JP2006002274A - 立体編物 - Google Patents

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Abstract

【課題】クッション性と湿度移行特性に優れ、洗濯前後での編地表面の風合い変化が少ない立体編物を提供する。
【解決の手段】(1) 表裏二層の編地と該編地を連結する連結糸からなる立体編物であって、該二層編地の少なくとも片側の編地に、沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上であるセルロース系繊維を用いたことを特徴とする立体編物。(2) 少なくとも片側の編地を構成する 前記沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上であるセルロース系繊維の割合が30重量%以上であることを特徴とする立体編地。(3) 前記立体編地を用いたクッション材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、クッション性、湿度移行特性等に優れ、特に人体と長時間接触するクッション材、緩衝材、保型材等に好適な立体編物に関する。
従来からクッション材料には、ウレタン系素材や繊維綿を圧縮して固めた硬綿系素材が用いられている。ウレタンクッション材は圧縮回復耐久性に優れるが、通気性に劣り、一方、硬綿クッション材は通気性に優れるが、圧縮回復耐久性に劣るものであった。
近年、圧縮回復耐久性と通気性を兼ね揃えたクッション材として、表裏二層の編地と該編地を連結する連結糸からなる立体編物が注目されている。
この立体編物は通気性に優れるものの、人体と接触して長時間安静状態で使用される寝具や椅子などのクッション材では、空気の循環が十分に行われず、蒸れの解消効果が不十分な場合があった。
特許文献1には、立体編物の肌に接触する面にセルロース系繊維を用いて蒸れ感を抑え、快適に着用できるブラジャーカップ材が提案されている。
しかしながら、着用時に発汗量が多い場合には十分に蒸れ感を抑えることができず、また洗濯回数を増やすと表面編地の風合いが変化するという問題があった。
特開平11−200106号公報
本発明の課題は、上記技術の問題を解決し、クッション性と湿度移行特性に優れ、洗濯前後での編地表面の風合い変化が少ない立体編物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、クッション性と湿度移行特性、および立体編物に用いる繊維素材、繊維形態、立体編物の編成方法、置敷圧縮特性等について鋭意検討した結果、立体編物の表面を構成する繊維に特定のセルロール系繊維を用いることにより、上記課題を達成できることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本願で特許請求される発明は以下の通りである。
(1)表裏二層の編地と該編地を連結する連結糸からなる立体編物であって、該二層編地の少なくとも片側の編地に、沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上であるセルロース系繊維を用いたことを特徴とする立体編物。
(2)少なくとも片側の編地を構成する前記沸水処理後の伸縮伸長率(SB)の4%以上であるセルロース系繊維の割合が30重量%以上であることを特徴とする(1)に記載の立体編地。
(3)(1)または(2)に記載の立体編地を用いたクッション材。
本発明の立体編物は、クッション性、湿度移行特性に優れ、編地表面の洗濯前後の風合い変化が少ないため、特に人体と直接または間接的に長時間接触するクッション材、緩衝材、保型材として好適に用いられる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の立体編物は、表裏二層の編地と該編地を連結する連結糸により構成され、該二層の編地の少なくとも片側の編地に、沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上、好ましくは7%以上、より好ましくは10%以上、特に好ましくは50%以下であるセルロース系繊維が用いられる。
セルロース系繊維の沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%未満では、立体編物に充分な湿度移行特性、嵩高性、軽量感を付与することができない。また、沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が50%を超えると嵩高性は大きいものの、立体編物の表面に凹凸が生じ、外観や耐磨耗性(ピリング性等)が損なわれる傾向にある。また沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上のセルロース系繊維を用いることにより、連結糸としてモノフィラメントを用いた場合に編地表面に膨らみ感を付与することができ、連結糸の編地表面への飛出しを抑え、編地の肌触りや圧縮回復性を向上させることができる。
