JP5418895B2 - 現像装置、並びに、これを備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記フィルタ部材は、上記上流側磁極により形成される磁界によって穂立ちした二成分現像剤が接触する位置に配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、潜像担持体と対向する現像領域で鉛直方向下側から上側に向かって表面が移動するように回転駆動する円筒状の現像剤担持体と、該現像剤担持体の内部に固定配置され、現像剤担持体表面移動方向に沿って配置される複数の磁極を備えた磁界発生手段と、該現像剤担持体の表面が潜像担持体の表面と対向するように現像剤担持体表面移動方向における現像剤担持体表面の一部分を露出させるための現像用開口を備え、内部にトナーと磁性キャリアとを含んだ二成分現像剤を収容するケーシングとを備えた現像装置において、上記磁界発生手段は、現像領域を通過した二成分現像剤を上記現像剤担持体の表面から離脱させるための磁界を発生させる互いに隣接した同極性である2つの磁極を備えており、上記ケーシングは、トナー及び磁性キャリアの通過を阻止しつつ気体を通過させるフィルタ部材が設けられた貫通孔を備えており、上記貫通孔の現像剤担持体表面移動方向の位置は、上記現像剤担持体の回転中心軸に対して直交する仮想平面上で、上記2つの磁極のうちの現像剤担持体表面移動方向上流側に位置する上流側磁極による法線方向磁束密度が現像剤担持体表面上で最大となる地点と該現像剤担持体の回転中心軸とを結ぶ仮想直線を引いたときに、該仮想直線とケーシング内壁との交差点がケーシング内壁上における該貫通孔の開口内となる位置であり、上記フィルタ部材は、上記上流側磁極により形成される磁界によって穂立ちした二成分現像剤が接触する位置に配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、上記フィルタ部材は、そのケーシング内部側を向く面が鉛直方向下側を向くように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置において、上記貫通孔は、現像剤担持体回転軸方向で対称となるように複数個設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置において、上記フィルタ部材は、繊維材料で構成されており、非繊維材料で構成され、該繊維材料の通過を阻止し得るメッシュ部材を、上記貫通孔を塞ぐように該フィルタ部材よりもケーシング内部側に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の現像装置において、上記メッシュ部材の空間率は、36%以上であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の現像装置において、上記トナーとして、平均円形度が0.90以上のものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像装置において、上記トナーとして、体積平均粒径Dvが3μm以上8μm以下の範囲内であり、体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)が1.00以上1.40以下の範囲内であるものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置において、上記トナーとして、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、潜像担持体の表面に形成された潜像を現像装置により現像剤を用いて現像することで得られるトナー像を、最終的に記録材上へ転写させることにより、記録材上に画像を形成する画像形成装置において、上記現像装置として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、潜像担持体の表面に形成された潜像を現像装置により現像剤を用いて現像することで得られるトナー像を、最終的に記録材上へ転写させることにより、記録材上に画像を形成する画像形成装置に対して着脱自在に構成され、少なくとも潜像担持体及び現像装置を一体的に支持したプロセスカートリッジにおいて、上記現像装置として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
図1は、本実施形態に係るプリンタ100の構成を示す概略図である。
プリンタ100は、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成する画像形成装置である。
