JP5403393B2 - 現像装置並びにこれを備える画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
この現像装置は、マグネットローラ(磁界発生手段)247を非磁性の現像スリーブ(中空体)241内に配置してマグネットローラ247の磁力により現像スリーブ外周面上に現像剤を担持して搬送する現像剤担持体を備えている。また、現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤を攪拌しながら現像スリーブ241の回転軸方向に沿って搬送するスクリュー形状の攪拌搬送部材242,243と、現像スリーブ241に担持された二成分現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材246も備えている。現像剤収容部は、現像スリーブ241の下方に位置して現像スリーブ軸方向へ延びた第1収容室(供給室)249Aと、この第1収容室249Aに隣接して現像スリーブ軸方向へ延びた第2収容室(攪拌室)249Bとに仕切られており、第1収容室249Aと第2収容室249Bのそれぞれに攪拌搬送部材242,243が設けられている。攪拌搬送部材243により第1収容室249Aの下流端(図中奥側)まで搬送された現像剤は仕切りがない箇所で第2収容室249Bへと移送され、第2収容室内の攪拌搬送部材242により第2収容室249Bの下流端(図中手前側)に向けて搬送される。そして、第2収容室249Bの下流端まで搬送された現像剤は仕切りがない箇所で第1収容室249Aへと移送され、第1収容室内の攪拌搬送部材243により第1収容室249Aの下流端に向けて搬送される。このように現像剤は現像剤収容部内を循環搬送される。現像により消費された分のトナーを補充するための補給用トナーは、通常、第2収容室249B内の現像剤に対して供給される。第1収容室249A内の現像剤は、その搬送中にマグネットローラ247の磁力により現像スリーブ241上に汲み上げられる。その後、現像スリーブ241上に汲み上げられた現像剤は、現像剤規制部材246により規制された後、潜像担持体12と対向する現像領域を通過し、再び現像剤収容部内に戻る。
しかし、変極点Qの付近で常に現像剤が高密度の状態となる結果、現像剤に大きなストレスを常時加えることになる。そのため、第1収容室249Aの攪拌搬送部材243を駆動するためのトルクを大きくせざるを得ず、また、攪拌搬送部材243の高剛性化や大型化が必要になり、コストアップや現像装置の大型化に繋がるという不具合があった。
また、現像剤に加わるストレスが大きいので、キャリア表面へのトナー添加剤の埋り込みやキャリアの表層膜の磨耗等の進行が速いために、トナー帯電特性や現像剤の粉体特性が悪化しやすく、滑らかな画像品質を長期にわたって維持することが困難であるという不具合もあった。また、現像剤の粉体特性が悪化しやすい関係で、特に搬送能力の低い現像スリーブの場合には現像領域へ搬送される現像剤量の低下が起こりやすく、画像濃度を長期にわたって維持することが困難であるという不具合も生じる。
また、特許文献2にも、上述した剤切れ・汲み上げ・規制極N3を現像剤規制部材346の近接位置に配置した現像装置が開示されている。この現像装置も、同様の理由から、現像剤へのストレスを低減できるものである。
図29のような現像装置とは異なり、図28に示した現像装置であれば、規制位置の上流側領域における変極点Qの付近で高密度の現像剤が滞留しているため、汲み上げられた現像剤は、この滞留領域を通過する際に、滞留している現像剤と高ストレス状態で混ざり合う。よって、現像後の現像剤と他の現像剤との混合が不十分なまま汲み上げられたとしても、その現像剤のトナー濃度偏差が上記滞留領域で均されるため、画像濃度ムラが生じないことは少ない。しかし、図29のような特許文献1及び特許文献2に記載された現像装置においては、上述したとおり、規制位置の上流側領域に現像剤があまり滞留しないので、この規制位置の上流側領域における現像剤トナー濃度偏差の均し効果がほとんど得られない。そのため、第1収容室(供給室)349A内の他の現像剤上に落下した現像後の現像剤がすぐに汲み上げた場合には、トナー濃度が低い状態の現像剤部分とトナー濃度が高い状態の現像剤部分とが併存したまま規制位置を通過して現像領域へ搬送され、画像濃度ムラを生じさせやすい。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記磁性体部材は、上記薄板部分を曲げ加工して得られる一方の板面部分を上記第2磁極に向かう上記対向面とし、他方の板面部分を上記現像剤規制部材に対する接合面としたものであり、上記磁性体部材の接合面を、現像剤担持体による現像剤搬送方向上流を向く上記現像剤規制部材の上流側面に接合することにより、該磁性体部材を該現像剤規制部材に固定したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の現像装置において、上記磁性体部材は、上記現像剤担持体の回転軸方向に延在する中空領域を内部に備えた中空部材であり、該中空部材の上記第2磁極に向かう側の部位が上記薄板部分を構成し、該磁性体部材の中空領域内の熱を該中空領域外へ移動させることにより該磁性体部材を冷却する冷却手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、現像剤担持体による現像剤搬送方向上流側における上記対向面の端部が、上記