JP2000066424A - 電子写真感光体、プロセスカ―トリッジ、電子写真装置及び該電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカ―トリッジ、電子写真装置及び該電子写真感光体の製造方法

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JP2000066424A
JP2000066424A JP11166668A JP16666899A JP2000066424A JP 2000066424 A JP2000066424 A JP 2000066424A JP 11166668 A JP11166668 A JP 11166668A JP 16666899 A JP16666899 A JP 16666899A JP 2000066424 A JP2000066424 A JP 2000066424A
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晶夫 丸山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐析出性、耐摩耗性及び耐傷性に優れた効果
を有し、更に感度や残留電位等の電子写真特性も非常に
良好であり、また繰り返し使用時にも安定した性能を発
揮することができる電子写真感光体、該電子写真感光体
を有するプロセスカートリッジ、電子写真装置及び該電
子写真感光体の製造方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に感光層を有する電子写真感光
体において、該感光層が、同一分子内に二つ以上の連鎖
重合性官能基を有する正孔輸送性化合物及び該正孔輸送
性化合物を熱または光を用いて重合あるいは架橋するこ
とにより硬化した化合物の少なくとも一方を含有するこ
とを特徴とする電子写真感光体、該電子写真感光体を有
するプロセスカートリッジ、電子写真装置及び該電子写
真感光体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体、該
電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子
写真装置、更には該電子写真感光体の製造方法に関し、
詳しくは特定の化合物を含有する感光層を有する電子写
真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリ
ッジ及び電子写真装置、及び該電子写真感光体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体に用いられる光導
電材料としては、セレン、硫化カドミウム及び酸化亜鉛
等の無機材料が知られていた。他方、有機材料であるポ
リビニルカルバゾール、フタロシアニン及びアゾ顔料等
は高生産性や無公害性等の利点が注目され、無機材料と
比較して光導電特性や耐久性等の点で劣る傾向にあるも
のの、広く用いられるようになってきた。
【0003】これらの電子写真感光体は、電気的及び機
械的特性の双方を満足するために、電荷発生層と電荷輸
送層を積層した機能分離型の感光体として利用される場
合が多い。一方当然のことながら、電子写真感光体には
適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特
性、更には光学的特性を備えていることが要求される。
特に繰り返し使用される感光体の表面には、帯電、画像
露光、トナー現像、紙への転写、クリーニングといった
様々な電気的、機械的外力が直接加えられるため、それ
らに対する耐久性が要求される。
【0004】具体的には、摺擦による表面の摩耗や傷の
発生に対する耐久性、帯電による表面劣化、例えば転写
効率や滑り性の低下、更には感度低下、電位低下等の電
気特性の劣化に対する耐久性も要求される。
【0005】一般に有機光導電材料を用いた電子写真感
光体の表面層は、薄い樹脂層であり、樹脂の特性が非常
に重要である。上述の諸条件をある程度満足する樹脂と
して、近年アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等が実
用化されている。しかしながら、前述したような特性の
全てがこれらの樹脂で満足されるわけではなく、特に、
更なる高耐久化を図る上では樹脂の硬度は十分高いとは
言い難い。これらの樹脂を表面層用の樹脂として用いた
場合でも、繰り返し使用に伴って表面層が摩耗したり、
傷が発生することがあった。
【0006】また、近年の高感度化に対する要求から、
電荷輸送物質等の低分子量化合物が比較的大量に添加さ
れる場合が多いが、この場合それら低分子量物質の可塑
剤的な作用により膜強度が著しく低下するので、繰り返
し使用時の表面層の摩耗や傷が一層顕著な問題となって
いる。また、電子写真感光体を保存している間に低分子
量化合物が析出してしまうという問題も発生し易い。
【0007】これらの問題点を解決する手段として、硬
化性樹脂を電荷輸送層用の樹脂として用いることが、例
えば特開平2−127652号公報等に開示されてい
る。この件においては、電荷輸送層用の樹脂として硬化
性樹脂を用い、電荷輸送層を硬化、架橋することによっ
て、繰り返し使用時の耐削れ性及び耐傷性を大きく向上
させている。
【0008】しかしながら、硬化性樹脂を用いても、低
分子量化合物はあくまでも結着樹脂中において可塑剤と
して作用するので、先に述べたような析出の問題は根本
的には解決されていない。また、有機電荷輸送物質と結
着樹脂とで構成される電荷輸送層においては、電荷輸送
能は樹脂に大きく依存し、例えば硬度が十分に高い硬化
性樹脂では、電荷輸送能が低くない易く、繰り返し使用
時に残留電位が上昇し易い等、硬度と電子写真特性の両
者を十二分に満足させるまでには至っていない。
【0009】また、特開平5−216249号公報及び
特開平7−72640号公報等においては、電荷輸送層
に炭素−炭素二重結合を有するモノマーを含有させ、電
荷輸送物質の炭素−炭素二重結合を熱あるいは光のエネ
ルギーによって反応させて、電荷輸送層を形成した電子
写真感光体が開示されている。しかしながら、電荷輸送
物質はポリマーの主骨格にペンダント状に固定化されて
いるだけであり、先の可塑的な作用を十分に排除できな
いため機械的強度が十分ではない。また電荷輸送能の向
上のために電荷輸送物質の濃度を高くすると、架橋密度
が低くなり十分な機械的強度を確保することができな
い。更には、重合時に必要とされる開始剤類の電子写真
特性への影響も懸念される。
【0010】また、別の解決手段として、例えば特開平
8−248649号公報においては、主鎖中に電荷輸送
能を有する基を導入した熱可塑性高分子を含有する電荷
輸送層を有する電子写真感光体が開示されており、従来
の分子分散型の電荷輸送層と比較して析出に対しては効
果があり、機械的強度も向上するが、あくまでも熱可塑
性樹脂であり、その機械的強度には限界があり、樹脂の
溶解性等を含めたハンドリングや生産性の面でも十分で
あるとは言い難い。
【0011】以上述べたように、より高いレベルで機械
的強度と電荷輸送能を両立することが検討されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の電子写真感光体が有していた問題点を解決し、膜強度
を高くすることによって耐摩耗性及び耐傷性を向上さ
せ、かつ耐析出性が良好な電子写真感光体を提供するこ
とにある。
【0013】本発明の別の目的は、繰り返し使用時にお
ける残留電位の上昇等の感光体特性の変化や劣化が非常
に少なく、繰り返し使用時も安定した性能を発揮するこ
とができる電子写真感光体を提供することにある。
【0014】本発明の更に別の目的は、上記電子写真感
光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を
提供することにある。
【0015】本発明の更に別の目的は、上記電子写真感
光体の製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、支持体
上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層
が、同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する
正孔輸送性化合物及び該正孔輸送性化合物を熱または光
を用いて重合あるいは架橋することにより硬化した化合
物の少なくとも一方を含有することを特徴とする電子写
真感光体である。
【0017】また、本発明は、上記電子写真感光体を有
するプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
【0018】更に、本発明は、支持体上に感光層を形成
する電子写真感光体の製造方法において、同一分子内に
二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物
を熱または光を用いて重合あるいは架橋することにより
硬化する工程を有することを特徴とする電子写真感光体
の製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細を説明する。
【0020】本発明における連鎖重合とは、高分子物の
生成反応を大きく連鎖重合と逐次重合に分けた場合の前
者の重合反応形態を示し、詳しくは例えば技報堂出版
三羽忠広著の「基礎合成樹脂の化学(新版)」1995
年7月25日(1版8刷)P.24に説明されているよ
うに、その形態が主にラジカルあるいはイオン等の中間
体を経由して反応が進行する不飽和重合、開環重合そし
て異性化重合等のことをいう。
【0021】連鎖重合性官能基とは、前述の反応形態が
可能な官能基を意味するが、ここではその大半を占め応
用範囲の広い不飽和重合あるいは開環重合性官能基の具
体例を示す。
【0022】不飽和重合とは、ラジカル及びイオン等に
よって不飽和基、例えばC=C、C≡C、C=O、C=
N、C≡N等が重合する反応であるが、主にはC=Cで
ある。不飽和重合性官能基の具体例を以下に示すが、こ
れらに限定されるものではない。
【0023】
【外17】
【0024】上記中、Rは置換基を有してもよいメチル
基、エチル基及びプロピル基等のアルキル基、置換基を
有してもよいベンジル基及びフェネチル基等のアラルキ
ル基及び置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基
及びアンスリル基等のアリール基または水素原子等を示
す。
