JP2014128359A - シートクッションパッド - Google Patents

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Hiroshi Yamada
洋 山田
Manabu Mogi
学 茂木
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Abstract

【課題】低荷重域におけるソフト感をもたせつつ、高荷重域における剛性感を発揮して、カーブ時やレーンチェンジ時における横揺れやぐらつきを低減する。
【解決手段】着座時に乗員の臀部から大腿部にかけての部位を受け止めるセンターサポート部12と、その左右両側において上方に隆起状に設けられたサイドサポート部14とからなり、モールド50内で発泡成形されたウレタン発泡成形体11からなるシートクッションパッド10において、センターサポート部12内における乗員の臀部を受け止め支持する尻下部16の左右両側部に、ウレタン発泡成形体11よりも低硬度でありかつ線状体により形成された三次元網目構造体(例えば、固綿)からなるクッション体26を埋設し、該クッション体26におけるウレタン発泡成形体11との界面部分に当該ウレタン発泡成形体の含浸層38を前記発泡成形により設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車や鉄道などの車両用シート、その他の座部に用いられるシートクッションパッドに関するものである。
車両走行時に振動を受ける車両用シートには、乗員への振動の伝達を軽減し、乗り心地を良好に保つべく、軟質ポリウレタンフォームなどのウレタン発泡成形体からなるクッションパッドが用いられている。ウレタン発泡成形体からなるシートクッションパッドは、一般的に発泡原料を成形型(モールド)内の発泡成形空間に注入して発泡成形することにより製造され、このようにして製造されたシートクッションパッドの表面をファブリック等の表皮で覆った上で自動車等の車両に取り付けて使用される。
この種のシートクッションパッドとしては、着座時に適度なクッション性および身体の安定性をバランスさせて快適な座り心地、乗り心地が得られるが要求される。また、同時に、自動車のカーブ時やレーンチェンジ時などにおいて、着座者の身体が左右方向に揺れ動く横揺れやぐらつきを低減することが要求される。
特許文献1には、乗り心地を損なわずにぐらつきを抑制するために、シートクッションパッドの左右の縁に沿って前後方向に延びるように、発泡ポリスチレン等からなる硬質部材をウレタン発泡成形時のインサート成形により埋め込んでおくことが提案されている。しかしながら、発泡ポリスチレンの硬質部材では、パッド本体のウレタン発泡成形時にウレタン原料がほとんど浸み込まず、含浸層は形成されない。また、かかる硬質部材は、その内部を含めた全体がウレタン発泡成形体からなるパッド本体よりも硬いので、シートクッションパッドへの低荷重域における荷重時にソフト感が損なわれてしまう。
特許文献2には、サイドサポート部からセンターサポート部に跨がるように、パッド本体を構成するウレタン発泡成形体からなる「第1の発泡体」よりも、硬度などの構造的強度が低い「第2の発泡体」を配置することが提案されている。また、第2の発泡体を、第1の発泡体の発泡成形時のインサート成形により埋め込むことで、第1の発泡体と第2の発泡体の間に含浸層を設けて剛性領域を形成することも開示されている。しかしながら、この第2の発泡体は、あくまでポリウレタンからなる三次元網目構造体であり、そのため、その硬さによりシートクッションパッドへの低荷重域での荷重時におけるソフト感に欠ける。また、通気性も十分に高いとはいえないので、インサート成形時における含浸量も少なく、よって、シートクッションパッドへの高荷重域での荷重時における剛性感に欠ける。
特開2010−284249号公報 特開2006−130006号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、低荷重域におけるソフト感をもたせつつ、高荷重域における剛性感を発揮して、カーブ時やレーンチェンジ時における横揺れやぐらつきを低減することができるシートクッションパッドを提供することを目的とする。
