JP3098976U - トレーラーハウス - Google Patents
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Abstract
【課題】多目的な利用が可能となる高さを有する二階部分が、設置場所において簡単に且つ低コストに形成され得るトレーラーハウスを提供する。
【解決手段】上下方向に回動可能で、且つ上方への回動により転倒状態から起立状態とされる複数の側壁パネル28にて、二階部分20の側壁部24a,24bの少なくとも一部を構成すると共に、上下方向に回動可能で、且つ上方への回動により勾配が大きくされる屋根パネル38,40にて、二階部分20の屋根部25を構成し、屋根パネル38,40が、上方への回動により勾配が大きくされた状態下で、上方への回動により起立状態とされた複数の側壁パネル28のそれぞれにて支持されることによって、二階部分20の高さが増大せしめられ得るように構成した。
【選択図】 図4
【解決手段】上下方向に回動可能で、且つ上方への回動により転倒状態から起立状態とされる複数の側壁パネル28にて、二階部分20の側壁部24a,24bの少なくとも一部を構成すると共に、上下方向に回動可能で、且つ上方への回動により勾配が大きくされる屋根パネル38,40にて、二階部分20の屋根部25を構成し、屋根パネル38,40が、上方への回動により勾配が大きくされた状態下で、上方への回動により起立状態とされた複数の側壁パネル28のそれぞれにて支持されることによって、二階部分20の高さが増大せしめられ得るように構成した。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【技術分野】
本考案は、トレーラーハウスに係り、特に、牽引車による牽引により、容易に移動が可能で、所定の場所に設置されて、例えば、住居や店舗、事務所、作業所、宿泊所等の各種居住施設として利用されるトレーラーハウスの改良された構造に関するものである。
【0002】
【背景技術】
よく知られているように、前記の如き様々な居住施設として利用されるトレーラーハウスは、車輪が取り付けられたシャシ上に、内部に各種の居住室が設けられたハウス本体が固設されて、構成されている。そして、トレーラー等の牽引車に連結された状態で、所定の設置場所まで牽引され、そこで、牽引車との連結が解除されて、ジャッキアップされることにより設置されるようになっている。
【0003】
ところで、このようなトレーラーハウスは、上記せるように、設置場所まで牽引車にて牽引されて、一般道路上を移動せしめられるため、その幅や長さ、高さ等が、それぞれ、一般道路を通行可能な大きさに自ずと制限されてしまい、それ故、ハウス本体内に設けられる居住室も、一般住宅の居住室に比べて、不可避的に手狭なものとなっていた。
【0004】
そして、かかる従来のトレーラーハウスでは、特に、ハウス本体に一階部分と二階部分とを設ける場合、二階部分の床から天井までの高さを低くせざるを得ず、そのため、そのような二階部分が、寝室や物置専用のロフトとしてしか利用されていないのが現状なのである。
【0005】
なお、床から天井までの高さが十分に高くされて、寝室や物置以外にも利用可能な二階部分を有するトレーラーハウスの構造としては、一階部分のみにて構成されたハウス本体を有するトレーラーハウスを二台用い、それら二台のトレーラーハウスを設置場所にまで移動させて、そこで、二台のトレーラーハウスの各ハウス本体を上下に積み上げることにより、二つのハウス本体のうちの一つにて、二階部分を設るようにした構造が、提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、このような構造のトレーラーハウスは、二つのハウス本体を用いるため、ハウス本体のコストが二倍となるばかりでなく、それら二つのハウス本体の設置場所への運搬や、そこでの設置に際しても、多大な費用と労力が必要となって、到底、現実的ではないのである。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−181421号公報
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本考案は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、一階部分と二階部分とを有するトレーラーハウスにおいて、その設置場所に移動せしめられるまでの間は、二階部分の高さが、一般道路上を問題なく移動可能な低い高さとされるものの、設置場所で、二階部分の高さが、簡単な作業によって、多目的な利用が可能となる程度の高さにまで、容易に増大せしめられ得るようにした新規な構造を、可及的に低いコストで実現することにある。
【0008】
【解決手段】
そして、本考案にあっては、かかる課題の解決のために、所定の牽引車にて牽引されて移動せしめられる、一階部分と二階部分とを備えたトレーラーハウスにおいて、(a)前記二階部分の側壁部の少なくとも上側部位を与えるパネルであって、上下方向に回動可能に、且つ上方への回動によって転倒状態から起立状態となるように設置された側壁パネルの複数と、(b)前記二階部分の屋根部を与えるパネルであって、上下方向に回動可能に、且つ上方への回動によって勾配が大きくなるように設置された屋根パネルとを有し、前記屋根パネルが、上方への回動により勾配が大きくされた状態下で、上方への回動により起立状態とされた前記複数の側壁パネルのそれぞれにて支持されることによって、前記二階部分の高さが増大せしめられ得るように構成したことを特徴とするトレーラーハウスを、その要旨とするものである。
【0009】
すなわち、この本考案に従うトレーラーハウスにあっては、複数の側壁パネルが、転倒状態となる回動位置に位置せしめられると共に、屋根パネルが、小さな勾配となる回動位置に位置せしめられた状態下において、二階部分の高さが低くされており、また、そのような状態から、各側壁パネルが、上方に回動せしめられて、起立状態とされる一方、屋根パネルが、上方に回動せしめられて、勾配が大きくされ、そして、この勾配が大きくされた屋根パネルが、起立状態とされた各側壁パネルにて支持されることによって、二階部分の高さが増大せしめられ得るようになっている。
【0010】
