JP5403393B2 - 現像装置並びにこれを備える画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

現像装置並びにこれを備える画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に用いられ、磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を使用して潜像担持体上の潜像を現像する現像装置、並びに、これを備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
この種の現像装置には、潜像担持体と対向する現像領域に現像剤を搬送するための現像剤担持体が備わっている。現像剤担持体は、例えば円筒状に形成された現像スリーブ(中空体)の内部に、その現像スリーブ外周面上に現像剤中の磁性キャリアを磁力で担持させるための磁界を発生させる磁界発生手段を備えている。磁性キャリアにはトナーが静電的に吸着しており、現像スリーブを回転させることで現像スリーブ外周面に担持された磁性キャリアとともにトナーが現像領域へ搬送され、現像領域で潜像担持体上の潜像にトナーが供給される。磁界発生手段は、現像スリーブの回転方向に沿って複数の磁極を有している。このような磁界発生手段としては、ローラ状の一体成形体の各磁極形成箇所を外部磁界によって着磁させたものや、個々の磁石体をその磁極が所定方向を向くように共通の保持体に保持させたものなどがある。磁界発生手段の磁力により現像スリーブ外周面上に担持された現像剤は、現像スリーブを回転させることで現像スリーブの周方向(表面移動方向)へ搬送される。
図28は、従来の一般的な現像装置の例を示す概略構成図である。なお、図中二点鎖線は、現像剤担持体表面上における法線方向磁束密度(絶対値)の分布を示している。
この現像装置は、マグネットローラ(磁界発生手段)247を非磁性の現像スリーブ(中空体)241内に配置してマグネットローラ247の磁力により現像スリーブ外周面上に現像剤を担持して搬送する現像剤担持体を備えている。また、現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤を攪拌しながら現像スリーブ241の回転軸方向に沿って搬送するスクリュー形状の攪拌搬送部材242,243と、現像スリーブ241に担持された二成分現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材246も備えている。現像剤収容部は、現像スリーブ241の下方に位置して現像スリーブ軸方向へ延びた第1収容室(供給室)249Aと、この第1収容室249Aに隣接して現像スリーブ軸方向へ延びた第2収容室(攪拌室)249Bとに仕切られており、第1収容室249Aと第2収容室249Bのそれぞれに攪拌搬送部材242,243が設けられている。攪拌搬送部材243により第1収容室249Aの下流端(図中奥側)まで搬送された現像剤は仕切りがない箇所で第2収容室249Bへと移送され、第2収容室内の攪拌搬送部材242により第2収容室249Bの下流端(図中手前側)に向けて搬送される。そして、第2収容室249Bの下流端まで搬送された現像剤は仕切りがない箇所で第1収容室249Aへと移送され、第1収容室内の攪拌搬送部材243により第1収容室249Aの下流端に向けて搬送される。このように現像剤は現像剤収容部内を循環搬送される。現像により消費された分のトナーを補充するための補給用トナーは、通常、第2収容室249B内の現像剤に対して供給される。第1収容室249A内の現像剤は、その搬送中にマグネットローラ247の磁力により現像スリーブ241上に汲み上げられる。その後、現像スリーブ241上に汲み上げられた現像剤は、現像剤規制部材246により規制された後、潜像担持体12と対向する現像領域を通過し、再び現像剤収容部内に戻る。
上記マグネットローラ247には、S1(現像極)、N1(搬送極)、S2(剤切れ上流極)、S3(剤切れ・汲み上げ極)、N2(規制極)という5極が設けられている(S1、S2、S3は互いに同極で例えばS極。N1、N2はS1等とは異なる極性で例えばN極。以下同様。)。現像スリーブ241が図中矢印の方向へ回転することにより、現像スリーブ241上の現像剤は、現像スリーブ241の回転に伴って、剤切れ・汲み上げ極S3、規制極N2、現像極S1、搬送極N1、剤切れ上流極S2の順に、各磁極との対向位置を通過するように搬送される。ここで、現像領域を通過した現像剤は現像によりトナーを消費した状態にあるため、一旦、現像スリーブ241上から剥離して現像剤収容部内に戻し、常に新たな現像剤が現像スリーブ241上に汲み上げられるようにすることが、安定した現像能力を発揮する上で重要となる。すなわち、現像領域を通過した現像スリーブ241上の現像剤がそのまま再び現像領域へ搬送されるという連れ回りを防止することが重要となる。図28に示す現像装置では、互いに同極性である剤切れ上流極S2と剤切れ・汲み上げ極S3とを隣接して配置することで、これらの磁極間に、現像スリーブ241上の現像剤に対して現像スリーブ241表面から離れる方向に向かう剥離力を作用させる剤離れ領域Pが形成される。これにより、その剤離れ領域Pへ搬送された現像剤は、剤切れ上流極S2及び剤切れ・汲み上げ極S3の磁力による剥離力を受けて、現像スリーブ241から離脱し、現像剤収容部の第1収容室249A内の現像剤に取り込まれることになる。
図28に示した従来の現像装置では、剤離れ領域Pから、剤切れ・汲み上げ極S3の磁力により現像スリーブ241上に汲み上げられた現像剤が現像剤規制部材246による規制を受ける規制位置までの現像スリーブ241上において、図示のように極性の変極点Qが存在する。このような変極点Qの付近では、現像剤に作用する磁力が比較的強い上に、法線方向磁束密度が非常に小さいために穂立ちも起きないので、現像剤の密度が高い状態になっている。よって、この従来の現像装置によれば、剤離れ領域Pで現像スリーブ241から離脱できなった現像剤が現像スリーブ241上に残存していても、残存した現像剤はその変極点Qの付近における高密度の現像剤により掻き落とされるため、連れ回りを有効に防止できるという利点がある。
しかし、変極点Qの付近で常に現像剤が高密度の状態となる結果、現像剤に大きなストレスを常時加えることになる。そのため、第1収容室249Aの攪拌搬送部材243を駆動するためのトルクを大きくせざるを得ず、また、攪拌搬送部材243の高剛性化や大型化が必要になり、コストアップや現像装置の大型化に繋がるという不具合があった。
また、現像剤に加わるストレスが大きいので、キャリア表面へのトナー添加剤の埋り込みやキャリアの表層膜の磨耗等の進行が速いために、トナー帯電特性や現像剤の粉体特性が悪化しやすく、滑らかな画像品質を長期にわたって維持することが困難であるという不具合もあった。また、現像剤の粉体特性が悪化しやすい関係で、特に搬送能力の低い現像スリーブの場合には現像領域へ搬送される現像剤量の低下が起こりやすく、画像濃度を長期にわたって維持することが困難であるという不具合も生じる。
特許文献1には、現像剤に加わるストレスを低減する目的で、図29のような現像装置が開示されている。この現像装置は、図28に示した従来の現像装置における剤切れ・汲み上げ極S3及び規制極N2とに代えて、これらの磁極が担っていた役割を同時に果たす単一の磁極(剤切れ・汲み上げ・規制極)を設け、これを現像剤規制部材346の近接位置に配置している。これにより、特許文献1の記載によれば、現像剤規制部材346による規制位置に対して現像スリーブ341による現像剤搬送方向上流側(以下、単に「上流」及び「下流」という場合は、現像スリーブによる現像剤搬送方向に関するものである。)の領域において、上記剤切れ・汲み上げ・規制極N3で汲み上げることができない現像剤は速やかに攪拌搬送スクリュー343上へと落下する。よって、その領域に現像剤の大きな溜りが発生することがなく、現像剤へのストレスを低減できると説明されている。
また、特許文献2にも、上述した剤切れ・汲み上げ・規制極N3を現像剤規制部材346の近接位置に配置した現像装置が開示されている。この現像装置も、同様の理由から、現像剤へのストレスを低減できるものである。
また、特許文献3には、現像剤規制部材付近の現像剤の温度上昇を抑制するために、現像剤規制部材を現像剤担持体表面移動方向と直交する方向に延在する中空を有する金属部材で構成し、その中空側から現像剤規制部材を冷却する冷却手段を備えた現像装置が開示されている。
特開平11−194617号公報 特開2007−183533号公報 特許第4014478号公報
ところが、特許文献1及び特許文献2に記載された現像装置においては、現像剤規制部材346による規制位置の上流側の領域における現像剤の溜まりが少なくなったため、画像濃度ムラが生じる場合があるという問題があった。本発明者らは、その原因について研究を行い、その原因を解明した。
すなわち、これらの現像装置において、現像後の現像剤は、剤離れ領域Pで現像スリーブ341上から離脱し、第1収容室(供給室)349A内の他の現像剤上に落下すると、攪拌搬送スクリュー343により他の現像剤と攪拌されながら第1収容室内を現像スリーブに沿ってその軸線方向へ搬送される。このとき、第1収容室(供給室)349A内の他の現像剤上に落下した現像後の現像剤が、すぐに上記剤切れ・汲み上げ・規制極N3の磁力によって汲み上げる場合がある。この場合、その現像剤は、現像後の現像剤と他の現像剤との混合が不十分なまま、すなわち、トナー濃度が低い状態の現像剤部分とトナー濃度が高い状態の現像剤部分とが併存したまま、規制位置へ移動することになる。
図29のような現像装置とは異なり、図28に示した現像装置であれば、規制位置の上流側領域における変極点Qの付近で高密度の現像剤が滞留しているため、汲み上げられた現像剤は、この滞留領域を通過する際に、滞留している現像剤と高ストレス状態で混ざり合う。よって、現像後の現像剤と他の現像剤との混合が不十分なまま汲み上げられたとしても、その現像剤のトナー濃度偏差が上記滞留領域で均されるため、画像濃度ムラが生じないことは少ない。しかし、図29のような特許文献1及び特許文献2に記載された現像装置においては、上述したとおり、規制位置の上流側領域に現像剤があまり滞留しないので、この規制位置の上流側領域における現像剤トナー濃度偏差の均し効果がほとんど得られない。そのため、第1収容室(供給室)349A内の他の現像剤上に落下した現像後の現像剤がすぐに汲み上げた場合には、トナー濃度が低い状態の現像剤部分とトナー濃度が高い状態の現像剤部分とが併存したまま規制位置を通過して現像領域へ搬送され、画像濃度ムラを生じさせやすい。