以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報入出力装置、情報入出力制御方法、記録媒体およびプログラムの好適な実施の形態を、実施の形態1ないし3として詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
実施の形態1は、情報入出力装置を例にして本発明の構成を説明するものである。実施の形態1の情報入出力装置は、比較的大きなディスプレイを備え、このディスプレイにコンピュータのハードディスク、フレキシブルディスクやCD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disc)といった記録媒体に記録されたデータを表示し、表示された情報を編集することができる、所謂、電子黒板システムとして構成されている。実施の形態1の情報入出力装置は、タッチパネル式で情報を入力することが可能である。また、実施の形態1で説明する情報入出力装置は、以降に述べる実施の形態と共通する構成を含むものである。
図1は、実施の形態1の情報入出力装置の外観を示した図である。図示した情報入出力装置は、表示部101と、表示部101を制御するコンピュータとから構成されている。実施の形態1では、コンピュータとして汎用的なパーソナルコンピュータ(パソコン)102を用いている。そして、情報入出力装置には後述する情報入出力制御方法を記録したプログラムが備えられ、このプログラムは、パソコン102によって実行される。
また、表示部101は、表示画面104、表示画面104を支持する枠体103、表示画面104と枠体103とを支持する支持台105とを備えている。表示画面104には後述する座標入力装置が取り付けられていて、表示画面104と座標入力装置とは、表示画面104と座標が入力される領域を規定するパネルとが一体となったタッチパネルを構成している。
パソコン102は、表示画面104と座標入力装置とで構成されるタッチパネル(以下、単にタッチパネルと記す)で検出された座標データを受信する座標入力部106、座標入力部106によって受信された座標データに基づいて座標を算出すると共に座標信号を生成する、あるいは座標データが示すタッチパネルに入力された点の数に応じて制御信号を生成する座標制御部107、座標制御部107で生成された座標信号、あるいは制御信号に基づいて表示画面104を制御する画面制御部108、画像データがR,G,Bの形式で展開されている画像メモリ109を備えている。画像メモリ109に展開されている画像データは、図示しないビデオ出力部によって表示画面104に出力される。
なお、本発明の実施の形態において、タッチパネルをなす表示画面104にオペレータが指やペンで触れることによって点(座標)を入力することをタッチといい、入力された点をタッチ点という。また、所定の時間内に複数の点がタッチされることを、以降同時タッチといい、同時にタッチされた複数の点を同時タッチ点というものとする。実施の形態1の情報入出力装置は、タッチ点を約20msごとに検出している。したがって、実施の形態1では、1回の検出時間である20msの間に複数の点がタッチされた場合にこのタッチを同時タッチとみなすものとする。ただし、実施の形態1では、説明の簡単のために同時タッチ点は常に2つであるものとしている。
座標入力部106は、USB(Universal Serial Bus)やRS232C(Recommended Standard 232-C)を用いた構成で、タッチパネルからタッチの検出データを座標制御部107に出力する。検出データが座標制御部107における座標の算出に使用されることから、検出データを、座標データと記す。
座標制御部107は、入力した座標データに基づいて、同時タッチがなされたか否か判断する。つまり、所定の時間内に1点の座標だけの座標データを入力した場合には、タッチパネル上の1点だけがタッチされたと判断する。そして、タッチされた1点の座標を演算によって求めて画面制御部108に座標信号として出力する。
ここで、本発明の実施の形態に共通のタッチパネルおよび座標を求める演算について説明する。図2は、座標入力装置と表示画面104とによって構成されるタッチパネル200を模式的に示した図である。タッチパネル200は、パネルとしても機能する表示画面104、表示画面104の三方に設けられた光反射膜201、光学ユニット202a,202bにより構成されている。タッチパネルのうちの光反射膜201、光学ユニット202a,202bが、座標入力装置を構成する。
光学ユニット202a,202bは、同様の構成であり、いずれも表示画面104の全域に表示画面104と平行な面をなす扇形のレーザ光を照射する光源(図示せず)と、照射されたレーザ光の反射光を受光する例えばCCD(ChargedCoupled Device)素子を用いた受光部(図示せず)とを備えている。また、光反射膜201は、例えば光軸lを通る光を反射する場合、反射光が再び光軸lを通るように反射する再帰性の反射膜である。
表示画面104上の点pがタッチされた場合、光源から照射されたレーザ光が点pにタッチした指やペンによって遮られる。この結果、タッチ点pを通るレーザ光が光反射膜201で反射された反射光だけが受光部で受光されず、受光素子の受光状態からタッチ点を通る光の光軸が分かる。さらに、2つの光学ユニット202a,202bを設けることによってタッチ点pを通る光軸を2本特定することができる。
このとき、座標制御部107は、タッチ点pの座標(x,y)を、タッチパネルにおいて光学ユニット202a,202bが取り付けられた辺sと平行な線と特定された光軸との角度θL,θR、光学ユニット202a,202b間の距離W(例えば光学ユニット202aの光源と202bの光源との距離とする)から以下の式によって算出する。算出された座標(x,y)は、画面制御部108に出力される。
x=W・tanθR÷(tanθL+tanθR) …(1)
y=W・tanθL・tanθR÷(tanθL+tanθR)…(2)
なお、座標(x,y)は、表示画面104上において表示画面104の解像度に応じて設定される。実施の形態1の表示画面104は、x軸方向に1024ドットの画素が配置され、y軸方向に708ドットの画素が配置されている。x座標は、例えば光学ユニット202aの光源の位置を原点とし、x座標として設定される最大値を1024ドット目の画素の位置に設定し、原点と最大値との間隔を等分に分割して設定される。また、y座標は、同様にy座標の最大値を708ドット目の画素の位置に設定し、原点と最大値との間隔を等分に分割して設定される。
ところで、タッチパネルで入力がなされる表示画面104には、予め特定の座標にクリック、ダブルクリックといった機能が割り付けられている。画面制御部108は、求めた座標が表示画面104上において機能が割り付けられている座標に対応するか否か判断する。そして、機能が割り付けられている座標に対応した座標であった場合には、クリックやダブルクリックの動作を実行する。
また、画面制御部108は、座標制御部107から入力した座標が表示画面104上において機能が割り付けられている座標に対応しない座標であると判断した場合、画像メモリの画像データに対して求めた座標に点を書き込んで、表示画面104に出力する。この結果、座標制御部107から機能が割り付けられていない座標が連続して画面制御部108に入力されると、表示画面104上に線が描画されることになる。
さらに、座標制御部107は、タッチパネル上の2点が同時にタッチされたと判断、つまり、所定の時間内に2点の座標の座標データを入力した場合には、タッチがなされた点の数(実施の形態1では2点)に応じて予め設定されたコンピュータ制御を示す制御信号を生成して画面制御部108に出力する。実施の形態1では、この制御信号を、画面制御部108に対してツールバーを表示させるように指示する制御信号とする。制御信号を入力した画面制御部108は、ツールバーを表示するプログラムを起動し、表示画面104にツールバーを表示させる。
以上述べた実施の形態1によれば、タッチパネルを使用して操作される情報入出力装置において、同時タッチを、表示画面104上の任意の点でクリック、ダブルクリックと同様の制御信号を発生させるための動作とすることができる。このため、ツールバーを表示させる制御信号を同時タッチに割り付けることにより、他のプログラムに影響を及ぼすことなくツールバーを表示させることができる。そして、ツールバーを表示させることは、表示中の画面からツールバーにある機能を直接実行することを可能にする。このため、実施の形態1は、例えば表示中の画面をいったん閉じて他の画面からツールバー表示の操作をする必要をなくし、情報入出力装置の操作性をより高めることができるものといえる。
さらに、実施の形態1の情報入出力装置は、同時タッチされた点に比較的近い位置にツールバーを表示するため、以下に述べる処理を行っている。すなわち、同時タッチが検出された場合、座標制御部107は、タッチされた可能性のある点であるタッチ候補点を取得する。そして、制御信号を、表示画面104においてタッチ候補点を通る直線によって包囲される領域に表示させる信号としている。
