JP3716329B2 - 寝具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は耐久性、通気性に優れた軽量、かつ簡易に選択可能な主として敷布団又はマットに使用して好適な充填材と該充填材を被覆する表面材とよりなる寝具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、敷布団或はマットの充填材として使用されている主なるものに繊維集合体としての各種の綿、水鳥の羽毛、ウレタンフォ−ム、硬鋼線スプリングの構造体などがある。しかしながら充填材としての綿、水鳥の羽毛は、クッション性の低下やへたりを生じ易く耐久性に問題があり、ウレタンフォ−ムは、耐久性は大であるが通気性に劣り蓄熱性があるため蒸れ易く、透水性に劣るため洗濯ができず、衛生面に問題がある。また硬鋼線スプリングは耐久性や通気性は確保されるが折曲げ難く、重いため収納面に問題がある。
【0003】
上記のように従来使用されている敷布団又はマットの充填材の種々の問題点から近年は非弾性捲縮繊維を接着した樹脂綿や硬綿などを単体或は他の素材と組合わせて使用されている。例えば、ポリエステル繊維をゴム系の接着剤で接着した樹脂綿を使用したクッション部材(特開昭60−11352号.特開昭61−141388号、特開昭61−141391号)などやポリエステル繊維を架橋性ウレタンで接着した樹脂綿を使用した異硬度クッション材(特開昭61−137732号)など、更にポリエステル繊維の硬綿を充填材に使用したクッション材(特開昭58−31150号、特開平2−154050号、特開平3−220345号)などの場合は通気性がよいため蒸れは低減できるが、耐久性に乏しく、折曲げ難いので収納が困難である。また洗濯は可能であるが水切り性が悪いという欠点がある。
【0004】
耐久性を改善するため交絡処理を行なう方法(特開平4−245965号)があるが加工が煩雑で弾力性が低下する。更に接着部分が脆弱であるため接点破壊が起り、耐久性が得られないと云う根本的な問題点がある。このため接着部分に破壊伸度が大きく回復性が高いポリエステル系エラストマ−を用いた発明(WO−91/19032号、特開平5−156561号、特開平5−163654号)があるが塑性変形し易いため耐久性が不充分である。折曲げ易くする方法として折畳み構造にする不織布、マットレス(特開昭55−36373号、特開平2−142513号、特開平5−3894号)、折曲げ部分に空洞を設ける発明((特開平5−285031号)があるが、耐久性や洗濯の可能性については問題が残っている。
【0005】
上記以外にポリオレフィン系熱可塑性樹脂による土木工事用の網状体(特開昭47−44839号)を使用した下記発明考案がある。柔らかいものと硬いものとを積層したもの(実開昭58−93270号)、硬いものの内部に空調部を有するもの(特開昭58−95760号)、片面に凹凸を有するもの(特開昭58−109670号)、内部に洗浄パイプや通気管などが装着可能マット(特開平6−327723号)などが開示されているが、素材がポリオレフィン系熱可塑性樹脂なので基本的なクッション性能、特に回復性に難がある。
【0006】
また、繊維径の異なる吐出線条が互いに融着したモ−ル状合成樹脂の立体網状体(特公平3−17666号)や塩化ビニル製フロアマット(特開平1−207462号)の発明があるが、基本的なクッション性能に難があり、寝心地や洗濯の可能性、収納性、軽量性などにはなんら言及されておらず、寝心地のよい寝具とはならない。更に綿材をシ−トで挟みキルティングを施した布団用バッド(特開平6−269345号)やキルティングを施した詰め綿充填包布で折り目を設けた硬綿を充填した敷布団(実開平6−48453号)などがあるが通気性に乏しく耐久性、洗濯の可能性などの配慮がなく寝具としての問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来の敷布団、マット又はクッションの欠点を改良するために基本的なクッション性能のみならず、通気性を向上せしめ、軽量にして取扱いが容易で、かつ簡易に洗濯が可能な敷布団、マット又はクッションとして好適な寝具を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の目的を達成するために本発明者が鋭意研究した結果完成するに至ったもので、その第1発明は充填材とこれを被覆する表皮材とにより構成された寝具において、充填材としては少なくとも一部が熱可塑性弾性樹脂の曲率を有する連続繊維が互いに不規則に交絡し、交絡により接触した接点を形成する厚さが5mm〜50mm程度の立体的構造体であり、該構造体を構成する 