本発明にかかるシートクッションパッドは、着座時に乗員の臀部から大腿部にかけての部位を受け止めるセンターサポート部と、前記センターサポート部の左右両側において上方に隆起状に設けられたサイドサポート部とからなり、モールド内で発泡成形されたウレタン発泡成形体からなるシートクッションパッドであって、前記センターサポート部内における乗員の臀部を受け止め支持する尻下部の左右両側部に、前記ウレタン発泡成形体よりも低硬度でありかつ線状体により形成された三次元網目構造体からなるクッション体が埋設され、前記クッション体における前記ウレタン発泡成形体との界面部分に当該ウレタン発泡成形体の含浸層が前記発泡成形により設けられたものである。
本発明によれば、センターサポート部における尻下部の左右両側部に線状体により形成された三次元網目構造体からなるクッション体を埋設したので、車両のカーブ時やレーンチェンジ時における横揺れやぐらつきを低減することができる。すなわち、線状体により形成された三次元網目構造体は単品としては低硬度であっても、その高い通気度により、ウレタン発泡成形体の発泡成形時にウレタンの含浸量が多く、クッション体表面に含浸層が形成されるため、高荷重域における剛性感を強くすることができる。そのため、上記横揺れやぐらつきを低減することができる。その一方で、該クッション体は内部の硬度が低いため、低荷重域では撓み量が多く、ソフト感をもたせることができる。
実施形態に係るシートパッドの平面図である。 該シートパッドの断面図(図1のII−II線断面図)である。 該シートパッドの断面図(図1のIII−III線断面図)である。 該シートパッドの発泡成形時におけるモールドの断面図である。 該シートパッドについての乗員着座時の状態を示す断面図である。 実施例の硬度測定の際に加圧する円盤の位置を示すシートパッドの平面図である。 実施例の硬度測定結果として、撓みと反力の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜5に基づいて一実施形態に係るシートクッションパッド10について説明する。このシートクッションパッド10は、自動車シートにおいて、着座者である乗員の臀部を支持するためのシートクッションに用いられるパッドであり、軟質ポリウレタンフォームなどの弾力性を持つウレタン発泡成形体11からなる。
図1〜3に示すように、シートクッションパッド10は、着座時に乗員の臀部から大腿部にかけての部位を受け止める左右方向中央部のセンターサポート部12と、その左右両側において上方に隆起状に形成されて乗員の臀部及び大腿部を左右から支え着座姿勢を保持するためのサイドサポート部14,14とからなる。センターサポート部12は、更に、乗員の主として臀部を受け止め支持する後側の尻下部16と、乗員の主として大腿部を受け止め支持する前側の腿下部18とを有して構成されている。
パッド表面、即ちシートクッションパッド10の上面には、当該パッド表面を覆う表皮材(不図示)を係止するため、前後方向Xに延びる左右一対の縦吊込み溝20,20と、その前後方向中央部において左右方向Yに延びる横吊込み溝22とが設けられている。そして、一対の縦吊込み溝20,20よりも左右方向外側が上記サイドサポート部14,14となり、その間、即ち縦吊込み溝20よりも左右方向内側がセンターサポート部12となっている。また、横吊込み溝22の後側が尻下部16となり、前側が腿下部18となっている。
図2に示すように、上記吊込み溝20,22の下方には、表皮材を吊り込み係止するための吊込みワイヤー24が、各溝20,22の長手方向に沿って埋設されている。図示しないが、ワイヤー24は、表皮材を係止するために長手方向の複数箇所でパッド表面側に露出している。
図1〜3に示すように、センターサポート部12内における尻下部16の左右両側部には、パッド本体を構成するウレタン発泡成形体11よりも低硬度の固綿よりなるクッション体26が埋設されている。すなわち、固綿クッション体26は、センターサポート部12の尻下部16において、左右方向Yの両端部に配されている。
固綿は、繊維材よりなる三次元網目構造体であり、硬綿とも称される。より詳細には、固綿は、繊維を熱融着や樹脂固着などにより固めて成形することにより得られ、例えば、ポリエステル繊維などの熱可塑性樹脂よりなる合成繊維を素材とし、比較的高融点の繊維と低融点の繊維を混ぜ合わせ、低融点繊維をバインダーとして成形一体化して固めることにより得られる。このようにして得られる固綿は、ウレタン発泡成形体11やスラブウレタンなどの軟質ポリウレタンフォームに比べて、硬度が低くかつ通気性が高い。