第2磁極による法線方向磁束密度が上記現像剤担持体上で最大となる地点の法線よりも、現像剤担持体による現像剤搬送方向上流側となるように、上記磁性体部材を配置したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置において、現像剤担持体による現像剤搬送方向上流側における上記現像剤規制部材の規制面端部が、上記第2磁極による法線方向磁束密度が上記現像剤担持体上で最大となる地点の法線よりも、現像剤担持体による現像剤搬送方向下流側となるように、該現像剤規制部材を配置したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤規制部材は非磁性であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤規制部材は、上記現像剤担持体に対して鉛直方向下方に配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の現像装置において、上記中空体は、その外周面に多数の楕円形状の凹みがランダムに設けられたものであることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像装置において、上記密閉部材は板状部材であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体と対向する現像領域に磁性キャリアおよびトナーからなる二成分現像剤を搬送して該潜像担持体上の潜像に該トナーを付着させて現像する現像装置とを一体的に支持し、該現像装置による現像によって得られるトナー像を潜像担持体上から最終的に記録材上へ転移させることで該記録材上に画像を形成する画像形成装置に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、上記現像装置として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体と対向する現像領域に磁性キャリアおよびトナーからなる二成分現像剤を搬送して該潜像担持体上の潜像に該トナーを付着させて現像する現像装置とを備え、該現像装置による現像によって得られるトナー像を潜像担持体上から最終的に記録材上へ転移させることで、該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、上記現像装置として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、上記磁性キャリアの重量平均粒径は20[μm]以上65[μm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項11又は12の画像形成装置において、上記磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における磁化の強さは40[A・m2/kg]以上、90[A・m2/kg]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項11乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記トナーとして、体積平均粒径が3μm以上8μm以下であり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記トナーとして、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項11乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項11乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記トナーは、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とするものである。
また、本発明においては、磁性体部材が現像剤規制部材に対して現像剤担持体による現像剤搬送方向上流(以下、単に「上流」という。)側の現像剤担持体外周面外方に配置されており、その磁性体部材が有する薄板部分の板面(以下「磁性体板面」という。)が現像有効幅にわたって第2磁極に向かっている。具体的には、例えば、磁性体板面が平面である場合、その面方向が、第2磁極による法線方向磁束密度が存在する現像剤担持体上の領域における接線方向と略平行となるように、第2磁極に対して磁性体板面が配置されている。磁性体板面と第2磁極との間の領域では、この磁性体板面が存在しない場合に比べて磁束が集中して存在することになる(以下、この領域を「磁界集中領域」という。)。そのため、現像剤収容部内における現像剤規制部材の規制位置よりも上流側に位置する上記磁界集中領域では、磁性体板面が存在しない場合に比べて強い磁力によって現像剤を拘束することができる。ここで、現像剤規制部材による規制位置を通過する大部分の現像剤は、現像剤担持体表面近傍に担持されている現像剤部分であり、現像剤担持体表面から離れた位置に担持されている現像剤部分は現像剤規制部材により規制位置の通過が規制される。上記のような磁性体板面が存在しない従来装置では、現像剤担持体の表面移動に伴って搬送されてきた現像剤が現像剤規制部材上流側領域を通過する際、規制位置を通過することになる現像剤担持体表面近傍に担持されている現像剤の移動の妨げとなり得るものが少なかった。