【0025】開環重合とは、炭素環、オクソ環及び窒素
ヘテロ環等のひずみを有した不安定な環状構造が、触媒
の作用で活性化され開環すると同時に重合を繰り返し鎖
状高分子物を生成する反応であるが、この場合基本的に
はイオンが活性種として作用するものが大部分である。
開環重合官能基の具体例を以下に示すが、これらに限定
されるものではない。
【0026】
【外18】
【0027】上記中、R′は置換基を有してもよいメチ
ル基、エチル基及びプロピル基等のアルキル基、置換基
を有してもよいベンジル基及びフェネチル基等のアラル
キル基及び置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル
基及びアンスリル基等のアリール基または水素原子等を
示す。
【0028】上記で説明したような本発明に係る連鎖重
合性官能基の中でも、下記の一般式(5)〜(7)で示
されるものが好ましい。
【0029】
【外19】
【0030】式中、Eは水素原子、フッ素、塩素及び臭
素等のハロゲン原子、置換基を有してもよいメチル基、
エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置
換基を有してもよいベンジル基、フェネチル基、ナフチ
ルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキ
ル基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、
アンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基及びフリル
基等のアリール基、CN基、ニトロ基、メトキシ基、エ
トキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基、−COO
7 及びCONR89 を示す。
【0031】Wは置換基を有してもよい2価のフェニレ
ン、ナフチレン及びアントラセニレン等のアリーレン
基、置換基を有してもよいメチレン、エチレン及びブチ
レン等の2価のアルキレン基、−COO−、−CH2
−、−O−、−OO−、−S−またはCONR10−で示
される。
【0032】R7 、R8 、R9 及びR10は水素原子、フ
ッ素、塩素及び臭素等のハロゲン原子、置換基を有して
もよいメチル基、エチル基及びプロピル基等のアルキル
基、置換基を有してもよいベンジル基及びフェネチル基
等のアラルキル基及び置換基を有してもよいフェニル
基、ナフチル基及びアンスリル基等のアリール基を示
し、R8 とR9 は互いに同一であっても異なってもよ
い。
【0033】また、fは0または1を示す。
【0034】E及びWが有してもよい置換基としては、
フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子、ニト
ロ基、シアノ基、水酸基、メチル基、エチル基、プロピ
ル基及びブチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキ
シ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基
及びナフトキシ基等のアリールオキシ基、ベンジル基、
フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチ
エニル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基、
アンスリル基及びピレニル基等のアリール基等が挙げら
れる。
【0035】
【外20】
【0036】式中、R11及びR12は水素原子、置換基を
有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基及びブチ
ル基等のアルキル基、置換基を有してもよいベンジル基
及びフェネチル基等のアラルキル基及び置換基を有して
もよいフェニル基及びナフチル基等のアリール基を示
し、gは1〜10の整数を示す。
【0037】
【外21】
【0038】式中、R13及びR14は水素原子、置換基を
有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基及びブチ
ル基等のアルキル基、置換基を有してもよいベンジル基
及びフェネチル基等のアラルキル基及び置換基を有して
もよいフェニル基及びナフチル基等のアリール基を示
し、hは0〜10の整数を示す。
【0039】上記一般式の(6)及び(7)のR11、R
12、R13及びR14が有してもよい置換基としては、フッ
素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子、メチル
基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル
基、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアル
コキシ基、フェノキシ基及びナフトキシ基等のアリール
オキシ基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル
基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基及び
フェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基
等のアリール基等が挙げられる。
【0040】また、上記一般式(5)〜(7)の中で
も、更に特に好ましい連鎖重合性官能基としては、下記
一般式(8)〜(14)で示されるものが挙げられる。
【0041】
【外22】
【0042】更に、上記式(8)〜(14)の中でも、
(8)のアクリロイルオキシ基及び(9)のメタクリロ
イルオキシ基が、重合特性等の点から特に好ましい。
【0043】本発明における「同一分子内に二つ以上の
連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物」とは、上
記で説明した連鎖重合性基が正孔輸送性化合物に官能基
として少なくとも二つ以上化学結合している化合物であ
る。二つ以上の連鎖重合性官能基は、全て同一でも異な
ったものであってもよい。
【0044】連鎖重合性官能基を二つ以上有する正孔輸
送性化合物は、下記の一般式(1)で示されることが好
ましい。
【0045】
【外23】
【0046】P1 及びP2 は連鎖重合性官能基を示し、
1 とP2 は同一でも異なってもよい。Zは置換基を有
してもよい有機残基を示し、Yは水素原子を示す。a、
b及びdは、0または1以上の整数を示す。但し、a=
0の場合はb+dは3以上の整数、bまたはdが0の場
合はaは2以上の整数、その他の場合はa+b+dは3
以上の整数を示す。また、aが2以上の場合P1 は同一
でも異なってもよく、dが2以上の場合P2 は同一でも
異なってもよく、またbが2以上の場合、Zは同一でも
異なってもよい。
【0047】ここで、「aが2以上の場合P1 は同一で
も異なってもよく」とは、それぞれ異なるn種類の連鎖
重合性官能基をP11、P12、P13、P14、P15…pln
示した場合、例えばa=3の時に正孔輸送性化合物Aに
直接結合する連鎖重合性官能基P1 は3つとも同じもの
でも、二つ同じで一つは違うもの(例えば、P11とP 11
とP12とか)でも、それぞれ3つとも異なるもの(例え
ば、P12とP15とP17とか)でもよいということを意味
するものである(「dが2以上の場合P2 は同一でも異
なってもよく」というのも、「bが2以上の場合、Zは
同一でも異なってもよい」というのもこれを同様なこと
を意味するものである)。
【0048】上記一般式(1)のAは正孔輸送性基を示
し、正孔輸送性を示すものであればいずれのものでもよ
く、P1 やZを水素原子に置き換えた水素付加化合物
(正孔輸送性化合物)として示せば、例えばオキサゾー
ル誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導
体、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導
体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセ
ン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)
プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリ
ン、フェニルヒドラゾン類、チアゾール誘導体、トリア
ゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、
ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオ
フェン誘導体及びN−フェニルカルバゾール誘導体等が
挙げられる。
【0049】更に、上記正孔輸送性化合物の中でも、下
記一般式(4)で示されるものが好ましい。
【0050】
【外24】
【0051】式中、R4 、R5 及びR6 は置換基を有し
てもよいメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基
等のC1 〜C10のアルキル基、置換基を有してもよいベ
ンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリ
ル基及びチエニル基等のアラルキル基及び置換基を有し
てもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェ
ナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル
基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、ガル
バゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベ
ンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチ
オフェニル基等のアリール基を示す。
【0052】但し、R4 、R5 及びR6 のうち少なくと
も二つはアリール基を示し、R4 、R5 及びR6 はそれ
ぞれ同一であっても異なっていてもよい。更に、その中
でもR4 、R5 及びR6 のすべてがアリール基であるも
のが特に好ましい。また、上記一般式(4)のR4 、R
5 及びR6 のうちの任意の二つは、それぞれ直接もしく
は結合基を介して結合してもよく、その結合基としては