図3は、タッチ候補点を取得する手順について説明するための図である。同時タッチがなされた場合、座標制御部107は、光学ユニット202a(図1)、光学ユニット202b(図1)によって検出されたデータから、点pa(x1,y1),点pb(x2,y2),点pc(x3,y3),点pd(x4,y4)のうちのいずれの2点が同時タッチされたのか判断することができない。このとき、座標制御部107は、点pa(x1,y1),点pb(x2,y2),点pc(x3,y3),点pd(x4,y4)の同時タッチがなされた可能性のあるすべての点の座標をタッチ候補点として算出する。実施の形態1では、タッチ候補点の算出においても、前述した式(1)、式(2)を用いるものとする。
ここで、上述した式(1)、(2)の導出について、より詳細に説明する。本実施の形態に用いた座標入力装置の座標検出原理を説明するため、図3に示した情報入出力装置の基本的な構成を、図4〜図9を用いて説明する。図4は、光学式の座標入力装置であって、扇状の光束を表示画面104と平行な面状に投光するものである。このような座標入出力装置は、光薄膜方式の座標入力装置(以下、単に座標入力装置)ともいう。座標入力装置は、扇形状に投光される光束膜によって形成される座標入力面である座標入力領域403を有している。そして、座標入力領域403に操作者の指先やペン、指示棒など光遮断手段として機能する指示手段404を挿入することで座標入力領域403内の光束を遮ることにより、CCD(Charge Coupled Device)等の受光素子における結像位置に基づいてその指示位置を検出し、文字等の入力を可能にしている。
四角形状の筐体構造の座標入力部材402の内部空間である座標入力領域403は、平面(若しくは、ほぼ平面)をなす二次元形状をなして電子的に画像を表示する前述した表示画面104に重なっている。この座標入力領域403上を光学的に不透明な材質からなる操作者の指先やペン、指示棒など光遮断手段として機能する指示手段404で触った場合を考える。このときの指示手段404の座標を検出することが、この座標入力装置の目的である。
座標入力領域403の上方両端(または、下方両端)に受発光手段405が装着されている。前述した情報入出力装置においては、光学ユニット202a,202bが受発光手段405に相当する。受発光手段405からは座標入力領域403に向けて、L1,L2,L3,…,Lnの光ビームの束(プローブ光)が照射されている。実際には点光源406から広がる座標入力面に平行な面に沿って進行する扇形板状の光波(光束膜)である。
座標入力領域403の周辺部分には、再帰性反射部材(再帰性反射手段、前記した情報入出力装置の光反射膜201に相当)407が再帰反射面を座標入力領域403の中央に向けて装着されている。再帰性反射部材407は、入射した光を、入射角度によらずに同じ方向に反射する特性をもった部材である。例えば、受発光手段405から発した扇形板状の光波のうちある一つのプローブ光408に注目すると、プローブ光408は、再帰性反射部材407によって反射されて再び同じ光路を再帰反射光409として受発光手段405に向かって戻るように進行する。受発光手段405には、後述する受光手段が設置されており、プローブ光L1〜Lnの各々に対して、その再帰光が受光手段に再帰したかどうかを判断することができる。
いま、操作者が指(指示手段404)で位置Pを触った場合を考える。このときプローブ光410は位置Pで指に遮られて再帰性反射部材407には到達しない。したがって、プローブ光410の再帰光は受発光手段405には到達せず、プローブ光410に対応する再帰光が受光されないことを検出することによって、プローブ光410の延長線(直線L)上に指示手段404が挿入されたことを検出することができる。
同様に、図4の右上方に設置された受発光手段405からもプローブ光411を照射し、プローブ光411に対応する再帰光が受光されないことを検出することによって、プローブ光411の延長線(直線R)上に指示手段404が挿入されたことを検出することができる。直線Lおよび直線Rを求めることができれば、このP点の交点座標を三角測量の原理に基づいた演算により算出することにより、指示手段404が挿入された座標を得ることができる。
次に、受発光手段405の構成とプローブ光L1からLnのうち、どのプローブ光が遮断されたかを検出する機構について説明する。図5は、受発光手段405の内部の構造の概略を示す図であって、図4の座標入力面に取り付けられた受発光手段405を、座標入力領域403に垂直な方向から見た図である。ここでは、簡単のため、座標入力領域403に平行な二次元平面で説明を行う。
受発光手段405は、概略、点光源406、集光レンズ502およびCCD、受光手段として機能する受光素子503から構成される。点光源406は、発光手段である光源(後に図示する)から見て受光素子503と反対の方向に扇形に光を射出するものとする。点光源406から射出された扇形の光は、矢印504、505、その他の方向に進行するプローブ光の集合であると考える。
矢印504方向に進行したプローブ光は、再帰性反射部材407で矢印506方向に反射されて、集光レンズ502を通り、受光素子503上の位置507に到達する。また、矢印505方向に進行したプローブ光は再帰性反射部材407で矢印508方向に反射されて、集光レンズ502を通って受光素子503上の位置509に到達する。このように点光源406から発し、再帰性反射部材407で反射されて同じ経路を戻ってきた光は、集光レンズ502の作用によって、各々受光素子503上の各々異なる位置に到達する。したがって、座標入力領域403中のある位置に指示手段404が挿入されたことにより、あるプローブ光が遮断されると、そのプローブ光に対応する受光素子503上の点に光が到達しなくなる。よって、受光素子503上の光強度分布を調べることによって、どのプローブ光が遮られたかを知ることができる。
図6は、前述した動作を詳しく説明するための図である。図6において、受光素子503は、集光レンズ502の焦点面(焦点距離f)に設置されているものとする。点光源406から図6の右側に向けて発した光は、再帰性反射部材407によって反射され同じ経路を戻ってくる。したがって、点光源406の位置に再び集光する。集光レンズ502中心は点光源位置と一致するように設置する。再帰性反射部材407から戻った再帰光は集光レンズ502の中心を通るので、レンズ後方(受光素子側)に対称の経路で進行する。
このとき受光素子503上の光強度分布を考える。指示手段404が挿入されていなければ、受光素子503上の光強度分布はほぼ一定であるが、図6に示すように位置Pに光を遮る指示手段404が挿入された場合、ここを通過するプローブ光は遮られ、受光素子503上では位置Dnの位置に光強度が弱い領域が生じ、受光素子503からの光の強度分布の形状にはディップが出現する。このディップが出現する位置Dnは、遮られたプローブ光の出射/入射角θnと対応しており、Dnを検出することによりθnを知ることができる。すなわち、θnはDnの関数として、
θn=arctan (Dn/f) ………………………………(3)
と表すことができる。ここで、図4左上方の受発光手段405におけるθnをθnL、DnをDnLと置き換える。
さらに、図7に示した受発光手段405と座標入力領域403との幾何学的な相対位置関係の変換係数gにより、指示手段404と座標入力領域403とのなす角θLは、(3)式で求められるDnLの関数として、
θL=g(θnL) ………………………………(4)
ただし、θnL=arctan(DnL/f)
と表すことができる。
同様に、図4右上方の受発光手段405についても、上述の(3)(4)式中の記号Lを記号Rに置き換えて、右側の受発光手段405と座標入力領域403との幾何学的な相対位置関係の変換係数hにより、
θR=h(θnR) ………………………………(5)
ただし、θnR=arctan(DnR/f)
と表すことができる。
ここで、座標入力領域403上の受発光手段405の取付間隔を図7に示すwとし、原点座標を図7に示すようにとれば、座標入力領域403上の指示手段404で指示した点Pの二次元座標(x,y)は、前述した式(1)、(2)で表される。すなわち、x,yが、DnL,DnRの関数として表すことができるから、左右の受発光手段405上の受光素子503上の暗点の位置DnL,DnRを検出し、受発光手段405の幾何学的配置を考慮することにより、指示手段404で指示した点Pの二次元座標を検出することができる。
次に座標入力領域403、例えば、ディスプレイの表面などに前で説明した光学系を設置する例を示す。図8は、図4、図5で述べた左右の受発光手段405のうち一方を、情報入出力装置のディスプレイ面に設置した場合の例である。
