JP5409599B2 - Pccの製造方法 - Google Patents

Pccの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5409599B2
JP5409599B2 JP2010503356A JP2010503356A JP5409599B2 JP 5409599 B2 JP5409599 B2 JP 5409599B2 JP 2010503356 A JP2010503356 A JP 2010503356A JP 2010503356 A JP2010503356 A JP 2010503356A JP 5409599 B2 JP5409599 B2 JP 5409599B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
manufacturing
lime
reaction
carbonation
calcium hydroxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010503356A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010524813A (ja
Inventor
ハンセン,カーレ,ハビット
ペダーセン,モーゲンズ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omya Development AG
Original Assignee
Omya Development AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=38508721&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP5409599(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Omya Development AG filed Critical Omya Development AG
Publication of JP2010524813A publication Critical patent/JP2010524813A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5409599B2 publication Critical patent/JP5409599B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01FCOMPOUNDS OF THE METALS BERYLLIUM, MAGNESIUM, ALUMINIUM, CALCIUM, STRONTIUM, BARIUM, RADIUM, THORIUM, OR OF THE RARE-EARTH METALS
    • C01F11/00Compounds of calcium, strontium, or barium
    • C01F11/18Carbonates
    • C01F11/182Preparation of calcium carbonate by carbonation of aqueous solutions and characterised by an additive other than CaCO3-seeds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/18Stationary reactors having moving elements inside
    • B01J19/1868Stationary reactors having moving elements inside resulting in a loop-type movement
    • B01J19/1881Stationary reactors having moving elements inside resulting in a loop-type movement externally, i.e. the mixture leaving the vessel and subsequently re-entering it
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J4/00Feed or outlet devices; Feed or outlet control devices
    • B01J4/001Feed or outlet devices as such, e.g. feeding tubes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01FCOMPOUNDS OF THE METALS BERYLLIUM, MAGNESIUM, ALUMINIUM, CALCIUM, STRONTIUM, BARIUM, RADIUM, THORIUM, OR OF THE RARE-EARTH METALS
    • C01F11/00Compounds of calcium, strontium, or barium
    • C01F11/18Carbonates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/18Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
    • C08K3/24Acids; Salts thereof
    • C08K3/26Carbonates; Bicarbonates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C1/00Treatment of specific inorganic materials other than fibrous fillers; Preparation of carbon black
    • C09C1/02Compounds of alkaline earth metals or magnesium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2004/00Particle morphology
    • C01P2004/60Particles characterised by their size
    • C01P2004/61Micrometer sized, i.e. from 1-100 micrometer
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2006/00Physical properties of inorganic compounds
    • C01P2006/12Surface area
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2006/00Physical properties of inorganic compounds
    • C01P2006/22Rheological behaviour as dispersion, e.g. viscosity, sedimentation stability

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Description

本発明は,低エネルギーの反応装置における沈降炭酸カルシウム(PCC)の製造方法に関する。特に,本発明は,炭酸化反応に対して消和されていない石灰又は乾燥した炭酸カルシウムを,従来方法で使われていた消石灰の代替又は補完として,添加することで乾物含量が高いPCCを製造する方法を提供するものである。
沈降炭酸カルシウムは,紙,歯磨き粉,塗料,プラスチックといった商品の生産において無機顔料や充填剤として広く用いられている。また,高純度のPCCは調合薬の製剤に使われている。PCCは,酸化カルシウム(石灰)と,炭酸ガスと,水とを利用した反応過程を経て製造される。この沈降反応は,的確な反応条件を利用することによって,3種類の異なる他形(カルサイト,アラゴナイト,バテライト)を製造することが可能である。主に市販されているタイプのPCCは,針状のアラゴナイトであるか,又は菱面体,プリズム状,コロイド状,針状,偏三角面体といった形態のカルサイトである。そして,各々の形状にするために,凝集レベル,粒子サイズ,粒度分布,表面積を,処理パラメータを変更することにより調整することが可能である。
最も工業的なPCC炭酸化反応は,混合エネルギー強度の低い(10kW/m未満の)反応槽内で行われる。従って,炭酸化に際して,均一な溶液を確実なものとすることができ,これにより,均一な製品を確実にしようとする場合,消石灰としては,比較的粘性の低いもの(ブルックフィールド粘度計で1000未満(スピンドル:3100rpm))が求められる。従って,最も工業的には,PCCは,炭酸化工程中において最終乾燥で,12〜24%の固形分で製造される。固形分が少ない理由は,充填剤がより遠い距離へ運搬されるものである場合,さらに,後続の工程(濃縮)が必要となるからである。充填剤を工業規模で濃縮する場合,通常,PCC粒子やPCC凝集体の一部に破損を与えるような高いせん断や高い圧力を伴う。PCC粒子の破損によって,Ca(OH)が遊離し,その結果,PCC溶液のpH値が上昇することとなる。市販されているPCC溶液は,一般的にpH値が8から10までの間で販売されているので,pH値を安定化させるステップを追加する必要がある。
従来の低エネルギー強度の反応装置で製造されるPCCでは,遠心分離,デカンテーション,又は濾過等によって,機械的に炭酸化物から水を取り除くことで,固形分の乾物含量を約35%にまで高めることは可能である。しかしながら,これは,粒度分布の傾斜を減少させることとなる。このことは,粒子サイズ75%のフラクタイルの物質量を25質量%のフラクタイルの物質量で割ることで計算される傾斜度が増加することによっても示される。発明者らによって行われた本格的なPCC製造に関する分析によれば,75質量%/25質量%フラクタイル比が1.5から2.0へ増加する可能性があることがわかる。さらに,二次的なpH安定化ステップを行わなくて済む。
PCC沈殿物のためのいくつかの工程は,公知文献に記載されている。その公知文献には,高い乾物含量を有するPCCを,消和されていない石灰の使用を伴う工程で製造することが記載されている。米国特許第6,761,869号,米国特許第6,602,484号,米国特許第6,699,318号,米国特許第6,475,459号,国際公開第03/106344号パンフレットには,いずれも,消和されていない石灰の炭酸化を伴う工程や,消和と炭酸化を組み合わせたステップを含む工程が開示されている。しかしながら,それぞれの場合では,工程として,高いエネルギー強度,高い圧力,及び/又は大きいガス容積の使用が必要となり,このことは,大規模でかつ合理的なコストでのPCC製造にそぐわない工程となる。さらに,これらの工程は,上述したような工業的に重要なPCCの形態の全てを製造するために使用することができない。
他に特別なPCC形態の製造に特化された工程がある。例えば,米国特許第5,695,733号は,伝導率を反応中に制御することにより,凝集した偏三角面体型のPCCを凝集した菱面体型のPCCへと変換する工程を提供する。また,米国特許第6,022,517号には,針状のカルサイトや,柱状のクラスター又はニードル形状の針状結晶を有するアラゴナイトの炭酸カルシウムを,水溶性アルミニウム化合物の存在下で水酸化カルシウム又は酸化カルシウムを炭酸化することによって製造する工程が記載されている。これらの工程は消和されていない石灰の炭酸化を伴うかもしれないが,工業的に重要なPCCの形態の全ての製造に最適な,効果的でかつ経済的な工程の必要性に向けられたものではない。
最後に,消和されていない石灰を,先に概説した工程で使用する場合,直接,消和されていない石灰を炭酸化反応装置内に添加することが提案されている。しかしながら,従来の低エネルギーの反応装置では,消和されていない石灰を直接反応装置内に添加することは比較的流量の多いガスが反応装置を流れているという点で,問題があった。ガスは水分で飽和状態にあり,また,石灰には吸湿性があるので,ガスを流すと,反応装置内の様々な装着部品に石灰が定着することとなり,装置部品の機械的部品に機能障害をもたらしたり,不均一な製品の形成をもたらしたりする。さらに,石灰を炭酸化反応装置に直接添加すると,その添加時点で,カルシウム濃度が高くなることとなる。それによって,シーディング(seeding)が引き起こされる可能性や,それによって,最終製品の粒子サイズが広い範囲にわたることとなる可能性がある。
以上のことから,改良された工程として,低エネルギー反応装置内で均一な沈降炭酸カルシウムを固形分が多い状態で製造するための工程は,実用性や経済的な理由から有利になると考えられる。特に,工業関連のPCCの形態全ての調製に利用することが可能な炭酸化反応で固形分を増大させるための原理を考案することが望まれている。
従って,本発明の目的は,針状のアラゴナイトや,角柱体,菱面体,コロイド状,偏三角面体の形態のPCCをもつカルサイトを,高い固形分で製造するための効果的でかつ費用効果がある方法を提供することにある。特に,本発明の目的は,消和されていない石灰を直接炭酸化反応装置に添加したときに起こる上述した問題を解決する工程を提供することにある。
そこで,本発明によって,最終PCCの固形分の制限が製品の粘度にあり(CO取り込み,混合,ポンプ能力等で制限され),かつ,原材料(水酸化カルシウム溶液)の粘性によって制限されないで,市販されている低いエネルギー強度の反応装置でのPCCの製造を可能とする工程が考案されている。ここで,粘性を下げるための添加物(分散補助剤,その他)が加えられなかった場合,PCCを,固形分が少なくとも40%までで製造することができる。分散剤やそれに類するものが加えられる場合,同75%を実現可能である。
従って,本発明のある側面は,水酸化カルシウムの炭酸化による沈降炭酸カルシウム製造方法に関するものであり,該製造方法は,2以上の別々の反応槽内で並列的に実行される以下の工程を有する。

