下記組成の保護層用塗工液をスプレー塗工し、85℃で10時間架橋反応させ、5μmの保護層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
〔保護層用塗工液〕
具体例 式(1)−No.2(A−15)化合物 3部
2,2−ジ(2−フリル)プロパン(東京化成社製) 0.9部
具体例B−2化合物 2.4部
テトラヒドロフラン 56.7部
[比較例1]
φ60mmの表面研磨したアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、浸積塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送層上に下記組成の保護層用塗工液をスプレー塗工し、20分自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm、照射時間:180秒の条件で光照射を行ない塗布膜を硬化させた。更に130℃で30分乾燥を加え4.0μmの保護層を設け、電子写真感光体を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業社製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業社製)
酸化チタン 50部
メチルエチルケトン 50部
〔電荷発生層用塗工液〕
チタニルフタロシアニン 1.5部
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZ ポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
前記構造の低分子電荷輸送物質(D−2) 10部
テトラヒドロフラン 100部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業社製)
BHT 0.2部
〔保護層用塗工液〕
下記非電荷輸送性多官能ラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
下記ラジカル重合性電荷輸送物質(D−4) 10部
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
テトラヒドロフラン 100部
Figure 0005418981
[比較例2]
φ60mmの表面研磨したアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、浸積塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成した。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業社製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業社製)
酸化チタン 50部
メチルエチルケトン 50部
〔電荷発生層用塗工液〕
チタニルフタロシアニン 1.5部
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZ ポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
前記構造式(I)の低分子電荷輸送物質(D−1) 10部
テトラヒドロフラン 100部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業社製)
BHT 0.2部
この電荷輸送層上に下記組成の保護層用塗工液をスプレー塗工し、150℃で30分間硬化反応させ、膜厚5μmの保護層を形成し、電子写真感光体を作製した。
〔保護層用塗工液〕
ポリオール LZR−170(藤倉化成社製)OH当量367.1 5部
イソシアネート SHT(住友バイエルウレタン社製)NCO当量212.67 5部
導電性フィラー アンチモン酸亜鉛微粒子
セルナックス CX−Z210−F(日産化学工業社製) 5.1部
前記低分子電荷輸送物質(D−1) 7部
テトラヒドロフラン 154.7部
シクロヘキサノン 44.2部
[比較例3]
φ60mmの表面研磨したアルミニウムシリンダー上に、比較例2と同様にして3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成した。
この電荷輸送層上に下記組成の保護層用塗工液をリング塗工し、150℃で30分間硬化反応させ、膜厚3μmの保護層を形成し、電子写真感光体を作製した。
〔保護層用塗工液〕
下記構造式の水酸基含有電荷輸送物質(D−5) 4部
メチルトリメトキシシランの加水分解溶液 10部
(メチルトリメトキシシラン 7部に1%酢酸水溶液1.4部滴下し、25℃4時間撹拌して加水分解した溶液)
トリス(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(III) 0.5部
エタノール 56部
Figure 0005418981
[比較例4]
φ60mmの表面研磨したアルミニウムシリンダー上に、実施例2と同様に3.5μmの下引き層を形成し、その上に実施例3と同様にして0.2μmの電荷発生層と25μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
[比較例5]
実施例2と同様にして3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層を形成した。
その上に、下記組成の電荷輸送層用塗工液を浸積塗工し130℃で1時間反応硬化させて25μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記構造の水酸基含有電荷輸送物質(D−6) 5部
トリレンジイソシアネート 5部
テトラヒドロフラン 50部
Figure 0005418981
[比較例6]
φ60mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の単層感光層用塗工液を浸積塗布し、130℃で2時間架橋反応させ、27μmの感光層を形成し、電子写真感光体を作製した。
〔単層感光層用塗工液〕
前記構造の電荷発生物質(F−2) 5部
前記構造の電荷輸送物質(D−6) 5部
イソシアネート コロネートL(日本ポリウレタン社製) 5部
テトラヒドロフラン 60部
<感光体特性評価>
以上作製した電子写真感光体をリコー製デジタルフルカラー複合機MP C7500 SPのプロセスカートリッジに着装し、本体に取り付けて600×600dpiの画素密度でリコーマイリサイクルペーパーGPのA4用紙を用い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各中間調帯模様のテストパターンの連続10枚の画像出力を毎分60枚の印刷速度で行った。その結果、画像が綺麗に得られたものを○とし、部分的に異常画像が見られるものを△、画像として著しく悪いものを×とした。また、印刷可能なものは一万枚印刷後の摩耗量を測定した。その結果を表3に示す。
<リサイクル性の評価>
感光体を130℃の乾燥機に5分間入れ、直ちにテトラヒドロフランに浸積させ、5分間超音波をかけながら感光層を溶解させ、架橋膜層が除去されるかどうか目視で確認した。その結果を表3に示す。
Figure 0005418981
以上のように、本発明のディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体は、感光体の各構成層に適用可能であり、従来の基本的感光体特性を低下させることなく3次元架橋構造としての溶媒不溶性と優れた機械的特性を付与することができ、且つ、感光層の除去が必要になった場合には、短時間の加熱処理を行うことにより容易に溶媒溶解性を発現させることができるために、機械的な手段を使用せずに架橋膜を除去することができる。これによりリサイクル性に優れた感光体の提供および耐久性に優れ高寿命ながらリサイクル性にも優れた感光体の提供が可能になる。
10 導電性支持体
11 下引き層
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 保護層
20 電荷発生物質と電荷輸送物質を両方含有する単層感光層
21 単層感光層用保護層
特開2000−066424号公報 特開2000−206716号公報 特許第3540099号公報
J.Mater.Chem.,2008、18、41-62 J. Polymer Sci.,: Part A: Polymer Chemistry,Vol.30,1755-1760(1992)

Claims (9)

  1. 導電性支持体上に単層または複数層からなる感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体がディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体を含むことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 導電性支持体上に少なくとも下引き層、及び電荷発生層と電荷輸送層を順次積層した感光層を有し、該電荷輸送層がディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 導電性支持体上に少なくとも下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次積層した感光層を有し、該保護層がディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  4. ディールス・アルダー反応により3次元架橋された構造体が、フラン誘導体をジエンとし、マレイミド誘導体をジエノフィルとしてディールス・アルダー反応させて形成されたものである請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記フラン誘導体がトリアリールアミン部分構造を有するものであることを特徴とする請求項4記載の電子写真感光体。
  6. 前記フラン誘導体が下記一般式(1)で表されるものであることを特徴とする請求項5記載の電子写真感光体。
    Figure 0005418981
    (式中、Ar1、Ar2は置換基を有しても良いアリール基を表し、R1は炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
  7. 前記フラン誘導体が下記一般式(2)で表されるものであることを特徴とする請求項6記載の電子写真感光体。
    Figure 0005418981
    (式中、R1は炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R2〜R11は各々独立して、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基を表す。)
  8. 前記フラン誘導体が下記一般式(3)で表されるものであることを特徴とする請求項7記載の電子写真感光体。
    Figure 0005418981
    (式中、R2〜R11は各々独立して、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基を表す。)
  9. マレイミド官能基を3個以上持つマレイミド誘導体をジエノフィルとして用いることを特徴とする請求項4乃至8のいずれかに記載の電子写真感光体。
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