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、現像剤規制部材による規制位置の上流側領域における現像剤の低ストレスを実現しつつも、画像濃度ムラを軽減し得る現像装置並びにこれを備える画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、磁界発生手段を非磁性の中空体内に配置して該磁界発生手段の磁力により該中空体の外周面上に磁性キャリアおよびトナーからなる二成分現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体上に担持される二成分現像剤を収容する供給室を備えた現像剤収容部と、二成分現像剤を攪拌しながら該現像剤担持体の回転軸方向に沿って搬送する攪拌搬送部材と、該現像剤担持体に担持された二成分現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材とを有し、上記現像剤収容部内から上記磁界発生手段の磁力により上記現像剤担持体上に担持した二成分現像剤を、上記現像剤規制部材により規制した後に潜像担持体と対向する現像領域を通過させ、再び現像剤収容部内に戻す現像装置において、現像装置内壁面に当接して上記現像剤担持体と上記攪拌搬送部材との間を遮蔽し、該攪拌搬送部材が配置されている攪拌空間内を密閉するための密閉部材と、該密閉部材における該現像装置内壁面と当接する部分が該現像装置内壁面に密着するように、該密閉部材を現像剤担持体の回転軸方向に沿って現像装置外部へ引き抜き可能に保持する保持部材とを備えており、上記磁界発生手段は、現像領域を通過した後の二成分現像剤を上記現像剤担持体から離脱させるための磁力を発生させるための互いに隣接した同極の第1磁極及び第2磁極を備えており、上記第2磁極は、上記第1磁極よりも上記現像剤担持体による現像剤搬送方向下流側であって上記現像剤規制部材の近接位置に配置され、上記現像剤収容部内の供給室から二成分現像剤を汲み上げかつ上記現像剤規制部材により規制される現像剤担持体上の二成分現像剤を穂立ちさせるための磁力を生じさせるものであり、上記現像剤担持体の外周面と対向する対向面を備えた薄板部分を有する磁性体部材を、現像有効幅にわたって該対向面が上記第2磁極に向ように、上記現像剤規制部材に対して現像剤担持体による現像剤搬送方向上流側の現像剤担持体外周面外方に配置するとともに、上記現像剤規制部材に固定、上記保持部材として、上記磁性体部材を用いることを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項の現像装置において、上記磁性体部材は、上記薄板部分を曲げ加工して得られる一方の板面部分を上記第2磁極に向かう上記対向面とし、他方の板面部分を上記現像剤規制部材に対する接合面としたものであり、上記磁性体部材の接合面を、現像剤担持体による現像剤搬送方向上流を向く上記現像剤規制部材の上流側面に接合することにより、該磁性体部材を該現像剤規制部材に固定したことを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項1の現像装置において、上記磁性体部材は、上記現像剤担持体の回転軸方向に延在する中空領域を内部に備えた中空部材であり、該中空部材の上記第2磁極に向かう側の部位が上記薄板部分を構成し、該磁性体部材の中空領域内の熱を該中空領域外へ移動させることにより該磁性体部材を冷却する冷却手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、現像剤担持体による現像剤搬送方向上流側における上記対向面の端部が、上記第2磁極による法線方向磁束密度が上記現像剤担持体上で最大となる地点の法線よりも、現像剤担持体による現像剤搬送方向上流側となるように、上記磁性体部材を配置したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、現像剤担持体による現像剤搬送方向上流側における上記現像剤規制部材の規制面端部が、上記第2磁極による法線方向磁束密度が上記現像剤担持体上で最大となる地点の法線よりも、現像剤担持体による現像剤搬送方向下流側となるように、該現像剤規制部材を配置したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤規制部材は非磁性であることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、上記現像剤規制部材は、上記現像剤担持体に対して鉛直方向下方に配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、上記中空体は、その外周面に多数の楕円形状の凹みがランダムに設けられたものであることを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像装置において、上記密閉部材は板状部材であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体と対向する現像領域に磁性キャリアおよびトナーからなる二成分現像剤を搬送して該潜像担持体上の潜像に該トナーを付着させて現像する現像装置とを一体的に支持し、該現像装置による現像によって得られるトナー像を潜像担持体上から最終的に記録材上へ転移させることで該記録材上に画像を形成する画像形成装置に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、上記現像装置として、請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体と対向する現像領域に磁性キャリアおよびトナーからなる二成分現像剤を搬送して該潜像担持体上の潜像に該トナーを付着させて現像する現像装置とを備え、該現像装置による現像によって得られるトナー像を潜像担持体上から最終的に記録材上へ転移させることで、該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、上記現像装置として、請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、上記磁性キャリアの重量平均粒径は20[μm]以上65[μm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項11又は12の画像形成装置において、上記磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における磁化の強さは40[A・m2/kg]以上、90[A・m2/kg]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項11乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記トナーとして、体積平均粒径が3μm以上8μm以下であり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記トナーとして、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項11乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項11乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記トナーは、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とするものである。
本発明においては、第1磁極と同極性でこれに隣接する第2磁極が、現像剤規制部材の近接位置に配置されているため、現像剤担持体上に汲み上げられた現像剤が現像剤規制部材による規制を受けるまでの現像剤担持体上において磁界の変極点が存在しない。よって、図29に示した上述の現像装置と同様に、このような変極点が存在する従来装置に比べて、現像剤ストレスを低減できる。
また、本発明においては、磁性体部材が現像剤規制部材に対して現像剤担持体による現像剤搬送方向上流(以下、単に「上流」という。)側の現像剤担持体外周面外方に配置されており、その磁性体部材が有する薄板部分の板面(以下「磁性体板面」という。)が現像有効幅にわたって第2磁極に向かっている。具体的には、例えば、磁性体板面が平面である場合、その面方向が、第2磁極による法線方向磁束密度が存在する現像剤担持体上の領域における接線方向と略平行となるように、第2磁極に対して磁性体板面が配置されている。磁性体板面と第2磁極との間の領域では、この磁性体板面が存在しない場合に比べて磁束が集中して存在することになる(以下、この領域を「磁界集中領域」という。)。そのため、現像剤収容部内における現像剤規制部材の規制位置よりも上流側に位置する上記磁界集中領域では、磁性体板面が存在しない場合に比べて強い磁力によって現像剤を拘束することができる。ここで、現像剤規制部材による規制位置を通過する大部分の現像剤は、現像剤担持体表面近傍に担持されている現像剤部分であり、現像剤担持体表面から離れた位置に担持されている現像剤部分は現像剤規制部材により規制位置の通過が規制される。上記のような磁性体板面が存在しない従来装置では、現像剤担持体の表面移動に伴って搬送されてきた現像剤が現像剤規制部材上流側領域を通過する際、規制位置を通過することになる現像剤担持体表面近傍に担持されている現像剤の移動の妨げとなり得るものが少なかった。これに対し、本発明においては、現像剤担持体の表面移動に伴って搬送されてきた現像剤が現像剤規制部材上流側領域の磁界集中領域に進入すると、その表面近傍の現像剤は、この磁界集中領域ですでに拘束されている現像剤と衝突したり、その磁界集中領域中の磁界に拘束されたりして、その進行を妨げられながら磁界集中領域中を移動する。このとき、磁界集中領域中で現像剤の進行が妨げられる度合い等は個々の現像剤で異なることから、磁界集中領域を通過するまでに要する時間も個々の現像剤で異なることになる。その結果、トナー濃度偏差が顕著な現像剤が磁界集中領域に搬送されてきても、磁界集中領域を通過した後はそのトナー濃度偏差が均され、その偏差が少なくなった状態に改善できるものと考えられる。また、磁界集中領域中ですでに拘束されている現像剤と衝突するなどで、その進行方向が変更されることもあるが、変更される方向や変更の程度なども個々の現像剤で異なる。これも、現像剤のトナー濃度偏差を均す効果に寄与し、その偏差を少なく改善できるものと考えられる。
ここで、上記特許文献1に記載の現像装置では、薄い平板状の磁性体(磁性体シート)の板面(シート面)を現像剤規制部材の上流側面に接合して、磁性体シートの端面が第2磁極に向かうように構成したものが開示されている。この現像装置では、磁性体シートの端面と第2磁極との間に磁界が集中するので、その磁界が集中する領域内の現像剤は、本発明における磁界集中領域内と同様の挙動をとるものと推測される。しかし、上記特許文献1に記載の現像装置のような構成では、磁性体シートの端面と第2磁極との間の磁界が集中する領域の長さ(現像剤担持体による現像剤搬送方向長さ)が短すぎて、現像剤のトナー濃度偏差を均す効果が有効に得られず、画像濃度ムラが生じてしまう。
一方で、仮に、上記特許文献1に記載の現像装置における磁性体シートを厚くして磁性体シートの端面と第2磁極との間の磁界集中領域の長さを長くしようとすると、磁性体が巨大化してしまう。このように現像剤規制部材上流側領域に巨大な磁性体が存在すると、その磁性体によって現像剤担持体外周面上の磁界を大きく乱し、現像剤担持体による現像剤の搬送不良や現像剤の汲み上げ不良などの悪影響を及ぼす。
これに対し、本発明では、磁性体部材それ自体を巨大化することなく、現像剤規制部材上流側領域における磁界集中領域の長さを長くすることができるので、現像剤担持体による現像剤の搬送不良や現像剤の汲み上げ不良などの悪影響を及ぼすことなく、現像剤のトナー濃度偏差を十分に均すことができ、画像濃度ムラを有効に軽減できる。
本発明によれば、現像剤規制部材による規制位置の上流側領域における現像剤の低ストレスを実現しつつも、画像濃度ムラを軽減し得るという優れた効果が奏される。
〔実施形態1〕
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。なお、Y、C、M、Kは、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の色用の部材であることを示すものである。
このプリンタは、プロセスカートリッジとしての4色分の作像装置10Y,10C,10M,10Kが、装置本体1側に形成された図示しない画像形成ステーションに着脱自在になっている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY、M、C、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。このプリンタは、更に、レーザー光を照射可能な露光手段としての光学ユニット20、中間転写体ユニット30、給紙ユニット40、定着ユニット50等を備えている。
作像装置10Y,10C,10M,10Kの構造は互いに同一であり、それぞれ潜像担持体としての感光体ドラム12Y,12C,12M,12K、これに作用するプロセス手段として、各感光体ドラムを帯電する帯電装置13Y,13C,13M,13K、感光体ドラムに残留したトナー等を除去するクリーニング装置15Y,15C,15M,15Kが一体的にそれぞれ構成されており、これに各感光体ドラムに形成された潜像を現像する現像装置14Y,14C,14M,14Kが連結する構成になっている。
中間転写体ユニット30は、中間転写体としての中間転写ベルト31、中間転写ベルト31を回転可能に支持する複数(ここでは3つ)のローラ32,33,34、各感光体ドラム12に形成されたトナー像を中間転写ベルト31にそれぞれ転写する一次転写ローラ35、及び中間転写ベルト31上に転写されたトナー像を更に記録材としての記録紙Pに転写する二次転写ローラ36を備えている。
給紙ユニット40は、給紙カセット41又は手差し給紙トレイ42から記録紙Pを二次転写領域に搬送する給紙ローラ43、レジストローラ44等を備えている。