このプリンタ100は、潜像担持体として4つの感光体1Y,1C,1M,1Kを備えている。各感光体1Y,1C,1M,1Kは、それぞれ中間転写体としての中間転写ベルト6aに接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体1Y,1C,1M,1Kは、それぞれ中間転写ベルト6aに接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。
なお、画像形成ユニット2Y,2C,2M,2Kにおける各感光体1Y,1C,1M,1K周りの構成はすべて同じであるため、図2以降の図では符号の後部に付すY、M、C、Kという添字を省略している。また、画像形成ユニット2は、プリンタ100本体に対して着脱可能な構成となっている。
感光体1の周りには、その表面移動方向に沿って、潜像を可視化してトナー像を形成する現像装置30、感光体1に潤滑剤を塗布する潤滑剤の塗布装置21、感光体1上の残留トナーをクリーニングするクリーニング装置7、感光体1を帯電させる帯電装置3の順に配置されている。
また、この潤滑剤の塗布装置21は、クリーニング装置7内にクリーニング手段であるクリーニングブレード7aと共に設けても良い。これによって、ブラシ状ローラ21aで感光体1を摺擦することでブラシに付着するトナーを潤滑剤成型体21b又はフリッカーで振り落としたトナーを容易に回収することができる。
また、帯電装置3は、感光体1に対向配置される帯電部材としての帯電ローラ3aと、帯電ローラ3aが感光体1と対向する面と反対側の面に当接するように配置される帯電クリーニング部材3bとからなる。
また、支持ローラ6dに張架された中間転写ベルト6aの部分には、二次転写ローラ6gが接触して配置されている。この中間転写ベルト6aと二次転写ローラ6gとの間には二次転写領域が形成され、この部分に、所定のタイミングで記録部材としての転写紙が送り込まれるようになっている。この転写紙は、露光装置4の図中下側にある給紙カセット9内に収容されており、ピックアップローラ10、レジストローラ対11等によって、二次転写領域まで搬送される。そして、中間転写ベルト6a上に重ね合わされたトナー像は、二次転写領域において、転写紙上に一括して転写される。この二次転写時には、二次転写ローラ6gに正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト6a上のトナー像が転写紙上に転写される。
図3は、本実施形態における現像装置30と感光体1とを現像ローラ回転軸方向から見たときの概略構成を示す説明図である。
現像装置30は、現像ケーシング36の現像用開口から現像ローラ5が部分的に露出している。現像剤収容部17内には、現像ローラ5の下方、現像ローラ5の回転軸と平行な回転軸を有する第1現像剤攪拌搬送部材としての第1搬送スクリュ13が設置されている。また、第1搬送スクリュ13と同じ高さとなる位置で、第1搬送スクリュ13の回転軸と平行な回転軸を有する第2攪拌スクリュ14が設置されている。
現像ローラ305の上方に設置されたケーシング336に、壁部335と貫通孔331とが設けられている。壁部335は、現像ローラ305のP2極を通過してP3極からP4極に至る領域近傍を覆うように、現像ローラ305の表面に対向して設置されている。貫通孔331は、現像ローラ305に対して壁部335を介した位置であって、現像剤Gに埋没しない現像剤収容部の上方の位置に、装置外に通ずるように設けられている。貫通孔331には、貫通孔331を覆うようにフィルタ部材332が設置されている。フィルタ部材332は、装置内側から進入するトナーを捕集して空気を装置外側に通過させる。この現像装置においては、現像装置の現像用開口から現像ローラ305とケーシング336との間を通じて貫通孔331に至る気体の流路(図16中の破線矢印で示す流路)が確保される。しかし、この現像装置で形成される気体の流路の全長が長いために、気体の流路の入口部分(現像用開口から現像ローラ305とケーシング336との間を通る部分)では大きな吸い込み気流が発生していても、貫通孔331に至るころにはその勢いが小さくなってしまう。しかも、この現像装置で形成される気体の流路は、図示のように、壁部335の先端(現像ローラによる現像剤搬送方向の最下流側に位置する端部)を回り込むようにして貫通孔331に至る構成となっており、その回り込む部分において180度に近い角度で大きく湾曲している。このような大きな湾曲部分が気体の流路中に存在すると、その部分で気体の流れが大きく妨げられてしまう。そのため、吸い込み気流の勢いは当該湾曲部分で大きく減退してしまう。このような現像装置では、フィルタ部材が設けられた貫通孔331から現像装置内部の気体を外部へ押し出す力は、主に、現像装置の内圧(現像装置内全体の平均的な圧力)と現像装置外部の圧力との差(以下「装置内外の圧力差」という)によって決まることになる。