繊維の曲率半径が4mm〜20mm、 寝具の厚さが30mm〜100mm、寝具の目付が1500g/m2 〜2500g/m2 、通気度が30c.c./cm2 、sec〜50c.c./cm2 、secであり、かつ表皮材がダブルラッセルの編み構造を有する布帛であることを特徴とする寝具であり、その第2発明は充填材を構成する構造体の少なくとも一方の面が実質的に平面化されており、該構造体の通気度が40c.c./cm2 、sec〜50c.c./cm2、sec程度の第一発明記載の寝具であり、その第3発明は表皮材の厚さが5mm〜10mm程度、表皮材の目付が200g/m2 〜500g/m2 程度で、かつ表皮材の通気度が40c.c./cm2 、sec〜50c.c./cm2 、secであることを特徴とする第1発明記載の寝具を提供するものである。
【0009】
本発明に使用される熱可塑性弾性樹脂は、そのソフトセグメントとして、分子量が300以上5000以下のポリエ−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−ル、ポリカ−ボネ−ト系グリコ−ル又は長鎖の炭化水素末端をカルボン酸又は水酸基によって置換されたポリオレフィン系化合物等をブロック共重合したポリエステル系エラストマ−、ポリアミド系エラストマ−、ポリウレタン系エラストマ−、ポリオレフィン系エラストマ−などか挙げられる。ポリエステル系エラストマ−としては熱可塑性ポリエステルをハ−ドセグメントとしたものと、ポリアルキレンジオ−ルをソフトセグメントとするポリエステルエ−テルブロック共重合体、又は脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステルエステルブロック共重合体がある。
【0010】
ポリエステルエ−テルブロック共重合体の具体的な例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン2・6ジカルボン酸、ナフタレン2・7ジカルボン酸、ジフェニル4・4′ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、1・4シクロヘキ酸ジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、琥珀酸、アジピン酸、セバチン酸、ダイマ−酸などの脂肪族ジカルボン酸、又はこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも一種と1・4ブタンジオ−ル、エチレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ペンタメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ルなどの脂肪族ジオ−ル、1・1シクロヘキサンジメタノ−ル。1・4シクロヘキサンジメタノ−ルなどの脂環族ジオ−ル、又はこれらのエステル形成性誘導体から選ばれたジオ−ル成分の少なくとも一種から構成される三次元ブロック共重合体である。ポリエステルエステルブロック共重合体の具体的な例としては、上記のジカルボン酸とジオ−ル及び平均分子量が約300以上5000以下のポリラクトンなどのポリエステルジオ−ルのうち少なくとも各一種から構成された三次元ブロック共重合体である。
【0011】
上記では熱接着性、耐加水分解性、伸縮性、耐熱性などから、ジカルボン酸がテレフタル酸及び/又は、ナフタレン2・6ジカルボン酸が、ジオ−ル成分としては1・4ブタンジオ−ルが、ポリアルキレンジオ−ルとしてはポリテトラメチレングリコ−ルの三次元共重合体が、又はポリエステルジオ−ルとしてはポリラクトンの三ブロック共重合体が特に好ましい。特殊な例では、ポリシロキサン系のソフトセグメントを導入したものも使用することができる。更に、上記エラストマ−成分に非エラストマ−成分をブレンドしたもの、共重合したもの、ポリオレフィン系成分をソフトセグメントにしたものなども本発明の熱可塑性弾性樹脂に包含される。
【0012】
ポリアミド系エラストマ−としてはハ−ドセグメントにナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロン11、ナイロン12など及びそれらの共重合ナイロンを骨格としたものと、ソフトセグメントに平均分子量が300以上5000以下のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ルなどのポリアルキレンジオ−ルのうち少なくとも一種から構成されるブロック共重合体を単独又は二種以上混合したものが主として使用されるが、これに限定されるものではなく、例えば、非エラストマ−成分をブレンドしたもの又は共重合したものなども本発明に使用できる。
【0013】
ポリウレタン系エラストマ−としては通常の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)の存在、又は非存在下で、
(A) 数平均分子量が1000以上6000以下の末端に水酸基を有するポリエ−テル及び/又は、ポリエステル、
(B) 有機ジイソシアネ−トを主成分とするポリイソシアネ−トを反応させた両末端がイソシアネ−ト基であるポリマ−に、
(C) ジアミンを主成分とするポリアミンより鎖延長したポリウレタンエラストマ−が代表例として例示できる。
(A)のポリエステル、ポリエ−テル類としては、平均分子量が約1000以上6000以下、好ましくは1300以上5000以下のポリブチレンアジペ−ト共重合ポリエステルやポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体ポリエステルからなるグリコ−ルなどのポリアルキレンジオ−ルが好ましい。
(B)のポリイソシアネ−トとしては、従来公知のポリイソシアネ−トを用いることができるが、ジフェニルエタン4・4′ジイソシアネ−トを主体としたイソシアネ−トを用いて、必要に応じて従来公知のポリイソシアネ−トなどを微量添加してもよい。
(C)のポリアミンとしては、エチレンジアミン、1・2ポリプロピレンアミンなどの公知のジアミンを主体として、必要に応じて微量のトリアミン、テトラアミンなどを併用してもよい。
上記のような本発明の熱可塑性弾性樹脂の融点は140℃以上が好ましく、160℃以上であることが耐熱、耐久性の面からより好ましい。
【0014】
また後記の伸長回復性の測定で、室温における300%伸長後の回復率(室温伸長回復率)が20%以上、70℃での10%伸長を24hrs保持した後の回復率(70℃伸長回復率)が30%以上であり、より好ましくは室温伸長回復率が30%以上、70℃伸長回復率が40%以上である。更に好ましくは室温伸長回復率が40%以上、70℃伸長回復率が50%以上である。このような伸長回復性を付与するためには熱可塑性弾性樹脂の組成にもよるがソフトセグメント含有率は15wt%以上が好ましく、更に30%以上がより好ましい。但し、ソフトセグメント含有率が高いと耐熱性が低下するので、80wt%以下が好ましく、より好ましくは70%以下である。このような熱可塑性弾性樹脂は構造体としても振動や応力の吸収が良好で、寝具に好適である。本発明の充填材の少なくとも一部に用いられる構造体は難燃剤を付与することが好ましく、必要に応じて抗酸化剤などを添加して耐久性の向上を行なうことが肝要である。また各種改質剤、添加剤、着色剤などを必要に応じて添加してもよい。
【0015】
難燃剤としては燐系化合物が用いられるが、これに限定されるものではなく、ハロゲン系化合物なども使用してよい。燐系化合物の場合、熱可塑性弾性樹脂中のソフトセグメント含有率をAwt%、燐含有率をBppmにおいて下記の関係を満足させることが好ましく、これを満足しないとき難燃性が低下する場合がある。
60A+ 200≦B≦100000
より好ましい燐含有量としては下記の関係を満足することである。
30A+1800≦B≦100000
更に好ましい燐含有量としては下記の関係を満足することである。
16A+2600≦B≦100000
なお、100000ppmを超過すると可塑化効果による塑性変形が大きくなり、熱可塑性弾性樹脂の耐熱性が劣るので好ましくない。ハロゲン系化合物と無機物などを添加して難燃性を付与する場合、燃焼時に致死量が希少で有毒なハロゲンガスが発生し、火災などの中毒症状を呈する可能性があるとともに、焼却破棄時に焼却炉の損傷が生じるので、ハロゲン化合物の含有量は10wt%以下、より好ましくは5wt%以下、更にはこれを含有しないことが好ましい。
【0016】
本発明に使用される燐系難燃剤としては下記のものが挙げられる。
ポリエステル系熱可塑性弾性樹脂の重合時に、難燃剤として10・2・3・ジ(ヒドロキシエトキシ)−カルボニルプロピル・9・10・ジヒドロ・9・オキサ・10ホスファフェナレンス・10オキシロなどのカルボン酸をハ−ドセグメントの酸成分の一部として共重合したもの(特開昭51−82392号)や熱可塑性弾性樹脂の後工程でトリス(2・4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどを付与したものなどがある。
上記以外に、難燃性を付与できるものとして、各種燐酸エステル、亜燐酸エステル、ホスホン酸エステル(必要に応じてハロゲン元素を有する上記の燐酸エステル類など)、もしくはこれらの燐系化合物から誘導される重合物がある。このように安全性の観点から本発明で用いる構造体の燃焼ガスの毒性指数は6以下であることが好ましく、より好ましくは5.5以下である。
【0017】
本発明の充填剤の少なくとも一部に用いられる構造体は視差走査型熱量計で測定した融解曲線において融点以下に吸熱ピ−クを有することが耐熱性、耐へたり性の観点から好ましい。例えば、ポリエステル系熱可塑性弾性樹脂で、ハ−ドセグメントの酸成分に剛直性のあるテレフタル酸やナフタレン2・6ジカルボン酸などを90mol%以上含有するもの、より好ましくはテレフタル酸やナフタレン2・6ジカルボン酸などを95mol%以上、更に好ましくは100mol%でグリコ−ル成分をエステル交換後、必要な重合度まで重合したもので、ポリアルキレンジオ−ルに好ましくは平均分子量500以上5000以下、特に好ましくは1000以上3000以下の平均分子量のポリテトラメチレングリコ−ルを15wt%以上70wt%以下、より好ましくは30wt%以上60wt%以下共重合させたものの場合、融点の少なくとも10℃以上の低い温度で熱処理を行なうと視差走査熱量計で測定した融解曲線で室温乃至融点で吸熱ピ−クが明確に発現する。その結果、このような熱処理によりハ−ドセグメントが再配列され、結晶化に類似した架橋点が形成され、構造体の耐熱性、耐へたり性が向上する。(この熱処理を以下、疑似結晶化処理と称す。)なお、この疑似結晶処理はポリアミド系弾性樹脂やポリウレタン系弾性樹脂にも有効である。
【0018】
このような熱可塑性弾性樹脂よりなる構造体は曲率を有した連続の繊維が互いに不規則に交絡し、接触した部位が融着した接点を形成した厚さが5mm以上の立体的な構造体で、その繊維の繊維径が0.01mm以上5mm以下、曲率半径が4mm以上20mm以下で、この構造体の嵩密度が0.005g/cm3 以上0.1g/cm3 以下である。ここでいう繊維径は繊維断面を円形として考えたときの直径である。繊維の断面形状は特に限定されないが、中空断面や異形断面にすることが抵圧縮性(反発力)、タッチ感の観点から好ましい。この繊維径が5mmを越えると構造体を構成する繊維の単位体積あたりの本数が少なくなり、嵩密度の斑や接点の数が減少し、構造体全体の弾性の低下や耐久性の低下が生じるので好ましくない。また、この繊維径が0.01mmより小さいと接点の面積が小さくなり、耐久性の低下を招くので好ましくない。従って繊維径は0.01mm以上5mm以下が好ましく、更に0.05mm以上3mm以下が好適である。繊維の曲率半径が大きい場合、構造体として凹凸感がでてしまう。また表面の表裏をフラット化を行っていても接点の数が少なくなり、構造体全体の弾性や耐久性が低下する。曲率半径が小さい場合、構造体の剛性が大きくなり、タッチ感が悪くなる。従って曲率半径は4mm以上20mm以下が好ましく、6mm以上10mm以下が更に好適である。嵩密度は0.005g/cm2 よりも小さいと構造体自身の弾性が極端に小さくなり、また0.1g/cm2 よりも高いと逆に弾性が高くなる外に振動の吸収も低下し、更に寝具の重量が大きくなる。従って嵩密度は0.005g/cm3 以上0.1g/cm3 以下が好ましく、0.02g/cm3 以上0.8g/cm3 以下がより好ましく、適度の変形と振動の吸収、更に持ち運びなどの作業が容易にできるように軽量化も可能である。
【0019】
寝具として通気度が30c.c./cm2 、sec未満の場合は寝心地については蒸れ感を生じ易く、また容易に乾燥しないので衛生面にも問題を生じ、また洗濯などが困難、或は不可能である。また充填材の構造体又は表皮材の通気度は同様の理由によって40c.c./cm2 、sec以上が好ましく、更に50c.c./cm2 、sec以上であることがより好ましい。一方通気度が高いと空気の流動が頻繁に生じ易くなり、保温の面から問題を生ずるので寝具としては60c.c./cm2 、sec以下が好ましい。寝具の厚さは30mm未満の場合は変形の機能が著しく低下するため、床付き感などが生じる。また100mmを超過すると折り曲げ難くなると共に重量が増加するので収納作業などで問題が生じる。従って表皮材については上記の理由によって厚さは5mm以上、10mm未満が好ましく、更に10mm以上90mm以下がより好適である。接点は変形による応力伝達を担うので著しい応力集中があり、これが破壊した場合、構造体の弾性と耐久性とが低下するのみならず、形態の保持ができなきなる。従って接点の融着は接触している部分の大半が融着していることが望ましく、接触部分の全部が融着していることがより望ましい。構造体は使用する樹脂、繊維径、曲率半径、嵩密度、通気度、厚さなどが異なるものを二種類以上組合わせてもよく、その組合わせは圧縮方向に直列配列、及び/又は並列配列で、その界面は接合してもよい。より高いクッション性を追及するため厚さが大きいものを所望する場合は、充填材の折り曲げ部分を局部的に不連続にすることで、収納性を損なうことを抑えることができる。
【0020】
本発明では上記の構造体と共に天然繊維及び/又は合成樹脂繊維を混合したものを母材とし、熱可塑性弾性樹脂を熱接着成分とした繊維で接合した嵩密度が0.1g/cm3 以下の硬綿を圧縮方向に直列配列及び/又は並列配列することができる。この場合、上記の構造体と併せて嵩密度を設定する必要があり、また小孔を設けるなどの加工を施して通気度を確保することも必要である。ここで云う天然繊維とは、綿、麻、椰子殻繊維、ジュ−トなどのセルロ−ス系繊維や羊毛、絹、羽毛などの蛋白質系繊維などの天然繊維である。また合成樹脂とは熱可塑性合成樹脂を云い、ホリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどが例示できる。なお本発明ではガラス転移点温度が少なくとも40℃以上のものが好ましい。ポリエステルではポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレ−ト(PCHDT)、ポリエチレンヘキシレンジメチレンナフタレ−ト(PCHDN)、ポリブチレンテレフタレ−ト(PBT)、ポリブチレンナフタレ−ト(PBN)、ポリアリレ−トなど、及びこれらの共重合ポリエステルが例示できる。ポリアミドではポリカプロラクタム(NY6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(NY66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(NY6−10)などが例示できる。ポリオレフィンとしてはポリプロピレン(PP)、ポリブテン・1(PB?1)などが例示できる。
【0021】
本発明で用いる熱可塑性樹脂は、主な素材がポリエステル系樹脂を用いる場合、PET、PEN、PBN、PCHDTなどの同じポリエステル系樹脂を用いることがリサイクル性の観点からも好ましい、更に耐熱性が良好なPET、PEN、PCHDTなどと重縮合して燐含有エステル形成性化合物を共重合したもの又は燐含有難燃材を含有してなる難燃性ポリエステル(以下難燃性ポリエステルと称す)が好ましく、例えば特開昭51−82392号、特開昭55−7888号、特公昭55−41610号などに例示されるものが挙げられる。なお塩化ビニ−ルは自己消火性を有するが、燃焼すると有毒ガスを発生すること、耐熱性が劣称す)が好ましく、例えば特開昭51−82392号、特開昭55−7888号、特公昭55−41610号などに例示されるものが挙げられる。なお塩化ビニ−ルは自己消火性を有するが、燃焼すると有毒ガスを発生すること、耐熱性が劣ることなどから本発明には好ましくない。また熱可塑性弾性樹脂による繊維をこれに用いてもよい。
【0022】
本発明の表皮材は、厚さが10mm以下、目付が500g/m2 以下である天然繊維及び/又は合成樹脂繊維よりなる布帛である。なお、ここで云う布帛とは縦編、横編などに代表される編物、平織、繻子織などに代表される織物、平打、丸打に代表される組紐、ニ−ドルパンチ、カ−ドなどやフラッシュ紡糸などによる不織布などであるが、本発明では厚さ、目付並びに通気度の観点からダブルラッセルによる編物が好適に使用される。ここで云うダブルラッセルによる編物とは、編機において複列のニ−ドルバ−が平行に向き合うように配置されたラッセル機により編まれたものを云う。本発明ではフロント糸とバック糸がニ−ドルバ−で編成されるときにミドル糸を含んで一体的に編まれたもので、ミドル糸は編み構造を有していても、単にフロント糸の編み構造とバック糸の編み構造を通過するのみでもよく、対向する編み構造を適度の間隔に保ち、一体の編み構造体が得られればよい。ダブルラッセルによる編物を構成するバック糸、フロント糸、ミドル糸には上記と同様に天然繊維及び/又は合成樹脂繊維を使用することができるが、充填材などと同種類の素材で構成することが環境などの面から好ましい。繊維の形態としては紡績糸、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸、混繊糸などを用いることができ、肌に接触する部分に混繊糸などを用いることで風合いが柔らかくなる。また通電することで発熱する金属繊維などを天然繊維及び/又は合成樹脂繊維でカバリングしたり、天然ゴム及び/又は合成ゴムなどてコ−ティングしたもの、吸発水性を有する繊維、吸発熱性を有する繊維などを組合わせたものをバック糸及び/又はフロント糸及び/又はミドル糸にすることで特殊な機能を付与させることができる。チュ−ルの形状は正方形、長方形、六角形などを装置の許容する範囲で付与することができる。また通気度を阻害しない程度に肌に接触する面の方のチュ−ルを小さくすることでタッチ感を向上させることができる。またフロント糸或はバック糸を用いず、ミドル糸が表面を構成するようにしてタッチ感を向上させることもできる。更に装置の許容する範囲で絵柄模様を付与することができる。厚さは大きいと布帛の形態にもよるが沈み感が大きくなり、寝心地の面で問題が生じ、また折り曲げた時に充填材と布帛とが離れ、収納時の作業が煩雑になる問題がある。厚さが小さいと充填材を直接感じてしまい、タッチ感が損なわれる可能性がある。従って寝具の厚さは30mm〜4000mmであり、表面の厚さは3mm以上10mm以下が好ましく、4mm以上8mm以下がより好ましい。
【0023】
目付は大きいほど重くなり収納作業などが困難になるので小さい程よいが、小さすぎると寝具としての基本的なクッション性が得られない。従って寝具の目付は1500g/m2 〜2500g/m2 、更に表面材の目付は300g/m2 〜500g/m2 が好ましく、350g/m2 がより好ましい。通気度は小さいと寝心地については蒸れ感を生じ易く、また容易に乾燥しないので洗濯などが困難か或は不可能で、衛生面にも問題を生じる。従って通気度は寝具としては30c.c./cm2 、sec、表皮材としては40c.c./cm2 、sec以上が好適であり、更に50c.c./cm2 ・sec以上であることが更に好適である。
【0024】
本発明は主に一般家庭、宿泊施設、病院、鉄道車両、船舶などで用いる寝具、枕などにおいて有用であるが、鉄道車両、自動車、船舶、一般家庭、事務などの座席のクッション材としても大いに適用できる。用途との関係で要求性能に一致する他の素材と組合わせて使用することができるのは勿論である。また本発明の性能を低下させない範囲で加工を施し、形状を付与させることができる。更に製品化させる任意の段階で難燃化、防虫抗菌化、耐熱化、撥水撥油化、着色、芳香性などの機能を薬剤添加などにより付与することも可能である。
【0025】
以下に本発明の実施の形態及び実施例、比較例を示すが、本発明の実施の形態、実施例及び比較例において採用した評価の方法は下記(1) 〜(12)に示す通りである。
(1) 厚さ、目付並びに嵩密度
□15cmに切断した試料の角部4カ所の厚さを平均して厚さを求めた。また、その重量を測定し、重量を面積で除して目付を、重量を体積で除して嵩密度を求めた。
(2) 通気度
φ10cmに打ち抜いた試料の厚さを十分にカバ−できる高さを有した内径φ10cmの金属円筒に圧縮ひずみ5%を付与した状態で封入し、そのひずみ分だけの厚さのパッキンで横漏れしないようシ−ルした後、株式会社テクノワ−ルド社製(コスモ計器設計)通気量測定器を用いて通気量を測定し、これを通気度とした。なお差圧は124Paで行った。
(3) 繊維径
試料の任意の10カ所より繊維を切り出したものをアクリル樹脂などで包埋した後に断面を削り出す。その際、粘着テ−プなどで予め繊維が断面に対して垂直になるようにした。このようにして得た断面の写真を撮影し、その断面積を断面の重量や画像解析より求め、これを円形に仮定した場合に直径相当する数値を繊維径として求めた。
(4) 曲率半径
試料の任意の10カ所より融着した接点を繊維が伸びないように外し、長さ500mm以上の繊維を取り出し、繊維を垂らした場合の下方のル−プの直径を測定し、これを半分にしたものを曲率半径として求めた。
(5) 室温伸長回復率
ポリマ−より得た厚さ約300μmのフイルム(Tm+10℃に加熱し、プレス機で約1min押し圧後、水冷)を試料とし、オリエンテック社製テンシロンUTM5型を用い、伸長ひずみ速度100%でひずみ300%まで伸長後、ひずみ0%まで戻し、2分放置後、再度、伸長させた際に応力が発現するひずみを300%から差し引いたひずみをひずみ300%で除して求めた。
(6) 70℃伸長回復率
ポリマ−より得た厚さ約300μmのフイルム(Tm+10℃に加熱し、プレス機で約1分間押し圧後、水冷)を試料とし、オリエンテック社製テンシロンUTM5型を用い、70℃雰囲気の加熱オ−プン中で伸長ひずみ速度100%でひずみ10%まで伸長後、そのままの状態で24時間保持する。その後ひずみ0%まで戻し、再度伸長させた際に応力が発現するひずみを10%から差し引いたひみをひずみ10%で除して求めた。
(7) 耐熱耐久性(70℃圧縮残留ひずみ)
□15cmに切断した試料の厚さ(角部4カ所の厚さを平均したもの)を測定し、その厚さに対して圧縮ひずみ50%を付与したまま70℃雰囲気の加熱オ−プン中に22時間保持した後、常温で放置冷却してからひずみを除去し、24時間後の厚さと処理前の差を処理前の厚さで除して求めた。
(8) 繰返圧縮後ひずみ
□15cmに切断した試料の厚さ(角部4カ所の厚さを平均したもの)を測定し、その厚さに対して圧縮ひずみ50%を島津製作所製サ−ボパルサ−で1Hzのサイクルで2万回付与後(25℃、65%RH室内)、24時間放置しその後の厚さと処理前の差を処理前の厚さで除して求めた。
(9) 融着
試料中の繊維の交絡部で目視で接着している部分を判断し、その繊維同士を手で引張り、外れないものを融着していると判断した。
(10) 水切り性
□40cmのサンプル(充填材などが漏出し形状が崩れる場合は適宜縫製)を水槽に浸漬し30分間経過後に取り出して30分間静置した後24時間放置後の重量を測定して水分率を測定し、以下の基準で評価した。
○:水分率0.01未満、△:水分率0.05以下、×:水分率0.05以上
(11) 融点(Tm)及び融点以外の吸熱ピ−ク
島津製作所製TA50、DSC50型示差熱分析計による吸発熱曲線から融解ピ−ク(吸熱ピ−ク)の温度を求めた。なお昇温速度20℃/分である。
(12) 寝心地
作成した資料をベッドフレ−ムにセットして、28℃、75%RH室内に被験者を寝かせ(被験者5名)下記の評価を実施した。なお掛け布団にはダウン/フェザ−=90/10混合羽毛1.8Kg入りのものを用い、枕は自宅で使用中のものを使用した。
▲1▼ 違和感
はじめに寝たときに「背中に感じる違和感」の程度を感覚によって定性的に下記のようにランク付けした。
○:ほとんど感じない、△:やや感じる、×:感じる。
▲2▼ 沈み込み
寝ているときの体形の保持状況の感覚を定性的に下記のようにランク付けした。
○:沈み込みがやや大、又は、やや小で心地よい
△:沈み込みが大、又は、小で心地よさにやや欠ける
×:沈み込みが過大、又は、過小で心地よさを感じない
▲3▼ 蒸れ感
寝てから2時間経過時の臀部並びに背中での蒸れ感を定性的に下記のようにランク付けした。
○:僅かに蒸れを感じる。△:やや蒸れを感じる。×:蒸れを感じる。
【0026】
【発明の実施の形態】
寝具の充填材を構成する原料、熱可塑性弾性樹脂としては、ジメチルテレフタレ−トと1.4ブタンジオ−ルとよりエステル交換反応を行い、更にポリテトラジメチレングリコ−ルを添加して重縮合により、ポリエ−テルエステルブロック共重合体エラストマ−を得た。ついでこれに抗酸化剤、難燃剤を添加してペレット化して真空乾燥して熱可塑性弾性樹脂を得た。この熱可塑性弾性樹脂を溶融紡糸して得られた加熱状態の熱可塑性弾性樹脂を加熱状態において線条を交絡させ、接触点を融着させて繊維径1.5mm 融着した接触点を形成した部位の厚さが6mm、曲率半径18mm、嵩密度0.08g/cm3 の交絡繊維よりなる充填材用構造体を製造した。
【0027】
次に表皮材はダブルラッセル機によってフロント糸、バック糸共にポリエステル系繊維の異収縮混繊糸を使用して編み構造の表皮材を得た。この表皮材の厚さ、8mm、目付、400g/m2 、通気度、150c.c./cm2 、secであった。この表皮材を使用して、充填材の入出可能な開閉口を有する敷布団に縫製した側地を作製、上記の充填材を挿入して敷布団に仕上げた。この場合の寝具の厚さ、50mm、目付、2000g/m2 、通気度、80c.c./cm2 、secであり、実際使用した場合、違和感、沈み込み、蒸れ感によって測定した寝心地は著しく良好であった。
【0028】
【実施例1】
熱可塑性弾性樹脂としてジメチルテレフタレ−ト(DMT)と1・4ブタンジオ−ル(1・4BD)と少量の触媒を仕込み、常法によりエステル交換を行い、ポリテトラジメチレングリコ−ル(PTMG)を添加して昇温減圧下にて重縮合し、ポリエ−テルエステルブロック共重合エラストマ−を得た。次いで抗酸化剤1wt%と難燃剤10wt%(燐含有量10000ppm)を添加混合し、ペレット化して50℃の真空下48時間保持する乾燥を施し、本実施例1に使用する熱可塑性弾性樹脂の原料を得た。この熱可塑性弾性樹脂の原料の処方を(表1)に記す。
【0029】
【表1】
【0030】
充填材は下記の処方で得た。