i)炭酸カルシウムを形成するために,水酸化カルシウムを,二酸化炭素を含むガスに接触させる工程,及び,
ii)酸化カルシウム,石灰,乾燥した水酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せを,前記工程で得られる,水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの混合物の一部に添加する工程。

そして,この製造方法では,上記の工程が,2以上の反応槽の間で,連続的な循環又は非連続的な循環が許容されるように行われる。
本発明の他の側面は,以下を含む反応システムに関する。
a)任意の水注入口,
b)ガス注入口,及び,
c)石灰,酸化カルシウム,乾燥した水酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せを加えるための注入口と,任意の水注入口とを含む再循環ループ
本発明のさらに他の側面は,沈降炭酸カルシウム製造のための発明による反応システムの使用を提供するものである。
炭酸カルシウム協会(欧州),2004年10月5日付けPCCタスクフォースミーティングからのPCC工程の概観を示す図である。 第1の,つまりメインの反応槽(A)と,任意の水注入口(C)と,ガス注入口(D)と,再循環ループ(E)であって,石灰,酸化カルシウム,乾燥した水酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せを加えるための注入口(F)と,任意の水注入口(G)とを有する再循環ループ(E)とを有する本発明に係る反応システムの概略図である。 第1のつまりメインの反応槽(A)と,第2反応槽(B)と,任意の水注入口(C)と,ガス注入口(D)と,再循環ループ(E)であって,石灰,酸化カルシウム,乾燥した水酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せを加えるための注入口(F)と,任意の水注入口(G)とを有する再循環ループ(E)とを有する本発明に係る反応システムの概略図である。 実施例1で調製された偏三角面体型PCCのSEM写真を示す図である。 実施例2で調製されたコロイド状PCC製品のSEM写真を示す図である。 実施例3で調製されたコロイド状PCC製品のSEM写真を示す図である。 実施例4で調製された凝集体のアラゴナイトPCCのSEM写真を示す図である。 実施例5で調製された,離散状態の菱面体型PCCのSEM写真を示す図である。
本発明は,以下でより詳細に説明される。
定義
本発明の更なる詳細を述べるに先だって,まず,以下のように用語や慣習を定義することとする。
本文中で使われる用語「酸化カルシウム」は,100%CaOを表す。
他方,用語「乾燥した水酸化カルシウム」は,80〜100%Ca(OH)と,0〜20%の水からなる物質を表す。
本発明に関連して,用語「石灰」は,従来の意味で使用されるものであり,酸化カルシウム,水酸化カルシウム,炭酸カルシウムと,砂,石,鉄,酸化マグネシウム,重金属などの不純物との混合物を表す。ここで,酸化カルシウムは,通常,重量で組成の80%以上であり,水酸化カルシウムの含有量は,通常5%未満であり,炭酸カルシウムは10%未満であり,不純物は通常10%未満である。
従って,本発明のある側面は,水酸化カルシウムの炭酸化による沈降炭酸カルシウム製造方法に関するものであり,該製造方法は,2以上の別々の反応槽内で並列的に実行される以下の工程を有する。

i)炭酸カルシウムを形成するために,水酸化カルシウムを,二酸化炭素を含むガスに接触させる工程,及び,
ii)酸化カルシウム,石灰,乾燥した水酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せを,前記工程で得られる,水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの混合物の一部に添加する工程。

そして,この製造方法では,上記の工程が,2以上の反応槽の間で,連続的な循環又は非連続的な循環が許容されるように行われる(図2参照)。
既に提案されている,石灰の使用を伴う炭酸カルシウムの析出のための工程は,石灰が直接炭酸化反応に加えられるという一段階の不可欠な反応である。一方,本発明の工程においては,炭酸カルシウムの沈殿は2段階工程として実行される。具体的には,第1の反応槽において,水酸化カルシウムを,二酸化炭素を含むガスに接触させ,それにより,炭酸カルシウムの形成が行われる。石灰及び/又は水酸化カルシウムの添加を容易にするために,第1の反応槽における反応混合物の一部又は一定分量が,別の,つまり第2の反応槽へ移される。そして,酸化カルシウム,石灰,乾燥した酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せが添加されている場合には,反応混合液の一部又は一定分量を,第1の反応槽に戻し,これにより,継続実施中の炭酸化反応に混合される。
この2段階にわたる工程においては,先行技術による工程に関連するいかなる問題をも伴うことなく,80%を超える固形分として石灰又は水酸化カルシウムを添加することが可能である。特に,ダスティングに関連する問題や,炭酸化反応装置内における石灰又は水酸化カルシウムの堆積に関連する問題が回避される。さらに,本発明の工程によれば,炭酸化反応装置内の乾燥物質を約20%から40%へ,さらには45%,50%,55%,60%,65%,70%,又は75%にまでに増加させることが,粘度の増加を伴うことなく,また,望ましくない製品形態の変化を引き起こすことなく可能である。これにより,主に市販されているタイプのPCC,つまり,針状のアラゴナイト,又は,菱面体,プリズム状,コロイダル状,針状,偏三角面体型のカルサイトを,従来の反応装置において乾燥物質が75%までで直接的に製造することができる。
本発明のさらなる利点は,工業規模でのPCC製造に関連する経済的な側面に関する。これに関して,本発明による工程は,現在利用可能な石灰資源よりも多くの石灰資源の商業的利用の可能性を提供するものである。さらに,発明者の分析から,本発明の工程を実施することにより,既存のプラントのキャパシィを増大することと,変動する製造コストを減少させることとを同時に可能となることが示されている。製造コストの減少として,次の5点があげられる。