本発明に用いられるセルロース系繊維は、立体編物に優れた湿度移行特性、嵩高性、軽量感を付与する点から、沸水処理して乾燥した後の伸縮伸長率(SB)と沸水処理前の伸縮伸長率(S0 )の比(SB/S0 )が0.5以上であるのが好ましく、より好ましくは0.7〜10以下である。SB/S0 値が0.5未満では、精練や染色時の熱水処理で嵩高性が損なわれ、湿度移行特性が低下し易く、また10を超えると、嵩高性は大きくなるが、凹凸感のある立体編物表面となり、外観や耐摩耗性が損なわれる傾向にある。
また、本発明に用いられるセルロース系繊維は、湿潤処理による形態保持性を充分に発揮させる点から、後述するX線回析による算出法で求めたセルロースIV型結晶成分の混在率が20%以上であるのが好ましく、より好ましくは20〜60%である。
セルロース系繊維には、綿、麻等の天然繊維、ビスコースレーヨン、キュプラアンモニウムレーヨン、ポリノジックレーヨン、精製セルロース繊維(テンセル、リヨセル)などの人造セルロース繊維等を、単独でまたは二種以上を混用して用いることができる。これらのセルロース系繊維の沸水処理後の伸縮伸長率(SB)を4%以上とするには、例えば、特開2002−54044号公報、特開2002−327343号公報、特開2004−131890号公報に開示された公知の方法を採用することができる。
沸水処理後の伸縮伸長率(SB)4%以上のセルロース系繊維の好ましい製法例としては、セルロース系繊維を高圧水蒸気処理後に高圧熱水処理する方法が挙げられる。この方法は、セルロース系繊維が仮撚加工糸、1000T/m以上の有撚糸の場合に適用するとより効果的である。具体的な条件としては、絶対圧力0.41〜1.23MPa、温度160〜210℃、処理時間300〜1800秒が好ましい。高圧水蒸気処理は、従来公知の高圧釜装置を備えた装置で、チーズ状またはビーム状で処理できればよく、例えば特開平9−31830号公報に記載されている高圧釜等が用いられる。高圧水蒸気処理を行うに際し、あらかじめ装置内を減圧した後、処理することがチーズまたはビーム状内部まで均一に処理できるので好ましい。高圧熱水処理には、従来公知の高圧釜装置を備え、チーズ染色またはビーム染色などができる装置が用いられる。熱水処理は縦型処理機の使用が好ましく、あらかじめ処理糸を装着し、その中に水を投入したのち、染色ビームの内側から、外側に向かって液循環させながら、所定の処理が行われる。
高圧水蒸気処理、高圧熱水処理は、巻密度0.30〜0.45g/cm3 にしたチーズ形態で処理することが好ましい。
また、他の好ましい製法例として、セルロース系繊維のフィラメント糸を仮撚加工するに際し、仮撚加工前の供給糸に水分を付与し、加撚時にヒーター温度180℃以上の高温で処理をする方法が挙げられる。付与する水分には、浸透剤等の界面活性剤や、目的に応じて各種の機能を付与するための加工剤を添加してもよい。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルフェニルエーテル系活性剤等の非イオン系活性剤や、ジアルキルサクシネート、ジオクチルスルホサクシネートなどのアニオン系活性剤等を用いることができる。添加剤の使用量は0.1〜20g/Lが好ましくは、より好ましくは0.5〜10g/Lである。また、水と共にグリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピリングリコール等のポリアルキレングリコールなどを付与することにより、仮撚加工糸の強度低下を防止することができる。付与する水分の温度は、常温でも温湯でもよいが、15〜25℃が好ましい。
水分の付与は、仮撚加工する前、すなわちクリール仕掛けをする前に別工程で付与してもよく、また仮撚加工工程での第1ヒーター前でもよい。また、セルロース系繊維のフィラメント原糸製造工程における乾燥工程に仮撚機構を組み入れ、一次乾燥時に仮撚工程を組み入れて製造してもよい。水分を付与する方法は、供給糸を水中に走行させる浸漬法、水をノズルから噴出させて付与するノズル法、水で濡れたローラー表面に糸を接触させる単純ローラー法、また、ローラーの前で糸を水に浸漬させるデイップローラー法、走行中の糸に水をシャワーする噴霧法等のいずれの方法でもよい。付与する水分量は、第1ヒーターに入る前の供給糸の絶乾水分率を20〜130%にするのが好ましく、より好ましくは30〜100%である。
仮撚加工温度は、例えば、加工速度60〜100m/分、接触式ヒーターゾーンの通過時間が0.69〜1.15秒の場合、第1ヒーター温度は180〜260℃が好ましく、より好ましくは220〜260℃である。また、第1ヒーター通過直後の糸の絶乾水分率は0〜15%が好ましく、特に5〜12%が好ましい。また、第2ヒーターを使用した2ヒーター仮撚加工糸にしてもよい。
仮撚加工は、ピン、ニップベルト、ディスク等によって撚をかける仮撚方式により加工することが好ましく、均一な捲縮を得るためにはピン仮撚方式がより好ましい。仮撚数は下記式により求められる値とするのが好ましい。なお、式中、Dは供給糸の繊度(dtex)を表す。