それ故、かかるトレーラーハウスにおいては、例えば、各側壁パネルと屋根パネルとが、それぞれ、転倒状態若しくは小さな勾配となる回動位置に位置せしめられた状態下での二階部分の最高位置の高さを、一般の大型車両等と略同様な高さとすれば、一般道路上を、何等の問題もなく移動可能となり、また、例えば、上方への回動により各側壁パネルが起立状態とされたときの二階部分の側壁部の高さが、一階部分の側壁部と同程度の高さとなるように、各側壁パネルの高さを設計すれば、もう一つの別のトレーラーハウス等を何等用いることなく、単に、複数の側壁パネルと屋根パネルとを上方に回動せしめて、屋根パネルが各側壁パネルに支持させるだけの極めて簡単な作業と可及的に少ない費用で、二階部分の高さが、寝室や物置以外の多目的な利用が可能となる程度の高さにまで、容易に増大せしめられ得る。
【0011】
従って、かくの如き本考案に従うトレーラーハウスにあっては、設置場所に移動せしめられるまでの間は、二階部分の高さが、一般道路上を、何等の支障なく移動可能な低い高さとされるものの、設置場所で、二階部分の高さが、簡単な作業によって、多目的な利用が可能となる程度の高さにまで、容易に増大せしめられ得るような構造が、極めて経済的に有利に実現され得るのである。そして、その結果として、コストの高騰や設置作業における作業性の低下を何等招くことなく、使用性や居住性の向上が、極めて有利に達成され得ることとなるのである。
【0012】
なお、このような本考案に従うトレーラーハウスの好ましい態様の一つによれば、前記二階部分が、四つの側壁部を備えた矩形の筐体形状を呈し、該四つの側壁部のうちの互いに対向位置する二つの側壁部の少なくとも上部部位が、前記側壁パネルにてそれぞれ構成される一方、該四つの側壁部のうちの残りの二つの側壁部の上端部に、前記屋根パネルが、該残りの二つの側壁部間の距離の半分よりも長い長さをもって、上下方向に回動可能にそれぞれ一つずつ設置されて、それら二つの屋根パネルが、上方への回動により、勾配が大きくされると共に、先端部同士において互いに当接して、下方への回動が阻止せしめられた状態下で、上方への回動により起立状態とされた前記二つの側壁パネルのそれぞれにて支持されるように構成される。このような構成を採用すれば、二階部分の屋根部が切妻構造とされて、見栄えの向上が効果的に図られ得ると共に、例えば、二階部分の屋根部が片流れの構造とされている場合に比して、二階部分内部の上部空間が有効に利用され得る。
【0013】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を更に具体的に明らかにするために、本考案に係るトレーラーハウスの構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0014】
先ず、図1及び図2には、本考案に従う構造を有するトレーラーハウスの一実施形態としての住宅用トレーラーハウスが、その正面形態と側面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それら図1及び図2において、10は、ハウス本体であって、その内部には、例えば、キッチンやトイレ、バスルーム、ベッドルーム、リビングルーム等の様々な種類の居住室が設けられている。また、このハウス本体10は、複数の車輪12が取り付けられたシャシ14上に固設されており、更に、かかるシャシ14の一端部には、連結装置16が一体的に設けられている。
【0015】
そして、このようなトレーラーハウスにあっては、従来品と同様に、シャシ14に設けられた連結装置16を介して、図示しないトレーラー等の牽引車に連結されるようになっており、また、かかる連結状態下において、牽引車に牽引されて、所定の設置場所まで移動せしめられ、そして、その設置場所において、シャシ14の連結装置16と牽引車との連結が解除されて、シャシ14がジャッキアップされることにより、ハウス本体10が、地面上に設置されるようになっている。
【0016】
ところで、かかるトレーラーハウスのハウス本体10は、全体として略長手矩形の筐体形状を呈する一階部分18と、そのような一階部分18における長さ方向中間部の上部に設けられた、全体として矩形筐体形状を呈する二階部分20とを有している。また、それら一階部分18と二階部分20は、それぞれ、木製の四つの側壁部22a〜d,24a〜dにて囲まれ、更に、それぞれの天井部分に、切妻構造を有する木製の屋根部23,25が固設されて、形成されている。そして、ここでは、特に、このようなハウス本体10の二階部分20が、従来のトレーラーハウスには見られない折畳み方式による組立構造を有して、構成されているのである。
【0017】
すなわち、本実施形態のトレーラーハウスのハウス本体10にあっては、図1乃至図4に示されるように、ハウス本体10の平面形状に対応した長手矩形状を呈するシャシ14の四つの辺部上に、側壁部22a〜dが、それぞれ、直立して、立設されており、それら四つの側壁部22a〜dにて囲まれて、一階部分18が、形成されている。そして、このような一階部分18におけるハウス本体10の間口方向(図1中、左右方向)の中間部分を除いた部分の天井に、ハウス本体10の奥行き方向(図1中、紙面に垂直な方向)の両方向に流れる切妻構造の屋根部23が、固設されている。
【0018】
一方、二階部分20を構成する四つの側壁部24a〜dのうち、ハウス本体10の奥行き方向(図3中、左右方向)に対向配置された前側及び後側側壁部24a,24bは、その下側略半分の部分が、一階部分18を形成する四つの側壁部22a〜dのうちの奥行き方向に対向配置された前側及び後側側壁部22a,22bの二階部分20にまで延び出した前側及び後側延出壁部26a,26bにて、それぞれ構成されている一方、それら前側及び後側側壁部24a,24bの上側略半分の部分は、回動側壁パネル28,28にて、それぞれ構成されている。
【0019】
また、この二つの回動側壁パネル28,28のそれぞれは、図3及び図4から明らかなように、全体として、水平に延びる一辺部を取付辺部29とし、且つかかる取付辺部29に対向位置せしめられた、山形に傾斜する二つの辺部を支持辺部30,30とする五角形状を呈しており、かかる取付辺部29において、各延出壁部26の先端部分に対して、その内側に固定されたヒンジ32を介して取り付けられている。これによって、各回動側壁パネル28においては、各支持辺部30の一部が二階部分20の床部34に接触位置するように下傾した転倒状態(図3及び図4に二点鎖線で示される状態)とされた下死点から、各支持辺部30を上側に位置させて、鉛直方向に真っ直ぐに延びるように直立する起立状態(図3及び図4に実線で示される状態)とされた上死点までの間の範囲で、上下方向に回動可能とされており、以て、かかる起立状態とされた上死点に位置せしめられた状態下において、各延出壁部26と共に、前側及び後側側壁部24a,24bを構成するようになっている。