・処理用水の消費量が減少すること
・非常に反応性が高いか又は非常に低い石灰や,硬い焼却材料を高い割合で含む石灰のように一般的には処理困難であると考えられていた石灰の利用可能性が増大すること
・運搬の必要のある水の減少を一因として,また,キャパシティの増大を一因として,電気消費量が減少すること
・炭酸化に加えられるCaO及びCa(OH)の損失が実質的にはゼロとなることによって,石灰消費量が減少すること
・冷却水の消費量が順当に減少すること
上記のキャパシティの増大は,排出,充填,洗浄のような析出工程における非生産的な処理手順を保持しつつ,バッチサイズを増大させることに起因する。多くの場合,これらの工程は,現在のところ,反応サイクルの実質的な部分を構成する。また,PCC溶液の密度を増大させることで,増大したキャパシティに対してわずかに寄与するCOの取込みを増大させることとなる。
本発明による工程において,石灰又は乾燥した水酸化カルシウム又はこれら2つの組合せは,一部又は一定分量の炭酸化反応に,乾燥物質を増加させるための手段として加えられる。しかし,処理の観点から次のことを考慮に入れる必要がある。
1.水酸化カルシウムはCOと反応すると水を放出する。この放出は,乾燥したPCC5.5メートリックトン当たりおよそ1m3である(1m3/5.5tonne)。これは,乾燥したCa(OH)が使われるとした場合,充填レベルはおよそ1mより低くしなければならないことを意味する。
2.石灰と水酸化カルシウムの両方が使われる場合,別々の貯蔵システムが必要とされる。
結果として,目的の大部分にとっては,消和されていない石灰のような石灰の使用は,現在酸化カルシウムの使用に対して,また,乾燥した水酸化カルシウムの使用に対して,さらには,酸化カルシウム,石灰,及び/又は乾燥した水酸化カルシウムの組合せの使用に対して好ましい。
最も単純な実施形態において,この循環プロセスでは,繰り返し一定分量の炭酸化反応液を取り出し,石灰及び/又は水酸化カルシウムを炭酸化反応液と再合成する前の一定分量に添加することが手動で行われる。しかし,工業目的の大部分にとっては,炭酸化反応液の一定量を手動で制御することに取って代わるような,2以上の反応槽間に永続的な連結を確立することが便利であろう。その連結は,チューブ及び/又はホースといった形態により確立することが可能である。
本発明の一実施形態によれば,酸化カルシウム,石灰,又は乾燥した水酸化カルシウム,又はこれら3ついずれかの組合せが,再循環ループを介して工程i)の炭酸化反応液に加えられる。この実施形態において,工程i)及びii)は,再循環ループを介して相互に連結された反応槽において実施される。この実施形態において,反応混合液は,酸化カルシウム,石灰,又は乾燥した水酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せを加えるための注入口を少なくとも過ぎて,第1の反応槽の外へ流れ,第1の反応槽へ戻ると理解されるべきである。さらに,この再循環ループを介した流れは,炭酸化反応の全期間又は炭酸化反応の主要な期間において連続的におきると理解されるべきである。これに代えて,その流れは,例えば炭酸化反応の反応条件の制御のために必要とされるようなときに,必要に応じた一期間又はそれ以上の間一時中断される。
本発明による工程は,脱水ステップを利用せずに高い固形分のPCCを製造できる可能性を提供するので,脱水キャパシティが必要なくなる点で特別な利点を提供する。脱水ステップが削減されることに伴う利便性を除けば,仮に,製品が反応装置で例えば35%で直接製造されるとする場合,脱水された製品よりも顕著な傾斜サイズ分布を占めることとなるため,製品品質が向上することになる。従来の凝集したPCCでは,75/25フラクタイル質量比で計算されたサイズ分布は,1.40から1.65までの範囲内にある。通常のデカンター内での35%固体分への脱水は,典型的には75/25フラクタイル質量比が0.1〜0.2増加するのに対して,本発明の方法を利用した場合,低い比率でも1.30〜1.55を取得できる。従来技術では,高傾斜の充填剤製品は,低い傾斜を有する充填剤よりも優れた光学性能を有することが知られている。従って,本発明の特別な実施形態によれば,工程は,望ましい沈降炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウム溶液を取得するための脱水ステップを伴わない。
実際の加えられる酸化カルシウム,石灰,水酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せの量は,どの特別なPCC製品を希望するかによって決まる。従って,本発明の目的のためには,最終製品として10〜75%(W/W)の乾燥物質(沈降炭酸カルシウム)を含むスラリーを提供するのに十分な量で,酸化カルシウム,石灰又は水酸化カルシウム又はこれら3つの任意の組合せが加えられる。上記スラリーの例は,脱水ステップを行わない場合,10〜70%(W/W)有するスラリーであり,例えば,10〜65%(W/W),10〜60%(W/W),10〜55%(W/W),10〜50%(W/W),10〜45%(W/W),15〜45%(W/W),20〜45%(W/W),25〜45%(W/W),25〜40%(W/W),27〜38%(W/W),27〜33%(W/W),30〜38%(W/W)有するスラリーである。
本発明による方法において,炭酸化反応は5〜100℃の間の温度で開始され,例えば5と60℃の間,例えば15と80℃の間,例えば20と85℃の間の温度で開始される。好ましい開始温度の特別な範囲は,所望する製品の特性に応じて適用される。一般的に,CO添加中の温度が低い場合は,菱面体型のPCC粒子が製造される傾向にある。CO添加中温度が温かいほど,偏三角面体型のPCC粒子が製造される傾向にある。特に,所望する製品が離散状態の菱面体型PCCである場合,開始温度として5と20℃の間を使用することは適切であるといえる。これに代えて,所望する製品が凝集した偏三角面体型PCC又は離散状態のアラゴナイトPCCである場合,開始温度として30と60℃の間を使うことが適切であるといえる。コロイド状PCCを作ることを目的として本工程を実行する場合,開始温度として10と50℃の間を使用することが可能である。
様々なPCC形態を調製するための一般的な説明は,様々な反応パラメータの説明を含めて,文献に見ることができ,例えば,国際公開第01/92422号や国際公開第01/66467号を参照されたい。針状のカルサイト形態を有するPCCの製造は米国特許第6,022,517号に記述されている。また,角柱体カルサイト形状を有するPCC製造は米国特許第5,658,733号に記載されている。
本発明の特別な実施形態においては,本工程は,コロイダル状のPCCを製造するために用いられる。この実施形態によれば,工程i)における炭酸化反応は,10〜60℃の温度で開始され,好ましくは10〜50℃の温度で開始され,そして,酸化カルシウム,石灰又は水酸化カルシウム又はこれら3つの任意の組合せが最終製品を提供するのに十分な量で加えられる。ここでの最終製品としてのスラリーは,30〜55%(W/W)のコロイダルカルサイト形態を有する沈降炭酸カルシウム結晶を含み,この結晶は,コロイダルカルサイト形態を有する沈降炭酸カルシウムを30〜35%(W/W)で含むものである。
本発明の第2の特別な実施形態において,本工程は,離散状態の菱面体型PCCを製造することを目的として実行される。従って,工程i)における炭酸化反応は,5〜20℃の温度で開始され,そして,酸化カルシウム,石灰又は水酸化カルシウム又はこれら3つの任意の組合せが最終製品を提供するのに十分な量で加えられる。ここでの最終製品としてのスラリーは,菱面体カルサイト形態を有する沈降炭酸カルシウム結晶を27〜35%(W/W)で含む。
更なる実施形態において,工程i)における炭酸化反応は15〜60℃の温度で開始される。また,酸化カルシウム,石灰又は水酸化カルシウム又はこれら3つの任意の組合せが最終製品を提供するのに十分な量で加えられる。ここでの最終製品としてのスラリーは,凝集した偏三角面体型のカルサイト形態を有する沈降炭酸カルシウム結晶を30〜55%(W/W)で含む。
他の実施形態において,工程i)における炭酸化反応は25〜60℃の温度で開始される。また,酸化カルシウム,石灰又は水酸化カルシウム又はこれら3つの任意の組合せが最終製品を提供するのに十分な量で加えられる。ここでの最終製品としてのスラリーは,針状カルサイト形態を有する沈降炭酸カルシウム結晶を30〜55%(W/W)で含む。
さらに他の実施形態において,工程i)における炭酸化反応は5〜30℃の温度で開始される。また,酸化カルシウム,石灰又は水酸化カルシウム又はこれら3つの任意の組合せが最終製品を提供するのに十分な量で加えられる。ここでの最終製品としてのスラリーは,離散状態の角柱体型カルサイト形態を有する沈降炭酸カルシウム結晶を30〜55%(W/W)で含む。
また更なる実施形態において,工程i)における炭酸化反応は30〜80℃の温度で開始される。また,酸化カルシウム,石灰又は水酸化カルシウム又はこれら3つの任意の組合せが最終製品を提供するのに十分な量で加えられる。ここでの最終製品としてのスラリーは,アラゴナイト沈降炭酸カルシウム結晶を10〜45%(W/W)で含む。