定着ユニット50は、定着ローラ51及び加圧ローラ52を備え、記録紙P上のトナー像に熱と圧を加えることで定着を行う周知の構成が採られている。
また、装置本体1の上部には、後述するトナー補給口145への補給トナーがそれぞれ収納されたトナーボトル60Y,60C,60M,60Kが各作像装置10Y,10C,10M,10Kと個別に装置本体1から着脱可能に装着されている。
このような構成において、まず1色目、イエローの作像装置10Yにおいて、感光体ドラム12Yが帯電装置13Yによって一様に帯電された後、潜像形成手段としての光学ユニット20から照射されたレーザー光によって潜像が現像装置14Yによって現像されてトナー像が形成される。感光体ドラム12Y上に形成されたYトナー像は、一次転写ローラ35Yの作用によって中間転写ベルト31上に転写される。一次転写が終了した感光体ドラム12Yはクリーニング装置15Yによってクリーニングされ、次の画像形成に備える。クリーニング装置15Yによって回収された残留トナーは、作像装置10Yの取出方向(感光体ドラムの回転軸方向)に設置された廃トナー回収ボトル16に貯蔵される。廃トナー回収ボトル16は、貯蔵量が満杯になると交換できるように画像形成装置本体1に対して着脱自在とされている。同様の画像形成工程がC、M、K用の各作像装置10C,10M,10Kにおいても行われて各色のトナー像が形成され、先に形成されたトナー像に順次重ねて転写される。一方、給紙カセット41又は手差し給紙トレイ42から二次転写領域に搬送された記録紙Pには、二次転写ローラ36の作用によって中間転写ベルト31上に形成されたトナー像が転写される。トナー像を転写された記録紙Pは定着ユニット50に搬送され、この定着ユニット50の定着ローラ51と加圧ローラ52のニップ部にてトナー像が定着され、排紙ローラ55によって装置上部の排紙トレイ56に排紙される。
次に作像装置の具体的な構成について説明する。
各作像装置10Y,10C,10M,10Kの構成は、使用するトナーの色が異なる以外は、同一構成であるので、以下、イエローの作像装置10Yを例に挙げて説明する。
図2は、Yトナー像を生成するための作像装置10Yを示す概略構成図である。
作像装置10Yに設けられた帯電装置13Yは、帯電ローラ131と、帯電ローラ131の表面を清掃するクリーニングローラ132とを備えている。クリーニング装置15Yは、感光体ドラム表面に接触するクリーニングブラシ151及びクリーニングブレード152と、クリーニングブラシ151及びクリーニングブレード152で掻き取ったトナーを廃トナー回収ボトル16へ向かって搬送するトナー回収コイル153とを備えている。
現像装置14Yは、磁性キャリアおよびトナーからなる二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)を担持して感光体ドラム12Yと対向する現像領域に図2において反時計回りに回転移動することで搬送する現像剤担持体の中空体を構成する非磁性の現像スリーブ141を備えている。現像スリーブ141の内部には、周方向に複数の磁極を備えた磁界発生手段としてのマグネットローラ147が固定配置されている。現像スリーブ141及びマグネットローラ147によって現像剤担持体が構成されている。また、現像スリーブ141と対向配置され、現像スリーブ141の表面に担持されたトナーの層厚を規制するためのドクタギャップSを現像スリーブ141の表面との間に形成するための現像剤規制部材としてのドクタブレード146も備えている。また、現像装置14Y内に収納されている磁性キャリアとトナー補給口145から供給される補給トナーとを撹拌しながら感光体ドラム12Yの軸線方向に往復搬送させるための攪拌搬送部材としての2本の搬送スクリュー142,143も備えている。これらの部材は、現像ケーシング144に収納支持されている。特に、ドクタブレード146は現像ケーシング144に挟まれるように支持されている。
ドクタブレード146について補足すると、本実施形態のドクタブレード146は非磁性部材で形成されたドクタ基体146aと磁性部材で形成されたドクタ補助部材146bとから構成されている。ドクタ基体146aは、現像領域へ搬送する現像剤量をある一定量に規制する機能を主に果たすものであり、現像剤の規制時には現像剤圧をドクタ基体146aで受けることになる。そのため、このドクタ基体146aには、一般に、ある程度の強度を確保すべく、厚さ(現像スリーブによる現像剤搬送方向に対応する長さ)を例えば約1.5〜2mm程度は確保しなければならず、かつ、その先端部(現像スリーブ表面と対向する端部)においては0.05mm程度の真直性が要求される。一方、ドクタ補助部材146bは、現像領域へ搬送されるトナーの帯電量を増加させる機能を主に果たすものであり、通常は、ドクタ基体146aよりもずっと薄い、例えば厚さが0.2mm程度の平板状の板金で形成される。ドクタ補助部材146bは、トナー帯電性を現像スリーブ軸線方向にわたって均一にするために、現像スリーブ表面との位置関係を現像スリーブ軸線方向にわたって精度良く維持する必要がある。よって、ドクタ補助部材146bは、ドクタ基体146aに対し、スポット溶接やカシメ等により取り付けられる。
本実施形態のトナーとしては、円形度が0.93以上のものを使用することができる。すなわち、画像の画質を向上させるには、トナー粒径を小さくすることが知られているが、小粒径化を行う場合、従来の粉砕型のトナーでは粒径分布がブロードになってしまい扱いにくいという特性がある。そのため、重合法等によってトナーの円形度を上げ、粒径分布もシャープなものとして高画質化を実現する方法が一般的になっている。本実施形態のトナーは、少なくとも、プレポリマー、着色剤、離型剤からなるトナー組成物を、水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で分散させ、そのトナー組成物を重付加反応させて得られた重合トナーを用いる。このようなトナーを用いることにより、粉砕工程がなく、省資源化を図ることができ、粒径分布および帯電分布をシャ−プにでき、円形度を変える形状制御が容易にできる等の効果を得ることができる。
また、本実施形態のトナーとしては、形状係数SF−1が100〜180、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるものが好ましい。
図3及び図4は、それぞれ、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナー形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4) ・・・(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体ドラム12との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体ドラム12との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
また、本実施形態のトナーの形状としては、略球形状であることが好ましく、以下の形状規定によって表すことができる。
略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本実施形態におけるトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
また、本実施形態のトナーとしては、600dpi以上の微小ドットを再現するために、体積平均粒径が3μm以上8μm以下のものを使用するのが好ましい。体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比率(Dv/Dn)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。この比率(Dv/Dn)が1.00に近いほど、粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布が狭いトナーであれば、トナーの帯電量分布を均一しやすく、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、しかも静電転写方式では転写率を高くすることができる。
本実施形態に好適に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージNEGVP2036、コピーチャージNXVP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
(トナーの製造方法)
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
(2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。2000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
(3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
(4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
(5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
また、本実施形態の磁性キャリアとしては、重量平均粒径が20μm以上65μm以下のものを使用することができる。重量平均粒径が20μm未満である場合は、粒子の均一性が低下し、キャリア付着が発生しやすくなる。一方、重量平均粒径が65μmを越える場合には、画像細部の再現性が低下し、精細な画像が得られにくい。なお、キャリアの重量平均粒子径は、マイクロトラック粒度分析計(日機装社製)のSRAタイプを用いて、0.7μm以上125μm以下のレンジ設定で測定することができる。このとき、分散液の溶媒にはメタノールを使用し、屈折率1.33、キャリアおよび芯材の屈折率は2.42に設定する。
また、本実施形態の磁性キャリアは、1×106/4π[A/m](1k[Oe])磁場中における磁化の強さが40[A・m2/kg]以上90[A・m2/kg]以下であることが好ましい。これにより、キャリア粒子間の保持力が適正に保たれるので、磁性キャリア又は現像剤中でトナーが分散しやすくなる。1×106/4π[A/m]磁場中における磁化の強さが40[A・m2/kg]未満である場合は、キャリア付着が発生しやすくなる。一方、1×106/4π[A/m]磁場中における磁化の強さが90[A・m2/kg]を超える場合には、現像時に形成する現像剤の穂立ち(磁気ブラシ)が硬くなり、画像細部の再現性が低下し、精細な画像が得られにくい。
なお、磁化の強さは、以下のようにして測定することができる。B−HトレーサーBHU−60(理研電子社製)を使用し、円筒セル(内径7mm、高さ10mm)にキャリア1.0gを詰めて装置にセットする。磁場を徐々に大きくし3×106/4π[A/m](3k[Oe])磁場まで変化させ、次に徐々に小さくして0[A/m]にした後、反対向きの磁場を徐々に大きくし3×106/4π[A/m](3k[Oe])とする。さらに、徐々に磁場を小さくして0[A/m]にした後、最初と同じ方向に磁場をかける。このようにして、B−Hカーブを図示し、その図より1×106/4π[A/m](1k[Oe])の磁場における磁化の強さを算出する。
また、本実施形態の磁性キャリアは、磁性体の芯材に対して樹脂コート膜を有するものであって、その樹脂コート膜が、アクリル等の熱可塑性樹脂とメラミン樹脂とを架橋させた樹脂成分に帯電調整剤を含有させたものである。磁性キャリアを用いることにより、衝撃を吸収して削れを抑制し、強い接着力により大粒子を保持できる効果と、コート膜への衝撃阻止およびスペント物のクリーニングという効果とをバランス良く得ることができる。したがって、磁性キャリアの長寿命すなわち膜削れとスペント化を防止できる。
次に、本発明の特徴部分である、現像装置の構成及び動作について説明する。
図5は、現像装置の外観を示す斜視図である。
図6は、現像装置の現像剤収容部内が視認できるように上部ケーシングを取り外した状態の斜視図である。
図7は、本実施形態におけるイエローの現像装置14Yの概略構成とともに、現像スリーブ141の表面上における法線方向磁束密度(絶対値)の分布を二点鎖線で示した説明図である。