これに対し、本発明においては、現像剤担持体の表面移動に伴って搬送されてきた現像剤が現像剤規制部材上流側領域の磁界集中領域に進入すると、その表面近傍の現像剤は、この磁界集中領域ですでに拘束されている現像剤と衝突したり、その磁界集中領域中の磁界に拘束されたりして、その進行を妨げられながら磁界集中領域中を移動する。このとき、磁界集中領域中で現像剤の進行が妨げられる度合い等は個々の現像剤で異なることから、磁界集中領域を通過するまでに要する時間も個々の現像剤で異なることになる。その結果、トナー濃度偏差が顕著な現像剤が磁界集中領域に搬送されてきても、磁界集中領域を通過した後はそのトナー濃度偏差が均され、その偏差が少なくなった状態に改善できるものと考えられる。また、磁界集中領域中ですでに拘束されている現像剤と衝突するなどで、その進行方向が変更されることもあるが、変更される方向や変更の程度なども個々の現像剤で異なる。これも、現像剤のトナー濃度偏差を均す効果に寄与し、その偏差を少なく改善できるものと考えられる。
一方で、仮に、上記特許文献1に記載の現像装置における磁性体シートを厚くして磁性体シートの端面と第2磁極との間の磁界集中領域の長さを長くしようとすると、磁性体が巨大化してしまう。このように現像剤規制部材上流側領域に巨大な磁性体が存在すると、その磁性体によって現像剤担持体外周面上の磁界を大きく乱し、現像剤担持体による現像剤の搬送不良や現像剤の汲み上げ不良などの悪影響を及ぼす。
これに対し、本発明では、磁性体部材それ自体を巨大化することなく、現像剤規制部材上流側領域における磁界集中領域の長さを長くすることができるので、現像剤担持体による現像剤の搬送不良や現像剤の汲み上げ不良などの悪影響を及ぼすことなく、現像剤のトナー濃度偏差を十分に均すことができ、画像濃度ムラを有効に軽減できる。
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。なお、Y、C、M、Kは、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の色用の部材であることを示すものである。
このプリンタは、プロセスカートリッジとしての4色分の作像装置10Y,10C,10M,10Kが、装置本体1側に形成された図示しない画像形成ステーションに着脱自在になっている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY、M、C、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。このプリンタは、更に、レーザー光を照射可能な露光手段としての光学ユニット20、中間転写体ユニット30、給紙ユニット40、定着ユニット50等を備えている。
中間転写体ユニット30は、中間転写体としての中間転写ベルト31、中間転写ベルト31を回転可能に支持する複数(ここでは3つ)のローラ32,33,34、各感光体ドラム12に形成されたトナー像を中間転写ベルト31にそれぞれ転写する一次転写ローラ35、及び中間転写ベルト31上に転写されたトナー像を更に記録材としての記録紙Pに転写する二次転写ローラ36を備えている。
給紙ユニット40は、給紙カセット41又は手差し給紙トレイ42から記録紙Pを二次転写領域に搬送する給紙ローラ43、レジストローラ44等を備えている。
定着ユニット50は、定着ローラ51及び加圧ローラ52を備え、記録紙P上のトナー像に熱と圧を加えることで定着を行う周知の構成が採られている。
各作像装置10Y,10C,10M,10Kの構成は、使用するトナーの色が異なる以外は、同一構成であるので、以下、イエローの作像装置10Yを例に挙げて説明する。
図2は、Yトナー像を生成するための作像装置10Yを示す概略構成図である。
作像装置10Yに設けられた帯電装置13Yは、帯電ローラ131と、帯電ローラ131の表面を清掃するクリーニングローラ132とを備えている。クリーニング装置15Yは、感光体ドラム表面に接触するクリーニングブラシ151及びクリーニングブレード152と、クリーニングブラシ151及びクリーニングブレード152で掻き取ったトナーを廃トナー回収ボトル16へ向かって搬送するトナー回収コイル153とを備えている。
図3及び図4は、それぞれ、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナー形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4) ・・・(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体ドラム12との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体ドラム12との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本実施形態におけるトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージNEGVP2036、コピーチャージNXVP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
