JP5407392B2 - クラッチ操作位置学習装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の出力軸と変速機の入力軸との間に設けられたクラッチ機構の作動状態の切り替えに際して操作されるクラッチ操作部材の操作位置を学習するクラッチ操作位置学習装置に関するものである。
自動車などの車両に、その駆動源としての内燃機関と複数の変速段を有する変速機とを設けることが多用されている。こうした車両には通常、内燃機関の出力軸と変速機の入力軸との間において動力伝達が行われる状態と動力伝達が行われない状態とを切り替えるためのクラッチ機構や、同クラッチ機構の作動状態を切り替えるためのクラッチ操作部材(例えば、クラッチペダル)が設けられる。そして、変速機の変速段の切り替えに際してクラッチ操作部材が操作されてクラッチ機構の作動状態が一時的に非継合状態(クラッチ機構によって動力が伝達されない状態)とされる。また変速機の変速段の切り替えが完了した後においては、クラッチ操作部材の操作を通じてクラッチ機構の作動状態が継合状態(クラッチ機構によって動力が伝達される状態)に戻される。
近年、内燃機関の燃料消費量の低減を図るために、交差点などで車両が停止した際に内燃機関の運転を自動停止させるとともに同車両の発進に際して内燃機関を再始動させる装置(自動停止始動制御装置)を車両に搭載することが提案され、実用されている。こうした車両において燃料消費量の低減効果を高めるためには、機関運転を自動停止させる際に、クラッチ機構の作動状態が継合状態から非継合状態に変移した後においてできるだけ早期に機関運転を停止させることが望ましい。こうした装置を実現するためには、クラッチ機構の作動状態が非継合状態から継合状態に変移するようになるクラッチ操作部材の操作位置、いわゆるクラッチ切れ点を正確に把握する必要がある。
なお、自動停止始動制御装置が搭載された車両に限らず、例えばクラッチ機構の作動状態の切り替えを自動的に行う車両など、クラッチ操作部材(例えばクラッチ機構を作動させるためのアクチュエータの可動部分)の操作位置が運転制御に用いられる車両にあっては、クラッチ切れ点を正確に把握しておくことが好ましい。
このクラッチ切れ点は、摩擦板の摩耗などのクラッチ機構の経時変化によって変化してしまう。そのため、上述した機関運転の自動停止にかかる処理を予め定められたクラッチ切れ点に基づき実行すると、クラッチ機構に経時変化が生じた場合に、同処理を適切な時期に実行することができなくなってしまう。
そこで従来、特許文献1に記載の装置のように、クラッチ切れ点を学習する装置が提案されている。
クラッチ機構の作動状態が非継合状態から継合状態に変移すると、これに伴って内燃機関の出力軸に作用する負荷が急増するため、同出力軸の回転速度(機関回転速度)が低下するようになる。特許文献1の装置は、そうした現象を利用して上記クラッチ切れ点の学習が実行される。具体的には、機関回転速度がほぼ一定の速度で安定している状態でクラッチ操作部材の操作によるクラッチ機構の作動状態の非継合状態から継合状態への変更が開始された場合に、その後において機関回転速度が所定態様で低下したときのクラッチ操作部材の操作位置が検出されて、同操作位置が上記クラッチ切れ点の学習値として学習される。
特開平9−112587号公報
ところで、内燃機関の出力軸と変速機の入力軸との間にクラッチ機構が設けられた車両では、その構造上、クラッチ操作部材の操作に伴って実際にクラッチ機構の作動状態が非継合状態から継合状態に変移してから若干の遅れをもって機関回転速度が低下するといったように、同機関回転速度が変化する。当然のことながら、そうした遅れ期間においてもクラッチ操作部材の操作位置は変化している。
そのため、特許文献1に記載の装置のように機関回転速度が所定態様で低下したと認定したタイミングでクラッチ切れ点の学習を実行するようにすると、上記遅れ期間におけるクラッチ操作部材の操作位置の変化分だけ実際のクラッチ切れ点からずれた操作位置が同クラッチ切れ点の学習値として学習されてしまい、これによる学習制度の低下が避けられない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、クラッチ切れ点を精度良く学習することのできるクラッチ操作位置学習装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、複数の変速段を有する変速機と同変速機の入力軸および内燃機関の出力軸の間に設けられたクラッチ機構と該クラッチ機構の作動状態を切り替えるためのクラッチ操作部材と同クラッチ操作部材の操作位置を検出する検出手段とを有し、前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態から継合状態へと変更するための前記クラッチ操作部材の操作時において前記クラッチ機構のクラッチ切れ点の学習値を学習するクラッチ操作位置学習装置において、前記出力軸の回転速度が安定している状態で前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態から継合状態に変更するための前記クラッチ操作部材の操作が開始されたことを条件に、その操作中に前記出力軸の回転速度が基準速度に対して所定速度以上低くなったタイミングと前記操作中において前記検出手段により検出した前記クラッチ操作部材の操作位置と前記操作中における前記クラッチ操作部材の操作位置の変化速度の指標値とに基づいて、前記指標値が操作位置の変化速度が速いことを示す値であるときほど前記タイミングにおいて検出した操作位置よりも前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態に近づける方向に位置する操作位置を前記学習値として学習することをその要旨とする。
クラッチ機構の作動状態を非継合状態から継合状態に変更させるためにクラッチ操作部材が操作された場合、実際にクラッチ機構の作動状態が非継合状態から継合状態に変移してから内燃機関の出力軸の回転速度(機関回転速度)が基準速度に対して所定速度以上低くなるまでの期間(遅れ期間)におけるクラッチ操作部材の操作位置の変化特性は、クラッチ操作部材の操作位置の変化速度に応じて異なる。
上記構成によれば、クラッチ操作部材の操作位置の変化速度によって上記遅れ期間におけるクラッチ操作部材の操作位置の変化特性を把握することができる。そして、その把握した操作位置の変化特性と機関回転速度が基準速度に対して所定速度以上低くなったタイミングと検出手段により検出した操作位置とにより、実際にクラッチ機構の作動状態が非継合状態から継合状態に変移したタイミングにおけるクラッチ操作部材の操作位置を精度良く特定することができ、同操作位置をクラッチ切れ点の学習値として学習することができる。
請求項2に記載の発明は、複数の変速段を有する変速機と同変速機の入力軸および内燃機関の出力軸の間に設けられたクラッチ機構と該クラッチ機構の作動状態を切り替えるためのクラッチ操作部材と同クラッチ操作部材の操作位置を検出する検出手段とを有し、前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態から継合状態へと変更するための前記クラッチ操作部材の操作時において前記クラッチ機構のクラッチ切れ点の学習値を学習するクラッチ操作位置学習装置において、前記出力軸の回転速度が安定している状態で前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態から継合状態に変更するための前記クラッチ操作部材の操作が開始されたことを条件に、その操作中において前記検出手段により検出した前記操作位置の推移と前記出力軸の回転速度が基準速度に対して所定速度以上低くなったタイミングとを記憶して、前記操作中における前記操作位置の変化速度の指標値を求めるとともに同指標値が前記操作位置の変化速度が速いことを示す値であるときほど長くなるように遡及期間を算出し、前記記憶している前記操作位置の推移をもとに前記求めた遡及期間だけ前記タイミングから遡ったタイミングにおける操作位置を特定してこれを前記学習値として学習することをその要旨とする。
クラッチ機構の作動状態を非継合状態から継合状態に変更させるためにクラッチ操作部材が操作された場合、実際にクラッチ機構の作動状態が非継合状態から継合状態に変移してから機関回転速度が基準速度に対して所定速度以上低くなるまでの期間(遅れ期間)は、クラッチ操作部材の操作位置の変化速度に応じて異なる。
