JP2002339205A - 座席シート用立体編物 - Google Patents

座席シート用立体編物

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JP2002339205A JP2001146080A JP2001146080A JP2002339205A JP 2002339205 A JP2002339205 A JP 2002339205A JP 2001146080 A JP2001146080 A JP 2001146080A JP 2001146080 A JP2001146080 A JP 2001146080A JP 2002339205 A JP2002339205 A JP 2002339205A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車、鉄道車両、航空機、家具、事務用等
の座席シート用立体編物に関し、特にハンモック式の座
席シート材に用いた場合に反発感のあるクッション性と
人体とのフィット感を有する快適な座り心地を示し、座
った後のへたりの少ない形態安定性の良好な座席シート
用立体編物を提供する。 【解決手段】 表裏二層の編地と該二層の編地を連結す
るモノフィラメントによる連結糸から構成された立体編
物において、表裏の編地の少なくとも一方の編地がポリ
トリメチレンテレフタレート繊維で構成されており、立
体編物の14.7N/5cm幅当たりのタテ方向及びヨ
コ方向の伸長率が3%以上50%以下、伸長残留歪が1
0%以下、14.7N/5cm幅当たりの応力下でのタ
テ方向及びヨコ方向の応力緩和率が30%以下である座
席シート用立体編物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車、鉄道車両、
航空機、家具、事務用等の座席シート用立体編物に関す
る。更に詳しくは、特にハンモック式の座席シート材に
用いた場合に反発感のあるクッション性と人体とのフィ
ット感を有する快適な座り心地を示し、座った後にへた
りの少ない形態安定性の良好な立体編物に関する。
【0002】
【従来の技術】表裏二層の編地と該二層の編地を連結す
る連結糸から構成された立体編物は、優れたクッション
性を有し、ウレタン製品に比べリサイクル性が良好で燃
焼時の有毒ガス発生等の問題も低減できることから、座
席シート材等のクッション材として応用されつつある。
実用新案登録第2136028号公報には立体編物を表
皮材又は表皮裏面積層材に使用した乗物用座席が開示さ
れている。又、特開2000−325174号公報には
立体編物をシートバック部あるいはシートクッション部
に張設したシートが開示されている。しかしながら、前
述の各公報に記載されている通常一般の立体編物の張設
では、人が座った場合にある程度のクッション性は有す
るものの、反発感のあるクッション性、人体とのフィッ
ト感、座った後の形態安定性は不十分であり、長時間座
ったり、繰り返し座る場合において、張設した立体編物
が伸びきったり、座った後の跡形が残るという問題点が
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題点
を解決し、特にハンモック式に立体編物を座席のフレー
ムに張設する場合に反発感のあるクッション性、人体と
のフィット感、及び、長時間、あるいは繰り返し座った
後の形態安定性を向上させることのできる立体編物を提
供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、立体編物を
表裏を構成する編地の伸長、回復特性、応力緩和特性等
について鋭意検討した結果、表裏の編地に特定の繊維を
用い、編地の伸長率、回復率、応力緩和率を特定範囲に
設計することにより本発明の目的が達成されることを見
出し本発明に至った。すなわち本発明は、表裏二層の編
地と該二層の編地を連結するモノフィラメントによる連
結糸から構成された立体編物において、表裏の編地の少
なくとも一方の編地がポリトリメチレンテレフタレート
繊維で構成されており、立体編物の14.7N/5cm
幅当たりのタテ方向及びヨコ方向の伸長率が3%以上5
0%以下、伸長残留歪が10%以下、14.7N/5c
m幅当たりの応力下でのタテ方向及びヨコ方向の応力緩
和率が30%以下であることを特徴とする座席シート用
立体編物である。
【0005】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の立体編物は表裏の編地の少なくとも一方の編地がポ
リトリメチレンテレフタレート繊維で構成される。表裏
の少なくとも一方の編地をポリトリメチレンテレフタレ
ート繊維で構成した立体編物をハンモック式シートに用
いることにより、連結糸のクッション性に表裏のポリト
リメチレンテレフタレート繊維の編地特性が加わり、反
発感のあるクッション性、人体とのフィット感、座った
後の形態安定性をいずれも良好にすることができる。こ
の際、立体編物の表裏の少なくとも一方の編地がポリト
リメチレンテレフタレート繊維で構成されていればよい