仮撚数=(24000/D1/2+590)×(0.6〜1.1)
また、第1フィード率は−3〜10%、テイクアップ(TU)フィード率は1〜8%、加撚張力は0.05〜0.29cN/dtex、解撚張力は、(加撚張力)×(3.0〜8.0)倍とするのが好ましい。
仮撚加工に供給するセルロース系繊維のフィラメント糸は、無撚糸でも甘撚糸でもインターレース交絡した糸でもよく、また、ポリエステル系繊維に代表される合成繊維とのインターレース交絡等による複合糸でもよい。
セルロース系繊維の形態は、長繊維でも短繊維でもよく、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、断面においても丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平(扁平度1.3〜4程度のもので、W型、I型、ブ−メラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型等がある)、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
また糸条の形態には制約はなく、リング紡績糸、オープンエンド紡績糸、エアジェット精紡糸等の紡績糸、マルチフィラメント原糸、甘撚糸〜強撚糸、仮撚加工糸、空気噴射加工糸、押し込み加工糸、ニットデニット加工糸等が用いられる。
本発明において、表裏二層の少なくとも片側の編地に占める上記沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上であるセルロース系繊維の割合は30重量%以上が好ましい。より好ましくは50重量%以上、特に好ましくは80重量%以上であり、編地の100重量%が該セルロース系繊維であってもよい。編地中の該セルロース系繊維の割合が高いほど、湿度移行特性に優れ、編地表面の洗濯前後の風合い変化を少なくできる。なお、少なくとも片側の編地に占める該セルロース系繊維の割合は、立体編地の連結糸を中央部でカットし、該編地にあるカットされた連結糸を取り除いた重量より算出する。
また、上記した沸水処理後の伸縮伸長率(SB)4%以上のセルロース系繊維は、本発明の目的を損なわない範囲(通常50重量%以下)で、他の天然または合成繊維、例えば、沸水処理後の伸縮伸長率(SB)4%未満のセルロース系繊維、羊毛、絹等の天然繊維、アセテート(ジ、トリ)、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66等ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、ポリウレタン系等の弾性繊維などの各種人造繊維と混用してもよい。混用する手段としては、共重合タイプや、同種または異種ポリマー使いの複合繊維(サイドバイサイド型、偏芯鞘芯型等)等の合成繊維の一種または二種以上を混紡(混綿、フリース混紡、スライバー混紡、コアヤーン、サイロスパン、サイロフィル、ホロースピンドル等)、混繊(沸水収縮率3〜10%程度の低収縮糸、沸水収縮率15〜30%程度の高収縮糸さらには異収縮混繊糸との混繊を含む)、交撚、諸撚糸、意匠撚糸、カバリング(シングル、ダブル)、複合仮撚(同時仮撚、先撚仮撚(先撚同方向仮撚や先撚異方向仮撚)、位相差仮撚、仮撚加工後に後混繊)、2フィード(同時フィードやフィード差をつけた)空気噴射加工等の手段等が挙げられる。
また、本発明の立体編物の表裏二層の編地に用いる上記セルロース系繊維以外の繊維には、特に限定はなく、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエステル系エラストマー繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維、綿、麻、ウール等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン、リヨセル等の再生繊維、その他、任意の繊維を用いることができる。繊維の断面形状も、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。繊維の形態も、未加工糸、紡績糸、撚糸、仮撚加工糸、流体噴射加工糸等いずれのものを採用してもよい。
また表裏の編地に用いる繊維には、通常、マルチフィラメント糸が用いられ、通常、50〜2000dtexの太さのものを用いることができ、単糸繊度も任意に設定することができる。
本発明の立体編物には、表裏二層の編地を連結する連結糸が用いられる。
立体編物をダブルラッセル編機、ダブル丸編機、横編機等を用いて編成する場合、表裏の編地を連結する連結糸は、必ずどちらかの方向に湾曲した状態で編み込まれる。その連結糸に、厚み方向から力を加えると、既に湾曲している状態からさらに湾曲し、力を取り除くと元の状態に戻る。この際に生じる連結糸の曲げと回復の挙動が立体編物の反発感のあるクッション性に大きく影響するため、連結糸には曲げ剛性の高いモノフィラメントを用いることが好ましい。従って、本発明の立体編物の連結糸は全てモノフィラメントであることが好ましいが、必要に応じて、モノフィラメント以外の繊維を編成時に交編させてもよい。その場合のモノフィラメント以外の繊維は、連結糸における重量混率が50%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下である。例えば、マルチフィラメントの仮撚糸を交編すると、圧縮時にモノフィラメントどうしが擦れて発生する耳障りな音を低減できるので好ましい。
