JP2002348762A - 立体編物 - Google Patents

立体編物

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JP2002348762A
JP2002348762A JP2001154267A JP2001154267A JP2002348762A JP 2002348762 A JP2002348762 A JP 2002348762A JP 2001154267 A JP2001154267 A JP 2001154267A JP 2001154267 A JP2001154267 A JP 2001154267A JP 2002348762 A JP2002348762 A JP 2002348762A
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knitted fabric
monofilament
dimensional knitted
dimensional
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Hideo Ikenaga
秀雄 池永
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クッション材等のスペーサ等に好適で、反発
感のあるクッション性を有し、表面のざらつきやギラツ
キのない、肌触りが良好な立体編物を提供する。 【解決手段】 表裏二層の編地とポリトリメチレンテレ
フタレートモノフィラメント糸による連結糸とから構成
され、表裏の編地の少なくとも一方がマルチ糸で形成さ
れ、編地表面におけるモノフィラメント糸の現出面積A
とマルチ糸の現出面積Bの比、同一編目におけるモノフ
ィラメント糸の直径Dとマルチ糸の見掛け直径MD比及
びモノフィラメント糸の直径Dとマルチ糸の単糸直径d
の比が特定の範囲に設定された立体編物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、鉄道車
両、航空機、家具、事務用等の椅子張り、寝具、ベッド
パッド、マットレス等のクッション材、衣料用等のスペ
ーサー、緩衝材、保温材、シューズ用のアッパー材、中
敷材等に好適に用いられ、反発感のあるクッション性を
有し、モノフィラメント糸による表面のざらつき及びモ
ノフィラメント糸に固有の光沢により編地表面がギラギ
ラ光るギラツキを抑えた肌触りの良好な立体編物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】表裏二層の編地と二層の編地を連結する
連結糸とから構成された立体編物は、クッション性、通
気性、保温性、体圧分散性等の機能を活かして、各種ク
ッション材用途に利用されている。これらの立体編物
は、積層して使用される場合もあるが、単層で使用され
る場合にクッション性を向上させるには、厚みを増す必
要がある。厚い立体編物に反発感のあるクッション性を
付与するためには連結糸に太いモノフィラメント糸が用
いられる。
【0003】しかしながら、連結糸に太いモノフィラメ
ント糸を用いた立体編物は、立体編物の表面に太いモノ
フィラメント糸が突出し、ざらざらした肌触りの悪いも
のとなると同時に、モノフィラメント糸の光沢により編
地表面のギラツキが激しくなるという問題点を有してい
た。特開平11−269747号公報には、連結糸にポ
リトリメチレンテレフタレート繊維を用い、圧縮弾性回
復性を損なわずに人体とのフィット性、形状追従性をさ
らに向上させた立体編物が開示されているが、ここに開
示された立体編物は人体とのフィット性、形状追従性が
改善されているものの、表面の肌触りやギラツキは不充
分なものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決し、特に連結糸に太いモノフィラメント糸を用い
て反発感を増した立体編物においても、表面のざらざし
た肌触りが解消され、ギラツキが抑えられた立体編物を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために、立体編物の表裏の編地を構成する
糸、連結糸を構成する糸、立体編物の表面状態等につい
て鋭意検討した結果、表裏の編地を構成する糸にマルチ
糸、連結糸にポリトリメチレンテレフタレートモノフィ
ラメント糸を用い、編地表面におけるマルチ糸とモノフ
ィラメント糸の現出割合及び糸直径の関係を特定範囲に
設計することにより本発明の目的が達成されることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、表裏二層の編地と、
二層の編地を連結する110デシテックス以上のポリト
リメチレンテレフタレートモノフィラメント糸による連
結糸とから構成された立体編物であって、表裏の編地の
少なくとも一方の編地がマルチ糸で形成されており、少
なくとも一方の編地の表面において、モノフィラメント
糸の現出面積Aとマルチ糸の現出面積Bの比が(1)式
で表され、同一編目におけるモノフィラメント糸の直径
Dとマルチ糸の見掛け直径MDの関係が(2)式で表さ
れ、かつ、モノフィラメント糸の直径Dとマルチ糸の単
糸直径dの関係が(3)式で表されることを特徴とする
立体編物である。 A/B≦0.50 (1) MD/D≧1.00 (2) d/D≦0.190 (3)
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
立体編物は、反発感のあるクッション性を付与するため
に連結糸に110デシテックス以上のポリトリメチレン
テレフタレート繊維のモノフィラメント糸を用い、モノ