メチル基、エチル基及びプロピレン基等のアルキレン
基、酸素原子及び硫黄原子等のヘテロ原子及びCH=C
H基等が挙げられる。
【0053】また、上記一般式(1)中のZは、置換基
を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいア
リーレン基、CR1 =CR2 (R1 及びR2 はアルキル
基、アリール基及び水素原子を示し、R1 及びR2 は同
一でも異なってもよい)、C=O、S=O、SO2 、酸
素原子及び硫黄原子より選ばれる一つあるいはこれらを
任意に組み合せた有機残基を示す。その中でも下記一般
式(2)で示されるものが好ましく、下記一般式(3)
で示されるものが特に好ましい。
【0054】
【外25】
【0055】上記一般式(2)中、X1 〜X3 は置換基
を有してもよいメチレン基、エチレン基及びプロピレン
基等のC1 〜C20のアルキレン基、(CR1 =CR2
m、C=O、S=O、SO2 、酸素原子及び硫黄原子を
示し、Ar1 及びAr2 は置換基を有してもよい2価の
アリーレン基(フェニレン、ナフタレン、アントラセ
ン、フェナンスレン、ピレン、ベンゾチオフェン、ピリ
ジン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェ
ノチアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベン
ゾフラン及びジベンゾチオフェン等より2個の水素原子
をとった基)を示す。
【0056】R1 及びR2 は、置換基を有してもよいメ
チル基、エチル基及びプロピル基等のアルキル基、置換
基を有してもよいフェニル基、ナフチル基及びチオフェ
ニル基等のアリール基及び水素原子を示し、R1 及びR
2 は同一でも異なってもよい。
【0057】mは1〜5の整数、p〜tは0〜10の整
数を示す(但し、p〜tは同時に0であることはな
い)。
【0058】上記一般式(3)中、X4 及びX5 は(C
2 )m′、(CH=CR3 )n′、C=O及び酸素原
子を示し、Ar3 は置換基を有してもよい2価のアリー
レン基(フェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェ
ナンスレン、ピレン、ベンゾチオフェン、ピリジン、キ
ノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジ
ン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン
及びジベンゾチオフェン等より2個の水素原子をとった
基)を示す。
【0059】R3 は置換基を有してもよいメチル基、エ
チル基及びプロピル基等のアルキル基、置換基を有して
もよいフェニル基、ナフチル基及びチオフェニル基等の
アリール基及び水素原子を示す。m′は1〜10の整
数、n′は1〜5の整数、u〜wは0〜10の整数を示
す(u〜wは0〜5の整数であることが特に好ましい。
但し、u〜wは同時に0であることはない)。
【0060】上記一般式(1)〜(4)のR1 〜R6
Ar1 〜Ar3 、X1 〜X5 及びZがそれぞれ有しても
よい置換基としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等
のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、メチル
基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル
基、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアル
コキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基等のアリールオ
キシ基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル
基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基、フ
ェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等
のアリール基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、
ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基及びジ(p−
トリル)アミノ基等の置換アミノ基及びスチリル基及び
ナフチルビニル基等のアリールビニル基等が挙げられ
る。
【0061】本発明における同一分子内に二つ以上の連
鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、酸化電位
が1.2(V)以下であることが好ましく、特には0.
4〜1.2(V)であることが好ましい。
【0062】酸化電位が1.2(V)を超えると電荷発
生材料よりの電荷(正孔)の注入が起こり難くく、残留
電位の上昇や感度悪化及び繰り返し使用時の電位変動が
大きくなる等の問題が生じ易くなる。また、酸化電位が
0.4(V)未満では、帯電能の低下等の問題の他に、
化合物自体が容易に酸化されるために劣化し易く、それ
に起因した感度悪化、画像ボケ及び繰り返し使用時の電
位変動が大きくなる等の問題が生じ易くなる。なお、酸
化電位は、以下の方法によって測定される。
【0063】(酸化電位の測定法)飽和カロメル電極を
参照電極とし、電解液に0.1N(n−Bu)4+
lO4 - アセトニトリル溶液を用い、ポテンシャルスイ
ーパによって作用電極(白金)に印加する電位をスイー
プし、得られた電流−電位曲線がピークを示した時の電
位を酸化電位とした。
【0064】詳しくは、サンプルを0.1N(n−B
u)4+ ClO4 - アセトニトリル溶液に5〜10m
mol%程度の濃度になるように溶解する。そして、こ
のサンプル溶液に作用電極によって電圧を加え、電圧を
低電位(0V)から高電位(+1.5V)に直線的に変
化させた時の電流変化を測定し、電流−電位曲線を得
る。この電流−電位曲線において電流値がピーク(ピー
クが複数ある場合には最初のピーク)を示した時の電位
を酸化電位とした。
【0065】以下に二つ以上の連鎖重合性官能基を有す
る正孔輸送性化合物の好ましい例を挙げるが、これらに
限定されるものではない。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】
【表8】
【0074】
【表9】
【0075】
【表10】
【0076】
【表11】
【0077】
【表12】
【0078】
【表13】
【0079】
【表14】
【0080】
【表15】
【0081】
【表16】
【0082】
【表17】
【0083】
【表18】
【0084】
【表19】
【0085】本発明に用いられる連鎖重合性官能基を有
する正孔輸送性化合物の代表的な合成例を以下に示す。
【0086】(合成例1:化合物No.6の合成)以下
のルートに従い合成した。
【0087】
【外26】
【0088】(50g:0.47mol)、(40
6g:1.4mol)、無水炭酸カリウム(193g)
及び銅粉(445g)を1,2−ジクロロベンゼン1.
2kgと共に180〜190℃で15時間加熱撹拌し
た。反応液を濾過後、減圧下で溶媒を除去し、残留物を
シリカゲルカラムを用いカラム精製を行いを132g
を得た。
【0089】(120g:0.28mol)をメチル
セルソルブ1.5kgに加え室温で撹拌しながらナトリ
ウムメチラート(150g)をゆっくり添加した。添加
終了後そのまま室温で1時間撹拌後、更に70〜80℃
で10時間加熱撹拌を行った。反応液を水にあけ希塩酸
で中和後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、減圧下で溶媒を除去した。残留物をシ
リカゲルカラムを用いカラム精製を行いを78g得
た。
【0090】(70g:0.2mol)及びトリエチ
ルアミン(40g:0.4mol)を、乾燥テトラヒド
ロフラン(THF)400mlに加え0〜5℃に冷却
後、塩化アクリロイル(55g:0.6mol)をゆっ
くり滴下した。滴下終了後ゆっくり室温に戻し、室温で
そのまま4時間撹拌を行った。反応液を水にあけ中和
後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラム
を用いカラム精製を行い(化合物No.6)を42g
得た(酸化電位:0.83V)。
【0091】(合成例2:化合物No.71の合成)上
記合成例1で得られた(10g:29mmol)を乾
燥THF50mlに加え0〜5℃に冷却後、油性水素化
ナトリウム(約60%)3.5gをゆっくり添加した。
添加終了後に室温に戻し1時間撹拌後、再び0〜5℃に
冷却しアリルブロマイド(17.5g:145mmo
l)をゆっくり滴下した。滴下終了後そのまま1時間撹
拌後、室温に戻し更に5時間撹拌を行った。反応液を水
にあけ中和後、トルエンで抽出し有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥後溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカ
ラムを用いカラム精製を行い、目的化合物(化合物N
o.71)を5.6g得た(酸化電位:0.81V)。
【0092】(合成例3:化合物No.55の合成)上
記合成例2で得られた化合物No.71 3.0gをジ
クロロメタン20mlに溶解後0〜5℃に冷却し、m−
クロロ過安息香酸(〜70%)5.2gをゆっくり添加
しそのまま1時間撹拌後、室温に戻し12時間撹拌を行
った。反応液を水にあけジクロロメタンで抽出を行っ
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を除去
し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行
い、目的化合物(化合物No.55)を2.1g得た
(酸化電位:0.81V)。
【0093】(合成例4:化合物No.31の合成)以
下のルートに従い合成した。
【0094】
【外27】
【0095】(40g:0.24mol)、(77
g:0.35mol)、無水炭酸カリウム(48.8
g)及び銅粉(75g)を1,2−ジクロロベンゼン2
50gと共に180〜190℃で10時間加熱撹拌し
た。反応液を濾過後、減圧下で溶媒を除去し、残留物を
シリカゲルカラムを用いカラム精製を行いを49g得
た。
【0096】ジメチルホルムアミド(DMF)242.