連結糸にモノフィラメントが用いられる場合、表裏二層の少なくとも片側の編地を構成する繊維としてSBが4%以上のセルロース系繊維を用いることで、表編地の膨らみ感が得られると共に連結糸の表編地面への飛出しが抑えられる。SBが4%未満のセルロース繊維では、繰り返し洗濯や圧縮により、編地表面に連結糸が飛出す場合があり、表面の肌触りや圧縮回復性が低下し易い。
本発明の立体編物において、少なくとも片側の編地をSB4%以上のセルロース系繊維80重量%以上で構成し、連結糸にモノフィラメントを用いる場合、モノフィラメント糸によるざらつき感と光沢によるギラツキを抑える点から、該編地表面におけるモノフィラメント糸の現出面積Aと、該編地表面を構成するSB4%のセルロース繊維を含む全てのマルチ糸(以下、マルチ糸という)の現出面積Bとの比が、A/B≦0.15であることが好ましい。より好ましくは0≦A/B≦0.10、さらに好ましくは0≦A/B≦0.05で、0に近いほど好ましい。
該表面編地のモノフィラメント糸の現出面積Aとマルチ糸の現出面積Bの比(A/B)は、表側編地の単位面積中に見えるそれぞれの糸の面積比を意味し、以下の方法により測定することができる。
立体編物の1cm角の表側編地の拡大写真(5〜50倍)を直角方向から撮影し、写真をイメージスキャーナーでコンピューターに読み込み、高精細画像解析システムIP1000PC(商品名、旭化成社製)の画像解析ソフトを用いて表側編地に見えるモノフィラメント糸とマルチ糸の面積をそれぞれ領域指定し、領域指定したそれぞれの面積比を画素数の比で計算する。
A/B>0.15の場合は、表面のギラツキとざらつきを抑えることができない場合がある。特に開孔率の小さい緻密な編組織は、メッシュ等の開孔率の高い編組織に比べモノフィラメント糸のギラツキが目立ち易いため、A/B比はメッシュ組織の場合より小さく抑えるのが好ましい。
A/B≦0.15とするには、モノフィラメント糸の繊度に比較し、マルチ糸の繊度を大とする、モノフィラメント糸の給糸張力をマルチ糸の給糸張力より大にする、マルチ糸の給糸を通常のフィード率よりオーバーフィード側で給糸する、マルチ糸のフィラメント数を増やす、モノフィラメント糸とマルチ糸の針に対するオーバーラップ方向を少なくとも同一方向で給糸するなどの方法により編成する。マルチ糸のオーバーラップ方向がモノフィラメント糸と同一であり、かつ逆方向からもう一本のマルチ糸をオーバーラップさせるとより好ましい。
立体編物の表側の編目を形成するモノフィラメント糸を、広く均等にマルチ糸で覆い、編地表面のざらつき感とギラツキを抑えるためには、A/B≦0.15を満たす表側編地の、同一編目におけるマルチ糸の総繊度D(デシテックス)と、連結糸の繊度d(デシテックス)の関係がD/dの値が1.1以上であることが好ましく、より好ましくは1.5〜15.0である。
D/d<1.1の場合は、マルチ糸によるモノフィラメント糸の均一な被覆性が低下し、編地表面のざらつき感と光沢によるギラツキを抑えることができず、さらには表面の滑らかな肌触りも得られない場合がある。
連結糸に用いるモノフィラメントには、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル系エラストマー繊維等、任意の素材の繊維を用いることができるが、これらのうち、特にポリトリメチレンテレフタレート繊維の使用が、弾力感のあるクッション性が得られ、繰り返しまたは長時間圧縮後のクッション性の耐久性が良好となる点から、好ましい。
連結糸に用いるモノフィラメントの繊度には特に限定されないが、通常、20〜1500dtexの範囲で選定され、立体編物に弾力感のあるより優れたクッション性を付与する点からは、モノフィラメントの太さは50〜1000dtexが好ましく、より好ましくは100〜800dtexである。
本発明において好ましく用いられるポリトリメチレンテレフタレート繊維は、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維であり、トリメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上好ましくは70モル%以上、さらには80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上のものをいう。従って、第三成分として他の酸成分および/またはグリコール成分の合計量が、約50モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらには20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタレートを包含する。