上記構成によれば、クラッチ操作部材の操作位置の変化速度の指標値によって上記遅れ期間の長さを特定することができる。そのため、機関回転速度が基準速度に対して所定速度以上低くなったタイミングから上記遅れ期間に相当する分(遡及期間)だけ遡ったタイミング、言い換えれば実際にクラッチ機構の作動状態が非継合状態から継合状態に変移したタイミングにおいて検出された操作位置を精度良く求めることができ、同操作位置をクラッチ切れ点の学習値として学習することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のクラッチ操作位置学習装置において、前記検出手段は、前記操作位置の検出を所定周期毎に実行するものであり、前記装置は、前記操作位置の推移として、前記タイミング以前において前記検出手段により検出した操作位置を複数記憶するものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、複数記憶されている操作位置の中から適切なタイミングにおいて検出された操作位置を選択することにより、実際にクラッチ機構の作動状態が非継合状態から継合状態に変移したときに検出された操作位置を特定してこれをクラッチ切れ点として学習することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、複数の変速段を有する変速機と同変速機の入力軸および内燃機関の出力軸の間に設けられたクラッチ機構と該クラッチ機構の作動状態を切り替えるためのクラッチ操作部材と同クラッチ操作部材の操作位置を検出する検出手段とを有し、前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態から継合状態へと変更するための前記クラッチ操作部材の操作時において前記クラッチ機構のクラッチ切れ点の学習値を学習するクラッチ操作位置学習装置において、前記出力軸の回転速度が安定している状態で前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態から継合状態に変更するための前記クラッチ操作部材の操作が開始されたことを条件に、その操作中において前記出力軸の回転速度が基準速度に対して所定速度以上低くなったタイミングで前記検出手段により検出した前記操作位置と前記操作中における前記操作位置の変化速度の指標値とに基づいて、前記指標値が操作位置の変化速度が速いことを示す値であるときほど前記タイミングにおいて検出した操作位置よりも前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態に近づける方向に位置する操作位置を前記クラッチ切れ点の学習値として学習することをその要旨とする。
一定期間におけるクラッチ操作部材の操作位置の変化量は、同期間におけるクラッチ操作部材の操作位置の変化速度に応じて変化する。そのため、クラッチ機構の作動状態を非継合状態から継合状態に変更させるためにクラッチ操作部材が操作された場合に、実際にクラッチ機構の作動状態が非継合状態から継合状態に変移してから機関回転速度が基準速度に対して所定速度以上低くなるまでの期間(遅れ期間)におけるクラッチ操作部材の操作位置の変化量についても、クラッチ操作部材の操作位置の変化速度に応じて変化すると云える。
上記構成によれば、そうしたクラッチ操作部材の操作位置の変化速度の指標値によって、上記遅れ期間におけるクラッチ操作部材の操作位置の変化量を把握することができる。そして、その把握した変化量を機関回転速度が基準速度に対して所定速度以上低くなったときに検出したクラッチ操作部材の操作位置に反映させることにより、実際にクラッチ機構の作動状態が非継合状態から継合状態に変移したときのクラッチ操作部材の操作位置を精度良く求めることができ、同操作位置をクラッチ切れ点の学習値として学習することができるようになる。
なお、そうしたクラッチ切れ点の学習は、請求項5によるように、前記指標値と前記クラッチ切れ点に相当する前記操作位置との関係を予め記憶しておくとともに、記憶されている前記関係を利用して前記指標値に対応する前記クラッチ切れ点に相当する前記操作位置を算出し、記タイミングで検出手段により検出した前記操作位置と記憶されている前記関係を利用して算出された前記クラッチ切れ点に相当する前記操作位置との差を、記憶されている前記関係を利用して算出できる前記指標値が所定値であるときの前記クラッチ切れ点に相当する前記操作位置に加算した値を前記学習値として算出する、といったように実行することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のクラッチ操作位置学習装置において、前記関係は、前記タイミングで前記検出手段によって前記操作位置が検出される度に更新されてなることをその要旨とする。
例えばフリクションが変化したり摩耗したりするなど、内燃機関や変速機、クラッチ機構に経時変化が生じた場合に、これに伴って前記タイミングにおけるクラッチ操作部材の操作位置と同クラッチ操作部材の操作位置の変化速度と実際のクラッチ切れ点との関係が変化するおそれがある。
上記構成によれば、クラッチ切れ点の学習値の学習に際して検出されたクラッチ操作部材の操作位置に応じて同学習値の算出に用いる前記関係を更新することができ、同関係を実情に見合う適切なものに補正することが可能になる。そのため、そのように更新される適切な関係をもとにクラッチ切れ点の学習値を精度良く学習することができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のクラッチ操作位置学習装置において、前記出力軸の回転速度がその基準速度に対して第1所定速度以上低くなったことをもって前記出力軸の回転速度が基準速度に対して所定速度以上低くなったと判断し、前記出力軸の回転速度が前記基準速度に対して前記第1所定速度よりも大きい第2所定速度以上低くなったことを条件に前記学習値の学習の実行を許可するものであることをその要旨とする。
前記出力軸の回転速度が基準速度に対して所定速度以上低くなったことは、機関回転速度がその基準速度に対して所定速度以上低くなったことをもって判断することができる。ただし、機関回転速度が所定速度以上低下したときに、その低下がクラッチ操作部材の操作位置がクラッチ切れ点になったことによるものであると判定して、クラッチ切れ点の学習値の学習に用いるクラッチ操作部材の操作位置を検出するようにすると、以下のような不都合が発生するおそれがある。
上記所定速度として小さい値を設定すると、前記遅れ時間が短くなるために、クラッチ切れ点に近い操作位置が検出されるようになって学習値の学習誤差を小さく抑えることが可能になる。ただし、クラッチ操作部材の操作以外の要因によって機関回転速度が変動した場合にこれをクラッチ操作部材の操作位置がクラッチ切れ点になったことによるものであると誤判定される可能性が高くなるため、これによる学習精度の低下を招く可能性が高くなってしまう。上記所定速度として大きい値を設定することにより、そうした誤判定の可能性が低くなって学習精度の低下が抑えられるようになる。しかしながら、この場合には前記遅れ時間が長くなるために、クラッチ切れ点と大きく異なる操作位置が検出されるようになってクラッチ切れ点の学習値の学習誤差が大きくなる可能性が高くなってしまう。
この点、上記構成によれば、機関回転速度が大きく低下したことをもって、クラッチ切れ点になったことに伴い機関回転速度が低下している状況であることを確実に判定することができ、その判定をもとに学習値の学習の実行を許可することができる。しかも、学習値の学習を、機関回転速度が若干低下したときに検出したクラッチ操作部材の操作位置、すなわち前記遅れ期間が短く学習誤差を小さく抑えることの可能な操作位置に基づき実行することができる。したがって、クラッチ切れ点の学習値を精度良く学習することができるようになる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のクラッチ操作位置学習装置において、前記指標値は、前記タイミング直後の所定期間における前記出力軸の回転速度の低下量であることをその要旨とする。
クラッチ切れ点の学習値の学習に際して、クラッチ操作部材の操作位置の変化速度の指標値は、前記遅れ期間(クラッチ切れ点から前記タイミングまでの期間)における操作位置の変化分だけ前記タイミングにおいて検出した操作位置を補正するための値として用いられる。そのため、学習値の学習精度を高めるためには、上記変化速度の指標値として、クラッチ切れ点になるときの変化速度に相当する値を採用することが望ましい。
クラッチ切れ点になるときにおけるクラッチ操作部材の操作速度が速いときほど、クラッチ機構が発生する継合力が速い速度で増大するようになるため、同クラッチ切れ点になった直後における機関回転速度の低下量は大きくなる。
上記構成によれば、そうした機関回転速度の低下量、すなわちクラッチ切れ点になるときにおけるクラッチ操作部材の操作速度と高い相関を有する値を用いてクラッチ切れ点の学習値を学習することができ、その学習を精度良く行うことができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のクラッチ操作位置学習装置において、前記学習値の学習に際して前記クラッチ機構の摩擦板の温度の指標値を参照することをその要旨とする。
クラッチ機構の摩擦板の温度が変化すると、同摩擦板の摩擦係数が変化するために、これに伴って前記出力軸の回転速度が基準速度に対して所定速度以上低くなったタイミングと前記操作中に検出したクラッチ操作部材の操作位置と前記操作中におけるクラッチ操作部材の操作位置の変化速度と実際のクラッチ切れ点との関係も変化するようになる。
上記構成によれば、そうしたクラッチ機構の摩擦板の温度に応じたかたちでクラッチ切れ点の学習値を精度良く学習することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のクラッチ操作位置学習装置において、前記操作中において前記検出手段により検出した前記操作位置とその基準位置との差が所定値より大きいときに、同操作位置に基づく前記学習値の学習の実行を禁止することをその要旨とする。