が、ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、立体編物
の表側(人が座る側)の編地を構成していることが、反
発感のあるクッション性、人体とのフィット感、座った
後の形態安定性を向上する上で好ましく、さらに表裏両
側の編地をポリトリメチレンテレフタレート繊維で構成
すると連結糸のクッション性を増大し、より好ましい。
【0006】本発明の立体編物は、14.7N/5cm
幅当たりのタテ方向及びヨコ方向の伸長率が3%以上5
0%以下であることが、人体とのフィット感を有し快適
な座り心地を得る上で肝要である。伸長率が3%未満で
あると、人が座った際の沈み込みが少なく、立体編物に
よるシート面が人体にフィットせず、硬く座り心地の悪
いものとなる。伸長率が50%を越えるとフィット感は
良好なものの、形態安定性が不十分なものとなる。より
好ましくは3%以上30%以下である。
【0007】タテ方向及びヨコ方向の伸長率を3%以上
50%以下にするには、立体編物の表裏の編組織およ
び、仕上げ加工方法が肝要となる。特にヨコ方向の伸長
率を50%以下にするために編組織は、メッシュ編地で
あれば1メッシュを構成する編目数(コース数)を12
コース以下にすることが好ましく、仕上げ加工方法はタ
テ方向とヨコ方向の伸長率のバランスをとり、ヨコ方向
を幅出しヒートセットすることが好ましい。又、表裏の
編組織に挿入編を利用して伸長率を抑える方法も好まし
い。立体編物の表裏の編組織は同一である必要は無く、
異なる編組織、異なる伸長率のものであってもよい。
又、立体編物の伸長率は座席のフレームに張設する際の
伸長程度を調節して、座席の状態で伸長率を3%以上5
0%以下としても良い。
【0008】さらに立体編物は、伸長残留歪が10%以
下でありかつ、14.7N/5cm幅当たりの応力下で
の応力緩和率が30%以下であることが、反発感のある
クッション性を良好にし、長時間、あるいは繰り返し座
った後の形態安定性を向上させる上で必要である。伸長
残留歪は好ましくは7%以下、より好ましくは5%以下
であり、応力緩和率は好ましくは20%以下、より好ま
しくは10%以下である。特に応力緩和率を30%以下
にすることにより反発感ある快適な座り心地を有するも
のとなり、応力緩和率が30%を越えると、反発感が感
じられ難くなる。又、伸長残留歪が10%を越えると、
長時間、あるいは繰り返し座った後の形態安定性が不十
分となる。
【0009】ここで、ポリトリメチレンテレフタレート
繊維で構成した編地の伸長残留歪及び応力緩和率を低下
させるには、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を0
%以上の伸長率で熱処理する方法等で達成することがで
きる。熱処理は原糸製造の段階で、伸長熱処理を施して
もよく、仮撚、流体噴射加工等の糸加工段階で伸長熱処
理を施してもよく、編地の段階で伸長熱処理を施しても
よい。
【0010】本発明に用いるポリトリメチレンテレフタ
レート繊維とは、トリメチレンテレフタレート単位を主
たる繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、トリ
メチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、好ま
しくは70モル%以上、さらには80モル%以上、さら
に好ましくは90モル%以上のものをいう。従って、第
三成分として他の酸成分及び/又はグリコール成分の合
計量が、約50モル%以下、好ましくは30モル%以
下、さらには20モル%以下、さらに好ましくは10モ
ル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタ
レートを包含する。ポリトリメチレンテレフタレート
は、テレフタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレ
ングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下
で、適当な反応条件下に結合せしめることにより合成さ
れる。この合成過程において、適当な一種又は二種以上
の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよい
し、又、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外
のポリエステル、ナイロンとポリトリメチレンテレフタ
レートを別個に合成した後、ブレンドしたり、複合紡糸
(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよい。
【0011】複合紡糸に関しては、特公昭43−191
08号公報、特開平11−189923号公報、特開2
000−239927号公報、特開2000−2569
18号公報等に例示されるような、第一成分がポリトリ
メチレンテレフタレートであり、第二成分がポリトリメ
チレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロ
ンを並列的あるいは偏芯的に配置したサイドバイサイド
型又は偏芯シースコア型に複合紡糸したものがあり、特
にポリトリメチレンテレフタレートと共重合ポリトリメ
チレンテレフタレートの組み合わせや、極限粘度の異な
る二種類のポリトリメチレンテレフタレートの組み合わ
せが好ましく、特に、特開2000−239927号公
報に例示されるような極限粘度の異なる二種類のポリト
リメチレンテレフタレートを用い、低粘度側が高粘度側
を包み込むように接合面形状が湾曲しているサイドバイ
サイド型に複合紡糸したものが、高度のストレッチ性と
嵩高性を兼備するものであり特に好ましい。
【0012】添加する第三成分としては、脂肪族ジカル
ボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン
酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボ
ン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸
等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール
等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール
等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテ
ルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキ
シカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキ
シ安息香酸等)等がある。又、1個又は3個以上のエス
テル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリ
セリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使用
出来る。
【0013】さらに二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等
の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線
吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑
剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃
剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤
等が含有されていてもよい。本発明においてポリトリメ
チレンテレフタレート繊維の紡糸については、1500
m/分程度の巻取り速度で未延伸糸を得た後、2〜3.
5倍程度で延撚する方法、紡糸−延撚工程を直結した直
延法(スピンドロー法)、巻取り速度5000m/分以
上の高速紡糸法(スピンテイクアップ法)の何れを採用
しても良い。繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T
型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多
角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。又、
繊維の形態は、原糸、紡績糸、撚糸、仮撚加工糸、流体
噴射加工糸等何れの形態のものを採用しても良いが、立
体編物の表面をソフト風合いにするには、仮撚加工糸、
ループ毛羽を有する流体噴射加工糸、紡績糸が好まし
い。
【0014】本発明の立体編物では表及び/又は裏側の
編地は、40重量%以上がポリトリメチレテレフタレー
ト繊維で構成されていれば良く、交編、混繊、交撚、複
合仮撚等の手段でポリトリメチレンテレフタレート繊維
以外の繊維と複合されていても良いが、100重量%ポ
リトリメチレテレフタレート繊維で構成されると、反発
感のあるクッション性、人体とのフィット感、座った後
の形態安定性を向上する上でより好ましい。ポリトリメ
チレテレフタレート繊維と複合する繊維、あるいは表裏
の編地を構成するポリトリメチレテレフタレート繊維以
外の繊維は、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブ
チレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維、ポリエス
テル系エラストマー繊維等の合成繊維、綿、麻等の天然
繊維、キュプラ、レーヨン等の再生繊維等を用いること
ができるが、リサイクルの容易性からポリエステル系繊
維を用いることが好ましい。
【0015】本発明の立体編物は、相対する2列の針床
を有する編機で編成することができ、ダブルラッセル編
機、ダブル丸編機、Vベッドを有する横編機等で編成で
きるが、寸法安定性のよい立体編物を得るには、ダブル