ポリトリメチレンテレフタレート繊維の好ましい特性としては、強度は2〜5cN/dtex、好ましくは2.5〜4.5cN/dtex、さらには3〜4.5cN/dtexが好ましい。伸度は30〜60%、好ましくは35〜55%、さらには40〜55%が好ましい。弾性率は30cN/dtex以下、好ましくは10〜30cN/dtex、さらには12〜28cN/dtex、特に15〜25cN/dtexが好ましい。10%伸長時の弾性回復率は70%以上、好ましくは80%以上、さらには90%以上、最も好ましくは95%以上である。
ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはその機能的誘導体と、トリメチレングリコールまたはその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に結合せしめることにより合成される。この合成過程において、適当な一種または二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、また、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステル、ナイロンとポリトリメチレンテレフタレートを別個に合成した後、ブレンドしたり、複合紡糸(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよい。
複合紡糸に関しては、特公昭43−19108号公報、特開平11−189923号公報、特開2000−239927号公報、特開2000−256918号公報等に例示されるような、第一成分がポリトリメチレンテレフタレートであり、第二成分がポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロンを並列的あるいは偏芯的に配置したサイドバイサイド型または偏芯シースコア型に複合紡糸したものが挙げられる。特にポリトリメチレンテレフタレートと共重合ポリトリメチレンテレフタレートの組み合わせや、極限粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートの組み合わせが好ましく、特に、特開2000−239927号公報に例示されるような極限粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを用い、低粘度側が高粘度側を包み込むように接合面形状が湾曲しているサイドバイサイド型に複合紡糸したものが、高度のストレッチ性と嵩高性を兼備するものであり特に好ましい。
添加する第三成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキシ安息香酸等)等が用いられる。また、1個または3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等またはグリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使用できる。
さらに二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。
ポリトリメチレンテレフタレート繊維の紡糸法については、国際公開第99/27168号パンフレットに記載されており、例えば、1500m/分程度の巻取り速度で未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延撚する方法、紡糸−延撚工程を直結した直延法(スピンドロー法)、巻取り速度5000m/分以上の高速紡糸法(スピンテイクアップ法)のいずれを採用してもよい。
また、ポリトリメチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントは、例えば、国際公開第01/75200号パンフレットに記載された方法により製造することができる。すなわち、ポリトリメチレンテレフタレートを紡口から吐出し、冷却浴中で急冷した後第1ロールで巻き取り、次いで、温水中または乾熱雰囲気下で延伸しながら第2ロールで巻き取った後、乾熱雰囲気下または湿熱雰囲気下において、オーバーフィードでリラックス処理し、第3ロールで巻き取る方法等で製造することができる。
繊維の形態は、長繊維でも短繊維でもよく、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよい。断面においては丸型が立体編物のクッション性の耐久性を向上させる上で好ましい。
本発明の立体編物は、相対する2列の針床を有するダブルラッセル編機、ダブル丸編機、Vベッドを有する横編機等で編成できるが、寸法安定性のよい立体編物を得るには、ダブルラッセル編機を用いるのが好ましい。編機のゲージは9ゲージから28ゲージまでが好ましく用いられる。
立体編物の表裏の編地は、4角、6角等のメッシュ編地、マーキゼット編地等、複数の開口部を有する編地として軽量性と通気性を向上させてもよく、また表面を平坦な組織として肌触りを良好なものとしてもよく、表面を起毛することにより肌触りのさらに良好なものが得られる。