上記構成によれば、クラッチ切れ点の学習値の学習精度を低下させる可能性が高い異常な値がクラッチ操作部材の操作位置として検出されてしまった場合に、同操作位置に基づく学習値の学習更新を禁止することができ、その学習精度の低下を抑制することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載のクラッチ操作位置学習装置において、前記学習値の仮値を求めるとともに、同仮値に向かって前記学習値を徐変させた値を同学習値として学習するものであり、前記学習値の学習の前回実行時からの経過時間が長いときほど前記学習値を徐変させる際の徐変係数小さくし、学習に伴う前記学習値の変更量を大きくするものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、クラッチ切れ点の学習値の急峻な変化が抑えられるために、学習値の学習精度を低下させるおそれのある値がクラッチ操作部材の操作位置として検出された場合であっても、これに起因する学習精度の低下を抑えることができる。しかも、学習値の学習の前回実行時からの経過時間が長いときほど、すなわち見込まれる実際のクラッチ切れ点の変化度合いが大きいときほど同学習による学習値の変更量を大きくすることができる。これにより、実際のクラッチ切れ点の変化傾向に合わせてクラッチ切れ点の学習値を適切に学習することができるようになる。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載のクラッチ操作位置学習装置において、前記学習値の学習が所定期間以上にわたって実行されないときに同学習値を強制的に変更することをその要旨とする。
上記構成によれば、クラッチ切れ点の学習値の学習が長期にわたって実行されない場合であっても、上記所定期間(学習が実行されない期間)の経過に際して見込まれる実際のクラッチ切れ点の変化量に応じて学習値を変更することができ、学習値と実際のクラッチ切れ点との誤差を抑えることができるようになる。
本発明を具体化した第1の実施の形態にかかるクラッチ操作位置学習装置が適用される車両の概略構成を示す略図。 第1の実施の形態にかかる学習処理の実行手順を示すフローチャート。 同学習処理の実行態様の一例を示すタイミングチャート。 本発明を具体化した第2の実施の形態にかかる学習処理の実行手順を示すフローチャート。 同学習処理の実行手順を示すフローチャート。 基準値と回転低下カウンタのカウント値と学習値との関係の一例を示すグラフ。 各実施の形態の変形例にかかる強制変更処理の実行手順を示すフローチャート。
(第1の実施の形態)
以下、本発明にかかるクラッチ操作位置学習装置を具体化した第1の実施の形態について説明する。
ここでは先ず、図1を参照して、本実施の形態が適用される車両の概略構成について説明する。
同図1に示されるように、車両10にはその駆動源としての内燃機関11が搭載されている。内燃機関11の出力軸としてのクランク軸12にはフライホイール13が一体回転可能に取付けられおり、同フライホイール13にはクラッチ機構14を介して変速機15が接続されている。
クラッチ機構14としては周知の乾式単板式摩擦クラッチが採用されている。このクラッチ機構14は内燃機関11のクランク軸12の回転トルクを変速機15の入力軸15aに伝達したり、そのトルク伝達を遮断したりするためのものであり、以下のように動作する。
クラッチペダル16が踏み込まれていないときにはクラッチ機構14のクラッチディスク17が内燃機関11のフライホイール13に強く押圧された状態になっており、それらの間に作用する摩擦力によってフライホイール13とクラッチディスク17とが一体に回転する。このときクラッチ機構14の作動状態は、同クラッチ機構14によって動力が伝達される状態(完全継合状態)になっている。
一方、クラッチペダル16が踏み込まれると、これに伴ってクラッチディスク17がフライホイール13から離間する方向に移動して上記摩擦力が減少するようになる。これにより、先ずフライホイール13とクラッチディスク17とが互いに滑りながら回転する状態になり、やがてはフライホイール13の回転がクラッチディスク17に伝わらない状態になる。このときクラッチ機構14の作動状態は、少量ながら同クラッチ機構14によって動力が伝達される状態(半継合状態)になった後、動力が伝達されない状態(非継合状態)になる。
上記変速機15としては、例えば前進五段、後進一段の平行歯車式の手動変速機が採用されている。この変速機15は入力軸15aおよび出力軸(図示略)を備えている。変速機15の入力軸15aはクラッチディスク17に連結されている。また変速機15の出力軸はドライブシャフト18やディファレンシャルギヤ19、並びに車軸20等を介して駆動輪21に接続されている。そして、変速機15の出力軸の回転は、それら各部材18,19,20を通じて駆動輪21に伝達される。
また変速機15は、複数対の変速ギヤ列(変速段)と複数個のスリーブとを備えている。車両10の運転席の近傍には、変速機15の変速段を切り替えるためのシフト装置22が組み付けられている。このシフト装置22は、シフトゲート(図示略)に沿って変位可能に設けられたシフトレバー23を備えている。そして、このシフトレバー23の操作により、変速機15ではスリーブが出力軸の軸方向に移動される。この移動によりギヤが噛合い、特定の変速ギヤ列における動力伝達が可能となる。
車両10には回転トルクを発生するスタータモータ24が設けられている。このスタータモータ24は内燃機関11の始動時に駆動されて、その回転力がクランク軸12に伝達されるようになっている。このスタータモータ24の駆動を通じて内燃機関11の始動が補助される。
また車両10には、その運転状態や内燃機関11の運転状態を検出するために各種のセンサやスイッチが設けられている。車両10の運転席には、アクセルペダル25の操作位置(アクセル開度ACC)を検出するためのアクセルセンサ31や、ブレーキペダル26の踏み込みの有無を検出するためのブレーキスイッチ32、クラッチペダル16の操作位置(クラッチ開度CR)を検出するためのクラッチセンサ33などが設けられている。また車両10には、その走行速度(車速SPD)を検出するための車速センサ34などが設けられている。内燃機関11には、クランク軸12の回転速度(機関回転速度NE)を検出するためのクランクセンサ35や、冷却水の温度(冷却水温THW)を検出するための温度センサ36などが設けられている。
本実施の形態の装置は、マイクロコンピュータを中心として構成された電子制御装置30を備えている。この電子制御装置30は、上記各センサやスイッチの検出信号をそれぞれ取り込むとともにそれら信号に基づいて各種の演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。
電子制御装置30は、そうした各種制御の一つとして、いわゆるアイドルスピードコントロール(ISC)制御を実行する。このISC制御は、内燃機関11のアイドル運転時において、同内燃機関11の安定運転が保たれる条件の下で極力低い回転速度(目標速度Tne)に機関回転速度NEを調節するための制御である。このISC制御では、冷却水温THWに基づいて上記目標速度Tneが算出されるとともに、この目標速度Tneと機関回転速度NEとの偏差に応じて内燃機関11の気筒に吸入される空気の量や同気筒での燃焼に供される燃料の量が調節される。これにより、アイドル運転時における内燃機関11の安定運転を維持しつつ、機関騒音や燃料消費率が極力抑制されるようになっている。
車両10は、交差点等で車両10が停止したときに内燃機関11を自動停止させるとともにその自動停止中における任意のタイミングで内燃機関11を再始動させて車両10を発進可能とさせる自動停止始動機能を備えている。この自動停止始動機能により、内燃機関11の燃料消費量やエミッションの低減が図られるようになっている。
電子制御装置30は、各種制御の一つとして、そのように内燃機関11を自動停止させたり再始動させたりする制御(自動停止始動制御)を実行する。この自動停止始動制御では、内燃機関11の運転中において、以下の各条件(イ)〜(ホ)が全て満たされたことをもって自動停止条件が成立したと判断されて、例えば内燃機関11への燃料供給が停止される等して同内燃機関11の運転が停止される。
(イ)車速SPDが所定速度(例えば数km毎時)以下であること。
(ロ)アクセルペダル25が踏み込まれていないこと。
(ハ)ブレーキペダル26が踏み込まれていること。
(ニ)クラッチ開度CRが所定開度より踏み込み量が大きい側の開度であること。
(ホ)上記条件(イ)〜(ニ)の全てが満たされた後において、内燃機関11の自動停止が実行された履歴がないこと。
その後、内燃機関11が自動停止された状態で、上記各条件(イ)〜(ニ)のうちの1つでも満足されなくなると、再始動条件が成立したと判断されて内燃機関11を再始動させる処理が実行される。具体的には、スタータモータ24が駆動されて内燃機関11のクランキングが実行されるとともに燃料噴射制御等の周知の機関制御が実行されて、内燃機関11が始動される。
この自動停止始動制御では、条件(ニ)が満たされたタイミングで自動停止条件が成立した場合や条件(ニ)が満たされなくなったタイミングで再始動条件が成立した場合に、クラッチ切れ点に基づいて内燃機関11を自動停止させるタイミングや再始動させるタイミングを設定するようにしている。なお、このクラッチ切れ点は、クラッチ機構14の作動状態が非継合状態から継合状態に変移するようになるクラッチペダル16の操作位置である。自動停止始動制御では具体的には、内燃機関11を自動停止させる際にはクラッチ切れ点になった以後の極力早い時期において内燃機関11の運転が停止される。また内燃機関11を再始動させる際には、クラッチ切れ点になるのに合わせて適正な時期(車両10の発進性能が十分に確保される条件の下で極力遅い時期)において内燃機関11が始動される。これにより、極力長い期間にわたって内燃機関11の運転を停止させることが可能になり、同内燃機関11の燃料消費量やエミッションを好適に低減させることができる。