なお、磁化の強さは、以下のようにして測定することができる。B−HトレーサーBHU−60(理研電子社製)を使用し、円筒セル(内径7mm、高さ10mm)にキャリア1.0gを詰めて装置にセットする。磁場を徐々に大きくし3×106/4π[A/m](3k[Oe])磁場まで変化させ、次に徐々に小さくして0[A/m]にした後、反対向きの磁場を徐々に大きくし3×106/4π[A/m](3k[Oe])とする。さらに、徐々に磁場を小さくして0[A/m]にした後、最初と同じ方向に磁場をかける。このようにして、B−Hカーブを図示し、その図より1×106/4π[A/m](1k[Oe])の磁場における磁化の強さを算出する。
図5は、現像装置の外観を示す斜視図である。
図6は、現像装置の現像剤収容部内が視認できるように上部ケーシングを取り外した状態の斜視図である。
図7は、本実施形態におけるイエローの現像装置14Yの概略構成とともに、現像スリーブ141の表面上における法線方向磁束密度(絶対値)の分布を二点鎖線で示した説明図である。
本実施形態における現像装置のマグネットローラ147は、樹脂に磁性粉を混合してなる円柱状の部材に対し、その周面に着磁処理を施して複数の磁極を形成したものである。本実施形態のマグネットローラ147の径は18mmである。本実施形態において、マグネットローラ147に形成する磁極は、感光体ドラム12Yに対向する現像極S1から図中反時計周り(現像スリーブ141による現像剤搬送方向)に沿って順に、現像極S1(以下「S1極」という。)、搬送極N1,S2(以下、それぞれ「N1極」、「S2極」という。)、剤切れ上流極N2(以下「N2極」という。)、剤切れ・汲み上げ・規制極N3(以下「N3極」という。)である。
更に好ましくは、現像スリーブ141の外周面にランダムな楕円形状の打痕を多数形成するなどして、現像スリーブ141の外周面に多数の楕円形状の凹みをランダムに設けるのがよい。この構成によれば、現像スリーブ141の表面の凹みをピッチの粗いものとすることで、現像剤が現像スリーブ141の回転に追従できずにスリップしてしまう事態を抑制でき、一つ一つの凹みを根とした太い穂立ちを形成できる上、凹みの磨耗もしにくいものとなるので、長期にわたって画像ムラの生じることのない安定した良好な画像を得ることができる。このような凹みは、好ましくは、現像スリーブの素管表面に比較的形状の大きいカットワイヤ(金属ワイヤを短尺に切断したもの)よりなるメディアを従来のブラスト工法のように衝突させることによって形成する。
現像剤を搬送しやすくするために、現像スリーブの表面に溝や不規則な凹凸(サンドブラストやビーズブラストなど)を形成することは、一般に行われている。特に、カラー画像形成装置では、画像品質面の優位性から、表面をブラスト加工して凹凸を形成した現像スリーブが主流となっている。このような溝加工やブラスト加工等の荒らし加工は、高速で回転する現像スリーブの表面で現像剤がスリップして停滞することにより生じる画像濃度の低下の発生を防止するために行われる。
Fr=G×(Hr×(∂Hr/∂r)+Hr×(∂Hθ/∂r))
Fθ=G×(1/r×Hr×(∂Hr/∂θ)+1/r×(Hr×∂Hθ/∂θ))
ここで、「Fr」は磁力の現像スリーブ表面法線方向成分を示し、「Fθ」は磁力の現像スリーブ表面接線方向成分(以下「法線方向磁力」という。)を示し、「Hr」は磁束密度の現像スリーブ表面法線方向成分(以下「接線方向磁力」という。)を示し、「Hθ」は磁束密度の現像スリーブ表面接線方向成分を示す。なお、「r」は計算半径であり、「G」は定数(7.8×10-15)である。
以下の説明において、法線方向磁力Frが正の値を示す場合は、磁性キャリアが現像スリーブ141から離れる向きに磁力が作用し、法線方向磁力Frが負の値を示す場合は、磁性キャリアが現像スリーブ141に吸引される向きに磁力が作用するものとする。
また、以下の説明において、単に「上流」及び「下流」という場合は、現像スリーブ141による現像剤搬送方向についての「上流」及び「下流」をいうものとする。
図9は、比較装置の剤離れ領域Pの周辺における現像スリーブ141の表面上における法線方向磁束密度(細線)と、現像スリーブ141の表面上における法線方向磁力(太線)とを示すグラフである。
このグラフにおいて、法線方向磁力(太線)が正の値を取る領域が剤離れ領域Pである。
なお、これらのグラフの横軸に示す角度は、S1極による法線方向磁束密度が最大となる現像スリーブ141上の地点を0°とし、現像スリーブ回転方向(図中反時計回り方向)を正として、現像スリーブ141上の地点を角度で表したものである。
以下、そのような法線方向磁束密度の分布を持つマグネットローラ147の製造方法の一例について説明する。
図11は、比較装置のマグネットローラ447を製造する際の着磁工程の説明図である。
いずれのマグネットローラ147,447も、樹脂に磁性粉を混合してなる円柱状の部材に対し、その周面に着磁ヨーク181〜186,481〜486を対向させて着磁処理を施し、S1極、N1極、S2極、N2極、N3極を形成する。各磁極に対応する着磁ヨーク181〜186,481〜486は、形成する磁極の幅や磁界の強さによってその磁力や形状寸法等が各々異なっている。図11に示すように、比較装置においては、N2極とN3極との間に弱いN極を形成するための着磁ヨーク486は、マグネットローラ447の周面と対向する対向面部分が他の着磁ヨークと同様に平面であるため、その中央部分が最も強く着磁する。そのため、現像スリーブ141上に規定される剤離れ領域P内の法線方向磁束密度Hrが、確実に剤離れ領域Pの全域にわたってN2極及びN3極と同じN極の向き(正の値)となるように着磁しようとすると、図9や図11に示したように、どうしても極大点が存在してしまう。