十分に本発明による工程のポテンシャルを活用するためには,酸化カルシウム,石灰又は乾燥した水酸化カルシウムまたはこれら3つの任意の組合せは,固形分の含有量が高いことが好ましい。特別な目的のためには,固体分の含有量は75%以上が好ましく,例えば,分の含有量は,80%以上,85%以上,90%以上,95%以上,96%以上,97%以上,98%以上,又は99%以上である。
本工程で用いられる2以上の反応槽間で循環を起こすための簡便な方法は,工程i)の反応槽から工程ii)の反応槽内へと自由に溢れる流れ(オーバーフロー)を確立することである。このような設定は,本出願の図2aに示されている。その図に示されたシステムにおいては,炭酸化反応が反応槽(A)で起こり,一方で,酸化カルシウム,石灰又は乾燥した水酸化カルシウム又はこれら3つの任意の組合せの添加が反応槽(B)で行われる。反応槽(A)から自由に溢れる流れは,チューブ又はホース部(C)を反応槽(A)の1/3より低いところに設けることで確立される。
本工程のある用途では,炭酸化反応の間に冷却又は加熱のいずれかを行うことが望ましい。本発明の本文中では,冷却又は加熱を得るための簡便な方法として,上述した再循環ループに,冷却装置,熱交換装置,又は加熱装置が設けられる。
大きいエネルギー入力を必要とする高固形分PCC調製のための公知の工程は,1m以下の規模をもつ反応装置内で実施される。本発明による工程は,実験目的でも,比較的小さいシステム内でも,さらには,大きい工業規模の製造でも使用可能である。典型的には,当業者は,典型的な高エネルギー強度の反応装置よりも相当大きい容積を有する反応装置において本工程を使用することを考えるであろう。従って,工程i)の反応槽及び図2,3における反応槽(A)は,好ましくは,2m以上であり,例えば,3m以上,4m以上,5m以上,10m以上,15m以上,20m以上,25m以上,30m以上,35m以上,40m以上,45m以上,50m以上,60m以上,70m以上,80m以上,90m以上,100m以上,125m以上,150m以上である。
同様に,工程i)の反応槽及び図2,3における反応槽(A)は,好ましくは,1〜70mの範囲内にある容積を有し,また例えば,2〜70m,3〜70m,4〜70m,5〜70m,7〜70m,10〜80m,15〜90m,20〜95m,25〜100m,30〜110m,40〜125m,40〜150mである。
酸化カルシウム,石灰又は乾燥した水酸化カルシウムまたはこれら3つの任意の組合せは,最初に炭酸化反応液の少量と混合することによって加えられるので,工程ii)の反応槽及び図3における反応槽(B)の容積は,簡略的には,工程i)及び図3の反応槽(A)よりもかなり小さい。特に,工程ii)の反応槽としては,50リットル以上の容積であることが好ましく,例えば,100リットル以上,250リットル以上,500リットル以上,200リットル以上,750リットル以上,1000リットル以上,2000リットル以上,3000リットル以上,4000リットル以上,5000リットル以上が好ましい。
同様に,工程ii)の反応槽及び図3における反応槽(B)の容積は,例えば,50〜1000リットル,75〜1000リットル,100〜1000リットル,150〜1000リットル,200〜1000リットル,250〜1000リットル,300〜1000リットル,350〜1000リットル,400〜1000リットル,450〜1000リットル,500〜1000リットルであることが好ましい。
さらに,二酸化炭素のみから構成されたガスは,本発明の工程i)で使われると理解されるべきであるが,上記ガスを構成する二酸化炭素の含有量は,特性及び目的によって変更されうると理解すべきである。従って,工程i)における二酸化炭素を含むガスは,二酸化炭素含有量が例えば5〜35%(例えば,5〜30%,10〜25%)であるか,又は,二酸化炭素含有量が70〜100%,75〜100%,80〜100%,90〜100%,又は95〜100%である。本出願において実施形態として含まれている本発明の記述的な実施形態では,15〜25%の二酸化炭素を含むガスが用いられている。
さらに当業者は二酸化炭素を炭酸化反応に供給する割合を変化させることによって析出率を制御可能であることを理解するであろう。本発明の特別な実施形態においては,工程i)における二酸化炭素は,1分当たりの反応装置容積に対するガス体積に対応する比率が2〜8で添加され,例えば2.2〜4.8,2.3〜4.5,2.4〜4.3,2.5〜4.1,2.6〜3.9で添加される。
目的の大部分に関して,酸化カルシウム及び/又は乾燥した水酸化カルシウムを本発明の工程において添加することが好ましく,かつ/又は,その乾燥した水酸化カルシウムの粒子サイズが,15mm以下,12mm以下,10mm以下,9mm以下,8mm以下であることが好ましい。
固形分含有量が最大75%であるPCC製品を得るためには,粘度を低くする能力を有する1以上の成分を反応中や最終製品内に添加する必要がある。その成分は,アニオン性ポリマーのような分散剤及びカルシウム塩からなる群から選択された任意のものである。これらの成分は,反応に先だって,又は反応中に,反応システムの任意の箇所で添加可能である。
高固形分PCCを調製するための公知の工程とは異なり,本発明の工程では,低い強度でエネルギーを使用する。従って,本工程の特徴としては,反応槽の内容物は,例えば,エネルギー強度50kW/m以下で十分に混合され,好ましくは40kW/m以下,例えば30kW/m以下,20kW/m以下,15kW/m以下,10kW/m以下,9kW/m以下,8kW/m以下,7kW/m以下,6kW/m以下,5kW/m以下,4kW/m以下,3kW/m以下,又は2kW/m以下で混合される。エネルギー強度に関して,出願人は,本発明の工程を強度3〜5kW/mのエネルギーを用いて稼働している。
一般的に十分な炭酸化のために必要な反応時間は,反応混合物の乾燥物質の含有量,COの特定の添加比率,及び攪拌のタイプや度合いによる。ただし,乾燥物質の含有量が増加するに従って炭酸化にかかる時間がより長くなる。本発明の工程に関連して,工程i)における炭酸化反応は,30分〜24時間で行われることが望ましく,例えば,1〜20時間,1〜15時間,1〜10時間,1〜5時間,1〜3時間,又は2〜20時間,2〜15時間,2〜10時間,2〜5時間,3〜20時間,3〜15時間,3〜10時間,又は1〜6時間で行われることが望ましい。従来の低エネルギー強度の反応装置を使った場合において,出願人は,約5%の乾燥物質の含有量での反応混合物のときは,反応時間30分〜1時間で十分な炭酸化を達成した。同様に,従来の低エネルギー強度の反応装置を使った場合において乾燥物質含有量が約18%である反応混合物のときは,出願人は,反応時間約6時間で十分な炭酸化を達成した。
本発明による更なる実施形態において,工程i)の炭酸化を,工程ii)で酸化カルシウム,石灰又は乾燥した水酸化カルシウムまたはこれら3つの任意の組合せを添加する前に,5分以上行ってもよく,例えば,10分以上,15分以上,20分以上,30分以上,1時間以上,2時間以上,3時間以上,4時間以上,5時間以上,6時間以上,7時間以上行ってもよい。
炭酸化反応の完了を認定するために,pH8に達するか,又は25℃以下になるまで,炭酸化を行うことが好ましい。また,工程i)における炭酸化反応を,カルシウムの10%以上が炭酸カルシウムの形態になるまで継続することも好ましい。
本発明の第一の実施形態において,目標は,炭酸化反応中に,結晶形態内で実質的な変化を伴うことなしにPCCを製造することにある。これらの実施形態において,酸化カルシウムは,本工程を通して余剰である状態が維持するのに十分な量で添加される。
ただし,本工程を行っている間に,炭酸カルシウムの形態が変化するように本発明の工程を操作することは,本発明の範疇である。特に,本工程は,例えば,凝集しれた偏三角面体型PCCから凝集した角柱体型PCCへ変換するために使われることもある。ロック(Kroc)らによる米国特許公報5,695,733で以前から提案されているように,上記のことが,炭酸化反応中に反応混合物の溶液伝導率を制御することにより達成可能である。従って,本発明の特別な実施形態では,偏三角面体型の沈降炭酸カルシウムのシード材(seed material)の使用を含む工程が提供される。ここで,上述した二酸化炭素を含むガスと,上述した酸化カルシウム,石灰,又は乾燥した水酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せとは,工程i)の炭酸化反応物の溶液伝導率が1.0から7.0mSで維持されるように調整されるような量と比率で添加される。特に,1.9と4.2mSの間で工程i)の炭酸化反応の溶液伝導率を維持することが好ましい。
本発明の工程の適用に際して,米国特許第5,695,733号で開示されているような炭酸化反応中にPCCの形態を変更することを目的として,さらに偏三角面体型の沈降炭酸カルシウムのシード材の平均球径を,0.9〜3.0ミクロン,例えば0.9〜2.0ミクロンとすることがさらに好ましい。このシード材を,水酸化カルシウムの水溶性スラリーを,開始温度が18から52℃の間で炭酸化することによって生成してもよい。不純物と消和されていない石灰を除くために,炭酸化に先だって,水酸化カルシウムをスクリーニングしてもよい。
本発明の更なる目的は,水酸化カルシウムの炭酸化によって調製される沈降炭酸カルシウム製品の乾燥物質の含有量を高める工程を提供することにある。本工程は,2以上の別々の反応槽内で並列的に実行される以下の工程を有する。