3gを0〜5℃に冷却後、オキシ塩化リン84.8gを
10℃を超えないようにゆっくり滴下した。滴下終了後
15分そのまま撹拌後、(24g:0.093mo
l)/DMF(135g)溶液をゆっくり滴下した。滴
下終了後そのまま30分撹拌後、室温に戻し2時間撹拌
し、更に80〜85℃に加熱し6時間撹拌を行った。反
応液を約15%の酢酸ナトリウム水溶液2kgにあけ1
2時間撹拌を行った。それを中和後、トルエンを用い抽
出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去
し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い
を16g得た。
【0097】乾燥THF100mlに水素化リチウムア
ルミニウム1.85gを加え室温で撹拌しているところ
へ、(15g:0.48mol)/乾燥THF(10
0ml)溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後室温で4
時間撹拌後、5%塩酸水溶液400mlをゆっくり滴下
した。滴下終了後トルエンで抽出し、有機層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物をシリカゲル
カラムを用いカラム精製を行い10を13g得た。
【0098】10(10g:0.03mol)及びトリ
エチルアミン(12g:0.12mol)を、乾燥TH
F150mlに加え0〜5℃に冷却後、塩化アクリロイ
ル(8.5g:0.09mol)をゆっくり滴下した。
滴下終了後ゆっくり室温に戻し、室温でそのまま4時間
撹拌を行った。反応液を水にあけ中和後、酢酸エチルで
抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除
去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を
行い11(化合物No.31)を5.6g得た(酸化電
位:0.93V)。
【0099】本発明においては、前記同一分子内に二つ
以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重
合、架橋させることで、その感光層中において、正孔輸
送能を有する化合物は少なくとも二つ以上の架橋点をも
って3次元架橋構造の中に共有結合を介して取り込まれ
る。前記正孔輸送性化合物は、それのみを重合、架橋さ
せる、あるいは他の連鎖重合性基を有する化合物と混合
させることのいずれもが可能であり、その種類/比率は
全て任意である。ここでいう他の連鎖重合性基を有する
化合物とは、連鎖重合性基を有する単量体、オリゴマー
及びポリマーのいずれもが含まれる。
【0100】正孔輸送性化合物の官能基とその他の連鎖
重合性化合物の官能基が、同一の基あるいは互いに重合
可能な基である場合には、両者は共有結合を介した共重
合3次元架橋構造をとることが可能である。両者の官能
基が互いに重合しない官能基である場合には、感光層は
少なくとも二つ以上の3次元硬化物の混合物あるいは主
成分の3次元硬化物中に他の連鎖重合性化合物単量体、
あるいはその硬化物を含んだものとして構成されるが、
その配合比率/製膜方法をうまくコントロールすること
で、IPN(Inter Penetrating N
etwork)、即ち、相互進入網目構造を形成するこ
とも可能である。
【0101】また、前記正孔輸送性化合物と連鎖重合性
基を有しない単量体、オリゴマー及びポリマーや連鎖重
合性以外の重合性基を有する単量体、オリゴマー及びポ
リマー等から感光層を形成してもよい。更に、場合によ
っては、3次元架橋構造に化学結合的に組み込まれな
い。即ち、連鎖重合性官能基を有しない正孔輸送性化合
物を含有することも可能である。また、その他の各種添
加剤、例えばフッ素原子含有樹脂微粒子等の滑剤等を含
有してもよい。
【0102】本発明の感光体は、支持体上に感光層とし
て電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質
を含有する電荷輸送層を、この順に積層した構成あるい
は逆に積層した構成、また電荷発生物質と電荷輸送物質
を同一層中に分散した単層からなる構成のいずれの構成
をとることも可能である。前者の積層型においては電荷
輸送層が二層以上の構成、また後者の単層型においては
電荷発生物質と電荷輸送物質を同一に含有する感光層上
に更に電荷輸送層を構成してもよく、更には電荷発生層
あるいは電荷輸送層上に保護層を形成することも可能で
ある。
【0103】これらいずれの場合においても、先の連鎖
重合性基を有する正孔輸送性化合物及び/あるいは前正
孔輸送性化合物を重合、架橋したものを感光層が含有し
ていればよい。但し、電子写真感光体としての特性、特
に残留電位等の電気的特性及び耐久性の点より、電荷発
生層及び電荷輸送層をこの順に積層した機能分離型感光
体構成が好ましく、本発明の利点も電荷輸送能を低下さ
せることなく表面層の高耐久化が可能になった点にあ
る。
【0104】電子写真感光体が有する支持体は、導電性
を有するものであればよい。例えばアルミニウム、銅、
クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属や合金
をドラム状またはシート状に成形したもの、アルミニウ
ム及び銅等の金属泊をプラスチックフィルムにラミネー
トしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫
等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質
を単独または結着樹脂と共に塗布して導電層を設けた金
属、プラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
【0105】本発明においては、支持体と感光層の間に
バリアー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることが
できる。下引き層は感光層の接着性改良、塗工性改良、
支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの電荷
注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保護等の
ために形成される。
【0106】下引き層の材料としては、ポリビニルアル
コール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレン
オキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共
重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化
6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチン等が
挙げられる。下引き層は、これらの材料をそれぞれに適
した溶剤に溶解した溶液を支持体上に塗布し、乾燥する
ことによって形成される。膜厚は、0.1〜2μmであ
ることが好ましい。
【0107】上述のように、積層型の感光層は、電荷発
生層及び電荷輸送層を有する。
【0108】電荷発生物質としては、セレン−テルル、
ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金
属及び結晶系、具体的には例えば、α、β、γ、ε及び
X型等の結晶型を有するフタロシアニン化合物、アント
アントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラント
ロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔
料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシア
ニン顔料、キノシアニン及び特開昭54−143645
号公報に記載のアモルファスシリコン等が挙げられる。
【0109】電荷発生層は、前記電荷発生物質を0.3
〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超
音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、
アドライダー及びロールミル等の方法でよく分散し、得
られた分散液を塗布し、乾燥することによって形成され
るか、前記電荷発生物質の蒸着膜等、単独組成の膜とし
て形成される。その膜厚は5μm以下であることが好ま
しく、特には0.1〜2μmであることが好ましい。
【0110】結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等の
ビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリ
エステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、
ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラ
ミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂等が挙げられ
る。
【0111】本発明における連鎖重合性官能基を有する
正孔輸送性化合物は、前述した電荷発生層上に電荷輸送
層として、もしくは電荷発生層上に電荷輸送物質と結着
樹脂からなる電荷輸送層を形成した後に正孔輸送能力を
有する表面保護層として用いることができる。この表面
保護層は正孔輸送能力を有するので、感光層の定義の範
囲内に含める。
【0112】いずれの場合も、前記正孔輸送性化合物を
含有する溶液を塗布後、重合/架橋反応させるのが好ま
しいが、前もって正孔輸送性化合物を含む溶液を反応さ
せて硬化物を得た後に、再度溶剤中に分散あるいは溶解
させたもの等を用いて、表面層を形成することも可能で
ある。
【0113】連鎖重合性基を有する正孔輸送性化合物を
電荷輸送層として用いた場合の正孔輸送性化合物の量