また、マグネットローラ147のみならず、その周辺の磁性体部材と協働して、剤離れ領域Pの全域にわたってN2極及びN3極と同じN極の向き(正の値)となり、かつ、極大点を持たないようにすることができれば、そのような構成を採用することもできる。
本実施形態においては、上述した磁石149を設けることで、現像スリーブ上の剤離れ領域P内において、マグネットローラ147の対向領域のうちの現像スリーブ軸線方向端部領域における磁力線の向きを、現像スリーブ軸線方向に対して直交する方向へ近づけることができる。これにより、この端部領域における剥離力が向上するので、この端部領域でも現像剤に剥離力を有効に作用させ、現像スリーブ141の外周面から現像剤を効率よく離脱させることができる。その結果、この端部領域でも現像剤の連れ回りを有効に抑制できる。
ただし、本実施形態のように、磁石149のN極の磁極面が、マグネットローラ147の対向領域と対面する箇所には配置されないように構成する方が、磁力線の向きを現像スリーブ軸線方向に対して直交する方向へ近づける効果が高く、現像剤の連れ回りをより有効に抑制できる。
本実施形態の現像装置は、図29のような現像装置と同様に規制位置の上流側領域に変極点Qが存在しないため、規制位置の上流側領域に現像剤があまり滞留しないので、図28のような現像装置に比べて現像剤のストレスが低減される。なお、本実施形態の現像装置は、剤離れ領域P上の現像剤が供給室149A内の現像剤によって掻き落とされるという状況が生じない構成になっているため、剤離れ領域Pが供給室149A内の現像剤に接するように構成された図29に示した従来装置よりも、更に現像剤ストレスを低減できる。
本実施形態の現像装置は、規制位置の上流側領域に現像剤があまり滞留しないために、上述したように、規制位置の上流側領域に滞留した現像剤による現像剤のトナー濃度偏差の均し効果がほとんど得られない。そのため、現像後の現像剤が現像スリーブ141上から離脱せずに連れ回りが生じた場合や、第1収容室(供給室)349A内の他の現像剤上に落下した現像後の現像剤がすぐに汲み上げた場合には、トナー濃度が低い状態の現像剤部分とトナー濃度が高い状態の現像剤部分とが併存したまま規制位置を通過して現像領域へ搬送され、画像濃度ムラを生じさせやすい。
図17(a)は、本実施形態の現像装置におけるドクタブレード上流側の現像剤の挙動を示す説明図であり、図17(b)は従来の現像装置におけるドクタブレード上流側の現像剤の挙動を示す説明図である。
本実施形態では、ドクタ補助部材146bは、現像スリーブ軸線方向に対して直交する断面の形状が略L字となるように平板状の薄板を曲げ加工したものである。曲げ加工により得られる一方の板面部分(以下「磁極対向面」という。)146b1は、現像有効幅にわたって、すなわち、現像スリーブ上の画像形成領域長手方向全域にわたって、N3極に向かうように配置され、他方の板面部分146b2はドクタブレードのドクタ基体146aに対する接合面とされる。この接合面146b2は、ドクタ基体146aの上流側面に公知の方法で接合される。これにより、ドクタ補助部材146bはドクタ基体146aに固定される。本実施形態において、現像有効幅にわたってN3極に向かうように配置される磁極対向面146b1は、その面方向が、N3極による法線方向磁束密度が存在する現像スリーブ141上の領域における接線方向と略平行となるように配置されている。また、本実施形態において、磁極対向面146b1は、その中央部分における法線方向と、磁極対向面146b1との距離が最も短い現像スリーブ141の外周面上の地点における法線方向とが、互いに略平行となるように配置されている。
これに対し、本実施形態においては、磁極対向面146b1がN3極に向かうように配置されていることから、図17(a)に示すように、磁極対向面146b1とN3極との間に広い磁界集中領域が形成される。すなわち、ドクタブレード上流側領域における磁極対向面146b1とN3極との間の磁界集中領域の長さ(現像スリーブ141による現像剤搬送方向の長さ)が長い。そのため、本実施形態において、ドクタブレード上流側領域の磁界集中領域に進入した現像剤は、この磁界集中領域ですでに拘束されている現像剤と衝突したり、その磁界集中領域中の磁界に拘束されたりして、その進行を妨げられながら磁界集中領域中を移動する。その結果、トナー濃度偏差が顕著な現像剤が磁界集中領域に搬送されてきても、磁界集中領域を通過した後はそのトナー濃度偏差が均され、その偏差が少なくなった状態に改善できる。
図19は、ドクタブレード146の規制位置近傍の磁力分布を示す説明図である。法線方向磁力のピーク地点(N3極ピーク地点)では接線方向磁力がゼロであるが、下流へいくに従って徐々に接線方向磁力が生じる。この接線方向磁力を利用することで現像剤の汲み上げ性を安定させることが可能となる。
図20は、ドクタブレード146の規制位置がN3極ピーク地点に一致する場合(極上配置)、ドクタブレード146の規制位置が現像スリーブによる現像剤搬送方向における2つの磁極間の中心に位置する場合(極間配置)、その中心とその下流側磁極との間に位置する場合(中間配置)、という3種類の場合について、ドクタギャップに対する汲み上げ量を測定した結果を示すグラフである。このグラフからわかるように、ドクタブレード146の規制位置を極間に近づけるほど汲み上げ量が多くなるので、極間に近づけるほど所望の汲み上げ量を得るためのドクタギャップが狭くなる。そのため、異物等がドクタギャップに詰まり易くなり、異常画像の発生が増える。一方で、ドクタブレード146の規制位置を極上に近づけるほど汲み上げ量が少なくなるので、所望の汲み上げ量を得ることが困難となる。よって、ドクタブレード146の規制位置は上記中間配置が好ましい。より好ましくは、N3極による法線方向磁束密度の現像スリーブ141上での最大値の1/3となる現像スリーブ141上の地点にドクタブレード146の規制位置を配置する。
