JP5418074B2 - 快適性に優れる薄型座席 - Google Patents
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しかしながら、これらの薄型クッション材は通気度が高いため、夏季にクッション材と人体との間の熱や水分が外気へ放出されやすくなるためにむれ感が小さく、快適性に優れる。さらに、冬季には、クッション材との接触部が定温の外気にさらされやすくなるために、従来のウレタンフォーム、ポリエステル繊維詰綿、ポリエステル繊維を接着した樹脂綿、あるいは固綿に比べると、寒さを感じ、快適性に劣るという問題がある。
すなわち、本発明は、織編物の少なくとも片面に被覆材を積層してなる積層構造物を含む薄型座席であって、織編物は、少なくとも経糸または緯糸のいずれか一方に、熱可塑性弾性樹脂からなるモノフィラメントを一部に配してなり、被覆材は、125Paの圧力で通気した際の通気度が50cc/cm2・sec以下であり、かつ取り外しまたは座席内に収納が可能であり、積層構造物は、フレームに張設固定され、座席の裏面側に被覆材が配置されてなることを特徴とする薄型座席である。
本発明において、従来からクッション材として用いられている熱可塑性弾性樹脂からなるモノフィラメントを一部に配してなる織編物を用いたクッション材の少なくとも片面に通気度の低い被覆材を配置することが重要である。従来の薄型座席のように布バネを用いたシートでは、特に冬季の着座使用の際、座部および背部が低温の外気にさらされ、使用者に寒冷感を与えてしまうのに対し、熱可塑性弾性樹脂からなるモノフィラメントを一部に配してなる織編物の少なくとも片面に被覆材を取り外し可能または収納可能なように配置することにより、夏季には被覆材を取り外しまたは収納することで熱や湿気を放出しやすくし、その不快な蒸れ感を改善できる、冬季には被覆材を配置することで冷気を遮断し、その不快な寒冷感を改善できるからである。
本発明は実施例によって特に制限されるものではない。なお、実施例において用いた測定方法は下記のとおりである。
JIS L 1096(通気性、A法、フラジール形法)に準拠し、フラジール形試験機を用い、差圧125Pa時に試験片を通過する空気量を測定した。
試料を20cm×20cmの大きさに切断し、10箇所から線状体を採集する。10箇所から採集した線状体の40℃での比重を、密度勾配管を用いて測定する。さらに、上記10箇所から採集した線状体の断面積を、光学顕微鏡で30倍に拡大した写真より算出する。次いで、前記の断面積から線状体の長さ10,000m分の体積を求める。得られた比重と体積を乗じた数値(線状体の10,000m分の質量)を10点測定し、その平均値を繊度(繊径)とする。
試料を15cm×15cmの大きさに切断し、無荷重で24時間放置した後、4箇所の高さを測定し、その平均値を試料厚みとする。
また、試料の見かけ密度は、4点の試料について、それぞれ試料厚みから体積を求め、試料の質量を体積で除した数値を求め、その平均値を見かけ密度とする。
サーマルマネキン(東洋紡株式会社製、SAM)を、0℃に制御した恒温恒湿室に設置したモデル座席に座らせ、その後恒温恒湿室の温湿度制御を25℃、50%RHに変更し、着座を継続させた。着座中の40分間、背部の皮膚温を測定した。
5人のモニターにより、その寒冷感を判定した。
0℃に制御した恒温恒湿室に設置したモデル座席にモニターを座らせ、次いで、恒温恒湿室の温湿度制御を25℃、50%RHに変更し、着座を継続させた。着座中の30分経過後の寒冷感を、寒い(−2)から暖かい(+2)の下記の5段階で評価した。5人のモニターの平均値を総合判定とした。
−2: 寒い
−1: やや寒い
0: どちらとも言えない
+1: やや暖かい
+2: 暖かい
発汗マネキン(東洋紡績株式会社製、SAM)を、50℃、20%RHに制御した恒温恒湿室に設置したモデル座席に座らせ、その後恒温恒湿室の温湿度制御を18℃、50%RHに変更し、着座を継続させた。着座中の30分間、背部の衣服内絶対湿度を測定した。
