JP3949592B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents
電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよびこれらを搭載した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真感光体に用いられる光導電性材料として、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機系材料とポリ−N−ビニルカルバゾール、トリフェニルアミン化合物(特許文献1)、ベンジジン化合物(特許文献2、特許文献3、特許文献4)等のような有機系材料が提案されている。
無機感光体は、感度や耐久性が良好であるが生産コストが高く、毒性や廃棄性、可とう性などの問題を有することから、現在は安価で取扱い性の良い有機感光体が主流となっている。しかし、有機感光体は無機感光体と比べて、感度や機械的耐久性の点で劣る傾向があり、特に機械的耐久性の向上が強く求められている。
【0003】
現在、有機感光体は、電荷発生層と電荷輸送層からなる機能分離型の積層感光体が多く、機能分離型とすることで静電的特性と機械的耐久性の両立をはかっている。
また、有機感光体には個々の電子写真プロセスに応じた感度、静電的特性、光学的特性のほかに、電気的、機械的ハザード(帯電、露光、現像、転写、クリーニングなど)に対する耐久性も要求される。
【0004】
具体的には、電子写真プロセス中での帯電や酸化性ガス(オゾン、NOx)などによる感光体の静電的劣化(感度低下、電位低下、残留電位上昇等)、摺擦による物理的劣化(摩耗、傷、摩擦係数の上昇)などに対する耐久性などが要求される。
【0005】
一般に有機感光体の表面層は、バインダー樹脂に電荷輸送物質を分子分散させた樹脂感光層からなる。この電荷輸送物質は可塑剤的な作用を示し、膜強度を低下させるため、感光体の機械的耐久性はバインダー樹脂の種類に大きく依存する。現在、上述の要求を満たす樹脂として、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などが実用化されているが、すべての特性を満足していないのが実情である。さらに有機感光体には、保存中に電荷輸送物質が析出してしまうという問題を抱えている場合もある。
【0006】
これらの問題を解決する手段として、バインダー樹脂に硬化性樹脂を用いることが、特許文献5に、正孔輸送性化合物を硬化させて感光層とした電子写真感光体が特許文献6に開示されている。しかし、バインダー樹脂や感光層そのものを硬化させることは、耐摩耗性や耐傷性は大きく向上するが、電荷輸送能が低くなり易く、繰り返し使用における残留電位の上昇が激しくなる傾向が強い。この理由のひとつは、硬化が100%まで進行しないことによる未反応基の存在と架橋促進剤の感光層中への残留による悪影響などが挙げられる。つまり、感光層膜厚が厚くなればなるほど残留電位が蓄積する傾向となるが、感光層自体の薄膜化は、静電容量の不足や放電破壊の原因となり、現時点では達成されていないのが実情である。一方、特許文献6記載の正孔輸送性化合物は非常に高価な物質であり、感光層すべてを硬化型とすることは、安価に感光体を生産する上で非常に不利なものとなる。このことから、機械的耐久性と電子写真特性の両立、および安価な電子写真感光体の提供という課題を高いレベルで満足させることが求められている。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第3180730号明細書
【特許文献2】
米国特許第3265496号明細書
【特許文献3】
特公昭39−11546号公報
【特許文献4】
特開昭53−27033号公報
【特許文献5】
特開平2−127652号公報
【特許文献6】
特開2000−66424号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の電子写真感光体の機械的耐久性(耐摩耗性、耐傷性)を飛躍的に向上させ、かつ電子写真特性も良好な電子写真感光体をなるべく安価に提供することを目的とする。
詳しくは、機械的耐久性(耐摩耗性、耐傷性など)を飛躍的に向上させるとともに電荷輸送材料の析出を抑え、さらに静電的特性も損なわない電子写真感光体を作製するために電荷輸送能を有するエポキシ化合物を3次元架橋した保護層を有する電子写真感光体と該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、およびこれらを搭載した画像形成装置を安価に提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、保護層はエポキシ化合物を硬化剤で架橋してなる層であって、該エポキシ化合物として、少なくとも下記一般式(1)で表される電荷輸送能を有するエポキシ化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体に関する。
【化6】
(式中、R1は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar 1 はトリアリールアミンを表す。Ar2、Ar3は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。但し、Ar2とAr3は同一であっても異なっていてもよい。nは0〜100の整数を表す。)
本発明の第2は、電荷輸送能を有するエポキシ化合物が下記一般式(2)で表されるエポキシ化合物であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体に関する。
【化7】
(式中、Ar 1 はトリアリールアミンを表す。Ar2、Ar3は置換もしくは無置換のアリレン基を表す。但し、Ar2とAr3は同一であっても異なっていてもよい。nは0〜100の整数を表す。)
本発明の第3は、電荷輸送能を有するエポキシ化合物が下記一般式(6)で表されるエポキシ化合物であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体に関する。
【化8】