図8中の800は、ディスプレイ面の断面を示しており、図5で示したy軸の負から正に向かう方向に見たものである。すなわち、図8は、x−z方向を主体に示しているが、2点鎖線で囲んだ部分は同一物を別方向(x−y方向、y−z方向)から見た構成を併せて示している。図8に示したディスプレイ面800は、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)を用いた構成である。
次に、受発光手段405のうち発光手段について説明する。発光手段である光源801としては、LD(Laser Diode:半導体レーザ)などスポットをある程度絞ることが可能な光源が用いられる。
光源801からディスプレイ面800に垂直に発した光は、集光レンズ802によってx方向にのみコリメートされる。このコリメート光は、後でハーフミラー803で折り返された後、ディスプレイ面800と垂直な方向には平行光として配光するためである。集光レンズ802を出た後、この集光レンズ802とは曲率の分布が直交する2枚の集光レンズ804、805で同図y方向に対して集光される。
これらの集光レンズ群(レンズ801,804,805)の作用により、線状に集光した領域が集光レンズ805の後方に形成される。ここに、y方向に狭くx方向に細長いスリット806を挿入する。すなわち、スリット位置に線状の二次光源406aを形成する。二次光源406aから発した光は、ハーフミラー803で折り返され、ディスプレイ面800の垂直方向には広がらず平行光で、ディスプレイ面800と平行方向には二次光源406aを中心に扇形状に広がりながら、ディスプレイ面800に沿って進行する。
進行した光は、ディスプレイ周辺端に設置してある再帰性反射部材407で反射されて、同様の経路でハーフミラー803方向(矢印C)に戻る。ハーフミラー803を透過した光は、ディスプレイ面800に平行に進み集光レンズ502を通り受光素子503に入射する。
このとき、二次光源406aと集光レンズ502とは、ハーフミラー803に対して共に距離Dの位置に配設され共役な位置関係にある。したがって、二次光源406aは、図6の点光源406に対応し、集光レンズ502は図5のレンズ502に対応する。
図9に、光源801および受光素子503の制御回路の構成ブロック図を示す。この制御回路は、光源801の発光制御と、受光素子503からの出力の演算を行うものである。同図に示すように、制御回路は、CPU(Central Processing Unit)901を中心として、プログラムおよびデータを記憶するROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903、コンピュータに接続するためのインタフェースドライバ904、A/D(Analog/Digital)コンバータ905、LDドライバ906および各種のプログラムコード(制御プログラム)を格納するハードディスク907がバス接続された構成からなる。ここに、CPU901、ROM902およびRAM903によりコンピュータとしてのマイクロコンピュータが構成されている。
また、このようなマイクロコンピュータには、各種のプログラムコード(制御プログラム)を記憶した記憶媒体909、すなわち、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R/W,DVD−ROM,DVD−RAMなど)、光磁気ディスク(MO)、メモリカードなどに記憶されているプログラムコードを読みとる装置であるフレキシブルディスクドライブ装置、CD−ROMドライブ装置、MOドライブ装置等のプログラム読取装置908が接続されている。
受光素子503からの出力を演算する回路として、受光素子503の出力端子に、アナログ処理回路911が図のように接続される。受光素子503に入射した反射光は、受光素子503内で光の強度に応じた電圧値を持つアナログの画像データに変換され、アナログ信号として出力される。このアナログ信号は、アナログ処理回路911で処理された後、A/D(Analog/Digital)コンバータ905によってデジタル信号に変換されてCPU901に渡される。この後、CPU901によって指示手段404の二次元座標の演算が行われる。
なお、この制御回路は、一方の受発光手段405と同一筺体に組み込んでもよく、また、別筺体として座標入力領域403を形成するディスプレイの一部分に組み込んでもよい。また、インタフェースドライバ904を介してコンピュータ等に演算された座標データを出力するために出力端子を設けることが好ましい。
ハードディスク907に格納された各種のプログラムコード(制御プログラム)または記憶媒体909に記憶された各種のプログラムコード(制御プログラム)は、座標入力装置への電源の投入に応じてRAM903に書き込まれ、各種のプログラムコード(制御プログラム)が実行されることになる。
また、実施の形態1の座標制御部107は、ツールバーを表示させるために制御信号を生成すると共にタッチ候補点に基づいて1つの点p0の座標(複数タッチ検出点)を算出する。実施の形態1では、複数タッチ検出点を、以下の方法によって算出するものとした。
先ず、座標制御部107は、点pa(x1,y1),点pb(x2,y2),点pc(x3,y3),点pd(x4,y4)の座標のうち、最大の値を持つx座標(xmax)、最小の値を持つx座標(xmin)、最大の値を持つy座標(ymax)、最小の値を持つy座標(ymin)を求める。そして、複数タッチ検出点p0(x0,y0)の座標を、
x0=(xmax+xmin)÷2 …(6)
y0=(ymax+ymin)÷2 …(7)
として算出する。
座標制御部107は、算出された複数タッチ検出点p0(x0,y0)を制御信号と共に画面制御部108に出力する。画面制御部108は、制御信号を入力すると、表示画面104の複数タッチ検出点p0にツールバーを表示する。また、ツールバーの表示位置は、複数タッチ検出点p0に限定されるものでなく、例えば図3に示したp0’のように複数タッチ検出点と所定の距離以下の距離にある表示画面104上の点であってもよい。
ところで、一般的なタッチパネルは、複数のオペレータによって同時にタッチがなされたときに誤動作することを防ぐため、同時タッチを無視するように設定されている。同時タッチを制御信号の生成に使用する実施の形態1の情報入出力装置は、複数のオペレータのタッチによる誤作動を防ぐため、同時タッチが検出された場合、検出結果に基づいてタッチされた点同士の間隔を反映する長さである間隔長を算出する。そして、算出された間隔長が所定の長さ以上であった場合に制御信号を生成しないことによって同時タッチと複数のオペレータによって同時になされたタッチとを識別している。
実施の形態1は、x方向の間隔長Lx、y方向の間隔長Lyを、前記したxmax、xmin、ymax、yminに基づいて算出している。すなわち、座標制御部107は、複数タッチ点の検出時、以下の式(8)、(9)によって間隔長Lx、間隔長Lyを算出する。実施の形態1の情報入出力装置は、間隔長Lx、間隔長Lyの少なくとも一方が、所定の長さ(特定長)以上であった場合に制御信号を生成しないようにプログラムによって設定されている。
Lx=xmax−xmin …(8)
Ly=ymax−ymin …(9)
間隔長Lx、間隔長Lyと比較される特定長の長さは、人間が片手でタッチパネルにタッチしたときの一般的なタッチ点の間隔程度に設定される。特定長を片手によるタッチのタッチ点程度に設定することにより、同時にタッチされた点が、1人のオペレータによって片手でタッチされた同時タッチ点であると判断することができる。
図10は、以上述べた情報入出力装置の操作手順を説明するための図であって、情報入出力装置のタッチパネル200と、タッチパネル200の表示画面104上に表示されたツールバー1001を示している。オペレータが、例えばペンを持っていない側の手の2本の指によって表示画面104に同時タッチをする。座標入力装置が同時タッチ点を検出し、座標データを座標入力部106に送信する。
座標データは、座標入力部106を介して座標制御部107に送信される。座標制御部107は、座標データに基づいて同時タッチがなされたと判断した場合、制御信号と共に複数タッチ検出点、あるいは複数タッチ検出点と所定の距離以下にある点(近傍の点)を画面制御部108に出力する。画面制御部108は、制御信号に基づいて、複数タッチ検出点、あるいは複数タッチ検出点の近傍の点にツールバー1001を表示させる。
図10に示したツールバー1001は、電子黒板システムの一種である例えばマルチメディアボードに固有のソフトウェア(以降MBソフトウェア)、上書ペン、拡大表示といった機能が登録されていて、オペレータが機能させたい項目のボタン1002にタッチ(1点タッチ)することによってタッチされたボタンに該当する機能を実行するプログラムが起動される。
以上述べたように、実施の形態1は、同時タッチがなされた場合、複数タッチ検出点にツールバーを表示することにより、オペレータが同時タッチした位置から移動することなく操作できる位置にツールバーを表示することができる。このため、実施の形態1の情報入出力装置は、オペレータが表示画面104上の任意の位置でツールバーを表示させ、移動することなくツールバーを操作することができる。