なお、クッション体26としては、ウレタン発泡成形体11よりも低硬度でありかつ線状体により形成された三次元網目構造体であれば、固綿には限定されない。かかる線状体により形成された三次元網目構造体としては、固綿の他に、例えば、三次元ランダムループ接合構造体が挙げられる。三次元ランダムループ接合構造体は、熱可塑性弾性樹脂からなる連続線状体を曲がりくねらせてランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接着せしめて、接触部の大部分を融着させてなるものであり、例えば、東洋紡績株式会社製の「ブレスエアー」を用いることができる。このような線状体により形成された三次元網目構造体は、クッション性を有するとともに、軟質ポリウレタンフォームに比べて優れた通気性を有するので、ウレタン発泡成形体11よりも低硬度のものであれば、クッション体26として好適に用いることができる。
特に限定するものではないが、該三次元網目構造体の硬度(25%硬度:JASO B408(JIS K6401))は、50〜150N/314cmであることが好ましく、より好ましくは80〜120N/314cmである。また、該三次元網目構造体の通気度(DOW法)は、3cfm(85L/分)以上であることが好ましく、より好ましくは5〜10cfm(142〜283L/分)である。かかる通気度は、一般的なスラブウレタンの通気度が1.0cfm以下であることに鑑みると、顕著に相違する。また、該三次元網目構造体の反発弾性率は、40〜70%であることが好ましく、より好ましくは50〜70%である。
固綿クッション体26は、乗員の臀部の左右方向Yでの端部を下方から支持する箇所のみに配置されるように、センターサポート部12内に限定して設けられており、すなわち、縦吊込み溝20よりも左右方向内側に配置され、サイドサポート部14には跨がらないように設けられている。
固綿クッション体26は、図1に示すように、前後方向Xに延びる棒状部材であり、この例では、尻下部16内のみに埋設されており、腿下部18までは延びていない。しかしながら、別の実施形態として、乗員の臀部とともに大腿部の左右方向での端部を下方から支持するように、固綿クッション体26は、尻下部16から腿下部18まで延在するように設けてもよい。固綿クッション体26の前後方向寸法は、例えば50〜350mmとすることができ、より好ましくは100〜300mm、さらに好ましくは150〜250mmである。例えば200mmを超える場合、尻下部16だけでなく、腿下部18へと延びることとなる。なお、固綿クッション体26の後方端は、尻下部16のほぼ後方端に来るように配置することができる。
各固綿クッション体26は、内側面28及び外側面30が垂直に延び、下面32がパッド裏面(即ち、シートクッションパッド10の下面)から離間して当該パッド裏面に平行な平面をなす。また、クッション体26の上面34は、左右方向内側に向かって下方に傾斜した平面をなしている。従って、クッション体26は、左右方向断面において、左右及び下部の直角辺と、上部の斜辺とからなる台形をなしている。
固綿クッション体26が配置される箇所において、パッド裏面から固綿クッション体26の上端の稜線までの高さは、好ましくは、固綿クッション体26が配置される箇所におけるシートクッションパッド10の厚みの0.3〜0.85倍であり、特に好ましくは、0.4〜0.8倍、さらに好ましくは0.5〜0.75倍である。また、パッド裏面から固綿クッション体26の下面32までの距離は、例えば、固綿クッション体26が配置される箇所におけるシートクッションパッド10の厚みの0.05〜0.4倍とすることができ、より好ましくは0.05〜0.2倍である。これらの高さは、パッド裏面の細かい凹凸は無視して決めることができるが、パッド裏面に湾曲や大きな凹凸がある場合、パッド裏面の平均高さ位置を基準とすることができる。
左右の固綿クッション体26,26間の距離、すなわち左右の固綿クッション体26,26に挟まれた中央領域36の左右方向寸法は、特に限定されないが、この例では、左右の固綿クッション体26,26の左右方向寸法の合計よりも大きく設定されている。
固綿クッション体26は、ウレタン発泡成形体11の発泡成形時におけるインサート成形によりシートクッションパッド10内に埋め込まれている。上記のように固綿クッション体26は通気性が高いため、発泡しながら充填される発泡原料が浸み込みやすく、そのため、図2に示すように、ウレタン発泡成形体11との界面部分に当該ウレタン発泡成形体11からなる含浸層38が設けられる。