(式中、R4〜R25は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜100の整数を表す。)
本発明の第4は、電荷輸送能を有するエポキシ化合物が下記一般式(7)で表されるエポキシ化合物であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体に関する。
【化9】
(式中、R4〜R25は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜100の整数を表す。)
本発明の第5は、電荷輸送能を有するエポキシ化合物が下記一般式(8)で表されるエポキシ化合物であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体に関する。
【化10】
(式中、R4〜R25は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
本発明の第6は、エポキシ硬化剤がアミン系硬化剤、酸および酸無水物系硬化剤、ポリアミド樹脂系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、触媒系硬化剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体に関する。
本発明の第7は、導電性支持体上の感光層が、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、硬化型保護層の順に形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体に関する。
本発明の第8は、導電性支持体上の感光層が、少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質の両方を同一層に含有する単層型感光層、硬化型保護層の順に形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体に関する。
本発明の第9は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、導電性支持体と感光層の間に下引き層をもうけたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体に関する。
本発明の第10は、請求項7または請求項8において、電荷輸送層膜厚、もしくは単層型感光層膜厚をd1、硬化型保護層膜厚をd2としたとき、0<d2/d1≦1かつ1μm≦d2≦12μmを満たすことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真感光体に関する。
本発明の第11は、電荷輸送層に酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真感光体に関する。
本発明の第12は、硬化型保護層に酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真感光体に関する。
本発明の第13は、酸化防止剤がヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、チオエーテル、ホスファイト部分構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜12のい ずれかに記載の電子写真感光体に関する。
本発明の第14は、請求項1〜13のいずれかに記載の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくともひとつの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジに関する。
本発明の第15は、請求項1〜13のいずれかに記載の電子写真感光体、及び帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段を有することを特徴とする画像形成装置に関する。
【0010】
以下、本発明の電荷輸送能を有するエポキシ化合物について更に詳細に説明する。
前記一般式(1)、(2)、(6)、(7)及び(8)で表される電荷輸送能を有するエポキシ化合物において、R1〜R25の置換もしくは無置換のアルキル基とは、C1〜C5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、ハロゲン原子やフェニル基、C1〜C5のアルキル基などで置換されていてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基等が挙げられる。
【0011】
また、R1〜R3の置換もしくは無置換のアリール基として、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基等が挙げられ、前述のハロゲン原子やアルキル基が置換していてもよい。また、下記一般式(9)で表される基も挙げることができる。
【化11】
〔式中、Xは−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−及び以下の2価基を表す。
【化12】
【化13】
(ここで、R26、R27は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、aは1〜12の整数、bは1〜3の整数を表す。)〕
前記一般式(9)(11)中のR26、R27は、前記R1〜R25の定義と同様である。
【0012】
R2、R3の置換もしくは無置換の複素環基として、フラン、チオフェン、オキサゾール、ピリジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等から誘導される1価基が挙げられ、これらは、前述のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
Ar2、Ar3、Ar4のアリレン基は、前述のアリール基から誘導される2価基を挙げることができる。