本実施形態における現像装置のマグネットローラ147は、樹脂に磁性粉を混合してなる円柱状の部材に対し、その周面に着磁処理を施して複数の磁極を形成したものである。本実施形態のマグネットローラ147の径は18mmである。本実施形態において、マグネットローラ147に形成する磁極は、感光体ドラム12Yに対向する現像極S1から図中反時計周り(現像スリーブ141による現像剤搬送方向)に沿って順に、現像極S1(以下「S1極」という。)、搬送極N1,S2(以下、それぞれ「N1極」、「S2極」という。)、剤切れ上流極N2(以下「N2極」という。)、剤切れ・汲み上げ・規制極N3(以下「N3極」という。)である。
なお、本実施形態のマグネットローラ147は、全体が一体成形されたものであるが、磁極ごとに別成形された磁石部材を軸の周囲に配置して形成してもよい。本実施形態のように一体成形タイプのマグネットローラ147としては、エチレンエチルアクリレートやナイロン(登録商標)などの樹脂に磁性粉を分散したものが望ましい。この磁性粉としては、ストロンチウムフェライトやNdFeB、SmFeNなどの希土類磁石が好ましい。
一方、現像スリーブ141は、非磁性の中空体であり、その材質としては、加工性やコスト、耐久性から、アルミニウムやステンレスなどが好ましい。
更に好ましくは、現像スリーブ141の外周面にランダムな楕円形状の打痕を多数形成するなどして、現像スリーブ141の外周面に多数の楕円形状の凹みをランダムに設けるのがよい。この構成によれば、現像スリーブ141の表面の凹みをピッチの粗いものとすることで、現像剤が現像スリーブ141の回転に追従できずにスリップしてしまう事態を抑制でき、一つ一つの凹みを根とした太い穂立ちを形成できる上、凹みの磨耗もしにくいものとなるので、長期にわたって画像ムラの生じることのない安定した良好な画像を得ることができる。このような凹みは、好ましくは、現像スリーブの素管表面に比較的形状の大きいカットワイヤ(金属ワイヤを短尺に切断したもの)よりなるメディアを従来のブラスト工法のように衝突させることによって形成する。
現像剤を搬送しやすくするために、現像スリーブの表面に溝や不規則な凹凸(サンドブラストやビーズブラストなど)を形成することは、一般に行われている。特に、カラー画像形成装置では、画像品質面の優位性から、表面をブラスト加工して凹凸を形成した現像スリーブが主流となっている。このような溝加工やブラスト加工等の荒らし加工は、高速で回転する現像スリーブの表面で現像剤がスリップして停滞することにより生じる画像濃度の低下の発生を防止するために行われる。
現像ケーシング144によって、現像装置14Yの内部には、現像剤収容部が形成される。現像剤収容部は、現像スリーブ141の下方に位置して現像スリーブ軸方向へ延びた供給室149Aと、この供給室149Aに隣接して現像スリーブ軸方向へ延びた攪拌室149Bとに仕切られている。供給室149Aと攪拌室149Bには、それぞれ、搬送スクリュー142,143が設けられている。搬送スクリュー143により供給室149Aの下流端(図中奥側)まで搬送された現像剤は攪拌室149へと移送され、攪拌室内の搬送スクリュー142により攪拌室149Bの下流端(図中手前側)に向けて搬送される。そして、攪拌室149Bの下流端まで搬送された現像剤は供給室149Aへと移送され、供給室内の搬送スクリュー143により供給室149Aの下流端に向けて搬送される。このように現像剤は現像剤収容部内を循環搬送される。現像により消費された分のトナーを補充するための補給用トナーは、トナー補給口145から攪拌室149B内の現像剤に対して供給される。供給室149A内の現像剤は、その搬送中にマグネットローラ147の磁力(N3極による磁力)により現像スリーブ141上に汲み上げられる。その後、現像スリーブ141上に汲み上げられた現像剤は、ドクタブレード146により規制された後、感光体ドラム12Yと対向する現像領域を通過し、再び現像剤収容部内に戻る。
本実施形態において、N3極による磁力で供給室149A内から汲み上げられて現像スリーブ141上に吸着した現像剤は、現像スリーブ141の回転に伴って図中反時計回りに搬送される。ドクタブレード146により所定の量に規制された現像剤は、現像領域でS1極による磁力で穂立ちし、現像電界により穂立ちした現像剤から感光体ドラム12Yの表面上の静電潜像にトナーを供給して、現像処理を行う。現像後の現像剤は、N1極→S2極→N2極の磁力によって現像スリーブ141上に保持されながら現像スリーブ141の回転に伴って搬送される。その後、N2極とN3極との間に生じる反発磁力(剥離力)および遠心力の作用を受けて、現像スリーブ141上から離脱(剤離れ)し、現像剤収容部内の供給室149Aに落下する。
なお、磁力については、下記の式により計算を行っている。
Fr=G×(Hr×(∂Hr/∂r)+Hr×(∂Hθ/∂r))
Fθ=G×(1/r×Hr×(∂Hr/∂θ)+1/r×(Hr×∂Hθ/∂θ))
ここで、「Fr」は磁力の現像スリーブ表面法線方向成分を示し、「Fθ」は磁力の現像スリーブ表面接線方向成分(以下「法線方向磁力」という。)を示し、「Hr」は磁束密度の現像スリーブ表面法線方向成分(以下「接線方向磁力」という。)を示し、「Hθ」は磁束密度の現像スリーブ表面接線方向成分を示す。なお、「r」は計算半径であり、「G」は定数(7.8×10-15)である。
以下の説明において、法線方向磁力Frが正の値を示す場合は、磁性キャリアが現像スリーブ141から離れる向きに磁力が作用し、法線方向磁力Frが負の値を示す場合は、磁性キャリアが現像スリーブ141に吸引される向きに磁力が作用するものとする。
また、以下の説明において、単に「上流」及び「下流」という場合は、現像スリーブ141による現像剤搬送方向についての「上流」及び「下流」をいうものとする。
本実施形態においては、図7に示すように、N2極と同極性でこれに隣接するN3極が、ドクタブレード146の近接位置に配置されている。そのため、現像スリーブ141上に汲み上げられた現像剤がドクタブレード146による規制を受けるまでの現像スリーブ上において、磁界の変極点が存在しない。よって、このような変極点が存在する図28に示したような従来装置に比べ、ドクタブレード146の上流側での現像剤ストレスを低減できる。
しかも、本実施形態においては、現像スリーブ141上に規定される剤離れ領域P、すなわち、N2極及びN3極の磁力により現像スリーブ141上の現像剤に現像スリーブ141から離れる方向へ向かう剥離力が作用する現像スリーブ上の領域が、供給室149A内の現像剤に接しないように構成される。具体的には、図29に示したような従来装置よりも、現像スリーブ141を上方へ移動させ、現像スリーブ141上の剤離れ領域Pが駆動状態において供給室149A内の現像剤に接しないようにしている。よって、剤離れ領域Pでは、現像剤が現像スリーブ141上に残存していたとしてもその現像剤が供給室149A内の現像剤によって掻き落とされるという状況が生じない。したがって、剤離れ領域Pが供給室149A内の現像剤に接するように構成された図29に示した従来装置よりも、更に現像剤ストレスを低減できる。しかも、図29に示した従来装置では、図30(b)に示すように、N3極の磁力によって穂立ちして固い状態の現像剤は、搬送スクリュー143による剪断力や、搬送スクリュー143によって現像スリーブ軸線方向へ搬送される現像剤による剪断力を受けるため、これが現像剤に大きなストレスを与える原因となっている。これに対し、本実施形態では、図30(a)に示すように、N3極の磁力によって穂立ちして固い状態の現像剤がこのような剪断力をほとんど受けないので、現像剤が受けるストレスが小さい。
一方で、図29に示した従来装置で掻き落としの機能を担っていた供給室149A内の現像剤は、本実施形態では剤離れ領域Pに接触しないため、剤離れ領域Pを通過する間に現像スリーブ141上から現像剤を十分に剥離できていないと、連れ回りが発生してしまう。また、図29に示した従来装置で剤離れ領域P中に接触していた供給室149A内の現像剤は、剤離れ領域Pで現像スリーブ141から離脱した現像剤がN3極の磁力に捕らわれて、現像剤汲み上げ領域(剤離れ領域Pの下流側に隣接する、N3極の磁力によって汲み上げる力が作用する現像剤汲み上げ領域)やこの領域に向かって吸引されている現像剤に再付着するのを防止するための壁としても機能していたが、本実施形態では、このような壁となる現像剤も存在しない。よって、本実施形態においては、剤離れ領域Pで剥離した現像剤を現像剤汲み上げ領域から十分離れた箇所まで離脱させることができないと、再付着が発生してしまう。
そこで、本実施形態では、現像スリーブ141上に規定される剤離れ領域P内の法線方向磁束密度Hrが、剤離れ領域Pの全域にわたってN2極及びN3極と同じN極の向き(正の値)であり、かつ、極大点を持たないようにしている。これにより、後述するように、剤離れ領域P内で現像スリーブ141上に付着する現像剤に対して剥離力を効率よく作用させることができ、剤離れ領域Pに掻き落とし効果が期待できる現像剤や再付着の壁となる現像剤が接触していなくても、連れ回りや再付着が発生するのを有効に抑制できる。
図8は、本実施形態の剤離れ領域Pの周辺における現像スリーブ141の表面上における法線方向磁束密度(細線)と、現像スリーブ141の表面上における法線方向磁力(太線)とを示すグラフである。
図9は、比較装置の剤離れ領域Pの周辺における現像スリーブ141の表面上における法線方向磁束密度(細線)と、現像スリーブ141の表面上における法線方向磁力(太線)とを示すグラフである。
このグラフにおいて、法線方向磁力(太線)が正の値を取る領域が剤離れ領域Pである。
なお、これらのグラフの横軸に示す角度は、S1極による法線方向磁束密度が最大となる現像スリーブ141上の地点を0°とし、現像スリーブ回転方向(図中反時計回り方向)を正として、現像スリーブ141上の地点を角度で表したものである。
比較装置は、単に、現像スリーブ141を従来よりも上方へ移動させ、現像スリーブ141上の剤離れ領域Pが駆動状態において供給室149A内の現像剤に接しないようにしただけのものである。この比較装置は、図9に示すように、剤離れ領域P内における剥離力である法線方向磁力Frが、2つの極大点を持つような構成となっている。そして、これらの極大点間に存在する極小点の部分が大きく落ち込んでいる分(剤離れ領域P内の最大法線方向磁力の25%程度)、剤離れ領域Pで現像剤を現像スリーブ141から剥離する際のロスが大きかった。そして、本発明者らの研究によると、このように法線方向磁力Frの極小点部分が大きく落ち込む理由は、次のとおりである。すなわち、比較装置では、N2極とN3極との間で法線方向磁束密度が反転して現像剤を引きつける吸引力を生じさせるような反転地点が生じるのを防止すべく、N2極とN3極との間に弱いN極を存在させていた。これにより、現像スリーブ141上に規定される剤離れ領域P内の法線方向磁束密度Hrは、剤離れ領域Pの全域にわたってN2極及びN3極と同じN極の向き(正の値)であり、剤離れ領域P内で現像剤を現像スリーブへ引きつける吸引力は生じない。しかし、そのような弱いN極を存在させていたために、図9に示すように、その弱いN極に対応する部分でわずかな極大点が生じてしまっていた。そして、このわずかな極大点が、法線方向磁力Frの極小点部分を大きく落ち込ませる大きな要因となることが判明した。
そこで、本実施形態では、図8に示すように、現像スリーブ141上に規定される剤離れ領域P内の法線方向磁束密度Hrが、剤離れ領域Pの全域にわたってN2極及びN3極と同じN極の向き(正の値)となるようにしつつも、極大点を持たないように、構成している。
以下、そのような法線方向磁束密度の分布を持つマグネットローラ147の製造方法の一例について説明する。
図10は、本実施形態のマグネットローラ147を製造する際の着磁工程の説明図である。
図11は、比較装置のマグネットローラ447を製造する際の着磁工程の説明図である。
いずれのマグネットローラ147,447も、樹脂に磁性粉を混合してなる円柱状の部材に対し、その周面に着磁ヨーク181〜186,481〜486を対向させて着磁処理を施し、S1極、N1極、S2極、N2極、N3極を形成する。各磁極に対応する着磁ヨーク181〜186,481〜486は、形成する磁極の幅や磁界の強さによってその磁力や形状寸法等が各々異なっている。図11に示すように、比較装置においては、N2極とN3極との間に弱いN極を形成するための着磁ヨーク486は、マグネットローラ447の周面と対向する対向面部分が他の着磁ヨークと同様に平面であるため、その中央部分が最も強く着磁する。そのため、現像スリーブ141上に規定される剤離れ領域P内の法線方向磁束密度Hrが、確実に剤離れ領域Pの全域にわたってN2極及びN3極と同じN極の向き(正の値)となるように着磁しようとすると、図9や図11に示したように、どうしても極大点が存在してしまう。