含浸層38は、固綿クッション体26の上面34及び側面28,30とともに、下面32にも設けられている。すなわち、この例では、上記のように固綿クッション体26をパッド裏面から離間して配置させたことにより、下面32も含めたクッション体26の全面に含浸層38が形成されている。
次に、該シートクッションパッド10の製造方法について説明する。図4は、シートクッションパッド10の発泡成形に用いるモールド(発泡成形型)50を示したものである。モールド50は、パッド表面(上面)側を成形する上方に開口する下型52と、パッド裏面(底面)側を成形する上型54と、を備える。上型54は、不図示のヒンジを介して下型52に対し回動可能に設けられており、下型52の上面開口を開閉することで、下型52との間にパッド形状に対応する発泡空間であるキャビティ56を形成するように構成されている。
発泡成形に際しては、インサート成形のため、予めモールド50内に固綿クッション体26をセットしておく。固綿クッション体26は、装着ピン58によって上型54に支持されている。この例では、固綿クッション体26を上型54の天井面から離間した状態に支持するために、装着ピン58は、スペーサとしての径の大きい根元部60と、固綿クッション体26に差し込まれるニードル部62とを備えて構成されている。なお、図示しないが、上型54には、固綿クッション体26とともに、吊込みワイヤー24も取り付けられ、更に、パッド裏面に積層一体化される補強布を取り付けておいてもよい。
上型54に固綿クッション体26を取り付けた状態で、不図示の注入装置を用いて、下型52に発泡原料(ウレタンフォーム原液)64を注入する。注入後に、上型54を閉めて型閉めする。発泡原料64は、発泡しながらモールド50のキャビティ56内を充填していく。これにより、ウレタン発泡成形体11が発泡成形され、その内部に固綿クッション体26が一体に埋め込まれる。このようにして発泡成形した後、上型54を開いて脱型することにより、シートクッションパッド10が得られる。
本実施形態であると、センターサポート部12における尻下部16の左右両側部に固綿クッション体26が埋設一体化されているので、カーブ時やレーンチェンジ時における臀部の横揺れやぐらつきを低減することができる。詳細には、図5に示すように、乗員が着座したときには、乗員の体重による荷重により、センターサポート部12が下方へと膨出するように撓む。この際、左右の固綿クッション体26間の中央領域36が、充分な左右方向寸法を有しているので、荷重に応じた撓み変形は、固綿クッション体26の影響をほとんど受けずに、スムーズに行われる。一方で、乗員が着座した状態でカーブ時に大きな遠心力が作用したときには、カーブの外側に位置する固綿クッション体26の存在により、センターサポート部12のカーブ外側部分が過度に圧縮されることを防ぐことができる。すなわち、乗員の臀部が固綿クッション体26によりホールドされることで、乗員の体の沈みこみが大幅に減少する。そして、これにより、乗員の腰部のロールが低減し、特には、乗員の頭部のロールが大幅に低減する。
ここで、固綿は単品としては低硬度であるが、スラブウレタンや発泡ポリスチレン等の他のサポート材に比べて通気度が大幅に高いため、ウレタン発泡成形体11の発泡成形時にウレタンの含浸量が多い。そのため、固綿クッション体26の表面に十分な含浸層38が形成され、固綿の面全体が硬くなるので、高荷重域における剛性感(しっかり感)を強くすることができる。また、固綿が高反発でありかつ含浸層38でより高反発になるので、カーブ時における腰部のロールに対する戻りが早くなる。そのため、上記横揺れやぐらつきをより一層低減することができ、頭部への影響も低減することができる。特に、この例では、固綿クッション体26をパッド裏面から浮かせて埋設したことで、固綿クッション体26の下面32も含めた全面に含浸層38が形成されているため、高荷重域における剛性感をより強くすることができ、また、パッド裏面側での車体フレームの骨格やバネ受け部に対しても剛性をもたせて受けることができる。このように本実施形態では、通気性の高い固綿を積極的に含浸させた点に特徴がある。一般に、固綿をシートパッドに用いる場合、その高い通気性を利用してシートパッドに通気性を付与するためにウレタンが含浸しないようにするのが一般的であるが、本実施形態では、かかる技術常識に反して積極的に含浸させるものであり、従来とは全く異なる技術思想に基づくものである。