【0020】
そして、このような各回動側壁パネル28と各延出壁部26とにて、上側と下側のそれぞれ半分の部分が構成された前側及び後側側壁部24a,24bにあっては、特に、各回動側壁パネル28が回動上死点に位置せしめられているときの高さ、つまり、各回動側壁パネル28を起立状態としたときの二階部分20の床部34から各回動側壁パネル28の最高位置(山形の支持辺部30,30の頂点)までの高さ:h1 が、一階部分18の床部から天井までの高さ:h2 と略同じ寸法とされている。また、ここでは、各回動側壁パネル28が、比較的に軽量な木造製品からなっているため、この各回動側壁パネル28の上下方向への回動が、人力により、容易に行なわれることとなる。
【0021】
一方、二階部分20を形成する四つの側壁部24a〜dのうち、ハウス本体10の間口方向(図4中、左右方向)に対向配置された左側及び右側側壁部24c,24dは、一階部分18の内部空間を間口方向において仕切るように、シャシ14上に立設された状態で、一階部分18を越えて、前記前側及び後側延出壁部26a,26bよりも所定寸法高い位置にまで延び出す間仕切り36の上部側部分にて、構成されている。
【0022】
そして、このような左側及び右側側壁部24c,24dの先端部分に対して、二階部分20の切妻構造の屋根部25を与える左側及び右側屋根パネル38,40が、それぞれ一つずつ取り付けられている。また、それら左側及び右側屋根パネル38,40は、各側壁部24c,24dの内側に固定されたヒンジ42を介して、各側壁部24c,24dに取り付けられていることによって、上下方向に回動可能とされている。
【0023】
そして、そのような回動可能とされた左側及び右側屋根パネル38,40にあっては、図4に二点鎖線で示されるように、前側及び後側側壁部24a,24bの各回動側壁パネル28が回動下死点に位置するように転倒せしめられた状態下で、下方に回動せしめられた際に、例えば、左側屋根パネル38が、転倒せしめられた回動側壁パネル28,28に接触位置するように下傾せしめられた位置と、右側屋根パネル40が、下傾した左側屋根パネル38に接触位置するように下傾せしめられた位置とが、それぞれの屋根パネル38,40の回動下死点とされている。また、それら左側及び右側屋根パネル38,40は、かかる下死点位置から上方に回動せしめられることにより、その回動量に応じて、先端部分に向かって上傾する勾配が徐々に増大せしめられるようになっており、そして、それら各屋根パネル38,40が、先端部分同士において互いに当接位置せしめられた状態下において、切妻構造の屋根部25を形成するようになっている。
【0024】
なお、本実施形態においては、左側及び右側屋根パネル38,40が上述の如き下死点に位置せしめられているときの、シャシ14の車輪12の接地面から左側及び右側屋根パネル38,40の最高位置までの高さ、つまり、ハウス本体10の高さ:h3 が、一般の大型車両の高さと略同じ寸法とされている。また、それら各屋根パネル38,40も、比較的に軽量な木造製品からなっているため、各屋根パネル38,40の上下方向への回動が、人力により容易に行なわれる。
【0025】
かくして、かかるトレーラーハウスにあっては、二階部分20の前側及び後側側壁部24a,24bの上側半分の部分をそれぞれ与える二つの回動側壁パネル28,28と、二階部分20の屋根部25を与える左側及び右側屋根パネル38,40とが、各々下方向に回動せしめられることにより折畳み可能とされており、また、それら各回動側壁パネル28と各屋根パネル38,40の折畳み状態下では、二階部分20が未完成状態とされている。そして、そのような二階部分20の未完成状態下で、例えば、図示しない搬送用シートを、各回動側壁パネル28や各屋根パネル38,40の全体を覆うように取り付ける等して、それら各パネル28,38,40を回動不能に保持せしめておけば、一般道路上を安全に走行し得るようになっている。
【0026】
そしてまた、本実施形態のトレーラーハウスでは、所定の設置場所にハウス本体10を設置した際に、二階部分20の未完成状態、つまり、各回動側壁パネル28と各屋根パネル38,40とが回動下死点に位置せしめられた状態から、左側及び右側屋根パネル38,40を上方に回動せしめると共に、各回動側壁パネル28を上方に回動せしめて、起立状態とし、そして、この起立状態とされた各回動側壁パネル28の山形の支持部30,30に、先端部同士において互いに当接位置せしめられた左側及び右側屋根パネル38,40を支持させて、組み付けることによって、四つの側壁部24a〜dにて囲まれ、且つ天井部分に、左側及び右側屋根パネル38,40にて構成される屋根部25が固設された二階部分20が、完成されるようになっている。
【0027】
なお、図に明示されてはいないものの、各回動側壁パネル28の支持辺部30に支持されて、それら各回動側壁パネル28と組み付けられた各屋根パネル38,40は、各回動側壁パネル28や、二つの回動側壁パネル28,28の間に架設された棟木に対して、それぞれビス止め等されており、これによって、ここでは、それら各回動側壁パネル28と各屋根パネル38,40との組付状態が維持されるようになっている。
【0028】
このように、本実施形態のトレーラーハウスにおいては、二階部分20の前側及び後側側壁部24a,24bの上側半分の部分をそれぞれ与える二つの回動側壁パネル28,28と、二階部分20の屋根部25を与える左側及び右側屋根パネル38,40とが、各々下向への回動により折り畳まれた、二階部分20の未完成な状態において、一般道路上を走行可能とされており、しかも、各回動側壁パネル28と各屋根パネル38,40のそれぞれを下死点に位置せしめた際のハウス本体10の高さが、一般の大型車両と略同じ寸法とされているところから、例えば、各回動側壁パネル28と各屋根パネル38,40とを、下死点に位置するように折り畳んで、二階部分20を未完成状態としておけば、ハウス本体10の設置場所まで、一般道路上を、何等の問題もなく走行することが出来る。
【0029】
