JP2008203705A - 現像装置、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】供給スクリュー4と、回収スクリュー5とを有し、供給スクリュー4の区画と回収スクリュー5の区画の間には、迂回経路となる区画を別に設け、現像剤を搬送する攪拌搬送手段を設置し、迂回経路の区画と供給スクリュー4の区画を連通する開口と、迂回経路の区画と回収スクリュー5の区画を連通する開口を有し、現像剤追加補給のための、補給手段と連通する開口を有した現像装置1において、現像装置1で用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある。
【選択図】 図1
Description
このために要求される現像装置としては、現像に供する現像剤担持体(以下、現像スリーブという)から、トナーが大量に消費される高画像面積印刷後の現像剤を分離回収し、これを、元のトナー濃度とするために、新たなトナーを補給し、回収された現像剤と均一な分散をするように攪拌した後、すばやく現像スリーブへ供給をするということを行なわせる必要がある。
しかし、例えば、図7に示すような従来の一般的な現像装置では、高画像面積の現像に供された現像剤を現像スリーブ2から分離させ、現像剤搬送手段11(以下、スクリューという)へと回収する部分と、新たな現像剤を現像スリーブへと汲み上げ供給する部分が比較的近くに存在するため、せっかく分離回収された現像剤が、再度現像スリーブへ汲み上げ供給されてしまい、新しいトナーを含まないまま、現像に供されてしまうために画像濃度ムラとなってしまう不具合が生じていた。
また、回収された現像剤と供給する現像剤が同一の区画13に混在しているため、図8に示すスクリュー11の上流側と下流側(図右側と左側)ではどうしても、現像剤のトナー濃度均一性を保つことは難しくなり、下流側に至るほど現像剤の濃度は低くなり、現像スリーブ2の長手方向に対しても画像濃度ムラが生じ易くなっていた。
そこで、図5および6に示すような、特許文献1に開示された、現像スリーブ2への供給と回収の区画を分けるため、横方向に配置していたスクリューおよび搬送路を縦方向上下に配置して、スリーブからの分離回収を下側のスクリュー5および搬送区画8で行い、現像スリーブへの現像剤の供給を上側のスクリュー4および搬送区画7で行なわせるように、機能を分離したものが考案され、商品化もなされている。
しかし、この現像装置の場合、下のスクリュー5から上のスクリュー4へ現像剤を受け渡す連通口D付近では、下スクリューの区画で現像剤を堆積させる必要があり、過度に満たされた現像剤が画像領域内にまで及ぶと、連通口Dからではなく、回収区画8から供給区画7へ、すなわち、直接現像スリーブ2へと付着した現像剤が搬送されてしまい、濃度の低い現像剤が再度汲み上げ供給され、画像濃度ムラに至ってしまうという不具合が生じている。
また、上下2本のスクリューだけでは新たに補給されたトナーとの混合がうまくなされず、依然現像剤の攪拌が不充分であり、画像濃度の不均一や濃度低下が発生するという問題が生じたことから、特許文献2に開示された、図3および4に示すような、更に、現像剤の供給区画7と回収区画8とは別に、攪拌させるための迂回搬送区画9を設けて、攪拌手段6によって濃度の低下した回収現像剤と補充されたトナー(図中Tより補給されるトナー)の混合、分散を改善し、画像濃度の均一化を図ったものが提案されている。
これら課題に対して、3本のスクリューによって搬送する方法は非常に有効で、現像剤の堆積が必要な部分は、図3に示す攪拌迂回路9部分であり、この部分に現像剤が過度に堆積しても現像スリーブとは離れた迂回経路内のために、回収直後の濃度が低下した現像剤が現像スリーブ2へと不用意に再度汲み上げ供給されてしまう問題は発生せず、さらに、現像に供された回収現像剤と新たに補給されたトナーとを長い距離、攪拌搬送させる迂回搬送路があるために、混合が不充分になることも解消され、画像濃度ムラにも有効に作用する構成となっている。
補給口より補給されたトナー量が適正に補給されたことを検知するには、充分に分散、混合された現像剤を検知する必要があり、補給開口位置と攪拌後のトナー濃度を測定する位置には、一定の距離がとられた位置関係となるように配置される。
しかし、補給口からのトナーが過剰に補給された場合や、補給トナーが不十分な場合でも、補給をしてから検知部に到達するまでには時間が掛かってしまい、補給口より検知位置までの、既に攪拌搬送されている現像剤に対しては、トナーを減じたり付加したりすることは不可能である。よって、攪拌搬送経路内の現像剤のトナー濃度に濃い部分と、薄い部分の差が大きく生じることになれば、つまりは、画像濃度ムラの発生に至るものであり、攪拌搬送経路を長く設定したことによる課題となってしまうものであった。
本来、トナー濃度検知手段では、充分に混合されたトナー濃度比を測定して、補給制御を行なわせるものであるが、混合が不十分な現像剤を検知してしまうと、過剰な補給を繰り返すことによる、トナー飛散や、地肌汚れ、或いは画像濃度ムラといった不具合が生じてしまうという課題があった。