は、硬化後の電荷輸送層の全重量に対して、正孔輸送性
基(例えば一般式(1)中のA)の水素付加物が20重
量%以上、好ましくは40重量%以上含有されているこ
とが好ましい。20重量%に満たないと電荷輸送能が低
下し、感度の低下及び残留電位の上昇等の問題点が生じ
易くなる。電荷輸送層の膜厚は、1〜50μmであるこ
とが好ましく、特には3〜30μmであることが好まし
い。
【0114】正孔輸送性化合物を電荷発生層/電荷輸送
層上の表面保護層として用いた場合、その下層に当たる
電荷輸送層は適当な電荷輸送物質、例えばポリ−N−ビ
ニルカルバゾール及びポリスチリルアントラセン等の複
素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾ
リン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール及び
カルバゾール等の複素環化合物、トリフェニルメタン等
のトリアリールアルカン誘導体、トリフェニルアミン等
のトリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導
体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導
体及びヒドラジン誘導体等の低分子化合物等を適当な結
着樹脂(前述の電荷発生層用樹脂の中から選択できる)
と共に溶剤に分散/溶解した溶液を塗布し、乾燥するこ
とによって形成することができる。
【0115】この場合の電荷輸送物質と結着樹脂の比率
は、両者の全重量を100とした場合に電荷輸送物質の
重量が30〜100であることが好ましく、特には50
〜100であることが好ましい。電荷輸送物質の量が3
0に満たないと、電荷輸送能が低下し、感度の低下及び
残留電位の上昇等の問題点が生じ易くなる。電荷輸送層
の膜厚は、上層の表面保護層と合わせた総膜厚が1〜5
0μmとなることが好ましく、特には5〜30μmであ
ることが好ましい。
【0116】本発明においては上述のいずれの場合にお
いても、連鎖重合性基を有する正孔輸送性化合物の硬化
物を含有する感光層に、前記電荷輸送物質を含有するこ
とが可能である。
【0117】単層型感光層の場合は、正孔輸送性化合物
と電荷発生物質の両方を含有する溶液を重合/架橋する
ことによって形成するか、電荷発生物質及び電荷輸送物
質を含有する単層型感光層上に正孔輸送性化合物を含有
する溶液を塗布後、重合/架橋することによって形成す
る。
【0118】本発明における感光層には、各種添加剤を
添加することができる。添加剤とは酸化防止剤及び紫外
線吸収剤等の劣化防止剤や、フッ素原子含有樹脂微粒子
等の潤滑剤その他である。
【0119】上記各層用の溶液を塗布する方法として
は、例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング
法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法
等が挙げられるが、効率性/生産性の点からは浸漬コー
ティング法が好ましい。また、蒸着、プラズマ、その他
の公知の製膜方法が適宜選択できる。
【0120】本発明においては、熱または光を用いて正
孔輸送性化合物の重合または架橋を行う。
【0121】熱により重合反応を行う際には、熱エネル
ギーのみで重合反応が進行する場合と重合開始剤が必要
となる場合があるが、より低い温度で効率よく反応を進
行させるためには、開始剤を添加することが好ましい。
【0122】この場合に用いられる重合開始剤として
は、室温以上で半減期を有するものであればよく、その
具体例は過硫酸アンモン、ジクミルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイ
ド、t−ブチルハイドロパーオキサイド及びジt−ブチ
ルパーオキサイド等の過酸化物やアゾビスブチロニトリ
ル等のアゾ系化合物等である。添加量は連鎖重合性基を
有する化合物100重量部に対して0.01〜10重量
部程度であり、開始剤に応じて反応系の温度は室温〜2
00℃の間で適宜選択できる。
【0123】本発明においては、光として紫外線を用い
ることが好ましいが、光を用いた場合は、光エネルギー
のみで反応が進行することはごく稀であり、一般には光
重合開始剤が併用される。
【0124】この場合の重合開始剤とは、主には波長4
00nm以下の紫外線を吸収してラジカルやイオン等の
活性種を生成し、重合を開始させるものを指すが、それ
らの具体例はアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾフェ
ノン及びチオキサンソン系等のラジカル重合開始剤、ま
たジアゾニウム化合物、スルフォニウム化合物、ヨード
ニウム化合物及び金属錯体化合物等のイオン重合開始剤
等である。ただ近年では、波長400nm以上で赤外/
可視領域の光を吸収して先の活性種を生成する重合開始
剤も発表されており、それらの利用も可能である。開始
剤の添加量は連鎖重合性基を有する化合物100重量部
に対して0.01〜50重量部程度である。
【0125】なお、本発明においては、上述した熱及び
光重合開始剤を併用することも可能である。
【0126】図1に本発明の電子写真感光体を有するプ
ロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を
示す。図1において、1はドラム状の本発明の電子写真
感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で
回転駆動される。感光体1は、回転過程において、一次
帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均
一帯電を受け、次いでスリット露光やレーザービーム走
査露光等の露光手段(不図示)からの露光光4を受け
る。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成され
て行く。
【0127】形成された静電潜像は、次いで現像手段5
によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不
図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体
1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7に、転
写手段6により順次転写されていく。像転写を受けた転
写材7は、感光体面から分離されて像定着手段8へ導入
されて像定着を受けることにより複写物(コピー)とし
て装置外へプリントアウトされる。
【0128】像転写後の感光体1の表面は、クリーニン
グ手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面
化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10
により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用され
る。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接
触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではな
い。
【0129】本発明においては、上述の電子写真感光体
1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段
9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリ
ッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカート
リッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写
真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例え
ば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段
9の少なくとも一つを感光体1と共に一体に支持してカ
ートリッジ化して、装置本体のレール12等の案内手段
を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ1
1とすることができる。
【0130】また、露光光4は、電子写真装置が複写機
やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過
光、あるいはセンサーで原稿を読取り、信号化し、この
信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDア
レイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照
射される光である。
【0131】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、レーザービームプリンター、C
RTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及
びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いるこ
とができる。
【0132】以下、実施例に従って説明する。実施例
中、「部」は重量部を表す。
【0133】(実施例1)まず、導電層用の塗料を以下
の手順で調製した。10%の酸化アンチモンを含有する
酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部、フェ
ノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノー
ル5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン
ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)
0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミ
ル装置で2時間分散して調製した。この塗料をφ30m
mのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布
し、140℃で30分乾燥して、膜厚20μmの導電層
を形成した。
【0134】次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部
をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調製し
た。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法に
よって塗布し、100℃で20分間乾燥して、0.6μ
mの中間層を形成した。
【0135】次に下記構造式(A)のビスアゾ顔料5
部、ポリビニルブチラール樹脂2部及びシクロヘキサノ
ン60部を、φ1mmガラスビーズを用いたサンドミル
装置で24時間分散し、更にテトラヒドロフラン60部
を加えて電荷発生層用塗料とした。この塗料を前記の中
間層の上に浸漬コーティング法で塗布して、100℃で
15分間乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成
した。
【0136】
【外28】
【0137】次いで、化合物例No.6の正孔輸送性化
合物60部及び下記構造式(B)の光重合開始剤0.6
【0138】
【外29】 をモノクロロベンゼン30部/ジクロロメタン30部の
混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗料を調製した。こ
の塗料を前記電荷発生層上にコーティングし、メタルハ
ライドランプを用いて500mW/cm2 の光強度で3
0秒間硬化させることによって、膜厚15μmの電荷輸
送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0139】作製した電子写真感光体について、経時析
出性、電子写真特性及び耐久性を評価した。経時析出性
については、複写機用のウレタンゴム製のクリーニング
ブレードを感光体表面に圧接し、75℃で保存し析出性
に対する加速試験を行った。評価は14日後に感光体表
面を顕微鏡により観察し析出の有無を判定した。析出の
ない場合は、更に30日後まで試験を継続した。
【0140】電子写真特性及び耐久性は、この感光体を
キヤノン(株)製LBP−SXに装着して評価した。初
期の感光体特性〔暗部電位Vd、光減衰感度(暗部電位
−700V設定で−150Vに光減衰させるために必要
な光量)及び残留電位Vsl(光減衰感度の光量の3倍
の光量を照射した時の電位)〕を測定し、更に1000
0枚の通紙耐久試験を行い、目視による画像欠陥の発生
の有無の観察、感光体の削れ量及び耐久後の前記感光体
特性を測定し、各々の変化値ΔVd、ΔVl(初期のV
lと、初期にVlを−150Vにするのに必要な光量と
同量の光量を耐久後に照射した時のVlとの差)及びΔ
Vslを求めた。
【0141】結果を表1に示すが、本発明の感光体では
析出は発生せず、また感光体特性が良好であり、耐久で
の削れ量が少なく、かつ耐久においても感光体特性には
ほとんど変化が見られないというように、非常に安定し
た良好な特性を示している。
【0142】(実施例2〜11)正孔輸送性化合物N
o.6を下表に示した化合物に変えた以外は、実施例1
と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を第
1表に示す。
【0143】(実施例12〜14)正孔輸送性化合物N
o.6を下表に示した化合物に変え、構造式(B)の光
重合開始剤を下記構造式(C)の光重合開始剤とした以
外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、
評価した。結果を第1表に示す。
【0144】
【外30】
【0145】
【表20】
【0146】(実施例15)正孔輸送性化合物No.6
を正孔輸送性化合物No.117に変え、構造式(B)
の光重合開始剤の量を0.3部とし、更に構造式(C)
の光重合開始剤を0.3部用いた以外は、実施例1と同
様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を第
1表に示す。
【0147】(実施例16)実施例1において構造式
(B)の光重合開始剤を下記構造式(D)の熱重合開始
剤とし、紫外線硬化の代りに140℃で1時間の熱硬化
とした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を
作製し、評価した。結果を第1表に示す。
【0148】
【外31】
【0149】(実施例17)正孔輸送性化合物No.6
を正孔輸送性化合物No.71とした以外は、実施例1
6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結
果を第1表に示す。
【0150】(実施例18)正孔輸送性化合物No.6
を正孔輸送性化合物No.112とした以外は、実施例
16と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
結果を第1表に示す。
【0151】(実施例19)正孔輸送性化合物No.6
の量を48部とし、更に下記構造式(E)のアクリルモ
ノマーを12部添加した以外は、実施例1と同様にして
電子写真感光体を作製し、評価した。結果を第1表に示
す。
【0152】
【外32】
【0153】(実施例20)正孔輸送性化合物No.5
5の量を48部とし、更に下記構造式(F)のエポキシ
モノマーを12部添加した以外は、実施例12と同様に
して電子写真感光体を作製し、評価した。結果を第1表
に示す。
【0154】
【外33】
【0155】(実施例21)正孔輸送性化合物No.6
の量を48部とし、更に下記構造式(G)のアクリルオ
リゴマー(数平均分子量約2000)を12部添加した
以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
し、評価した。結果を第1表に示す。
【0156】
【外34】
【0157】(実施例22)正孔輸送性化合物No.6
の量を48部とし、構造式(E)のアクリルモノマーを
12部添加した以外は、実施例16と同様にして電子写
真感光体を作製し、評価した。結果を第1表に示す。
【0158】(実施例23)実施例1と同様にして電荷
発生層を形成した後、下記構造式(H)のスチリル化合
物20部、
【0159】
【外35】 及び下記構造式(I)の繰り返し単位を有するポリカー
ボネート樹脂(数平均分子量20000)10部
【0160】
【外36】 をモノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン20部の
混合溶媒中に溶解して調製した電荷輸送層用塗料を用い
て、前記電荷発生層上に電荷輸送層を形成した。この時
の電荷輸送層の膜厚は10μmであった。
【0161】次いで、正孔輸送性化合物No.6を60
部及び構造式(B)の光重合開始剤0.6部を、モノク
ロロベンゼン50部/ジクロロメタン50部の混合溶媒
中に溶解し、表面保護層用塗料を調製した。
【0162】この塗料をスプレーコーティング法により
先の電荷輸送層上に塗布し、メタルハライドランプを用
いて500mW/cm2 の光強度で30秒間硬化させる
ことによって、膜厚5μmの表面保護層を形成し、電子
写真感光体を得た。この感光体を実施例1と同様に評価
した。結果を第1表に示す。
【0163】(実施例24)正孔輸送性化合物No.6
の代りに正孔輸送性化合物No.55を、構造式(B)
の光重合開始剤の代りに構造式(C)の光重合開始剤を
用いた以外は、実施例23と同様にして電子写真感光体
を作製し、評価した。結果を第1表に示す。
【0164】(実施例25)正孔輸送性化合物No.6
の量を30部とし、更に構造式(E)のアクリルモノマ
ー30部を添加した以外は、実施例23と同様にして電
子写真感光体を作製し、評価した。結果を第1表に示
す。
【0165】(実施例26)正孔輸送性化合物No.5
5の量を30部とし、構造式(F)のエポキシモノマー
30部を添加した以外は、実施例24と同様にして電子
写真感光体を作製し、評価した。結果を第1表に示す。
【0166】(実施例27)構造式(E)のアクリルモ
ノマーの代りに構造式(G)のアクリルオリゴマーを用
いた以外は、実施例25と同様にして電子写真感光体を
作製し、評価した。結果を第1表に示す。
【0167】
【表21】
【0168】(比較例1)実施例1と同様にして電荷発
生層まで形成した。
【0169】次いで、構造式(H)のスチリル化合物1
5部及び下記構造式(J)の繰り返し単位を有するポリ
メチルメタクリレート樹脂(数平均分子量40000)
15部をモノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン2
0部の混合溶媒中に溶解して調製した電荷輸送層用塗料
を用いて、前記電荷発生層上に電荷輸送層を形成した。
この時の電荷輸送層の膜厚は15μmであった。
【0170】
【外37】
【0171】この電子写真感光体を実施例1と同様にし
て評価した結果、14日後に析出が見られた。一方、初
期の電子写真特性は良好であったが、耐久での表面層の
削れ量が多く、かぶり、傷等の画像欠陥が発生してい
る。更に8000枚以降は削れによって電荷輸送層の膜
厚が薄くなり、帯電不良が発生し、画像形成が不可能と
なった。結果を第2表に示す。
【0172】(比較例2)構造式(J)で示されるポリ
メチルメタクリレート樹脂のかわりに構造式(I)で示
されるポリカーボネート樹脂(数平均分子量2000
0)を用いた以外は、比較例1と同様にして電子写真感
光体を作製し、評価した。その結果、30日後に析出が
観察された。また、ポリメチルメタクリレート樹脂の場
合に比べて、耐久性は若干向上したものの十分ではな
