JP4748021B2 - 内燃機関の停止位置制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の停止位置制御装置に係り、特に、車両が一時的に停止した際に、内燃機関の停止および再始動を自動的に行う制御が適用された内燃機関を制御する装置として好適な内燃機関の停止位置制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、車両が一時的に停止した際に、内燃機関の停止および再始動を自動的に行う制御(エコラン制御)を実行するエンジンの始動装置が開示されている。この従来の装置は、次回の再始動を円滑に行えるようにすべく、燃料供給を停止するエンジン回転数を制御することにより、内燃機関の自動停止時のピストン停止位置(クランク停止位置)の適正化を図るというものである。
特開2004−293444号公報 特開2005−282538号公報
内燃機関を自動的に停止する際に、クランク停止位置が目標の停止位置からずれる主な要因としては、クランク軸への入力となるフリクションの影響が考えられる。クランク停止位置を所望の位置に精度良く収束できるような燃焼カット回転数を定めるためには、そのようなフリクションの影響が適宜学習できるようなシステムを備えていることが望ましい。
また、クランク停止位置は、大気圧の変化によって大きな影響を受ける。従って、そのような大気圧の影響が適切に考慮されていないと、上記のフリクション学習精度が悪化するおそれがある。また、大気圧を検出するための圧力センサを別途備えるようにすれば、システムのコストアップを招いてしまう。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の停止および再始動を自動的に行う制御が適用された内燃機関において、大気圧を検出するための圧力センサを用いることなく、大気圧の影響を適切に把握することができ、これにより、クランク停止位置制御の精度を良好に確保し得る内燃機関の停止位置制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、車両システムの起動および停止を判別するシステム状態判別手段と、
車両システムの起動中に、内燃機関が停止する際のクランク停止位置の変化代を取得する停止位置変化取得手段と、
前記車両システムが起動してから停止するまでの期間におけるクランク停止位置の変化代であって、車両の現在地が低地である時のクランク停止位置を基準値とするクランク停止位置の変化代が所定値より大きい場合に、車両の現在地が高地であると判定する高地判定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、車両システムの起動を検知するシステム起動検知手段と、
車両システムの起動中に、内燃機関が停止する際のクランク停止位置の変化代を取得する停止位置変化取得手段と、
車両システムの起動後のシステム運転履歴値を取得する運転履歴取得手段と、
前記システム運転履歴値が所定値より小さく、かつ、車両の現在地が低地である時のクランク停止位置を基準値とするクランク停止位置の変化代が所定値より大きい場合に、車両の現在地が高地であると判定する高地判定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、内燃機関のクランク軸への入力となるフリクションを算出するフリクションモデルと、
クランク角度の実測値を取得するクランク情報取得手段と、
前記フリクションを含む所定のパラメータに基づいて、クランク停止位置の推定値を取得するクランク位置推定手段とを更に備え、
前記停止位置変化取得手段は、前記実測値と前記推定値との停止位置誤差に基づいて、クランク停止位置の変化代を取得することを特徴とする。
また、第4の発明は、第3の発明において、内燃機関のクランク角度情報に基づいて、前記フリクションモデルを学習するフリクション学習手段を更に備える内燃機関の停止位置制御装置であって、
前記高地判定手段により高地であると判定された場合には、前記フリクションモデルの学習を禁止するフリクション学習禁止手段を更に備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、 前記内燃機関の停止位置制御装置は、内燃機関の燃焼を停止する燃焼カット回転数を制御することによりクランク停止位置を制御するものであって、
前記高地判定手段により高地であると判定された場合には、前記停止位置誤差がなくなるように前記燃焼カット回転数を補正する燃焼カット回転数補正手段を更に備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第3の発明において、前記クランク位置推定手段は、大気圧を前記所定のパラメータとして備えるものであって、
前記高地判定手段により高地であると判定された場合には、前記停止位置誤差がなくなるように大気圧を学習する大気圧学習手段を更に備えることを特徴とする。
また、第7の発明は、第6の発明において、内燃機関のクランク角度情報に基づいて、前記フリクションモデルを学習するフリクション学習手段を更に備える内燃機関の停止位置制御装置であって、
前記高地判定手段により高地であると判定された場合には、前記フリクションモデルの学習を禁止するフリクション学習禁止手段を更に備え、
前記大気圧学習手段は、前記高地判定手段により高地であると判定されたことに起因して前記フリクションモデルの学習が禁止された状況下において、前記の大気圧学習を実施することを特徴とする。
また、第8の発明は、第7の発明において、前記大気圧学習が完了している状況下でのみ、前記フリクションモデルの学習を許可するフリクション学習許可手段を更に備えることを特徴とする。