Ar1がアミノ部位を有する置換もしくは無置換の複素環基としては、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ジオキサゾール、インドール、イソインドール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンズイソキサジン、カルバゾール、フェノキサジン等が挙げられ、前述のR1〜R3で定義された置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアリール基で置換されていても良い。
ハロゲン原子の具体例として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
【0013】
本発明の電荷輸送能を有するエポキシ化合物の新規化合物であり、以下に一般的な製造方法の例を示すが、これに限定されるものではない。
例えば前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(12)で表されるヒドロキシ化合物のグリシジル化により合成される。
【化14】
(式中、R2、R3、Ar2、Ar3、Ar4は、前記した定義と同一のものを表す。)
【0014】
ヒドロキシ化合物のグリシジル化による基本反応は、例えば、日刊工業新聞社新保正樹著の「エポキシ樹脂ハンドブック」21〜23頁に記載されている。このときの反応は、従来公知の方法でよく、例えばトルエン、ジクロロメタン、テトラヒドロフランなどの溶媒もしくは無溶媒下で、ヒドロキシ化合物とエピクロルヒドリンなどのグリシジル化剤を溶解もしくは分散させた後、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ物質を少しずつ加え、室温〜150℃付近で反応させることで容易に合成することができる。また、このときエポキシ基の加水分解を防ぐために反応系内の余分な水分は、水分定量受器などを用いて反応系外へ排出する方が望ましい。
また、一般式(12)で表される化合物は、特開平9−278723号公報記載の方法で合成することができる。
【0015】
本発明において、前記一般式(1)〜(8)で表される電荷輸送能を有するエポキシ化合物は、電子写真感光体に於ける光導電性素材、とくに光導電性を有する硬化型保護層を作製するための素材として極めて有用である。
【0016】
また、前記一般式(1)〜(8)で表される電荷輸送能を有するエポキシ化合物は、染料やルイス酸などの増感剤によって光学的あるいは化学的に増感される。
更にこのものは、有機顔料あるいは無機材料を電荷発生物質とする、いわゆる機能分離型に於ける電荷輸送物質としても有用である。
【0017】
上記増感剤としては、例えば、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット等のトリアリールメタン染料、ローズベンガル、エリスロシン、ローダミン等のキサンテン染料、メチレンブルー等のチアジン染料、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4−ジニトロ−9−フルオレノン等が挙げられる。
また、有機顔料としてはシーアイピグメントブルー25(CI No.21180)、シーアイピグメントレッド41(CI No.21200)、シーアイピグメントレッド3(CI No.45210)等のアゾ顔料、シーアイピグメントブルー16(CI No.74100)等のフタロシアニン系顔料、シーアイバットブラウン5(CI No.73410)、シーアイバットダイ(CI No.73030)等のインジゴ系顔料、アルゴスカーレットB、インダンスレンスカーレッドR等のペリレン系顔料が挙げられる。また、セレン、セレン−テルル、硫化カドミウム、α−シリコン等の無機材料も使用できる。
【0018】
本化合物の例示化合物を下記、表1〜表4に示す。
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
本発明においては、前記一般式(1)〜(8)で表される電荷輸送能を有するエポキシ化合物をエポキシ硬化剤で3次元架橋させることで、耐摩耗性、耐傷性の優れた電荷輸送能を有する硬化型保護層を作製することができる。このときの架橋は、前記一般式(1)〜(8)で表されるエポキシ化合物とエポキシ硬化剤のみでもよいが、「他のエポキシ化合物」を混合させて架橋することもでき、その種類や比率は、求められる特性に合わせて任意に選択することができる。
【0023】
ここで「他のエポキシ化合物」の例としては、ビスフェノール系エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、アルキルアルコール系エポキシ化合物、環式脂肪族系エポキシ化合物、グリシジルエステル系エポキシ化合物、グリシジルエーテル系エポキシ化合物、グリシジルアミン系エポキシ化合物、複素環式エポキシ化合物などが挙げられる。これらは、モノマー、オリゴマー、ポリマー、およびそれらの混合物として多種多様な形態で市販されており、特性に合わせて任意に選択することができる。
【0024】
本発明の感光体は、導電性支持体上の感光層として、電荷発生層、電荷輸送層、硬化型保護層の順に積層した構成、もしくは電荷発生物質と電荷輸送物質を同一層中に分散した単層型感光層の上に硬化型保護層を積層した構成、もしくは電荷発生層、硬化型保護層を積層した構成のいずれも選択することができる。なかでも、電荷発生層、電荷輸送層、硬化型保護層の順に積層した構成が、経時使用における残留電位等の電子写真特性が良いことから、特に好ましい。
【0025】
本発明の感光体における導電性支持体は、導電性を有するものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属や合金をドラム状またはシート状に成形したもの、アルミニウム及び銅等の金属泊をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独または結着樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
【0026】
本発明の感光体は、導電性支持体と感光層の間にバリアー機能と接着機能とをもつ下引き層を設けることもできる。下引き層は感光層の接着性改良、塗工性改良、導電性支持体の保護、導電性支持体の欠陥の被覆、導電性支持体からの電荷注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。