次に、本発明を、上記実施形態1の場合と同様にプリンタに適用した他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
なお、以下に説明する点を除き、本実施形態の構成や動作は上記実施形態1と同様である。
現像剤を外気から遮断する方法として、従来、現像剤の攪拌搬送スクリューが配置される現像剤収容部の上方に現像剤プリセットケースを設け、現像剤収容部と現像剤プリセットケースとの間を遮蔽するようにシート状のシール部材を現像装置内壁面に剥離可能に接着する方法があった。この方法によれば、画像形成装置の使用場所に画像形成装置を設置する際にシール部材を現像装置外部へ引き抜くと、シール部材の接着面が現像装置内壁面から剥離する。これにより、現像剤収容部と現像剤プリセットケースとが連通して、現像剤プリセットケース内の現像剤が現像剤収容部に入り込み、現像装置の使用が可能となる。
他の方法としては、現像スリーブと攪拌搬送スクリューとの間を遮蔽して攪拌搬送スクリューが配置されている現像剤収容部(攪拌空間)内に現像剤を密封するために、シート状のシール部材を現像装置内壁面に剥離可能に接着する方法も知られている。この方法によれば、現像剤プリセットケースを設ける必要がないので、現像装置を小型化できるというメリットがある。
図24は、現像装置の現像剤収容部内が視認できるように上部ケーシングを取り外した状態の斜視図である。
図25は、現像装置の概略構成を示すもので、現像スリーブ軸方向から見たときの図である。
現像装置の使用前において、本実施形態における密閉部材としての密閉シール150の一端部は、現像ケーシング144の現像スリーブ軸方向一端面に設けられた開口部144Aから露出している。そして、この端部を図中符号Aで示す方向(現像スリーブ軸方向)に沿って引っ張って密閉シール150を引き抜くことにより、密閉シール150を現像装置外部に取り出すことができる。
次に、本発明を、上記実施形態1及び2の場合と同様にプリンタに適用した更に他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態3」という。)について説明する。
なお、以下に説明する点を除き、本実施形態の構成や動作は上記実施形態1と同様である。
そこで、本実施形態3では、上記規制位置での温度上昇を抑制すべく、上記実施形態1のドクタ補助部材146bに代えて、現像スリーブ141の現像スリーブ軸線方向(回転軸方向)に延在する中空領域を内部に備えた中空部材646を用いる。
中空部材646は、現像スリーブ軸線方向に対して直交する断面の形状が略ロ字となるように加工されたものである。中空部材646の磁極対向面646b1は、上記実施形態におけるドクタ補助部材146bの磁極対向面146b1と同様であり、現像有効幅にわたってN3極に向かうように配置されている。したがって、本実施形態3でも、上記実施形態1と同様、磁極対向面646b1とN3極との間に広い磁界集中領域が形成され、ドクタブレード上流側領域の磁界集中領域に進入した現像剤は、この磁界集中領域ですでに拘束されている現像剤と衝突したり、その磁界集中領域中の磁界に拘束されたりして、その進行を妨げられながら磁界集中領域中を移動する。その結果、トナー濃度偏差が顕著な現像剤が磁界集中領域に搬送されてきても、磁界集中領域を通過した後はそのトナー濃度偏差が均され、その偏差が少なくなった状態に改善できる。
また、上記実施形態1及び2では、磁性体部材がドクタ補助部材146bとしてドクタブレード146に固定されている。これにより、互いに剛性を補完しあうことができる。
また、上記実施形態1及び2では、ドクタ補助部材146bが、薄板部分を曲げ加工して得られる一方の板面部分をN3極に向かう磁極対向面146b1とし、他方の板面部分をドクタブレード146に対する接合面146b2としたものであり、その接合面146b2をドクタブレード146の上流側面に接合することによりドクタ補助部材146bをドクタブレード146に固定している。これにより、互いに剛性を補完しあう効果を有効に得ることができる。
また、上述したように、磁性体部材を、ドクタ補助部材146bとしてではなく、ドクタブレード146から離間した位置に配置してもよい。この場合、ドクタブレード146と現像スリーブ141とのギャップに因らず、現像スリーブ141と磁性体部材との距離を一定に保持することが可能となり、安定して現像剤のトナー濃度偏差を均す効果が得られる。
また、上記実施形態1及び2では、磁極対向面146b1の上流側端部が、N3極による法線方向磁束密度が現像スリーブ141上で最大となる地点の法線よりも上流側となるように、ドクタ補助部材146bを配置している。これにより、最も強い磁力で磁界集中領域を形成することができるので、現像剤のトナー濃度偏差を均すより高い効果が得られる。