そこで、本実施形態では、図10に示すような着磁ヨーク186を使用して、N2極とN3極との間に弱いN極を形成するようにしている。具体的には、マグネットローラ147の周面と対向する対向面部分のうち、その中央部分が他の部分よりもマグネットローラ147の周面から遠い位置となるような形状の着磁ヨーク186を使用する。これにより、中央部分の着磁を弱めることができるため、剤離れ領域Pの全域にわたってN2極及びN3極と同じN極の向き(正の値)となるように着磁しつつも、図8や図10に示すように極大点を持たないようにすることができる。
なお、ここで例示したマグネットローラ147の製造方法は、一例であり、剤離れ領域Pの全域にわたってN2極及びN3極と同じN極の向き(正の値)となり、かつ、極大点を持たないようにできる製造方法であれば、他の方法を採用してもよい。
また、マグネットローラ147のみならず、その周辺の磁性体部材と協働して、剤離れ領域Pの全域にわたってN2極及びN3極と同じN極の向き(正の値)となり、かつ、極大点を持たないようにすることができれば、そのような構成を採用することもできる。
本実施形態によれば、剤離れ領域P内の法線方向磁束密度Hrが図8に示したように極大点を持たないため、剤離れ領域Pで現像剤を現像スリーブ141から剥離する際のロスとなる、正の値を持つ法線方向磁力(剥離力)Frの極小点部分の落ち込みを小さくすることができる。具体的には、極小点における法線方向磁力(剥離力)Frの落ち込みを最大値のおよそ90%程度で済むように抑制できている。なお、極小点における法線方向磁力(剥離力)Frの大きさが最大値の50%以上となるように、落ち込みを抑制できれば、剤離れ領域P中に掻き落とし効果が期待できる現像剤や再付着の壁となる現像剤が接触していなくても、連れ回り及び再付着が発生するのを有効に抑制でき、連れ回り及び再付着による画質劣化を有効に防止できる。
なお、図12に示すように、剤離れ領域P内の法線方向磁力(剥離力)Frが単一の極大点を持つように構成してもよい。具体的には、このような構成をもつように、マグネットローラ147の各磁極の着磁処理を調整する。この構成によれば、図8に示したような法線方向磁力(剥離力)Frの極小点がなく、剤離れ領域P内において法線方向磁力Frが一時的に落ち込む事態が生じないので、剤離れ領域Pで現像剤を現像スリーブ141から剥離する際のロスを最小限に抑えることができる。よって、更に連れ回り及び再付着による画質劣化を有効に防止できる。
また、図13に示すように、現像スリーブ141による現像剤搬送方向に関し、N2極による法線方向磁束密度Hrが現像スリーブ上で最大となる第1地点Hr1と、N3極による法線方向磁束密度Hrが現像スリーブ上で最大となる第2地点Hr2との間で、現像スリーブ上における法線方向磁束密度Hrの最小値を示す地点Hr3が、第1地点Hr1と第2地点Hr2との中間地点よりも第2地点Hr2側に位置するように、構成してもよい。これにより、剤離れ領域PがN3極に近づくので、現像スリーブ141から離脱した現像剤の再付着が生じにくくなる。
なお、上述した再付着の問題は、現像スリーブ141の表面移動速度が350[mm/sec]以上であると顕著であることが判明している。よって、本発明は、現像スリーブ141の表面移動速度が350[mm/sec]以上である場合に、非常に有用となる。
ここで、本実施形態においては、図7に示すように、反発磁界発生部材としての磁石149が配置されている。この磁石149は、図14に示すように、現像スリーブ141による現像剤搬送方向に関する位置が、現像スリーブ上におけるN2極による法線方向磁束密度の最大地点の法線H1から、現像スリーブ上におけるN3極による法線方向磁束密度の最大地点の法線H2までの間である。また、この磁石149は、図15に示すように、現像スリーブ141の軸線方向に関する位置が、マグネットローラ147の対向領域よりも現像スリーブ141の軸線方向外側である。そして、この磁石149は、N2極及びN3極と同極(N極)の磁極面が剤離れ領域Pに向かうように配置されている。
このような磁石149を設けない場合、現像スリーブ141の外周面上におけるマグネットローラ147の対向領域のうちの現像スリーブ軸線方向端部領域では、上述したような現像剤の連れ回りが発生する。これは、剤離れ領域P内において、マグネットローラ147の対向領域の現像スリーブ軸線方向端部領域に生じる磁力線が現像スリーブ軸線方向外側へ向かうため、その端部領域で現像剤に作用する磁力は、現像スリーブ軸線方向外側に向かう成分が大きく、剥離力を現像剤に有効に作用させることができないために、現像剤の連れ回りが発生するものである。
本実施形態においては、上述した磁石149を設けることで、現像スリーブ上の剤離れ領域P内において、マグネットローラ147の対向領域のうちの現像スリーブ軸線方向端部領域における磁力線の向きを、現像スリーブ軸線方向に対して直交する方向へ近づけることができる。これにより、この端部領域における剥離力が向上するので、この端部領域でも現像剤に剥離力を有効に作用させ、現像スリーブ141の外周面から現像剤を効率よく離脱させることができる。その結果、この端部領域でも現像剤の連れ回りを有効に抑制できる。
磁石149のN極の磁極面は、現像スリーブ軸線方向に関する位置がマグネットローラ147の現像スリーブ軸方向端部をまたがるように配置してもよい。ただし、この場合、その磁極面のうち、マグネットローラ147の現像スリーブ軸方向端部よりも現像スリーブ軸方向外側に配置される磁極面部分が、マグネットローラ147の現像スリーブ軸方向端部よりも現像スリーブ軸方向内側に配置される磁極面部分(マグネットローラ147の対向領域に対面する磁極面部分)よりも、強い磁界を生じさせるように構成する。例えば、磁石149のN極の磁極面が一様である場合、外側に配置される磁極面部分の面積が内側に配置される磁極面部分の面積よりも広くなるように配置する。このような構成とすれば、磁石149のN極の磁極面がマグネットローラ147の現像スリーブ軸方向端部をまたがるように配置されていても、マグネットローラ147の現像スリーブ軸方向端部領域における磁力線の向きを現像スリーブ軸線方向に対して直交する方向へ近づける効果が得られる。
ただし、本実施形態のように、磁石149のN極の磁極面が、マグネットローラ147の対向領域と対面する箇所には配置されないように構成する方が、磁力線の向きを現像スリーブ軸線方向に対して直交する方向へ近づける効果が高く、現像剤の連れ回りをより有効に抑制できる。
また、本実施形態では、図15に示すように、現像スリーブ141による現像剤搬送方向に関する位置が、現像スリーブ上におけるN2極による法線方向磁束密度の最大地点の法線H1から、現像スリーブ上におけるN3極による法線方向磁束密度の最大地点の法線H2までの間であり、現像スリーブ141の軸線方向に関する位置が、感光体ドラム上の作像領域に対向する現像有効領域よりも外側である箇所に、現像スリーブ141の外周面と現像装置14Yのケーシング144との間を密閉するためのシール部材148を備えている。そして、本実施形態においては、磁石149のN極の磁極面の全体が、現像スリーブ軸線方向に関する位置がシール部材148の現像スリーブ軸線方向内側端部よりも外側である箇所に配置されている。このような構成とすることで、磁石149を配置しても、現像剤収容部内の現像剤が磁石149の磁力の影響で滞留してしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態では、磁石149のN極の磁極面を現像スリーブ141の外周面に対面するように配置しているが、必ずしも、その磁極面が現像スリーブの外周面に対面しなくてもよい。よって、例えば、現像スリーブ軸線方向に関する位置が現像スリーブ141の軸方向端部よりも外側となる位置に磁石149のN極の磁極面が配置されてもよい。具体例としては、例えば、シール部材148の現像スリーブ軸方向外側面に、N極の磁極面が現像スリーブ軸方向内側を向くように磁石149を配置する。この場合でも、マグネットローラ147の現像スリーブ軸方向端部領域における磁力線の向きを現像スリーブ軸線方向に対して直交する方向へ近づける効果が得られる。
また、本実施形態においては、磁石149のN極の磁極面と現像スリーブ141の外周面との最短距離X(図14参照)が、その最短距離となる現像スリーブ外周面部分に担持される現像剤の高さよりも大きくなるように構成されている。このような構成とすることで、現像スリーブ141が回転しているときに現像スリーブ上の現像剤が磁石149の磁力により蹴られることがなくなり、弊害なく剤離れ等の狙った効果が得られる。
次に、本発明の特徴部分である、ドクタブレード146の上流側面に固定された磁性体部材としてのドクタ補助部材146bについて説明する。
本実施形態の現像装置は、図29のような現像装置と同様に規制位置の上流側領域に変極点Qが存在しないため、規制位置の上流側領域に現像剤があまり滞留しないので、図28のような現像装置に比べて現像剤のストレスが低減される。なお、本実施形態の現像装置は、剤離れ領域P上の現像剤が供給室149A内の現像剤によって掻き落とされるという状況が生じない構成になっているため、剤離れ領域Pが供給室149A内の現像剤に接するように構成された図29に示した従来装置よりも、更に現像剤ストレスを低減できる。
本実施形態の現像装置は、規制位置の上流側領域に現像剤があまり滞留しないために、上述したように、規制位置の上流側領域に滞留した現像剤による現像剤のトナー濃度偏差の均し効果がほとんど得られない。そのため、現像後の現像剤が現像スリーブ141上から離脱せずに連れ回りが生じた場合や、第1収容室(供給室)349A内の他の現像剤上に落下した現像後の現像剤がすぐに汲み上げた場合には、トナー濃度が低い状態の現像剤部分とトナー濃度が高い状態の現像剤部分とが併存したまま規制位置を通過して現像領域へ搬送され、画像濃度ムラを生じさせやすい。
図16は、本実施形態におけるドクタブレード146を現像スリーブ軸線方向から見たときの形状を示す説明図である。
図17(a)は、本実施形態の現像装置におけるドクタブレード上流側の現像剤の挙動を示す説明図であり、図17(b)は従来の現像装置におけるドクタブレード上流側の現像剤の挙動を示す説明図である。
本実施形態では、ドクタ補助部材146bは、現像スリーブ軸線方向に対して直交する断面の形状が略L字となるように平板状の薄板を曲げ加工したものである。曲げ加工により得られる一方の板面部分(以下「磁極対向面」という。)146b1は、現像有効幅にわたって、すなわち、現像スリーブ上の画像形成領域長手方向全域にわたって、N3極に向かうように配置され、他方の板面部分146b2はドクタブレードのドクタ基体146aに対する接合面とされる。この接合面146b2は、ドクタ基体146aの上流側面に公知の方法で接合される。これにより、ドクタ補助部材146bはドクタ基体146aに固定される。本実施形態において、現像有効幅にわたってN3極に向かうように配置される磁極対向面146b1は、その面方向が、N3極による法線方向磁束密度が存在する現像スリーブ141上の領域における接線方向と略平行となるように配置されている。また、本実施形態において、磁極対向面146b1は、その中央部分における法線方向と、磁極対向面146b1との距離が最も短い現像スリーブ141の外周面上の地点における法線方向とが、互いに略平行となるように配置されている。
薄い平板状の磁性体である磁性体シート546bのシート面をドクタブレードのドクタ基体146aの上流側面に接合して、磁性体シート546bの端面がN3極に向かうように構成した従来の現像装置では、図17(b)に示すように、ドクタブレード上流側領域の現像剤がN3極の磁力によって穂立ちする。そのため、ドクタブレード上流側領域の現像剤は疎な状態となる上、現像スリーブ外周面上に強い磁力で拘束される。そのため、ドクタブレード上流側領域に進入した現像剤のほとんど全部が、現像スリーブ141の表面移動に追従してそのままスライドするように移動し、規制位置を通過することになる。よって、トナー濃度偏差が顕著な現像剤がドクタブレード上流側領域に搬送されてくると、そのままスライドするように規制位置を通過してしまい、画像濃度ムラが発生する。
これに対し、本実施形態においては、磁極対向面146b1がN3極に向かうように配置されていることから、図17(a)に示すように、磁極対向面146b1とN3極との間に広い磁界集中領域が形成される。すなわち、ドクタブレード上流側領域における磁極対向面146b1とN3極との間の磁界集中領域の長さ(現像スリーブ141による現像剤搬送方向の長さ)が長い。そのため、本実施形態において、ドクタブレード上流側領域の磁界集中領域に進入した現像剤は、この磁界集中領域ですでに拘束されている現像剤と衝突したり、その磁界集中領域中の磁界に拘束されたりして、その進行を妨げられながら磁界集中領域中を移動する。その結果、トナー濃度偏差が顕著な現像剤が磁界集中領域に搬送されてきても、磁界集中領域を通過した後はそのトナー濃度偏差が均され、その偏差が少なくなった状態に改善できる。
なお、図17(b)に示す従来の現像装置も、微視的に見れば、磁性体シート546bの端面とN3極との間に狭い磁界集中領域が形成され、その磁界集中領域では、現像剤が本実施形態における磁界集中領域内と同様の挙動をとるものと推測される。しかし、図17(b)に示す従来の現像装置では、磁界集中領域の長さが短すぎて、現像剤のトナー濃度偏差を均す効果が有効に得られず、画像濃度ムラを軽減する効果がほとんど得られない。一方で、仮に、磁性体シート546bを厚くして磁性体シート546bの端面とN3極との間の磁界集中領域の長さを本実施形態と同程度の長さにしようとすると、磁性体シート546bが巨大化しすぎて、現像スリーブ外周面上の磁界を大きく乱し、現像スリーブ141による現像剤の搬送不良や現像剤の汲み上げ不良などの悪影響を及ぼすので、実用的ではない。
また、本実施形態では、磁極対向面146b1の上流側端部が、図7や図17(a)に示すように、N3極による法線方向磁束密度が現像スリーブ141上で最大となる地点の法線よりも上流側となるように、ドクタ補助部材146bが配置されている。これにより、最も強い磁力で磁界集中領域を形成することができるので、現像剤のトナー濃度偏差を均すより高い効果が得られる。ただし、磁極対向面146b1の上流側端部があまり上流側に延びすぎていると、汲み上げ不良を発生させる原因となるため、磁極対向面146b1の上流側端部は必然的に制限されることになる。
また、本実施形態では、図7や図17(a)に示すように、ドクタブレード146の規制面の上流側端部がN3極による法線方向磁束密度が現像スリーブ上で最大となる地点の法線よりも下流側となるように、ドクタブレード146が配置されている。これにより、磁気ブラシが密である穂が寝ている部分で現像剤を切ることが可能となるため、経時で劣化した現像剤においても安定した量を現像領域へ供給できる。以下、詳しく説明する。
図18は、横軸にN3極による法線方向磁束密度が現像スリーブ上で最大となる地点(N3極ピーク地点)を角度で示したものをとり、縦軸に汲み上げ変化率をとったグラフである。なお、横軸の角度は、ドクタブレード146の規制位置を0°とし、プラス方向は規制位置に対してN3極ピーク地点が下流に位置することを示し、マイナス方向はN3極ピーク地点が規制位置に対して上流に位置することを示している。また、縦軸にとった汲み上げ変化率は、新しい現像剤の汲み上げ量(規制位置を通過する量すなわち現像領域へ搬送される量)に対する劣化現像剤の汲み上げ量比をとったものについて新しい現像剤からの落ち込み量(新しい現像剤−劣化現像剤/新しい現像剤)をパーセンテージにて表したものである。この汲み上げ変化率がゼロである場合には新しい現像剤、劣化現像剤の変化が少なく、パーセンテージが大きいほど汲み上げ量の変化が大きいことになる。
図18に示すように、ドクタブレード146に対してN3極ピーク地点が上流側へシフトするほど、汲み上げ変化が少ないことが判る。このメカニズムは、現像スリーブ141の外周面の接線方向磁力により説明できる。
図19は、ドクタブレード146の規制位置近傍の磁力分布を示す説明図である。法線方向磁力のピーク地点(N3極ピーク地点)では接線方向磁力がゼロであるが、下流へいくに従って徐々に接線方向磁力が生じる。この接線方向磁力を利用することで現像剤の汲み上げ性を安定させることが可能となる。
図20は、ドクタブレード146の規制位置がN3極ピーク地点に一致する場合(極上配置)、ドクタブレード146の規制位置が現像スリーブによる現像剤搬送方向における2つの磁極間の中心に位置する場合(極間配置)、その中心とその下流側磁極との間に位置する場合(中間配置)、という3種類の場合について、ドクタギャップに対する汲み上げ量を測定した結果を示すグラフである。このグラフからわかるように、ドクタブレード146の規制位置を極間に近づけるほど汲み上げ量が多くなるので、極間に近づけるほど所望の汲み上げ量を得るためのドクタギャップが狭くなる。そのため、異物等がドクタギャップに詰まり易くなり、異常画像の発生が増える。一方で、ドクタブレード146の規制位置を極上に近づけるほど汲み上げ量が少なくなるので、所望の汲み上げ量を得ることが困難となる。よって、ドクタブレード146の規制位置は上記中間配置が好ましい。より好ましくは、N3極による法線方向磁束密度の現像スリーブ141上での最大値の1/3となる現像スリーブ141上の地点にドクタブレード146の規制位置を配置する。
なお、本実施形態では、磁性体部材をドクタ補助部材146bとしてドクタブレード146のドクタ基体146aに固定した構成を採用することにより、互いの剛性を補完し合うようにしているが、磁性体部材をドクタブレード146のドクタ基体146aから離間した位置に配置してもよい。例えば、図21に示すように、現像ケーシング144の内壁に磁性体部材446bを取り付けても良い。このように磁性体部材をドクタブレード146とは独立に配置することで、ドクタブレード146と現像スリーブ141とのギャップに因らず、現像スリーブ141と磁性体部材との距離を一定に保持することが可能となり、安定して現像剤のトナー濃度偏差を均す効果が得られる。
また、本実施形態のドクタ補助部材としては、図22に示すように、ドクタブレード上流側領域が楔形状となるようなものであってもよい。
〔実施形態2〕
次に、本発明を、上記実施形態1の場合と同様にプリンタに適用した他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
なお、以下に説明する点を除き、本実施形態の構成や動作は上記実施形態1と同様である。
一般に、トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤を収容する現像装置出荷及び運搬時においては、現像剤を外気から遮断することが好ましい。なぜなら、現像剤中のトナー成分は湿気や温度状況により性能が低下しやすく、また、運搬時の振動等で現像剤が流出するおそれがあるからである。
現像剤を外気から遮断する方法として、従来、現像剤の攪拌搬送スクリューが配置される現像剤収容部の上方に現像剤プリセットケースを設け、現像剤収容部と現像剤プリセットケースとの間を遮蔽するようにシート状のシール部材を現像装置内壁面に剥離可能に接着する方法があった。この方法によれば、画像形成装置の使用場所に画像形成装置を設置する際にシール部材を現像装置外部へ引き抜くと、シール部材の接着面が現像装置内壁面から剥離する。これにより、現像剤収容部と現像剤プリセットケースとが連通して、現像剤プリセットケース内の現像剤が現像剤収容部に入り込み、現像装置の使用が可能となる。
他の方法としては、現像スリーブと攪拌搬送スクリューとの間を遮蔽して攪拌搬送スクリューが配置されている現像剤収容部(攪拌空間)内に現像剤を密封するために、シート状のシール部材を現像装置内壁面に剥離可能に接着する方法も知られている。この方法によれば、現像剤プリセットケースを設ける必要がないので、現像装置を小型化できるというメリットがある。
ここで、後者の方法を採用した画像形成装置としては、例えば特開2002−372862号公報に開示されたものがある。この画像形成装置は、シール部材を現像装置内壁面に貼り付ける製造時や再使用時の作業が困難であることに鑑み、仕切り枠体にシール部材を貼り付け、その仕切り枠体を、現像スリーブと攪拌搬送スクリューとの間の現像装置内部部分に組み付けるようにしたものである。ところが、この画像形成装置では、現像装置の使用開始時にシール部材を現像装置外部に引き抜いた後、仕切り枠体は現像装置内部に残存し、特に画像形成に寄与することはない。そのため、このように何ら機能しない仕切り枠体という部材によって、現像装置内部におけるレイアウトの自由度が制限されるという問題があった。また、現像スリーブ回転軸方向における仕切り枠体の端部が現像スリーブの端部領域に対応する現像剤収容部内の現像剤の動きを妨げて、現像スリーブ軸方向端部領域に対応する画像部分に濃度ムラが生じるなどの弊害が発生しやすいという問題もある。更に、シート部材を仕切り枠体へ剥離可能に貼り付ける方法としては、例えばポリエチレンとナイロンとのラミネートフィルムの片面に感熱接着層が形成されているシート材質を仕切り枠体形状の溶着治具を用いて行うという工法が考えられるが、シート部材を貼り付ける構成は製造コストを高める要因となるという問題もある。
以上の問題を考慮すると、現像剤を外気から遮断する方法としては、現像装置使用後においても仕切り枠体のように何ら機能しない部材が現像装置内に残存せず、かつ、シール部材を貼り付ける工程が不要となる方法が望まれる。本実施形態では、このような方法を実現できる構成を採用している。
図23は、本実施形態における現像装置の外観斜視図である。
図24は、現像装置の現像剤収容部内が視認できるように上部ケーシングを取り外した状態の斜視図である。
図25は、現像装置の概略構成を示すもので、現像スリーブ軸方向から見たときの図である。
現像装置の使用前において、本実施形態における密閉部材としての密閉シール150の一端部は、現像ケーシング144の現像スリーブ軸方向一端面に設けられた開口部144Aから露出している。そして、この端部を図中符号Aで示す方向(現像スリーブ軸方向)に沿って引っ張って密閉シール150を引き抜くことにより、密閉シール150を現像装置外部に取り出すことができる。
図25に示すように、本実施形態に係るプリンタの出荷時や輸送時において、密閉シール150は、現像スリーブ141と搬送スクリュー142,143との間を遮蔽し、搬送スクリュー142,143が配置されている現像剤収容部(攪拌空間)内を密閉する。このとき、この現像剤収容部内には予め現像剤が収容されているが、この密閉シール150によって密封されているので、密閉シール150を取り除くまでは現像剤が外気と接触することはなく、現像剤の特性変化や現像剤が漏れ出るなどの不具合は生じない。
本実施形態において、密閉シール150は、現像スリーブ軸方向に沿って長尺な板状部材であり、図25に示すように、現像ケーシング144の内壁面に対して接着剤等による接着はされておらず、現像ケーシング144の内壁面に当接しているだけである。ただし、密閉シール150と現像ケーシング144の内壁面との当接状態を保持するために、本実施形態では、現像スリーブ軸方向にわたって、符号144Bで示す現像ケーシング144の内壁面部分とドクタ補助部材146bとの間で密閉シール150を挟持し、また、符号144Cで示す下部ケーシング内壁面部分と符号144Dで示す上部ケーシング内壁面部分との間で密閉シール150を挟持する構成となっている。そして、密閉シール150を現像スリーブ軸方向に沿って引き抜く際には、これらの挟持部分で摺動を生じさせながら、密閉シール150を現像装置外部へと引き抜くことができる。
本実施形態によれば、現像装置の使用開始後には何ら機能しない不要な部材が現像装置内に残存することはなく、そのような部材によって現像装置内部におけるレイアウトの自由度が制限されるなどの問題は生じない。また、本実施形態では、密閉シール150を接着剤等によって接着する構成ではないので、接着する構成に比べて製造コストを抑えることが可能となるという効果もある。
〔実施形態3〕
次に、本発明を、上記実施形態1及び2の場合と同様にプリンタに適用した更に他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態3」という。)について説明する。
なお、以下に説明する点を除き、本実施形態の構成や動作は上記実施形態1と同様である。