ここで、クラッチ機構14の摩擦板であるクラッチディスク17が摩耗するなど、同クラッチ機構14に経時変化が生じた場合に、その経時変化に伴って上記クラッチ切れ点は変化してしまう。そのため本実施の形態では、クラッチ切れ点を正確に把握するために同クラッチ切れ点を学習する処理(学習処理)が実行される。
クラッチ機構14の作動状態を非継合状態から継合状態に変更するべくクラッチペダル16が操作されているときにクラッチ切れ点になると、内燃機関11のクランク軸12に作用する負荷が急増するため、その後において機関回転速度NEが低下するようになる。本実施の形態では、そうした現象を利用してクラッチ切れ点の学習値GK1の学習が実行される。
ただし上記車両10にあっては、その構造上、クラッチペダル16の操作によってクラッチ機構14の作動状態が非継合状態から継合状態に変更される際に、クラッチ切れ点になってから若干の遅れをもって機関回転速度NEが低下するようになる。当然のことながら、そうした遅れ期間においてもクラッチ開度CRは変化する。そのため、仮に機関回転速度NEが基準速度から所定速度だけ低下したタイミング(低下タイミング)で検出されたクラッチ開度CRをクラッチ切れ点の学習値GK1として学習記憶すると、上記遅れ期間におけるクラッチ開度CRの変化分だけ実際のクラッチ切れ点からずれた操作位置が同学習値GK1として学習されてしまう。
クラッチ機構14の作動状態を非継合状態から継合状態に変更させるためにクラッチペダル16を操作した場合、クラッチ切れ点になってから上記低下タイミングになるまでの期間(上記遅れ期間)は、クラッチ開度CRの変化速度に応じて異なった長さになる。このことから、クラッチ開度CRの変化速度に基づいて上記遅れ期間の長さを特定することが可能であると云える。
したがって、次のようにクラッチ切れ点を学習することにより、その学習を精度よく実行することが可能になる。すなわち先ず、クラッチペダル16の操作中におけるクラッチ開度CRの推移を記憶するとともにクラッチ開度CRの変化速度に基づいて上記遅れ期間に相当する期間(遡及期間)を特定する。そして、記憶されている推移をもとに上記遡及期間だけ上記低下タイミングから遡ったタイミングでのクラッチ開度CRを特定することによってクラッチ切れ点におけるクラッチ開度CRを求め、このクラッチ開度CRをクラッチ切れ点の学習値GK1として学習記憶する。
本実施の形態では、こうした考えのもとで学習処理が実行される。これにより、上記低下タイミングから上記遅れ期間に相当する分だけ遡ったタイミング、言い換えれば実際にクラッチ切れ点になったタイミングにおいて検出されたクラッチ開度CRを精度良く求め
て、このクラッチ開度CRを学習値GK1として学習することができるようになる。
以下、本実施の形態にかかる学習処理の詳細について図2および図3を参照しつつ説明する。
図2は上記学習処理の実行手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、上記学習処理の実行手順を概念的に示したものであり、実際の処理は所定周期毎の割り込み処理として電子制御装置30により実行される。また図3は上記学習処理の実行態様の一例を示すタイミングチャートである。同図3中の破線は同学習処理の各実行タイミングを示している。
この処理では先ず、実行条件が成立しているか否かが判断される(図2のステップS101)。ここでは、以下の各条件が共に満たされていることをもって実行条件が成立していると判断される。
・機関回転速度NEと目標速度Tneとの差の絶対値(=|NE−Tne|)が所定速度α(例えば数十回転/分)未満である状態が所定期間(例えば数秒)にわたり継続されていること。
・クラッチ開度CRが所定開度(クラッチ切れ点より踏み込み量が大きい側の開度)より踏み込み量が大きい側の開度であること。
実行条件が成立していない場合には(ステップS101:NO)、以下の処理(ステップS102〜S107)は実行されない。
実行条件が成立すると(ステップS101:YES)、目標速度Tneと機関回転速度NEとの差ΔNE(=Tne−NE)が上記所定速度α以上になったか否かが判断される(ステップS102)。上記差ΔNEが所定速度α未満である場合には(ステップS102:NO、図3の時刻t2以前)、以下の処理(図2のステップS103〜S107)は実行されない。
本処理が繰り返し実行されて上記差ΔNEが所定速度α以上になると(ステップS102:YES、図3の時刻t2)、本処理の直近のN回(例えば、数回)の実行時において検出されたクラッチ開度CR(CR1,CR2,CR3・・・,CRN)が記憶される(図2のステップS103)。また、回転低下カウンタのカウント値がインクリメントされる(ステップS104)。なお、このカウント値の初期値は「0」である。また本実施の形態では、上記所定速度αが第1所定速度として機能する。
そして、その後において上記差ΔNEが所定速度β(例えば数十回転/分、ただしβ>α)以上になるまでの間(図3の時刻t2〜t3)、本処理が実行される度に上記回転低下カウンタのカウント値をインクリメントする処理(図2のステップS104)が繰り返し実行される。こうした処理を通じて、回転低下カウンタのカウント値として、機関回転速度NEが所定態様で低下したタイミング直後の所定期間(具体的には、上記差ΔNEが所定速度α以上になってから同差ΔNEが所定速度β以上になるまでの期間)における機関回転速度NEの低下量に相当する値が算出される。本実施の形態では、このカウント値がクラッチ開度CRの変化速度の指標値として用いられる。
ここで、上述したように学習処理においてクラッチ開度CRの変化速度の指標値は、クラッチ切れ点になってから上記差ΔNEが所定速度α以上になるまでの期間(前記遅れ期間)の長さを特定するための値として用いられる。そのため学習値GK1の学習精度を高めるためには、上記変化速度の指標値として、クラッチ切れ点になるときのクラッチ開度CRの変化速度に相当する値を採用することが望ましい。
クラッチ切れ点になるときのクラッチペダル16の操作速度が速いときほど、クラッチ機構14が発生する継合力が速い速度で増大するようになるため、同クラッチ切れ点になった直後における機関回転速度NEの低下量は大きくなる。本実施の形態では、そうした機関回転速度NEの低下量に相当する値である回転低下カウンタのカウント値、すなわちクラッチ切れ点になるときにおけるクラッチペダル16の操作速度と高い相関を有する値を用いて上記遅れ期間の長さを精度よく特定することができ、クラッチ切れ点の学習値GK1を精度良く学習することができる。
なお、クラッチ機構14の作動状態を非継合状態から継合状態に変更する際には、例えばクラッチペダル16をクラッチ切れ点になるまではごく速い速度で操作するとともにクラッチ切れ点になった後においては比較的遅い速度で操作するなどといったように、同クラッチペダル16の操作速度が一定にならない場合が多い。そのため、単にクラッチ開度CRの変化速度を求めてもこれが上記遅れ期間と相関の低い値になる可能性が高く、仮にそうしたクラッチ開度CRの変化速度そのものを学習値GK1の学習に用いるようにした場合には、学習値GK1の学習精度の低下を招くおそれがある。この点、本実施の形態のように、クラッチ切れ点になるときにおけるクラッチペダル16の操作速度と高い相関を有する回転低下カウンタのカウント値を用いて上記遅れ期間の長さを特定することにより、同遅れ期間の長さを精度良く特定することができるようになり、クラッチ切れ点の学習値GK1を精度良く学習することができるようになる。
そして、その後において本処理が繰り返し実行されて、上記差ΔNEが所定速度β以上になると(ステップS105:YES、図3の時刻t3)、回転低下カウンタのカウント値とステップS103の処理(図2)において記憶されたN個のクラッチ開度CRとに基づいて、クラッチ切れ点の学習値GK1が求められて記憶される(ステップS106)。具体的には、前記低下タイミング(図3の時刻t2)から上記遅れ期間だけ遡ったタイミング(同時刻t1)において検出された可能性が高いクラッチ開度CR(図3に示す例では「CR3」)が回転低下カウンタのカウント値に基づいて上記N個のクラッチ開度CR(CR1,CR2,CR3・・・,CRN)の中から選択され、その選択されたクラッチ開度CRが学習値GK1として記憶される。電子制御装置30には回転低下カウンタのカウント値と選択されるクラッチ開度CRとの関係が予め記憶されており、ここでは同関係をもとに、選択されるクラッチ開度CRが特定される。詳しくは、回転低下カウンタのカウント値が大きい値であるときほど低下タイミングに近いタイミングで検出されたクラッチ開度CRが上記可能性が高い値として選択される。なお本実施の形態では、上記所定速度βが第2所定速度として機能する。
このように本実施の形態では、記憶されているN個のクラッチ開度CRの中から適切なタイミングにおいて検出された値を選択することにより、実際にクラッチ切れ点になったときに検出されたクラッチ開度CRが特定されてこれが学習値GK1として学習記憶される。
こうした処理の後、回転低下カウンタのカウント値が「0」にリセットされた後(図2のステップS107)、本処理は終了される。