5人のモニターにより、その寒冷感を判定した。
50℃、20%RHに制御した恒温恒湿室に設置したモデル座席にモニターを座らせ、次いで、恒温恒湿室の温湿度制御を18℃、50%RHに変更し、着座を継続させた。着座中の30分経過後のむれ感を、乾いている(−2)から湿っている(+2)の5段階で評価した。その平均により、総合判定とした。
−2: 乾いている
−1: やや乾いている
0: どちらとも言えない
+1: やや湿っている
+2: 湿っている
(織編物)
緯糸として、融点が222℃のポリエーテルエステル系エラストマーを芯成分とし、融点が182℃のポリエーテルエステル系エラストマーを鞘成分とし、その質量比率が芯/鞘=80/20である、繊度が2,080dtexである弾性糸を20本/inchの密度で、経糸として、総繊度が830dtexであるポリエステルのマルチフィラメント糸を28本/inchの密度で製織してなる、厚みが0.07mmの平織りの織物を使用した。
厚みが0.04mm、目付けが21g/m2、通気度が0cc/cm2・secであるポリエチレンフィルムを使用した。
前記の織物を、座面が38cm×58cmのベンチシート型金属フレームに張設固定した。また、フレームに張設固定した織物の裏面に両面テープを貼り付け、前記のポリエチレンフィルムを被覆材として織物に密着させ、取り外し可能な被覆材を有する積層構造体を得た。このようにして、織物の裏面がポリエチレンフィルム(被覆材)となるように配置させてなるモデル座席を作成した。
次いで、作成したモデル座席の寒冷感を評価した。なお、夏季のむれ感の評価時には、織物から被覆材をすべて剥がして評価した。
(織編物)
緯糸として、融点が222℃のポリエーテルエステル系エラストマーを芯成分とし、融点が182℃のポリエーテルエステル系エラストマーを鞘成分とし、その質量比率が芯/鞘=80/20である、繊度が2,080dtexである弾性糸を20本/inchの密度で、経糸として、総繊度が830dtexであるポリエステルのマルチフィラメント糸を28本/inchの密度で製織してなる、厚みが0.07mmの平織りの織物を使用した。
厚みが0.04mm、目付けが21g/m2、通気度が0cc/cm2・secであるポリエチレンフィルムを使用した。
前記の織物を、座面が38cm×58cmのベンチシート型金属フレームに張設固定した。また、ロールカーテンの芯をシートフレームに取り付け、この芯に前記のポリエチレンフィルムを巻きつけ、ポリエチレンフィルムを収納可能とした。ポリエチレンフィルムを引出した時には、ポリエチレンフィルムは織物に密着するようにロールカーテンの芯を配置した。このようにして、織物の裏面にポリエチレンフィルム(被覆材)が収納可能となるように配置させてなるモデル座席を作成した。
このようにして作成した織物および被覆材からなる積層構造体のモデル座席の寒冷感を評価した。なお、夏季のむれ感の評価時には、被覆材をロールカーテンの芯に巻き付けて収納した状態で評価を行った。
(織編物)
緯糸として、融点が222℃のポリエーテルエステル系エラストマーを芯成分とし、融点が182℃のポリエーテルエステル系エラストマーを鞘成分とし、その質量比率が芯/鞘=80/20である、繊度が2,080dtexである弾性糸を20本/inchの密度で、経糸として、総繊度が830dtexであるポリエステルのマルチフィラメント糸を28本/inchの密度で製織してなる、厚みが0.07mmの平織りの織物を使用した。
厚みが0.04mm、目付けが21g/m2、通気度が0cc/cm2・secであるポリエチレンフィルムを使用した。