連結糸は、表裏の編地中にループ状の編目を形成してもよく、表裏編地に挿入組織状に引っかけた構造でもよいが、少なくとも2本の連結糸が表裏の編地を互いに逆方向に斜めに傾斜してクロス状(X状)やトラス状に連結することが、立体編物の形態安定性を向上させる上で好ましい。
立体編物の目付は用途や要求されるクッション性能にあわせて応じて任意に設定できるが、好ましくは150〜3000g/m2 、より好ましくは200〜2000g/m2 である。
立体編物の厚みは、優れたクッション性を得る点からは2mm以上であるのが好ましく、また立体編地の生産性を考慮すると30mm以下が好ましい。ここで、クッション性とは、厚み方向への適度な変形があり、かつ、変形後に元の厚みに戻ることをいう。
さらに立体編物の圧縮後の回復率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。回復率が80%未満では回復が不十分となり、クッション材としての性能が不足する場合がある。
本発明の立体編物の仕上げ加工方法としては、生機を精練、染色、ヒートセット等の工程を通して仕上げることができるが、先染め糸や原液着色糸を使用した立体編物や用途として意匠性が要求されない場合は、精練や染色工程を省いて生機をすぐにヒートセットのみで仕上げることも可能である。また、仕上げセット時には本発明の目的を損なわなければ、通常、繊維加工に用いられている樹脂加工、吸水加工、制電加工、抗菌加工、撥水加工、難燃加工などの仕上げ加工が適用できる。
仕上げ加工後の立体編物は、融着、縫製、樹脂加工等の手段で端部を処理したり、熱成形等により所望の形状に加工して、ベッドパッド等の寝具や座席シートのクッション材や表面材等の各種用途に用いることができる。
本発明の立体編物をクッション材として使用する場合、本発明の立体編物のみで構成してもよいが、他のクッション材である本発明以外の立体編物やポリウレタン等と積層してもよい。特に、寝具(マットやパッド)に用いる場合は、ポリウレタンフォームマット、ポリエステル固綿マット、エアマット、超柔軟合成ゴムマット、各種流動性ゲルマット、シリコーン系ゲルシートを積層したポリウレタンフォームマット、ラテックスマット等の単体またはそのさまざまな組合せの積層体であってもよい。
また、本発明の立体編物表面は、人体と接触することが効果的であるが、本発明の効果が達成できれば、立体編物の表面に綿やウール等の布帛を積層して使用してもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の物性の測定等は下記の方法で行った。
1)伸縮伸長率(%):
沸水処理前の伸縮伸長率(S0 )は、試料を20℃、65%RHの恒温恒湿の室内に約1週間放置した後、検尺機にて2cN/糸以下の張力で解舒して綛を作り、1昼夜リラックスさせた状態で調湿し、JIS−L−1090伸縮性試験法(A法)に準じて測定を行い、5回の平均値で算出した。
沸水処理後の伸縮伸長率(SB)は、沸水処理前と同様に検尺機にて作った綛を1昼夜リラックスさせた後、綛の状態でガーゼに包み、JIS−L−1013フィラメント収縮率(B法)に準じて、沸騰水中に30分間浸漬させた後、綛を取り出して手で挟んで軽く水を切り、ガーゼを外した後、吊り干しの状態で20℃、65%RHの標準状態の室内にて乾燥および調湿した後にJIS−L−1090伸縮性試験法(A法)に準じて測定を行い、5回の平均値で算出した。
2)セルロースIV型結晶成分の混在比率:
X線回析装置(Rigaku−RINT2000広角ゴニオメーター)を使用し、X線源CuK−ALPHAI/40kv/200mA、発散スリット1deg、散乱スリット1deg、受光スリット0.15mm、スキャンスピード2°/min、スキャンステップ0.02°、走査軸2θ/θ、走査範囲5°〜45°の条件にて強度分布を作成し、分布図よりセルロースIV型結晶成分の混在比率を下記式より算出した。
セルロースIV型の混在比率(%)=
{(16°ピークの面積)/[(16°ピークの面積) + (12°ピークの面積)]}×100
3)絶乾水分率:
ケット科学研究所製の赤外線水分計(FD−240)を用いて測定した。絶乾水分率は、設定温度90℃で、水分率変化が1分間当たり0.1%以内となる時間を恒量時とし、この時の質量を絶乾質量値とし、下記の式にて求めた。
絶乾水分率(%)={(湿潤質量−絶乾質量)/絶乾質量}×100
4)固有粘度[η]: 固有粘度(dl/g)は、次式の定義に基づいて求められる値である。
[η]=Lim(ηr−1)/C
C→0
定義中のηrは純度98%以上の0−クロロフェノール溶媒で溶解したポリマーの稀釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶媒の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されているものである。Cはg/100mlで表されるポリマー濃度である。