本実施形態では、吸い込み気流Bの勢いを利用して、貫通孔31に設けられたフィルタ部材32から現像装置内部の気体を外部へ押し出すことが可能な流路を形成するために、吸い込み気流Bが生じる流路入口に近いケーシング部分に貫通孔31を設けている。具体的には、貫通孔31は、現像スリーブ5aの回転中心軸に対して直交する仮想平面(図4の紙面)上で、2つの磁極P3,P4のうちの現像スリーブ表面移動方向上流側に位置する上流側磁極P3による法線方向磁束密度が現像スリーブ表面上で最大となる地点と現像スリーブ5aの回転中心軸とを結ぶ仮想直線Jを引いたときに、その仮想直線Jと現像ケーシング36の内壁との交差点Dが現像ケーシング36の内壁上における貫通孔31の開口(内側開口)内となる位置に設けられている。
しかも、貫通孔31のフィルタ部材32に磁性キャリアが付着してしまった場合でも、貫通孔31の内側開口近傍に位置する磁性キャリアに対して作用する磁界によってこれを回収することができる。また、貫通孔31の内側開口が対向する現像スリーブ5aの表面部分では現像剤が穂立ちした状態となっている。これにより、貫通孔31のフィルタ部材32にトナーが付着してしまった場合でも、現像スリーブ5aの表面上で穂立ちした現像剤中の磁性キャリアによる静電引力によってこれを回収することが可能である。このように、本実施形態によれば、フィルタ部材32に磁性キャリアやトナーが付着しても、その後に回収することが可能であるため、フィルタ部材32の目詰まりが抑制され、フィルタ寿命を長期化することができる。
図6は、フィルタ部材32と現像スリーブ5aとの位置関係を示した模式図である。
図5に示すように、現像装置30の現像ケーシング36は、第1搬送スクリュ13及び第2搬送スクリュ14の回転軸13a,14aが軸支されている下ケース36Aと、この下ケース36Aの蓋として機能する上ケース36Bとから構成されている。本実施形態において、貫通孔31並びにフィルタ部材32は、現像装置30の長手方向(現像ローラ回転軸方向)にほぼ左右対称に複数(本実施形態では3つ)設けられている。また、貫通孔31並びにフィルタ部材32と現像スリーブ5aとの位置関係は、貫通孔31が現像スリーブ5aの現像領域幅内(着磁幅内)に収まるように設けられている。
このグラフでは、横軸に、現像スリーブ回転軸方向における現像剤担持領域幅に対する貫通孔の内側開口幅の割合(フィルタ割合)をとり、縦軸にトナー飛散量をとったものである。なお、ここでいうトナー飛散量は、感光体1を回転させない状態で現像装置30を1時間駆動し、現像装置30の外壁と感光体1に付着したトナーを吸引ポンプで吸ったときに得たものの重量(mg/h)を測定したものである。図示のように、貫通孔31を2個設けた場合よりも3個設けた場合の方がトナー飛散量が少ないことが分かる。図示した目標飛散量を満たす上では、フィルタ割合が30%以上となるように貫通孔31を設けるのが好ましい。
次に、上記実施形態に係る現像装置30を用いたときのトナー飛散の抑制効果を確認するために行った実験例(以下、本実験例を「実験例1」という。)について説明する。
本実験例1では、感光体1を回転させない状態で上記実施形態に係る現像装置30を1時間駆動し、現像装置30の外壁と感光体1に付着したトナーを吸引ポンプで吸ったときに得たものの重量(mg/h)を、実施例のトナー飛散量として測定した。なお、効果比較のため、貫通孔31が設けられていない比較例1と、貫通孔31を図10に示すように剤離脱部cに直接的に面する位置に配置した比較例2についても、同様の実験を行った。
このグラフからわかるにように、実施例である上記実施形態に係る現像装置30によれば、トナー飛散を効果的に抑制できることが確認できた。
次に、現像装置30の貫通孔の位置を変更した一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図12は、本変形例1に係る現像装置30の概略構成とともに、マグネットローラ5bの各磁極P1,P2,P3,P4,P5によって形成される現像スリーブ5aの表面上の法線方向磁束密度の大きさを示した説明図である。
本変形例1においても、貫通孔231は、現像スリーブ5aの回転中心軸に対して直交する仮想平面(図12の紙面)上で、2つの磁極P3,P4のうちの現像スリーブ表面移動方向上流側に位置する上流側磁極P3による法線方向磁束密度が現像スリーブ表面上で最大となる地点と現像スリーブ5aの回転中心軸とを結ぶ仮想直線Jを引いたときに、その仮想直線Jと現像ケーシング36の内壁との交差点Dが現像ケーシング36の内壁上における貫通孔31の開口(内側開口)内となる位置に設けられている。