ラッセル機を用いるのが好ましい。編機のゲージは9ゲ
ージから22ゲージまでが好ましく用いられる。立体編
物の表裏の編地は4角、6角等のメッシュ編地、マーギ
ゼット編地等複数の開口部を有する編地にして軽量性、
通気性を向上させてもよく、表面を平坦な組織にして肌
触りを良好にしてもよい。表面を起毛するとより肌触り
の良好なものが得られる。
【0016】尚、連結糸の密度については、立体編物1
平方インチの面積中にある連結糸の本数をN(本/平方
インチ)、連結糸のデシテックスをD(g/1×106
cm)、連結糸の比重をρ(g/cm3 )とした時、立
体編物1平方インチの面積中にある連結糸の総断面積
(N・D/1×106 ・ρ)が0.05〜0.5c
2、より好ましくは0.1〜0.2cm2 であると、
立体編物が適度な剛性による良好なクッション性を有す
るものとなる。0.05cm2 未満では反発性が低下
し、0.5cm2 を超えると硬すぎてクッション性に劣
り、軽量性も低下する方向となる。連結糸は、表裏の編
地中にループ状の編み目を形成してもよく、表裏編地に
タック組織状に引っかけた構造でもよいが、少なくとも
2本の連結糸が表裏の編地を互いに逆方向に斜めに傾斜
して、X状やトラス状に連結することが、立体編物の形
態安定性を向上させる上で好ましい。
【0017】本発明の立体編物に用いる繊維の繊度は、
表裏の編地を構成する繊維には100デシテックスから
2000デシテックスの太さのものを用いることがで
き、フィラメント数は任意に使用できる。又、連結糸の
モノフィラメントは100デシテックスから1500デ
シテックスの太さのものを用いることができる。立体編
物の表面をザラザラさせず、人が座る時のクッション性
を良好にするためには、モノフィラメントの太さは25
0デシテックスから1000デシテックスが好ましく、
より好ましくは350デシテックスから900デシテッ
クスである。
【0018】連結糸のモノフィラメントにはポリエチレ
ンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊
維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、あるいはこ
れらの紡糸複合繊維等を用いることができるが、反発感
のあるクッション性と、座った後の形態安定性を向上さ
せるためには、ポリトリメチレテレフタレート繊維を用
いるのが好ましい。さらに、立体編物の厚み方向の50
%圧縮の残留歪みが10%以下であることが、座った後
の形態安定性を向上させる上で好ましい。
【0019】立体編物の厚み、目付は目的に応じて任意
に設定できるが、厚みは5mmから20mmまでが好ま
しく用いられる。5mm未満であるとクッション性の乏
しいものとなり、20mmを越えると座席フレームに固
定する際の処理方法の難易度が増す。目付は300〜3
000g/m2 程度、好ましくは500〜2000g/
2 程度にするとよい。立体編物の仕上げ加工方法は、
生機を精練、染色、ヒートセット等の工程を通して仕上
げることができるが、立体編物の表裏及び/又は連結糸
に用いる繊維を原着糸とすることで、染色工程を簡略化
すると好ましい。
【0020】仕上げ加工後の立体編物は、座席フレーム
に張設する際に、あらかじめ融着等の手段で端部を処理
したり、熱成形により所望の形状にして用いても良い。
本発明の立体編物は座席フレームに張設されてハンモッ
ク状で好適に使用されるが、ハンモック状の立体編物の
下をスプリングや立体編物の積層によりクッション補強
してもよい。又、ハンモック状で使用せずに、座席に表
皮材として張り合わせても良好な特性を示すものとな
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例などを用い
て具体的に説明するが、本発明は実施例などにより何ら
限定されるものではない。 <ポリトリメチレンテレフタレート繊維の製法>また、
実施例などにおいて使用したポリトリメチレンテレフタ
レート繊維は、次のようにして準備した。即ち、立体編
物の表裏の編地を形成するポリトリメチレンテレフタレ
ート繊維は、ηsp/c=0.8(o−クロロフェノー
ル溶媒中で35℃で測定)のポリトリメチレンテレフタ
レートを紡糸温度265℃、紡糸速度1200m/分で
紡糸して未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度60
℃、ホットプレート温度140℃、延伸倍率3倍、延伸
速度800m/分で延撚して、330デシテックス/9
6フィラメントの延伸糸(丸断面)を得た。延伸糸の強
度、伸度、弾性率並びに10%伸長時の弾性回復率は、
各々2.9cN/dtex、43.6%、26.2cN
/dtex並びに98%であった。
【0022】又、連結糸に用いたポリトリメチレンテレ
フタレート繊維モノフィラメントは、ηsp/c=0.
8(o−クロロフェノール溶媒中で35℃で測定)のポ
リトリメチレンテレフタレートを紡糸温度270℃で紡
口から吐出し、15℃の冷却浴中で急冷した後、12.