1回の車両システムの起動から停止までの間のクランク停止位置の大きな変化は、大気圧変化によるガス反力の影響が非常に強い。第1の発明によれば、車両の現在地が低地である時のクランク停止位置を基準値とするクランク停止位置に対して、そのような大きなクランク停止位置のずれが認められた場合には、高地であると判定されるので、圧力センサを用いることなく、すなわち、コストアップを招くことなく、大気圧の変化を正確に把握することができる。これにより、クランク停止位置制御の精度を良好に確保することができる。
車両システムの起動後のシステム運転履歴が比較的短い状況下でのクランク停止位置の大きな変化は、大気圧変化によるガス反力の影響が非常に強い。第2の発明によれば、車両の現在地が低地である時のクランク停止位置を基準値とするクランク停止位置に対して、そのような大きなクランク停止位置のずれが認められた場合には、高地であると判定されるので、圧力センサを用いることなく、すなわち、コストアップを招くことなく、大気圧の変化を正確に把握することができる。これにより、クランク停止位置制御の精度を良好に確保することができる。
第3の発明によれば、クランク停止位置の推定手段を備えている場合において、当該推定手段によるクランク停止位置の推定値と実測値との停止位置誤差に基づいて、クランク停止位置の変化代を正確に把握することができる。
第4の発明によれば、大気圧を検出するための圧力センサを備えていないシステムであっても、大気圧変化という他の要因による停止位置誤差に基づいて、フリクションが誤学習されるのを回避することができる。
第5の発明によれば、高地において、フリクションの学習精度を悪化させることなく、燃焼カット回転数の制御によりクランク停止位置制御の精度を確保することができる。
第6の発明によれば、高地走行時に発生する停止位置誤差がすべて大気圧の影響によるものとみなして、大気圧の影響を精度良く補正することができる。また、本発明によれば、高地と判定された状況下において、すなわち、クランク停止位置に大きなずれが生じ得る状況下において、クランク停止位置制御の精度を確保するための適切な学習を継続させることができる。
また、第7の発明によれば、フリクション学習精度を悪化させることなく、大気圧の影響を精度良く補正することができる。
また、第8の発明によれば、大気圧学習の完了後に残されたフリクションの影響を正確に学習することができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の内燃機関の停止位置制御装置が適用された内燃機関10の構成を説明するための図である。本実施形態のシステムは、内燃機関10を備えている。ここでは、内燃機関10は、直列4気筒型エンジンであるものとする。内燃機関10の筒内には、ピストン12が設けられている。ピストン12は、コンロッド14を介してクランク軸16と連結されている。また、内燃機関10の筒内には、ピストン12の頂部側に燃焼室18が形成されている。燃焼室18には、吸気通路20および排気通路22が連通している。
吸気通路20には、スロットルバルブ24が設けられている。スロットルバルブ24は、アクセル開度と独立してスロットル開度を制御することのできる電子制御式スロットルバルブである。スロットルバルブ24の近傍には、スロットル開度TAを検出するスロットルポジションセンサ26が配置されている。スロットルバルブ24の下流には、内燃機関10の吸気ポートに燃料を噴射するための燃料噴射弁28が配置されている。また、内燃機関が備えるシリンダヘッドには、気筒毎に、燃焼室18の頂部から燃焼室18内に突出するように点火プラグ30がそれぞれ取り付けられている。吸気ポートおよび排気ポートには、それぞれ、燃焼室18と吸気通路20、或いは燃焼室18と排気通路22を導通状態または遮断状態とするための吸気弁32および排気弁34が設けられている。
吸気弁32および排気弁34は、それぞれ吸気可変動弁(VVT)機構36および排気可変動弁(VVT)機構38により駆動される。可変動弁機構36、38は、それぞれ、クランク軸の回転と同期して吸気弁32および排気弁34を開閉させると共に、それらの開弁特性(開弁時期、作用角、リフト量など)を変更することができる。
内燃機関10は、クランク軸の近傍にクランク角センサ40を備えている。クランク角センサ40は、クランク軸が所定回転角だけ回転する毎に、Hi出力とLo出力を反転させるセンサである。クランク角センサ40の出力によれば、クランク軸の回転位置やその回転速度(エンジン回転数Ne)を検知することができる。また、内燃機関10は、吸気カム軸の近傍にカム角センサ42を備えている。カム角センサ42は、クランク角センサ40と同様の構成を有するセンサである。カム角センサ42の出力によれば、吸気カム軸の回転位置(進角量)などを検知することができる。
図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50には、上述した各種センサに加え、排気通路22内の排気空燃比を検出するための空燃比センサ52、内燃機関10の冷却水温度を検出するための水温センサ54、および内燃機関10と変速機(図示省略)との間に設けられるクラッチ(図示省略)の係合状態を検知するためのクラッチスイッチ56が接続されている。クラッチスイッチ56は、クラッチペダル(図示省略)が踏み込まれた状態でON信号(クラッチ係合)を発し、当該クラッチペダルが踏まれていない状態でOFF信号(クラッチ非係合)を発するスイッチである。更に、ECU50には、内燃機関10が搭載された車両システムの起動およびその停止を行うためのイグニッションスイッチ(IGスイッチ)58や車両の走行距離を検知するためのトリップメータ59が接続されている。ECU50は、このようなIGスイッチ58のON、OFF信号を判別することにより、車両システムの起動状態を把握することができる。また、ECU50には、上述した各種アクチュエータが接続されている。ECU50は、それらのセンサ出力、およびECU50内に仮想的に構成されたエンジンモデル60を用いた演算結果に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御することができる。