次に、現像装置30の貫通孔にメッシュ部材を配置した一変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
なお、本変形例2は、メッシュ部材37を貫通孔31を塞ぐようにフィルタ部材32よりもケーシング内部側に配置した点を除いて、上記実施形態と同様の構成であるため、以下、上記実施形態との相違点のみ説明する。
特に、比較的寿命が短い現像剤だけ交換してその他の部品を交換しないで現像装置を継続使用しようとする場合、フィルタ部材32に付着しているトナー等をバキュームなどによりクリーニングすることが望まれるが、このようなクリーニングによりダメージを受けて繊維のほつれが生じたり、ほつれが促進されたりする。
そこで、本変形例2においては、ほつれた繊維片による異常画像の発生を抑制すべく、メッシュ部材37を、貫通孔31を塞ぐようにフィルタ部材32よりもケーシング内部側に配置している。
メッシュ部材37としては、メッシュ部分が樹脂製で穴が開いた構成のものを用いることもできるし、細い金属線を編んだ構成のものを用いることもできる。いずれにしても、非繊維材料で構成され、繊維のほつれが生じないものであればよい。
また、メッシュ部材37は、貫通孔31を塞ぐようにフィルタ部材32よりもケーシング内部側に配置される。その具体的な配置箇所は、フィルタ部材32から脱落した繊維片が現像ケーシング内の現像剤へ到達するのを阻止できる箇所であればどこでもよい。例えば、フィルタ部材32の内側に貼り付けてもよいし、貫通孔31のケーシング内壁側開口に取り付けるようにしてもよい。図13に示した配置例は後者の例である。なお、メッシュ部材37を貼り付けたり取り付けたりする場合、両面テープや接着剤を用いるのが好適である。
メッシュ部材32のメッシュ孔の大きさは、例えば空間率で特定することができる。空間率は、その値が大きいほどメッシュ孔の大きさが大きいことを示す指標値である。よって、空間率が大きいメッシュ部材32ほど空気の流れを邪魔しないので好適ではあるが、空間率が大きすぎるメッシュ部材32では現像剤が通過しやす過ぎて、フィルタ部材32とメッシュ部材37との間の貫通孔内部に現像剤が溜まって、逆に空気の流れが邪魔される事態を招くおそれがある。
なお、この実験では、平均粒径が35μmの磁性キャリアを使用し、メッシュ部材32の上にキャリア単体を乗せてメッシュ部材の通過を観察する条件(条件1)と、メッシュ部材32の上に磁性キャリアとトナーとを混合させた状態の現像剤を乗せてメッシュ部材の通過を観察する条件(条件2)と、変形例2に係る現像装置を搭載したプリンタ100に現像剤をセットして稼働させてメッシュ部材32の通過を観察する条件(条件3)について、オープニングの値が異なる5つのメッシュ部材を用いて実験を行った。
一方、磁性キャリアとトナーとを混合した現像剤の自重による通過を観察する条件2では、オープニングが48μmであるメッシュ部材の場合には現像剤が通過しなかったが、オープニングが72μm以上になると、現像剤の通過が確認された。これは、磁性キャリアがトナーと混合されることで流動性が悪化し、メッシュ部材上でブリッジが形成されて、通過しにくくなったためである。
他方、条件2で用いた現像剤を実機にセットして通過を観察する条件3では、磁性キャリアは、現像スリーブ5a内のマグネットローラ5bの磁力の作用を受け、オープニングが161μmmであるメッシュ部材を用いる場合でも、磁性キャリアの通過は観察されなかった。
次に、上記変形例2に係る現像装置30を用いたときのトナー飛散の抑制効果を確認するために行った実験例(以下、本実験例を「実験例2」という。)について説明する。
本実験例2では、感光体1を回転させない状態で上記変形例2に係る現像装置30を事前に1時間駆動して現像剤を劣化させ、トナーを補給してトナー濃度を10.5%まで上昇させた後、さらに感光体1を回転させない状態で現像装置30を1時間駆動する。なお、現像装置の駆動スピードは、現像スリーブ5aの線速で500mm/sである。その後、感光体1に付着したトナーを吸引ポンプで吸って得られたものの重量(mg/h)を、トナー飛散量として測定した。なお、本実験例2では、現像装置30の外壁に付着したものの重量は除外している。
本実験例2では、空間率が異なる3つのメッシュ部材37を用いた場合と、メッシュ部材37を用いない場合について、それぞれ測定した。
飛散が軽微であると判断できる飛散量は、一般に5mg/hである。よって、空間率が36%以上であるメッシュ部材37を用いれば、メッシュ部材37を配置しても十分な空気の流れを確保でき、現像装置の内圧上昇抑制効果を十分に維持できる。ただし、空間率が大きすぎると、メッシュ部材37の本来の機能、すなわち、フィルタ部材32から脱落した繊維片の通過を阻止する機能を維持できなくなるので、空間率の上限は、フィルタ部材32から脱落した繊維片の通過を阻止できる範囲に制限される。