本実施の形態によれば、上述した学習処理を実行することにより、機関回転速度NEが所定態様で低下したタイミングから前記遅れ期間に相当する分だけ遡ったタイミング、言い換えれば実際にクラッチ切れ点になったタイミングにおいて検出されたクラッチ開度CRを精度良く求めることができるようになる。そして、このクラッチ開度CRをクラッチ切れ点の学習値GK1として学習することにより、クラッチ切れ点を精度良く学習することができるようになる。
ここで、上述した態様で学習処理を実行することに限らず、機関回転速度NEがその基準速度に対して所定速度以上低くなったタイミングで、学習処理の直近のN回の実行時において検出されたクラッチ開度CRを記憶するとともにそれらクラッチ開度CRに基づくクラッチ切れ点の学習値の学習記憶を実行することも可能である。ただし、この場合には以下のような不都合が発生するおそれがある。
先ず、上記所定速度として小さい値を設定すると、前記遅れ時間が短くなるために、低下タイミング(この場合には機関回転速度NEがその基準速度に対して所定速度以上低くなったタイミング)に近いタイミングで検出されたクラッチ開度CRが学習値として記憶されるようになる。そのため、上記遅れ期間を特定する際の誤差が小さくなる可能性が高く、これにより学習値の学習誤差を小さく抑えることが可能になる。ただし、低下タイミングになったと判断されやすくなるために、クラッチペダル16の操作以外の要因によって機関回転速度NEが変動した場合にこれをクラッチ切れ点になったことによるものであると誤判定される可能性が高くなり、これによる学習精度の低下を招く可能性が高くなってしまう。
上記所定速度として大きい値を設定することにより、低下タイミングになったと判断されにくくなり、そうした誤判定の可能性が低くなって学習精度の低下が抑えられるようになる。しかしながら、この場合には前記遅れ時間が長くなるために、低下タイミングから大きく離れたタイミングで検出されたクラッチ開度CRが学習値として記憶されるようになり、上記遅れ期間を特定する際の誤差が大きくなって学習誤差が大きくなるおそれがある。
この点、本実施の形態では、前記差ΔNEが所定速度αより大きくなったときに学習処理の直近のN回の実行時において検出されたクラッチ開度CRが記憶され、前記差ΔNEが所定速度β(>α)より大きくなったことを条件に学習値GK1の学習の実行が許可される。そのため、機関回転速度NEが大きく低下したことをもって、クラッチ切れ点になったことに伴い機関回転速度NEが低下している状況であることを確実に判定することができ、その判定をもとに学習値GK1の学習の実行を許可することができる。しかも、学習値GK1の学習を、機関回転速度NEが若干低下したときに記憶したクラッチ開度CR、すなわち前記遅れ期間が短く学習誤差を小さく抑えることの可能なクラッチ開度CRに基づき実行することができる。したがって、クラッチ切れ点の学習値GK1を精度良く学習することができるようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)クラッチペダル16の操作中におけるクラッチ開度CRの推移を記憶するとともに同クラッチ開度CRの変化速度の指標値に基づいて前記遅れ期間を特定し、記憶されているクラッチ開度CRの推移をもとに上記遅れ期間に相当する分だけ前記低下タイミングから遡ったタイミングでのクラッチ開度CRを特定することにより、クラッチ切れ点におけるクラッチ開度CRを精度良く求めることができる。そして、このクラッチ開度CRをクラッチ切れ点の学習値GK1として学習記憶することができる。
(2)前記差ΔNEが所定速度α以上になったときに、本処理の直近のN回の実行時において検出されたクラッチ開度CRを記憶するようにした。そのため、記憶されているN個のクラッチ開度CRの中から適切なタイミングにおいて検出された値を選択することにより、実際にクラッチ切れ点になったときに検出されたクラッチ開度CRを特定してこれを学習値GK1として学習記憶することができる。
(3)前記差ΔNEが所定速度αより大きくなったときに学習処理の直近のN回の実行時において検出されたクラッチ開度CRを記憶し、前記差ΔNEが所定速度βより大きくなったことを条件に学習値GK1の学習の実行を許可するようにした。そのため、機関回転速度NEが大きく低下したことをもって、クラッチ切れ点になったことに伴い機関回転速度NEが低下している状況であることを確実に判定することができ、その判定をもとに学習値GK1の学習の実行を許可することができる。しかも、学習値GK1の学習を、前記遅れ期間が短く学習誤差を小さく抑えることの可能なクラッチ開度CRに基づき実行することができる。したがって、クラッチ切れ点の学習値GK1を精度良く学習することができるようになる。
(4)クラッチ開度CRの変化速度の指標値として、回転低下カウンタのカウント値を用いるようにした。そのためクラッチ切れ点になるときにおけるクラッチペダル16の操作速度と高い相関を有する値を用いて前記遅れ期間の長さを特定することができ、クラッチ切れ点の学習値GK1の学習を精度良く行うことができる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明にかかるクラッチ操作位置学習装置を具体化した第2の実施の形態について、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
本実施の形態にかかる装置は、学習処理の処理内容が第1の実施の形態にかかる装置と異なる。
ここでは先ず、本実施の形態にかかる学習処理の概要について説明する。
一定期間におけるクラッチ開度CRの変化量は、同期間におけるクラッチ開度CRの変化速度に応じて変化する。そのため、クラッチ機構14の作動状態を非継合状態から継合状態に変更させるためにクラッチペダル16が操作された場合に、クラッチ切れ点になってから機関回転速度NEが所定態様で低下するようになるまでの期間(遅れ期間)におけるクラッチ開度CRの変化量についても、クラッチ開度CRの変化速度に応じて変化すると云える。
この点をふまえて、本実施の形態では、機関回転速度NEが所定態様で低下したタイミング(低下タイミング)におけるクラッチ開度CRと同クラッチ開度CRの変化速度の指標値とに基づいてクラッチ切れ点の学習値GK2を学習するようにしている。これにより、クラッチ開度CRの変化速度の指標値(具体的には、回転低下カウンタのカウント値)によって上記遅れ期間におけるクラッチ開度CRの変化量を把握することができる。そして、その把握した変化量を上記低下タイミングにおいて検出したクラッチ開度CRに反映させることにより、クラッチペダル16の実際の操作位置がクラッチ切れ点になったときのクラッチ開度CRを精度良く求めることができるようになり、同クラッチ開度CRをクラッチ切れ点の学習値GK2として学習することができるようになる。
以下、本実施の形態にかかる学習処理の詳細について図4および図5を参照しつつ説明する。
図4および図5は上記学習処理の実行手順を示すフローチャートである。これらフローチャートに示される一連の処理は、上記学習処理の実行手順を概念的に示したものであり、実際の処理は所定周期毎の割り込み処理として電子制御装置30により実行される。なお図4および図5に示す一連の処理にあって先の図2に示した第1の実施の形態にかかる学習処理と同一の処理については同一の符号を付して示しており、その詳細な説明を割愛する。
図4に示すように、この処理では先ず、実行条件が成立している状態で(ステップS101:YES)、目標速度Tneと機関回転速度NEとの差ΔNE(=Tne−NE)が前記所定速度α以上になると(ステップS102:YES)、このときのクラッチ開度CRが検出されて基準値CRbとして記憶される(ステップS201)。
その後、上記基準値CRbが下限値以上であり且つ上限値以下であるか否かが判断される(ステップS202)。なお下限値および上限値は、経時変化の生じていない標準的な車両におけるクラッチ切れ点に対応するクラッチ開度CR(基準位置)と基準値CRbとの差が異常に大きくなっていること、言い換えれば基準値CRbがクラッチ切れ点の学習値GK2の学習精度を低下させる可能性の高い異常な値になっていることを的確に判断することが可能な値であり、実験やシミュレーションの結果に基づき予め求められて電子制御装置30に記憶されている。
そして、上記基準値CRbが下限値未満である場合や上限値より大きい場合には(ステップS202:NO)、この基準値CRbに基づいて学習値GK2の学習を実行した場合において同学習値GK2の学習精度を低下させる可能性が高いとして、以下の処理を実行することなく本処理が終了される。すなわち、この場合には学習値GK2の学習更新が禁止される。これにより、学習値GK2の学習精度の低下を抑制することができるようになる。
一方、上記基準値CRbが下限値以上であり且つ上限値以下である場合には(ステップS202:YES)、その後において上記差ΔNEが所定速度β以上になるまでの間、本処理が実行される度に上記回転低下カウンタのカウント値をインクリメントする処理(ステップS104)が繰り返し実行される。
そして、その後において本処理が繰り返し実行されて、上記差ΔNEが所定速度β以上になると(ステップS105:YES)、回転低下カウンタのカウント値と上記基準値CRbと冷却水温THWとに基づいて、予め定められた関係から、学習値GK2についての仮値Vcrが算出される(図5のステップS203)。