前記の織物を、座面が38cm×58cmのベンチシート型金属フレームに張設固定した。また、ロールカーテンの芯をシートフレームに取り付け、この芯に前記のポリエチレンフィルムを巻きつけ、ポリエチレンフィルムを収納可能とした。ポリエチレンフィルムを引出した時に、ポリエチレンフィルムをフレームに両面テープで接着し、織物とフィルムとの間に1cmの空間が形成されるようにモデル座席を作成した。
このようにして作成した織物および被覆材からなる積層構造体のモデル座席の寒冷感を評価した。なお、夏季のむれ感の評価時には、被覆材をロールカーテンの芯に巻き付けて収納した状態で評価を行った。
(織編物)
緯糸として、融点が222℃のポリエーテルエステル系エラストマーを芯成分とし、融点が182℃のポリエーテルエステル系エラストマーを鞘成分とし、その質量比率が芯/鞘=80/20である、繊度が2,080dtexである弾性糸を20本/inchの密度で、経糸として、総繊度が830dtexであるポリエステルのマルチフィラメント糸を28本/inchの密度で製織してなる、厚みが0.07mmの平織りの織物を使用した。
厚みが0.04mm、目付けが21g/m2、通気度が0cc/cm2・secであるポリエチレンフィルムを使用した。
融点が200℃のポリエーテルエステル系エラストマーをノズル(ノズル孔径:1mm、単孔吐出量:1.4g/min)より、240℃で溶融して、吐出した。次いで、ノズル面下250mmに水面がくるよう冷却水を配し、幅60cmのステンレス製エンドレスネットを平行に2cm間隔で一対の引取りコンベアを水面上に一部出るように配した上に引取り、接触部分を融着させつつ、両面を挟み込みつつ、1.1m/分の速度で常温の冷却水中へ引込み固化させた。その後、所定の大きさに切断して三次元網状弾性体を得た。
(モデル座席)
前述の織物を、背面が38cm×58cmのベンチシート型金属フレームに張設固定した。また、フレームに、前記のポリエチレンフィルムを両面テープで取り付け、調節固定した織物とポリエチレンフィルムの間に、厚みが10mmの三次元網状弾性体を挟み、モデル座席を作成した。
このようにして作成した織物、被覆材および三次元網状弾性体からなる積層構造体のモデル座席の寒冷感を評価した。なお、夏季のむれ感の評価時には、ポリエチレンフィルムを剥がして評価した。
(モデル座席)
実施例1にて作成した織物を、座面が38cm×58cmのベンチシート型金属フレームに張設固定し、モデル座席を作成した。
このようにして作成した織物のみから構成されたモデル座席の寒冷感及び夏季のむれ感を評価した。
市販の自動車に使われている、表皮材が本革、クッション材がウレタンフォームのカーシートを用いて寒冷感及びむれ感を評価した。
実施例及び比較例のモニター試験による寒冷感及びむれ感の評価結果を表1に示した。
Claims (6)
- 織編物の少なくとも片面に被覆材を積層してなる積層構造物を含む薄型座席であって、
織編物は、少なくとも経糸または緯糸のいずれか一方に、熱可塑性弾性樹脂からなるモノフィラメントを一部に配してなり、
被覆材は、125Paの圧力で通気した際の通気度が50cc/cm2・sec以下であり、かつ取り外しまたは座席内に収納が可能であり、
積層構造物は、フレームに張設固定され、座席の裏面側に被覆材が配置されてなることを特徴とする薄型座席。 - 織編物の厚さが0.05〜0.1mmであり、被覆材の厚さが織編物の厚みより小さく、0.01〜0.8mmである請求項1に記載の薄型座席。
- モノフィラメントの繊度が300〜3000dtexである請求項1または2に記載の薄型座席。
- 被覆材と熱可塑性弾性樹脂からなるモノフィラメントを一部に配してなる織編物との間に空間を形成してなる請求項1〜3のいずれかに記載の薄型座席。
- 前記の空間が、多孔体または繊維集合体を配して形成してなる請求項4に記載の薄型座席。
- 前記の空間の厚さが10mm以下である請求項4または5に記載の薄型座席。
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