く、やはり耐久後の画像欠陥は発生した。結果を第2表
に示す。
【0173】(比較例3)構造式(H)のスチリル化合
物を10部、構造式(I)のポリカーボネート樹脂を1
5部とした以外は、比較例2と同様にして電子写真感光
体を作製し、評価した。その結果、比較例2に比べて耐
久性は向上したものの、電荷輸送物質間の距離が広がっ
たことによって電荷輸送能が低下し、感度低下及び残留
電位の上昇が見られた。その結果、画像においてはゴー
ストの発生が見られた。結果を第2表に示す。
【0174】(比較例4)実施例23と同様にして電荷
輸送層まで形成した。
【0175】次いで、構造式(H)で示されるスチリル
化合物10部及び構造式(I)で示されるポリカーボネ
ート樹脂15部をモノクロロベンゼン50部/ジクロロ
メタン30部の混合溶媒中に溶解し、表面保護層用塗料
を調製した。この塗料をスプレーコーティング法により
先の電荷輸送層上に塗布し、120℃で1時間乾燥し、
5μmの表面保護層を形成した。
【0176】この感光体を実施例23と同様にして評価
した結果、電荷輸送能の高い電荷輸送層が下層にあるた
めに感度低下、残留電位上昇は見られず画像ゴーストの
発生もなかったが、耐久後の画像にはまだ傷/かぶりが
発生しており、十分な耐久性は確保できなかった。結果
を第2表に示す。
【0177】(比較例5)正孔輸送性化合物No.6の
代りに、特開平5−216249号公報に開示されてい
る下記構造式(K)の化合物を用いた以外は、実施例1
と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。その
結果、初期の電子写真特性は良好であったが、実施例1
に比較して耐久性が大幅に低下した。結果を第2表に示
す。
【0178】
【外38】
【0179】(比較例6)正孔輸送性化合物No.6の
かわりに、構造式(K)の化合物を用いた以外は、実施
例19と同様にして電子写真感光体を作製し、評価し
た。その結果、初期の電子写真特性は良好であったが、
実施例19と比較して耐久性が大幅に低下した。結果を
第2表に示す。
【0180】(比較例7)実施例1と同様にして電荷発
生層までを形成した。
【0181】次いで、特開平8−248649号公報の
P10〜11に記載されている製造法に従って合成した
下記構造式(L)のポリカーボネート樹脂(数平均分子
量20000)20部をテトラヒドロフラン80部に溶
解して調製した電荷輸送層用塗料を用いて、前記電荷発
生層上に電荷輸送層を形成した。
【0182】この電荷輸送層の膜厚は15μmであっ
た。この電子写真感光体を実施例1と同様に評価した結
果、比較例1及び2に比較して機械的強度は向上したも
のの、十分な耐久性が確保できなかった。結果を第2表
に示す。
【0183】
【外39】
【0184】
【表22】
【0185】
【発明の効果】以上のように、本発明の電子写真感光体
は耐析出性、耐摩耗性及び耐傷性に優れた効果を有す
る。更に、感度や残留電位等の電子写真特性も非常に良
好であり、また繰り返し使用時にも安定した性能を発揮
することができる。
【0186】また、電子写真感光体の効果は、電子写真
感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
においても当然に発揮され、長期間高画質が維持され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光層を有する電子写真感光
    体において、該感光層が、同一分子内に二つ以上の連鎖
    重合性官能基を有する正孔輸送性化合物及び該正孔輸送
    性化合物を熱または光を用いて重合あるいは架橋するこ
    とにより硬化した化合物の少なくとも一方を含有するこ
    とを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 正孔輸送性化合物が、下記一般式(1)
    で示される請求項1記載の電子写真感光体。 【外1】 (式中、Aは正孔輸送性基を示す。P1 及びP2 は連鎖
    重合性官能基を示す。P1 とP2 は同一でも異なっても
    よい。Zは置換基を有してもよい有機残基を示し、Yは
    水素原子を示す。a、b及びdは、0または1以上の整
    数を示す。但し、a=0の場合はb+dは3以上の整
    数、bまたはdが0の場合はaは2以上の整数、その他
    の場合はa+b+dは3以上の整数を示す。また、aが
    2以上の場合P1 は同一でも異なってもよく、dが2以
    上の場合P2 は同一でも異なってもよく、またbが2以
    上の場合、Zは同一でも異なってもよい)
  3. 【請求項3】 Zが、置換基を有してもよいアルキレン
    基、置換基を有してもよいアリーレン基、CR1 =CR
    2 (R1 及びR2 は置換基を有してもよいアルキル基、
    置換基を有してもよいアリール基及び水素原子を示し、
    1 及びR2は同一でも異なってもよい)、C=O、S
    =O、SO2 、酸素原子及び硫黄原子より選ばれる一つ
    あるいはこれらを任意に組み合わせた有機残基を示す請
    求項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 Zが、下記一般式(2)で示される請求
    項2または3記載の電子写真感光体。 【外2】 (式中、X1 〜X3 は置換基を有してもよいアルキレン
    基、(CR1 =CR2 )m、C=O、S=O、SO2
    酸素原子及び硫黄原子を示し、Ar1 及びAr2は置換
    基を有してもよいアリーレン基を示す。R1 及びR2
    置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよ
    いアリール基及び水素原子を示し、R1 及びR2 は同一
    でも異なってもよい。mは1〜5の整数、p〜tは0〜
    10の整数を示す。但し、p〜tは同時に0であること
    はない)
  5. 【請求項5】 Zが、下記一般式(3)で示される請求
    項2〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。 【外3】 (式中、Ar3 は置換基を有してもよいアリーレン基を
    示す。X4 及びX5 は(CH2 )m′、(CH=CR
    3 )n′、C=O及び酸素原子を示す。R3 は置換基を
    有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリー
    ル基及び水素原子を示し、m′は1〜10の整数、n′
    は1〜5の整数、u〜wは0〜10の整数を示す。但
    し、u〜wは同時に0であることはない)
  6. 【請求項6】 AのP1 及びZとの結合部位を水素原子
    に置き換えた水素付加物が、下記一般式(4)で示され
    る請求項2〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。 【外4】 (式中、R4 、R5 及びR6 は置換基を有してもよいア
    ルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基及び置換
    基を有してもよいアリール基を示す。但し、少なくとも
    そのうち二つはアリール基を示す。また、R4 、R5
    びR6 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい)
  7. 【請求項7】 R4 、R5 及びR6 の全てが、置換基を
    有してもよいアリール基である請求項6記載の電子写真
    感光体。
  8. 【請求項8】 P1 及びP2 の少なくとも一方が、下記
    一般式(5)で示される不飽和重合性官能基である請求
    項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体。 【外5】 (式中、Eは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有して
    もよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル
    基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニト
    ロ基、アルコキシ基、−COOR7 (R7 は水素原子、
    ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換
    基を有してもよいアラルキル基及び置換基を有してもよ
    いアリール基)及びCONR89 (R8 及びR9 は水
    素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル
    基、置換基を有してもよいアラルキル基及び置換基を有
    してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異
    なっていてもよい)を示し、Wは置換基を有してもよい
    アリーレン基、置換基を有してもよいアルキレン基、−
    COO−、−C−、−O−、−OO−、−S−及び−C
    ONR10−(R10は水素原子、ハロゲン原子、置換基を
    有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラル
    キル基及び置換基を有してもよいアリール基)を示す。
    fは0または1を示す)
  9. 【請求項9】 P1 及びP2 の少なくとも一方が、下記
    一般式(6)で示される環状エーテル基である請求項1
    〜7のいずれかに記載の電子写真感光体。 【外6】 (式中、R11及びR12は水素原子、置換基を有してもよ
    いアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基及び
    置換基を有してもよいアリール基を示し、gは1〜10