[エンジンモデルの概要]
図2は、図1に示すECU50が備えるエンジンモデル60の構成を示すブロック図である。図2に示すように、エンジンモデル60は、クランク軸周りの運動方程式演算部62と、エンジンフリクションモデル64と、ミッションフリクションモデル65と、吸気圧力推定モデル66と、筒内圧推定モデル68と、燃焼波形算出部70とを含んでいる。以下、これらの各部の詳細な構成について説明を行う。
(1)クランク軸周りの運動方程式演算部について
クランク軸周りの運動方程式演算部62は、クランク角度θおよびエンジン回転数Ne(クランク角回転速度dθ/dt)のそれぞれの推定値を求めるためのものである。クランク軸周りの運動方程式演算部62は、筒内圧推定モデル68または燃焼波形算出部70から内燃機関10の筒内圧力Pの入力を受け、演算開始時には、更に、初期クランク角度θ0および初期エンジン回転数Ne0の入力を受ける。
クランク軸周りの運動方程式演算部62によって算出される推定クランク角度θおよび推定エンジン回転数Neは、図2に示すPIDコントローラ76によって、実クランク角度θおよび実エンジン回転数Neとの偏差が無くなるようにフィードバック制御される。また、クランク軸周りの運動方程式演算部62の演算結果には、エンジンフリクションモデル64によって、内燃機関10の内部のフリクションに関する影響が反映されるとともに、ミッションフリクションモデル65によって、変速機の内部のフリクション(主に軸受部の回転摺動によるフリクション)に関する影響が反映される。
次に、クランク軸周りの運動方程式演算部62の内部で実行される具体的な演算内容について説明する。
図3は、クランク軸周りの各要素に付す記号を示す図である。図3に示すように、ここでは、筒内圧力Pを受けるピストン12の頂部の表面積をAとする。コンロッド14の長さをL、クランクの回転半径をrとする。そして、コンロッド14のピストン取り付け点とクランク軸16の軸中心とを結ぶ仮想線(シリンダの軸線)と、コンロッド14の軸線とがなす角度をφ(以下、「コンロッド角度φ」と称する)とし、シリンダの軸線とクランクピン17の軸線とがなす角度をθとする。
4つの気筒を有する内燃機関10では、気筒間のクランク角度の位相差は180°CAであるため、それらの気筒間のクランク角度の関係は、次の(1a)式のように定義することができる。また、各気筒のクランク角回転速度dθ/dtは、それぞれ各気筒のクランク角度θの時間微分となるため、それぞれ次の(1b)式のように表すことができる。
Figure 0004748021
ただし、上記(1a)式および(1b)式において、クランク角度θおよびクランク角回転速度dθ/dtに付された符号1〜4は、内燃機関10の所定の爆発順序に従って燃焼が到来する気筒の順番に対応しており、また、後述する数式においては、それらの符号1〜4を「i」で代表させることがある。
また、図3に示すピストン・クランク機構においては、クランク角度θiとコンロッド角度φiとは、次の(2)式で表される関係を有することになる。
Figure 0004748021
ただし、上記(2)式において、dXi/dtはピストン速度である。
また、クランク軸周りの全運動エネルギTは、次の(3)式のように表すことができる。(3)式を展開すると、(3)式中の各項の諸々のパラメータを1/2(dθ/dt)2の係数としてまとめることができる。ここでは、そのようにまとめられた係数を、クランク角度θの関数f(θ)として表現している。
Figure 0004748021
ただし、上記(3)式において、右辺第1項はクランク軸16の回転運動に関する運動エネルギに、右辺第2項はピストン12およびコンロッド14の直進運動に関する運動エネルギに、右辺第3項はコンロッド14の回転運動に関する運動エネルギに、それぞれ対応している。また、上記(3)式において、Ikはクランク軸16の軸周りの慣性モーメントであり、Iflはフライホイールの回転軸周りの慣性モーメントであり、Imiは内燃機関10と組み合わされる変速機の回転軸周りの慣性モーメントであり、Icはコンロッドに関する慣性モーメントである。また、mpはピストン12の変位であり、mcはコンロッド14の変位である。尚、変速機に関する上記の慣性モーメント(ミッション側イナーシャ)は、クラッチが係合状態にあると判断された場合におけるモデル演算時にのみ使用され、クラッチが非係合状態にあると判断された場合におけるモデル演算時にはゼロとされる。
次に、ラグラジアンLを、系の全運動エネルギTと位置エネルギUとの偏差として、次の(4a)式のように定義する。そして、クランク軸16に作用する入力トルクをTRQとすると、ラグランジュの運動方程式を用いて、ラグラジアンLとクランク角度θと入力トルクTRQとの関係を、次の(4b)式のように表すことができる。
Figure 0004748021
ここで、上記(4a)式において、位置エネルギUの影響は運動エネルギTの影響に比して小さく、その影響を無視することができる。従って、上記(4b)式の左辺第1項は、上記(3)式をクランク角回転速度(dθ/dt)で偏微分して得られた値を時間微分することで、クランク角度θの関数として、次の(4c)式のように表すことができる。また、上記(4b)式の左辺第2項は、上記(3)式をクランク角度θで偏微分することで、クランク角度θの関数として、次の(4d)式のように表すことができる。
従って、上記(4b)式は、次の(4e)式のようにして表すことができ、これにより、クランク角度θと入力トルクTRQとの関係を得ることができる。また、ここでは、その入力トルクTRQを、次の(5)式のように、3つのパラメータからなるものと定義する。
Figure 0004748021