この関係としては、基準値CRbと回転低下カウンタのカウント値と学習値GK2との関係であって、図6にその一例を示すように、学習値GK2(詳しくは、カウント値が所定値であるときの基準値CRbに相当する値)を通る一次関数が予め記憶されている。この関係は、学習値GK2の学習が実行される度に、そのときの基準値CRbに基づいて更新される(後述する図5のステップS205)。この更新は、直近の所定回数分(例えば数十回分)の基準値CRbそれぞれとの差が最も小さくなる一次関数を最小二乗法を用いて求めるといったように行われる。このようにして上記関係を更新することにより同関係が、直近の所定期間において記憶された各基準値CRbとそれら基準値CRbに基づき学習された学習値GK2との関係が反映されたものになる。
例えばフリクションが変化したり摩耗したりするなど、内燃機関11や変速機15、クラッチ機構14に経時変化が生じた場合に、これに伴って基準値CRbと回転低下カウンタのカウント値と実際のクラッチ切れ点との関係が変化するおそれがある。本実施の形態では、仮値Vcrの算出に用いられる関係が、学習値GK2の学習が実行される度に基準値CRbに基づいて更新される。そのため、その関係を実情に見合う適切なものに補正することができ、そうした関係をもとに仮値Vcrを算出することにより、車両10の経時変化の度合いや個体差に応じて適切な値を仮値Vcrとして算出することができるようになる。
また、後述するステップS205の処理において上記関係を更新する際には、基準値CRbそのものを用いるのではなく、同基準値CRbをクラッチディスク17の温度の指標値(本実施の形態では、冷却水温THW)が基準温度(例えば80℃)であるときの値に換算した値が用いられる。これにより、上記関係が、冷却水温THWが基準温度である状況のもとでの基準値CRbと回転低下カウンタのカウント値と学習値GK2との関係になる。
そして、ステップS203の処理では先ず、冷却水温THWに基づいてマップから上記関係として記憶されている一次関数「Y=AX+B」の各値「A」,「B」についての補正係数K1,K2がそれぞれ算出される。これら補正係数K1,K2は基準温度に適した上記関係をこのときの冷却水温THWに適した関係に補正するための係数である。上記マップには上記関係を適正に補正することのできる補正係数K1,K2と冷却水温THWとの関係が実験やシミュレーションの結果などに基づき予め求められて記憶されている。そして、上記補正係数K1を上記「A」に乗算するとともに補正係数K2を上記「B」に乗算することよって上記関係が補正されて新たな関係「Y=(A×K1)X+(B×K2)」が求められる。
その後、そのようにして補正された関係から仮値Vcrが算出される。具体的には、このときの回転低下カウンタのカウンタ値(図6に示す例では「C」)に基づいて上記温度補正後の関係(同例では線L1で示す関係)から基準値CRbに相当する値(同例では「D」)が算出され、同値Dとこのとき記憶されている基準値CRbとの差(CRb−D)が算出される。そして、この差(CRb−D)を上記学習値GK2に加算した値が仮値Vcrとして算出される。
ここでクラッチディスク17の温度が変化すると、同クラッチディスク17の摩擦係数が変化するために、これに伴って基準値CRbと回転低下カウンタのカウント値と実際のクラッチ切れ点との関係も変化するようになる。本実施の形態では、上記基準値CRbの算出に用いられる基準温度に適した関係がそのときどきのクラッチディスク17の温度に適した関係に補正されるとともに、そうした関係をもとに仮値Vcrが算出される。そのため、上記基準温度に適した関係を実情に見合う適切なものに補正することができ、そうした関係からクラッチディスク17の温度に応じたかたちで適切な値を仮値Vcrとして算出することができるようになる。ちなみに、内燃機関11および変速機15のフリクションについての温度特性やクラッチセンサ33の出力信号についての温度特性を考慮して上記補正係数K1,K2の算出に用いるマップを設定することにより、そうしたフリクションの変化やクラッチセンサ33の出力の変化による影響分が補償されるように仮値Vcrを算出することも可能になる。
このようにして仮値Vcrが算出された後、このとき記憶されている学習値GK2を同仮値Vcrによって徐変させた値が新たな学習値GK2として記憶される(図5のステップS204)。具体的には、このとき記憶されている学習値を「GK2[i−1]」とし、所定の徐変係数(>1.0)を「KJ」とすると、最新の学習値GK2[i]が仮値Vcrに基づいて以下の関係式(1)から算出される。

GK2[i]=GK2[i−1]+(Vcr−GK2[i−1])/KJ …(1)

このようにして学習値GK2を算出することにより、仮値Vcrそのものを学習値GK2として記憶する場合と比較して、同学習値GK2の急峻な変化が抑えられるようになる。そのため、記憶されている学習値GK2と大きく異なる値、すなわち学習値GK2の学習精度を低下させるおそれのある値が仮値Vcrとして検出された場合であっても、これに起因する学習値GK2の学習精度の低下を抑えることができる。
また本処理では、上記関係式(1)における徐変係数KJとして、学習値GK2の前回更新時からの経過時間(具体的には、内燃機関11の積算運転時間)に基づいてマップから算出される値が用いられる。このように徐変係数KJを可変設定することにより、学習値GK2の前回更新時からの経過時間が長いときほど、すなわち見込まれる実際のクラッチ切れ点の変化度合いが大きいときほど学習値GK2の変更量を大きくすることができ、実際のクラッチ切れ点の変化傾向に合わせて同学習値GK2を適切に学習することができるようになる。なお上記マップには、上記経過時間と同経過時間に適した徐変係数KJとの関係が実験やシミュレーションの結果に基づき予め求められ記憶されている。また電子制御装置30には、本処理とは別に実行される処理を通じて、学習値GK2の前回更新時からの経過時間が経時されて記憶されている。
このようにして学習値GK2が更新された後、前述したように冷却水温THWと基準値CRbと回転低下カウンタのカウント値とに基づいて仮値Vcrの算出に用いられる基準温度に適した関係が更新されるとともに(ステップS205)、回転低下カウンタのカウント値が「0」にリセットされて(ステップS107)、本処理は終了される。
以上詳述した本実施の形態にかかる学習処理によれば、次のような作用を得ることもできる。この学習処理では前記差ΔNEが所定速度αより大きくなったときにそのときのクラッチ開度CRが基準値CRbとして記憶され、前記差ΔNEが所定速度β(>α)より大きくなったことを条件に同基準値CRbに基づく学習値GK2の学習の実行が許可される。そのため、機関回転速度NEが大きく低下したことをもって、クラッチ切れ点になったことに伴い機関回転速度NEが低下している状況であることを確実に判定することができ、その判定をもとに学習値GK2の学習の実行を許可することができる。しかも、学習値GK2の学習を、機関回転速度NEが若干低下したときに記憶したクラッチ開度CR(基準値CRb)、すなわち前記遅れ期間が短く学習誤差を小さく抑えることの可能なクラッチ開度CRに基づき実行することができる。したがって、クラッチ切れ点の学習値GK2を精度良く学習することができるようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)回転低下カウンタのカウント値によって前記遅れ期間におけるクラッチ開度CRの変化量を把握した上で同変化量を基準値CRbに反映させることにより、実際にクラッチ切れ点になったときのクラッチ開度CRを仮値Vcrとして精度良く求めることができる。そのため、この仮値Vcrに基づいてクラッチ切れ点の学習値GK2を精度よく学習することができる。
(2)予め記憶されている基準値CRbと回転低下カウンタのカウント値と学習値GK2との関係から学習値GK2の仮値Vcrを算出することができる。
(3)仮値Vcrの算出に用いる関係を、学習値GK2の学習が実行される度に基準値CRbに基づき更新するようにした。そのため、その関係を実情に見合う適切なものに補正することができ、そうした関係をもとに仮値Vcrを算出することにより、車両10の経時変化の度合いや個体差に応じて適切な値を仮値Vcrとして算出することができるようになる。
(4)前記差ΔNEが所定速度αより大きくなったときにそのときのクラッチ開度CRを基準値CRbとして記憶し、前記差ΔNEが所定速度βより大きくなったことを条件に同基準値CRbに基づく学習値GK2の学習の実行を許可するようにした。そのため、機関回転速度NEが大きく低下したことをもって、クラッチ切れ点になったことに伴い機関回転速度NEが低下している状況であることを確実に判定することができ、その判定をもとに学習値GK2の学習の実行を許可することができる。しかも、学習値GK2の学習を、前記遅れ期間が短く学習誤差を小さく抑えることの可能なクラッチ開度CRに基づき実行することができる。したがって、クラッチ切れ点の学習値GK2を精度良く学習することができるようになる。
(5)クラッチ開度CRの変化速度の指標値として、回転低下カウンタのカウント値を用いるようにした。そのためクラッチ切れ点になるときにおけるクラッチペダル16の操作速度と高い相関を有する値を用いて前記遅れ期間の長さを特定することができ、クラッチ切れ点の学習値GK2の学習を精度良く行うことができる。