【0027】
下引き層用の材料の例としては、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリビニルブチラール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、ポリウレタン、酸化アルミニウム、酸化チタン、にかわ及びゼラチン等が挙げられ、その膜厚は、0.1〜5μmであることが好ましい。
【0028】
本発明の感光体における電荷発生物質の例として、セレン−テルル、ピリリウム系染料、チオピリリウム系染料、各種結晶形のフタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン系顔料、ピラントロン系顔料、トリスアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、モノアゾ系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、非対称キノシアニン系顔料、シアニン系顔料などが挙げられる。
【0029】
電荷発生層は、前記電荷発生物質を0.2〜5倍量の結着樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アドライダー及びロールミル等の方法でよく分散し、得られた分散液を塗布し、乾燥することによって形成されるか、前記電荷発生物質の蒸着膜等、単独組成の膜として形成される。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.05〜2μmが好ましい。
【0030】
結着樹脂としては、ポリスチレン樹脂、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリビニルカルバゾール、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、ポリシラン樹脂、及びエポキシ樹脂等が挙げられる。
【0031】
電荷輸送層は、適当な電荷輸送物質、例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等を前述の結着樹脂と共に溶剤に分散または溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
【0032】
単層型感光層としては、前記の電荷発生物質、電荷輸送物質を前述の結着樹脂と共に溶剤に分散または溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
【0033】
この場合の電荷輸送物質と結着樹脂の比率は、両者の全重量を100とした場合に電荷輸送物質の重量が30〜100であることが好ましく、特には50〜100であることが好ましい。電荷輸送物質の量が30に満たないと、電荷輸送能が低下し、感度の低下及び残留電位の上昇等の問題が生じ易くなる。電荷輸送層の膜厚は、上層の表面保護層と合わせた総膜厚が1〜50μmとなることが好ましく、特には5〜30μmであることが好ましい。
【0034】
本発明の感光体の硬化型保護層における架橋は、前記一般式(1)〜(8)で表されるエポキシ化合物とエポキシ硬化剤を含有する溶液を塗布後、加熱硬化させるのが好ましい。さらに好ましくは、本塗布液もしくは塗布後膜を常温で架橋熟成(B−ステージ化)した後、さらに加熱硬化を行う方法が挙げられる。
【0035】
硬化型保護層中の電荷輸送能を有するエポキシ化合物の量は、硬化後の硬化型保護層の全重量に対して、有効な電荷輸送性基(例えば前記一般式(12)の場合、グリシジル化前の原料物質のOH基を水素に置きかえた化合物となる)が10重量%以上、好ましくは30重量%以上含有されていることが好ましい。10重量%に満たないと硬化型保護層の電荷輸送能が低下し、感度の低下及び残留電位の上昇等の問題点が生じ易くなる。硬化型保護層の膜厚は、機械的耐久性を満足する範囲で薄ければ薄いほど良い。しかし膜厚が1μm未満の場合、保護層塗工時に下層の電荷輸送層を一部溶解させることから不完全な硬化膜となり、十分な耐摩耗性を得ることが出来ないことから、その膜厚は、1〜12μmであることが好ましく、特には3〜7μmであることが好ましい。逆に膜厚が厚くなればなるほど膜中の電荷トラップが増大し、特に15μmを越えると残留電位の上昇や感度低下などの問題が生じ易くなってくる。
【0036】
また、電荷輸送層膜厚、もしくは単層型感光層膜厚をd1、硬化型保護層膜厚をd2としたとき、0<d2/d1≦1かつ1μm≦d2≦12μmを満たすことが好ましい。
即ち、硬化型保護層膜厚は、機械的耐久性を満足する範囲で薄ければ薄いほど良いが、d2が1μmより薄いと機械的耐久性を損ない、12μmより厚いと電子写真特性が悪くなるとともに費用も高くなる。
電荷輸送層膜厚、もしくは単層型感光層膜厚であるd1は、基本的な電子写真特性を満足する膜厚であれば良く、0<d2/d1≦1である。好ましくは、0.01≦d2/d1≦0.95、さらに好ましくは、0.1≦d2/d1≦0.9である。
また本発明においては、硬化型保護層中に前記、電荷輸送物質を含有することも可能である。
【0037】
単層型感光層の場合は、電荷輸送能を有するエポキシ化合物とエポキシ硬化剤、電荷発生物質を含有する溶液を架橋することによって形成するか、電荷輸送物質及び電荷発生物質を含有する単層型感光層上に電荷輸送能を有するエポキシ化合物とエポキシ硬化剤を含有する溶液を塗布後、架橋することによって形成する。
【0038】
本発明における感光層および硬化型保護層には、各種添加剤を添加することができる。添加剤とは酸化防止剤及び劣化防止剤、シリコーンオイルやフッ素原子含有樹脂微粒子等の潤滑剤その他である。酸化防止剤として、プラスチック、ゴム、石油、油脂類の酸化防止剤を使用することができる。酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤として、特開昭57−122444号、特開昭60−188956号、特開昭63−18355号、特開昭63−18356号公報等に記載のフェノール類、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機イオウ化合物類、有機リン化合物類、ヒドロキシアニソール類、ピペリジン・オキソピペラジン類、カロチン類、アミン類、トコフェノール類、Ni(II)錯体、スルフィド類等の公知の材料を用いることができる。
