JP5411531B2 - 建物本体と車両の接続構造 - Google Patents
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Description
一方、キャンピングカー等の寝泊りできる部屋を備えた車両は、通常、建物の外部に設けられた駐車場に駐車されるので、このキャンピングカーの部屋は住宅の一部として殆ど使用されていない。
そこで、車両と建物本体との間を床等で接続すれば、車庫に一旦降りなくても車両の部屋に行き来できるが、地震時に建物本体の揺れが床を介して車両に伝わって、車両の部屋の揺れが大きくなるという問題が生じる。
前記建物本体1と前記車両4とには、この車両4が前記車庫2に収納された状態で、前記建物本体1の部屋5と前記車両4の部屋4bとを行き来可能とする開口部6,10がそれぞれ互いに近接して設けられており、
前記建物本体1と前記車両4とが、前記開口部6,10間を通る接続部材11によって切り離し可能に接続されており、
前記接続部材11は、前記建物本体1と車両4との少なくともいずれか一方の接合部分において、少なくとも水平方向に拘束されておらず、
前記車両4は、蓄電池20と、この蓄電池20に蓄えられている電気によって駆動する電動モータと、この電動モータによって駆動される車輪21とを備えており、
前記車庫2または車庫近傍の床下に、前記車両2の蓄電池20に電気を供給する電気供給部23が設けられており、
前記蓄電池20と前記電気供給部23とが、前記接続部材11を介して電気的に接続可能であることを特徴とする。
また、接続部材11が、前記建物本体1と車両4との少なくともいずれか一方の接合部分において、少なくとも水平方向に拘束されていないので、地震時に、少なくとも建物本体1の横揺れと車両4の横揺れとの縁を切ることができる。したがって、車両4の横揺れが建物本体1の横揺れによって大きくなることがないので、車両4の部屋4bの横揺れを軽減できる。
また、車庫2または車庫近傍の床下に、車両4の蓄電池20に供給する電気供給部23が設けられているので、車庫2で車両4の蓄電池20に容易に充電できる。
さらに、蓄電池20と前記電気供給部23とが、前記接続部材11を介して電気的に接続可能であるので、蓄電池20と電気供給部23とを繋ぐ配線を車庫2の床等に這わす必要がなく、容易に蓄電池20に充電できる。
前記建物本体1に、太陽光発電装置22が設けられており、
前記太陽光発電装置22によって発電された電気が、前記電気供給部23から前記蓄電池20に前記接続部材11を介して供給されるようになっていることを特徴とする。
前記車両4には、下方に伸張して前記車庫2の床面を押圧することによって、前記車両2の車輪21を前記床面から若干浮かせた状態で、前記車両4を支持する支持装置30が取り付けられていることを特徴とする
前記支持装置30と前記車庫2の床面とのいずれか一方に、前記車両4を免震する免震手段31が設けられていることを特徴とする
また、接続部材が、前記建物本体と車両との少なくともいずれか一方の接合部分において、少なくとも水平方向に拘束されていないので、地震時に、少なくとも建物本体の横揺れと車両の横揺れとの縁を切ることができる。したがって、車両の横揺れが建物本体の横揺れによって大きくなることがないので、車両の部屋の横揺れを軽減できる。
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係る建物本体と車両の接続構造を備えた車両内蔵型建物の一例を示す正面図、図2は同1階の平面図である。
前記車両内蔵型建物は、戸建てタイプの住宅であり、建物本体1と、この建物本体1内に設けられた車庫2と、この車庫2に出し入れ可能に収納され、かつ部屋4bを有する車両4とを備えている。
前記内壁1cは、車庫2と玄関5とを仕切る内壁であり、この内壁1cには開口部6が設けられている。この開口部6は内壁1cに形成された出入口であり、玄関5の玄関ホール5aに面している。また、内壁1cには開口部6を開閉する戸6aが設けられており、この戸6aは玄関ホール5a側に向けて開くようになっている。
なお、玄関ホール5aに面して2階に至る階段9が設けられており、2階には、リビングダイニング、寝室等の部屋が設けられている。
車両4の部屋4bを形成する車両側壁4cには、開口部10が設けられている。この開口部10は部屋4bへの出入口であり、スライドドア10aによって開閉されるようになっている。
また、開口部10と開口部6とはその左右の幅、上下の長さがほぼ等しくなっており、かつほぼ等しい高さに配置されている。
また、建物本体1と車両4とが、前記開口部10,6間を通る接続部材11によって切り離し可能に接続されている。
図4に示すように、開口部6,10の内周下面、すなわち、建物本体1の床12の縁部上面と、車両4の床13の縁部上面には、それぞれ凹部が形成されており、これら凹部には、筒体14,15が嵌め込まれている。なお、凹部は開口部6の内周下面に左右に離間して2箇所、開口部10の内周下面に左右に離間して2箇所形成されており、開口部6の内周下面に形成された二つの凹部にそれぞれ筒体14が嵌め込まれ、開口部10の内周下面に形成された二つの凹部にそれぞれ筒体15が嵌め込まれている。