上記のように、含浸層38を設けたことで、高荷重域における剛性感を強くすることができる一方で、固綿クッション体26は、単品での硬度が低く、含浸層38の内側では硬度が低いため、低荷重域ではシートクッションパッド10の撓み量が大きく、ソフト感をもたせることができる。
また、本実施形態では、固綿クッション体26の上面34を臀部の形状に合わせて左右方向Y内側に向かって下方に傾斜させて設けたことにより、着座時に臀部のフィット感を向上することができる。すなわち、固綿クッション体26の上面34を傾斜させたことにより、固綿クッション体26の左右方向内側端部での局部的な圧迫を防いで、違和感のない通常のシートクッションパッドとしての座り心地を向上することができる。
また、本実施形態では、固綿クッション体26をセンターサポート部12内に限定して設け、サイドサポート部14には設けていないので、次の作用効果が奏される。すなわち、シートクッションパッド10の発泡成形に際し、ウレタン発泡原料は、下型52に注入され、発泡の過程で、上方へと向かって広がっていく。そのため、モールド50の天井面に突き当たる際に、未硬化の発泡体が圧縮を受ける。その結果、モールド50の天井面の付近の箇所、すなわち、シートクッションパッド10の裏面に沿った部分では、他の部分よりも密度が大きくなり、剛性(硬度)も大きくなる。そのため、固綿クッション体26をインサート成形により埋め込むにあたり、臀部の左右両端のあたりにだけ配置すれば足りることになる。よって、固綿クッション体26をこの部分に限定して配置することにより、コストを低減することができ、また、サイドサポート部14の剛性を増大させないことから、そのソフト感を損なうことがなく、座席の高い車両にあっても乗り降りの容易さが損なわれないというメリットがある。
次に、具体的な実施例による性能評価について説明する。
各測定方法は以下の通りである。
・固綿、スラブウレタン、ウレタン発泡成形体の硬度:JASO B408(JIS K6401)に準拠して25%硬度を測定した。詳細には、JIS K6400−2 6.7(D法)準拠して、縦400mm×横400mm×厚み50mmのサンプルを、直径200mmの円盤で、25%圧縮した状態での硬度を測定した(圧縮速度は100mm/分)。
・固綿、スラブウレタン、ウレタン発泡成形体の反発弾性率:JIS K6400−2に準拠して測定した。
・固綿、スラブウレタン、ウレタン発泡成形体の通気度:縦50mm×横50mm×厚み25mmのサンプルを3個切り出し、FLUID DATA社の測定機を使用して測定した(DOW法)。単位cfmは、1分間にサンプルを通過した空気の量についての単位feet3/minである。
・シートクッションパッドの硬度(尻下部全体):JASO B408(JIS K6401)に準拠して25%硬度及び50%硬度を測定した。測定は、直径200mmの加圧盤(円盤)を用いて、図6において符号Soで示すように、尻下部16の全体を加圧して(圧縮速度は150mm/分)、25%及び50%圧縮時の反力[N]を測定した。なお、シートクッションパッドの裏面は、パッド裏面形状に対応した硬度測定専用受台で支持した。
・シートクッションパッドの硬度(左側部、中央部、右側部):上記尻下部全体の測定では、尻下部16の左右方向両側部における硬さを測定することができない。そこで、直径80mmの加圧盤(円盤)を用いて、図6において符号Sl,Sc,Srで示すように、尻下部16の左側部と中央部と右側部を加圧して(圧縮速度は150mm/分)、25%、50%及び65%圧縮時の反力[N]を測定し、その他は上記尻下部全体と同様に測定した。
表1に示す構成に基づいて、実施例及び比較例1,2のシートクッションパッドを作製した。実施例のシートクッションパッドは、上記の図1〜3に示す実施形態に対応しており、クッション体26としては、密度=30kg/m、25%硬度=110N/314cm、反発弾性率=65%及び通気度=8cfmの固綿を用いた。クッション体26の寸法は、前後方向長さ=200mm、左右方向長さ=50mm、内側面28の高さ=15mm、外側面30の高さ=40mmとした。