【0039】
上記、各層用の溶液を塗布する方法としては、例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法等が挙げられるが、効率性、生産性の点から浸漬コーティング法もしくはスプレーコーティング法が好ましい。また、蒸着、プラズマ、その他の公知の製膜方法も適宜選択することも可能である。
【0040】
本発明においては、電荷輸送能を有するエポキシ化合物とエポキシ硬化剤を、加熱により重合または架橋を行う。このとき、前述の「他のエポキシ化合物」を一緒に混合し、架橋することも可能である。
【0041】
エポキシ硬化剤については、例えば株式会社昭晃堂 垣内弘著の「新エポキシ樹脂」の164頁〜263頁などに幅広く記載されている。硬化剤の代表例として、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン、イミノビスプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、AMINE248(DuPont)、N−アミノエチルピペラジン、ラミロンC260(BASF)、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ワンダミンHM(新日本理化)、メタキシレンジアミン、ショーアミンシリーズ(昭和電工)、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン、前述の変性アミンなどのアミン系硬化剤、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、アルケニル無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、アルキルスチレン−無水マレイン酸共重合体、クロレンド酸無水物、ポリアゼライン酸無水物などの酸および酸無水物系硬化剤、トーマイド(富士化成)、バーサミド(ヘンケル白水)、ラッカマイド(大日本インキ)、サンマイド(三和化学)、ポリマイド(三洋化成)などのポリアミド樹脂系硬化剤、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチルメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、1−シアノエチル−2−フェニル−イミダゾリウム・トリメリテート、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウム・トリメリテート、2−メチルイミダゾリウム・イソシアヌレート、2−フェニルイミダゾリウム・イソシアヌレート、2,4−ジアミノ−6−〔2−メチルイミダゾリル−(1)〕−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1)〕−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2−ウンデシルイミダゾリル−(1)〕−エチル−S−トリアジン、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(シアノエトキシメチル)イミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウム・クロライド、1,3−ジベンジル−2−メチルイミダゾリウム・クロライドなどのイミダゾール系硬化剤、三フッ化ホウ素−モノエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素−ベンジルアミン錯体、三フッ化ホウ素−ジエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素−ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素−トリエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素−アニリン錯体、三フッ化ホウ素−ノルマルヘキシルアミン錯体、ジシアンジアミドおよびその誘導体(o−トリルビグアニド、フェニルビグアニド、ジフェニルビグアニド鉄塩、フェニルビグアニド銅塩、ビグアニドニッケル塩、エチレンビスビグアニド塩酸塩、ラウリルビグアニド塩酸塩、フェニルビグアニドオキサレート)、有機酸ヒドラジッド(コハク酸ヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド、パラオキシ安息香酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、フェニルアミノプロピオン酸ヒドラジド)、ジアミノマレオニトリル、ジアリルメラミン、アミンイミド、ポリアミン塩類、硬化剤や触媒を担持したモレキュラーシーブスなどの触媒系硬化剤、液状ポリメルカプタン、ポリスルフィド樹脂などのポリメルカプタン系硬化剤などが挙げられる。エポキシ硬化剤の添加量は、エポキシ化合物100重量部に対して0.01〜50重量部程度である。さらに好ましくは、0.1〜20重量部である。
【0042】
本発明の感光体を用いて複写を行うには、感光面に帯電、露光を施した後、現像を行い必要によって紙などへ転写する。
図面を用いて、本発明の電子写真方法並びに電子写真装置、プロセスカートリッジについて詳しく説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0043】