すなわち、現像剤濃度検知手段と、補給手段からの補給開口部の位置関係を適正な配置とすることで、精度の良い現像剤濃度検知を可能とし、現像装置としてもトナーの混合、分散に優れた構成とすることで、重合トナー法等により製作された球形に近いトナーや小粒径トナーを適用しても、常に安定したトナー濃度で均一な濃度の画像を得ることが可能な現像装置、画像形成装置としたものである。
第4には、第1および2に記した同様の現像装置であって、略球形状のポリエステル等からなる重合法によって作られたトナーであっても、混合、分散性を向上でき、かつ、精度の良い現像剤トナー濃度比の検知が可能である。
第5には、第1および2に記した同様の現像装置であって、トナーの形状が紡錘形状等の球とはやや異なる形状のトナーであっても、その形状の長軸、短軸、厚さ等から成る特有な範囲のトナーであっても、混合、分散性を向上でき、かつ、精度の良い現像剤トナー濃度比の検知が可能である。
第7には、前記迂回経路の区画と供給手段の区画を連通する開口は、迂回経路の上流であり、かつ、供給経路の下流に設置することを特徴とした現像装置としている。
また、電子写真方式で、静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーで可視化する現像装置を備える画像形成装置において、前記画像形成装置は、上述のいずれかに記載の現像装置を用いることを特徴とした。
従って、高密度記録方式や、カラー記録方式による連続で高面積率な画像をプリントしても、画像ムラの発生を防止できるという大きな効果をもたらすものである。
図1は複写機やレーザープリンター等の画像形成装置に具備される現像装置と、感光体を示している。まず、回転可能な感光体10は、図示しない帯電装置によって表面が一様に帯電され、次いで図示しない画像読取装置で読み取った原稿内容に応じた情報や、あるいはホストPCより送られてきた情報を、これも図示しないレーザー書込装置からのレーザー光で書込みを行なわせることで、感光体10の表面に静電潜像を形成させている。
現像装置1は感光体10に対して、トナーを一様に供給することで静電潜像の可視像化を実現するが、そのためには、感光体10に対向して配置設定された回転可能な現像スリーブ2と、その内部には図示しない磁極を持った磁性体が配置されている。磁性体は現像スリーブ2上で現像剤を保持するために必要であり、また、保持させる量を適正量に規制するものがドクターブレード3である。
ドクターブレード3はステンレス等の板形状で構成されることが多く、現像スリーブ2の表面より0.2〜1.2mm程度離間して設定し、現像スリーブ2上に一様な薄層化された現像剤を形成させ、感光体10上の静電潜像に対して、一様なムラの無い現像剤の供給を行なわせるものである。
現像剤は現像装置1に満たされた状態にあるが、感光体への供給を実施するにあたって、消費された部分と新しい部分の入れ替えを行なわせていることが多く、先に説明のドクターブレード近傍に新しい現像剤を供給する手段、消費された現像剤を離脱、回収する手段がそれぞれ必要になる。なお、現像スリーブからの現像剤の離脱は、先に説明した現像スリーブ2内部にある磁性体を、離脱させたい箇所のみ磁極が無い状態に設定することで、現像剤の分離、離脱を可能にしている。
現像スリーブ2から離脱した現像剤を回収する手段についても同様であり、すばやく掻き取らせるためにパドル形状としても良いが、現像スリーブ2の軸方向に搬送する機能も兼ねるため、スクリュー形状を選択している。
図2において、供給スクリュー4から現像スリーブ2へ現像剤が供給され、現像に供された後の現像剤が現像スリーブ2より分離、離脱し、回収スクリュー5によって回収されることを現像スリーブ2周辺に置いた矢印のように示すことができる。また、現像スリーブ2より分離、離脱した現像剤はすばやく回収されることが望ましい。
また、トナー補給開口部は第1搬送路(供給路)下流にあって、トナー濃度センサーは新たなトナーの補給がされたのちの現像剤濃度を検知しているため、本件発明のトナー補給前の現像剤濃度を検知するものとは構成、思想が大きく異なる。
従って、図2に示す本発明の現像装置1では、独立した機能を実現するために供給スクリュー4と回収スクリュー5はそれぞれの区画が分けられた配置となっており、供給スクリュー4を囲むように容器は設定されているが、ドクターブレード3と現像スリーブ2に対するスリット状の開口が開いた容器構成による区画7が形成されていることが特徴である。同様に回収スクリュー5についても、現像スリーブ2表面近傍にスリットを持つ、回収スクリュー5囲むような容器構成によって区画8が形成されていることが特徴となる。
供給区画7と回収区画8に存在する現像剤は、順次入れ替えが必要であるが、これを直接出入り可能な連通口を設けたものが従来技術図5、図6に示す開口DおよびEである。回収区画8から供給区画7へ現像剤を搬送するためには、回収区画8の部分で現像剤を堆積させる必要がある。これは図6の開口部D部分、すなわち回収スクリュー最下流側で堆積を発生させ、供給スクリュー4へ現像剤を受け渡すものである。
しかし、堆積した現像剤が図6に示している現像スリーブ2の軸方向内側、すなわち、画像領域内にまで至ると、図5に示す回収区画8は現像剤で満たされ開口部Dを通らずに、現像スリーブ2表面に沿って、直接、供給区画7へと侵入してしまい、そのほとんどの現像剤がドクターブレードを通過して画像濃度ムラの不具合が生じることとなる。
図3および図4における従来技術でその動作詳細を説明すると、図示しない補給手段から補給される補給開口部(図中T)は、補給するトナーが充分に混合攪拌されている必要があるため、現像スリーブへの現像剤供給直前にあたる開口部Bよりも最大限に遠いところに設定され、トナー濃度センサー15は、トナー補給口より最大限に遠いところである現像剤の堆積する部分、つまり上方のスクリューへ持ち上げる部分の開口B近傍に配置される事が望ましいとされている。
迂回搬送スクリュー6については、前記供給スクリュー4および回収スクリュー5とは相反する向きに現像剤を搬送する構成であり、先にも説明のとおり、迂回搬送スクリュー6の最下流側では迂回搬送区画9に現像剤を堆積させながら開口部Bを通して、供給スクリュー4の供給区画7へ現像剤を受け渡す必要があるので、ここで、迂回搬送区画9内で、出来る限り現像剤の搬送にロスを生じさせないためには、迂回搬送スクリュー6と現像容器の間の空間は出来る限り少ないほうが良く、すなわち、迂回搬送区画9はスクリュー外周を囲うように形成されていることが好ましく、このような形状とすることによって、堆積した現像剤を効率よく搬送することを可能にしている。
従って、本発明のトナー濃度センサーの配置による従来技術との組み合わせによって、画像面積率等による予測補給制御のような複雑な制御も不要となり画像濃度ムラに対して大きい改善効果が得られる現像装置構成となっている。
これは、図に示す供給スクリューが上方で、回収スクリューが下方に位置した場合のみならず、逆に回収スクリューが上方、供給スクリューを下方に位置した場合においても、回収スクリューの下流にトナー濃度センサーを配置することで、同様の効果が達成される。
このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができるという特徴がある反面、現像装置に補給された新たなトナーと、既に現像装置内にある現像剤との混合、分散性がやや悪く、現像剤のトナー濃度ムラが画像の濃度ムラを発生させてやすいという課題もある。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入し該トナーの粒子100個について解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。
酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルト ルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEGVP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
図11は、本発明のトナーの形状を模式的に示す図である。図11において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図11(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図11(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、例えば以下の方法により測定することができる。即ち、トナーを平滑な測定面上に均一に分散付着させ、該トナーの粒子100個について、カラーレーザー顕微鏡「VK−8500」(キーエンス社製)により500倍に拡大して、該100個のトナー粒子の長軸r1(μm)、短軸r2(μm)、厚さr3(μm)を測定し、それらの算術平均値から求めることができる。
しかし、これまでに説明した図1および図2のような、供給スクリュー4と、回収スクリュー5と、攪拌搬送スクリュー6の3本のスクリューを有し、それぞれが独立した機能を持っている現像装置においては、現像装置内に補給された新たな略球形、小粒径トナーの混合、分散性が非常に向上するため、重合法トナーの使用に適した現像装置であることを見出した。
さらに、トナー濃度センサー15を回収スクリューの下流にて、消費されたトナー量、つまり必要なトナー量を検知させ、この検知情報を元にリアルタイムに補給手段を駆動させる補給制御を実行させることで、攪拌搬送区画9、攪拌搬送スクリュー6の内部に存在している現像剤は、どの部分においても安定した現像剤濃度を保つことが可能となるため、補給されるトナーの混合が不十分になりやすい重合法によるトナーであっても、現像剤濃度ムラ、画像濃度ムラの解消できる現像装置が提供できるものである。
従来のトナー濃度制御にあるような、画像面積率等による予測補給制御のような複雑な制御も不要となり画像濃度ムラに対して大きい改善効果が得られるばかりでなく、過剰な補給を繰り返すことによる、トナー飛散や、地肌汚れといった不具合もなく、幅広いトナーに対応できる現像装置、および画像形成装置を提供できるものである。
また、これまでの説明で示された現像装置に使用される現像剤は、一般的に使用されている磁性キャリアと非磁性トナーによる組み合わせの場合に最も効果が得られるが、その他の2成分現像剤、例えば、磁性キャリアと磁性トナーの組み合わせ等による現像装置にも応用が可能であり、使用される現像剤が限定されるものではない。
2 現像剤担持体(現像スリーブ)
3 層規制部材(ドクターブレード)
4 供給手段(供給スクリュー)
5 回収手段(回収スクリュー)
6 迂回搬送手段(攪拌搬送スクリュー)
7 供給区画
8 回収区画
9 迂回搬送区画
10 静電潜像担持体(感光体)
11 供給回収手段(供給回収スクリュー)
12 攪拌手段(攪拌スクリュー)
13 供給回収区画
14 攪拌区画
15 現像剤濃度検出手段(トナー濃度比検出センサー)
A 回収区画から迂回搬送区画への開口
B 迂回搬送区画から供給区画への開口
C 供給区画から迂回搬送区画への開口
D 回収区画から供給区画への開口
E 供給区画から回収区画への開口
F 攪拌区画から供給回収区画への開口
G 供給回収区画から攪拌区画への開口
T トナー補給手段から供給区画或いは攪拌区画への開口
Claims (18)
- 静電潜像担持体に対向して設けられた回転可能に支持された現像剤担持体を有し、
前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給手段と、
規制された現像剤担持体上の現像剤が、静電潜像担持体に必要な現像剤を付与したのち、該現像剤担持体上より分離、離脱した現像剤を回収する現像剤回収手段を有し、
供給手段の区画と回収手段の区画の間には、迂回経路となる区画を別に設け、現像剤を搬送する攪拌搬送手段を設置し、
迂回経路の区画と供給手段の区画を連通する開口と、迂回経路の区画と回収手段の区画を連通する開口を有し、
現像剤追加補給のための、補給手段と連通する開口を有した現像装置であって、
前記現像装置で用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある
ことを特徴とする現像装置。 - 静電潜像担持体に対向して設けられた回転可能に支持された現像剤担持体を有し、
前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給手段と、
規制された現像剤担持体上の現像剤が、静電潜像担持体に必要な現像剤を付与したのち、該現像剤担持体上より分離、離脱した現像剤を回収する現像剤回収手段を有し、
供給手段の区画と回収手段の区画の間には、迂回経路となる区画を別に設け、現像剤を搬送する攪拌搬送手段を設置し、
迂回経路の区画と供給手段の区画を連通する開口と、迂回経路の区画と回収手段の区画を連通する開口を有し、
現像剤追加補給のための、補給手段と連通する開口を有し、
現像剤の濃度を検知できる検知手段を備え、該検知手段が前記回収手段の下流で、かつ、迂回経路の区画と回収手段の区画を連通する開口の上流に設定した現像装置であって、
前記現像装置で用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある
ことを特徴とする現像装置。 - 静電潜像担持体に対向して設けられた回転可能に支持された現像剤担持体を有し、
前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給手段と、
規制された現像剤担持体上の現像剤が、静電潜像担持体に必要な現像剤を付与したのち、該現像剤担持体上より分離、離脱した現像剤を回収する現像剤回収手段を有し、
供給手段の区画と回収手段の区画の間には、迂回経路となる区画を別に設け、現像剤を搬送する攪拌搬送手段を設置し、
迂回経路の区画と供給手段の区画を連通する開口と、迂回経路の区画と回収手段の区画を連通する開口を有し、
現像剤追加補給のための、補給手段と連通する開口を有した現像装置であって、
前記現像手段で用いられるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある
ことを特徴とする現像装置。 - 静電潜像担持体に対向して設けられた回転可能に支持された現像剤担持体を有し、
前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給手段と、
規制された現像剤担持体上の現像剤が、静電潜像担持体に必要な現像剤を付与したのち、
該現像剤担持体上より分離、離脱した現像剤を回収する現像剤回収手段を有し、
供給手段の区画と回収手段の区画の間には、迂回経路となる区画を別に設け、現像剤を搬送する攪拌搬送手段を設置し、
迂回経路の区画と供給手段の区画を連通する開口と、迂回経路の区画と回収手段の区画を連通する開口を有し、現像剤追加補給のための、補給手段と連通する開口を有し、
現像剤の濃度を検知できる検知手段を備え、該検知手段が前記回収手段の下流で、かつ、迂回経路の区画と回収手段の区画を連通する開口の上流に設定した現像装置であって、
前記現像手段で用いられるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある
ことを特徴とする現像装置。 - 静電潜像担持体に対向して設けられた回転可能に支持された現像剤担持体を有し、
前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給手段と、
規制された現像剤担持体上の現像剤が、静電潜像担持体に必要な現像剤を付与したのち、
該現像剤担持体上より分離、離脱した現像剤を回収する現像剤回収手段を有し、
供給手段の区画と回収手段の区画の間には、迂回経路となる区画を別に設け、現像剤を搬送する攪拌搬送手段を設置し、
迂回経路の区画と供給手段の区画を連通する開口と、迂回経路の区画と回収手段の区画を連通する開口を有し、
現像剤追加補給のための、補給手段と連通する開口を有し、
現像剤の濃度を検知できる検知手段を備え、該検知手段が前記回収手段の下流で、かつ、迂回経路の区画と回収手段の区画を連通する開口の上流に設定した現像装置であって、
前記現像手段で用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである
ことを特徴とする現像装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載の現像装置において、
前記現像手段で使用されるトナーは、略球形状である
ことを特徴とする現像装置。 - 請求項1から6のいずれかに記載の現像装置において、
前記トナーは、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にある
ことを特徴とする現像装置。 - 請求項1から7のいずれかに記載の現像装置において、
前記補給手段と連通する補給開口は、供給経路下流または、迂回経路の上流に設置する
ことを特徴とした画像形成装置。 - 請求項1から8のいずれかに記載の現像装置において、
前記迂回経路の区画と供給手段の区画を連通する開口は、迂回経路の上流であり、かつ、供給経路の下流に設置する
ことを特徴とした画像形成装置。 - 請求項1から9のいずれかに記載の現像装置において、
前記現像剤担持体には内部に複数の磁極を有する磁界発生手段が配置され、表面近傍には、現像剤を一定量に規制する規制部材を有している
ことを特徴とした画像形成装置。 - 請求項1から10のいずれかに記載の現像装置において、
前記現像剤供給手段は、前記現像剤規制部材と該現像剤担持体の表面近傍とにスリット状の開口を有する区画に配置され、
前記現像剤回収手段は、該現像剤担持体の表面近傍にスリット状の開口を有する区画に配置された
ことを特徴とした画像形成装置。 - 請求項1から11のいずれかに記載の現像装置において、
前記現像剤供給手段と現像剤回収手段は、現像剤担持体と平行に配置設定されたらせん状のスクリューである
ことを特徴とした画像形成装置。 - 請求項1から12のいずれかに記載の現像装置において、
前記現像剤迂回経路内を搬送する現像剤攪拌搬送手段は、現像剤担持体と平行に配置設定されたらせん状のスクリューである
ことを特徴とした画像形成装置。 - 請求項1から13のいずれかに記載の現像装置において、
前記現像剤供給手段と現像剤回収手段は現像剤担持体の軸方向に沿って、同一方向に現像剤が搬送され、迂回経路内の現像剤攪拌搬送手段では相反する方向に搬送される
ことを特徴とした画像形成装置。 - 請求項1から14のいずれかに記載の現像装置において、
前記迂回経路である現像剤攪拌搬送手段のある区画の断面形状は、らせん状のスクリューの外周を囲うように形成されている
ことを特徴とした画像形成装置。 - 請求項1から15のいずれかに記載の現像装置において、
現像剤はキャリア粒子とトナー粒子からなる二成分である
ことを特徴とした画像形成装置。 - 請求項1から16のいずれかに記載の現像装置において、
キャリア粒子とトナー粒子の混合比を検知するトナー濃度比検出手段を有した
ことを特徴とした画像形成装置。 - 電子写真方式で、静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーで可視化する現像装置を備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、請求項1から17のいずれかに記載の現像装置を用いる
ことを特徴とした画像形成装置。
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