また、上記実施形態1及び2では、ドクタブレード146の規制面の上流側端部が、N3極による法線方向磁束密度が現像スリーブ141上で最大となる地点の法線よりも下流側となるように、ドクタブレード146を配置している。これにより、磁気ブラシが密である穂が寝ている部分で現像剤を切ることが可能となるため、経時で劣化した現像剤においても安定した量を現像領域へ供給できる。
また、上記実施形態1及び2では、ドクタブレード146のドクタ基体146aが非磁性である。仮にドクタブレード146のドクタ基体146aも磁性体で構成すると、ドクタ補助部材146bよりもドクタ基体146aの方が大きいので、ドクタ基体146a側により多くの磁力線が集まり、ドクタ補助部材146bに向かう磁力線が減り、磁界集中領域での均し効果が低下してしまう。また、磁力線がドクタ基体146aの方に多く向かってしまうため、汲み上げに寄与する磁力が不十分となり、汲み上げ不良が発生しやすくなる。上記実施形態1及び2のようにドクタブレード146のドクタ基体146aを非磁性で構成することで、これらの不具合が無くなる。なお、ドクタブレード146の材質としては、ステンレス、アルミニウム等が好ましい。
また、上記実施形態1及び2では、ドクタブレード146が、現像スリーブ141に対して鉛直方向下方に配置されているので、ドクタブレード146を通過できなかった現像剤を自重により速やかに現像剤収容室に向けて戻すことが可能となり、ドクタブレード上流側領域での現像剤に対するストレスを小さくすることができる。また、N2極が現像剤収容部内の現像剤の上面よりも上方に配置することができるので、磁石149も現像剤収容部内の現像剤の上面よりも上方に配置することが可能となり、現像剤収容部内の現像剤が磁石149に引き寄せられて滞留してしまう事態を抑制できる。
また、上記実施形態1及び2では、現像スリーブ141の外周面に多数の楕円形状の凹みがランダムに設けられているので、上述したように、長期にわたって画像ムラの生じることのない安定した良好な画像を得ることができる。
また、上記実施形態2では、現像ケーシング144の内壁面に当接して現像スリーブ141と搬送スクリュー142,143との間を遮蔽し、搬送スクリュー142,143が配置されている攪拌空間である現像剤収容部内を密閉するための密閉部材としての密閉シール150と、密閉シール150における現像ケーシング内壁面と当接する部分が現像ケーシング内壁面に密着するように、密閉シール150を現像スリーブ141の回転軸方向に沿って現像装置外部へ引き抜き可能に保持する保持部材として、ドクタ補助部材146bを用いている。これにより、現像装置の使用開始後には何ら機能しない不要な部材が現像装置内に残存することはなく、そのような部材によって現像装置内部におけるレイアウトの自由度が制限されるなどの問題は生じない。また、上記実施形態2では、密閉シール150を接着剤等によって接着する構成ではないので、接着する構成に比べて製造コストを抑えることが可能となるという効果もある。
12Y,12C,12M,12K 感光体ドラム
14Y,14C,14M,14K 現像装置
20 光学ユニット
31 中間転写ベルト
40 給紙ユニット
50 定着ユニット
141,241,341 現像スリーブ
142,143 搬送スクリュー
144 現像ケーシング
145 トナー補給口
146 ドクタブレード
146a ドクタ基体
146b ドクタ補助部材
146b1,646b1,746b1 磁極対向面
146b2,746b2 接合面
147,447 マグネットローラ
148 シール部材
149 磁石
149A 供給室
149B 攪拌室
150 密閉シール
181〜186,481〜486 着磁ヨーク
249A 第1収容室
249B 第2収容室
546b 磁性体シート
646b,746b 中空部材
Claims (17)
- 磁界発生手段を非磁性の中空体内に配置して該磁界発生手段の磁力により該中空体の外周面上に磁性キャリアおよびトナーからなる二成分現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、
該現像剤担持体上に担持される二成分現像剤を収容する供給室を備えた現像剤収容部と、
二成分現像剤を攪拌しながら該現像剤担持体の回転軸方向に沿って搬送する攪拌搬送部材と、
該現像剤担持体に担持された二成分現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材とを有し、
上記現像剤収容部内から上記磁界発生手段の磁力により上記現像剤担持体上に担持した二成分現像剤を、上記現像剤規制部材により規制した後に潜像担持体と対向する現像領域を通過させ、再び現像剤収容部内に戻す現像装置において、
現像装置内壁面に当接して上記現像剤担持体と上記攪拌搬送部材との間を遮蔽し、該攪拌搬送部材が配置されている攪拌空間内を密閉するための密閉部材と、
該密閉部材における該現像装置内壁面と当接する部分が該現像装置内壁面に密着するように、該密閉部材を現像剤担持体の回転軸方向に沿って現像装置外部へ引き抜き可能に保持する保持部材とを備えており、
上記磁界発生手段は、現像領域を通過した後の二成分現像剤を上記現像剤担持体から離脱させるための磁力を発生させるための互いに隣接した同極の第1磁極及び第2磁極を備えており、
上記第2磁極は、上記第1磁極よりも上記現像剤担持体による現像剤搬送方向下流側であって上記現像剤規制部材の近接位置に配置され、上記現像剤収容部内の供給室から二成分現像剤を汲み上げかつ上記現像剤規制部材により規制される現像剤担持体上の二成分現像剤を穂立ちさせるための磁力を生じさせるものであり、