5)編地厚み:JIS−L−1018の厚みの測定方法に準拠して測定した。
6)強伸度特性:
東洋ボールドウィン社製のテンシロンを用い、試料長20cm、引張速度20cm/分の条件で、引張強度(cN/dtex)、伸度(%)、初期弾性率(cN/dtex)を測定した。
7)弾性回復率:
繊維を、チャック間距離20cmに0.0294cN/dtexの初荷重をかけて引張試験機に取り付け、伸長率10%まで引っ張り速度20cm/分で伸長し、1分間放置した。その後、再び同じ速度で収縮させ、応力−歪み曲線を描く。収縮中、応力がゼロになった時の伸度を残留伸度(A)とする。弾性回復率は下記の式に従って求めた。
10%伸長時の弾性回復率(%)={(10−A)/10}×100
8)圧縮回復性:
圧縮回復率は立体編物の厚み(Amm)が半分(A/2mm)になるように荷重を加えて5分間放置し、除重して10分後の厚み(Bmm)を測定し、下記式により算出する。
圧縮回復率(%)=(B/A)×100
9)湿度移行特性:
25±1℃×65±5%RHの環境下でパラマウントベッド社製のパラケアマッ
トレスの上に、実施例および比較例にて作成した立体編物を敷き、綿100%のパジャマを着用した男性を仰臥位にて60分間覚醒状態で安静してもらい、以下の通り快適性を数値化し、5人の平均点で評価した。なお、試験中は良品計画社製の綿パイルタオルケットを首から足先まで掛けて行った。
3点:蒸れ感がなく、快適である。
2点:蒸れ感は殆ど感じないが、やや暑さを感じてやや不快である。
1点:蒸れ感があり、暑さを感じ、不快である。
10)風合い変化:
実施例および比較例にて作製した立体編物をJIS−L−0217製品の洗濯試験方法(家庭用洗濯機法103法)に準拠して洗濯を10回繰り返し、繊維加工技術に従事する10名により表編地表面の風合い変化を洗濯前後で官能評価した。なお、風合い変化の判定は以下の通りとした。
〇:8名以上が洗濯前後の風合い変化が殆どないと評価
△:5〜7名が洗濯前後の風合い変化が殆どないと評価
×:5名以上が洗濯前後の風合い変化があると評価
<セルロース系繊維の製法>
実施例1、2および比較例1、2で用いたセルロース系繊維を製造例1〜4の方法で製造した。
(製造例1)
84dtex/45fキュプラアンモニウムレーヨン糸(旭化成せんい社製、登録商標ベンベルグ:引張強さ23.2cN/tex、引張り伸度8.9%、沸水収縮率4.3%)を用い、ピン仮撚機を用いて、仮撚温度200℃、フィード率1%、仮撚数1500T/mで仮撚加工を行った。続いて、該仮撚糸を染色ボビンに巻き密度0.30g/cm3 で巻き上げ、スペーサーで固定し、縦型高圧釜にセットした。
続いて、減圧した後、圧力0.97MPaで180℃で5分間高圧スチーム処理した。次に水を投入し、加圧により脱泡した後、染色ボビンの内側から外側に向けて、液循環させながら、圧力0.97MPaで180℃で10分間高圧熱水処理し、加圧脱水後、80℃で60分間乾燥した。得られた仮撚加工糸は、SB=11.5%、(SB/S0 )=1.10、セルロースIV型の混在比率24%であった。
(製造例2)
84dtex/45fキュプラアンモニウムレーヨンフィラメント(旭化成せんい社製、登録商標ベンベルグ:引張強さ23.0cN/tex、引張り伸度9.1%、沸水収縮率4.5%)を用い、仮撚加工機(石川製作所製、IVF−338:加撚機構はピン方式、接触式ヒーター、ヒーター長115cm)の条件を、加工速度100m/分、加熱時間0.69秒、スピンドル回転数230000rpm,仮撚数2300T/m(Z撚)、第1フィード率0%、TUフィード率4%に設定した。
クリールから供給された糸に2.9cN/糸の張力を掛け、第1ヒーター前にて水中を走行させる浸漬法で水分を付与した後、鋭角のセラミック板に接触させ、さらに、エアーサクションを用いて付着水を除去して絶乾水分率を40%とした後、第1ヒーター温度250℃で仮撚加工した。
得られた仮撚加工糸は、SB=21.0%、(SB/S0 )=2.53、セルロースIV型の混在比率58.8%であった。
(製造例3)
製造例1において、高圧熱水処理をしなかった以外は製造例1と同様に処理した。
得られた仮撚加工糸は、SB=2.9%、(SB/S0 )=0.42、セルロースIV型の混在比率0%であった。
(製造例4)
製造例2において、水分を付与しなかった以外は製造例2と同様に仮撚加工した。
得られた仮撚加工糸は、SB=2.5%、(SB/S0 )=0.48、セルロースIV型の混在比率0%であった。
<ポリトリメチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントの製造>
(製造例5)
固有粘度[η]=0.9のポリトリメチレンテレフタレートを紡糸温度265℃で紡口から吐出し、40℃の冷却浴中に導いて冷却しつつ16.0m/分の速度の第1ロール群で引張り細化して未延伸モノフィラメントを製造した。次いで、温度55℃の延伸浴中で5倍に延伸しながら80.0m/分の第2ロール群によって引張った。その後、120℃のスチーム浴中で弛緩熱処理を施しながら、72.0m/分の第3ロール群を経た後、第3ロール群と同速の巻取機で巻き取り、167dtexの延伸モノフィラメントを製造した。得られた延伸糸の強度、伸度、弾性率および10%伸長時の弾性回復率は、各々2.7cN/dtex、4.9%、27cN/dtexおよび98%であった。