4m/分で第1ロールで巻き取り、さらに温度70℃の
ヒーター間で4倍に延伸しながら第2ロールで巻き取っ
た後、150℃でリラックス処理して、280デシテッ
クスの延伸モノフィラメント糸を得た。得られた延伸糸
の強度、伸度、弾性率並びに10%伸長時の弾性回復率
は、各々3.0cN/dtex、47%、26.8cN
/dtex並びに98%であった。尚、10%伸長時の
弾性回復率は、試料に0.009cN/dtexの初荷
重をかけ、毎分20%の伸びの一定割分の速度で伸ば
し、伸度10%になったところで今度は逆に同じ速度で
収縮させて、応力−歪曲線を画く。収縮中、応力が初荷
重と等しい、0.009cN/dtexにまで低下した
時の残留伸度をLとすると、下記式で算出した値であ
る。 10%伸長時の弾性回復率=〔(10−L)/10〕×
100(%)
【0023】また、立体編物の特性の測定方法を以下に
説明する。 (1)伸長率、伸長回復率 仕上げ加工した立体編物を30cm×5cm(幅)にサ
ンプリングして、サンプルの一端をチャックに固定して
吊るした状態で20cmの間隔に印を付ける。サンプル
のもう一端に荷重14.7Nの荷重をかけて吊るし、5
分後に印間の長さL1 を測定する。その後荷重を取り除
き、1分後の印間の長さL2 を測定し、次の式に従い伸
長率、伸長回復率を算出した。 伸長率(%)=(L1 −20)/20 ×100 伸長残留歪(%)=(L2 −20)/20 ×100
【0024】(2)14.7N/5cm幅当たりの応力
下での応力緩和率 (1)と同様にサンプリングし、オートグラフ(島津製
作所製)を用い、チャック間を20cmに調節しサンプ
ルをセットする。引っ張り速度200mm/minでサ
ンプルを伸長し14.7N/5cm幅の応力に達した時
点で1分間保持する。1分後チャックを元の位置に戻
す。1分間保持している間の引張り応力が低下する応力
緩和率をチャートより読み取り、次式で応力緩和率を算
出した。 応力緩和率(%)=(低下した応力N)/14.7N
×100
【0025】(3)50%圧縮残留歪 平板の圧縮治具を用い、5cm角で初期厚み(T0 )の
立体編物を1/2の厚みに20℃の環境下で22時間圧
縮し、圧縮解放後30分の立体編物の厚み(T1 )を測
定し、次式により圧縮残留歪を測定した。 50%圧縮残留歪(%)=(T0 −T1 )/T0 ×1
00 (4)KES純曲げのヒステリシスロス カトーテック社製のKES純曲げ装置を用い、モノフィ
ラメントを26本1mm間隔でシート状に引き揃えて1
1mmのサンプル長となる様にモノフィラメントシート
の上下を厚紙と接着テープで固定してつかみ代とし、1
1mm長(26本)のシート状サンプルを正および逆方
向に曲率2.5まで曲げる際の、曲率1におけるの曲げ
回復のヒステリシスロスを測定した。
【0026】(5)クッション性、フィット感 座部が40cm角の四角い金属フレームで作られた椅子
(4脚、背もたれなし)のフレームに立体編物の周囲を
緩まないように縫製して張設し、体重65kgの男性が
10回、各5分間座り、クッション性を官能評価によ
り、◎:反発感がある、○:反発感がややある、△:反
発感がやや少ない、×:反発感が少ない、の4段階で評
価した。又、フィット感を官能評価により、◎:フィッ
ト感が高い、○:フィット感がやや高い、△:フィット
感がやや低い、×:フィット感が低い、の4段階で評価
した。 (6)形態安定性 (5)の試験後、椅子に張った立体編物のへたり状態を
外観評価によりし、◎:へたりが全くない、○:へたり
が殆どない、△:ややへたりがある、×:へたりが激し
い、の4段階で評価した。
【0027】
【実施例1】6枚筬を装備した18ゲージ、釜間10m
mのダブルラッセル機を用い、表側の編地を形成する2
枚の筬(L1、L2)及び裏側の編地を形成する2枚の
筬(L5、L6)から330デシテックス96フィラメ
ントのポリトリメチレテレフタレート繊維を供給し、連
結糸を形成する二枚の筬(L3、L4)から280デシ
テックスのポリトリメチレンテレフタレート繊維モノフ
ィラメントを供給し、いずれ筬もガイドに1イン1アウ
トの配列で繊維を供給して、打ち込み18コース/イン
チで、以下に示す編組織で連結糸が部分的にX構造を形
成する表裏メッシュの立体編物を得た。該立体編物を7
0℃で精練後、29%幅出し熱セット(170℃)し、
表1に示す物性の立体編物を得た。
【0028】(編組織) L1:1011/1211/1011/1211/10
11/1222/2322/2122/2322/21
22/2322/2111/ L2:2322/2122/2322/2122/23
22/2111/1011/1211/1011/12