また、本変形例2によれば、現像ケーシング内の現像剤はメッシュ部材37を通過できず、フィルタ部材37に接触しないので、現像剤の接触によるフィルタ部材37のダメージが少ない。よって、上述した不具合のそもそもの原因である繊維のほつれが生じにくいので、その不具合を効果的に抑制できる。
特に、本実施形態(各変形例を含む。)では、フィルタ部材32,232におけるケーシング内部側を向く内側面が鉛直方向下側を向くように配置されている。これにより、現像装置30の駆動時等に生じる振動で、フィルタ部材32,232の内側面上に付着したトナーや磁性キャリアを自重により落下させることが可能となる。したがって、フィルタ寿命を更に長期化することができる。
また、上記変形例1のように、貫通孔231の内側開口における現像スリーブ表面移動方向上流側の縁部よりも、その内側開口における現像スリーブ表面移動方向下流側の縁部の方が、現像スリーブ5aの表面に近接するように、貫通孔231を設けることで、吸い込み気流Bを貫通孔231の内部へ効率よく取り込むことができるので、内圧上昇の抑制効果を高めることができる。
また、上述したように、フィルタ部材32,232を、上流側磁極P3により形成される磁界によって穂立ちした現像剤が接触する位置に配置すれば、フィルタ部材32,232の内側面に付着したトナーや磁性キャリアを現像剤で掻き取る効果が得られるので、フィルタ寿命を更に延ばすことが可能となる。
また、本実施形態においては、貫通孔31は、現像スリーブ回転軸方向で対称となるように複数個設けられているので、現像ケーシング36の強度を十分に確保しつつ、現像スリーブ回転軸方向においてほぼ均等に内圧上昇の高い抑制効果を得ることができる。
特に、上記変形例2において、メッシュ部材37として、空間率が36%以上のものを用いれば、メッシュ部材37を配置しても十分な空気の流れを確保でき、現像装置の内圧上昇抑制効果を十分に維持できる。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。具体的な測定方法は、まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径Dv、個数平均粒径Dnを求めることができる。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
多価イソシアネート(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10-3〜1×102μmであることが好ましく、特に5×10-3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10-2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
(1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右記する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
2Y,2C,2M,2K 画像形成ユニット
5 現像ローラ
5a 現像スリーブ
5b マグネットローラ
30 現像装置
31,231 貫通孔
32,232 フィルタ部材
36 現像ケーシング
Claims (12)
- 潜像担持体と対向する現像領域で鉛直方向下側から上側に向かって表面が移動するように回転駆動する円筒状の現像剤担持体と、
該現像剤担持体の内部に固定配置され、現像剤担持体表面移動方向に沿って配置される複数の磁極を備えた磁界発生手段と、
該現像剤担持体の表面が潜像担持体の表面と対向するように現像剤担持体表面移動方向における現像剤担持体表面の一部分を露出させるための現像用開口を備え、内部にトナーと磁性キャリアとを含んだ二成分現像剤を収容するケーシングとを備えた現像装置において、
上記磁界発生手段は、現像領域を通過した二成分現像剤を上記現像剤担持体の表面から離脱させるための磁界を発生させる互いに隣接した同極性である2つの磁極を備えており、
上記ケーシングは、トナー及び磁性キャリアの通過を阻止しつつ気体を通過させるフィルタ部材が設けられた貫通孔を備えており、
上記貫通孔が設けられるケーシング内壁は、上記2つの磁極のうちの現像剤担持体表面移動方向上流側に位置する上流側磁極によって形成される磁界の作用が該貫通孔のケーシング内壁側開口に位置する磁性キャリアに及ぶように、現像剤担持体表面に近接配置され、
上記貫通孔の現像剤担持体回転軸方向の位置は、上記現像剤担持体の表面上における現像剤担持領域幅内であり、