前記筒体14,15はそれぞれ導電性を有する銅等の金属によって形成されており、その内面は滑らかに仕上られている。
このように、接続部材11を開口部6,10の内周下面間に架け渡すとともに、接合ピン17を貫通孔16、筒体14,15に挿入することによって、建物本体1と車両4とが接続部材11によって接続され、接合ピン17を抜き取って、接続部材11を取り外すことによって、建物本体1と車両4とが切り離されるようになっている。
すなわち、前記接続部材11に形成されている貫通孔16は、接合ピン17の軸部より直径が大きくなっているので、つまりルーズホールになっているので、接続部材11は、建物本体1および車両4との接合部(接続部材11の両端部と、建物本体1の床12の縁部および車両4の床13の縁部との接合部)において水平方向に拘束されていない。
また、接合ピン17は筒体14,15に上下に摺動自在に挿入されているので、接合部材11は、建物本体1および車両4との接合部において上方に拘束されていない。
一方、建物本体1の屋根には、図1に示すように、太陽光発電装置22が設けられており、玄関ホール5aの床12の下、つまり車庫2の近傍の床下には、図4に示すように、太陽光発電装置22によって発電された電気を蓄電するとともに、前記車両4の蓄電池20に電気を供給する電気供給部23が設けられている。この電気供給部23は、太陽光発電装置22によって発電された電気を蓄電して供給する他、商用電源からの交流電気を直流電気に変換して、蓄電池20に供給する機能も備えている。
一方、車両4の蓄電池20は、導電性を有する前記筒体15に導電線25によって接続されている。つまり、蓄電池20に接続された導電線25は車両4の床13内に配線されたうえで、筒体15に接続されている。
また、前記接続部材11の裏面には、導電部26が形成されており、この導電部26の一方の端部が前記筒体14の上端面に接触しており、他方の端部が前記筒体15の上端面に接触している。なお、導電部26は接続部材11の裏面に形成された薄膜帯状のものであり、接続部材11を樹脂成形する際に形成されている。
このように、電気供給部23と、車両4の蓄電池20とは、導電線24、筒体14、導電部26、筒体15、導電線25によって電気的に接続されている。
そして、電気供給部23は、太陽光発電装置22によって発電されて蓄電された電気を優先的に、車両4の蓄電池20に供給して充電し、不足分を商用電源からの電気で補って蓄電池20に供給して充電するようになっている。
すなわち、支持装置30は、シリンダ30aとピストンロッド30bとを備えた電気シリンダ装置であり、ピストンロッド30bを下向きにして配置され、シリンダ30aが車両4の車輪21の近傍に固定されている。
このような支持装置30は、車両4の四つの車輪21の近傍にそれぞれ取り付けられている。つまり、車両4に対して四つの支持装置30が平面視において車両4の四隅部に取り付けられている。
そして、このような支持装置30では、ピストンロッド30bを下方に伸張して、車庫2の床面を押圧することによって、車両4の車輪21を前記床面から若干浮かせた状態で、該車両4を支持するようになっている。
この免震手段31は、薄いゴム層と鋼板とを、交互に幾層にも積層してなる免震支承であり、その上下端部にフランジが設けられている。そして、上のフランジをピストンロッド30bの下端部に形成したフランジに接合することによって、免震手段31がピストンロッド30bの先端部に設けられている。
なお、このような免震手段31は、ピストンロッド30bの先端部ではなく、車庫2の床面に設けてもよい。
また、建物本体1の内壁1cと車両側壁4cとに開口部6,10が左右に対向しかつ近接して設けられているので、これら開口部6,10を通して車両4の部屋4bと建物本体1の部屋5とを水平方向に行き来できる。
また、建物本体1の屋根に、太陽光発電装置22が設けられており、車庫2の近傍の床下に、太陽光発電装置22によって発電された電気を、車両4の蓄電池20に供給する電気供給部23が設けられているので、車庫2で車両4の蓄電池20に容易に充電できるとともに、経済的である。
さらに、蓄電池20と電気供給部23とが、前記接続部材11を介して電気的に接続可能であるので、蓄電池20と電気供給部23とを繋ぐ配線を車庫2の床等に這わす必要がなく、容易に蓄電池20に充電できる。
また、支持装置30によって車両4を、その車輪21を車庫2の床面から若干浮かせた状態で支持できるので、車両4の部屋4bを歩行する際の上下振動を軽減できる。
図6は本発明に係る建物本体と車両の接続構造を備えた車両内蔵型建物の他の例を示す正面図、図2は同1階の平面図である。なお、本実施の形態において、前記第1の実施の形態と共通構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態における車両内蔵型建物は、集合タイプの住宅(アパート)であり、建物本体35と、この建物本体35内に設けられた複数の車庫2と、この車庫2に出し入れ可能に収納され、かつ部屋4bを有する車両4とを備えている。