そして、かかるトレーラーハウスにあっては、二階部分20を形成するための別のハウス本体10等を、何等用いることなく、設置場所において、ハウス本体10を設置した状態下で、単に、各屋根パネル38,40と各回動側壁パネル28とを、人力や、場合によってはクレーン等を用いて、上方に回動せしめて、起立状態とした各回動側壁パネル28に対して、各屋根パネル38,40を支持させ、組み付けるだけの簡単な作業と、極めて低いコストで、二階部分20が、容易に完成せしめられ得るのであり、また、かくして完成された二階部分20の床部34から天井までの高さが、一階部分18の床部から天井までの高さと略同一の寸法と為され得る。
【0030】
従って、かくの如き本実施形態のトレーラーハウスにおいては、ベッドルームや物置等に限られない、より広範囲な利用を可能ならしめるのに十分な高さを有する二階部分20が、設置場所までの移動に何等の支障を来すことなく、しかも極めて簡単な作業と、より少ない費用にて、形成され得るのである。そして、その結果として、より優れた使用性と快適な居住性とが、設置作業における作業性や経済性に負担を掛けることなく、有利に実現され得ることとなるのである。
【0031】
また、かかるトレーラーハウスにあっては、二階部分20が、矩形の筐体形状とされると共に、その屋根部25が、左側及び右側屋根パネル38,40にて、切妻構造をもって構成されているため、見栄えの向上が効果的に図られ得ると共に、例えば、二階部分20の屋根部25が片流れの構造とされている場合に比して、二階部分20内部の上部空間が有効利用され得るといった利点がある。
【0032】
以上、本考案の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本考案は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0033】
例えば、前記実施形態では、二階部分20を形成する四つの側壁部24a〜dのうち、前側及び後側側壁部24a,24bの上側略半部の部分が、上下方向に回動可能な回動側壁パネル28,28にて構成されていたが、それら各回動側壁パネル28が下方への回動により下死点に位置せしめられた際のハウス本体10の高さが、例えば、一般の大型車両の高さと略同じ寸法とされ得るのであれば、前側及び後側側壁部24a,24bの何れの部分が、回動側壁パネル28にて構成されていても良いのであり、また、勿論、それら前側及び後側側壁部24a,24bの全体が、回動側壁パネル28にて構成されていても、何等差し支えないのである。
【0034】
また、それら前側及び後側側壁部24a,24bではなく、左側及び右側側壁部24c,24dの一部若しくは前部を回動側壁パネル28にて構成することも出来、更に、四つの側壁部24a〜dのうちの何れか三つ若しくは四つ全ての少なくとも一部を、回動側壁パネル28に構成することも可能である。
【0035】
更にまた、回動側壁パネル28は、起立状態とされたときに、必ずしも、直立させられている必要はなく、傾斜した起立状態とされていても、勿論良い。これは、二階部分20が、例えば、三角形の筐体形状とされているとき等において、適用される。なお、このことから明らかなように、二階部分20と一階部分18のそれぞれの形状は、何れも、例示の如き矩形の筐体形状に、決して限定されるものではなく、ハウス本体10の使用目的や設置場所の条件等に応じて、適宜に変更され得るものである。
【0036】
また、二階部分28の屋根部25を与える屋根パネルが取り付けられる側壁部や、その取付位置も、例示のものに、特に限定されるものではないことは、言うまでもないところである。
【0037】
さらに、前記実施形態では、一階部分18の屋根部23や二階部分20の屋根部25が、それぞれ、切妻構造を有して構成されていたが、それらの屋根部23,25を、例えば、片流れの構造と為すことも、可能である。
【0038】
加えて、前記実施形態では、本考案を、住宅用トレーラーハウスに対して適用したものの具体例を示したが、本考案は、その他、店舗や事務所、作業所、宿泊所等の各種居住施設として利用される、住宅用以外のトレーラーハウスの何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
【0039】
その他、一々列挙はしないが、本考案は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本考案の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本考案の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0040】
【考案の効果】
以上の説明からも明らかなように、本考案に従うトレーラーハウスにあっては、設置場所に移動せしめられるまでの間は、二階部分の高さが、一般道路上を移動可能な低い高さとされるものの、設置場所で、二階部分の高さが、簡単な作業によって、多目的な利用が可能となる程度の高さにまで、容易に増大せしめられ得るような構造が、極めて経済的に有利に実現され得るのである。そして、その結果として、コストの高騰や設置作業における作業性の低下を何等招くことなく、使用性や居住性の向上が、極めて有利に達成され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に従う構造を有するトレーラーハウスの一例を示す正面説明図である。
【図2】図1に示されたトレーラーハウスの右側面説明図である。
【図3】図1におけるIII−III断面拡大説明図である。
【図4】図2におけるIV−IV断面拡大説明図である。
【符号の説明】
10 ハウス本体 12 車輪
14 シャシ 16 連結装置
18 一階部分 20 二階部分
22,24 側壁部 23,25 屋根部
28 回動側壁パネル 38 左側屋根パネル
40 右側屋根パネル
【技術分野】
本考案は、トレーラーハウスに係り、特に、牽引車による牽引により、容易に移動が可能で、所定の場所に設置されて、例えば、住居や店舗、事務所、作業所、宿泊所等の各種居住施設として利用されるトレーラーハウスの改良された構造に関するものである。
【0002】
【背景技術】