ただし、上記(5)式において、TRQeは、エンジン発生トルクであり、より具体的には、ガス圧力(筒内圧力P)を受けるピストン12からクランク軸16に作用するトルクである。TRQLは、負荷トルクであり、内燃機関10が搭載される車両の特性に応じて異なる既知の値として、ECU50に記憶されている。TRQfは、フリクショントルク、すなわち、ピストン12、クランク軸16、および変速機の摺動部分の摩擦損失に対応するトルクである。このフリクショントルクTRQfは、エンジンフリクションモデル64およびミッションフリクションモデル65から得られる値である。より具体的には、フリクショントルクTRQfは、クラッチが係合状態にあるときはエンジンフリクションモデル64およびミッションフリクションモデル65の双方を用いて算出され、一方、クラッチが非係合状態にあるときはエンジンフリクションモデル64のみを用いて算出される。
次に、エンジン発生トルクTRQeは、次の(6a)式〜(6c)式に従って算出することができる。すなわち、先ず、筒内圧力Pに基づいてコンロッド14に作用する力Fcは、ピストン12の頂部に作用する力PAのコンロッド14の軸線方向成分として、(6a)式のように表すことができる。そして、図3に示すようにコンロッド14の軸線とクランクピン17の軌跡の接線とがなす角度αが{π/2−(φ+θ)}であるため、筒内圧力Pに基づいてクランクピン17の軌跡の接線方向に作用する力Fkは、コンロッド14に作用する力Fcを用いて、(6b)式のように表すことができる。従って、エンジン発生トルクTRQeは、クランクピン17の軌跡の接線方向に作用する力Fkとクランクの回転半径rとの積であるため、(6a)式および(6b)式を用いて、(6c)式のように表すことができる。
Figure 0004748021
以上説明したクランク軸周りの運動方程式演算部62の構成によれば、筒内圧推定モデル68または燃焼波形算出部70によって筒内圧力Pを取得することにより、(6c)式および(5)式に従って入力トルクTRQを得ることができる。そして、(4e)式を解くことにより、クランク角度θやクランク角回転速度dθ/dtを得ることが可能となる。
(2)エンジンフリクションモデルについて
図4は、図2に示すエンジンフリクションモデル64がエンジンフリクショントルクTRQf_ENを取得するために備えているエンジンフリクションマップの一例を示している。より具体的には、図4(A)は、クランク軸16周りの回転摺動に関する第1エンジンフリクショントルクTRQf_map1とクランク角回転速度(dθ/dt)との関係を概念的に表した図であり、図4(B)は、ピストン12の並進運動に関する第2エンジンフリクショントルクTRQf_map2とピストン速度(dXi/dt)との関係を概念的に表した図である。
本実施形態のシステムにおいては、エンジンモデル60のモデル演算精度を向上させるべく、後述する図7に示すルーチンの処理では、エンジンフリクショントルクTRQfENを、上記のように第1エンジンフリクショントルクTRQf_map1と第2エンジンフリクショントルクTRQf_map2に分けて考えることがある。
図4(A)に示すように、クランク軸16周りの回転摺動に関する第1エンジンフリクショントルクTRQf_map1は、基本的にエンジン回転数 (dθ/dt)に依存する特性を有している。より具体的には、当該トルクTRQf_map1は、図4(A)に示すように、エンジン回転数(dθ/dt)がゼロに近い領域においては、最大静摩擦係数の影響で大きくなり、エンジン回転数(dθ/dt)が増加し始めると、最大静摩擦係数の影響が薄れるため一旦減少に転ずるが、その後はエンジン回転数(dθ/dt)の増大に従って増加する。
また、図4(B)に示すように、ピストン12の並進運動に関する第2エンジンフリクショントルクTRQf_map2は、ピストン12とシリンダ壁面との間のフリクションであり、これらの間の接触圧力と摩擦係数のみに依存し、ピストン速度(dXi/dt)には依存しない特性を有している。また、図4(B)におけるピストン速度(dXi/dt)がゼロに近い領域において、第2エンジンフリクショントルクTRQf_map2が大きな値を示すのは、そのような領域では最大静摩擦係数の影響が大きくなるためである。
尚、エンジンフリクショントルクTRQf_ENは、エンジン冷却水温度が低くなると大きくなる傾向を有している。このため、エンジンフリクショントルクTRQf_ENは、図4においては図示を省略しているが、エンジン回転数Ne(およびピストン速度(dXi/dt))との関係に加え、エンジン冷却水温度との関係をも考慮して定められている。また、ここでは、ECU50の計算負荷の低減のため、エンジンフリクションモデル64として、上記のようなフリクションマップを備えるようにしているが、エンジンフリクションモデルの構成は、これに限定されるものではなく、以下の(7)式のような関係式を用いるものであってもよい。この(7)式では、フリクショントルクTRQf_ENが、エンジン回転数Neと内燃機関10の潤滑油の動粘度νとをパラメータとする関数となるように構成されている。
Figure 0004748021
ただし、上記(7)式において、C1、C2、C3は、それぞれ実験等により適合される係数である。
(3)ミッションフリクションモデルについて
図5は、図2に示すミッションフリクションモデル65がミッションフリクショントルクTRQf_MIを取得するために備えるミッションフリクションマップの一例を示している。ミッションフリクションモデル65によって算出されるミッションフリクショントルクTRQf_MIは、車両の停止中にギヤがニュートラル位置にあり、かつ、クラッチが係合された状態、すなわち、変速機のギヤが内燃機関10の動力をタイヤ側に伝達させることなく回転している状態におけるフリクショントルクである。そこで、ミッションフリクショントルクTRQf_MIは、変速機の内部のフリクション(主に軸受部の回転摺動によるフリクション)に対応する値となるように定められている。このため、図5に示すように、ミッションフリクショントルクTRQf_MIは、第1エンジンフリクショントルクTRQf_map1と同様にエンジン回転速度(dθ/dt)に依存する特性を有している。
(4)吸気圧力推定モデルについて