i)炭酸カルシウムを形成するために,水酸化カルシウムを,二酸化炭素を含むガスに接触させる工程,及び,
ii)酸化カルシウム,石灰,乾燥した水酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せを,前記工程で得られる,水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの混合物の一部に添加する工程。

そして,この工程では,上記の工程が,2以上の反応槽の間で,連続的な循環又は非連続的な循環が許容されるように行われる。
上述した説明に関連して,沈降炭酸カルシウム製品の乾燥物質の含有量を高めるための工程は,好ましくは,酸化カルシウム,石灰又は乾燥した水酸化カルシウム又はこれら3つの任意の組合せを,循環ループを介して工程i)の炭酸化反応に対して連続的に又は不連続的に添加する工程を含む。
工程は,酸化カルシウム,石灰又は乾燥した水酸化カルシウム又はこれら3つの任意の組合せを,最終的なPCC製品において固形分含有量を高めるための手段として添加することによるので,この工程は,好ましくは,所望の沈降炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウム溶液を取得するための脱水ステップを伴わない。
本発明の第2の側面では,反応システムが提供される。図2には,本発明のこの側面による反応システムの原理が示されている。この図に示す通り,反応システムは以下を有する。
a)任意の水注入口(C),
b)ガス注入口(D),及び,
c)再循環ループ(E)であって,石灰,酸化カルシウム,乾燥した水酸化カルシウム又はこれら3つの任意の組合せを添加するための注入口(F)と,任意の水注入口(G)とを有する再循環ループ(E)
図2に示された反応システムにおいて,炭酸化反応は,第1つまりメインの反応装置/反応槽(A)において行われ,一方で,石灰,酸化カルシウム,乾燥した水酸化カルシウム又はこれら3つの任意の組合せは,再循環ループへ直接添加される。従って,この図はまた現在好ましい実施形態を示しており,この実施形態においては,反応システムは,再循環ループを備える単一の反応槽を有する。
反応システムの配置に関する更なる実施形態は図3に示されており,この実施形態においては,反応システムは,2つの反応槽として,互いに再循環ループで相互連結された第1の反応装置(A)と第2の反応装置(B)とを有する。反応槽(B)は,再循環ループに一体化された一部であるとして観てもよいが,石灰,酸化カルシウム,乾燥した水酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せを添加するための注入口(F)と,任意の水注入口(G)とを有している。
2以上の反応装置又は反応槽を有する反応システムを提供することも本発明の範疇である。特に,石灰,酸化カルシウム,乾燥した水酸化カルシウム又はこれら3つの任意の組合せを添加するための同じ注入口(F)へすべて接続されている2以上のメイン反応装置で炭酸カルシウムの析出が生じるシステムを当業者は意図することができる。そのようなシステムでは,上記2以上のメインの反応装置からの再循環ループは,石灰,酸化カルシウム,乾燥した水酸化カルシウム又はこれら3つの任意の組合せがメイン反応槽内で起こっている炭酸化反応物に添加可能な,1つの共通する第2の反応槽に合流する。
本発明による反応システムは,特に,大規模なPCCの調製に適しており,好ましい実施形態においては,典型的な高エネルギー強度反応装置の容積よりもメインのつまり第1の反応槽はかなり大きい。これらの好ましい実施態様によれば,第1の反応槽(A)の容積は,2〜70mであり,例えば,3〜70m,4〜70m,5〜70m,7〜70m,10〜80m,15〜90m,20〜95m,25〜100m,30〜110m,40〜125m,又は40〜150mである。
上記第2の反応装置は,メイン反応槽(A)よりもかなり小さく,好ましくは容積が50〜1000リットルであり,例えば,100リットル以上,250リットル以上,500リットル以上,200リットル以上,750リットル以上,1000リットル以上,2000リットル以上,3000リットル以上,4000リットル以上,又は5000リットル以上である。又任意で,第2の反応装置に,強制混合用の再循環及び/又は強制再循環を設けてもよい。
本発明の更なる側面は,沈降炭酸カルシウムの製造のために,反応システムを上述したように使用することに関するものである。
なお,本発明の一側面として本文中に記述された実施形態及び特徴は,本発明の他の側面にも適用される。
本明細書を通して「有する,含む」という文言や「有している,含んでいる」といった変形は,単一の上述した要素,集合体,又は工程,複数の要素の群,複数の集合体,若しくは,複数の工程を包含することを意味すると理解されるべきであり,他の要素,集合体,工程,複数の要素の群,複数の集合体,又は複数の工程を除外する意味ではない。
本出願で引用されている全ての特許文献及び非特許文献は,それらの全体を参照することによって,本明細書に取り入れられるものとする。
本発明の更なる詳細を,非制限的な以下の実施例を用いて説明する。
以下の実施例の全てにおいて,ゴーリング(Golling)の採石場からのレウベ社(LeubeAG)のPCC品質の石灰を用いた。実施例1〜8においてPCCの析出は試験的な反応システムで行った。炭酸化反応装置は,全部で2mの容積を有しており,直径は1200mmであった。2つの攪拌機は,反応装置の中央部にあるシャフト上に位置されていた。両方の攪拌機は,それぞれ,くぼみのある羽根を6枚有するものであった。シャフトスピードを240rpmとした。ガスを反応装置の下部から導入した。炭酸化反応装置からの液体を,1000リットル四方のコンテナに向けて攪拌にともなって自由に流れることができるようにした。その液体の流れを止めるために又は制限するためにバルブを2つの反応装置の間に挿入した。液体を炭酸化反応装置へ戻すために,周波数調整されたポンプを使用した。
実施例9では,PCCの析出を,市販の反応システムで行った。その炭酸化反応装置は,全容積が50mであり,直径が3500mmであった。2つの攪拌機は,反応装置の中央部にあるシャフト上に位置されていた。両方の攪拌機は,それぞれ,くぼみのある羽根を6枚有するものであった。シャフトスピードを82rpmとした。ガスを反応装置の下部から導入した。炭酸化反応装置からの液体を,円錐形の1000リットルタンクへ向けて自由に流れることができるようにした。粉末を1000リットルコンテナーに向けて回転弁を介して添加可能であった。その液体の流れを止めるため又は制限するためにバルブを2つの反応装置の間に挿入した。液体を炭酸化反応装置へ戻すために,周波数調整されたポンプを使用した。
実施例1〜7において,反応装置の中及び外の伝導率,pH,温度,CO含有量,さらには,反応装置へ投入した粉末を,反応している間を通じて計測しが,示していない。
また,各反応からのサンプルとして,CaOの添加前や反応完了前に取り出した。このサンプルは,再循環ループを介して石灰を添加した後でも形態に変化がないことが分かった。全てのサンプルについて,固形分,表面積(BET),セディグラフでの粒子サイズ分布(MPS)を分析した。
セディグラフでのMPSについては,マイクロメリティクス社製「セディクラフ5100」で計測した。4g乾燥PCCに応じた量のPCCを,0.1%(w/v)60mlのナトリウム二リン酸塩に添加することで複数のサンプルを調製した。懸濁液を,ポリトロン(Polytron)PT3000/3100内で3分間,15,000rpmで分散させた。そして15分間超音波装置を使用して超音波処理が行われ,その後にセディグラフの混合室へ加えられた。
表面積(BET)については,トリスター(TriStar)3000で計測した。計測に際し,乾燥させたサンプルに関して,BET手順に従って窒素の吸着を計測した。
固形分については,赤外乾燥ユニットLP16とPE360メトラー社製のはかりとを用いて計測した(精度1mg)。
粘度については,ブルックフィールド社製タイプ「RVTDV−II粘度計」で計測した。
CaOの添加開始の時点で,Ca(OH)のどのくらいの量がCaCOへと反応するかを決定するために,滴定方法として用いられている。指示薬としてフェノールフタレインを用い,部分的に炭酸化された溶液の10gを1モルHClで滴定した。
実施例1
凝集した偏三角面体型のPCC製品を製造するために石灰を調製した。1.5mのCa(OH)を,PCC反応装置へ送り,Ca(OH)の固形分を14.3%とした。温度を45℃に調整した。20%COを含むガスを,370Nm/hでpHが8.0以下になるまで約15分間にわたって添加した。このことは,実質的に全てのCa(OH)がCaCOとして析出したことを意味している。PCC反応装置と外部タンクとの間で循環を開始した。溶液を,PCC反応装置から外部タンクへと自由に流れるようにするとともに,その後,PCC反応装置へポンプで戻すようにした。再循環ループを流れる流量は,100リットルと200リットルの間で変化する外部タンクのレベルや粘度によって,40と80リットル/分の間で変化した。そして,石灰をpHが11にあがるまで外部タンクへ添加した(約37kg)。その後,石灰を,3.2kg/分の連続的なペースで添加し添加総量を150kgとした。反応がほぼ完了した時点で,再循環をとめるとともに,外部タンクの内容物を反応装置へ送って空の状態にした。ガスの添加については,pHが8以下になったときに止め,その添加時間は約15分間であった。