[実施例1]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間10mmのダブルラッシェル機を用い、編機前面に位置する二枚の筬(L1 、L2 )に表編地用糸として、製造例1で得た糸を2本引き揃えた167dtex/90fキュプラアンモニウムレーヨン糸を、ガイドにオールインの配列で供給し、中間に位置する二枚の筬(L3 、L4 )に連結糸として製造例5の167dtexのポリトリメチレンテレフタレート繊維モノフィラメント糸を、ガイドに1イン1アウトの配列で供給し、編機背面に位置する二枚の筬(L5 、L6 )に裏編地用糸として167dtex/48fのポリエステルマルチフィラメント糸(旭化成せんい社製ポリエステル)を、ガイドに3イン1アウトの配列で供給し、打ち込み20コース/インチで、以下に示す編組織の立体編物を得た。この立体編物を75℃で精練後、幅出し熱セット(160℃)し、24コース/2.54cm、18ウエル/2.54cmの立体編物を得た。得られた立体編物の物性を表1に示したが、クッション性、湿度移行特性に優れたものであり、表編地表面へのモノフィラメントの現出は殆どなく、肌触りも非常に良好であった。また、洗濯前後の風合い変化も殆どないものであった。
(編組織)
1 :1211/1011/1211/1011/1211/1011/
1211/1011/1211/1011/
2 :1011/2322/1011/2322/1011/2322/
1011/2322/
3 :2110/1223/2110/1223/2110/1223/
2110/1223/
4 :1223/2110/1223/2110/1223/2110/
1223/2110/
5 :2243/3323/3343/3323/2201/1121/
1101/1121/
6 :2201/1121/1101/1121/2243/3323/
3343/3323/
[実施例2]
実施例1において、製造例1で得た糸の代わりに製造例2で得た糸を用いた以外は実施例1と同様に行って立体編地を得た。得られた立体編物の物性を表1に示したが、クッション性、湿度移行特性に優れたものであり、表編地表面へのモノフィラメントの現出は殆どなく、肌触りも非常に良好であった。また洗濯前後の風合い変化も殆どないものであった。
[比較例1]
実施例1において、製造例1の糸の代わりに製造例3の糸を用いた以外は実施例1と同様に行って立体編地を得た。得られた立体編物の物性を表1に示したが、湿度移行特性に劣り、表編地表面へのモノフィラメントの現出が若干見られ、肌触りがやや劣るものであった。また、洗濯前後の風合い変化も大きいものであった。
[比較例2]
実施例1において、製造例1の糸の代わりに製造例4の糸を用いた以外は実施例1と同様に行って立体編地を得た。得られた立体編物の物性を表1に示したが、湿度移行特性に劣り、表編地表面へのモノフィラメントの現出が若干見られ、肌触りがやや劣るものであった。また、洗濯前後の風合い変化も大きいものであった。
[比較例3]
実施例1において、製造例1の糸を2本引き揃えたものの代わりに167dtex/48fのポリエステルマルチフィラメント仮撚糸(旭化成せんい社製 ポリエステル)を用い、さらに製造例5の糸の代わりに167dtexのポリエチレンテレフタレートモノフィラメント糸(旭化成せんい社製)を用いた以外は実施例1と同様に行って立体編地を得た。得られた立体編物の物性を表1に示したが、湿度移行特性、クッション性がやや劣るものであった。
本発明の立体編物は、肩パット、レガーズのクッション材、サポーターのクッション材、保温衣料等のライニング材、ヘルメットの内張り、人体保護パッド等、人体に接触するクッション材、緩衝材、保型材等の用途に好適に用いることができる。さらには自動車、鉄道車両、航空機、チャイルドシート、ベビーカー等の乗り物座席シート用クッション材および家具、事務用等の座席シート用クッション材にも用いることができる。

Claims (3)

  1. 表裏二層の編地と該編地を連結する連結糸からなる立体編物であって、該二層編地の少なくとも片側の編地に、沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上であるセルロース系繊維を用いたことを特徴とする立体編物。
  2. 少なくとも片側の編地を構成する前記沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上であるセルロース系繊維の割合が30重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の立体編地。
  3. 請求項1または2に記載の立体編地を用いたクッション材。
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