よく知られているように、前記の如き様々な居住施設として利用されるトレーラーハウスは、車輪が取り付けられたシャシ上に、内部に各種の居住室が設けられたハウス本体が固設されて、構成されている。そして、トレーラー等の牽引車に連結された状態で、所定の設置場所まで牽引され、そこで、牽引車との連結が解除されて、ジャッキアップされることにより設置されるようになっている。
【0003】
ところで、このようなトレーラーハウスは、上記せるように、設置場所まで牽引車にて牽引されて、一般道路上を移動せしめられるため、その幅や長さ、高さ等が、それぞれ、一般道路を通行可能な大きさに自ずと制限されてしまい、それ故、ハウス本体内に設けられる居住室も、一般住宅の居住室に比べて、不可避的に手狭なものとなっていた。
【0004】
そして、かかる従来のトレーラーハウスでは、特に、ハウス本体に一階部分と二階部分とを設ける場合、二階部分の床から天井までの高さを低くせざるを得ず、そのため、そのような二階部分が、寝室や物置専用のロフトとしてしか利用されていないのが現状なのである。
【0005】
なお、床から天井までの高さが十分に高くされて、寝室や物置以外にも利用可能な二階部分を有するトレーラーハウスの構造としては、一階部分のみにて構成されたハウス本体を有するトレーラーハウスを二台用い、それら二台のトレーラーハウスを設置場所にまで移動させて、そこで、二台のトレーラーハウスの各ハウス本体を上下に積み上げることにより、二つのハウス本体のうちの一つにて、二階部分を設るようにした構造が、提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、このような構造のトレーラーハウスは、二つのハウス本体を用いるため、ハウス本体のコストが二倍となるばかりでなく、それら二つのハウス本体の設置場所への運搬や、そこでの設置に際しても、多大な費用と労力が必要となって、到底、現実的ではないのである。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−181421号公報
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本考案は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、一階部分と二階部分とを有するトレーラーハウスにおいて、その設置場所に移動せしめられるまでの間は、二階部分の高さが、一般道路上を問題なく移動可能な低い高さとされるものの、設置場所で、二階部分の高さが、簡単な作業によって、多目的な利用が可能となる程度の高さにまで、容易に増大せしめられ得るようにした新規な構造を、可及的に低いコストで実現することにある。
【0008】
【解決手段】
そして、本考案にあっては、かかる課題の解決のために、所定の牽引車にて牽引されて移動せしめられる、一階部分と二階部分とを備えたトレーラーハウスにおいて、(a)前記二階部分の側壁部の少なくとも上側部位を与えるパネルであって、上下方向に回動可能に、且つ上方への回動によって転倒状態から起立状態となるように設置された側壁パネルの複数と、(b)前記二階部分の屋根部を与えるパネルであって、上下方向に回動可能に、且つ上方への回動によって勾配が大きくなるように設置された屋根パネルとを有し、前記屋根パネルが、上方への回動により勾配が大きくされた状態下で、上方への回動により起立状態とされた前記複数の側壁パネルのそれぞれにて支持されることによって、前記二階部分の高さが増大せしめられ得るように構成したことを特徴とするトレーラーハウスを、その要旨とするものである。
【0009】
すなわち、この本考案に従うトレーラーハウスにあっては、複数の側壁パネルが、転倒状態となる回動位置に位置せしめられると共に、屋根パネルが、小さな勾配となる回動位置に位置せしめられた状態下において、二階部分の高さが低くされており、また、そのような状態から、各側壁パネルが、上方に回動せしめられて、起立状態とされる一方、屋根パネルが、上方に回動せしめられて、勾配が大きくされ、そして、この勾配が大きくされた屋根パネルが、起立状態とされた各側壁パネルにて支持されることによって、二階部分の高さが増大せしめられ得るようになっている。
【0010】
それ故、かかるトレーラーハウスにおいては、例えば、各側壁パネルと屋根パネルとが、それぞれ、転倒状態若しくは小さな勾配となる回動位置に位置せしめられた状態下での二階部分の最高位置の高さを、一般の大型車両等と略同様な高さとすれば、一般道路上を、何等の問題もなく移動可能となり、また、例えば、上方への回動により各側壁パネルが起立状態とされたときの二階部分の側壁部の高さが、一階部分の側壁部と同程度の高さとなるように、各側壁パネルの高さを設計すれば、もう一つの別のトレーラーハウス等を何等用いることなく、単に、複数の側壁パネルと屋根パネルとを上方に回動せしめて、屋根パネルが各側壁パネルに支持させるだけの極めて簡単な作業と可及的に少ない費用で、二階部分の高さが、寝室や物置以外の多目的な利用が可能となる程度の高さにまで、容易に増大せしめられ得る。
【0011】
従って、かくの如き本考案に従うトレーラーハウスにあっては、設置場所に移動せしめられるまでの間は、二階部分の高さが、一般道路上を、何等の支障なく移動可能な低い高さとされるものの、設置場所で、二階部分の高さが、簡単な作業によって、多目的な利用が可能となる程度の高さにまで、容易に増大せしめられ得るような構造が、極めて経済的に有利に実現され得るのである。そして、その結果として、コストの高騰や設置作業における作業性の低下を何等招くことなく、使用性や居住性の向上が、極めて有利に達成され得ることとなるのである。
【0012】
なお、このような本考案に従うトレーラーハウスの好ましい態様の一つによれば、前記二階部分が、四つの側壁部を備えた矩形の筐体形状を呈し、該四つの側壁部のうちの互いに対向位置する二つの側壁部の少なくとも上部部位が、前記側壁パネルにてそれぞれ構成される一方、該四つの側壁部のうちの残りの二つの側壁部の上端部に、前記屋根パネルが、該残りの二つの側壁部間の距離の半分よりも長い長さをもって、上下方向に回動可能にそれぞれ一つずつ設置されて、それら二つの屋根パネルが、上方への回動により、勾配が大きくされると共に、先端部同士において互いに当接して、下方への回動が阻止せしめられた状態下で、上方への回動により起立状態とされた前記二つの側壁パネルのそれぞれにて支持されるように構成される。このような構成を採用すれば、二階部分の屋根部が切妻構造とされて、見栄えの向上が効果的に図られ得ると共に、例えば、二階部分の屋根部が片流れの構造とされている場合に比して、二階部分内部の上部空間が有効に利用され得る。
【0013】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を更に具体的に明らかにするために、本考案に係るトレーラーハウスの構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0014】
先ず、図1及び図2には、本考案に従う構造を有するトレーラーハウスの一実施形態としての住宅用トレーラーハウスが、その正面形態と側面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それら図1及び図2において、10は、ハウス本体であって、その内部には、例えば、キッチンやトイレ、バスルーム、ベッドルーム、リビングルーム等の様々な種類の居住室が設けられている。また、このハウス本体10は、複数の車輪12が取り付けられたシャシ14上に固設されており、更に、かかるシャシ14の一端部には、連結装置16が一体的に設けられている。
【0015】
そして、このようなトレーラーハウスにあっては、従来品と同様に、シャシ14に設けられた連結装置16を介して、図示しないトレーラー等の牽引車に連結されるようになっており、また、かかる連結状態下において、牽引車に牽引されて、所定の設置場所まで移動せしめられ、そして、その設置場所において、シャシ14の連結装置16と牽引車との連結が解除されて、シャシ14がジャッキアップされることにより、ハウス本体10が、地面上に設置されるようになっている。
【0016】
ところで、かかるトレーラーハウスのハウス本体10は、全体として略長手矩形の筐体形状を呈する一階部分18と、そのような一階部分18における長さ方向中間部の上部に設けられた、全体として矩形筐体形状を呈する二階部分20とを有している。また、それら一階部分18と二階部分20は、それぞれ、木製の四つの側壁部22a〜d,24a〜dにて囲まれ、更に、それぞれの天井部分に、切妻構造を有する木製の屋根部23,25が固設されて、形成されている。そして、ここでは、特に、このようなハウス本体10の二階部分20が、従来のトレーラーハウスには見られない折畳み方式による組立構造を有して、構成されているのである。
【0017】
すなわち、本実施形態のトレーラーハウスのハウス本体10にあっては、図1乃至図4に示されるように、ハウス本体10の平面形状に対応した長手矩形状を呈するシャシ14の四つの辺部上に、側壁部22a〜dが、それぞれ、直立して、立設されており、それら四つの側壁部22a〜dにて囲まれて、一階部分18が、形成されている。そして、このような一階部分18におけるハウス本体10の間口方向(図1中、左右方向)の中間部分を除いた部分の天井に、ハウス本体10の奥行き方向(図1中、紙面に垂直な方向)の両方向に流れる切妻構造の屋根部23が、固設されている。
【0018】
一方、二階部分20を構成する四つの側壁部24a〜dのうち、ハウス本体10の奥行き方向(図3中、左右方向)に対向配置された前側及び後側側壁部24a,24bは、その下側略半分の部分が、一階部分18を形成する四つの側壁部22a〜dのうちの奥行き方向に対向配置された前側及び後側側壁部22a,22bの二階部分20にまで延び出した前側及び後側延出壁部26a,26bにて、それぞれ構成されている一方、それら前側及び後側側壁部24a,24bの上側略半分の部分は、回動側壁パネル28,28にて、それぞれ構成されている。
【0019】
また、この二つの回動側壁パネル28,28のそれぞれは、図3及び図4から明らかなように、全体として、水平に延びる一辺部を取付辺部29とし、且つかかる取付辺部29に対向位置せしめられた、山形に傾斜する二つの辺部を支持辺部30,30とする五角形状を呈しており、かかる取付辺部29において、各延出壁部26の先端部分に対して、その内側に固定されたヒンジ32を介して取り付けられている。これによって、各回動側壁パネル28においては、各支持辺部30の一部が二階部分20の床部34に接触位置するように下傾した転倒状態(図3及び図4に二点鎖線で示される状態)とされた下死点から、各支持辺部30を上側に位置させて、鉛直方向に真っ直ぐに延びるように直立する起立状態(図3及び図4に実線で示される状態)とされた上死点までの間の範囲で、上下方向に回動可能とされており、以て、かかる起立状態とされた上死点に位置せしめられた状態下において、各延出壁部26と共に、前側及び後側側壁部24a,24bを構成するようになっている。
【0020】
そして、このような各回動側壁パネル28と各延出壁部26とにて、上側と下側のそれぞれ半分の部分が構成された前側及び後側側壁部24a,24bにあっては、特に、各回動側壁パネル28が回動上死点に位置せしめられているときの高さ、つまり、各回動側壁パネル28を起立状態としたときの二階部分20の床部34から各回動側壁パネル28の最高位置(山形の支持辺部30,30の頂点)までの高さ:h1 が、一階部分18の床部から天井までの高さ:h2 と略同じ寸法とされている。また、ここでは、各回動側壁パネル28が、比較的に軽量な木造製品からなっているため、この各回動側壁パネル28の上下方向への回動が、人力により、容易に行なわれることとなる。
【0021】
一方、二階部分20を形成する四つの側壁部24a〜dのうち、ハウス本体10の間口方向(図4中、左右方向)に対向配置された左側及び右側側壁部24c,24dは、一階部分18の内部空間を間口方向において仕切るように、シャシ14上に立設された状態で、一階部分18を越えて、前記前側及び後側延出壁部26a,26bよりも所定寸法高い位置にまで延び出す間仕切り36の上部側部分にて、構成されている。
【0022】
そして、このような左側及び右側側壁部24c,24dの先端部分に対して、二階部分20の切妻構造の屋根部25を与える左側及び右側屋根パネル38,40が、それぞれ一つずつ取り付けられている。また、それら左側及び右側屋根パネル38,40は、各側壁部24c,24dの内側に固定されたヒンジ42を介して、各側壁部24c,24dに取り付けられていることによって、上下方向に回動可能とされている。
【0023】
そして、そのような回動可能とされた左側及び右側屋根パネル38,40にあっては、図4に二点鎖線で示されるように、前側及び後側側壁部24a,24bの各回動側壁パネル28が回動下死点に位置するように転倒せしめられた状態下で、下方に回動せしめられた際に、例えば、左側屋根パネル38が、転倒せしめられた回動側壁パネル28,28に接触位置するように下傾せしめられた位置と、右側屋根パネル40が、下傾した左側屋根パネル38に接触位置するように下傾せしめられた位置とが、それぞれの屋根パネル38,40の回動下死点とされている。また、それら左側及び右側屋根パネル38,40は、かかる下死点位置から上方に回動せしめられることにより、その回動量に応じて、先端部分に向かって上傾する勾配が徐々に増大せしめられるようになっており、そして、それら各屋根パネル38,40が、先端部分同士において互いに当接位置せしめられた状態下において、切妻構造の屋根部25を形成するようになっている。
【0024】
なお、本実施形態においては、左側及び右側屋根パネル38,40が上述の如き下死点に位置せしめられているときの、シャシ14の車輪12の接地面から左側及び右側屋根パネル38,40の最高位置までの高さ、つまり、ハウス本体10の高さ:h3 が、一般の大型車両の高さと略同じ寸法とされている。また、それら各屋根パネル38,40も、比較的に軽量な木造製品からなっているため、各屋根パネル38,40の上下方向への回動が、人力により容易に行なわれる。
【0025】
かくして、かかるトレーラーハウスにあっては、二階部分20の前側及び後側側壁部24a,24bの上側半分の部分をそれぞれ与える二つの回動側壁パネル28,28と、二階部分20の屋根部25を与える左側及び右側屋根パネル38,40とが、各々下方向に回動せしめられることにより折畳み可能とされており、また、それら各回動側壁パネル28と各屋根パネル38,40の折畳み状態下では、二階部分20が未完成状態とされている。そして、そのような二階部分20の未完成状態下で、例えば、図示しない搬送用シートを、各回動側壁パネル28や各屋根パネル38,40の全体を覆うように取り付ける等して、それら各パネル28,38,40を回動不能に保持せしめておけば、一般道路上を安全に走行し得るようになっている。
【0026】
そしてまた、本実施形態のトレーラーハウスでは、所定の設置場所にハウス本体10を設置した際に、二階部分20の未完成状態、つまり、各回動側壁パネル28と各屋根パネル38,40とが回動下死点に位置せしめられた状態から、左側及び右側屋根パネル38,40を上方に回動せしめると共に、各回動側壁パネル28を上方に回動せしめて、起立状態とし、そして、この起立状態とされた各回動側壁パネル28の山形の支持部30,30に、先端部同士において互いに当接位置せしめられた左側及び右側屋根パネル38,40を支持させて、組み付けることによって、四つの側壁部24a〜dにて囲まれ、且つ天井部分に、左側及び右側屋根パネル38,40にて構成される屋根部25が固設された二階部分20が、完成されるようになっている。
【0027】
なお、図に明示されてはいないものの、各回動側壁パネル28の支持辺部30に支持されて、それら各回動側壁パネル28と組み付けられた各屋根パネル38,40は、各回動側壁パネル28や、二つの回動側壁パネル28,28の間に架設された棟木に対して、それぞれビス止め等されており、これによって、ここでは、それら各回動側壁パネル28と各屋根パネル38,40との組付状態が維持されるようになっている。
【0028】
このように、本実施形態のトレーラーハウスにおいては、二階部分20の前側及び後側側壁部24a,24bの上側半分の部分をそれぞれ与える二つの回動側壁パネル28,28と、二階部分20の屋根部25を与える左側及び右側屋根パネル38,40とが、各々下向への回動により折り畳まれた、二階部分20の未完成な状態において、一般道路上を走行可能とされており、しかも、各回動側壁パネル28と各屋根パネル38,40のそれぞれを下死点に位置せしめた際のハウス本体10の高さが、一般の大型車両と略同じ寸法とされているところから、例えば、各回動側壁パネル28と各屋根パネル38,40とを、下死点に位置するように折り畳んで、二階部分20を未完成状態としておけば、ハウス本体10の設置場所まで、一般道路上を、何等の問題もなく走行することが出来る。
【0029】
そして、かかるトレーラーハウスにあっては、二階部分20を形成するための別のハウス本体10等を、何等用いることなく、設置場所において、ハウス本体10を設置した状態下で、単に、各屋根パネル38,40と各回動側壁パネル28とを、人力や、場合によってはクレーン等を用いて、上方に回動せしめて、起立状態とした各回動側壁パネル28に対して、各屋根パネル38,40を支持させ、組み付けるだけの簡単な作業と、極めて低いコストで、二階部分20が、容易に完成せしめられ得るのであり、また、かくして完成された二階部分20の床部34から天井までの高さが、一階部分18の床部から天井までの高さと略同一の寸法と為され得る。
【0030】
従って、かくの如き本実施形態のトレーラーハウスにおいては、ベッドルームや物置等に限られない、より広範囲な利用を可能ならしめるのに十分な高さを有する二階部分20が、設置場所までの移動に何等の支障を来すことなく、しかも極めて簡単な作業と、より少ない費用にて、形成され得るのである。そして、その結果として、より優れた使用性と快適な居住性とが、設置作業における作業性や経済性に負担を掛けることなく、有利に実現され得ることとなるのである。
【0031】
また、かかるトレーラーハウスにあっては、二階部分20が、矩形の筐体形状とされると共に、その屋根部25が、左側及び右側屋根パネル38,40にて、切妻構造をもって構成されているため、見栄えの向上が効果的に図られ得ると共に、例えば、二階部分20の屋根部25が片流れの構造とされている場合に比して、二階部分20内部の上部空間が有効利用され得るといった利点がある。
【0032】
以上、本考案の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本考案は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0033】
例えば、前記実施形態では、二階部分20を形成する四つの側壁部24a〜dのうち、前側及び後側側壁部24a,24bの上側略半部の部分が、上下方向に回動可能な回動側壁パネル28,28にて構成されていたが、それら各回動側壁パネル28が下方への回動により下死点に位置せしめられた際のハウス本体10の高さが、例えば、一般の大型車両の高さと略同じ寸法とされ得るのであれば、前側及び後側側壁部24a,24bの何れの部分が、回動側壁パネル28にて構成されていても良いのであり、また、勿論、それら前側及び後側側壁部24a,24bの全体が、回動側壁パネル28にて構成されていても、何等差し支えないのである。
【0034】
また、それら前側及び後側側壁部24a,24bではなく、左側及び右側側壁部24c,24dの一部若しくは前部を回動側壁パネル28にて構成することも出来、更に、四つの側壁部24a〜dのうちの何れか三つ若しくは四つ全ての少なくとも一部を、回動側壁パネル28に構成することも可能である。
【0035】
更にまた、回動側壁パネル28は、起立状態とされたときに、必ずしも、直立させられている必要はなく、傾斜した起立状態とされていても、勿論良い。これは、二階部分20が、例えば、三角形の筐体形状とされているとき等において、適用される。なお、このことから明らかなように、二階部分20と一階部分18のそれぞれの形状は、何れも、例示の如き矩形の筐体形状に、決して限定されるものではなく、ハウス本体10の使用目的や設置場所の条件等に応じて、適宜に変更され得るものである。
【0036】
また、二階部分28の屋根部25を与える屋根パネルが取り付けられる側壁部や、その取付位置も、例示のものに、特に限定されるものではないことは、言うまでもないところである。
【0037】
さらに、前記実施形態では、一階部分18の屋根部23や二階部分20の屋根部25が、それぞれ、切妻構造を有して構成されていたが、それらの屋根部23,25を、例えば、片流れの構造と為すことも、可能である。
【0038】
加えて、前記実施形態では、本考案を、住宅用トレーラーハウスに対して適用したものの具体例を示したが、本考案は、その他、店舗や事務所、作業所、宿泊所等の各種居住施設として利用される、住宅用以外のトレーラーハウスの何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
【0039】
その他、一々列挙はしないが、本考案は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本考案の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本考案の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0040】
【考案の効果】
以上の説明からも明らかなように、本考案に従うトレーラーハウスにあっては、設置場所に移動せしめられるまでの間は、二階部分の高さが、一般道路上を移動可能な低い高さとされるものの、設置場所で、二階部分の高さが、簡単な作業によって、多目的な利用が可能となる程度の高さにまで、容易に増大せしめられ得るような構造が、極めて経済的に有利に実現され得るのである。そして、その結果として、コストの高騰や設置作業における作業性の低下を何等招くことなく、使用性や居住性の向上が、極めて有利に達成され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に従う構造を有するトレーラーハウスの一例を示す正面説明図である。
【図2】図1に示されたトレーラーハウスの右側面説明図である。
【図3】図1におけるIII−III断面拡大説明図である。
【図4】図2におけるIV−IV断面拡大説明図である。
【符号の説明】
10 ハウス本体 12 車輪
14 シャシ 16 連結装置
18 一階部分 20 二階部分
22,24 側壁部 23,25 屋根部
28 回動側壁パネル 38 左側屋根パネル
40 右側屋根パネル
Claims (2)
- 所定の牽引車にて牽引されて移動せしめられる、一階部分と二階部分とを備えたトレーラーハウスにして、
前記二階部分の側壁部の少なくとも上側部位を与えるパネルであって、上下方向に回動可能に、且つ上方への回動によって転倒状態から起立状態となるように設置された側壁パネルの複数と、
前記二階部分の屋根部を与えるパネルであって、上下方向に回動可能に、且つ上方への回動によって勾配が大きくなるように設置された屋根パネルと、
を有し、前記屋根パネルが、上方への回動により勾配が大きくされた状態下で、上方への回動により起立状態とされた前記複数の側壁パネルのそれぞれにて支持されることによって、前記二階部分の高さが増大せしめられ得るように構成したことを特徴とするトレーラーハウス。 - 前記二階部分が、四つの側壁部を備えた矩形の筐体形状を呈し、該四つの側壁部のうちの互いに対向位置する二つの側壁部の少なくとも上部部位が、前記側壁パネルにてそれぞれ構成される一方、該四つの側壁部のうちの残りの二つの側壁部の上端部に、前記屋根パネルが、該残りの二つの側壁部間の距離の半分よりも長い長さをもって、上下方向に回動可能にそれぞれ一つずつ設置されて、それら二つの屋根パネルが、上方への回動により、勾配が大きくされると共に、先端部同士において互いに当接して、下方への回動が阻止せしめられた状態下で、上方への回動により起立状態とされた前記二つの側壁パネルのそれぞれにて支持されるようになっている請求項1に記載のトレーラーハウス。
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JP2003003924U JP3098976U (ja) | 2003-07-01 | 2003-07-01 | トレーラーハウス |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010203177A (ja) * | 2009-03-05 | 2010-09-16 | Misawa Homes Co Ltd | 建物本体と車両の接続構造 |
-
2003
- 2003-07-01 JP JP2003003924U patent/JP3098976U/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010203177A (ja) * | 2009-03-05 | 2010-09-16 | Misawa Homes Co Ltd | 建物本体と車両の接続構造 |
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