また、ドクタブレード146で現像剤を規制している規制位置近傍では、ドクタブレード146と現像剤との摩擦、現像スリーブ141の表面と現像剤との摩擦、現像剤同士の摩擦などによって熱が発生する。この熱による現像剤の温度上昇は、現像剤中にトナーの凝集体を発生させたり、トナーの軟化による磁性キャリアへのトナースペントを促進して現像剤の寿命を短くしたりする不具合が発生する。また、トナーに添加した外添剤が軟化したトナーに埋没して磁性キャリア同士が直に接触する機会が増えることにより、磁性キャリアの形状が変化して現像剤が劣化するという不具合も発生する。また、現像剤中のトナーの温度上昇は、現像スリーブ141の表面上のトナーフィルミングの原因にもなる。すなわち、上記規制位置でトナーの温度が上昇するとトナーが柔らかくなり、最終的にはトナーが溶融してしまう場合がある。この場合、トナーの溶融物が現像スリーブ141の表面にフィルム状に付着し、トナーフィルミングを発生させる。また、上述したようにトナーの温度上昇によりトナーの凝集体が発生しやすくなると、そのトナー凝集体が現像スリーブ141とドクタブレード146との間(ドクタギャップS)に挟まってしまい、画像上に白スジが発生するおそれもある。また、昨今、省エネルギー化の要求に応えるために定着温度を下げる傾向にあるが、これに伴って低い融点のトナーを採用することになるため、上記規制位置での温度上昇を抑制することの重要度がますます高まっている。
そこで、本実施形態3では、上記規制位置での温度上昇を抑制すべく、上記実施形態1のドクタ補助部材146bに代えて、現像スリーブ141の現像スリーブ軸線方向(回転軸方向)に延在する中空領域を内部に備えた中空部材646を用いる。
図26は、本実施形態におけるドクタブレード146の上流側に配置される中空部材646を現像スリーブ軸線方向から見たときの形状と、ドクタブレード上流側における現像剤の挙動を示す説明図である。
中空部材646は、現像スリーブ軸線方向に対して直交する断面の形状が略ロ字となるように加工されたものである。中空部材646の磁極対向面646b1は、上記実施形態におけるドクタ補助部材146bの磁極対向面146b1と同様であり、現像有効幅にわたってN3極に向かうように配置されている。したがって、本実施形態3でも、上記実施形態1と同様、磁極対向面646b1とN3極との間に広い磁界集中領域が形成され、ドクタブレード上流側領域の磁界集中領域に進入した現像剤は、この磁界集中領域ですでに拘束されている現像剤と衝突したり、その磁界集中領域中の磁界に拘束されたりして、その進行を妨げられながら磁界集中領域中を移動する。その結果、トナー濃度偏差が顕著な現像剤が磁界集中領域に搬送されてきても、磁界集中領域を通過した後はそのトナー濃度偏差が均され、その偏差が少なくなった状態に改善できる。
ここで、本実施形態においては、ドクタブレード上流側領域に広い磁界集中領域が形成され、磁界集中領域に進入した現像剤がその磁界集中領域内に拘束されている現像剤と衝突する。そのため、このような広い磁界集中領域が形成されていない従来の構成と比較すると、ドクタブレード上流側領域で現像剤が温度上昇しやすい。そのため、その温度上昇による上述した不具合が発生しやすいので、従来構成よりも、その温度上昇を抑制することが更に重要となる。
そこで、本実施形態3では、上記実施形態1のドクタ補助部材146bに代えて、そのドクタ補助部材146bと同じ材料で形成された中空部材646を用いている。この中空部材646は、その現像スリーブ軸線方向の両端が開口している。よって、本プリンタ本体に設けられた図示しない冷却手段としての排気ファンや吸気ファンによりプリンタ内に生じる気流により、中空部材646内の中空領域に気流が生じ、中空部材646の磁極対向面646b1の熱が中空領域内の空気を通じて効率的に取り除かれる。したがって、ドクタブレード上流側領域に存在する現像剤の熱は、中空部材646の磁極対向面646b1を通じて効率的に取り除くことができる。その結果、ドクタブレード上流側領域における現像剤の温度上昇を効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態3では、中空部材646の中空領域内の熱を中空領域外へ移動させることにより中空部材646を冷却する冷却手段として、プリンタ本体の外気をプリンタ内部へ取り込む吸気ファンや、プリンタ本体の内気を外部へ排出する排気ファンを用いた例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、中空部材646の開口付近に、その中空領域内へ直接的に空気を送り込む送風手段や、その中空領域から直接的に空気を吸い出す吸引手段を、冷却手段として設けてもよい。また、中空部材646の中空領域内を通過するように冷却装置で冷却した冷却液を循環させるような冷却手段を用いてもよい。この場合、中空部材646の現像スリーブ軸線方向両端は開口していなくてもよい。
なお、本実施形態3の中空部材としては、図27に示すように、中空部材746bの一外面部分746b2をドクタブレードのドクタ基体146aに接触させたものを用いてもよい。このとき、中空部材746bの外面部分746b2がドクタ基体146aに対する接合面となるようにしてもよい。この接合面は、ドクタ基体146aの上流側面に公知の方法で接合される。これにより、中空部材746bはドクタ基体146aに固定される。このように、中空部材746bの外面部分746b2をドクタ基体146aに接触させることで、中空部材646の磁極対向面646b1の熱を外面部分746b2からドクタ基体146aに移動させることができる。したがって、中空部材646だけでなくドクタ基体146aの放熱効果も得られる。したがって、ドクタブレード上流側領域に存在する現像剤の熱は、中空部材646の磁極対向面646b1を通じてより効率的に取り除くことができ、ドクタブレード上流側領域における現像剤の温度上昇を更に効果的に抑制することができる。
以上、上記実施形態1及び2に係る現像装置14Y,14C,14M,14Kは、磁界発生手段としてのマグネットローラ147を非磁性の中空体である現像スリーブ141内に配置してマグネットローラ147の磁力により現像スリーブ141の外周面上に磁性キャリアおよびトナーからなる二成分現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、現像スリーブ141上に担持される現像剤を収容する供給室149Aを備えた現像剤収容部と、現像剤を攪拌しながら現像スリーブ141の回転軸方向に沿って搬送する攪拌搬送部材としての搬送スクリュー142,143と、現像スリーブ141に担持された現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材としてのドクタブレード146とを有し、現像剤収容部内からマグネットローラ147の磁力により現像スリーブ141上に担持した現像剤を、ドクタブレード146により規制した後に感光体ドラム12Y,12C,12M,12Kと対向する現像領域を通過させ、再び現像剤収容部内に戻す現像装置である。マグネットローラ147は、現像領域を通過した後の現像剤を現像スリーブ141から離脱させるための磁力を発生させるための互いに隣接した同極(N極)の第1磁極であるN2極及び第2磁極であるN3極を備えており、N3極は、第1磁極よりも下流側であってドクタブレード146の近接位置に配置され、現像剤収容部内の供給室149Aから現像剤を汲み上げかつドクタブレード146により規制される現像スリーブ141上の現像剤を穂立ちさせるための磁力を生じさせるものである。そして、上記実施形態1及び2では、薄板部分を有する磁性体部材としてのドクタ補助部材146bを、現像有効幅にわたって薄板部分の板面(現像スリーブ外周面と対向する対向面)である磁極対向面146b1がN3極に向かうように、ドクタブレード146に対して上流側の現像スリーブ外周面外方に配置している。これにより、上述したとおり、トナー濃度偏差が顕著な現像剤がN3極と磁極対向面146b1との間の磁界集中領域に搬送されてきても、磁界集中領域を通過した後はそのトナー濃度偏差が均され、その偏差が少なくなった状態に改善でき、画像濃度ムラを軽減できる。
また、上記実施形態1及び2では、磁性体部材がドクタ補助部材146bとしてドクタブレード146に固定されている。これにより、互いに剛性を補完しあうことができる。
また、上記実施形態1及び2では、ドクタ補助部材146bが、薄板部分を曲げ加工して得られる一方の板面部分をN3極に向かう磁極対向面146b1とし、他方の板面部分をドクタブレード146に対する接合面146b2としたものであり、その接合面146b2をドクタブレード146の上流側面に接合することによりドクタ補助部材146bをドクタブレード146に固定している。これにより、互いに剛性を補完しあう効果を有効に得ることができる。
また、上述したように、磁性体部材を、ドクタ補助部材146bとしてではなく、ドクタブレード146から離間した位置に配置してもよい。この場合、ドクタブレード146と現像スリーブ141とのギャップに因らず、現像スリーブ141と磁性体部材との距離を一定に保持することが可能となり、安定して現像剤のトナー濃度偏差を均す効果が得られる。
また、上記実施形態1及び2では、磁極対向面146b1の上流側端部が、N3極による法線方向磁束密度が現像スリーブ141上で最大となる地点の法線よりも上流側となるように、ドクタ補助部材146bを配置している。これにより、最も強い磁力で磁界集中領域を形成することができるので、現像剤のトナー濃度偏差を均すより高い効果が得られる。
また、上記実施形態1及び2では、ドクタブレード146の規制面の上流側端部が、N3極による法線方向磁束密度が現像スリーブ141上で最大となる地点の法線よりも下流側となるように、ドクタブレード146を配置している。これにより、磁気ブラシが密である穂が寝ている部分で現像剤を切ることが可能となるため、経時で劣化した現像剤においても安定した量を現像領域へ供給できる。
また、上記実施形態1及び2では、ドクタブレード146のドクタ基体146aが非磁性である。仮にドクタブレード146のドクタ基体146aも磁性体で構成すると、ドクタ補助部材146bよりもドクタ基体146aの方が大きいので、ドクタ基体146a側により多くの磁力線が集まり、ドクタ補助部材146bに向かう磁力線が減り、磁界集中領域での均し効果が低下してしまう。また、磁力線がドクタ基体146aの方に多く向かってしまうため、汲み上げに寄与する磁力が不十分となり、汲み上げ不良が発生しやすくなる。上記実施形態1及び2のようにドクタブレード146のドクタ基体146aを非磁性で構成することで、これらの不具合が無くなる。なお、ドクタブレード146の材質としては、ステンレス、アルミニウム等が好ましい。
また、上記実施形態1及び2では、ドクタブレード146が、現像スリーブ141に対して鉛直方向下方に配置されているので、ドクタブレード146を通過できなかった現像剤を自重により速やかに現像剤収容室に向けて戻すことが可能となり、ドクタブレード上流側領域での現像剤に対するストレスを小さくすることができる。また、N2極が現像剤収容部内の現像剤の上面よりも上方に配置することができるので、磁石149も現像剤収容部内の現像剤の上面よりも上方に配置することが可能となり、現像剤収容部内の現像剤が磁石149に引き寄せられて滞留してしまう事態を抑制できる。
また、上記実施形態1及び2では、現像スリーブ141の外周面に多数の楕円形状の凹みがランダムに設けられているので、上述したように、長期にわたって画像ムラの生じることのない安定した良好な画像を得ることができる。
また、上記実施形態2では、現像ケーシング144の内壁面に当接して現像スリーブ141と搬送スクリュー142,143との間を遮蔽し、搬送スクリュー142,143が配置されている攪拌空間である現像剤収容部内を密閉するための密閉部材としての密閉シール150と、密閉シール150における現像ケーシング内壁面と当接する部分が現像ケーシング内壁面に密着するように、密閉シール150を現像スリーブ141の回転軸方向に沿って現像装置外部へ引き抜き可能に保持する保持部材として、ドクタ補助部材146bを用いている。これにより、現像装置の使用開始後には何ら機能しない不要な部材が現像装置内に残存することはなく、そのような部材によって現像装置内部におけるレイアウトの自由度が制限されるなどの問題は生じない。また、上記実施形態2では、密閉シール150を接着剤等によって接着する構成ではないので、接着する構成に比べて製造コストを抑えることが可能となるという効果もある。