フィラメント糸のざらつき及びギラツキを抑えるため
に、表裏の少なくとも一方の編地を形成する糸にマルチ
糸を用いる。ポリトリメチレテレフタレートモノフィラ
メント糸が110デシテックス未満であると、立体編物
の厚みを増したときに、反発感のあるクッション性が得
られなくなる。
【0008】本発明に用いるポリトリメチレンテレフタ
レート繊維は、トリメチレンテレフタレート単位を主た
る繰り返し単位とするポリエステル繊維であり、トリメ
チレンテレフタレート単位を50モル%以上、好ましく
は70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、最
も好ましくは90モル%以上含有するものをいう。した
がって、第三成分として他の酸成分及び/又はグリコー
ル成分の合計が、50モル%以下、好ましくは30モル
%以下、より好ましくは20モル%以下、最も好ましく
は10モル%以下含有されたポリトリメチレンテレフタ
レートを包含する。
【0009】ポリトリメチレンテレフタレートは、テレ
フタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコ
ール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当
な反応条件下に結合せしめることにより合成される。こ
の合成過程において、適当な一種又は二種以上の第三成
分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステ
ルあるいはナイロンと、ポリトリメチレンテレフタレー
トを別個に合成した後、ブレンドしたり、複合紡糸(鞘
芯、サイドバイサイド等)してもよい。
【0010】添加する第三成分としては、脂肪族ジカル
ボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン
酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボ
ン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸
等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール
等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール
等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテ
ルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキ
シカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキ
シ安息香酸等)等がある。又、1個又は3個以上のエス
テル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリ
セリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使用
できる。
【0011】さらに二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等
の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線
吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑
剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃
剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤
等が含有されていてもよい。ポリトリメチレンテレフタ
レート繊維は、例えば、特開平11−269747号公
報に記載された方法等、公知の方法によって製造するこ
とができる。すなわち、ポリトリメチレンテレフタレー
トを紡口から吐出し、冷却浴中で急冷した後第1ロール
で巻き取り、次いで温水中や乾熱雰囲気下で延伸しなが
ら第2ロールで巻き取った後、乾熱雰囲気下や湿熱雰囲
気下でリラックス処理して第3ロールで巻き取る方法等
で製造することができる。ポリトリメチレンテレフタレ
ート繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y
型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形
型、多葉型、中空型や不定形なもの等、任意でよい。
【0012】本発明において、表裏の少なくとも一方の
編地を形成するのに用いられるマルチ糸は、マルチフィ
ラメント糸、紡績糸等、単繊維が無撚あるいは有撚状態
で収束して集合した繊維である。繊維の種類としては、
ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル
系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維、綿、麻、
ウール等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビスコースレ
ーヨン、リヨセル等の再生繊維等の任意の繊維を用いる
ことができるが、立体編物の肌触りをより良好にするに
はポリトリメチレテレフタレート繊維を用いるのが好ま
しい。編地表面の肌触りを向上させるため、マルチ糸は
嵩高糸であることが好ましい。嵩高糸としては、例え
ば、仮撚加工糸、ジェットスタッファー加工糸、押し込
み加工糸、紡績糸、ループ状毛羽を有する流体噴射加工
糸等、嵩高性が付与された糸が挙げられる。表裏の少な