最終的に得られたPCCは,凝集したS型のPCCであり,平均粒径が2.9μmであり,特定の表面積(BET)が4.2m/gであり,ブルックフィールド粘度が22cpであり,固形分が31%であった。
実施例2
コロイド状のPCC製品を製造するために石灰を調製した。1.5mのCa(OH)を,PCC反応装置へ送り,Ca(OH)の固形分を16.2%とした。温度を11℃に調整した。19%COを含むガスを,270Nm/hで添加した。Ca(OH)の80%がCaCOに変化したときに,再循環を実施例1と同じパラメータを用いて開始して,CaOを再循環タンクへ添加した。最初の18分間で2.5kgのCaOを添加し,次の37分間に3kgを添加した。CaOは,添加総量が156kgになるまで添加した。ガスの添加を継続した。反応がほぼ完了した時点で,再循環をとめるとともに,外部タンクの内容物を反応装置へ送って空の状態にした。ガスの添加については,pHが8以下になったときに止め,その添加時間は約15分間であった。
最終的に得られたPCCは,凝集したコロイド状であり,平均粒径が3.1μmであり,特定の表面積(BET)が17.4m/gであり,ブルックフィールド粘度が41cpであり,固形分が35%であった。
実施例3
コロイド状のPCC製品を製造するために石灰を調製した。1.5mのCa(OH)を,PCC反応装置へ送り,Ca(OH)の固形分を15.6%とした。温度を11℃に調整した。19%COを含むガスを,270Nm/hで添加した。Ca(OH)の40%がCaCOに変化したときに,再循環を実施例1と同じパラメータを用いて開始して,CaOを再循環タンクへ添加した。16分間は1分間当たり5kgでCaOを添加した。CaOは,添加総量が80kgになるまで添加した。CaOの添加が完了した時点で,再循環をとめるとともに,外部タンクの内容物を反応装置へ送って空の状態にした。再循環ループを空にした直後に,反応装置の内容物を21℃にまで冷却した。ガスの添加については,pHが8以下になったときに止め,その添加時間は約15分間であった。
最終的に得られたPCCは,凝集したコロイド状であり,平均粒径が1.94μmであり,特定の表面積(BET)が18.5m/gであり,ブルックフィールド粘度が41cpであり,固形分が24%であった。
実施例4
アラゴナイト状のPCC製品を製造するために石灰を調製した。2.5%のアラゴナイトシードが添加されている1.5mのCa(OH)を,PCC反応装置へ送り,Ca(OH)の固形分を8.2%とした。温度を55℃に調整した。反応装置の内容物の再循環を開始した。再循環ループを流れる流量は,25リットルと100リットルの間で変化する外部タンクのレベルや粘度によって,40と80リットル/分の間で変化した。そして,6%COを含むガスを最初の15分間にわたって100Nm/hで添加した。その後,そのガスは,15%COを含むように変更するとともに,225Nm/hに変更した。反応の終わりで伝導率が減少しはじめたときに,伝導率2.5mS/cm(温度補正なし)を維持しながらCaOを再循環タンクへ添加した。CaOは,添加総量が75kgになるまで添加した。CaOの添加が完了した時点で,再循環をとめるとともに,外部タンクの内容物を反応装置へ送って空の状態にして反応を完了させた。ガスの添加については,pHが8以下になったときに止め,その添加時間は約15分間であった。
最終的に得られたPCCは,アラゴナイト状であり,平均粒径が2.05μmであり,特定の表面積(BET)が7.5m/gであり,ブルックフィールド粘度が370cpであり,固形分が16%であった。
実施例5
凝集した偏三角面体型のPCC製品を製造するために石灰を調製した。1.5mのCa(OH)を,PCC反応装置へ送り,Ca(OH)の固形分を13.5%とした。温度を45℃に調整した。20%COを含むガスを,277Nm/hで添加した。15分後,実施例1で述べたようにPCC反応装置と外部タンクとの間で循環を開始した。Ca(OH)の95%がCaCOへと反応したときに,石灰を再循環タンクへと2.5kg/分の連続的なペースで最初の20分間添加し,続く次の37分間は3kgで添加し,添加総量を160kgとした。反応がほぼ完了した時点で,再循環をとめるとともに,外部タンクの内容物を反応装置へ送って空の状態にした。ガスの添加については,pHが8以下になったときに止め,その添加時間は約15分間であった。
最終的に得られたPCCは,凝集したS型のPCCであり,平均粒径が3.1μmであり,特定の表面積(BET)が3.5m/gであり,ブルックフィールド粘度が55cpであり,固形分が32%であった。
実施例6
離散状態の菱面体型PCC製品を製造するために石灰を調製した。1.5mのCa(OH)を,PCC反応装置へ送り,Ca(OH)の固形分を15%とした。温度を11℃に調整した。19%COを含むガスを,270Nm/hで添加した。Ca(OH)の80%がCaCOへと反応したときに,実施例1で述べたようにPCC反応装置と外部タンクとの間で循環を開始した。CaOを1分間当たり2.5kgで60分間にわたって添加した。CaOの添加総量は150kgであった。ガスの添加を継続した。反応がほぼ完了した時点で,再循環をとめるとともに,外部タンクの内容物を反応装置へ送って空の状態にした。ガスの添加については,pHが8以下になったときに止め,その添加時間は約15分間であった。
最終的に得られたPCCは,分散状態の菱面体型PCCであり,平均粒径が2.21μmであり,特定の表面積(BET)が4.5m/gであり,ブルックフィールド粘度が130cpであり,固形分が31%であった。
実施例7
凝集した偏三角面体型PCC製品を製造するために石灰を調製した。1.5mのCa(OH)を,PCC反応装置へ送り,Ca(OH)の固形分を13.5%とした。温度を45℃に調整した。20%COを含むガスを,277Nm/hで添加した。15分後,実施例1で述べたようにPCC反応装置と外部タンクとの間で循環を開始した。Ca(OH)の95%がCaCOへと反応したときに,石灰を再循環タンクへと3kg/分の連続的なペースで添加した。その後の40分間はアニオン性ポリマー(0.5% W/W)を再循環タンクへと添加した。CaOの添加を65分間にわたって継続した。その結果,CaOの添加総量は,315kgであった。反応がほぼ完了した時点で,再循環をとめるとともに,外部タンクの内容物を反応装置へ送って空の状態にした。ガスの添加については,pHが8以下になったときに止め,その添加時間は約15分間であった。
最終的に得られたPCCは,凝集したS型のPCCであり,平均粒径が3.6μmであり,特定の表面積(BET)が2.4m/gであり,ブルックフィールド粘度が450cpであり,固形分が55%であった。
実施例8
実施例5に係る製品のpH安定性を20℃と60℃で試験した。試験に際し,製品1リットルを水浴へ移して,穏やかに撹拌したままにした。別のバッチとしてPCCを,実施例5で述べた条件で,ただし,CaOを再循環ループへ全く添加することなく製造した。このバッチの最終的な固体分は,17%である(バッチ5A)。このバッチ5AについてもpH安定性を試験した。バッチ5Aを,デカンターを用いて固形分31%にまで濃縮した(バッチ5B)。同様に,pH安定性を試験した。実施例5及び5Aに係る製品のpH安定性は類似しており,一方で,濃縮後には,pHがかなり高く,しかも,pHは高いペースで上昇する。また,バッチ5の75/25比率は5Aよりも低く,同様に,5Aは5Bよりも低い。これは,粒子サイズ分布の傾斜が,5Aよりも5Bが低く,同様に,5Aはバッチ5よりも低いことから分かる。
実施例9
凝集した偏三角面体型のPCC製品を製造するために石灰を調製した。35mのCa(OH)を,PCC反応装置へ送り,Ca(OH)の固形分を15%とした。温度を46℃に調整した。PCC反応装置と外部タンクとの間で循環を開始した。溶液を,PCC反応装置から外部タンクへと自由に流れるようにするとともに,その後,PCC反応装置へポンプで戻すようにする。再循環ループを流れる流量は,約70リットル/hである。外部タンク内の量は,500kgを維持した。20%COを含むガスを,5500Nm/h近傍で添加した。Ca(OH)の95%がCaCOとして析出したときに,再循環タンクへと石灰を毎分1.7メートリックトン(1.7tonne/min)で添加し,最終的に,石灰の添加総量を4.7メートリックトンとした。反応がほぼ完了した時点で,再循環をとめるとともに,外部タンクの内容物を反応装置へ送って空の状態にした。ガスの添加については,pHが8以下になったときに止め,その添加時間は約10分間であった。
最終的に得られたPCCは,凝集したS型のPCCであり,平均粒径が2.5μmであり,特定の表面積(BET)が5.3m/gであり,ブルックフィールド粘度が150cpであり,固形分が35%であった。攪拌は約3.2kW/mである。