(6)仮値Vcrの算出に用いられる基準温度に適した関係をそのときどきの冷却水温THWに基づいて補正するようにした。そのため、基準温度に適した関係を実情に見合う適切なものに補正することができ、そうした関係をもとに仮値Vcrを算出することにより、クラッチディスク17の温度に応じたかたちで適切な値を仮値Vcrとして算出することができるようになる。
(7)基準値CRbが下限値未満である場合や上限値より大きい場合に、基準値CRbに基づいて学習値GK2の学習を実行した場合において同学習値GK2の学習精度を低下させる可能性が高いとして、学習値GK2の学習更新を禁止するようにした。これにより、学習値GK2の学習精度の低下を抑制することができるようになる。
(8)記憶されている学習値GK2を仮値Vcrによって徐変させた値を新たな学習値GK2として学習記憶させるようにした。これにより、記憶されている学習値GK2と大きく異なる値、すなわち学習値GK2の学習精度を低下させるおそれのある値が仮値Vcrとして検出された場合であっても、これに起因する学習値GK2の学習精度の低下を抑えることができる。しかも、学習値GK2の徐変に用いる関係式(1)の徐変係数KJとして、学習値GK2の前回更新時からの経過時間に基づいて算出される値を用いるようにした。そのため、見込まれる実際のクラッチ切れ点の変化度合いが大きいときほど学習値GK2の変更量を大きくすることができ、実際のクラッチ切れ点の変化傾向に合わせて同学習値GK2を適切に学習することができる。
(他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・第1の実施の形態において、クラッチ切れ点の学習値GK1を求める処理(図2のステップS106)で用いるパラメータとして、回転低下カウンタのカウント値と記憶されているN個のクラッチ開度CRとに加えて、クラッチディスク17の温度の指標値としての冷却水温THWを採用するようにしてもよい。こうした構成によれば、クラッチディスク17の温度変化に起因する前記低下タイミングと回転低下カウンタのカウント値と実際のクラッチ切れ点との関係の変化に応じたかたちでクラッチ切れ点の学習値GK1を学習することができ、同学習値GK1をより精度良く学習することができるようになる。
・第1の実施の形態において、記憶されているN個のクラッチ開度CRと基準位置との差が大きいときに、学習値GK1の学習更新を禁止するようにしてもよい。同構成によれば、学習値GK1の学習精度を低下させる可能性の高い異常な値が上記N個のクラッチ開度CRとして記憶された場合に、これに起因する学習値GK1の学習精度の低下を抑制することができるようになる。なお、上記差が大きいことは、前記低下タイミングから前記遅れ期間だけ遡ったタイミングにおいて検出された可能性が高い値として特定されたクラッチ開度CR(図2のステップS106の処理)が上限値より大きいことあるいは下限値未満であることをもって判断することができる。その他、記憶されたN個のクラッチ開度CRのうちの一つでも上限値より大きいことあるいは下限値未満であることをもって上記差が大きいと判断することなども可能である。
・第1の実施の形態において、前記低下タイミングから前記遅れ期間だけ遡ったタイミングにおいて検出された可能性の高い値として特定されたクラッチ開度CRを学習値GK1として学習記憶することに代えて、記憶されている学習値GK1を上述のように特定されたクラッチ開度CRによって徐変させた値を新たな学習値GK1として学習記憶するようにしてもよい。こうした構成によれば、記憶されている学習値GK1と大きく異なる値、すなわち学習値GK1の学習精度を低下させるおそれのある値がクラッチ切れ点に対応するクラッチ開度CRとして特定された場合であっても、これに起因する学習値GK1の学習精度の低下を抑えることができる。なお、学習値GK1を徐変させる処理は、前記関係式(1)に準じた関係式を通じて最新の学習値GK1を算出することなどによって実現することができる。
また、そのようにして学習値GK1を徐変させる際の徐変度合いを学習値GK1の前回更新時からの経過時間に応じたかたちで設定するようにしてもよい。これにより、学習値GK1の前回更新時からの経過時間が長いときほど、すなわち見込まれる実際のクラッチ切れ点の変化度合いが大きいときほど学習値GK1の変更量を大きくすることができ、実際のクラッチ切れ点の変化傾向に合わせて同学習値GK1を適切に学習することができるようになる。
・第1の実施の形態では、記憶しているN個のクラッチ開度CRの中から適切な値を特定してこれを学習値GK1として学習記憶するようにした。これに代えて、前記低下タイミングの直近の所定期間において検出したクラッチ開度CRの推移を関係式に変換して記憶するとともに、同関係式に基づいて前記低下タイミングから前記遅れ期間だけ遡ったタイミングにおけるクラッチ開度CRに相当する値を求めて、同値を学習値GK1として学習記憶するようにしてもよい。
・第2の実施の形態において、クラッチディスク17の温度の指標値として冷却水温THWを用いることに代えて、内燃機関11や変速機15の潤滑油の温度を用いることができ、クラッチディスク17の温度そのものを検出してこれを用いることもできる。
・第2の実施の形態において、学習値GK2の仮値Vcrを、回転低下カウンタのカウント値と基準値CRbと冷却水温THWとに基づいて算出することに代えて、回転低下カウンタのカウント値および前記基準値CRbのみに基づいて算出するようにしてもよい。
・第2の実施の形態において、学習値GK2の学習更新を、基準値CRbが上限値より大きいときまたは下限値未満であるときに禁止することに代えて、仮値Vcrが上限値より大きいときまたは下限値未満であるときに禁止するようにしてもよい。こうした構成によれば、学習値GK2の学習精度を低下させる可能性の高い異常な値が仮値Vcrとして算出された場合に、これに起因する学習値GK2の学習精度の低下を抑制することができる。
・第2の実施の形態において、下限値や上限値を回転低下カウンタのカウント値に応じて可変設定するようにしてもよい。この場合には、例えば回転低下カウンタのカウント値が大きい値であるときほど、クラッチペダルの踏み込み量が小さい側の値を上限値や下限値として設定するようにすればよい。また、下限値や上限値を仮値Vcrの算出に用いられる関係に応じて可変設定することもできる。この場合には、例えば同関係における基準値CRb相当値に予め定められた一定値を加算した値を上限値とするとともに同一定値を減算した値を下限値とすればよい。
・第2の実施の形態において、徐変係数KJの算出に用いる算出パラメータとして内燃機関11の積算運転時間を採用することに代えて、運転スイッチの操作によって内燃機関11の運転が停止された回数や機関回転速度NEの積算値などを採用することができる。要は、学習値GK2の前回更新時からの経過時間と相関の高い値であれば、上記算出パラメータとして採用することができる。
・第2の実施の形態において、徐変係数KJとして予め定められた一定の値を設定するようにしてもよい。
・第2の実施の形態において、学習値GK2を徐変させる処理を省略してもよい。具体的には、図5のステップS203の処理において算出される仮値Vcrに相当する値を学習値GK2として学習記憶するようにしてもよい。
・第2の実施の形態において、仮値Vcrの算出に用いる関係を更新する処理(図5のステップS205)を省略してもよい。この場合、仮値Vcrの算出に用いる関係として、回転低下カウンタのカウント値と基準値CRbと冷却水温THWと仮値Vcrとの関係を定めた計算式やマップを予め設定しておけばよい。そうした計算式やマップは、回転低下カウンタのカウント値、基準値CRb、および冷却水温THWにより定まる検出状況と同検出状況に適した仮値Vcrとの関係を実験やシミュレーションの結果等に基づいて予め求めることによって設定することができる。
・第2の実施の形態において、仮値Vcrの算出に用いる関係として、一次関数以外の任意の関数や計算式を設定するようにしてもよい。また、そうした関係として、回転低下カウンタのカウント値や基準値CRb、冷却水温THWを算出パラメータとするマップを設定するようにしてもよい。
・各実施の形態において、クラッチ切れ点の学習値(GK1またはGK2)が所定期間以上にわたって更新されないときに、同学習値(GK1またはGK2)を強制的に変更するようにしてもよい。こうした構成によれば、学習値(GK1またはGK2)の学習更新が長期にわたって実行されない場合であっても、上記所定期間、すなわち学習が実行されない期間の経過に際して見込まれる実際のクラッチ切れ点の変化量に応じて学習値(GK1またはGK2)を変更することができる。そのため、学習値(GK1またはGK2)と実際のクラッチ切れ点に対応するクラッチ開度CRとの誤差を小さく抑えることが可能になる。
図7に、そのように学習値を強制的に変更する処理(強制変更処理)の一例を示す。同図7に示すように、上記構成としては、学習値(GK1またはGK2)が前回更新された後の経過時間が予め定められた所定値以上であるときに(ステップS301:YES)、同学習値(GK1またはGK2)に一定値を加算する(ステップS302)といった構成を採用することができる。なお、上記経過時間としては、内燃機関11の積算運転時間や、運転スイッチの操作によって内燃機関11の運転が停止された回数、機関回転速度NEの積算値などを採用することができる。
・各実施の形態において、クラッチ開度CRの変化速度の指標値として、回転低下カウンタのカウント値を用いることに限らず、クラッチ開度CRの変化速度と相関の高い値であれば同指標値として用いることができる。またクラッチ開度CRの変化速度の指標値として、クラッチセンサ33により検出されるクラッチ開度CRの変化速度そのものを用いるようにしてもよい。