くとも一方の編地を形成する糸がマルチ糸であれば、他
方の編地を形成する糸はマルチ糸であってもモノフィラ
メント糸でもよく、いかなる種類の繊維を用いてもよ
い。
【0013】本発明の立体編物において、連結糸に11
0デシテックス以上のポリトリメチレンテレフタレート
モノフィラメント糸を用い、少なくとも一方の編地を形
成する糸にマルチ糸を用いる。本発明の立体編物の、少
なくとも一方の編地の表面において、モノフィラメント
糸の現出面積Aとマルチ糸の現出面積Bの比は、編地表
面におけるモノフィラメント糸のざらつきと光沢による
ギラツキを抑える上でA/B≦0.50である必要があ
る。好ましくは0≦A/B≦0.30、より好ましくは
0≦A/B≦0.20である。マルチ糸が表裏編地の内
の片方の編地にのみ使用されている場合は、その編地の
表面において、前記の条件が満たされなければならな
い。マルチ糸が両方の編地に使用されている場合は、ど
ちらか一方の編地の表面において、前記の条件が満たさ
れなければならない。
【0014】編地表面におけるモノフィラメント糸の現
出面積Aとマルチ糸の現出面積Bの比とは、編地表面の
単位面積中に見えるそれぞれの糸の面積比のことをい
い、以下の方法により測定する。立体編物の1cm平方
の編地表面の拡大写真(5〜50倍)を直角方向から撮
影し、写真をイメージスキャーナーでコンピューターに
読み込み、高精細画像解析システムIP1000PC
(商品名、旭化成(株)社製)の画像解析ソフトを用い
て、編地表面に見えるモノフィラメント糸とマルチ糸の
面積をそれぞれ領域指定し、領域指定したそれぞれの面
積比を画素数の比で計算する。編地表面におけるモノフ
ィラメント糸の現出面積Aとマルチ糸の現出面積Bの比
がA/B>0.50の場合は、表面のギラツキとざらつ
きを抑えることができない。
【0015】面積比をA/B≦0.50とするには、モ
ノフィラメント糸の給糸張力をマルチ糸の給糸張力より
大にする、マルチ糸の給糸を通常のフィード率よりオー
バーフィード側で給糸する、経編であればモノフィラメ
ント糸とマルチ糸の針に対するオーバーラップ方向を同
一方向で給糸する等の方法により編成する。立体編物の
表面の編目を形成するモノフィラメント糸の表面を、広
く均等にマルチ糸で覆い、編地表面のざらつきとギラツ
キを抑えるためには、A/B≦0.50を満たす編地の
表面の、同一編目におけるモノフィラメント糸の直径を
D(mm)、マルチ糸の見掛け直径をMD(mm)、マ
ルチ糸の単糸直径をd(mm)としたときに、MD/D
≧1.00、かつ、d/D≦0.190であることが必
要がある。
【0016】連結糸による反発効果を充分発揮させる上
から、MD/Dは、2.50≧MD/D≧1.05であ
ることが好ましく、より好ましくは2.50≧MD/D
≧1.15である。立体編物の表面の摩耗強度低下を小
さくする上からd/Dは、0.030≦d/D≦0.1
50であることが好ましく、より好ましくは0.030
≦d/D≦0.130である。MD/D<1.00ある
いはd/D>0.190の場合は、マルチ糸によるモノ
フィラメント糸の均一な被覆性が低下し、編地表面のざ
らつきと光沢によるギラツキを抑えることができない。
【0017】モノフィラメント糸の直径Dは、モノフィ
ラメント糸の繊度T0(デシテックス)、比重ρ0をもと
に、次式で計算される直径である。モノフィラメント糸
が真円でない場合も、モノフィラメント糸を真円と見な
して本式で計算する。 D(mm)=20×{T0/(ρ0×π×100000
0)}1/2 マルチ糸の見掛け直径MDは、1つの編目を形成するマ
ルチ糸のトータル繊度T1(デシテックス)、比重ρ1
もとに、次式で計算される見掛けの直径であり、1つの
編目が2種以上のマルチ糸から形成されてる場合は、2
種以上のマルチ糸のトータル繊度を合計した繊度と平均
比重により計算される。 MD(mm)=20×{T1/(ρ1×π×100000
0)}1/2
【0018】さらに、マルチ糸の単糸直径dはマルチ糸
の単糸繊度T2(デシテックス)、比重ρ1をもとに、次
式で計算される直径である。単糸が真円でない場合も真
円と見なして本式により計算する。 d(mm)=20×{T2/(ρ1×π×100000
0)}1/2 MD/D≧1.00、かつ、d/D≦0.190を満た
す編目は、少なくとも一方の編地の表面の全編目中、4
割以上あればよいが、好ましくは5割以上、より好まし
くは7割以上である。
【0019】本発明においてマルチ糸の単糸の断面形状
は丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、I型、八葉
型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空
型や不定形等、任意の形状のものを用いることができる
が、編地表面におけるモノフィラメント糸の被覆率を上
げて、ざらつき、ギラツキを抑えるためには、W型、I
型、ドッグボーン型等の扁平断面がより好ましい。本発
明の立体編物は、相対する2列の針床を有する編機で編
成することができ、ダブルラッセル編機、ダブル丸編
機、Vベッドを有する横編機等で編成できるが、寸法安
定性のよい立体編物を得るには、ダブルラッセル機を用
いるのが好ましい。編機のゲージは9〜22ゲージが好
ましく用いられる。立体編物の表裏の編地は、4角、6
角等のメッシュ編地、マーキゼット編地等複数の開口部
を有する編地にして軽量性、通気性を向上させてもよ
く、表面を平坦な組織にして肌触りを良好にしてもよ
い。表面を起毛するとより肌触りの良好なものが得られ
る。
【0020】連結糸の密度については、立体編物2.5
4cm平方の面積中にある連結糸の本数をN(本/2.