Claims (20)

  1. 水酸化カルシウムの炭酸化によって沈降炭酸カルシウムを製造するための製造方法であって,2以上の別々の反応槽内で並列的に実行され,
    i)炭酸カルシウムを形成するために,水酸化カルシウムを,二酸化炭素を含むガスに接触させる工程と,
    ii)酸化カルシウム,石灰,乾燥した水酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せを,前記工程で得られる,水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの混合物の一部に添加する工程と,
    を含み,
    前記2以上の反応槽の間で,連続的な循環又は非連続的な循環が許容されるように行われ,
    前記反応槽内における混合が,当該反応槽の中央部にあるシャフト上に位置する攪拌機によって行われる
    製造方法。
  2. 前記酸化カルシウム,石灰,又は,乾燥した水酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せが,前記工程i)の炭酸化反応へ再循環ループを介して連続的に添加される,
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記製造方法は,
    沈降炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウム溶液を得るための脱水ステップを含まない,
    請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記工程i)の炭酸化反応を5〜100℃の間で開始する,
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記工程i)及び前記工程ii)は,再循環ループを介して相互連結された反応槽内で実行される,
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記再循環ループには,冷却装置,熱交換装置,又は加熱装置が設けられる,
    請求項2〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記工程i)における二酸化炭素を含むガスは,二酸化炭素含有量が5〜35%である,
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記工程i)における二酸化炭素の量は,1分当たりの反応装置容積に対するガス体積2〜5に対応する量である,
    請求項7記載の製造方法。
  9. 酸化カルシウム,石灰,及び/又は乾燥した水酸化カルシウムを添加し,かつ/又は,
    水酸化カルシウムの粒子サイズが15mm以下である,
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記製造方法は,反応中及び最終製品内で粘度を低くする能力を持つ成分を1つ以上添加する工程を含む,
    請求項1〜9記載の製造方法。
  11. 前記反応槽の内容物をエネルギー強度50kW/m以下で混合する,
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記工程i)の炭酸化反応を30分〜24時間行う,
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記工程i)の炭酸化を,
    前記工程ii)において酸化カルシウム,石灰,又は乾燥した水酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せを添加する前に,5分以上行う,
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 酸化カルシウム,石灰,又は乾燥した水酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せの添加を,
    前記工程i)における炭酸化反応の伝導率が,25℃で5〜8mS以下の値になったときに開始する,
    請求項1〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 前記炭酸化を,pH8に達するまで行うか,又は25℃未満になるまで行う,
    請求項1〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. 前記工程i)における炭酸化を,
    カルシウムの10%以上が炭酸カルシウムの形態をなすまで継続する,
    請求項1〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
  17. 前記製造方法を通して,酸化カルシウムが余剰であることが維持されるのに十分な量で,酸化カルシウムを添加する,
    請求項1〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
  18. 水酸化カルシウムの炭酸化により調製される沈降炭酸カルシウムの乾燥物質の含有量を高めるための方法であって,
    前記方法は,
    2以上の別々の反応槽内で並列的に実行され,
    i)炭酸カルシウムを形成するために,水酸化カルシウムを,二酸化炭素を含むガスに接触させる工程と,
    ii)酸化カルシウム,石灰,乾燥した水酸化カルシウム,又はこれら3つの任意の組合せを,前記工程で得られる,水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの混合物の一部に添加する工程と,
    を含み,
    前記2以上の反応槽の間で,連続的な循環又は非連続的な循環が許容されるように行われ,
    前記反応槽内における混合が,当該反応槽の中央部にあるシャフト上に位置する攪拌機によって行われる
    方法。
  19. 酸化カルシウム,石灰又は乾燥した水酸化カルシウム又はこれら3つの任意の組合せを,再循環ループを介して前記工程i)の炭酸化反応へ連続的又は不連続で添加する,
    請求項18記載の方法。
  20. 前記方法は,所望の沈降炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウム溶液を得るための脱水ステップを含まない,
    請求項18又は19に記載の製造方法。
JP2010503356A 2007-04-20 2008-04-17 Pccの製造方法 Expired - Fee Related JP5409599B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US91296007P 2007-04-20 2007-04-20
US60/912,960 2007-04-20
EP07106613.8 2007-04-20
EP07106613 2007-04-20
PCT/DK2008/050089 WO2008128545A1 (en) 2007-04-20 2008-04-17 Process for production of pcc

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010524813A JP2010524813A (ja) 2010-07-22
JP5409599B2 true JP5409599B2 (ja) 2014-02-05

Family

ID=38508721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010503356A Expired - Fee Related JP5409599B2 (ja) 2007-04-20 2008-04-17 Pccの製造方法

Country Status (20)

Country Link
US (1) US8778294B2 (ja)
EP (1) EP2144851B1 (ja)
JP (1) JP5409599B2 (ja)
KR (1) KR101196041B1 (ja)
CN (1) CN101668703B (ja)
AR (1) AR066092A1 (ja)
AU (1) AU2008241151B2 (ja)
BR (1) BRPI0810238A8 (ja)
CA (1) CA2686416C (ja)
CL (1) CL2008001107A1 (ja)
DK (1) DK2144851T3 (ja)
ES (1) ES2582388T3 (ja)
MX (1) MX2009011078A (ja)
PL (1) PL2144851T3 (ja)
PT (1) PT2144851T (ja)
RU (1) RU2436734C2 (ja)
SI (1) SI2144851T1 (ja)
TW (1) TWI443067B (ja)
UY (1) UY31031A1 (ja)
WO (1) WO2008128545A1 (ja)

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JO3752B1 (ar) * 2011-06-10 2021-01-31 Schweitzer Mauduit Int Inc مواد تبغ تحتوي على جسيمات دقيقة من كربونات الكالسيوم غير متساوية القياس
ES2551603T3 (es) * 2011-06-21 2015-11-20 Omya International Ag Proceso para la producción de carbonato de calcio precipitado
WO2013041419A1 (en) 2011-09-23 2013-03-28 Unilever Plc Oral care compositions
CN106398312A (zh) 2011-10-05 2017-02-15 索尔维公司 沉淀碳酸钙颗粒及其用途
PL2599750T3 (pl) 2011-11-29 2015-03-31 Hf Biotec Berlin Gmbh Sposób i instalacja do wytwarzania krystalicznego węglanu wapnia
US9428398B2 (en) * 2012-03-23 2016-08-30 Omya International Ag Process for preparing scalenohedral precipitated calcium carbonate
KR101232635B1 (ko) * 2012-09-26 2013-02-13 한국지질자원연구원 스칼레노헤드럴 종의 침강성 탄산칼슘을 사용한 신문지 고지의 품질향상방법
EP2781557A1 (en) 2013-03-18 2014-09-24 Solvay Sa Precipitated calcium carbonate, a method for its manufacture and uses thereof
CN103601227A (zh) * 2013-09-11 2014-02-26 宜兴天力化工纳米科技有限公司 一种纳米碳酸钙的晶核预成反应器及其制备工艺
CN105658580B (zh) 2013-10-24 2017-05-31 卡利有限公司 氢氧化物浆液的制备方法和装置
US9707513B2 (en) 2014-03-03 2017-07-18 Blue Planet, Ltd. Alkali enrichment mediated CO2 sequestration methods, and systems for practicing the same
US9902652B2 (en) 2014-04-23 2018-02-27 Calera Corporation Methods and systems for utilizing carbide lime or slag
WO2016057709A2 (en) * 2014-10-09 2016-04-14 Blue Planet, Ltd. Continuous carbon sequestration material production methods and systems for practicing the same
CN107208377A (zh) * 2014-11-19 2017-09-26 斯道拉恩索公司 产生填料的方法
US10918753B2 (en) 2014-12-01 2021-02-16 Colgate-Palmolive Company Use of ozone to control bioburden in precipitated calcium carbonate slurry (PCC)
JP2018504353A (ja) * 2015-01-14 2018-02-15 アイメリーズ ユーエスエー,インコーポレーテッド 炭酸カルシウムを沈殿させる制御されたプロセス
SE539437C2 (en) * 2015-03-31 2017-09-19 Stora Enso Oyj A method of producing filler from fractionated fly ash
EP3252010A1 (de) 2016-05-31 2017-12-06 HF Biotec Berlin GmbH Präzipitiertes calciumcarbonat (pcc) mit definierter korngrösse und korngrössenverteilung sowie verfahren zur herstellung desselben
KR20180058027A (ko) * 2016-11-23 2018-05-31 (주)포스코켐텍 입자 크기를 제어할 수 있는 탄산 칼슘의 제조방법
IT201800007993A1 (it) * 2018-08-09 2020-02-09 Greenbone Ortho Srl Impianto finalizzato alla trasformazione chimica di materiali nello stato 3d
CN116496018A (zh) * 2019-01-23 2023-07-28 蓝色星球系统公司 碳酸盐骨料组合物及其制备和使用方法
CN110627100B (zh) * 2019-09-09 2022-04-01 建德华明科技有限公司 液相为连续相的碳化法生产微米级碳酸钙的二级串联方法
AU2021226345A1 (en) 2020-02-25 2022-09-15 Arelac, Inc. Methods and systems for treatment of lime to form vaterite
US11377363B2 (en) 2020-06-30 2022-07-05 Arelac, Inc. Methods and systems for forming vaterite from calcined limestone using electric kiln