幅1200mm、長さ100mmのノズル有効面で孔間ピッチが幅方向5mm、長さ方向10mmの千鳥配列としたオリフィスを設けたノズルを用い、押出機内で溶融した上記の熱可塑性弾性樹脂をノズル下方に吐出させた。ノズル下方には一対の幅1400mmのステンレス製エンドレスネットを一定の間隔でノズルの長さ方向に対し平行に配置した冷却槽を設置し、溶融状態の熱可塑性弾性樹脂の曲率を有する線条を交絡させ、接触点を融着させつつ厚みがあり、繊維径1.5mm以下、曲率半径20mm以下の構造体を形成させた。この充填材を(表2)に記した。
【0031】
【表2】
【0032】
表皮材はフロント糸、バック糸にエステル系繊維による異収縮混繊糸、ミドル糸にエステル系のモノフィラメントを用いたダブルラッセルによる編物で、フロント、バック共にコ−ス18本/吋、ウェ−ル18本/吋、チュ−ルは六角形であった。この表皮材を(表3)に記す。
上記の表皮材を用いて充填材が入出可能な開閉口を有する構造に縫製した側地を作製し、これに上記の充填材を挿入して敷布団を仕上げた。
【0033】
【表3】
※ 平織は通気度が極めて低いため周囲より空気が漏れ測定ができなかった。
【0034】
【比較例1】
充填材として実施例1に記載の構造体を用い、これを市販のシ−ツ(平織、綿100%)を充填材が入出可能な開閉口を有する構造に縫製した側地に挿入して試料とした。
【0035】
【比較例2】
充填材として市販の寝具より入手したポリエステル系繊維の硬綿(該ポリエステル系繊維同士が部分的に熱融着の繊維によって接着したカ−ド状に積層されたクッション材)を用い、これを実施例1に用いた表皮材に挿入して試料とした。
【0036】
【比較例3】
充填材として市販の寝具より入手したウレタン系のクッション材を用い、これを実施例1に用いた表皮材に挿入して試料とした。
【0037】
【比較例4】
充填材として実施例1に記載の構造体を用い、表皮材にエステル系繊維による異収縮混繊糸を用いたシングルラッセル(コ−ス18本/吋、ウェ−ル18本/吋、チュ−ルは六角形)の編物を用いた。この編地を(表3)に記す。この表皮材を用いて充填材が入出可能な開閉口を有する構造に縫製した側地を作製し、これに上記の充填材を挿入して試料とした。
【0038】
【比較例5】
充填材として実施例1に記載の構造体を用い、表皮材に比較例4と同様のエステル系繊維による異収縮混繊糸を用いたシングルラッセル(コ−ス18本/吋、ウェ−ル18本/吋、チュ−ルは六角形)の編物を用いた。この編地を(表3)に記す。この表皮材を5層だけ積層し充填材が入出可能な開閉口を有する構造に縫製した側地を作製し、これに上記の充填材を挿入して試料とした。
【0039】
これらの試料に対して評価を行なった結果を(表4)に記す。
【0040】
【表4】
※ 比較例3は通気度が極めて低いため周囲より空気が漏れ測定ができなかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明は充填材に熱可塑性弾性樹脂の繊維よりなる構造体を用いているので耐久性に優れ、この構造体と表皮材としてダブルラッセルの編地による布帛とを用いているので、充填材と表皮材の繊維表面積が小さく通気性に優れ、全体の目付が小さいので軽量で、かつ水切り性に優れているので簡易に洗濯が可能な寝具として有効であり、主に一般家庭、宿泊施設、病院、鉄道車両、船舶などで用いる布団或はマットとして最適な寝具、枕などを提供することができる。更に鉄道車両、自動車、船舶、一般家庭、事務などの座席のクッション材としても有用である。
Claims (3)
- 充填材とこれを被覆する表皮材とにより構成された寝具において、充填材として、その大部分が熱可塑性弾性樹脂の曲率を有する連続繊維が互いに不規則に交絡し、交絡により接触した接点を形成する厚さが5mm〜50mm程度の立体的な構造体であり、該構造体を構成する 繊維の曲率半径が4mm〜20mm、 寝具の厚さが30mm〜100mm、寝具の目付が1500g/m2 〜2500g/m2 、その通気度が30c.c./cm2/sec〜50c.c./cm2 /secであり、かつ表皮材がダブルラッセルの編み構造を有する布帛であることを特徴とする寝具。
- 充填材を構成する構造体の少なくとも一方の面が平面化されており、該構造体の通気度が40c.c./cm2 /sec〜50c.c./cm2 /secである請求項1記載の寝具。
- 充填材の厚さが5mm〜10mm、表皮材の目付が300g/m2 〜500g/m2 で、かつ表皮材の通気度が40c.c./cm2 /sec〜50c.c./cm2 /secである請求項1記載の寝具。
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