54cm平方)、連結糸のデシテックスをD(g/1×
10 6cm)、連結糸の比重をρ0(g/cm3)とした
時、立体編物2.54cm平方の面積中にある連結糸の
総断面積(N・D/1×106・ρ0)が0.05〜0.
5cm2であることが好ましく、より好ましくは0.1
〜0.3cm2である。この範囲に設定することによっ
て、立体編物がより適度な剛性による良好なクッション
性を有するものとなる。連結糸は、表裏の編地中にルー
プ状の編み目を形成してもよく、表裏編地に挿入組織状
に引っかけた構造でもよいが、少なくとも2本の連結糸
が表裏の編地を互いに逆方向に斜めに傾斜して、クロス
状(X状)やトラス状に連結することが、立体編物の形
態安定性を向上させる上で好ましい。
【0021】本発明の立体編物に用いる繊維の繊度は、
表裏の少なくとも一方の編地を構成するマルチ糸には、
通常、100〜2000デシテックスの太さのものを用
いることができ、フィラメント数は任意に設定できる。
連結糸のポリトリメチレテレフタレートモノフィラメン
ト糸は、通常、110〜1500デシテックスの太さの
ものを用いることができる。立体編物の表面のざらつき
をより一層抑え、より優れた反発感のあるクッション性
を付与する上からは、モノフィラメントの太さは200
〜1000デシテックスが好ましく、より好ましくは2
80〜900デシテックスである。
【0022】立体編物の厚み、目付は目的に応じて任意
に設定できるが、厚みは4〜30mmが好ましく用いら
れる。4mm未満であるとクッション性が低下する傾向
があり、30mmを越えると立体編物の仕上げ加工が難
しくなる。目付は200〜3000g/m2が好まし
く、より好ましくは300〜2000g/m2である。
立体編物の仕上げ加工方法は、生機を精練、染色、ヒー
トセット等の工程を通して仕上げることができるが、立
体編物の表裏及び/又は連結糸に原液着色糸を用いると
染色工程を簡略化できて好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例で具体的に
説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものでは
ない。立体編物の性能の測定方法は以下の通りである。 (1)反発感 仕上げ後の立体編物をテーブルの上に置き、立体編物を
上から指先(3本)で押さえ、反発感を官能評価により
以下の4段階で評価する。 ◎:反発感が高い ○:反発感がやや高い △:反発感が低い ×:反発感が殆どない
【0024】(2)肌触り(ざらつき感) 立体編物の表面を指先で触り、表面の肌触りを官能評価
により、以下の4段階で評価する。 ◎:ざらつき感が無く肌触りがよい ○:ざらつき感が少なく肌触りがよい △:ざらつき感がやや強く肌触りが良くない ×:ざらつき感が強く肌触りが悪い
【0025】(3)ギラツキ感 立体編物の表面を外観評価により、以下の4段階で評価
する。 ◎:ギラツキ感が殆どない ○:ギラツキ感が少ない △:ギラツキ感がやや激しい ×:ギラツキ感が激しい
【0026】
【参考例】ポリトリメチレンテレフタレート繊維の製造 実施例において使用したポリトリメチレンテレフタレー
ト繊維は、次のようにして準備した。立体編物の表裏の
編地を形成するポリトリメチレンテレフタレート繊維
は、η sp/c=0.8のポリトリメチレンテレフタレート
を紡糸温度265℃、紡糸速度1200m/分で紡糸し
て未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度60℃、ホ
ットプレート温度140℃、延伸倍率3倍、延伸速度8
00m/分で延撚して、167デシテックス/48フィ
ラメント、167デシテックス/32フィラメント、1
67デシテックス/12フィラメントの延伸糸(丸断
面)を得た。これらの原糸を(株)石川製作所製IVF
338仮撚機(商品名)にて第1ヒーター温度を170
℃に設定して仮撚加工した。これらを、2本又は3本合
糸してそれぞれ330デシテックス、500デシテック
スの原糸及び仮撚糸を得た。