比較例1はクッション体26を埋設していないコントロール品である。比較例2は、クッション体26として、密度=30kg/m、25%硬度=230N/314cm、反発弾性率=35%及び通気度=0.7cfmのスラブウレタンを用いた例であり、その他は実施例1と同様とした。なお、パッド本体であるウレタン発泡成形体11は、密度=45kg/m、25%硬度=245N/314cm、反発弾性率=65%及び通気度=1.2cfmであった。
結果は、表1に示す通りである。クッション体を埋設していないコントロールの比較例1では、左右両側部の硬さが中央部よりも低かったのに対し、クッション体を埋設した実施例1及び比較例2では、中央部に対して左右両側部の硬さが大きく、高荷重域、即ち圧縮率が高くなるほど、中央部に対する両側部の硬度差が大きくなっていた。このことから、クッション体を設けることで、尻下部16の左右両側部の剛性が高く、横揺れやぐらつきを防止する上でのサポート性に優れていることが分かる。
また、この両側部の硬度を比較した場合、25%圧縮時では、コントロールである比較例1と実施例が同等であり、スラブウレタンを埋設した比較例2はこれらよりも硬度が高かった。50%圧縮時では、クッション体を埋設した実施例と比較例2が同等であり、コントロールである比較例1よりも硬度が高かった。65%圧縮時では、クッション体として固綿を用いた実施例の硬度が、スラブウレタンを用いた比較例2よりも高く、横揺れに対して最も倒れにくいものであった。
図7は、上記実施例及び比較例1.2について、左右両側部の硬度(反力)の平均値と撓み(圧縮率)との関係を示したものである。図示されたように、クッション体として固綿を用いた実施例は、低荷重域では、コントロールである比較例1と同等程度に撓み量が大きく、ソフト感を有するのに対し、高荷重域では、比較例1に対してはもちろんのこと、クッション体としてスラブウレタンを用いた比較例2に対しても撓み量が小さく、剛性感(しっかり感)を有するものであった。
Figure 2014128359
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…シートクッションパッド 11…ウレタン発泡成形体
12…センターサポート部 14…サイドサポート部 16…尻下部
18…腿下部 20…縦吊込み溝 26…固綿クッション体
28…内側面 30…外側面 32…下面 34…上面
38…含浸層 50…モールド X…前後方向 Y…左右方向

Claims (6)

  1. 着座時に乗員の臀部から大腿部にかけての部位を受け止めるセンターサポート部と、前記センターサポート部の左右両側において上方に隆起状に設けられたサイドサポート部とからなり、モールド内で発泡成形されたウレタン発泡成形体からなるシートクッションパッドであって、
    前記センターサポート部内における乗員の臀部を受け止め支持する尻下部の左右両側部に、前記ウレタン発泡成形体よりも低硬度でありかつ線状体により形成された三次元網目構造体からなるクッション体が埋設され、前記クッション体における前記ウレタン発泡成形体との界面部分に当該ウレタン発泡成形体の含浸層が前記発泡成形により設けられた
    ことを特徴とするシートクッションパッド。
  2. 前記クッション体が固綿よりなることを特徴とする請求項1記載のシートクッションパッド。
  3. パッド表面に表皮係止用の前後方向に延びる左右一対の縦吊込み溝が設けられ、前記クッション体が前記縦吊込み溝よりも左右方向内側の前記センターサポート部内に限定して設けられた
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のシートクッションパッド。
  4. 前記クッション体が、パッド裏面から離間して配置されることで、前記含浸層が前記クッション体の上面及び側面とともに下面にも設けられた
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシートクッションパッド。
  5. 前記クッション体の上面が、左右方向内側に向かって下方に傾斜して設けられた
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシートクッションパッド。
  6. 前記三次元網目構造体は、25%硬度が50〜150N/314cmであり、かつ、通気度が3cfm以上である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシートクッションパッド。
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