吸気圧力推定モデル66は、吸気圧力を推定するための吸気圧マップ(図示省略)を備えている。この吸気圧マップは、吸気圧力を、スロットル開度TA、エンジン回転数Ne、および吸排気弁のバルブタイミングVVTとの関係で定めたものである。このような吸気圧力推定モデルの構成によれば、ECU50の計算負荷を低く抑えつつ、吸気圧力を取得することができる。尚、詳細に吸気圧力を計算する場合には、上記のような吸気圧マップを用いずに、スロットルバルブ24を通過する空気流量を推定するスロットルモデルと、吸気弁32の周囲を通過する空気流量(すなわち、筒内吸入空気流量)を推定するバルブモデルとを用いて、吸気圧力推定モデルを構成するようにしてもよい。
(5)筒内圧推定モデルについて
筒内圧推定モデル68は、燃焼が行われない状況下で、筒内圧力Pを算出するために用いられるモデルである。この筒内圧推定モデル68では、内燃機関10の各行程における筒内圧力Pを、次の(8a)式〜(8d)式を用いて算出するようにしている。すなわち、先ず、吸気行程の経過中の筒内圧力Pは、(8a)式で示すように、上述した吸気圧力推定モデル66が有する吸気圧マップから得られる筒内圧力のマップ値Pmapから得るようにしている。
Figure 0004748021
次に、圧縮行程の経過中の筒内圧力Pは、気体の可逆断熱変化の式に基づいて、(8b)式のように表すことができる。
ただし、上記(8b)式において、VBDCはピストン12が吸気下死点にあるときの行程容積Vであり、κは比熱比である。
また、膨張行程の経過中の筒内圧力Pについても、圧縮行程の場合と同様にして、(8c)式のように表すことができる。
ただし、上記(8c)式において、VTDCはピストン12が圧縮上死点にあるときの行程容積Vであり、Pcは圧縮行程の終了時における筒内圧力である。
また、排気行程の経過中の筒内圧力Pは、(8d)式で示すように、排気通路22内の圧力Pexであるものとしている。この圧力Pexは、ほぼ大気圧力Pairに等しいとみなすことができるものである。従って、ここでは、大気圧力Pairを、排気行程の経過中の筒内圧力Pに使用している。
(6)燃焼波形算出部について
燃焼波形算出部70は、圧縮行程の途中から膨張行程の途中までの燃焼が行われている期間における筒内圧力(燃焼圧力)Pを算出するために用いられるモデルである。この燃焼波形算出部70では、Weibe関数を用いた関係式である(9a)式と、後述する(10)式とを用いて、燃焼圧力Pの推定値が算出される。
Figure 0004748021
より具体的には、燃焼波形算出部70では、先ず、(9a)式を用いて、現在のクランク角度θに対応する熱発生率dQ/dθを算出することとしている。
ただし、上記(9a)式において、mは形状係数、kは燃焼効率、θbは着火遅れ期間、aは燃焼速度(ここでは固定値6.9)である。これらの各パラメータは、事前に適合された値が使用される。また、Qは発熱量である。
上記(9a)式を用いて熱発生率dQ/dθを算出するには、発熱量Qを算出する必要がある。発熱量Qは、微分方程式である(9a)式を解くことにより算出することができる。そのために、先ず、(9b)式では、(9a)式におけるWeibe関数に相当する部分をg(θ)と置き換えている。そうすると、(9a)式を(9c)式のように表すことが可能となる。次いで、(9c)式の両辺をクランク角度θで積分した後に、当該(9c)式を展開することで、発熱量Qを(9d)式のように表すことができる。次いで、(9d)式に従って算出された発熱量Qを、再度(9a)式に代入することで、熱発生率dQ/dθが算出される。
熱発生率dQ/dθと筒内圧力(燃焼圧力)Pとは、エネルギ保存則に基づく関係式を用いて(10)式のように表すことができる。従って、(9a)式に従って算出された熱発生率dQ/dθを代入して当該(10)式を解くことにより、燃焼圧力Pを算出することができる。
Figure 0004748021
以上説明した筒内圧推定モデル68および燃焼波形算出部70によれば、筒内圧推定モデル68を用いて燃焼が行われていない状況下での筒内圧力Pを算出するととともに、燃焼波形算出部70を用いて燃焼が行われている期間中の筒内圧力Pを算出することにより、燃焼実行の有無に関係なく、内燃機関10の筒内圧力Pの履歴を取得することができる。
尚、内燃機関10の筒内圧力Pの履歴を取得する手法は、上記の手法に限定されるものではなく、例えば、以下の図6を参照して示すような手法であってもよい。
図6は、そのような変形例の手法を説明するための図である。この手法では、上記(9a)式および(10)式を用いて、所定のクランク角度θ毎に燃焼圧力Pを計算することを行うのではなく、事前に、上記(9a)式および(10)式を用いて、図6(A)に示すような燃焼パターン、すなわち、燃焼に付されることで変化する筒内圧力Pの波形の変化分(燃焼による圧力増加分)のみを算出しておく。
より具体的には、そのような燃焼パターンを決定する3つのパラメータである着火遅れ期間、燃焼期間、およびΔPmax(燃焼時の最大圧力Pmaxと燃焼無し時の最大圧力Pmax0との偏差)を、エンジン回転数Ne、空気充填率KL、吸排気弁のバルブタイミングVVT、および点火時期のそれぞれとの関係で定めたマップを記憶しておく。そして、燃焼による圧力増加分に対応する波形を、2次関数などの簡易な関数を組み合わせて近似させた波形として算出するために、当該近似波形の各係数を上記のエンジン回転数Neとの関係でマップ化しておく。そして、図6(B)に示すように、そのようなマップを参照して得られた燃焼による圧力増加分の波形を、筒内圧推定モデル68で算出される筒内圧力Pの値と足し合わせることで、燃焼圧力Pを取得するようにする。
[クランク停止位置の推定値の算出手法について]
内燃機関を備えた車両では、車両が一時的に停止した際に、内燃機関の停止および再始動を自動的に行う制御(エコラン制御)が実行されることがある。また、内燃機関とモータとで車両を駆動するハイブリッド車両においても、車両システムの起動中(車両走行中も含む)に、内燃機関の停止および再始動を自動的に行う制御(本明細書中では、これも広い意味で「エコラン制御」と称している)が実行されることがある。
上記のエコラン制御において、内燃機関の再始動を円滑に行えるようにするためには、内燃機関を自動停止する際のクランク軸16の停止位置(ピストン12の停止位置)を狙いの停止位置に精度良く制御したいという要求がある。上述したエンジンモデル60では、クランク停止位置に影響を与えるフリクション、大気圧力、大気温度、スロットル開度、バルブタイミングVVT等(本発明でいう「所定のパラメータ」)の影響が適切にモデル化されている。そこで、本実施形態のシステムでは、以上説明したエンジンモデル60を、エコラン制御時にクランク軸16の停止位置を推定するための停止位置推定モデルとして用いることとしている。上述したエンジンモデル60によれば、クランク角回転速度dθ/dtがゼロとなる際のクランク角度θの推定値を取得することにより、内燃機関10の自動停止時のクランク軸16の停止位置を取得することができる。尚、本明細書中においては、クランク軸16の停止位置を、単に「クランク停止位置」と称することがある。
より具体的には、以下のような手法によって、クランク停止位置の推定値を算出することができる。尚、エンジンモデル60によって、クランク停止位置の推定値が算出される際、クラッチが係合状態にある場合には、エンジンフリクションモデル64とミッションフリクションモデル65の双方がフリクションモデルとして使用され、一方、クラッチが非係合状態にある場合には、エンジンフリクションモデル64のみがフリクションモデルとして使用される。
アイドル状態時に取得された燃焼圧力Pの平均値、吸気圧力Pmap、クランク角度θ0、およびエンジン回転数(燃焼カット回転数)Ne0(=クランク角回転速度dθ0/dt)を初期値として入力して、クランク軸周りの運動方程式演算部62を用いて、クランク角度θおよびクランク角回転速度dθ/dtのそれぞれの推定値が順次算出されることになる。以下、次の(11)式および(12)式を用いて、その具体的な算出手法を説明する。尚、本明細書中においては、このような手法を用いて、上記図2中に示す矢印方向にエンジンモデル60を解くことを「順モデル演算」と称する。
先ず、上記(4e)式で表されるクランク軸周りの運動方程式において、(∂f(θ)/∂θ)≡h(θ)とし、かつ、当該(4e)式中の入力トルクTRQに上記(5)式を代入したうえで、当該(4e)式を離散化することで、次の(11)式が得られる。
Figure 0004748021
そして、上記(11)式による順モデル演算の計算初期値として、上記の如く、クランク角度θ0、およびクランク角回転速度dθ0/dt等が与えられる。以下、ステップ数kを順次更新していくことにより、対応するクランク角度θおよびクランク角回転速度dθ/dtのそれぞれの推定値が順次算出されることになる。上記(11)式にステップ数k=1を代入すると、次の(12a)式のように表すことができる。
Figure 0004748021
上記(12a)式中のクランク角度θ(k)の一部を対応するクランク角回転速度dθ(k)/dtに書き直すと、上記(12b)式のように表すことができる。そして、その(12b)式を展開すると、ステップ数k=1のときのクランク角回転速度dθ(1)/dtは、上記(12c)式のように、前回、すなわち、初期値として入力されたクランク角度θ0およびクランク角回転速度dθ0/dtを用いて表すことができる。更に、上記(12c)式を積分することにより、ステップ数k=1のときのクランク角度θ(1)を、上記(12d)式のように算出することができる。
そして、上記の処理を、ステップ数kがN回となるまで、すなわち、クランク角回転速度がdθ(N)/dt=0となるまで繰り返すと、クランク角回転速度dθ(N)/dt=0、およびクランク角度θ(N)が算出される。つまり、上記の処理によれば、内燃機関10が停止した際のエンジン回転数Ne=0と、クランク停止位置のそれぞれの推定値を算出することができる。
[フリクション学習について]
内燃機関10を自動的に停止させる際に、クランク停止位置が目標の停止位置からずれる主な要因としては、クランク軸16への入力となるフリクションの影響が考えられる。そこで、本実施形態のエンジンモデル60は、フリクションを適宜学習する構成を備えている。より具体的には、フリクションの学習は、以下のような手法によって行われる。
図7は、フリクション学習の手法を説明するための図である。先ず、エンジン回転数Neの実測値とモデル推定値との偏差(以下、「回転数偏差」と略することがある)が算出される。そして、PIDコントローラ76によって、その回転数偏差に所定のフィードバックゲインを乗じた値として算出されるPID補正量を、エンジンフリクションモデル64等が備えるフリクションマップ(図4参照)のマップ値に反映させるようにしている。
図7は、そのようなフリクションマップの補正の仕方を表している。尚、図7中の丸印および三角印は、所定のエンジン回転数における学習前後の各マップ値にそれぞれ対応している。また、図7において、破線で示す曲線は学習がなされる前の各マップ値を通るものであり、実線で示す曲線は当該学習のなされた後の各マップ値を通るものに、それぞれ対応している。
図7に示すように、上記のPID補正量は、ノイズ的な挙動を除去すべく、各マップ点に対する所定の領域を考慮して、当該領域の中で算出された補正量の平均値や時間的な積分値として算出されたものである。このようなPID補正量が各マップ値(丸印の値)に反映されることで、フリクションの値が新たなマップ値(三角印の値)に学習更新される。