建物本体35の北側には、図7に示すように、共用廊下38が設けられており、この共用廊下38と住戸を仕切る外壁39には、各住戸に出入りするための開口部40が設けられており、該開口部40に玄関扉40aが設けられている。
また、車庫2には車両4が出し入れ可能に収納されており、該車両4の後部壁には、開口部41が形成されている。
開口部40と開口部41とはその左右の幅、上下の長さがほぼ等しくなっており、かつほぼ等しい高さに配置されている。
また、前記開口部40,41間において、建物本体35と車両4とが接続部材11によって切り離し可能に接続されている。
この接続部材11による接続は、前記第1の実施の形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
このように本例では、共用廊下38から開口部40,41を通って車両4の部屋4bに出入りするようになっている。したがって、部屋4bは玄関や居室等として使用されるようになっている。
また、本例においては、電気供給部23は、車庫2と隣りの住戸との間の床下に設けられており、この電気供給部23は、第1の実施の形態と同様にして、車両4の蓄電池20に電気的に接続されている。さらに、建物本体35の屋根には、図6に示すように、太陽光発電装置43が設けられており、この太陽光発電装置43で発電された電気は電気供給部23に蓄電されるようになっている。
さらに、前記車両4には、第1の実施の形態と同様にして、この車両4を支持する支持装置30が取り付けられている。
なお、前記床部とは、車庫2とその上の部屋との間に床しかない場合はその床のことであり、床の下に車庫2の天井がある場合は、その天井と床のことである。
前記開口部45,46間において、建物本体35と車両4とが接続部材47によって切り離し可能に接続されている。
この接続部材47は折り畳み式の階段47であり、その上端部は住戸の2階の部屋の床部に取り付けられており、下端部はフリーの状態となっている。また、この階段(接続部材)47は二つの開口部45,46を通して配置されており、その下端部は車両4の部屋4bの床に摺動可能に当接するかあるいは床から上方に所定長さだけ離間している。
また、階段(接続部材)47の下端部は、フリーな状態であり、車両4の部屋4bの床に摺動可能に当接するかあるいは床から上方に所定長さだけ離間しているので、少なくとも水平方向には拘束されていない。また、階段(接続部材)47の下端部が床から上方に所定長さだけ離間している場合は、階段47の下端部は水平方向および上下方向の双方に拘束されていない。
このように、階段(接続部材)47は、車両4との接合部分(階段47の下端部と、車両4の部屋4bの床との接合部分)において、少なくとも水平方向に拘束されていない。
1c 内壁
2 車庫
4 車両
4b 部屋
4c 車両側壁
4d 車両上壁
5 玄関(部屋)
6 開口部
10,45 開口部
11,46 接続部材
20 蓄電池
21 車輪
22 太陽光発電装置
23 電気供給部
30 支持装置
31 免震手段
47 階段
Claims (4)
- 建物本体内に設けられた車庫に出し入れ可能に収納され、かつ部屋を有する車両を前記建物本体に接続する建物本体と車両の接続構造であって、
前記建物本体と前記車両とには、この車両が前記車庫に収納された状態で、前記建物本体の部屋と前記車両の部屋とを行き来可能とする開口部がそれぞれ互いに近接して設けられており、
前記建物本体と前記車両とが、前記開口部間を通る接続部材によって切り離し可能に接続されており、
前記接続部材は、前記建物本体と車両との少なくともいずれか一方の接合部分において、少なくとも水平方向に拘束されておらず、
前記車両は、蓄電池と、この蓄電池に蓄えられている電気によって駆動する電動モータと、この電動モータによって駆動される車輪とを備えており、
前記車庫または車庫近傍の床下に、前記車両の蓄電池に電気を供給する電気供給部が設けられており、
前記蓄電池と前記電気供給部とが、前記接続部材を介して電気的に接続可能であることを特徴とする建物本体と車両の接続構造。 - 請求項1に記載の建物本体と車両の接続構造において、
前記建物本体に、太陽光発電装置が設けられており、
前記太陽光発電装置によって発電された電気が、前記電気供給部から前記蓄電池に前記接続部材を介して供給されるようになっていることを特徴とする建物本体と車両の接続構造。 - 請求項1または2に記載の建物本体と車両の接続構造において、
前記車両には、下方に伸張して前記車庫の床面を押圧することによって、前記車両の車輪を前記床面から若干浮かせた状態で、前記車両を支持する支持装置が取り付けられていることを特徴とする建物本体と車両の接続構造。 - 請求項3に記載の建物本体と車両の接続構造において、
前記支持装置と前記車庫の床面とのいずれか一方に、前記車両を免震する免震手段が設けられていることを特徴とする建物本体と車両の接続構造。
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