【0027】連結糸に用いたポリトリメチレンテレフタ
レートモノフィラメント糸は、ηsp /c=0.8のポリト
リメチレンテレフタレートを紡糸温度270℃で紡口か
ら吐出し、15℃の冷却浴中で急冷した後、12.4m
/分で第1ロールで巻き取った。次いで、温度70℃の
ヒーター間で4倍に延伸しながら第2ロールで巻き取っ
た後、150℃でリラックス処理して、100、350
デシテックスの延伸モノフィラメント糸を得た。
【0028】得られた延伸糸の強度、伸度、弾性率及び
10%伸長時の弾性回復率は、100デシテックスのモ
ノフィラメント糸がそれぞれ3.1cN/dtex、4
5%、28.5cN/dtex及び99%であり、35
0デシテックスのものがそれぞれ3.0cN/dte
x、46%、26.1cN/dtex及び98%であっ
た。10%伸長時の弾性回復率は、試料に0.009c
N/dtexの初荷重をかけ、毎分20%の伸びの一定
割合の速度で伸ばし、伸度10%になったところで今度
は逆に同じ速度で収縮させて、応力−歪曲線を画く。こ
の曲線において、収縮中、応力が初荷重と等しい、0.
009cN/dtexにまで低下した時の残留伸度をL
として、下記式から算出した値である。 10%伸長時の弾性回復率=〔(10−L)/10〕×
100(%)
【0029】
【実施例1】6枚筬を装備した12ゲージ、釜間10m
mのダブルラッシェル機を用い、表側の編地を形成する
2枚の筬(L1、L2)から500デシテックス/14
4フィラメントのポリトリメチレテレフタレート繊維仮
撚加工糸を、裏側の編地を形成する2枚の筬(L5、L
6)から500デシテックス/96フィラメントのポリ
トリメチレテレフタレート繊維を、連結糸を形成する二
枚の筬(L3、L4)から350デシテックスのポリト
リメチレンテレフタレートモノフィラメント糸を、いず
れもガイドに1イン1アウトの配列で供給し、打ち込み
16コース/2.54cmで、以下に示す編組織で連結
糸が部分的にクロス構造(×構造)を形成する表裏メッ
シュの立体編物を編成した。この際、L1、L2の筬の
繊維は、L5、L6の筬の繊維より供給量を1割増して
立体編物を編成した。得られた立体編物を70℃で精練
後、熱セット(170℃)し、表1の物性を有する立体
編物を得た。
【0030】(編組織) L1:1011/1211/1011/1211/10
11/1222/2322/2122/2322/21
22/2322/2111/ L2:2322/2122/2322/2122/23
22/2111/1011/1211/1011/12
11/1011/1222/ L3:2121/2323/2121/4545/21
21/2323/343 4/3232/3434/1010/3434/323
2/L4:3434/3232/3434/1010/
3434/3232/2121/2323/2121/
4545/2121/2323/ L5:1110/1112/1110/1112/11
10/1112/2223/2221/2223/22
21/2223/2221/ L6:2223/2221/2223/2221/22
23/2221/1110/1112/1110/11
12/1110/1112/ 得られた立体編物は反発感のあるクッション性を有し、
表側の編地はざらつきのない良好な肌触りを示し、ギラ
ツキ感が殆どないものであった。
【0031】
【実施例2】実施例1において、表側の編地を形成する
2枚の筬(L1、L2)から500デシテックス/14
4フィラメントのポリエチレテレフタレート繊維仮撚加
工糸を供給した以外は、実施例1と同様にして、表1の
物性を有する立体編物を得た。得られた立体編物は反発
感のあるクッション性を有し、表側の編地はざらつきの
少ない良好な肌触りを示し、ギラツキ感が殆どないもの
であった。
【0032】
【実施例3】実施例1において、表側の編地を形成する
2枚の筬(L1、L2)から500デシテックス/96
フィラメントのポリトリメチレテレフタレート繊維仮撚
加工糸を供給した以外は、実施例1と同様にして、表1
の物性を有する立体編物を得た。得られた立体編物は反