    の整数を示す)
  10. 【請求項10】 P1 及びP2 の少なくとも一方が、下
    記一般式(7)で示される脂環式エポキシ基である請求
    項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体。 【外7】 (式中、R13及びR14は水素原子、置換基を有してもよ
    いアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基及び
    置換基を有してもよいアリール基を示し、hは0〜10
    の整数を示す)
  11. 【請求項11】 P1 及びP2 の少なくとも一方が、下
    記式(8)〜(14)のいずれかで示される請求項1〜
    7のいずれかに記載の電子写真感光体。 【外8】
  12. 【請求項12】 P1 及びP2 の少なくとも一方が、式
    (8)及び(9)のいずれかである請求項11記載の電
    子写真感光体。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の電
    子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリーニン
    グ手段からなる群より選ばれた少なくともひとつの手段
    を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるこ
    とを特徴とするプロセスカートリッジ。
  14. 【請求項14】 請求項1〜12のいずれかに記載の電
    子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転
    写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
  15. 【請求項15】 支持体上に感光層を形成する電子写真
    感光体の製造方法において、同一分子内に二つ以上の連
    鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を熱または光
    を用いて重合あるいは架橋することにより硬化する工程
    を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  16. 【請求項16】 正孔輸送性化合物が、下記一般式
    (1)で示される請求項15記載の電子写真感光体の製
    造方法。 【外9】 (式中、Aは正孔輸送性基を示す。P1 及びP2 は連鎖
    重合性官能基を示す。P1 とP2 は同一でも異なっても
    よい。Zは置換基を有してもよい有機残基を示し、Yは
    水素原子を示す。a、b及びdは、0または1以上の整
    数を示す。但し、a=0の場合はb+dは3以上の整
    数、bまたはdが0の場合はaは2以上の整数、その他
    の場合はa+b+dは3以上の整数を示す。また、aが
    2以上の場合P1 は同一でも異なってもよく、dが2以
    上の場合P2 は同一でも異なってもよく、またbが2以
    上の場合、Zは同一でも異なってもよい)
  17. 【請求項17】 Zが、置換基を有してもよいアルキレ
    ン基、置換基を有してもよいアリーレン基、CR1 =C
    2 (R1 及びR2 は置換基を有してもよいアルキル
    基、置換基を有してもよいアリール基及び水素原子を示
    し、R1 及びR2 は同一でも異なってもよい)、C=
    O、S=O、SO2 、酸素原子及び硫黄原子より選ばれ
    る一つあるいはこれらを任意に組み合わせた有機残基を
    示す請求項16記載の電子写真感光体の製造方法。
  18. 【請求項18】 Zが、下記一般式(2)で示される請
    求項17または18記載の電子写真感光体の製造方法。 【外10】 (式中、X1 〜X3 は置換基を有してもよいアルキレン
    基、(CR1 =CR2 )m、C=O、S=O、SO2
    酸素原子及び硫黄原子を示し、Ar1 及びAr2は置換
    基を有してもよいアリーレン基を示す。R1 及びR2
    置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよ
    いアリール基及び水素原子を示し、R1 及びR2 は同一
    でも異なってもよい。mは1〜5の整数、p〜tは0〜
    10の整数を示す。但し、p〜tは同時に0であること
    はない)
  19. 【請求項19】 Zが、下記一般式(3)で示される請
    求項16〜18のいずれかに記載の電子写真感光体の製
    造方法。 【外11】 (式中、Ar3 は置換基を有してもよいアリーレン基を
    示す。X4 及びX5 は(CH2 )m′、(CH=CR
    3 )n′、C=O及び酸素原子を示す。R3 は置換基を
    有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリー
    ル基及び水素原子を示し、m′は1〜10の整数、n′
    は1〜5の整数、u〜wは0〜10の整数を示す。但
    し、u〜wは同時に0であることはない)
  20. 【請求項20】 AのP1 及びZとの結合部位を水素原
    子に置き換えた水素付加物が、下記一般式(4)で示さ
    れる請求項16〜19のいずれかに記載の電子写真感光
    体の製造方法。 【外12】 (式中、R4 、R5 及びR6 は置換基を有してもよいア
    ルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基及び置換
    基を有してもよいアリール基を示す。但し、少なくとも
    そのうち二つはアリール基を示す。また、R4 、R5
    びR6 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい)
  21. 【請求項21】 R4 、R5 及びR6 の全てが、置換基
    を有してもよいアリール基である請求項20記載の電子
    写真感光体の製造方法。
  22. 【請求項22】 P1 及びP2 の少なくとも一方が、下
    記一般式(5)で示される不飽和重合性官能基である請
    求項15〜21のいずれかに記載の電子写真感光体の製
    造方法。 【外13】 (式中、Eは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有して
    もよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル
    基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニト
    ロ基、アルコキシ基、−COOR7 (R7 は水素原子、
    ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換
    基を有してもよいアラルキル基及び置換基を有してもよ
    いアリール基)及びCONR89 (R8 及びR9 は水
    素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル
    基、置換基を有してもよいアラルキル基及び置換基を有
    してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異
    なっていてもよい)を示し、Wは置換基を有してもよい
    アリーレン基、置換基を有してもよいアルキレン基、−
    COO−、−C−、−O−、−OO−、−S−及び−C
    ONR10−(R10は水素原子、ハロゲン原子、置換基を
    有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラル
    キル基及び置換基を有してもよいアリール基)を示す。
    fは0または1を示す)
  23. 【請求項23】 P1 及びP2 の少なくとも一方が、下
    記一般式(6)で示される環状エーテル基である請求項
    15〜21のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方
    法。 【外14】 (式中、R11及びR12は水素原子、置換基を有してもよ
    いアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基及び
    置換基を有してもよいアリール基を示し、gは1〜10
    の整数を示す)
  24. 【請求項24】 P1 及びP2 の少なくとも一方が、下
    記一般式(7)で示される脂環式エポキシ基である請求
    項15〜21のいずれかに記載の電子写真感光体の製造
    方法。 【外15】 (式中、R13及びR14は水素原子、置換基を有してもよ
    いアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基及び
    置換基を有してもよいアリール基を示し、hは0〜10
    の整数を示す)
  25. 【請求項25】 P1 及びP2 の少なくとも一方が、下
    記式(8)〜(14)のいずれかで示される請求項15
    〜21のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。 【外16】
  26. 【請求項26】 P1 及びP2 の少なくとも一方が、式
    (8)及び(9)のいずれかである請求項25記載の電
    子写真感光体の製造方法。
  27. 【請求項27】 重合及び架橋が放射線により行われる
    ことを特徴とする請求項15〜26のいずれかに記載の
    電子写真感光体の製造方法。
  28. 【請求項28】 光が紫外線である請求項27に記載の
    電子写真感光体の製造方法。
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