・各実施の形態において、前記差ΔNEが所定速度より大きくなったタイミングで、クラッチ開度CRを記憶することと同クラッチ開度CRに基づいて学習値(GK1またはGK2)を学習することとを共に実行するようにしてもよい。
・本発明は、自動停止始動制御が実行される車両に限らず、例えばクラッチ機構の作動状態の切り替えを自動的に行う車両など、クラッチ操作部材(例えばクラッチ機構を作動させるためのアクチュエータの可動部分)の操作位置が運転制御に用いられる車両、詳しくはクラッチ切れ点を正確に把握する必要のある車両であれば適用することができる。
10…車両、11…内燃機関、12…クランク軸、13…フライホイール、14…クラッチ機構、15…変速機、15a…入力軸、16…クラッチペダル(クラッチ操作部材)、17…クラッチディスク、18…ドライブシャフト、19…ディファレンシャルギヤ、20…車軸、21…駆動輪、22…シフト装置、23…シフトレバー、24…スタータモータ、25…アクセルペダル、26…ブレーキペダル、30…電子制御装置、31…アクセルセンサ、32…ブレーキスイッチ、33…クラッチセンサ(検出手段)、34…車速センサ、35…クランクセンサ、36…温度センサ。

Claims (12)

  1. 複数の変速段を有する変速機と同変速機の入力軸および内燃機関の出力軸の間に設けられたクラッチ機構と該クラッチ機構の作動状態を切り替えるためのクラッチ操作部材と同クラッチ操作部材の操作位置を検出する検出手段とを有し、前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態から継合状態へと変更するための前記クラッチ操作部材の操作時において前記クラッチ機構のクラッチ切れ点の学習値を学習するクラッチ操作位置学習装置において、
    前記出力軸の回転速度が安定している状態で前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態から継合状態に変更するための前記クラッチ操作部材の操作が開始されたことを条件に、その操作中に前記出力軸の回転速度が基準速度に対して所定速度以上低くなったタイミングと前記操作中において前記検出手段により検出した前記クラッチ操作部材の操作位置と前記操作中における前記クラッチ操作部材の操作位置の変化速度の指標値とに基づいて、前記指標値が操作位置の変化速度が速いことを示す値であるときほど前記タイミングにおいて検出した操作位置よりも前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態に近づける方向に位置する操作位置を前記学習値として学習する
    ことを特徴とするクラッチ操作位置学習装置。
  2. 複数の変速段を有する変速機と同変速機の入力軸および内燃機関の出力軸の間に設けられたクラッチ機構と該クラッチ機構の作動状態を切り替えるためのクラッチ操作部材と同クラッチ操作部材の操作位置を検出する検出手段とを有し、前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態から継合状態へと変更するための前記クラッチ操作部材の操作時において前記クラッチ機構のクラッチ切れ点の学習値を学習するクラッチ操作位置学習装置において、
    前記出力軸の回転速度が安定している状態で前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態から継合状態に変更するための前記クラッチ操作部材の操作が開始されたことを条件に、その操作中において前記検出手段により検出した前記操作位置の推移と前記出力軸の回転速度が基準速度に対して所定速度以上低くなったタイミングとを記憶して、前記操作中における前記操作位置の変化速度の指標値を求めるとともに同指標値が前記操作位置の変化速度が速いことを示す値であるときほど長くなるように遡及期間を算出し、前記記憶している前記操作位置の推移をもとに前記求めた遡及期間だけ前記タイミングから遡ったタイミングにおける操作位置を特定してこれを前記学習値として学習する
    ことを特徴とするクラッチ操作位置学習装置。
  3. 請求項2に記載のクラッチ操作位置学習装置において、
    前記検出手段は、前記操作位置の検出を所定周期毎に実行するものであり、
    前記装置は、前記操作位置の推移として、前記タイミング以前において前記検出手段により検出した操作位置を複数記憶するものである
    ことを特徴とするクラッチ操作位置学習装置。
  4. 複数の変速段を有する変速機と同変速機の入力軸および内燃機関の出力軸の間に設けられたクラッチ機構と該クラッチ機構の作動状態を切り替えるためのクラッチ操作部材と同クラッチ操作部材の操作位置を検出する検出手段とを有し、前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態から継合状態へと変更するための前記クラッチ操作部材の操作時において前記クラッチ機構のクラッチ切れ点の学習値を学習するクラッチ操作位置学習装置において、
    前記出力軸の回転速度が安定している状態で前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態から継合状態に変更するための前記クラッチ操作部材の操作が開始されたことを条件に、その操作中において前記出力軸の回転速度が基準速度に対して所定速度以上低くなったタイミングで前記検出手段により検出した前記操作位置と前記操作中における前記操作位置の変化速度の指標値とに基づいて、前記指標値が操作位置の変化速度が速いことを示す値であるときほど前記タイミングにおいて検出した操作位置よりも前記クラッチ機構の作動状態を非継合状態に近づける方向に位置する操作位置を前記クラッチ切れ点の学習値として学習する
    ことを特徴とするクラッチ操作位置学習装置。
  5. 請求項4に記載のクラッチ操作位置学習装置において、
    当該装置は、前記指標値と前記クラッチ切れ点に相当する前記操作位置との関係を予め記憶してなり、記憶されている前記関係を利用して前記指標値に対応する前記クラッチ切れ点に相当する前記操作位置を算出し、記タイミングで前記検出手段により検出した前記操作位置と記憶されている前記関係を利用して算出された前記クラッチ切れ点に相当する前記操作位置との差を、記憶されている前記関係を利用して算出できる前記指標値が所定値であるときの前記クラッチ切れ点に相当する前記操作位置に加算した値を前記学習値として算出するものである
    ことを特徴とするクラッチ操作位置学習装置。
  6. 請求項5に記載のクラッチ操作位置学習装置において、
    前記関係は、前記タイミングで前記検出手段によって前記操作位置が検出される度に更新されてなる
    ことを特徴とするクラッチ操作位置学習装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のクラッチ操作位置学習装置において、
    前記出力軸の回転速度がその基準速度に対して第1所定速度以上低くなったことをもって前記出力軸の回転速度が基準速度に対して所定速度以上低くなったと判断し、前記出力軸の回転速度が前記基準速度に対して前記第1所定速度よりも大きい第2所定速度以上低くなったことを条件に前記学習値の学習の実行を許可するものである
    ことを特徴とするクラッチ操作位置学習装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のクラッチ操作位置学習装置において、
    前記指標値は、前記タイミング直後の所定期間における前記出力軸の回転速度の低下量である
    ことを特徴とするクラッチ操作位置学習装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のクラッチ操作位置学習装置において、
    前記学習値の学習に際して前記クラッチ機構の摩擦板の温度の指標値を参照する
    ことを特徴とするクラッチ操作位置学習装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のクラッチ操作位置学習装置において、
    前記操作中において前記検出手段により検出した前記操作位置とその基準位置との差が所定値より大きいときに、同操作位置に基づく前記学習値の学習の実行を禁止する
    ことを特徴とするクラッチ操作位置学習装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のクラッチ操作位置学習装置において、
    記学習値の仮値を求めるとともに、同仮値に向かって前記学習値を徐変させた値を同学習値として学習するものであり、前記学習値の学習の前回実行時からの経過時間が長いときほど前記学習値を徐変させる際の徐変係数小さくし、学習に伴う前記学習値の変更量を大きくするものである
    ことを特徴とするクラッチ操作位置学習装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のクラッチ操作位置学習装置において、
    前記学習値の学習が所定期間以上にわたって実行されないときに同学習値を強制的に変更する
    ことを特徴とするクラッチ操作位置学習装置。
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