実施形態1に係るプリンタの概略構成図である。 イエローの作像装置を示す概略構成図である。 形状係数SF−1を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。 形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。 イエローの現像装置の外観を示す斜視図である。 同現像装置の現像剤収容部内が視認できるように上部ケーシングを取り外した状態の斜視図である。 同現像装置の概略構成とともに、現像スリーブの表面上における法線方向磁束密度(絶対値)の分布を二点鎖線で示した説明図である。 同現像装置の剤離れ領域周辺における現像スリーブ表面上の法線方向磁束密度(細線)と、現像スリーブ表面上における法線方向磁力(太線)とを示すグラフである。 比較装置の剤離れ領域周辺における現像スリーブ表面上の法線方向磁束密度(細線)と、現像スリーブ表面上における法線方向磁力(太線)とを示すグラフである。 実施形態1の現像装置のマグネットローラを製造する際の着磁工程の説明図である。 比較装置のマグネットローラを製造する際の着磁工程の説明図である。 変形例1の剤離れ領域周辺における現像スリーブ表面上の法線方向磁束密度(細線)と、現像スリーブ表面上における法線方向磁力(太線)とを示すグラフである。 (a)は、変形例2の剤離れ領域周辺における現像スリーブ表面上の法線方向磁束密度(細線)と、現像スリーブ表面上における法線方向磁力(太線)とを示すグラフである。(b)は、変形例2と比較するために作成した装置の剤離れ領域周辺における現像スリーブ表面上の法線方向磁束密度(細線)と、現像スリーブ表面上における法線方向磁力(太線)とを示すグラフである。 実施形態1の現像装置における現像スリーブによる現像剤搬送方向に関する磁石の配置例を示す説明図である。 同現像装置における現像スリーブ軸線方向に関する磁石の配置例を示す説明図である。 同現像装置におけるドクタブレードを現像スリーブ軸線方向から見たときの形状を示す説明図である。 (a)は、同現像装置におけるドクタブレード上流側の現像剤の挙動を示す説明図である。(b)は、従来の現像装置におけるドクタブレード上流側の現像剤の挙動を示す説明図である。 同ドクタブレードによる規制位置の配置による汲み上げ変化率を説明するためのグラフである。 同ドクタブレードによる規制位置近傍の磁力分布を示す説明図である。 マグネットローラの磁極に対してドクタブレードによる規制位置を変更した場合について、ドクタギャップに対する汲み上げ量を測定した結果を示すグラフである。 磁性体部材の取り付け位置の一変形例を示す説明図である。 ドクタ補助部材の他の形状を示す説明図である。 実施形態2における現像装置の外観斜視図である。 同現像装置の現像剤収容部内が視認できるように上部ケーシングを取り外した状態の斜視図である。 同現像装置の概略構成を示すもので、現像スリーブ軸方向から見たときの図である。 実施形態3におけるドクタブレード上流側に配置される中空部材を現像スリーブ軸線方向から見たときの形状と、ドクタブレード上流側における現像剤の挙動を示す説明図である。 同中空部材を改良した例を示す概略構成図である。 従来の一般的な現像装置の例を示す概略構成図である。 同現像装置を改良した例を示す概略構成図である。 (a)は、実施形態の現像装置におけるN3極の磁力により穂立ちした現像剤の様子を示す説明図である。(b)は、図29に示した従来の現像装置におけるN3極の磁力により穂立ちした現像剤の様子を示す説明図である。
符号の説明
10Y,10C,10M,10K 作像装置
12Y,12C,12M,12K 感光体ドラム
14Y,14C,14M,14K 現像装置
20 光学ユニット
31 中間転写ベルト
40 給紙ユニット
50 定着ユニット
141,241,341 現像スリーブ
142,143 搬送スクリュー
144 現像ケーシング
145 トナー補給口
146 ドクタブレード
146a ドクタ基体
146b ドクタ補助部材
146b1,646b1,746b1 磁極対向面
146b2,746b2 接合面
147,447 マグネットローラ
148 シール部材
149 磁石
149A 供給室
149B 攪拌室
150 密閉シール
181〜186,481〜486 着磁ヨーク
249A 第1収容室
249B 第2収容室
546b 磁性体シート
646b,746b 中空部材

Claims (17)

  1. 磁界発生手段を非磁性の中空体内に配置して該磁界発生手段の磁力により該中空体の外周面上に磁性キャリアおよびトナーからなる二成分現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、
    該現像剤担持体上に担持される二成分現像剤を収容する供給室を備えた現像剤収容部と、
    二成分現像剤を攪拌しながら該現像剤担持体の回転軸方向に沿って搬送する攪拌搬送部材と、
    該現像剤担持体に担持された二成分現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材とを有し、
    上記現像剤収容部内から上記磁界発生手段の磁力により上記現像剤担持体上に担持した二成分現像剤を、上記現像剤規制部材により規制した後に潜像担持体と対向する現像領域を通過させ、再び現像剤収容部内に戻す現像装置において、
    現像装置内壁面に当接して上記現像剤担持体と上記攪拌搬送部材との間を遮蔽し、該攪拌搬送部材が配置されている攪拌空間内を密閉するための密閉部材と、
    該密閉部材における該現像装置内壁面と当接する部分が該現像装置内壁面に密着するように、該密閉部材を現像剤担持体の回転軸方向に沿って現像装置外部へ引き抜き可能に保持する保持部材とを備えており、
    上記磁界発生手段は、現像領域を通過した後の二成分現像剤を上記現像剤担持体から離脱させるための磁力を発生させるための互いに隣接した同極の第1磁極及び第2磁極を備えており、
    上記第2磁極は、上記第1磁極よりも上記現像剤担持体による現像剤搬送方向下流側であって上記現像剤規制部材の近接位置に配置され、上記現像剤収容部内の供給室から二成分現像剤を汲み上げかつ上記現像剤規制部材により規制される現像剤担持体上の二成分現像剤を穂立ちさせるための磁力を生じさせるものであり、
    上記現像剤担持体の外周面と対向する対向面を備えた薄板部分を有する磁性体部材を、現像有効幅にわたって該対向面が上記第2磁極に向ように、上記現像剤規制部材に対して現像剤担持体による現像剤搬送方向上流側の現像剤担持体外周面外方に配置するとともに、上記現像剤規制部材に固定
    上記保持部材として、上記磁性体部材を用いることを特徴とする現像装置。
  2. 請求項の現像装置において、
    上記磁性体部材は、上記薄板部分を曲げ加工して得られる一方の板面部分を上記第2磁極に向かう上記対向面とし、他方の板面部分を上記現像剤規制部材に対する接合面としたものであり、
    上記磁性体部材の接合面を、現像剤担持体による現像剤搬送方向上流を向く上記現像剤規制部材の上流側面に接合することにより、該磁性体部材を該現像剤規制部材に固定したことを特徴とする現像装置。
  3. 請求項1の現像装置において、
    上記磁性体部材は、上記現像剤担持体の回転軸方向に延在する中空領域を内部に備えた中空部材であり、該中空部材の上記第2磁極に向かう側の部位が上記薄板部分を構成し、
    該磁性体部材の中空領域内の熱を該中空領域外へ移動させることにより該磁性体部材を冷却する冷却手段を有することを特徴とする現像装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、
    現像剤担持体による現像剤搬送方向上流側における上記対向面の端部が、上記第2磁極による法線方向磁束密度が上記現像剤担持体上で最大となる地点の法線よりも、現像剤担持体による現像剤搬送方向上流側となるように、上記磁性体部材を配置したことを特徴とする現像装置。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、
    現像剤担持体による現像剤搬送方向上流側における上記現像剤規制部材の規制面端部が、上記第2磁極による法線方向磁束密度が上記現像剤担持体上で最大となる地点の法線よりも、現像剤担持体による現像剤搬送方向下流側となるように、該現像剤規制部材を配置したことを特徴とする現像装置。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、
    上記現像剤規制部材は非磁性であることを特徴とする現像装置。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、
    上記現像剤規制部材は、上記現像剤担持体に対して鉛直方向下方に配置されていることを特徴とする現像装置。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、
    上記中空体は、その外周面に多数の楕円形状の凹みがランダムに設けられたものであることを特徴とする現像装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像装置において、
    上記密閉部材は板状部材であることを特徴とする現像装置。
  10. 潜像担持体と、該潜像担持体と対向する現像領域に磁性キャリアおよびトナーからなる二成分現像剤を搬送して該潜像担持体上の潜像に該トナーを付着させて現像する現像装置とを一体的に支持し、該現像装置による現像によって得られるトナー像を潜像担持体上から最終的に記録材上へ転移させることで該記録材上に画像を形成する画像形成装置に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、
    上記現像装置として、請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 潜像担持体と、
    該潜像担持体と対向する現像領域に磁性キャリアおよびトナーからなる二成分現像剤を搬送して該潜像担持体上の潜像に該トナーを付着させて現像する現像装置とを備え、
    該現像装置による現像によって得られるトナー像を潜像担持体上から最終的に記録材上へ転移させることで、該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
    上記現像装置として、請求項1乃至のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項11の画像形成装置において、
    上記磁性キャリアの重量平均粒径は20[μm]以上65[μm]以下であることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項11又は12の画像形成装置において、
    上記磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における磁化の強さは40[A・m2/kg]以上、90[A・m2/kg]以下であることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項11乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記トナーとして、体積平均粒径が3μm以上8μm以下であり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるものを用いることを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項11乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記トナーとして、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるものを用いることを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項11乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とする画像形成装置。
  17. 請求項11乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記トナーは、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする画像形成装置。
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