また、同時タッチによってツールバーを表示させた場合、同時タッチした指のうちの片方だけが表示されたツールバー上から離れると、ツールバーに1点タッチがなされたと座標制御部107が判断する可能性がある。このとき、1点タッチのタッチ点がボタン1002のいずれかに近いと、画面制御部108がタッチ点に近いボタンに該当する機能のための処理を実行させてしまう。
同時タッチした2本の指のうちの片方が離れたときに処理が実行されてしまうことを防ぐため、実施の形態1では、座標制御部107が、同時タッチを検出した場合、検出したすべてのタッチ点から指が離れた状態になったこと(デタッチ)を検出するまでタッチパネルに対する次のタッチを検出しない。
また、実施の形態1の制御プログラムは、さらに、ツールバー1001を編集するプログラムを含んでいて、ツールバーに登録される機能をユーザがニーズに合わせて編集することができる。次に、ツールバーの編集の手順について説明する。
図11(a)、(b)、(c)は、ツールバーを編集する手順を説明するための図であって、同時タッチによって表示されるツールバーを編集する画面であるツールバー編集画面を示した図である。図示したツールバー編集画面は、例えば、同時タッチによって表示されたツールバーの「編集」ボタンをクリックするなど、予め設定された所定の動作によって開く。
図11に示したツールバー編集画面は、同時タッチファンクション設定画面(図11(a))、同時タッチファンクション登録画面(図11(b))、ファイル検索画面(図11(c))の3つの画面からなる。同時タッチファンクション設定画面は、ツールバー編集画面において最初に表示される画面である。そして、ツールバーに現在登録されている機能を表示し、表示された機能を削除、新規設定する画面である。
図示したツールバー編集画面は、項目番号を示すと共に編集される項目であることを示す5つのポインタ1101、機能の名称を示す5つの名称表示欄1103、各機能を示すボタン1102、設定を決定する設定キー1112、設定を削除する削除キー1113、編集の対象となる項目を選択するための前へキー1114、後へキー1115、OKキー1116、キャンセルキー1117を表示する。
例えば、オペレータがポインタ1101をクリックして項目を選択すると、ポインタに黒丸が表示される。選択される項目は、前へキー1114、後へキー1115をクリックすることによって上下にスクロールできる。そして、設定キー1112がクリックされ、OKキー1116がクリックされると同時タッチファンクション登録画面が表示される。
同時タッチファンクション登録画面は、機能の名称を表示するための名称表示欄1121、機能を実行するプログラムが保存されているファイルを表示するファイル名表示欄1122、機能を示すボタンを選択するための選択キー1123、選択キーによって選択されたボタンを表示するプレビュー欄1124、さらにプレビュー欄1124にボタンを表示させるための参照キー1125、OKキー1126、キャンセルキー1127を表示する。
同時タッチファンクション登録画面において登録する機能の名称、ボタンが決定すると、オペレータは、OKキー1126をクリックし、ファイル検索画面を表示させる。ファイル検索画面は、プログラムが保存されているファイルの検索先を表示する検索先欄1131、検索の対象となるファイルの種別を表示するファイル種類欄1134、ファイル名を表示するファイル名欄1133、検索されたファイルを開くキー1135、開かれたファイルの内容を表示する表示欄1132、キャンセルキー1136を表示する。
オペレータは、検索先欄1131で検索先を選択すると共に表示させる。そして、検索すべきファイル名とファイル種別とを選択する。そして、ファイルの検索が終了し、ファイルがパソコン102にあった場合にはファイルを開き、名称表示欄1121で表示された機能を実行するプログラムをパソコン102が備えていることを確認することができる。
図12、図13は、以上説明した情報入出力装置によってなされる情報入出力制御方法を説明するためのフローチャートであって、フローチャートで示した情報入出力制御方法は、いずれもパソコン102によりプログラムにしたがって実行されるものである。図12は、座標入力の制御方法を説明するためのフローチャートであり、図13は、ツールバー表示の制御方法を説明するためのフローチャートである。
図12に示すフローチャートにおいて、パソコン102は、先ず、座標入力部106を介して座標(座標データ)が入力されたか否か判断する(ステップS1201)。この判断の結果、座標の入力がなされないと判断された場合には(ステップS1201:No)、座標が入力されるまで待機する。
また、ステップS1201において、座標が入力されたと判断されると(ステップS1201:Yes)、タッチがなされたか否か判断する(ステップS1202)。この判断は、座標が前回検出されたタッチ点にある指がデタッチされることなく存在している場合と、今回タッチがなされた場合とを判別するためになされるものである。判断の結果、タッチがなされている場合には(ステップS1202:Yes)、入力した座標が1点であるか否か判断する(ステップS1203)。
ステップS1203において座標が1点であると判断された場合(ステップS1203:Yes)、1つのタッチ点を検出した場合の処理を実行する(ステップS1204)。そして、タッチ点の座標を画面制御部108に通知して(ステップS1205)、再び座標データの入力がなされたか否か判断する(ステップS1201)。
また、ステップS1203において、入力した座標が1点でないと判断された場合(ステップS1203:No)、座標データに基づいてタッチ候補点を取得すると共にタッチ候補点が2点以上であるか否か判断する(ステップS1206)。実施の形態1では、前記したように同時タッチ点を2点に限定しているから、タッチ候補点が2点以上あった場合には(ステップS1206:Yes)、検出が無効であるとして次の座標の入力に備える(ステップS1201)。
ステップS1206の判断において、タッチ候補点が2より大きい数でなかった場合(ステップS1206:No)、座標制御部107が、間隔長Lx、間隔長Lyを算出する(ステップS1208)。そして、算出された間隔長Lx、間隔長Lyが、それぞれ特定長よりも長いか否か判断する(ステップS1209)。判断の結果、間隔長Lx、間隔長Lyが特定長よりも長ければ(ステップS1209:Yes)、複数のタッチが複数のオペレータによってそれぞれなされた1点のタッチである可能性があることから、検出が無効であるとして次の座標の入力に備える(ステップS1201)。
また、ステップS1202において、座標の入力がタッチによるものでないと判断された場合(ステップS1202:No)、タッチ点から指がデタッチしたか否か判断する(ステップS1212)。そして、デタッチがなされたと判断された場合(ステップS1212:Yes)、検出されたタッチ点が1点であるか否か判断する(ステップS1213)。この判断の結果、タッチ点が1点であった場合には(ステップS1213:Yes)、画面制御部108にデタッチを通知する(ステップS1214)。
ステップS1213において、検出されたタッチ点が1点でなかった場合(ステップS1213:No)、同時タッチが検出されたか否か判断する(ステップS1215)。そして、同時タッチが検出された場合には(ステップS1215:Yes)、画面制御部108が、ツールバーの制御プログラムを起動して表示画面104にツールバーを表示させる(ステップS1216)。また、ステップS1212において、デタッチが検出されなかった場合には(ステップS1212:No)、入力した座標が1点であるか否か判断する(ステップS1217)。
ステップS1217の判断の結果、座標が1点でない場合(ステップS1217:No)、1点のタッチ点が検出されている否か判断する(ステップS1218)。判断の結果、1点のタッチの検出がなされていない場合には(ステップS1218:No)、次の座標データの入力に備える(ステップS1201)。一方、ステップS1218の判断において、1点のタッチ点が検出された場合には(ステップS1218:Yes)、1点がタッチされている間に別の点がタッチされたものと考えられる。このとき、座標制御部107は、先に入力された点がタッチされたものとして画面制御部108に通知する(ステップS1219)。
また、ステップS1217において1点の座標が検出されていると判断された場合(ステップS1217:Yes)、1点のタッチ点が検出されているか否か判断する(ステップS1220)。判断の結果、1点のタッチ点が検出された場合には(ステップS1220:Yes)、タッチ点の座標を算出する(ステップS1221)。また、1点のタッチ点が検出されなかった場合には(ステップS1220:No)、タッチがなされている間に他の点のタッチ、あるいは同時タッチの状態から1点だけ指が離れた状態になったものとして座標を無視して次の座標の入力に備える(ステップS1201)。