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6227325A (ja) * 1985-07-26 1987-02-05 Yahashi Kogyo Kk 針状粒子炭酸カルシウムの生成方法
JPH02137720A (ja) * 1988-11-16 1990-05-28 Mitsubishi Mining & Cement Co Ltd 沈降性炭酸カルシウムの製造方法
PL170873B1 (en) * 1992-04-03 1997-01-31 Minerals Tech Inc Method of obtaining precipitated calcium carbonate in the form of clusters
US6022517A (en) 1996-09-05 2000-02-08 Minerals Technologies Inc. Acicular calcite and aragonite calcium carbonate
AU743660B2 (en) 1996-10-14 2002-01-31 Fp-Pigments Oy Precipitated calcium carbonate and method for the production thereof
FI105471B (fi) * 1997-09-08 2000-08-31 Fp Pigments Oy Menetelmä kalsiumkarbonaattipartikkelien valmistamiseksi
WO1998025853A1 (fr) * 1996-12-09 1998-06-18 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Procede de preparation de carbonate de calcium
US6156286A (en) * 1997-05-21 2000-12-05 Imerys Pigments, Inc. Seeding of aragonite calcium carbonate and the product thereof
FI105470B (fi) 1997-09-08 2000-08-31 Fp Pigments Oy Menetelmä ja laitteisto saostetun kalsiumkarbonaatin tuottamiseksi
FI106114B (fi) 1998-01-19 2000-11-30 Fp Pigments Oy Menetelmä synteettisen kalsiumkarbonaatin valmistamiseksi ja modifioimiseksi
GB9802999D0 (en) * 1998-02-13 1998-04-08 Ecc Int Ltd Production of products containing precipitated calcium carbonate
US6451268B1 (en) * 1999-04-16 2002-09-17 Minerals Technologies Inc. Method and apparatus for continuous gas liquid reactions
US6143065A (en) * 1999-07-12 2000-11-07 J. M. Huber Corporation Precipitated calcium carbonate product having improved brightness and method of preparing the same
CA2401899A1 (en) 2000-03-06 2001-09-13 3P Technologies Ltd. Precipitated aragonite and a process for producing it
FR2809718A1 (fr) 2000-05-31 2001-12-07 Carboxyque Francaise Procede de recuperation d'un metal sous forme de carbonate ou d'hydrogenocarbonate
US6623555B1 (en) 2000-06-01 2003-09-23 Jukka P. Haverinen Composite precipitated calcium carbonate/silicon compound pigment and method of making same
JP5107493B2 (ja) * 2000-09-28 2012-12-26 奥多摩工業株式会社 炭酸カルシウムの製造方法
US7048900B2 (en) * 2001-01-31 2006-05-23 G.R. International, Inc. Method and apparatus for production of precipitated calcium carbonate and silicate compounds in common process equipment
US20060099132A1 (en) * 2002-06-18 2006-05-11 Erdman Gerald D Process for the production of precipitated calcium carbonates and product produced thereby
US20050089466A1 (en) 2003-10-27 2005-04-28 Degenova Mark G. Methods and apparatus for producing precipitated calcium carbonate
US20070148078A1 (en) 2003-12-16 2007-06-28 Skuse David R Method and system for growing larger precipitated calcium carbonate crystals
FI120032B (fi) * 2004-07-13 2009-06-15 Fp Pigments Oy Menetelmä ja laite kalsiumkarbonaattituotteen valmistamiseksi, tuote ja sen käyttö
JP2007098307A (ja) * 2005-10-05 2007-04-19 Fujikasui Engineering Co Ltd 循環型炭酸ガス固定化システム
JP2008043923A (ja) * 2006-08-21 2008-02-28 Toyo Denka Kogyo Co Ltd 反応装置及び反応生成物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
SI2144851T1 (sl) 2016-07-29
KR101196041B1 (ko) 2012-10-31
CN101668703A (zh) 2010-03-10
AR066092A1 (es) 2009-07-22
BRPI0810238A8 (pt) 2017-05-09
WO2008128545A1 (en) 2008-10-30
US8778294B2 (en) 2014-07-15
AU2008241151B2 (en) 2012-08-09
KR20100007871A (ko) 2010-01-22
ES2582388T3 (es) 2016-09-12
US20100135891A1 (en) 2010-06-03
TW200906727A (en) 2009-02-16
PT2144851T (pt) 2016-07-14
EP2144851A1 (en) 2010-01-20
JP2010524813A (ja) 2010-07-22
PL2144851T3 (pl) 2016-10-31
TWI443067B (zh) 2014-07-01
UY31031A1 (es) 2008-11-28
MX2009011078A (es) 2009-12-07
CL2008001107A1 (es) 2008-10-24
CA2686416A1 (en) 2008-10-30
AU2008241151A1 (en) 2008-10-30
BRPI0810238A2 (pt) 2014-10-29
RU2436734C2 (ru) 2011-12-20
EP2144851B1 (en) 2016-04-13
DK2144851T3 (en) 2016-08-01
CN101668703B (zh) 2011-10-05
RU2009142301A (ru) 2011-05-27
CA2686416C (en) 2016-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5409599B2 (ja) Pccの製造方法
CN101774623B (zh) 一种米粒状超细活性碳酸钙的工业化制备方法
US4888160A (en) Process for producing calcium carbonate and products thereof
CN100450932C (zh) 一种纳米碳酸钙的碳化工艺方法
CN101544390B (zh) 一种制备纳米碳酸钙的方法
CN103693667B (zh) 一种棒状轻质碳酸钙及其制备方法
WO2004076352A1 (ja) 球状炭酸カルシウム及びその製造方法
CN108083314A (zh) 一种米粒状轻质碳酸钙的制备方法
CN108928844B (zh) 规整性立方形碳酸钙的制备方法
CN109809457A (zh) 规整球形碳酸钙及其制备工艺
CN109179516A (zh) 掺铝小颗粒球形四氧化三钴以及其制备方法
CN1429772A (zh) 制备具有具体形态的碳酸钙的方法
AU2015335077A1 (en) PCC with reduced portlandite content
CN114291835B (zh) 一种大小立方分散沉淀碳酸钙的制备方法
CN110128851B (zh) 一种疏水纳米碳酸钙的制备方法
CN104497638B (zh) 铝酸酯和硬脂酸钠原位改性碳酸钙晶须的制备方法
JP4346248B2 (ja) アラゴナイト結晶系炭酸カルシウムの製造方法
CN110563015B (zh) 一种食品用轻质碳酸钙的制备方法
JP5096028B2 (ja) 軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物及びアルミニウム系水溶性無機化合物を含むスラリー
JP2003286026A (ja) 炭酸カルシウムウィスカーの製造方法
JP2001114514A (ja) 分散性に優れた紡錘状炭酸カルシウムの製造法
CN105800658A (zh) 一种高效制备纳米碳酸钙的方法
CN102674423B (zh) 一种造纸涂布用片状超细碳酸钙的制备方法
CN113666406A (zh) 一种在无水体系中制备纯净方解石相碳酸钙的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120911

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20121207

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20121214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130309

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130514

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130911

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130912

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20130919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131015

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5409599

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees