JP3541969B2 - ベットマット - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、優れたクッション性と耐久性及び蒸れ難く、折り曲げ性にも優れ、洗濯が可能で、洗濯時の水切り性が良好な一般家庭用、病院用及びホテル用等のベットに最適なベットマットに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ベッド用のベットマットはクッション層に硬鋼線スプリング又は発泡スチロール等の発泡体を用い、ワディング層に発泡ウレタンや非弾性捲縮繊維を接着した樹脂綿や硬綿などが積層一体化されたもの、及びクッション体が同一組成のウレタン等の発泡体や非弾性捲縮繊維を接着した樹脂綿又は硬綿のみで構成されたものが使用されている。
【0003】
しかしながら、クッション層に硬鋼線スプリングを用いたものは、サポ−ト性は著しく優れているが、折り曲げ性に劣り、又、廃棄時に硬鋼線スプリングを分離して処理するための煩雑さが大きい問題となっている。クッション層又はワディング層又はクッション体に発泡−架橋型ウレタンを用いたものは、クッション体としての耐久性は極めて良好だが、透湿透水性に劣り蓄熱性があるため蒸れやすく、折り曲げ性もやや劣り、かつ、熱可塑性では無いためリサイクルが困難となり焼却される場合、焼却炉の損傷が大きく、かつ、有毒ガス除去に経費が掛かる。このため埋め立てされることが多くなったが、地盤の安定化が困難なため埋め立て場所が限定され経費も高くなっていく問題がある。また、加工性は優れるが製造中に使用される薬品の公害問題などもある。また、最近、病院用ベットがMRSA等の温床となる問題からベットマットの洗濯が必要だが、透水性に劣るウレタンは洗濯ができないため社会問題になっている。
【0004】
クッション層又はワディング層又はクッション体がポリエステル繊維を接着剤で接着した樹脂綿、例えば接着剤にゴム系を用いたものとして特開昭60−11352号公報、特開昭61−141388号公報、特開昭61−141391号公報等がある。又、架橋性ウレタンを用いたものとして特開昭61−137732号公報等がある。これらをクッション層又はワディング層に用いたものは、通気性をよくして蒸れを軽減できるが、耐久性と折り曲げ性に劣り、且つ、熱可塑性でなく、単一組成でもないためリサイクルも出来ない等の問題、及び加工性の煩雑さや製造中に使用される薬品の公害問題などもある。また、洗濯は可能だが、水切り性が悪い問題がある。
【0005】
クッション層又はワディング層又はクッション体にポリエステル硬綿、例えば特開昭58−31150号公報、特開平2−154050号公報、特開平3−220354号公報等があるが、用いている熱接着繊維の接着成分が脆い非晶性のポリマ−を用いるため(例えば特開昭58−136828号公報、特開平3−249213号公報等)接着部分が脆く、使用中に接着部分が簡単に破壊されて形態や弾力性が低下するなどの耐久性が劣る問題がある。更に折り曲げ性が劣るものである。また、洗濯は可能だが、水切り性が悪い問題がある。耐久性の改良法として、交絡処理する方法が特開平4−245965号公報等で提案されているが、接着部分の脆さは解決されず弾力性の低下が大きく、折り曲げ性も劣る問題がある。また、加工時の煩雑さもある。更には接着部分が変形しにくくソフトなクッション性を付与しにくい問題もある。このため、接着部分を柔らかい、且つある程度変形しても回復するポリエステルエラストマ−を用い、芯成分に非弾性ポリエステルを用いた熱接着繊維が特開平4−240219号公報で、同繊維を用いたクッション体がWO−91/19032号公報、特開平5−156561号公報、特開平5−163654号公報等で提案されている。この繊維構造物に使われる接着成分がポリエステルエラストマ−のソフトセグメントとしてはポリアルキレングリコ−ルの含有量が30〜50重量%、ハ−ドセグメントの酸成分にテレフタル酸を50〜80モル%含有し、他の酸成分組成として特公昭60−1404号公報に記載された繊維と同様にイソフタル酸を含有して非晶性が増すことになり、融点も180℃以下となり低溶融粘度として熱接着部分の形成を良くしてアメーバー状の接着部を形成しているが塑性変形しやいため、及び芯成分が非弾性ポリエステルのため、特に加熱下での塑性変形が著しくなり、耐熱抗圧縮性が低下する問題点、及び折り曲げ性が劣り、洗濯は可能だが、水切り性が悪い問題点がある。耐久性を更なる改良法として、特開平5−163654号公報にシ−ス成分にイソフタル酸を含有するポリエステルエラストマ−、コア成分に非弾性ポリエステルを用いた熱接着複合繊維のみからなる構造体が提案されているが上述の理由で加熱下での塑性変形が著しくなり、耐熱抗圧縮性が低下し、クッション体に使用するには問題がある。又、硬綿の母材にシリコ−ン油剤を付与して繊維の摩擦係数を下げて耐久性を向上し、風合いを良くする方法が特開昭63−158094号公報で提案されている。が、熱接着繊維の接着性に問題があり、耐久性が劣るのでクッション体に使用するには好ましくない。他方、折り曲げ性の改良法として、折り畳み構造にする方法が特開昭55−36373号公報、特開平2−142513号公報、特開平5−3894号公報等で提案されているが、折り曲げ性は改良されたが、耐久性や洗濯時の問題は何ら改良されず、クッション体として用いるには問題が多いものである。又、折り曲げ部分に空洞を作って折り曲げ性を改良したものとして、例えば特開平5−285031号公報等があるが、ウレタン等の発泡体の問題、又は硬綿の問題を何ら解決できていない。
【0006】
土木工事用に使用する熱可塑性のオレフィン網状体が特開昭47−44839号公報に開示されている。が、細い繊維から構成したクッションとは異なり表面が凸凹でタッチが悪く、素材がオレフィンのため耐熱耐久性が著しく劣りワディング層やクッション材には使用ができないものである。また、特公平3−17666号公報には繊度の異なる吐出線条を互いに融着してモ−ル状物を作る方法があるがクッション材には適さない網状構造体である。特公平3−55583号公報には、ごく表面のみ冷却前に回転体等の細化装置で細くする方法が記載されている。この方法では表面をフラット化できず、厚みのある細い線条層を作ることできない。したがって座り心地の良好なクッション材にはならない。特開平1−207462号公報では、塩化ビニ−ル製のフロアマットの開示があるが、室温での圧縮回復性が悪く、耐熱性は著しく悪いので、クッション材としては好ましくないものである。なお、上述構造体はベットマットに関する配慮が全くなされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点を解決し、耐熱耐久性、形態保持性、クッション性に優れ、蒸れ難く、折り曲げ性も良好で使い易く、火災時に有毒ガスの発生が少なく、難燃性で、MRSA等の雑菌を除去するための洗濯ができて水切り性の良好な、更には、リサイクルも可能なベット用に最適なベットマットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段、即ち本発明は、ベットマットの断面における最外層が側地、その内側にワディング層、ワディング層の内側が補強層、最内層がクッション体で構成されたベットマットであり、上記ワディング層は、熱接着成分が熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着繊維と熱可塑性非弾性樹脂からなる母材繊維とが混合開繊、又は熱接着成分が熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着繊維が開繊されて、三次元構造化され、相互繊維の接触部の大部分が熱接着成分により融着一体化された見掛けの密度が0.02〜0.2g/cm3 である硬綿からなっており、上記補強層は、熱可塑性樹脂繊維からなる目付けが20g/m2 以上の不織布又は編織物からなっており、上記クッション体は、熱可塑性弾性樹脂からなる繊度が100〜100000デニ−ルの連続した線条を曲がりくねらせ互いに接触させて、接触部の大部分が融着した三次元立体構造体を形成し、両面が実質的にフラット化されており、見掛けの密度が0.02〜0.2g/cm3 である網状体からなっていることを特徴とするベットマット、補強層を構成する熱可塑性樹脂繊維及びクッション対を構成する熱可塑性弾性樹脂連続線条中に燐が1000〜20000ppmの範囲で含有されている請求項1記載のベットマット、ワディング層と補強層とクッション体が接合一体化されている請求項1記載のベットマット、ワディング層の厚みが5mm以上、補強層の厚みが5mm以下、クッション層の厚みが20mm以上、ベットマットの厚みが30〜300mmである請求項1記載のベットマット、熱可塑性樹脂がポリエステルである請求項1記載のベットマットである。
【0009】
本発明に於ける熱可塑性樹脂とは、加熱により可塑性が現れて自由に変形できるようになり、また冷却すれば再び固くなり、しかも此の間にほとんど化学変化を起こさないような性質を有する高分子からなる樹脂をいう。本発明に用いる熱可塑性樹脂の例は、以下に詳述する熱可塑性弾性樹脂及び熱可塑性非弾性樹脂が好ましい。
【0010】
本発明における熱可塑性弾性樹脂とは、ソフトセグメントとして分子量300〜5000のポリエ−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−ル、ポリカ−ボネ−ト系グリコ−ルまたは長鎖の炭化水素末端をカルボン酸または水酸基にしたオレフィン系化合物等をブロック共重合したポリエステル系エラストマ−、ポリアミド系エラストマ−、ポリウレタン系エラストマ−、ポリオレフィン系エラストマ−などが挙げられる。熱可塑性弾性樹脂とすることで、再溶融により再生が可能となるため、リサイクルが容易となる。例えば、ポリエステル系エラストマ−としては、熱可塑性ポリエステルをハ−ドセグメントとし、ポリアルキレンジオ−ルをソフトセグメントとするポリエステルエ−テルブロック共重合体、または、脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステルエステルブロック共重合体が例示できる。ポリエステルエ−テルブロック共重合体のより具体的な事例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン2・6ジカルボン酸、ナフタレン2・7ジカルボン酸、ジフェニル4・4’ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1・4シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、琥珀酸、アジピン酸、セバチン酸ダイマ−酸等の脂肪族ジカルボン酸または、これらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1・4ブタンジオ−ル、エチレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトレメチレングリコ−ル、ペンタメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル、1・1シクロヘキサンジメタノ−ル、1・4シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族ジオ−ル、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオ−ル成分の少なくとも1種、および平均分子量が約300〜5000のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種から構成される三元ブロック共重合体である。ポリエステルエステルブロック共重合体としては、上記ジカルボン酸とジオ−ル及び平均分子量が約300〜5000のポリラクトン等のポリエステルジオ−ルのうち少なくとも各1種から構成される三元ブロック共重合体である。熱接着性、耐加水分解性、伸縮性、耐熱性等を考慮すると、ジカルボン酸としてはテレフタル酸、または、及びナフタレン2・6ジカルボン酸、ジオ−ル成分としては1・4ブタンジオ−ル、ポリアルキレンジオ−ルとしてはポリテトラメチレングリコ−ルの3元ブロック共重合体または、ポリエステルジオ−ルとしてポリラクトンの3元ブロック共重合体が特に好ましい。特殊な例では、ポリシロキサン系のソフトセグメントを導入したものも使うこたができる。また、上記エラストマ−に非エラストマ−成分をブレンドされたもの、共重合したもの、ポリオレフィン系成分をソフトセグメントにしたもの等も本発明の熱可塑性弾性樹脂に包含される。ポリアミド系エラストマ−としては、ハ−ドセグメントにナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12等及びそれらの共重合ナイロンを骨格とし、ソフトセグメントには、平均分子量が約300〜5000のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種から構成されるブロック共重合体を単独または2種類以上混合して用いてもよい。更には、非エラストマ−成分をブレンドされたもの、共重合したもの等も本発明に使用できる。ポリウレタン系エラストマ−としては、通常の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)の存在または不存在下に、(A)数平均分子量1000〜6000の末端に水酸基を有するポリエ−テル及び又はポリエステルと(B)有機ジイソシアネ−トを主成分とするポリイソシアネ−トを反応させた両末端がイソシアネ−ト基であるプレポリマ−に、(C)ジアミンを主成分とするポリアミンにより鎖延長したポリウレタンエラストマ−を代表例として例示できる。(A)のポリエステル、ポリエ−テル類としては、平均分子量が約1000〜6000、好ましくは1300〜5000のポリブチレンアジペ−ト共重合ポリエステルやポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキレンジオ−ルが好ましく、(B)のポリイソシアネ−トとしては、従来公知のポリイソシアネ−トを用いることができるが、ジフェニルメタン4・4’ジイソシアネ−トを主体としたイソシアネ−トを用い、必要に応じ従来公知のトリイソシアネ−ト等を微量添加使用してもよい。(C)のポリアミンとしては、エチレンジアミン、1・2プロピレンジアミン等公知のジアミンを主体とし、必要に応じて微量のトリアミン、テトラアミンを併用してもよい。これらのポリウレタン系エラストマ−は単独又は2種類以上混合して用いてもよい。なお、本発明の熱可塑性弾性樹脂の融点は耐熱耐久性が保持できる140℃以上が好ましく、160℃以上のものを用いると耐熱耐久性が向上するのでより好ましい。なお、本発明のベットマットを構成する網状体は好ましい実施形態として難燃性を付与するため燐系化合物を含有させるので、熱安定性が難燃剤を含有しないものよりやや劣るので、必要に応じ、抗酸化剤等を添加して耐熱性や耐久性を向上させるのが特に好ましい。抗酸化剤は、好ましくはヒンダ−ド系抗酸化剤としては、ヒンダ−ドフェノ−ル系とヒンダ−ドアミン系があり、窒素を含有しないヒンダ−ドフェノ−ル系抗酸化剤を1%〜5%添加して熱分解を抑制すると燃焼時の致死量が少ない有毒ガスの発生を抑えられるので特に好ましい。本発明の目的である振動や応力の吸収機能をもたせる成分を構成する熱可塑性弾性樹脂のソフトセグメント含有量は好ましくは15重量%以上、より好ましくは30重量%以上であり、耐熱耐へたり性からは80重量%以下が好ましく、より好ましくは70重量%以下である。即ち、本発明の弾性網状体の振動や応力の吸収機能をもたせる成分のソフトセグメント含有量は好ましくは15重量%以上80重量%以下であり、より好ましくは30重量%以上70重量%以下である。
【0011】
本発明ベットマットの好ましい実施形態として難燃性を付与する必要から、熱可塑性弾性樹脂中に燐含有量(Bppm)がソフトセグメント含有量(A重量%)に対し、60A+200≦B≦100000の関係を満足する必要がある。満足しない場合は難燃性が劣るので好ましくない。100000ppmを越えると可塑化効果による塑性変形が大きくなり熱可塑性弾性樹脂の耐熱性が劣るので好ましくない。好ましい燐含有量(Bppm)はソフトセグメント含有量(A重量%)に対し、30A+1800≦B≦100000であり、より好ましい燐含有量(Bppm)はソフトセグメント含有量(A重量%)に対し、16A+2600≦B≦50000である。難燃性は多量のハロゲン化物と無機物を添加して高度の難燃性を付与する方法があるが、燃焼時に致死量の少ない有毒なハロゲンガスを多量に発生し、火災時の中毒の問題があり、焼却時には、焼却炉の損傷が大きく好ましくない。本発明では、ハロゲン化物の含有量は少なくとも1重量%以下、好ましくは、ハロゲン化物の含有量は0.5重量%以下、より好ましくはハロゲン化物を含有しないものである。本発明の燐系難燃剤としては、例えば、ポリエステル系熱可塑性弾性樹脂の場合、樹脂重合時に、ハ−ドセグメント部分に難燃剤として、例えば特開昭51−82392号公報等に記載された10〔2・3・ジ(2・ヒドロキシエトキシ)−カルボニルプロピル〕9・10・ジヒドロ・9・オキサ・10ホスファフェナレンス・10オキシロ等のカルボン酸をハ−ドセグメントの酸成分の一部として共重合したポリエステル系熱可塑性弾性樹脂とする方法や、熱可塑性弾性樹脂に後工程で、例えば、トリス(2・4−ジ−t−ブチルフェニル)フスファイト等の燐系化合物を添加して難燃性を付与することができる。その他、難燃性を付与できる難燃剤としては、各種燐酸エステル、亜燐酸エステル、ホスホン酸エステル(必要に応じハロゲン元素を含有する上記燐酸エステル類)、もしくはこれら燐化合物から誘導される重合物が例示できる。本発明は、熱可塑性弾性樹脂中に各種改質剤、添加剤、着色剤等を必要に応じて添加できる。本発明ベットマットを構成するクッション層の網状体やワディング層の接着成分に難燃性を付与するために燐を含有させており、この理由は、上記している如く、安全性の観点から、火災時に発生するシアンガス、ハロゲンガス等の致死量の少ない有毒ガスをできるだけ少なくすることにある。このため、本発明ベットマットを構成する網状体やワディング層及び補強層の燃焼ガスの毒性指数は好ましくは6以下、より好ましくは5.5以下である。また、側地又は補強層にポリエステル繊維を使用する場合、好ましくはポリエステル系熱可塑性弾性樹脂とすることで分別せずに再生リサイクルができる。
【0012】
本発明のベットマットを構成する熱可塑性弾性樹脂からなる成分は、示差走査型熱量計にて測定した融解曲線において、融点以下に吸熱ピ−クを有するのが好ましい。融点以下に吸熱ピ−クを有するものは、耐熱耐へたり性が吸熱ピ−クを有しないものより著しく向上する。例えば、本発明の好ましいポリエステル系熱可塑性樹脂として、ハ−ドセグメントの酸成分に剛直性のあるテレフタル酸やナフタレン2・6ジカルボン酸などを90モル%以上含有するもの、より好ましくはテレフタル酸やナフタレン2・6ジカルボン酸の含有量は95モル%以上、特に好ましくは100モル%とグリコ−ル成分をエステル交換後、必要な重合度まで重合し、次いで、ポリアルキレンジオ−ルとして、好ましくは平均分子量が500以上5000以下、特に好ましくは1000以上3000以下のポリテトラメチレングリコ−ルを15重量%以上70重量%以下、より好ましくは30重量%以上60重量%以下共重合量させた場合、ハ−ドセグメントの酸成分に剛直性のあるテレフタル酸やナフタレン2・6ジカルボン酸の含有量が多いとハ−ドセグメントの結晶性が向上し、塑性変形しにくく、かつ、耐熱抗へたり性が向上するが、溶融熱接着後更に融点より少なくとも10℃以上低い温度でアニ−リング処理するとより耐熱抗へたり性が向上する。圧縮歪みを付与してからアニ−リングすると更に耐熱抗へたり性が向上する。このような処理をした不織布積層網状体を示差走査型熱量計で測定した融解曲線に室温以上融点以下の温度で吸熱ピークをより明確に発現する。なおアニ−リングしない場合は融解曲線に室温以上融点以下に吸熱ピ−クを発現しない。このことから類推するに、アニ−リングにより、ハ−ドセグメントが再配列され、疑似結晶化様の架橋点が形成され、耐熱抗へたり性が向上しているのではないかとも考えられる。(この処理を疑似結晶化処理と定義する)この疑似結晶化処理効果は、ポリアミド系弾性樹脂やポリウレタン系弾性樹脂にも有効である。
【0013】
本発明における熱可塑性非弾性樹脂とは、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等が例示できる。なお、本発明ではガラス転移点温度が少なくとも40℃以上のものを使用するのが好ましい。例えば、ポリエステルでは、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレ−ト(PCHDT)、ポリシクロヘキシレンジメチレンナフタレ−ト(PCHDN)、ポリブチレンテレフタレ−ト(PBT)、ポリブチレンナフタレ−ト(PBN)、ポリアリレ−ト等、及びそれらの共重合ポリエステル等が例示できる。ポリアミドでは、ポリカプロラクタム(NY6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(NY66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(NY6−10)等が例示できる。ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン・1(PB・1)等が例示できる。本発明に用いる熱可塑性非弾性樹脂としては、クッション材の側地にポリエステルを用いる場合が多いので、廃棄する場合に分離せずにリサイクルが可能なクッション素材として、耐熱性も良好なPET、PEN、PBN、PCHDT等のポリエステルが特に好ましい。更には、PET、PEN、PBN、PCHDT等と重縮合して燐含有エステル形成性化合物を共重合または燐含有難燃剤を含有してなる難燃性ポリエステル(以下難燃性ポリエステルと略す)が好ましく、例えば、特開昭51−82392号公報、特開昭55−7888号公報、特公昭55−41610号公報等に例示されたものが挙げられる。なお、塩化ビニ−ルは自己消火性を有するが燃焼すると有毒ガスを多く発生するので本発明に用いるのは好ましくない。
【0014】
本発明は、表面側又は裏面側にワディング層、その内側に補強層で構成した層を両面に積層されたクッション層が接合一体化したクッション体において、該ワディング層は熱接着成分が熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着繊維と熱可塑性非弾性樹脂からなる母材繊維とが混合開繊されて、又は熱接着成分が熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着繊維が開繊されて、3次元構造化され、接触部の大部分が熱接着成分により融着一体化した見掛けの密度が0.02g/cm3 から0.2g/cm3 である硬綿からなり、該補強層は熱可塑性樹脂からなる繊維で構成された目付けが20g/m2 以上の不織布又は編織物からなり、該クッション層は、繊度が100000デニ−ル以下の熱可塑性弾性樹脂からなる連続した線条を曲がりくねらせ互いに接触させて該接触部の大部分が融着した3次元立体構造体を形成し、両面が実質的にフラット化された見掛けの密度が0.02g/cm3 から0.2g/cm3 である網状体からなるベットマットである。両面にワディング層と補強層を有するのは、以下に述べる機能を両面に有しているので、ひっくり返しての使用を可能とするためである。本発明のベットパッドが持つクッション体機能は、表面のワディング層は熱接着成分が伸縮性の良好な熱可塑性弾性樹脂で繊維を三次元構造に接合した緻密で柔らかな層として、寝た時に適度の沈み込みにより柔らかで少し弾発力のある快適なタッチを与え、ワディング層と接合一体化した中間の補強層が体圧の掛かる臀部や背部の局所的な荷重も面で受け止めて圧力分布を均一分散化させて、実質的にフラット化された面で互いに接合一体化したクッション層にその荷重と変形を伝達し、クッション層は伸縮性の良い熱可塑性弾性樹脂からなる線条の繊度が100000デニ−ル以下のやや太い線条が融着した3次元立体構造体からなる網状体により、構造全体で変形して適度の反発弾性で体型を好ましい姿勢に保持すると共に体型が沈み込み過ぎないので寝返りし易く、寝返り等の変化で生じる振動を吸収して振動を遮断し、解除された応力に対応して直ちに厚みを回復し、この変化で生じる空気の移動によりクッション体中に溜まった熱や湿気を外気と入れ換えるポンプの機能をもつ層として働き、通気性のあるワディング層及び補強層からの温度勾配と湿度勾配を変化させ、熱と湿度の移動を促進でき、蒸れ難く、快適な寝心地を人体に与える。他方、クッション層に空隙率が著しく多い網状体を採用することで、従来公知の硬綿に較べ水切り性や乾燥されやすさが著しく向上する。更に、ワディング層と補強層及びクッション層が接合一体化して、変形を構造体全体で吸収できる為、かなり過酷な変形を受ける水洗濯まで可能となり、ベットマットを常にクリ−ンで清潔な状態に保持して雑菌の繁殖を防止できる。水切り性が良いため、洗濯時の作業性も大幅に改良される。本発明のベットマッドを構成する表面のワディング層は少し弾発力のある柔らかな層として適度の沈み込みにより快適なタッチを与えるため、熱接着繊維が熱可塑性弾性樹脂からなる(好ましくは、振動吸収機能と変形応力吸収機能が充足できる40重量%以上、70重量%を越えると短繊維の形態保持性が低下し、沈み込みが大きくなるので70重量%以下)繊度が20デニ−ル以下の短繊維と熱可塑性非弾性樹脂からなる繊度が20デニ−ル以下の短繊維(母材繊維)と混合開繊されて3次元構造化され、接触部の大部分が熱接着成分により融着一体化した面が実質的にフラット化された硬綿で構成するのが好ましい。熱接着繊維及び母材繊維の繊度が20デニ−ルを越えると短繊維不織布の見掛け密度を好ましい表面層機能を付与できる0.02g/cm3 以上0.05g/cm3 以下にする場合、構成本数が少なくなり、緻密な構造体としての特徴が出ず快適なタッチを損なうので好ましくない。また、熱接着繊維は繊度が太くなるほど構成本数が少なくなり、熱接着点が減少して変形応力の分散が悪くなり、接着点での応力集中が大きくなって耐へたり性や耐洗濯性が低下するので好ましくない。他方、繊度が細すぎると母材繊維とのマイグレ−ションが悪くなり、熱接着繊維がつくる熱接着点に斑が発生し、変形応力の分散が悪くなり応力分散性が低下し、耐へたり性や耐洗濯性が低下するので好ましくない。好ましい熱接着繊維の繊度は1デニ−ル〜10デニ−ル、より好ましくは3デニ−ル〜 6デニ−ルである。母材繊維は適度の沈み込みを付与する弾発性を保持する必要から好ましくは3デニ−ル〜15デニ−ル、より好ましくは5デニ−ル〜13デニ−ルである。緻密で柔らかい層としての好ましい見掛け密度は0.02g/cm3 以上0.20g/cm3 以下である。0.20g/cm3 以上では固くなり過ぎ好ましくない。熱接着繊維と母材繊維が混合開繊されて3次元構造化され、接触部の大部分が熱接着により融着一体化した(好ましくは接触点の全てが融着一体化した)面が実質的にフラット化された硬綿とすることで臀部や背部の局部的な外力を面で受け止め、圧力分布を均一分散化させると共に、短繊維からなる3次元立体構造体を熱接着成分の熱可塑性弾性樹脂が融着一体化しているので、熱接着繊維と熱接着点が大変形をしながら構造体全体が変形してエネルギ−変換により変形応力を吸収し、変形応力が解除されると熱可塑性弾性樹脂のゴム弾性で容易に元の形態に回復する機能があるので耐へたり性が良好である。洗濯時は更に過酷な変形を受けるが、同様の機能から耐洗濯性も良好となる。融着一体化されていない場合は形態が保持できず、局部的な圧力を面で受け止め、圧力分布を均一分散化できず、更に構造体全体が変形してエネルギ−変換出来ないので使用時の耐久性や洗濯耐久性が劣り好ましくない。熱接着繊維が熱可塑性非弾性樹脂からなる場合は、局部的な変形応力に追随出来ないため、応力集中により構造が破壊されていき回復性が劣るので好ましくない。ワディング層の厚みは特には限定されないが、表面層機能が発現できる5mm〜30mmが好ましく、8mm〜20mmが特に好ましい。ワディング層と接合一体化した熱可塑性樹脂からなる繊維で構成された目付けが20g/m2 以上の不織布又は編織物からなる補強層はワディング層で寝た時の臀部や背部の局部的な外力、及び洗濯時の過酷な外力を面で受け止め、圧力分布を均一分散化させた変形圧力と変形を更に面で受け止め、ワディング層の片面の構造を保持しつつ、実質的に面と面で接合一体化したクッション層に更に圧力分布と変形を均一分散化させて伝達する。このことでワディング層及びクッション層の形態保持性と使用時や洗濯時の耐久性をより向上させると共に、クッション層からの反発力による体型保持機能も面でワディング層へ伝達し、異物感を与えずに好ましい体型保持感を発現する。このような機能を伝達するため、補強層は体型を適度に保持できる沈み込み分の変形や、洗濯時の過酷な変形を受けたとき、ベットマットが構造全体で変形を吸収できる柔軟さと適度の強さが必要であり、あまり剛直なものは適度の沈み込み変形ができず、床つき感を感じたり、洗濯時にワディング層が破壊されたりするので好ましくない。又、目付けが20g/m2 以下では強度が劣るので補強層としては好ましくない。本発明では、目付けが20g/m2 以上の構造全体で変形できて床つき感を感じないものとして熱可塑性樹脂からなる繊度が0.5デニ−ル以上1000デニ−ル以下の繊維で構成した不織布又は編織物を用いる。好ましい不織布としては、目付けが30g/m2 以上、300g/m2 以下で厚みが1mm以上5mm以下のニードルパンチやウオ−タ−パンチ又は及び熱接着や樹脂接着されたスパンボンド不織布、短繊維不織布、メルトブロ−不織布などが例示できる。好ましい編織物では、目付けが30g/m2 以上、300g/m2 以下で厚みが0.3mm以上5mm以下の長繊維編織物、短繊維編織物、モノフィラメントのネット類や簾状織物等が例示できる。この補強層は難燃性を有するものが特に好ましく、前述の如く燃焼時に有毒ガスが発生しにくい燐化合物を燐含有量は1000ppm以上20000ppm以下含有する。燐含有量が100000ppm以上になると補強層の強度が低下し、補強効果が無くなるので好ましくない。本発明のベットマッドを構成する補強層と面で接合一体化したクッション層機能を持つ網状体は熱可塑性弾性樹脂からなる連続した線条が接触部の大部分が融着した3次元立体構造体を形成し融着一体化され、面が実質的にフラット化されており、外部から与えられた振動を熱可塑性弾性樹脂の振動吸収機能で大部分の振動を吸収減衰し、局部的に大きい変形応力を与えられ表面のワディング層や補強層の接合面でも吸収できない外力による変形と圧力を伝達された場合でも網状体の表面が実質的にフラット化されて、接触部の大部分が融着しており、網状体の面で変形応力を受け止め変形応力を分散させ体型保持機能を発現すると共に、熱可塑性弾性樹脂からなる線条が3次元立体構造体を形成し融着一体化されているので、構造体全体が変形してエネルギ−変換により変形応力を吸収し、変形応力が解除されると熱可塑性弾性樹脂のゴム弾性で容易に元の形態に回復する機能があるので使用や洗濯による耐久性が良好である。公知の非弾性樹脂のみからなる線条で構成した網状体では、表面層で吸収できない大きい変形を受けるとゴム弾性を持たないので圧縮変形により塑性変形を生じて回復しなくなり耐久性が劣る。網状体の表面が実質的にフラット化されてない場合、補強層から伝達される局部的な外力は、表面の線条及び接着点部分までに選択的に伝達され、応力集中が発生する場合があり、このような外力に対しては応力集中による疲労が発生して耐久性が低下する場合がある。なお、該線条が熱可塑性弾性樹脂からなる場合は3次元構造部分で構造全体が変形するので応力集中は緩和されるが、非弾性樹脂では、そのまま応力が接着点に集中して構造破壊を生じ回復しなくなる。更には、表面が実質的にフラット化されてなく凸凹があると寝た時背面に異物感を与えるため寝心地が悪くなり好ましくない。なお、線状が連続していない場合は、繊度が太い網状体では接着点が応力の伝達点となるため接着点に著しい応力集中が起こり構造破壊を生じ耐熱耐久性が劣り好ましくない。融着していない場合は、形態保持が出来ず、構造体が一体で変形しないため、応力集中による疲労現象が起こり耐久性が劣ると同時に、形態が変形して体型保持ができなくなるので好ましくない。本発明のより好ましい融着の程度は、線条が接触している部分の大半が融着した状態であり、もっとも好ましくは接触部分が全て融着した状態である。かくして、振動吸収性と弾性回復性の良い熱可塑性弾性樹脂からなる連続した線条が接触部の大部分が融着した3次元立体構造体を形成し融着一体化され表面が実質的にフラット化されたクッション層機能を持つ網状体は、接着成分が熱可塑性弾性樹脂からなるワディング層から補強層を介して伝達される変形応力を面で受け止め応力の分散を良くし、個々の線状に掛かる応力を少なくして構造全体が変形して変形応力を吸収し、且つ体型を支えるクッション性も向上させ、寝返りにより応力が解除されると厚みが回復し、この変化で生じる空気の移動によりクッション体中に溜まった熱や湿気を外気と入れ換えるポンプの機能をもつ層としても働き、通気性のあるワディング層及び補強層からの温度勾配と湿度勾配を変化させ、熱と湿度の移動を促進でき、蒸れ難く、快適な寝心地を人体に与える。更には洗濯耐久性と水切り−乾燥性が良好で、雑菌の繁殖を洗濯することで防止し、常に清潔な状態を保つことができる。この目的から、本発明の網状体を形成する振動吸収性と弾性回復性の良い熱可塑性弾性樹脂からなる線条の繊度は100000デニ−ル以下である。見掛け密度を0.2g/cm3 以下にした場合、100000デニ−ルを越えると構成本数が少なくなり、密度斑を生じて部分的に耐久性の悪い構造ができ、応力集中による疲労が大きくなり耐久性が低下するので好ましくない。本発明の熱可塑性弾性樹脂からなる線条の繊度は、繊度が細すぎると抗圧縮性が低くなり過ぎて変形による応力吸収性が低下するので100デニ−ル以上であり、構成本数の低下による構造面の緻密性を損なわない50000デニ−ル以下である。より好ましくは500デニ−ル以上、10000デニ−ル以下である。本発明の網状体の見掛け密度は、0.005g/cm3 では反発力が失われ、振動吸収能力や変形応力吸収能力が不充分となりクッション機能を発現させにくくなる場合があり、0.25g/cm3 以上では反発力が高すぎて座り心地が悪くなる場合があるので、振動吸収能力や変形応力吸収機能が生かせてクッション体としての機能が発現されやすい0.01g/cm3 以上0.20g/cm3 以下が好ましく、より好ましくは0.03g/cm3 以上0.08g/cm3 以下である。本発明における網状体は繊度の異なる線状を見掛け密度との組合せで最適な構成とする異繊度積層構造とする方法も好ましい実施形態として選択できる。本発明の網状体の厚みは特に限定されないが、厚みが5mm未満では応力吸収機能と応力分散機能が低下するので、好ましい厚みは力の分散をする面機能と振動や変形応力吸収機能が発現できる厚みとして10mm以上であり、より好ましくは20mm以上である。本発明のワディング層と補強層及びクッション層が接合一体化された積層構造体としての見掛け密度は0.02g/cm3 から0.2g/cm3 である。0.01g/cm3 未満では体型保持や振動吸収などのクッション機能が低下するので好ましくない。0.2g/cm3 を越えると反発弾性が大きくなり座り心地が悪くなるので好ましくない。好ましい見掛け密度は0.02g/cm3 〜0.1g/cm3 であり、より好ましくは0.03g/cm3 〜0.06g/cm3 である。厚みは特に限定されないがベット用には50mm〜400mmが好ましく、敷布団用には30mm〜100mmが好ましい。ワディング層と補強層及びクッション層が接合一体化されていない場合は、洗濯などの場合にずり変形を受けると構造全体で変形できないため、ワディング層がダメ−ジを受け構造が破壊される場合があり好ましくない。構造破壊されない場合でも、クッション層のサポ−トが劣り耐久性が低下するので好ましくない。なお、本発明のベットマットを構成するワディング層、補強層、クッション層及び側地や接合剤が全てポリエステルの場合、廃棄時に分別せずにマテリアルリサイクルが可能なため特に好ましい。
【0015】
本発明の網状体の線条の断面形状は特には限定されないが、中空断面や異形断面にすることで好ましい抗圧縮性(反発力)やタッチを付与することができるので特に好ましい。抗圧縮性は繊度や用いる素材のモジュラスにより調整して、繊度を細くしたり、柔らかい素材では中空率や異形度を高くし初期圧縮応力の勾配を調整できるし、繊度をやや太くしたり、ややモジュラスの高い素材では中空率や異形度を低くして座り心地が良好な抗圧縮性を付与する。中空断面や異形断面の他の効果として中空率や異形度を高くすることで、同一の抗圧縮性を付与した場合、より軽量化が可能となり、上げ下ろし時や洗濯時の取扱性が向上する。好ましい抗圧縮性(反発力)やタッチを付与することができる他の好ましい方法として、本発明の網状体の線条を複合構造とする方法がある。複合構造としては、シ−スコア構造またはサイドバイサイド構造及びそれらの組合せ構造などが挙げられる。が、特にはクッション層が大変形してもエネルギ−変換できない振動や変形応力をエネルギ−変換して回復できる立体3次元構造とするために線状の表面の50%以上を柔らかい熱可塑性弾性樹脂が占めるシ−スコア構造またはサイドバイサイド構造及びそれらの組合せ構造などが挙げられる。すなわち、シ−スコア構造ではシ−ス成分は振動や変形応力をエネルギ−変換が容易なソフトセグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂とし、コア成分は抗圧縮性を示すソフトセグメント含有量が少ない熱可塑性弾性樹脂で構成し適度の沈み込みによる背面への快適なタッチを与えることができる。サイドバイサイド構造では振動や変形応力をエネルギ−変換が容易なソフトセグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂の溶融粘度をソフトセグメント含有量が少ない抗圧縮性を示す熱可塑性弾性樹脂の溶融粘度より低くして線状の表面を占めるソフトセグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂の割合を多くした構造(比喩的には偏芯シ−ス・コア構造のシ−スに熱可塑性弾性樹脂を配した様な構造)として線状の表面を占めるソフトセグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂の割合を80%以上としたものが特に好ましく、最も好ましくは線状の表面を占めるソフトセグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂の割合を100%としたシ−スコアである。ソフトセグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂の線状の表面を占める割合が多くなると、溶融して融着するときの流動性が高いので接着が強固になる効果があり、構造が一体で変形する場合、接着点の応力集中に対する耐疲労性が向上し、耐熱性や耐久性がより向上する。
【0016】
次に本発明の製法を述べる。複数のオリフィスを持つ多列ノズルより熱可塑性弾性樹脂をその融点より20℃から80℃高い溶融温度で、該ノズルより下方に向けて吐出させ、溶融状態で互いに接触させて融着させ3次元構造を形成しつつ、引取り装置に両面から補強層となる熱可塑性樹脂から不織布又は編織物を供給し、引取り装置上で溶融した該網状体を補強層で挟み込み融着させつつ冷却槽で冷却せしめて接合一体化させた後、ワディング層となる熱接着繊維と非弾性樹脂からなる短繊維と混合開繊して3次元構造化させた開繊したウエッブを積層し、圧縮熱成形により、接触部の大部分を熱接着成分により融着一体化して又は別途形成した硬綿を熱接着不織布で補強層を接合一体化した網状体に熱接着して所定の大きさに切断して本発明のベットマットを得る。該網状体は、熱可塑性弾性樹脂を一般的な溶融押出機を用いて溶融し、複数のオリフィスを持つ多列ノズルに供給し、オリフィスより下方へ吐出する。この時の溶融温度は、熱可塑性弾性樹脂の融点より20℃〜80℃高い温度である。熱可塑性弾性樹脂の融点より80℃を越える高い溶融温度にすると熱分解が著しくなり熱可塑性弾性樹脂のゴム弾性特性が低下するので好ましくない。他方、熱可塑性弾性樹脂の融点より10℃以上高くしないとメルトフラクチャ−を発生し正常な線条形成が出来なくなり、また、吐出後ル−プ形成しつつ接触させ融着させる際、線条の温度が低下して線条同士が融着しなくなり接着が不充分な網状体となる場合があり好ましくない。好ましい溶融温度は融点より20℃から60℃高い温度、より好ましくは融点より25℃から40℃高い温度である。オリフィスの形状は特に限定されないが、中空断面(例えば三角中空、丸型中空、突起つきの中空等となるよう形状)及び、又は異形断面(例えば三角形、Y型、星型等の断面二次モ−メントが高くなる形状)とすることで前記効果以外に溶融状態の吐出線条が形成する3次元構造が流動緩和し難くし、逆に接触点での流動時間を長く保持して接着点を強固にできるので特に好ましい。特開平1−2075号公報に記載の接着のための加熱をする場合、3次元構造が緩和し易くなり平面的構造化し、3次元立体構造化が困難となるので好ましくない。網状体の特性向上効果としては、見掛けの嵩を高くでき軽量化になり、また抗圧縮性が向上し、弾発性も改良できへたり難くなる。中空断面では中空率が80%を越えると断面が潰れ易くなるので、好ましくは軽量化の効果が発現できる10%以上70%以下、より好ましくは20%以上60%以下である。オリフィスの孔間ピッチは線状が形成するル−プが充分接触できるピッチとする必要がある。緻密な構造にするには孔間ピッチを短くし、粗密な構造にするには孔間ピッチを長くする。本発明の孔間ピッチは好ましくは3mm〜20mm、より好ましくは5mm〜10mmである。本発明では所望に応じ異密度化や異繊度化もできる。列間のピッチ又は孔間のピッチも変えた構成、及び列間と孔間の両方のピッチも変える方法などで異密度層を形成できる。また、オリフィスの断面積を変えて吐出時の圧力損失差を付与すると、溶融した熱可塑性弾性樹脂を同一ノズルから一定の圧力で押し出される吐出量が圧力損失の大きいオリフィスほど少なくなる原理を使って長手方向の区間でオリフィスの断面積が異なる列を少なくとも複数有するノズルを用い異繊度線条からなる網状構造体を製造することができる。次いで、該ノズルより下方に向けて吐出させ、ル−プを形成させつつ溶融状態で互いに接触させて融着させ3次元構造を形成しつつ、引取りネットに両側から常法で作成した燐含有ニ−ドルパンチしたスパンボンド不織布を供給して、該網状体を挟み込み、網状体の表面の溶融状態の曲がりくねった吐出線条を45°以上折り曲げて変形させて表面をフラット化すると同時に曲げられていない吐出線条との接触点を接着して構造を形成しつつ補強層と熱融着により接合一体化させるか、もしくは、補強材を挟み込まないで網状体を単独で形成した(別途補強材をワディング層と積層成形する際に接着剤で接着接合する。)後、連続して冷却媒体(通常は室温の水を用いるのが冷却速度を早くでき、コスト面でも安くなるので好ましい)で急冷して本発明の補強層と接合一体化した3次元立体網状構造体化した網状体を得る。ノズル面と引取り点の距離は少なくとも40cm以下にすることで吐出線条が冷却され接触部が融着しなくなることを防ぐのが好ましい。吐出線条の吐出量5g/分孔以上と多い場合は10cm〜40cmが好ましく、吐出線条の吐出量5g/分孔未満と少ない場合は5cm〜20cmが好ましい。網状体の厚みは溶融状態の3次元立体構造体両面を引取りロ−ラ−と同一速度で定量供給する補強層で挟み込む引取りネットの開口幅(引取りネット間の間隔)で決まる。本発明では上述の理由から引取りネットの開口幅は5mm以上とする。次いで水切り乾燥するが冷却媒体中に界面活性剤等を添加すると、水切りや乾燥がしにくくなったり、熱可塑性弾性樹脂が膨潤することもあり好ましくない。尚、ノズル面と樹脂を固化させる冷却媒体上に設置した引取りコンベアとの距離、樹脂の溶融粘度、オリフィスの孔径と吐出量などにより所望のループ径や線径をきめられる。冷却媒体上に設置した間隔が調整可能な一対の引取りコンベアで溶融状態の吐出線条を定量供給された補強層で挟み込み停留させることで線条同士が互いに接触した部分及び補強層を融着させつつ、連続して冷却媒体中に引込み固化させ補強層と接合一体化した網状体を形成する時、上記コンベアの間隔を調整することで、融着した網状体が溶融状態でいる間で厚み調節が可能となり、所望の厚みのものが得られる。コンベア速度も速すぎると、接触点の形成が不充分になったり、融着点が充分に形成されるまでに冷却され、該線条同士の接触部や補強層との融着が不充分になる場合がある。また、速度が遅過ぎると溶融物が滞留し過ぎ、密度が高くなるので、所望の見掛け密度に適したコンベア速度を設定する必要がある。なお、補強層の供給は引きつれが生じないようにニップをして引取りコンベアの表面速度に合わせて供給するのが好ましい。次いで本発明では、補強層とクッション層の接合一体化構造体を所定の大きさに切断した後または連続して、ワディング層の機能を持たせる硬綿と接合一体化する。熱可塑性弾性樹脂からなる繊度が20デニ−ル以下の熱接着繊維は、低融点の熱可塑性弾性樹脂と高融点の熱可塑性弾性樹脂とを個々に溶融し、公知の複合紡糸により紡糸し、延伸して完成糸を得られる。が、この方法では、熱接着成分の融点が低いので、延伸時に高温で熱セットできないため収縮率が30%から80%と高いものしか得られないので、ウエッブを熱成形する際ウエッブ収縮による成形寸法不良を生じる。本発明ではこの問題を解決するため、3000m/分以上の高速紡糸により収縮率を10%以下に低収縮化して一気に完成糸にする方法で得るのが好ましい。次いで、巻縮を付与し、所望のカット長に切断して熱接着繊維を得る。本発明に使用する熱接着繊維の複合形態は特には限定されないが、熱接着繊維としての機能が必要なのでサイドバイサイドまたはシ−スコアで、低融点成分が繊維の表面の50%以上を占めるのが好ましく、低融点成分が繊維の表面の100%以上を占めるのがより好ましい。母材繊維は公知の方法で非弾性樹脂を非対象冷却法又は複合紡糸法により潜在捲縮能を付与し、延伸後熱処理により立体捲縮を発現させて切断または、切断後熱処理して立体捲縮を発現させて母材繊維を得る。母材繊維は耐へたり性と耐熱性を要求されるので、初期引張り抵抗度が少なくとも35g/デニ−ル以上で、70℃での初期引張り抵抗度が少なくとも10g/デニ−ル以上にしたものが好ましい。嵩高性と抗圧縮性からの立体捲縮の捲縮度は15%以上、捲縮数は10〜25個/インチが好ましい。かくして得られた熱接着繊維と母材繊維は混合開繊する。熱接着繊維が少ないと振動吸収機能が低下して好ましくない。熱接着繊維が多すぎると嵩高性が低下する場合があり、好ましい熱接着繊維と母材繊維は混合比率が20/80〜60/40重量比として、オ−プナ−等で予備開繊混合した後カ−ド等で開繊し、3次元化構造とした開繊ウエッブを、該補強層と接合した網状体の両面に積層圧縮して熱成形により接合一体化するか、一旦単独で開繊ウエッブのみを積層圧縮して熱成形により構造体化した硬綿を作成し、次いで該補強層と接合した網状体とを接合一体化することもできる。この場合、熱接着層又は接着剤を別途該補強層と接合した網状体又は網状体と補強層間及びワディング層間に使用して接合一体化してもよく、該網状体または該ワディング層の熱接着機能を使って接合一体化してもよい。本発明の好ましい方法としては、該網状体を一旦冷却後、又は一体成形して得られたベットマットを製品化に至る任意の工程で熱可塑性弾性樹脂の融点より少なくとも10℃以下の温度でアニ−リングよる疑似結晶化処理を行い不織布積層網状体又は製品を得るのがより好ましい製法である。疑似結晶化処理温度は、少なくとも融点(Tm)より10℃以上低く、Tanδのα分散立ち上がり温度(Tαcr)以上で行う。この処理で、融点以下に吸熱ピ−クを持ち、疑似結晶化処理しないもの(吸熱ピ−クを有しないもの)より耐熱耐へたり性が著しく向上する。本発明の好ましい疑似結晶化処理温度は(Tαcr+10℃)から(Tm−20℃)である。単なる熱処理により疑似結晶化させると耐熱耐へたり性が向上する。が更には、10%以上の圧縮変形を付与してアニ−リングすることで耐熱耐へたり性が著しく向上するのでより好ましい。
また、該網状体を一旦冷却後、乾燥工程を経する場合、乾燥温度をアニ−リング温度とすることで同時に疑似結晶化処理を行うができる。また、製品化する工程で別途疑似結晶化処理を行うができる。次いで連続して製造する工程では、所望の長さまたは形状に切断してクッション体として側地をかぶせてベットマッド又は敷布団や家具用に用いる。場合よっては、成形して鉄道車両用座席や船舶用ベットや座席としても用いることができる。また、樹脂製造過程以外でも性能を低下させない範囲で製造過程から成形体に加工し、製品化する任意の段階で難燃化、防虫抗菌化、耐熱化、撥水撥油化、着色、芳香等の機能付与を薬剤添加等の処理加工ができる。
【0017】
【実施例】
以下に実施例で本発明を詳述する。
【0018】
なお、実施例中の評価は以下の方法で行った。
▲1▼融点(Tm)および融点以下の吸熱ピ−ク
島津製作所製TA50,DSC50型示差熱分析計を使用し、昇温速度20℃/分で測定した吸発熱曲線から吸熱ピ−ク(融解ピ−ク)温度を求めた。
▲2▼Tαcr
ポリマ−を融点+10℃に加熱して、厚み約300μm のフイルムを作成して、オリエンテック社製バイブロンDDVII型を用い、110Hz、昇温速度1℃/分で測定したTanδ(虚数弾性率M”と弾性率の実数部分M’との比M”/M’)のゴム弾性領域から融解領域への転移点温度に相当するα分散の立ち上がり温度。
▲3▼見掛け密度
試料を15cm×15cmの大きさに切断し、4か所の高さを測定し、体積を求め試料の重さを体積で徐した値で示す。(n=4の平均値)なお、接合一体化されたワディング層及び網状体は他の部分(補強層やクッション層)を剥離して測定した。
▲4▼線条の繊度
試料を10箇所から各線条部分を切り出し、アクリル樹脂で包埋して断面を削り出し切片を作成して断面写真を得る。各部分の断面写真より各部の断面積(Si)を求める。また、同様にして得た切片をアセトンでアクリル樹脂を溶解し、真空脱泡して密度勾配管を用いて40℃にて測定した比重(SGi)を求める。ついで次式より線状の9000mの重さを求める。(単位cgs)
繊度=〔(1/n)ΣSi×SGi〕×900000
▲5▼融着
試料を目視判断で融着しているか否かを接着している繊維同士を手で引っ張って外れないか否かで外れないものを融着していると判断する。
▲6▼寝心地
作成したベットマットを幅90cm、長さ120cmに切断し、厚みに合わせてキルチングした東洋紡績製ハイムからなるポリエステルの側地を被って、ベットフレ−ムにセットして、25℃RH75%室内で5名のパネラ−に7時間使用させ寝心地の官能評価を行った。なお、ベットにはシ−ツを掛け、掛け布団には1.5kgのダウン/フェザ−:90/10重量比を中綿にしたもの、枕はパネラ−の毎日使用しているものを用いさせた。
(1) 床つき感:ベットマットを足で踏みつけたとき、ベットのフレ−ムに当たった感じの程度を感覚的に定性評価した。感じない;◎、殆ど感じない;○、やや感じる;△、感じる;×
(2) 蒸れ感:寝た状態で臀部や背部等のベットと接する部分が蒸れた感じを感覚的に定性評価した。殆ど感じない:◎、僅かに蒸れを感じる;○、やや蒸れを感じる;△、蒸れを著しく感じる;×
(3) 体型保持性:背中を下にして足を延ばした状態で寝た時、臀部と背部及び踵の沈み込み程度が、肩骨と腰骨及び踵の中心が一直線になっている程度で判断した。一直線になっている:◎、最大5mm以内で湾曲している:○、最大1cm以内で湾曲している:△、最大1cm以上湾曲している:×
(4) クッション性:寝た時の反発感、寝返りを打った時のクッション性を感覚的に定性評価した。非常に心地良い;◎、かなり心地良い;○、やや心地良さが劣るる;△、心地良さが劣る;×
(5) 総合評価: (1)から(4) までの評価の◎を4点、○を3点、△を2点、×を1点として12点以上で△を含まないもの;非常に良い(◎)、12点以上で△を含むもの;良い(○)、10点以上で×を含まないもの;やや悪い(△)、×を含むもの;悪い(×)として評価した。
▲7▼着用時の耐久性
寝心地試験に供したベットマットをパネラ−の自宅で6か月間、片面のみ着用させて、へたりの程度で判断した。凹みが3mm以下:◎、凹みが7mm以下:○、凹みが10mm以下:△、凹みが10mm以上:×
▲8▼折り曲げ性
ベットマットの片側70cmの点を支点として70cmの面が自重で垂れ下がった距離(Lcm)で評価した。30cm以上:◎、20cm以上:○、10cm以上:△、10cm未満:×
▲9▼洗濯性
(1) 水切り性:ベットマットを側地を外して重量を測定(W0 kg)した後、50℃の水を張った1.8m×2m×0.5mの温浴槽に20分間浸してから引上げ、長手方向に30°の角度になるように壁に立て掛けて30分放置後のベットマットの重量を測定(W1 kg)し、その差(W1 −W0 )を元のベットマットの重量(W0 kg)で除した値で水切り性を評価した。0.3以下:◎、0.4以下:○、0.5以下:△、0.5以上:×
(2) 洗濯耐久性:水切り性の操作を10回繰り返したあとのベットマットの変化を目視で判断した。表面や側面の変化なし:◎、表面や側面の変化僅か:○、表面や側面の傷みが少しあり:△、表面や側面の傷みがかなりあり:×
【0019】
実施例1
ポリエステル系エラストマ−として、ジメチルテレフタレ−ト(DMT)又は、ジメチルナフタレ−ト(DMN)と1・4ブタンジオ−ル(1・4BD)を少量の触媒と仕込み、常法によりエステル交換後、ポリテトラメチレングリコ−ル(PTMG)を添加して昇温減圧しつつ重縮合せしめポリエ−テルエステルブロック共重合エラストマ−を生成させ、次いで抗酸化剤として旭電化製アデカスタブAO330を2%を添加混合練込み後ペレット化し、50℃48時間真空乾燥して得られた熱可塑性弾性樹脂原料の処方を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
クッション層は、幅110cm、長さ10cmのノズル有効面に幅方向の孔間ピッチ5mm、長さ方向の孔間ピッチ10mmの千鳥配列としたオリフィス形状は外径2mm、内径1.6mmでトリプルブリッジの中空形成性断面としたノズルに、得られた熱可塑性弾性樹脂原料を別々の押出機にて溶融しつつ、難燃剤として旭電化製アデカスタブPFRを燐含有量として10000ppmとなるように定量供給混練りして、A−1をシ−ス成分に、A−2をコア成分となるようにオリフィス直前で分配し、溶融温度245℃にて単孔当たりの吐出量2.0g/分(A−1:1g/分、A−2:1g/分)にてノズル下方に吐出させ、ノズル面12cm下に冷却水を配し、幅150cmのステンレス製エンドレスネットを平行に10cm間隔で一対の引取りコンベアを水面上に一部出るように配して、該溶融状態の吐出線状を曲がりくねらせル−プを形成して接触部分を融着させつつ3次元網状構造を形成し、該溶融状態の網状体の両面を引取りコンベア−で挟み込みつつ毎分1mの速度で25℃の冷却水中へ引込み固化させ両面をフラット化した後、所定の大きさに切断して得た網状体は断面形状がシ−スコア構造の三角おむすび型の中空断面で中空率が40%、繊度が9000デニ−ルの線条で形成しており、平均の見掛け密度が0.046g/cm3 であった。補強層は、10〔2・3・ジ(2・ヒドロキシエトキシ)−カルボニルプロピル〕9・10・ジヒドロ・9・オキサ・10ホスファフェナレンス・10オキシロを燐含有量として6000ppmとなるようにポリエチレンテレフタレ−ト(PET)の酸成分に添加して得た共重合ポリエステル用い、常法により150デニ−ル/24フィラメントの延伸糸を得、次いで目付け250g/m2 の平織物にし、245℃でテンターにてセットした布帛を作成した。ワディング層は、常法により公知の複合紡糸機にて、熱可塑性弾性樹脂A−3をシ−ス成分、A−2をコア成分となるように個々に溶融してオリフィス直前で分配し、各吐出量を50/50重量比で、単孔当たり1.6g/分孔(0.8g/分:0.8g/分)として紡糸温度245℃にてC型オリフィスより吐出し、紡糸速度3500m/分にて得た繊度が4.1デニ−ル、乾熱160℃での収縮率8%の糸を収束してトウ状でクリンパ−にて機械巻縮を付与し、64mmに切断してシ−スコア断面の熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着繊維を得た。母材繊維は、常法により、極限粘度0.63と0.56のPETを重量比50/50に分配して単孔当たり3.0g/分孔(1g/分:1g/分)として紡糸温度265℃にて紡糸速度1300m/分で複合紡糸し、次いで、70℃及び180℃にて2段延伸して得た延伸糸を64mmに切断し170℃にてフリ−熱処理して立体捲縮を発現させ、中空断面で中空率32%のシ−スコア構造の繊度6デニ−ル、初期引張り抵抗度38g/デニ−ル、捲縮度20%、捲縮数18個/インチの母材繊維を得た。得られた熱接着繊維と母材繊維を40/60重量比で混合し、オ−プナ−にて予備開繊した後カ−ドで開繊して得た目付け500g/m2 に積層したワディング層となるウェッブを作成した。次いで、該網状体の両面に別途作成したA−3を用い、常法により作成した目付け50g/m2 のメルトブロ−不織布を接着剤として積層し、その両面に平織物を積層したものの両面に該ワディング層となるウェッブを積層し、見掛け密度が0.05g/cm3 となるように圧縮し、180℃の熱風にて5分間熱処理後冷却して両面がフラットなクッション層の両面にワディング層と補強層が積層された積層構造体を得た。次いで厚みの50%圧縮して、100℃の熱風にて20分疑似結晶化処理して得た見掛け密度が0.062g/cm3 、厚みが10cm、クッション層の見掛け密度は0.058g/cm3 、ワディング層の見掛け密度は0.048g/cm3 )の本発明ベットマットの特性を表2に示す。表2で明らかなごとく、実施例1は柔らかい弾性樹脂の特性が生かせたベットマットのため着用時の耐久性に優れ、寝心地ともに優れたベットマットであり、耐熱耐久性が良いため洗濯時の耐久性が良く、クッション層に網状体を用いているため折り曲げ性や水切り性も良好であった。なお、本発明のベットマットはワディング層と補強層の接合体及びクッション層は、45°メセナミン法による燃焼試験では難燃性であり、燃焼時の発生ガスの毒性指数は5.4と安全性の高いベットマットであった。なお、熱可塑性弾性樹脂成分は融点以外の吸熱ピ−クを122℃に有していた。
【0022】
【表2】
【0023】
実施例2
ジメチルイソフタレ−ト(DMI)20モル%とDMT80モル%及び1・4ブタンジオ−ル(1・4BD)を少量の触媒と仕込み、実施例1の方法と同様にして得たポリエステル系熱可塑性弾性樹脂の処方を表−1に示す。オリフィスの孔形状を孔径φ1mmの丸断面としたノズルを用い、A−3のみを単成分で用いた以外実施例1と同様にして得た網状体は中実丸断面で繊度9000デニ−ルの線条から形成されており、平均の見掛け密度が0.046g/cm3 であった。次いで実施例1と同様にして得た見掛け密度が0.062g/cm3 、厚みが10cm(クッション層の見掛け密度は0.058g/cm3 、ワディング層の見掛け密度は0.048g/cm3 )のベットマットの特性を表2に示す。表2で明らかなごとく、実施例2は寝心地の優れたベットマットであり、着用による耐久性と洗濯時の耐久性も実用上問題なく、クッション層に網状体を用いているため折り曲げ性や水切り性も良好であった。なお、本発明のベットマットはワディング層と補強層の接合体及びクッション層は、45°メセナミン法による燃焼試験では難燃性であり、燃焼時の発生ガスの毒性指数は5.4と安全性の高いベットマットであった。なお、熱可塑性弾性樹脂成分は融点以外の吸熱ピ−クを123℃に有していた。
【0024】
実施例3
ポリウレタン系エラストマ−として、4・4’ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(MDI)とPTMG及び鎖延長剤として1・4BDを添加して重合し次いで抗酸化剤2%を添加混合練込み後ペレット化し真空乾燥してポリエ−テル系ウレタンポリマ−の処方を表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】
得られた熱可塑性弾性樹脂(シ−ス成分:B−1、コア成分:B−2)を溶融温度220℃とした以外実施例1と同様にして得た網状体の線条のシ−スコア構造の断面形状が三角おむすび型の中空断面で中空率40%、繊度が9800デニ−ル、平均の見掛け密度が0.047g/cm3 であった。他方、B−1をシ−ス成分に、B−2をコア成分とし、紡糸温度を200℃とした以外実施例1と同様にして得た熱接着繊維の特性は、繊度が4.5デニ−ル、150℃での収縮率が9%であった。この熱接着繊維と実施例1で得た母材を実施例1と同様にして500g/m2 の積層ウエッブにし、該網状体に実施例1の補強層とを両面に積層した両面に積層し、160℃の熱風にて5分間熱処理後冷却して両面がフラットな積層構造体に接合一体化し、次いで厚みの50%圧縮して、100℃の熱風にて20分疑似結晶化処理して得た見掛け密度が0.063g/cm3 、厚みが10cm(クッション層の見掛け密度は0.064g/cm3 、ワディング層の見掛け密度は0.041g/cm3 )の本発明ベットマットの特性を表2に示す。実施例3は柔らかいウレタンの特性を生かしたベットマットで着用時及び洗濯の耐久性、寝心地ともに優れたクッション材であり、折り曲げ性や水切り性も良好であった。なお、熱可塑性弾性樹脂成分は融点以外の吸熱ピ−クを123℃に有していた。
【0027】
比較例1〜2
固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレ−ト(PET)単成分のみ及びメルトインデックス12のポリプロピレン(PP)単成分のみを溶融温度を280℃及び250℃とした以外、実施例2と同様にして得た比較例1に用いる網状体は、繊度が8800デニ−ル、見掛け密度が0.047g/cm3 、比較例2に用いる網状体の繊度は23000デニ−ルで、見掛け密度が0.047g/cm3 であった。次いで、圧縮後厚み12cmとなるよう圧縮熱成形して疑似結晶化処理しなかった以外、実施例2と同様にして得た見掛け密度が0.063g/cm3 、厚みが12cm(クッション層の見掛け密度は0.047g/cm3 、ワディング層の見掛け密度は0.056g/cm3 )の比較例1と見掛け密度が0.063g/cm3 、厚みが12cm(クッション層の見掛け密度は0.050g/cm3 、ワディング層の見掛け密度は0.036g/cm3 )の比較例2のベットマットの特性を表2に示す。比較例1は非弾性ポリエステルからなる網状体のため耐熱耐久性が悪く、熱接着成分が熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着繊維を用いたワディング層を使用しているにも係わらず、硬くて床つき感が著しく寝心地の悪く、網状体を用いているので水切り性は良いが、折り曲げ性や洗濯耐久性が劣るベットマットである。比較例2は繊度がやや太い非弾性オレフィンからなる網状体を用いているため、及び熱接着成分が熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着繊維を用いたポリエステルからなるワディング層とポリエステルからなる補強層のため、非弾性オレフィンからなる網状体と充分に熱接着しなかったので性能は比較例2と同様に極めて悪く、更に洗濯耐久性も極めて悪くなった例である。
【0028】
比較例3
実施例1で得た熱接着繊維と母材繊維を40/60重量比で混合し、オ−プナ−にて予備開繊した後カ−ドで開繊して得た目付け6000g/m2 に積層したウェッブを作成し、180℃にて厚み10cmとなるよう熱成形した見掛け密度が0.06g/cm3 のベットマットは寝心地や耐久性は良いが、折り曲げ性や水切り性が劣るベットマットである。
【0029】
比較例4
補強層及び熱接着剤としてのメルトブロ−不織布を用いず、疑似結晶化処理しなかった以外、実施例2と同様にして得た見掛け密度が0.062g/cm3 、厚み10cm(クッション層の見掛け密度は0.058g/cm3 、ワディング層の見掛け密度は0.048g/cm3 )のベットマットの特性を表2に示す。折り曲げ性や水切り性は良いが、補強層を用いないためクッション性や使用時及び洗濯時の耐久性が劣るベットマットの例である。
【0030】
比較例5
ノズル面60cm下に引取りコンベアネットを配して引き取ったあと疑似結晶化処理をしなかった以外、実施例2と同様の方法で得た網状体は接着状態が不良で形態保持が悪いため、積層一体化したベットマットの形態保持性が極めて悪く、寝心地等の評価を中止した。比較例5は形態が固定されていないのでベットマットに適さない例である。
【0031】
比較例6
疑似結晶化処理しない以外、実施例2と同様にして得た線条は繊度9100デニ−ル、平均の見掛け密度は0.045g/cm3 の網状体と、熱接着繊維に熱可塑性非弾性樹脂を熱接着成分とした東洋紡績社製4−44−EE7を用いて疑似結晶化処理しない以外、実施例2と同様にして作成したウェッブを積層し、接合一体化した見掛け密度が0.062g/cm3 、厚みが10cm(クッション層の見掛け密度は0.058g/cm3 、ワディング層の見掛け密度は0.048g/cm3 )ベットマットの特性を表2に示す。比較例4はワディング層が熱可塑性非弾性樹脂で構成されているので座り心地は良いが、耐熱性と耐久性及び折り曲げ性のやや劣るベットマットであった。
【0032】
比較例7
幅50cm、長さ5cmのノズル有効面に幅方向の孔間ピッチ10mm、長さ方向の孔間ピッチ20mmの千鳥配列としたオリフィス径φ2mmとしたノズルを用いて、単孔当たりの吐出量25g/分にて吐出させて、ノズル面30cm下に引取りコンベアネットを配して1m/分にて引き取った以外、実施例2と同様にして得た線条の繊度は113000デニ−ルで、平均の見掛け密度は0.154g/cm3 の網状体を用い、厚み12cmとなるよう圧縮熱成形し、疑似結晶化処理しない以外実施例2と同様にして作成した見掛け密度0.138g/cm3 、厚みが12cm(クッション層の見掛け密度は0.182g/cm3 、ワディング層の見掛け密度は0.030g/cm3 )ベットマットの特性を表2に示す。比較例7は繊度が著しく太く密度斑のある網状体を用いた為、クッション性、折り曲げ性、洗濯耐久性が悪く、ベットマットが重くなり取り扱い性も悪くなるベットマットの例である。
【0033】
比較例8
引取りコンベアネットの間隔(開口幅)を5cmとした以外、実施例2と同様にして得た線条繊度が9000デニ−ルで、網状体の平均見掛け密度が0.043g/cm3 の表面が実質的にフラット化されていない網状体を用い、疑似結晶化処理しない以外比較例7と同様にして作成した見掛け密度0.049g/cm3 、厚みが12cm(クッション層の見掛け密度は0.050g/cm3 、ワディング層の見掛け密度は0.028g/cm3 )ベットマットの特性を表2に示す。比較例8は網状体の表面が凹凸になっているため、補強層との熱接着が不充分になり、見掛け密度が低いのに耐久性が劣り、少し異物感を感じる寝心地のやや劣るベットマットであった。
【0034】
比較例9
単孔当たりの吐出量3g/分にて吐出させ、引取りコンベアネットの速度を0.3m/分とし、疑似結晶化処理しなかった以外実施例2と同様して得た線条繊度が13000デニ−ルで、網状体の平均見掛け密度が0.21g/cm3 の網状体を用い、疑似結晶化処理しない以外実施例2と同様にして作成した見掛け密度0.189g/cm3 、厚みが12cm(クッション層の見掛け密度は0.232g/cm3 、ワディング層の見掛け密度は0.036g/cm3 )ベットマットの特性を表2に示す。比較例9はクッション層の見掛け密度が高いため、タッチは良好だが寝心地がやや劣り、耐久性や折り曲げ性も劣り、ベットマットが重くなり取り扱い性も悪くなるベットマットの例である。
【0035】
比較例10
幅50cm、長さ5cmのノズル有効面に幅方向の孔間ピッチ4mm、長さ方向の孔間ピッチ3mmの千鳥配列としたオリフィス径φ1mmとしたノズルを用いて単孔当たりの吐出量0.012g/分にて吐出させて、ノズル面5cm下に引取りコンベアネットを配して1.5m/分にて引き取った以外、実施例2と同様にして得た線条の繊度が40デニール、見掛け密度が0.008g/cm3 の網状体を用いて、圧縮熱成形後の網状体の見掛け密度を0.009g/cm3 となるように圧縮した以外、比較例9と同様にして作成した見掛け密度0.017g/cm3 、厚みが14cm(クッション層の見掛け密度は0.009g/cm3 、ワディング層の見掛け密度は0.019g/cm3 )ベットマットの特性を表2に示す。比較例10は線状の繊度が細い緻密な見掛け密度の低い網状体をクッション層に、見掛け密度の低いワディング層を用いた場合で、見掛け密度が低すぎて沈み込みが大きくなり床つき感が大きくなり寝心地や耐久性が劣るベットマットであった。
【0036】
比較例11
実施例1で作成したワディング層とするウェッブを単独に厚み0.25cm(見掛け密度0.2g/cm3 )になるよう180℃で熱圧縮成形したものをワディング層に、補強層及び熱接着層は実施例1で用いたものを使用し、実施例2で得た網状体をクッション層に用いて、厚み10cmとなるように圧縮熱成形後疑似結晶化処理しないで作成した見掛け密度0.062g/cm3 (クッション層の見掛け密度は0.049g/cm3 、ワディング層の見掛け密度は0.21g/cm3 )のベットマットの特性を表2に示す。比較例11はワディング層の見掛け密度を高くした場合で、寝心地が極端に悪くなり、折り曲げ性や水切り性も劣るベットマットになる例である。なお、寝心地が極端に悪いため着用評価は中止した。
【0037】
比較例12
実施例1で作成したワディング層とするウェッブを単独に厚み1.25cm(見掛け密度0.04g/cm3 )になるよう180℃で熱圧縮成形したものをワディング層に、補強層は実施例1で用いたものを使用し、実施例2で得た網状体とを熱接着せずに積層して、厚み12cmの側地に入れたベットマットの評価結果を表2に示す。なお、洗濯耐久性はバラバラに分解して温浴槽に入れ、側地には積層して入れ直しする方法で行った。折り曲げ性と水切り性は接合一体化していないので評価していない。比較例12は接合一体化しなかった場合で、寝心地は良いが、耐久性が劣る例である。
【0038】
参考例1
比較のため、市販のポリウレタン(見掛け密度0.05g/cm3 )をクッションに使用したベットマットを作成して寝心地を評価した結果、蒸れ感は著しく、床つき感があり、体型保持性は沈み込みすぎて悪く、クッション性も悪いベットマットには好ましくないものであった。
【0039】
【発明の効果】
クッション層に回復性の優れたエラストマ−で構成された空隙率の大きい網状体を用い、ワディング層にも熱接着成分に回復性の優れたエラストマ−を用いた硬綿を用い、両者を補強層で接合一体化した構成により、形態保持性、クッション性に優れ、蒸れ難く、折り曲げ性も良好で使い易く着用による耐久性が優れ、MRSA等の雑菌を除去するための洗濯ができて水切り性の良好で、燐含有物を添加することで難燃性となり、ポリエステルのみの構成では、燃焼時の燃焼ガス毒性が低く、分別せずにマテリアルリサイクルも可能なベット用に最適なベットマットを提供できる。
Claims (5)
- ベットマットの断面における最外層が側地、その内側にワディング層、ワディング層の内側が補強層、最内層がクッション体で構成されたベットマットであり、上記ワディング層は、熱接着成分が熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着繊維と熱可塑性非弾性樹脂からなる母材繊維とが混合開繊、又は熱接着成分が熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着繊維が開繊されて、三次元構造化され、相互繊維の接触部の大部分が熱接着成分により融着一体化された見掛けの密度が0.02〜0.2g/cm3 である硬綿からなっており、上記補強層は、熱可塑性樹脂繊維からなる目付けが20g/m2 以上の不織布又は編織物からなっており、上記クッション体は、熱可塑性弾性樹脂からなる繊度が100〜100000デニ−ルの連続した線条を曲がりくねらせ互いに接触させて、接触部の大部分が融着した三次元立体構造体を形成し、両面が実質的にフラット化されており、見掛けの密度が0.02〜0.2g/cm3 である網状体からなっていることを特徴とするベットマット。
- 補強層を構成する熱可塑性樹脂繊維及びクッション体を構成する熱可塑性弾性樹脂連続線条中に燐が1000〜20000ppmの範囲で含有されている請求項1記載のベットマット。
- ワディング層と補強層とクッション対が接合一体化されている請求項1記載のベットマット。
- ワディング層の厚みが5mm以上、補強層の厚みが5mm以下、クッション層の厚みが20mm以上、ベットマットの厚みが30〜300mmである請求項1記載のベットマット。
- 熱可塑性樹脂がポリエステルである請求項1記載のベットマット。
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