発感のあるクッション性を有し、表側の編地はざらつき
の少ない良好な肌触りを示し、ギラツキ感が少ないもの
であった。
【0033】
【比較例1】実施例1において、L1、L2の筬の繊維
の供給量を、L5、L6の筬の繊維より1割減らした以
外は実施例1と同様にして、表1の物性を有する立体編
物を得た。得られた立体編物は反発感のあるクッション
性を有するものの、表側の編地はざらつき感がやや強
く、ギラツキ感もやや激しいものであった。
【0034】
【比較例2】実施例1において、表側の編地を形成する
2枚の筬(L1、L2)から330デシテックス/96
フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート繊維仮
撚加工糸を供給した以外は、実施例1と同様にして、表
1の物性を有する立体編物を得た。得られた立体編物は
反発感のあるクッション性は有するものの、表側の編地
はざらつき感がやや強く、ギラツキ感もやや激しいもの
であった。
【0035】
【比較例3】実施例1において、表側の編地を形成する
2枚の筬(L1、L2)から500デシテックス/36
フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート繊維仮
撚加工糸を供給した以外は、実施例1と同様にして、表
1の物性を有する立体編物を得た。得られた立体編物は
反発感のあるクッション性は有するものの、表側の編地
はざらつき感がやや強く、ギラツキ感もやや激しいもの
であった。
【0036】
【比較例4】実施例1において、表側の編地を形成する
2枚の筬(L1、L2)から330デシテックス/96
フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート繊維仮
撚加工糸を、連結糸を形成する二枚の筬(L3、L4)
から100デシテックスのポリトリメチレンテレフタレ
ートモノフィラメント糸を供給した以外は、実施例1と
同様にして、表1の物性を有する立体編物を得た。得ら
れた立体編物は表側の編地はざらつきのない良好な肌触
りを示し、ギラツキ感が殆どないものであったが、反発
感の低いものであった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の立体編物は反発感のあるクッシ
ョン性を有し、編地表面はモノフィラメント糸によるざ
らつきの少ない良好な肌触りを示し、かつ、モノフィラ
メント糸の光沢によるギラツキ感も少ないものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表裏二層の編地と、二層の編地を連結す
    る110デシテックス以上のポリトリメチレンテレフタ
    レートモノフィラメント糸による連結糸とから構成され
    た立体編物であって、表裏の編地の少なくとも一方の編
    地がマルチ糸で形成されており、少なくとも一方の編地
    の表面において、モノフィラメント糸の現出面積Aとマ
    ルチ糸の現出面積Bの比が(1)式で表され、同一編目
    におけるモノフィラメント糸の直径Dとマルチ糸の見掛
    け直径MDの関係が(2)式で表され、かつ、モノフィ
    ラメント糸の直径Dとマルチ糸の単糸直径dの関係が
    (3)式で表されることを特徴とする立体編物。 A/B≦0.50 (1) MD/D≧1.00 (2) d/D≦0.190 (3)
  2. 【請求項2】 マルチ糸が嵩高糸であることを特徴とす
    る請求項1に記載の立体編物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20200012908A (ko) * 2017-05-25 2020-02-05 데이진 프론티아 가부시키가이샤 다층 구조 패브릭 및 섬유 제품
WO2022202815A1 (ja) * 2021-03-24 2022-09-29 旭化成株式会社 表皮材

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