次に、図13を用い、表示されたツールバーを制御する手順を説明する。図13で説明する手順は、パソコン102の主に画面制御部108によってなされるものである。図13で説明したフローチャートは、先ず、図12で説明したフローチャートの手順にしたがってツールバーを表示する(ステップS1301)。そして、座標制御部107から入力した座標が通知されたか否か判断する(ステップS1302)。判断の結果、座標が通知されない場合には(ステップS1302:No)、通知されるまで待機する。
また、画面制御部108に座標が通知された場合(ステップS1302:Yes)、通知された座標になされたタッチがデタッチしたか否か判断する(ステップS1303)。デタッチがなされていない場合には(ステップS1303:No)、ツールバーが通知された座標上にあるか否か判断し(ステップS1304)、ツールバー上にある場合には(ステップS1304:Yes)、座標に該当するツールバーのボタンを反転して表示する(ステップS1305)。そして、再度、次の座標の通知に備えて待機する。
一方、通知された座標がツールバー上にない場合(ステップS1304:No)、画面制御部108は、ツールバーが反転表示されているか否か判断する(ステップS1309)。ツールバーが反転表示している場合には(ステップS1309:Yes)、反転表示されているツールバーを正常に表示(ステップS1310)し、次の座標の通知に備えて待機する。また、ツールバーが反転表示されていない場合(ステップS1309:No)、ツールバーの表示を変更することなく次の座標の通知に備えて待機する。
また、ステップS1303において、デタッチがなされたと判断された場合(ステップS1303:Yes)、画面制御部108は、ツールバーが反転表示されているか否か判断する(ステップS1306)。反転表示中であった場合(ステップS1306:Yes)、反転表示されているボタンで示される機能を起動する(ステップS1307)。そして、さらに、表示されているツールバーを消去した後(ステップS1308)、次の座標の通知に備えて待機する。また、反転表示なされていない場合には(ステップS1306:No)、機能を起動することなく表示されているツールバーを消去し(ステップS1308)、処理を終了する。
また、実施の形態1は、情報入出力装置の表示画面104の全域に本発明の情報入出力制御方法を適用している。しかし、例えば、図14のように、表示画面104の一部の領域(有効範囲)1401においてだけ、本発明の情報入出力制御方法を適用することができる。また、有効範囲1401は、一般的なドラッグ操作などによって1401で示す矩形の外周を決定することで設定できる。
有効範囲1401においてだけ本発明の情報入出力制御方法を適用した場合、オペレータが通常立つ位置の近くでだけ同時タッチによってツールバーを表示させることができる。そして、有効範囲以外では、聴講者などが表示画面104に触れたとしても、これをタッチと誤判断してオペレータによって入力された同時タッチが無効になるといったことを防ぐことができる。図14に示した有効範囲1401は、オペレータが表示画面104の前面に立つ場合に設定されるものであり、オペレータが表示画面104の左または右の側に立つ場合には表示画面104の左または右の側だけを有効範囲とすることが考えられる。
また、実施の形態1は、同時タッチを2点が同時にタッチされるものに限定しているが、本発明は、2〜10点の何点が同時タッチされた場合にも適用できる。図15は、さらに2点以上のタッチ点を検出する例として、3点のタッチ点の検出を説明するための図である。図15(a)〜(c)は、実際にタッチされた点をより濃い色の点で示し、タッチ候補点を白い点で示している。また、図中に示した直線は、検出された点と点を検出したセンサとをつないでいて、直線が1点に集まる点にはセンサが配置されている。すなわち、図15(a)〜(c)の構成は、いずれも、図3と同様に長辺の端部にセンサを1個ずつ備えるものとする。
図15(a)のように、2つのセンサがそれぞれ3方向にタッチ点を検出した場合、タッチパネルにおいては、実際にタッチされた3点以外に6個のタッチ点を検出することになる。また、(b)のように、2つのセンサのうちの一方が2方向にタッチ点を検出した場合、他方のセンサが3方向にタッチ点を検出することになる。さらに、(c)のように、2つのセンサのうちの一方が1方向にのみタッチ点を検出した場合にも、他方のセンサは、3方向にタッチ点を検出する。
つまり、本実施の形態のタッチパネルは、同時に3点がタッチされた場合、必ず一方のセンサが3点のタッチを検出し、3点タッチがなされたことを情報入出力装置に入力することができる。また、同様に、4点が同時にタッチされた場合には少なくとも一方のセンサが4方向にタッチ点を検出し、5点が同時にタッチされた場合には少なくとも一方のセンサが5方向にタッチ点を検出する。さらに、本実施の形態によれば、同様に、10点までの同時タッチを検出することができる。
また、本発明の情報入出力装置は、2〜10点の複数の点(例えば3点、4点、5点の3つ)にそれぞれ異なる機能を割り付けることができる。そして、各点に割り付けられる機能は、ツールバーの表示に限らず、コンピュータの正常終了やネットワークの接続といったコンピュータで実行される制御であればどのようなものであってもよい。さらに、タッチ点の数とタッチ点数に割り付けられる機能との対応は、ユーザによって予め設定しておくことができる。
図16(a)、(b)、(c)は、タッチ点の数とタッチ点数に割り付けられる機能との対応を設定する機能設定画面を示した図である。機能設定画面は、多点タッチ機能設定画面(図16(a))、同時タッチ機能登録画面(図16(b))、ファイル検索画面(図16(c))の3つの画面からなる。多点タッチ機能設定画面は、機能設定画面において最初に表示される画面である。そして、8個のポインタ1601、各ポインタに対応する8個の機能名称表示欄1604、設定キー1605、削除キー1606、OKキー1607、キャンセルキー1608を表示する。
多点タッチ機能設定画面において、オペレータは、機能を設定したいタッチ点数に対応するポインタ1601をクリックして選択する。そして、OKキー1607をクリックすることによって同時タッチ機能登録画面を開く。同時タッチ機能登録画面は、設定した機能の名称を表示する名称表示欄1609、機能を実行するために必要なプログラムが保存されているファイルの名称を表示するファイル名表示欄1610、ファイルを参照する参照キー1611、OKキー1612、キャンセルキー1613を表示する。
多点タッチ機能設定画面において登録する機能の名称、ファイル名が決定すると、オペレータは、OKキー1612をクリックし、ファイル検索画面を表示させる。ファイル検索画面は、プログラムが保存されているファイルの検索先を表示する検索先欄1614、検索の対象となるファイルの種別を表示するファイル種類欄1617、ファイル名を表示するファイル名欄1616、検索されたファイルを開くキー1618、開かれたファイルの内容を表示する表示欄1615、キャンセルキー1619を表示する。
オペレータは、検索先欄1614でファイルの検索先を選択すると共に表示させる。そして、検索すべきファイル名とファイル種別とを選択する。そして、ファイルの検索が終了し、ファイルがパソコン102にあった場合にはファイルを開き、表示欄1615で表示された機能を実行するプログラムをパソコン102が備えていることを確認することができる。このとき、オペレータは、多点タッチ機能設定画面に戻り、ポインタで選択した項目に対応する機能名称表示欄1004に選択した機能を表示させて設定キー1605をクリックする。以上の動作により、複数のタッチ点のそれぞれに異なる機能を設定することができる。
また、実施の形態1は、情報入出力装置の制御装置に汎用的なコンピュータであるパソコンを用いている。しかし、本発明は、パソコンを用いるものに限定されるものでなく、情報入出力装置を制御するための情報入出力制御方法のプログラムを実行できるコンピュータを備えた専用の構成によって情報入出力装置を制御するものであってもよい。さらに、例えば、専用の構成で光学ユニットの検出データである座標データに基づく演算を実行して座標を算出する。算出された座標をパソコンに入力するというように、専用の構成と汎用的なパソコンとを組み合せて情報入出力装置を制御するものであってもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。なお、実施の形態2の情報入出力装置のうち、実施の形態1で説明した情報入出力装置と同様の構成については同様の符号を付し、説明を一部略すものとする。
実施の形態2は、実施の形態1で述べた情報入出力装置に備えられるプログラムが、さらに、ツールバーを編集する手順を含むものである。図17(a)、(b)は、ツールバーを編集する手順を説明するための図であって、図17(a)はツールバー選択画面を、(b)はツールバー設定画面を示す図である。
ツールバー選択画面は、5つのポインタ1701と、各ポインタ1701に対応する5つのツールバー名称表示欄1702と、ツールバービューア1703、設定キー1704、削除キー1705、前へキー1706、後へキー1707、OKキー1708、キャンセルキー1709を表示させる。ツールバー選択画面において、オペレータは、ポインタ1701をクリックすることによってツールバーの登録番号を選択する。そして、選択された番号のツールバーのツールバー名称表示欄1702に任意の名称を入力して表示させる。
図17に示したツールバーは、「標準ツールバー」、「プレゼンテーションツールバー」、「電子黒板ツールバー」、「電子会議ツールバー」といった用途のほか、「佐藤満ツールバー」といったユーザに応じても編集することができる。例えば「佐藤満」ツールバーを編集する場合、オペレータは、5番目のポインタ1701をクリックし、OKキー1708をクリックする。クリックにより、ツールバー設定画面が表示される。
ツールバー設定画面は、登録がされた複数のボタン1710および各ボタンに対応する機能の名称を表示する登録項目表示欄1711、登録できる複数のボタン1710および各ボタンに対応する機能の名称を表示する選択項目表示欄1714、追加キー1712、削除キー1713、OKキー1715、キャンセルキー1716を表示する。
ツールバー設定画面において、オペレータは、選択項目表示欄1714にある任意のボタンをクリックして選択し、追加キー1712をクリックすることによって選択されたボタンとボタンに対応する機能とを登録項目表示欄1711に追加することができる。追加により、選択されたボタンに対応する機能が「佐藤満ツールバー」に登録され、ツールバー上にボタンの表示が追加される。また、オペレータは、登録項目表示欄1711にある任意のボタンをクリックして選択し、削除キー1713をクリックすることによっていったん登録されたボタンおよび機能を登録から削除することができる。
以上の登録によって設定されたツールバーの表示状態は、ツールバー選択画面のツールバービューア1703において表示される。オペレータは、ツールバービューア1703の表示を見て設定したツールバーを確認し、OKキー1708をクリックすることによって「佐藤満」ツールバーの設定を完了する。
以上述べた実施の形態2によれば、ツールバーの用途やユーザのニーズに応じてツールバーを簡単に編集し、カスタマイズすることができる。このため、実施の形態2は、実施の形態1で得られる効果に加えて、さらに表示したツールバーの使い勝手を高めることにより、より情報入出力装置の操作性を高めることができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の実施の形態3について説明する。なお、実施の形態3の情報入出力装置のうち、実施の形態1、2で説明した情報入出力装置と同様の構成については同様の符号を付し、説明を一部略すものとする。
実施の形態3は、実施の形態1で説明した情報入出力装置が備えるプログラムが、さらに、タッチパネル上にある2点以上の点が同時にタッチされた場合にツールバーを表示画面から消去、またはツールバーの表示形態を変更する手順を含むものである。さらに、実施の形態3は、情報入出力装置のプログラムが、ツールバーのドラッグ方向に基づいて、表示されたツールバーの長さ方向を縦または横のいずれかに切り換える手順を含むものである。
つまり、実施の形態1の情報入出力装置は、表示画面に同時タッチすることによってツールバーを表示させ、ツールバーに設定された機能を実行した後にツールバーを消去していた(図13、ステップS1308)。実施の形態3の情報入出力装置は、ツールバーが表示画面に表示されていない状態で同時タッチすることによってツールバーが表示され、ツールバーが表示された状態で同時タッチすることによって表示されたツールバーを消去する、あるいは制御ボタンだけの表示に変更することができる。
図18(a)〜(f)は、実施の形態3のツールバーの表示形態を変更する手順を説明するための図、およびツールバーの表示形態を元に戻す際にツールバーの長さ方向を縦または横に切り換える手順を説明するための図である。図18に示したツールバーは、制御ボタン1801、機能ボタン1802を備えている。
図18(a)のように、ツールバーが表示されている状態で表示画面に同時タッチがなされると、画面制御部は、ツールバーの機能ボタン1802を消去して制御ボタン1801だけを表示する(ボタン化)。この際、同時タッチは、表示画面上のいずれの点(ツールバー上を含む)でなされるものであってもツールバーのボタン化を実行することができるものとする。
また、オペレータが、ボタン化されたツールバーをドラッグ(引きずり操作)した場合、画面制御部108は、座標制御部107から入力する座標に基づいてドラッグ方向を求める。そして、制御ボタン1801が横方向にドラッグされた場合、図18(c)、(d)のように、機能ボタン1802が横方向に延びる横型ツールバーとして表示される。さらに、制御ボタン1801が縦方向にドラッグされた場合、図18(e)、(f)のように、機能ボタン1802が縦方向に延びる縦型ツールバーを表示する。
図19(a)、(b)は、ツールバーのドラッグ方向を算出する方法を具体的に説明するための図である。オペレータのドラッグ操作およびデタッチ後、画面制御部108は、ドラッグが開始されたドラッグ開始座標(x1,y1)、ドラッグが終了したドラッグ終了座標(x2,y2)を算出する。そして、算出したドラッグ開始座標(x1,y1)からドラッグ終了座標(x2,y2)までのタッチ点の移動した長さ(移動長)を、x方向、y方向に分けてそれぞれ算出する。x方向の移動長Δxは、x2−x1により、また、y方向の移動長Δyは、y2−y1としてそれぞれ算出される。
ドラッグ方向は、移動長Δx、Δyを、図19(a)に示した操作方向角度算出図のΔy/Δx(ドラッグ角度)に対照することによって算出される。なお、操作方向角度算出図によって表されるデータは、実施の形態3の情報入出力装置が備えるプログラム上に保存されている。また、図示した操作方向角度算出図は、10度刻みでドラッグ角度を決定するものであるが、ドラッグ角度を決定する角度単位は、任意に設定できるものとする。
実施の形態3の情報入出力装置で算出される操作方向角度は、ドラッグ角度の近似値を用いて表される。例えば、検出したΔx、Δyがいずれもマイナスの値を持ち、ドラッグ角度が0.9000であった場合、画面制御部108は、操作方向角度算出図のΔx−、Δy−、Δy/Δx=0.839の操作方向角度である230度を操作方向角度として採用する。
以下に、操作方向角度と、操作方向角度に応じたツールバーの表示形態との関係について示す。
操作方向角度: 0゜〜 44゜ 縦型ツールバー
操作方向角度: 45゜〜134゜ 横型ツールバー
操作方向角度:135゜〜224゜ 縦型ツールバー
操作方向角度:225゜〜314゜ 横型ツールバー
操作方向角度:315゜〜359゜ 縦型ツールバー
図20(a)〜(d)は、ツールバーが表示された状態で同時タッチすることによって表示されているツールバーを消去することを説明するための図である。ツールバーの消去は、図20(a)、(b)のように、同時タッチによって直ちにツールバーを消去するものであってもよい。また、(c)、(d)のように、ツールバーの制御ボタン1801だけが表示された状態で同時タッチされた場合に、ツールバーを消去することをオペレータに確認させるメッセージを表示するようにしてもよい。
ツールバーが表示された状態で同時タッチがなされた場合、ツールバーをボタン化するか、または消去するか、さらに、消去にあたってメッセージを表示するか否かは、情報入力装置の制御にかかるプログラム上でオペレータが設定することができる。
図21は、以上説明した実施の形態3の情報入出力制御方法を説明するためのフローチャートである。なお、図21に示す情報入出力制御方法は、情報入出力装置のパソコン102により、プログラムにしたがって実行される。
図21に示すフローチャートにおいて、パソコン102は、先ず、座標入力部106を介して座標データが入力されたか否か判断する(ステップS2101)。そして、判断の結果、座標データが入力されていない場合には(ステップS2101:No)、座標データが入力されるまで待機する。
座標データが入力された場合(ステップS2101:Yes)、パソコン102は、座標制御部において座標データが同時タッチを示すものか否か判断する(ステップS2102)。同時タッチがなされたものと判断された場合には(ステップS2102:Yes)、すでにツールバーが表示されているか否か判断する(ステップS2103)。ツールバーがすでに表示されていた場合には(ステップS2103:Yes)、ツールバーをボタン化するように設定されているのか否か判断する(ステップS2104)。
ステップS2104の判断の結果、ツールバーをボタン化する設定がなされていた場合には(ステップS2104:Yes)、ツールバーをボタン化し、次の座標データ入力に備える。また、ツールバーをボタン化する設定がなされていない場合(ステップS2104:No)、ツールバーを消去して次の座標データ入力に備える。
また、ステップS2102において、座標データが同時タッチを示すものでない場合(ステップS2102:No)、座標データが、先に入力されている座標データを考慮してドラッグ操作を示すものであるか否か判断する(ステップS2107)。そして、ドラッグ操作であった場合(ステップS2107:Yes)、このドラッグ操作がツールバー上で行われたものか否かを判断する(ステップS2108)。
ツールバー上でドラッグ操作がなされた場合(ステップS2108:Yes)、ツールバーがボタン化されているか否か判断する(ステップS2109)。ツールバーがボタン化されている場合は(ステップS2109:Yes)、図19で説明した手順によってドラッグ角度を算出して操作方向角度を求める(ステップS910)。そして、算出された操作方向操作角度にしたがって縦型ツールバーを表示するか否か判断する(ステップS2111)。判断の結果、縦型表示ツールバーを表示するのであれば(ステップS2111:Yes)、縦型表示ツールバーを表示する(ステップS2113)。また、縦型ツールバーを表示するのでないなら(ステップS2111:No)、横型表示ツールバーを表示する(ステップS2112)。
また、ステップS2107において入力した座標データがドラッグ操作を示すものでない(ステップS2107:No)、ドラッグ操作がツールバー上でなされたものでない(ステップS2108:No)、ツールバーがボタン化されていない(ステップS2109:No)のいずれ場合にも、パソコン102は、ステップS2101に戻って次の座標データの入力に備える。
以上述べた実施の形態3によれば、実施の形態1で得られる効果に加え、オペレータが表示画面に同時タッチすることによって表示されているツールバーを消去、あるいはボタン化することができる。このため、オペレータは、ツールバーに手が届かない位置からでも移動することなくツールバーを消去、あるいはボタン化することができる。
また、実施の形態3は、ツールバーを、オペレータの表示画面に対する位置、あるいは表示画面に表示されている画像に合わせて縦型ツールバー、横型ツールバーのいずれかに簡単に切り換えることができる。このため、実施の形態3は、情報入出力装置の操作性をより高めることができるものといえる。
なお、以上述べた実施の形態1〜3においては、いずれも本発明の情報入出力装置に光反射式の座標入力装置を用いている。しかしながら、本発明は、このような構成に限定されるものでなく、他の座標入力装置に適用することも可能である。次に、本発明が適用できる座標入力装置の他の構成について例示し、説明する。
なお、以下に説明する座標入出力装置は、先に述べた実施の形態に用いた座標入出力装置と同様の構成を含んでいる。説明に用いる図において、図4〜9に示した座標入出力装置(実施の形態1〜3で用いた座標入力装置の基本的な構成を示した図)と同様の構成については同様の符号を付し、説明を一部略すものとする。
「ペンに再帰反射部材」
先ず、本発明に適用できる他の座標入力装置として、光反射式の座表入力装置を、図22〜24を用いて説明する。図22は、座標入力装置に用いられる指示手段2201を示す斜視図である。また、図23は、座標入力装置2300の座標入力領域2303内の1点を指示手段2201で指し示した一例を示す正面図である。
図22に示すように、座標入力装置2300の座標入力領域2303内の1点を指し示すために用いられる指示手段2201の先端近傍には、再帰性反射部材2202が設けられている。この再帰性反射部材2202は、例えば円錐形状のコーナーキューブを多数配列して形成されており、入射した光をその入射角度によらずに所定の位置に向けて反射する特性を有している。
例えば、左側の受発光手段405から投光されたプローブ光Lnは、図23に示すように、再帰性反射部材2202によって反射され、再び同一光路を辿る再帰反射光Ln´として左側の受発光手段405により受光されることになる。そのため、図23に示すように、座標入力装置2300においては、実施の形態1〜3で用いた座標入力装置のように座標入力領域2303に再帰性反射部材407を設ける必要はない。なお、指示手段2201はペン状の形状をしており、光沢のある金属製よりゴムやプラスチックなどの材質が望ましい。
このような指示手段2201の再帰性反射部材2202を備えた先端近傍を座標入力装置2300の座標入力領域2303の適当な位置(x,y)に挿入し、例えば左側の受発光手段405から投光された扇形状の光束膜の中のプローブ光Lnが指示手段2201の再帰性反射部材2202によって反射された場合、その再帰反射光Ln’は、受発光手段405の受光素子503によって受光される。このようにして受光素子503が再帰反射光Ln’を受光した場合には、再帰反射光Ln’に対応する受光素子503上の所定の位置Dnが光強度の強い領域(明点)となる。
つまり、図24に示すように、受光素子503上では位置Dnの位置に光強度が強い領域が生じ、受光素子503からの光の強度分布の形状にはピークが出現する。このピークが出現する位置Dnは反射されたプローブ光の出射/入射角θnと対応しており、Dnを検出することによりθnを知ることができる。つまり、このような光反射式の座標入力装置2300の場合も、前述した座標入力装置と同様に、光強度の波形に出現するピークに基づく三角測量の手法により指示手段2201の位置座標が算出されることになる。
「ポリゴンミラーによる光走査」
また、本発明は、ポリゴンミラーによって光走査する座標入力装置にも適用できる。次に、図25〜29を用い、ポリゴンミラーによって光走査する座標入力装置の構成について説明する。なお、図25〜29の説明中、前述した構成と同様のものについては同様の符号を付し、説明を一部略すものとする。なお、ここで説明する座標入力装置は、前述した実施の形態で用いた座標入力装置の光学ユニットを変形したものである。
より詳細には、本発明の実施の形態1〜3では扇形状の光束を投光して座標の入力領域を形成した。これに対し、ポリゴンミラーにより光走査する座標入力装置は、ポリゴンミラー等の回転走査系を有し、その回転走査系によって光源から出射された光ビームを放射状に投光して座標入力領域を形成する受発光手段2500を用いるものである。
図25は、受発光手段2500を概略的に示す平面図である。図25に示すように、受発光手段2500は、駆動回路(図示せず)を有してレーザ光を出射する光源であるLD(Laser Diode:半導体レーザ)2501とハーフミラー2502とポリゴンミラー2503と集光レンズ2504とで構成される投光手段2500aと、受光素子2505とが備えられている。受光素子2505は、集光レンズ2504から距離f(fは集光レンズ2504の焦点距離)の間隔で設けられたPD(Photo Diode)で構成されている。
受発光手段2500は、LD2501から出射したレーザ光をハーフミラー2502で折り返した後、パルスモータ(図示せず)により所定の角速度ωtで回転駆動されるポリゴンミラー2503によって放射状に順次反射する。したがって、受発光手段2500は、ビーム光を放射状に繰り返し投光することになる。つまり、2つの受発光手段2500から放射状に投光されるビーム光によって座標入力領域(図示せず)が形成されることになる。
一方、反射されて受発光手段2500に入射したビーム光は、ポリゴンミラー2503によって反射され、ハーフミラー2502に到達する。ハーフミラー2502に到達した反射ビーム光は、ハーフミラー2502を透過して受光素子2505に到達し、電気信号に変換される。
ここで、図25に示した受発光手段2500を受発光手段405に代えて座標入力装置に適用した場合について説明する。図26に示すように、座標入力領域403中のある位置に指示手段404が挿入されてビーム光が遮断されると、そのビーム光は再帰性反射部材407で反射されることはないので、受光素子503に到達することはない。このように座標入力領域403中のある位置に指示手段404が挿入されてあるビーム光が遮断された場合、受光素子503からの光の強度分布の形状にはディップが出現する。
各部の電気的接続等については技術的に公知であるため詳細な説明は省略するが、図27に示すように、座標入力領域403に指示手段404が挿入されていない場合には光強度は“I=I1”を示すが、座標入力領域403に指示手段404が挿入されて受光素子2505に再帰光が戻らない場合には光強度は“I=I0”を示すことになる。このように光強度が“I=I0”である部分が、ディップである。なお、図27中、時間t=t0は、ポリゴンミラー2503の回転の基準位置であって、回転走査されるビーム光が所定の角度に達した時点である。
したがって、光強度が“I=I0”となった時間tをt1であるとすれば、座標入力領域403に挿入された指示手段404により遮断されたビーム光の出射角度θは、
θ=ω(t1−t0)=ω△t
として算出される。つまり、左右それぞれに設けられた受発光手段2500において座標入力領域403に挿入された指示手段404により遮断されたビーム光の出射角度θ(θnL,θnR)が算出され、それらの出射角度θ(θnL,θnR)に基づく三角測量の手法によって指示手段404を挿入した位置座標が検出されることになる。
次に、受発光手段2500を受発光手段405に代えて座標入力装置2300に適用した場合について考える。図28に示すように、座標入力領域2303中のある位置に指示手段2301が挿入された場合、所定のビーム光が指示手段2301の再帰性反射部材407において再帰反射され、そのビーム光は受発光手段2500の受光素子503(図24)に到達する。このように座標入力領域2303中のある位置に指示手段2301が挿入されてビーム光が再帰反射された場合、受光素子からの光の強度分布の形状にはピークが出現する。
各部の電気的接続等については技術的に公知であるため詳細な説明は省略するが、図29に示すように、座標入力領域2303に指示手段2301が挿入されていない場合には光強度は“I=I0”を示すが、座標入力領域2303に指示手段2301が挿入されて受光素子503に再帰光が到達した場合には光強度は“I=I1”を示すことになる。このように光強度が“I=I1”である部分が、ピークである。なお、図29中、時間t=t0は、ポリゴンミラー2503の回転の基準位置であって、回転走査されるビーム光が所定の角度に達した時点である。
したがって、光強度が“I=I1”となった時間tをt1であるとすれば、座標入力領域2303に挿入された指示手段2301により再帰反射されたビーム光の出射角度θは、
θ=ω(t1−t0)=ω△t
として算出される。つまり、左右それぞれに設けられた受発光手段2500において座標入力領域2303に挿入された指示手段2301により再帰反射されたビーム光の出射角度θ(θnL,θnR)が算出され、それらの出射角度θ(θnL,θnR)に基づく三角測量の手法によって指示手段2301を挿入した位置座標が検出されることになる。
「撮像方式」
また、本発明は、撮像方式の座標入力装置にも適用できる。次に、図30、31を用い、撮像方式の座標入力装置の構成について説明する。なお、図30、31の説明中、前述した構成と同様のものについては同様の符号を付し、説明を一部略すものとする。なお、ここで説明する座標入力装置は、前述した実施の形態で用いた座標入力装置の座標検出方式の変形例であって、座標入力領域内の画像情報を撮像カメラにより取り込み、取り込まれた画像情報のうちの一部に基づいて位置座標を検出するいわゆるカメラ撮像方式の座標入力装置を適用したものである。
図30は、座標入力装置3000の構成を概略的に示す正面図である。座標入力装置3000の座標入力領域3001の上方両端部には、撮像手段である撮像カメラ3002が距離wを隔てて設けられている。撮像カメラ3002には、CCDである受光素子3003と結像光学レンズ3004とが、距離fを隔てて設けられている。これらの撮像カメラ3002の撮像画角は約90度であり、座標入力領域3001を撮影範囲とするようにそれぞれ設置されている。また、撮像カメラ3002は座標入力面を形成するディスプレイ面800から所定の距離となるように設置されており、その光軸はディスプレイ面800に平行である。
加えて、座標入力領域3001の上部を除く周縁部であって撮像カメラ3002の撮像画角を妨げずに撮影視野全体を覆う位置には、背景板3005が設けられている。この背景板3005は、座標入力領域3001の中央にその面を向け、ディスプレイ面800に対して略垂直に設けられる。この背景板3005は、例えば一様な黒色とされている。
撮像カメラ3002の信号と指示手段3006との関係を図31に示す。図31に示すように、指示手段3006が座標入力領域3001に挿入された場合、指示手段3006は、撮像カメラ3002に撮影され、指示手段3006の像が撮像カメラ3002の受光素子3003上に形成される。座標入力装置3000のように背景板3005が黒色であって、指を指示手段3006として用いるような場合には、指示手段3006は背景板3005に比べて高い反射率を有することになるので、受光素子3003の指示手段3006に相当する部分は、光強度の強い領域(明点)となる。
各部の電気的接続等については技術的に公知であるため詳細な説明は省略するが、図31に示すように、座標入力領域3001に指示手段3006が挿入された場合には、受光素子3003からの光の強度分布の形状にはピークが出現する。このピークが出現する位置Dnは、結像光学レンズ3004の主点からの指示手段3006の見かけの角度θnに対応しており、θnはDnの関数として、
θn=arctan (Dn/f)
と表すことができる。つまり、このようなカメラ撮像方式の座標入力装置3000の場合も、前述した座標入力装置と同様に、光強度の波形に出現するピークに基づく三角測量の手法により指示手段3006の位置座標が算出されることになる。なお、指示手段3006としては、自身が発光する発光素子付きの専用ペン等も適用することができる。
「受発光素子列による方式」
また、本発明は、受発光素子列による方式の座標入力装置にも適用できる。次に、図32、33を用い、受発光素子列による方式の座標入力装置の構成について説明する。なお、図32、33の説明中、前述した構成と同様のものについては同様の符号を付し、説明を一部略すものとする。なお、ここで説明する座標入力装置は、前述した実施の形態で用いた座標入力装置の方式の変形例であって、三角測量によって座標を検出するものではなく、直交する2軸の座標を直接検出するいわゆるLEDアレイ方式の座標入力装置を適用したものである。
図32は、座標入力装置3200の構成を概略的に示す正面図である。図32に示すように、座標入力装置3200は、Xm個の発光手段である発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)3201を水平方向に一定間隔で配置した発光素子列3202と、これに1対1に対応したXm個の受光手段であるフォトトランジスタ3203を一定間隔で対向配置した受光素子列3204と、Yn個のLED3201を垂直方向に一定間隔で配置した発光素子列3205と、これに1対1に対応したYn個のフォトトランジスタ3203を一定間隔で対向配置した受光素子列3206とを備えている。
そして、発光素子列3202と、受光素子列3204と、発光素子列3205と、受光素子列3206とにより囲まれた空間部分が、座標入力領域3207とされている。つまり、座標入力領域3207内には、水平方向に形成されるm個の光路と垂直方向に形成されるn個の光路とがマトリクス状に交差可能となっている。なお、座標入力領域3207は、ディスプレイ面800のサイズに対応したサイズであって横長の四角形状に形成されており、手書きにより文字や図形等の入力を可能にする領域である。
座標入力領域3207のある位置に指等の指示手段3208が挿入された場合には、指示手段3208により所定の光路が遮られるため、その遮断光路にある受光素子列3204のフォトトランジスタ3203および受光素子列3206のフォトトランジスタ3203の受光光量がそれぞれ低下することになる。
各部の電気的接続等については技術的に公知であるため詳細な説明は省略するが、図33に示すように、座標入力領域3207に指示手段3208が挿入されていない場合には各フォトトランジスタ3203の光強度は“I=i1”を示すが、座標入力領域3207に指示手段3208が挿入されて光路が遮られた場合には、その遮断光路にあるフォトトランジスタ3203の光強度は“I=i0”を示すことになる。このように光強度が“I=i0”である部分をディップという。なお、図33中、横軸はフォトトランジスタ3203の位置に相当し、実際にはフォトトランジスタ3203の光出力を逐次読みとる走査時間である。
そして、受光光量が低下した受光光量が低下した受光素子列3204のフォトトランジスタ3203および受光素子列3206のフォトトランジスタ3203の位置に相当するディップ位置を検出し、指示手段3208により指示された座標位置を算出する。実際には、基準位置t=t0からのディップ位置が検出されるまでの時間t1や、図33で示した波形をメモリに取り込み、メモリ内のデータに対してディップ位置に相当するメモリ番地としてディップの位置を検出することになる。
なお、本明細書中で説明した座標入力装置は、いずれも表示装置であるPDPに備えられている。しかし、本発明は、このような構成に限定されるものではなく、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、前面投影型プロジェクター、背面投影型プロジェクター等を表示装置として適用してもよい。さらに、これらの表示装置に限定されるものではなく、特に図示しないが、ライティングボードとして機能する黒板やホワイトボード等に備えることもできる。