上記現像剤担持体の外周面と対向する対向面を備えた薄板部分を有する磁性体部材を、現像有効幅にわたって該対向面が上記第2磁極に向くように、上記現像剤規制部材に対して現像剤担持体による現像剤搬送方向上流側の現像剤担持体外周面外方に配置するとともに、上記現像剤規制部材に固定し、
上記保持部材として、上記磁性体部材を用いることを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記磁性体部材は、上記薄板部分を曲げ加工して得られる一方の板面部分を上記第2磁極に向かう上記対向面とし、他方の板面部分を上記現像剤規制部材に対する接合面としたものであり、
上記磁性体部材の接合面を、現像剤担持体による現像剤搬送方向上流を向く上記現像剤規制部材の上流側面に接合することにより、該磁性体部材を該現像剤規制部材に固定したことを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記磁性体部材は、上記現像剤担持体の回転軸方向に延在する中空領域を内部に備えた中空部材であり、該中空部材の上記第2磁極に向かう側の部位が上記薄板部分を構成し、
該磁性体部材の中空領域内の熱を該中空領域外へ移動させることにより該磁性体部材を冷却する冷却手段を有することを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、
現像剤担持体による現像剤搬送方向上流側における上記対向面の端部が、上記第2磁極による法線方向磁束密度が上記現像剤担持体上で最大となる地点の法線よりも、現像剤担持体による現像剤搬送方向上流側となるように、上記磁性体部材を配置したことを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置において、
現像剤担持体による現像剤搬送方向上流側における上記現像剤規制部材の規制面端部が、上記第2磁極による法線方向磁束密度が上記現像剤担持体上で最大となる地点の法線よりも、現像剤担持体による現像剤搬送方向下流側となるように、該現像剤規制部材を配置したことを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記現像剤規制部材は非磁性であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記現像剤規制部材は、上記現像剤担持体に対して鉛直方向下方に配置されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記中空体は、その外周面に多数の楕円形状の凹みがランダムに設けられたものであることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記密閉部材は板状部材であることを特徴とする現像装置。 - 潜像担持体と、該潜像担持体と対向する現像領域に磁性キャリアおよびトナーからなる二成分現像剤を搬送して該潜像担持体上の潜像に該トナーを付着させて現像する現像装置とを一体的に支持し、該現像装置による現像によって得られるトナー像を潜像担持体上から最終的に記録材上へ転移させることで該記録材上に画像を形成する画像形成装置に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、
上記現像装置として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 潜像担持体と、
該潜像担持体と対向する現像領域に磁性キャリアおよびトナーからなる二成分現像剤を搬送して該潜像担持体上の潜像に該トナーを付着させて現像する現像装置とを備え、
該現像装置による現像によって得られるトナー像を潜像担持体上から最終的に記録材上へ転移させることで、該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
上記現像装置として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11の画像形成装置において、
上記磁性キャリアの重量平均粒径は20[μm]以上65[μm]以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11又は12の画像形成装置において、
上記磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における磁化の強さは40[A・m2/kg]以上、90[A・m2/kg]以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記トナーとして、体積平均粒径が3μm以上8μm以下であり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるものを用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記トナーとして、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるものを用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記トナーは、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする画像形成装置。
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