上記貫通孔の現像剤担持体表面移動方向の位置は、上記現像剤担持体の回転中心軸に対して直交する仮想平面上で、上記上流側磁極による法線方向磁束密度が現像剤担持体表面上で最大となる地点と該現像剤担持体の回転中心軸とを結ぶ仮想直線を引いたときに、該仮想直線とケーシング内壁との交差点がケーシング内壁上における該貫通孔の開口内となる位置であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記フィルタ部材は、上記上流側磁極により形成される磁界によって穂立ちした二成分現像剤が接触する位置に配置されていることを特徴とする現像装置。 - 潜像担持体と対向する現像領域で鉛直方向下側から上側に向かって表面が移動するように回転駆動する円筒状の現像剤担持体と、
該現像剤担持体の内部に固定配置され、現像剤担持体表面移動方向に沿って配置される複数の磁極を備えた磁界発生手段と、
該現像剤担持体の表面が潜像担持体の表面と対向するように現像剤担持体表面移動方向における現像剤担持体表面の一部分を露出させるための現像用開口を備え、内部にトナーと磁性キャリアとを含んだ二成分現像剤を収容するケーシングとを備えた現像装置において、
上記磁界発生手段は、現像領域を通過した二成分現像剤を上記現像剤担持体の表面から離脱させるための磁界を発生させる互いに隣接した同極性である2つの磁極を備えており、
上記ケーシングは、トナー及び磁性キャリアの通過を阻止しつつ気体を通過させるフィルタ部材が設けられた貫通孔を備えており、
上記貫通孔の現像剤担持体表面移動方向の位置は、上記現像剤担持体の回転中心軸に対して直交する仮想平面上で、上記2つの磁極のうちの現像剤担持体表面移動方向上流側に位置する上流側磁極による法線方向磁束密度が現像剤担持体表面上で最大となる地点と該現像剤担持体の回転中心軸とを結ぶ仮想直線を引いたときに、該仮想直線とケーシング内壁との交差点がケーシング内壁上における該貫通孔の開口内となる位置であり、
上記フィルタ部材は、上記上流側磁極により形成される磁界によって穂立ちした二成分現像剤が接触する位置に配置されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記フィルタ部材は、そのケーシング内部側を向く面が鉛直方向下側を向くように配置されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記貫通孔は、現像剤担持体回転軸方向で対称となるように複数個設けられていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記フィルタ部材は、繊維材料で構成されており、
非繊維材料で構成され、該繊維材料の通過を阻止し得るメッシュ部材を、上記貫通孔を塞ぐように該フィルタ部材よりもケーシング内部側に配置したことを特徴とする現像装置。 - 請求項6の現像装置において、
上記メッシュ部材の空間率は、36%以上であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記トナーとして、平均円形度が0.90以上のものを用いることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記トナーとして、体積平均粒径Dvが3μm以上8μm以下の範囲内であり、体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)が1.00以上1.40以下の範囲内であるものを用いることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記トナーとして、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるものを用いることを特徴とする現像装置。 - 潜像担持体の表面に形成された潜像を現像装置により現像剤を用いて現像することで得られるトナー像を、最終的に記録材上へ転写させることにより、記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
上記現像装置として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 潜像担持体の表面に形成された潜像を現像装置により現像剤を用いて現像することで得られるトナー像を、最終的に記録材上へ転写させることにより、記録材上に画像を形成する画像形成装置に対して着脱自在に構成され、少なくとも潜像担持体及び現像装置を一体的に支持したプロセスカートリッジにおいて、
上記現像装置として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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