図1は、本発明の電子写真プロセスを説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図1において、感光体1は本発明の感光体が用いられている。感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電チャージャ3、転写前チャージャ7、転写チャージャ9、分離チャージャ10、クリーニング前チャージャ12には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャ9と分離チャージャ10を併用したものが効果的である。
【0044】
画像露光部5と除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることができる。
かかる光源等は、図1に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0045】
現像ユニット6により感光体1上に現像されたトナーは、転写紙8に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ13およびクリーニングブラシ14により、感光体1より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。なお、4はイレーサ、11は分離爪である。
【0046】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0047】
図2は、本発明による電子写真プロセスの別の例を示す説明図である。
感光体15は本発明の感光体であり、駆動ローラ16a、16bにより駆動され、帯電チャージャ17による帯電、光源18による像露光、現像(図示せず)、転写チャージャ19を用いる転写、光源20によるクリーニング前露光、ブラシ21によるクリーニング、光源22による除電が繰返し行なわれる。図2においては、感光体15(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
【0048】
以上の図示した電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図2において支持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは感光層側から行ってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0049】
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれていてもよい。
図3は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す説明図である。
プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図3に示すものが挙げられる。感光体23は、本発明の感光体が用いられる。図中、24は帯電チャージャ、25はクリーニングブラシ、26は画像露光部、27は現像ローラである。
【0050】
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。しかし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0052】
合成例1 化合物No.1の合成
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、4−〔2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ビニル〕フェニル−ビス(4−メチルフェニル)アミン9.67g(20.0mmol)とエピクロルヒドリン18.51g(200.0mmol)、トルエン20mlを入れ、窒素気流下、20重量%水酸化ナトリウム水溶液9.60g(48.0mmol)を5分間かけて滴下し、85℃で4時間反応させた。これを室温まで放冷し、過剰のエピクロルヒドリンを減圧回収した後、ジクロロメタンを加えて有機層を水洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。これをメタノール中で再沈し、濾過して、黄色粉末8.98g(収率75.4%)を得た。融点は認められず、非晶質であった。
【0053】
合成例2 化合物No.10の合成
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗およびエピクロルヒドリンと水との共沸混合物を凝縮分離して下層のエピクロルヒドリン層を戻すための装置をつけた反応容器に、4−〔2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ビニル〕フェニル−ビス(4−メチルフェニル)アミン 19.34g(40.0mmol)とエピクロルヒドリン37.01g(400.0mmol)を入れ、窒素気流下、110℃で加熱攪拌した。これに反応系内の温度が100℃〜120℃を維持するように、20重量%水酸化ナトリウム水溶液19.20g(96.0mmol)を3時間かけて滴下した。反応中に留去された水とエピクロルヒドリンはエピクロルヒドリンのみ反応容器に戻し、水酸化ナトリウム水溶液の滴下終了後、110℃でさらに1時間反応させた。これを室温まで放冷し、過剰のエピクロルヒドリンを減圧回収した後、トルエンを加えて有機層を水洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下でトルエン溶媒を留去して、黄色の粗生成物20.75g(収率87.1%)、融点111.0−116.0℃を得た。これをシリカゲルでカラムクロマト精製(溶離液:トルエン/酢酸エチル=20/1vol.)した後、酢酸エチルとエタノールから再結晶を行って淡黄色針状結晶15.85g(収率66.5%)を得た。融点は128.0−129.0℃であった。
【0054】
実施例1 電子写真感光体の作製
φ30mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液、保護層用塗工液を順次、塗布乾燥した後、130℃ 1時間で加熱硬化し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、30μmの電荷輸送層、5μmの保護層を有する、本発明の電子写真感光体を得た(以下、部は重量部を示す)。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL 6部
大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60 4部
大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 50部
〔電荷発生層用塗工液〕
オキシチタニウムフタロシアニン顔料 3部
ポリビニルブチラール(UCC製:XYHL) 2部
テトラヒドロフラン 95部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 10部
(帝人化成製:PCX−5)
下記、[化15]の低分子電荷輸送材料 7部
【化15】
シリコーンオイル 0.002部
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン 1部
ジクロロメタン 150部
〔保護層用塗工液〕
2,2−ビスグリシジルオキシフェニルプロパン 20部
例示化合物No.1のエポキシ化合物 14部
イソフォロンジアミン 7部
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン 1部
ジクロロメタン 370部
【0055】
実施例2〜15
実施例1において、保護層用塗工液のエポキシ化合物を、下記表5に示すエポキシ化合物を使用する以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0056】
【表5】
エポキシ化合物
実施例2
2,2−ビスグリシジルオキシフェニルプロパン 20部
例示化合物No.10のエポキシ化合物 14部
実施例3
2,2−ビスグリシジルオキシフェニルプロパン 20部
例示化合物No.2のエポキシ化合物 14部
実施例4
2,2−ビスグリシジルオキシフェニルプロパン 20部
例示化合物No.11のエポキシ化合物 14部
実施例5
1,1−ビスグリシジルオキシフェニルシクロヘキサン 20部
例示化合物No.1のエポキシ化合物 14部
実施例6
1,1−ビスグリシジルオキシフェニルシクロヘキサン 20部
例示化合物No.10のエポキシ化合物 14部
実施例7
1,1−ビスグリシジルオキシフェニルシクロヘキサン 20部
例示化合物No.2のエポキシ化合物 14部
実施例8
1,1−ビスグリシジルオキシフェニルシクロヘキサン 20部
例示化合物No.11のエポキシ化合物 14部
実施例9
ビスグリシジルオキシフェニルエーテル 20部
例示化合物No.1のエポキシ化合物 14部
実施例10
ビスグリシジルオキシフェニルエーテル 20部
例示化合物No.10のエポキシ化合物 14部
実施例11
ビスグリシジルオキシフェニルメタン 20部
例示化合物No.2のエポキシ化合物 14部
実施例12
2,2−ビスグリシジルオキシフェニル 20部
ヘキサフルオロプロパン
例示化合物No.11のエポキシ化合物 14部
実施例13
例示化合物No.1のエポキシ化合物 34部
実施例14
例示化合物No.10のエポキシ化合物 34部
実施例15
例示化合物No.11のエポキシ化合物 34部
【0057】
実施例16〜19
実施例1において、硬化剤であるイソフォロンジアミンを、下記表6に示す硬化剤を使用する以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【表6】
硬化剤
実施例16 2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.68部
実施例17 グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート) 22部
実施例18 ジエチレントリアミン 4部
実施例19 2−フェニルイミダゾール 0.68部
実施例20 ポリマイドL−25−3(三洋化成社製) 5部
実施例21
実施例1において、保護層膜厚を10μmにした以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0058】
実施例22
X型無金属フタロシアニン顔料1gをポリカーボネートZ(PC−Z)溶液10g(テトラヒドロフラン中に10重量%に溶解したもの)、テトラヒドロフラン9gとともにボールミリングした後、顔料組成2重量%、PC−Z組成が50重量%、下記[化16]で示されるアクセプタ性化合物が18重量%、前記[化15]で示す正孔移動物質が30重量%となるよう15重量%のPC−Z溶液、アクセプタ性化合物、正孔移動物質を加え、感光体の塗布液を作製した。この液をアルミニウム基体上に塗布し加熱乾燥して約20μmの単層型感光体を作製した。この単層型感光体の上に実施例1記載の「保護層用塗工液」を塗布し、130℃で1時間で加熱硬化させ、保護層膜厚5μmを設けた電子写真感光体を作製した。
【化16】
【0059】
実施例23〜24
実施例1において、保護層膜厚を下記表7に示す膜厚にした以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【表7】
保護層膜厚
実施例23 0.5μm
実施例24 15 μm
【0060】
実施例25
実施例1において、酸化防止剤3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを使用しない以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0061】
比較例1
実施例1において、保護層用塗工液を塗布しない以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0062】
実施例26
実施例1において、φ30mmのアルミニウムドラムと下引き層用塗工液のかわりに、電鋳ニッケル・ベルト(導電性支持体)と下引き層用塗工液2[オイルフリーアルキッド樹脂(大日本インキ化学社製:ベッコライトM6401)を15重量部、メラミン樹脂(大日本インキ社製:スーパーベッカミンG−821)10重量部、二酸化チタン(石原産業社製:タイペークR670)50重量部、2−ブタノン40重量部からなる分散液]を用いる以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0063】
比較例2
実施例1において、例示化合物No.1のエポキシ化合物の代わりに、下記[化17](特開2000−66424号公報記載)の電荷輸送性化合物を用いるほかは、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
【化17】
【0064】
比較例3
実施例26において、保護層用塗工液を塗布しない以外は、実施例26と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0065】
各種評価試験1
実施例1〜25および比較例1〜2で作製した電子写真感光体を実装用にした後、(株)リコー製複写機イマジオMF200(帯電:ACバイアスなし、DCバイアス−900V)に装着し、60時間の連続運転(ランニング試験)を行い、感光体の膜厚減少量と耐傷性およびトナー転写画像、露光部電位測定の評価を行った。ドナー析出評価は、感光体表面に指紋をつけ、70℃で保存する加速試験を行った。30日後に感光体表面を顕微鏡により観察し、ドナー析出の有無を判定した。結果を下記表8に示す。
(ただし、実施例22に関しては、帯電を+帯電に装置を変更して評価を行った。)
【表8】
【0066】
本発明の保護層と特開2000―66424号公報記載の保護層では、比較例2に示したように、感光体の機械的耐久性はほぼ同等であるものの、電子写真特性において本発明が、はるかに優れていることが判る。この理由は、保護層中の電荷輸送能を有するユニットが何でも良いというものではないことを表しており、特開2000―66424号公報に示されているトリアリルアミン骨格だけでは、電荷移動が不十分となり、露光部電位(残留電位)上昇を招く結果となった。本発明では、オレフィン結合(例:スチリル基など)をトリアリルアミン骨格に導入することで、機械的耐久性と残留電位抑制を両立することができ、さらに感度についても本発明の方が約3倍高いことも判った。
【0067】
各種評価試験2
実施例26、比較例3の電子写真感光体を前記図2に示す電子写真用プロセスに装着した後、画像形成装置に搭載した。ただし、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)として、連続して1万枚の印刷を行い、感光体の膜厚減少量と耐傷性およびトナー転写画像の評価、露光部電位測定、ドナー析出評価を行った。結果を下記表9に示す。
【表9】
【0068】
【発明の効果】
本発明により、従来の電子写真感光体の機械的耐久性(耐摩耗性、耐傷性)を飛躍的に向上させ、かつ電子写真特性も満足する電荷輸送能を有する硬化型保護層を有する電子写真感光体およびその電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真プロセスの例を示す説明図である。
【図2】本発明の電子写真プロセスの一例を示す説明図である。
【図3】本発明のプロセスカートリッジの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 転写紙
9 転写チャージャ
10 分離チャージャ
11 分離爪
12 クリーニング前チャージャ
13 ファーブラシ
14 クリーニングブラシ
15 感光体
16a 駆動ローラ
16b 駆動ローラ
17 帯電チャージャ
18 光源
19 転写チャージャ
20 光源
21 ブラシ
22 光源
23 感光体
24 帯電チャージャ
25 クリーニングブラシ
26 画像露光部
27 現像ローラ
Claims (15)
- エポキシ硬化剤がアミン系硬化剤、酸および酸無水物系硬化剤、ポリアミド樹脂系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、触媒系硬化剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体上の感光層が、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、硬化型保護層の順に形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体上の感光層が、少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質の両方を同一層に含有する単層型感光層、硬化型保護層の順に形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、導電性支持体と感光層の間に下引き層をもうけたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項7または請求項8において、電荷輸送層膜厚、もしくは単層型感光層膜厚をd1、硬化型保護層膜厚をd2としたとき、0<d2/d1≦1かつ1μm≦d2≦12μmを満たすことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 電荷輸送層に酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 硬化型保護層に酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 酸化防止剤がヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、チオエーテル、ホスファイト部分構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜12のい ずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくともひとつの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の電子写真感光体、及び帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段を有することを特徴とする画像形成装置。
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