11/1011/1222/ L3:2121/2323/2121/4545/21
21/2323/3434/3232/3434/10
10/3434/3232/ L4:3434/3232/3434/1010/34
34/3232/2121/2323/2121/45
45/2121/2323/ L5:1110/1112/1110/1112/11
10/1112/2223/2221/2223/22
21/2223/2221/ L6:2223/2221/2223/2221/22
23/2221/1110/1112/1110/11
12/1110/1112/ 得られた立体編物は、表1に示す如く、反発感、フィッ
ト感、座った後の形態安定性がともに非常に良好であっ
た。
【0029】
【実施例2】実施例1において、裏側の編地を形成する
2枚の筬(L5、L6)から330デシテックス96フ
ィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維を供給し
た以外は、実施例1と同様にして、表1に示す物性の立
体編物を得た。得られた立体編物は、表1に示す如く、
反発感、フィット感、座った後の形態安定性がともに良
好であった。
【実施例3】実施例1において、連結糸を形成する二枚
の筬(L3、L4)から280デシテックスのポリブチ
レンテレフタレート繊維モノフィラメントを供給した以
外は、実施例1と同様にして、表1に示す物性の立体編
物を得た。得られた立体編物は、表1に示す如く、反発
感、フィット感、座った後の形態安定性がともに良好で
あった。
【0030】
【比較例1】実施例1において、表裏を形成する筬(L
1、L2、L5、L6)から330デシテックス96フ
ィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維を供給し
た以外は、実施例1と同様にして、表1に示す物性の立
体編物を得た。得られた立体編物は、表1に示す如く、
反発感とフィット感が少なく、座った後の形態安定性も
劣っていた。
【比較例2】実施例1において、仕上げの幅出し率を3
%とした以外は、実施例1と同様にして、表1に示す物
性の立体編物を得た。得られた立体編物は、表1に示す
如く、人体とのフィット感は高いものの反発感が少な
く、座った後の形態安定性が劣っていた。
【0031】
【比較例3】実施例1において、仕上げの幅出し率を5
0%とした以外は、実施例1と同様にして、表1に示す
物性の立体編物を得た。得られた立体編物は、表1に示
す如く、反発感が高く、形態安定性も良好であったが、
人体とのフィット感が少なく、硬く座り心地の悪いもの
であった。
【比較例4】実施例1において、表裏を形成する筬(L
1、L2、L5、L6)から330デシテックス96フ
ィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維を、連結
糸を形成する二枚の筬(L3、L4)から280デシテ
ックスのポリエチレンテレフタレート繊維モノフィラメ
ントを供給した以外は、実施例1と同様にして、表1に
示す物性の立体編物を得た。得られた立体編物は、表1
に示す如く、反発感、フィット感が少なく、座った後の
形態安定性も劣っていた。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明による座席シート用立体編物は、
特にハンモック式の座席シート材に用いた場合に反発感
のあるクッション性を有し、人体とのフィット感も良好
で、かつ人が座った後にへたりの少ない形態安定性の良
好な立体編物である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表裏二層の編地と該二層の編地を連結す
    るモノフィラメントによる連結糸から構成された立体編
    物において、表裏の編地の少なくとも一方の編地がポリ
    トリメチレンテレフタレート繊維で構成されており、立
    体編物の14.7N/5cm幅当たりのタテ方向及びヨ
    コ方向の伸長率が3%以上50%以下、伸長残留歪が1
    0%以下、14.7N/5cm幅当たりの応力下でのタ
    テ方向及びヨコ方向の応力緩和率が30%以下であるこ
    とを特徴とする座席シート用立体編物。
  2. 【請求項2】 立体編物の厚み方向の50%圧縮残留歪
    が10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の
    座席シート用立体編物。
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