また、エンジンモデル60は、クラッチの係合状態に応じたフリクションとイナーシャの違いを適切に考慮して、高精度なクランク停止位置の適応学習制御を実現すべく、既述したように、エンジンフリクションモデル64とミッションフリクションモデル65とを別個に備えるようにしている。そして、車両の停止時にクラッチが係合状態にあるときは、エンジンフリクションモデル64とミッションフリクションモデル65とを用いてフリクション学習を行うこととし、一方、車両の停止時にクラッチが非係合状態にあるときは、エンジンフリクションモデル64のみを用いてフリクション学習を行うこととしている。
[燃焼カット回転数の算出について]
内燃機関を自動的に停止させる際に、実クランク停止位置が目標クランク停止位置となるように、点火や燃料供給をカットするエンジン回転数(燃焼カット回転数)を制御する手法が知られている。尚、以下の明細書中においては、燃焼カット回転数を適宜「点火カット回転数」とも称している。
図8は、本実施形態のシステムにおいて用いられる燃焼カット回転数の算出手法を説明するためのブロック図である。本実施形態では、エンジンモデル60により算出されるクランク停止位置の推定値と実クランク停止位置との停止位置誤差の大きさに応じて、目標点火カット回転数の算出方法を使い分けるようにしている。
具体的には、当該停止位置誤差が比較的小さい場合には、図8に示すように、エンジンモデル60の逆モデル演算により点火カット回転数を算出するようにしている。逆モデル演算とは、エンジンモデル60を上述した順モデル演算と逆方向に解くという演算手法である。上述したエンジンモデル60によれば、クランク軸16の目標クランク停止位置(クランク角度)および初期エンジン回転数(=0回転)を初期値として入力し、当該エンジンモデル60を逆モデル演算することにより、実クランク停止位置を所望の目標クランク停止位置とするための目標の点火カット回転数(順モデル演算の場合の初期クランク角回転速度dθ0/dtに相当)を算出することができる。また、このような手法によれば、適宜学習が行われるフリクションの影響を反映させた点火カット回転数を取得することができる。
また、上記の停止位置誤差が比較的大きい場合(具体的には、例えば、後述する図9に示すルーチンのステップ102において用いられる閾値よりも停止位置誤差が大きい場合)には、点火カット回転数を得るために以下のような手法が選択される。すなわち、この場合には、図8に示すように、停止位置誤差に基づきPI制御により算出される補正量を、現状の点火カット回転数に反映させることによって、新しい目標点火カット回転数が取得される。
[本実施形態の特徴部分]
上述した本実施形態のシステムによれば、クランク停止位置の実測値とそのモデル推定値との差に応じてフリクション学習が適宜実行されることになるので、ある一定環境条件下においては、クランク停止位置制御の精度を確保することができる。しかしながら、クランク停止位置は、フリクションの変化以外にも、大気圧の変化によって大きな影響を受ける。その理由は、大気圧が変化すると、内燃機関10のポンプロスが変化するためである。従って、そのような大気圧の影響が適切に考慮されていないと、上記のフリクション学習精度が悪化するおそれがある。また、大気圧を検出するための圧力センサを別途備えるようにすれば、システムのコストアップを招いてしまう。
ところで、1トリップ内での車両の走行中に、内燃機関や変速機のフリクションが大きくずれることは、内燃機関に焼きつき等のトラブルが発生している場合以外は想定しにくい。尚、ここでいう「1トリップ」とは、一度車両のIGスイッチがONとされることによって車両システムの起動してから、IGスイッチがOFFとされることによって車両システムが停止するまでの車両走行期間を意味している。すなわち、ECU50の起動が継続される期間のことであり、エコラン制御による内燃機関10の自動停止時および再始動は、1トリップ内での動作となる。
また、経年変化による内燃機関や変速機のフリクションの変化代やオイル交換によるフリクションの変化代は、大気圧変化によるピストンへのガス反力の変化代と比較すると、十分に小さいことが実験等により分かってきた。より詳細に説明すると、これらのフリクションの変化代や大気圧変化によるガス反力の変化代は、何れもクランク停止位置に影響を及ぼすものである。これらの変化代をクランク停止位置のずれ量に置き換えて考えてみる。経年変化によるフリクションの変化代によるクランク停止位置のずれ量をΔ1(°CA)、オイル交換によるフリクションの変化代によるクランク停止位置のずれ量をΔ2(°CA)、そして、大気圧変化によるクランク停止位置のずれ量をΔ3(°CA)とおくと、Δ3の方が(Δ1+Δ2)よりも十分に大きいことが分かってきた。
従って、上記の(Δ1+Δ2)の最大値として想定し得る値にプラスαを見積もった値を閾値とし、当該閾値とクランク停止位置誤差とを比較することとすれば、大気圧変化を検出することが可能となる。本実施形態では、以上のようなクランク停止位置のずれ量の特性に着目して、車両の現在地が高地であるか否かを判定することに特徴を有している。更に、本実施形態では、そのような手法により高地であると判定された場合には、フリクション学習を実行せずに、上記図8のブロック図に示すように、停止位置誤差に基づく目標点火カット回転数のフィードバック補正量をPI制御によって算出し、当該補正量に基づいて点火カット回転数のフィードバック制御を実行するようにした。
図9は、上記の機能を実現するために、本実施の形態1においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。尚、本ルーチンは、エコラン制御による内燃機関10の自動停止が行われた場合に起動されるルーチンであるものとする。
図9に示すルーチンでは、先ず、エンジンモデル60により算出されたクランク停止位置と、クランク角センサ40の出力に基づいて取得された実クランク停止位置との停止位置誤差量が算出され、そして、今回算出された停止位置誤差量と、前回以前に算出された停止位置誤差量とに基づいて、N回分の平均の停止位置誤差量が算出される(ステップ100)。
次に、上記ステップ100において算出された平均の停止位置誤差量が所定の閾値より大きいか否かが判別される(ステップ102)。この閾値は、既述したように、(Δ1+Δ2)の最大値として想定される値にプラスαを見積もった値とされている。
上記ステップ102において、平均の停止位置誤差量が閾値より大きいと判定された場合には、次いで、上記ステップ100における平均の停止位置誤差量の算出に用いられたN回分の停止位置誤差量が、すべて今回の1トリップ内で算出されたものであるか否かが判別される(ステップ104)。
上記ステップ104において、1トリップ内のものであると判定された場合、つまり、今回のIGスイッチをONにした後の車両走行時に大きな停止位置誤差が生じたと認められる場合には、そのような誤差は、大気圧変化に起因するガス反力の変化によるものと判断することができる。そこで、この場合には、車両の現在地が高地であると判断され、高地判定フラグがONとされる(ステップ106)。
高地と判定された場合には、通常時には停止位置誤差に応じて適宜実行されるフリクション学習が禁止される。そして、逆モデル演算により目標点火カット回転数を算出することも禁止され、その代わりに、PI制御により停止位置誤差に基づく点火カット回転数のフィードバック補正量が算出され、当該補正量に基づいて点火カット回転数のフィードバック制御が実行される(ステップ108)。
次に、図10を参照して、高地判定の解除時の処理について説明する。
図10に示すルーチンでは、先ず、高地判定フラグがONになっているか否かが判別される(ステップ200)。その結果、高地判定フラグがONになっていると判定された場合には、上記ステップ108における点火カット回転数のフィードバック補正量が所定の閾値より小さいか否かが判別される(ステップ202)。ここでの閾値は、モデルと実測との停止位置誤差が高地判定フラグONになる前と同等になっているかどうかを判別できる値とされる。
上記ステップ202において、フィードバック補正量が上記の閾値より小さいと判定された場合には、高地判定フラグがOFFとされる(ステップ204)。当該フィードバック補正量は、上記のように、停止位置誤差の大きさに応じた値にPI制御によって算出されるものである。車両が高地からもとの高度に戻ってくるに従って、大気圧の影響による停止位置誤差が小さくなっていく。従って、このフィードバック補正量が所定の閾値より小さくなったか否かを判別することにより、高地判定フラグONを解除してもよいかどうかを判断することが可能となる。
1トリップ内におけるクランク停止位置の大幅なずれは、既述したように、大気圧の変化によるガス反力の変化の影響である可能性が非常に高い。その点に着目し、以上説明した図9に示すルーチンでは、そのようなずれが認められる場合には高地であると判定するようにしている。このため、大気圧を検出するための圧力センサを備えていないシステムにおいて、大気圧の変化を確実に判断することができる。また、クランク停止位置の変化代を1トリップ内で判定することにより、オイル交換によるフリクションの変化の影響を排除することができる。
更に、上記図9に示すルーチンによれば、高地であると判定された場合、すなわち、停止位置のずれ要因が大気圧によるものと判断できる場合には、フリクション学習が禁止される。このため、圧力センサレスのシステムにおいて、大気圧変化という他の要因による停止位置誤差に基づいて、フリクションが誤学習されるのを回避することができる。また、高地判定時にフリクションがずれていると、エンジンモデル60によるクランク停止位置の算出誤差が残ることになるが、上記ルーチンによれば、停止位置誤差に基づく目標点火カット回転数のフィードバック制御による補正が行われることにより、クランク停止位置が目標停止位置からずれるのを抑制することができる。
以上のように、本実施形態のシステムによれば、大気圧を検出するための圧力センサを用いることなく(すなわち、コストアップを招くことなく)、また、フリクション学習精度を悪化させることなく、大気圧の影響を適切に把握することができ、これにより、クランク停止位置制御の精度を良好に確保することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、1トリップ内の停止位置誤差(モデル推定値と実測値との誤差)に基づいて、内燃機関10が自動停止する際のクランク停止位置の変化代を取得するようにしている。しかしながら、本発明におけるクランク停止位置の変化代は、このような手法に限らず、例えば、内燃機関10の1トリップ内での自動停止時の実クランク停止位置の変化代に基づいて算出されるものであってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、1トリップ内でのクランク停止位置の変化代に基づいて、高地判定を行うようにしているが、このような手法に限らず、例えば、以下のような手法を用いるようにしてもよい。すなわち、IGスイッチ58がONとされてからの車両システムの運転履歴値を取得し、当該システム運転履歴値が所定値より小さく、かつ、クランク停止位置の変化代が所定値より大きい場合に、車両の現在地が高地であると判定するようにしてもよい。より具体的には、例えば、IGスイッチ58がONとされた後の車両走行距離をトリップメータ59にて取得するようにする。そして、当該車両走行距離が所定値より小さく、かつ、停止位置誤差が所定値より大きくなった場合に、高地であると判定する。このような手法によっても、停止位置誤差からオイル交換によるフリクションの変化の影響を排除することができる。また、システム運転履歴値としては、車両走行距離以外にも、車両走行時間や内燃機関10のエンジン回転数の積算値などを用いるようにしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第1の発明における「システム状態判別手段」が、上記ステップ100の処理を実行することにより前記第1または第2の発明における「停止位置変化取得手段」が、上記ステップ102〜106の処理を実行することにより前記第1の発明における「高地判定手段」が、それぞれ実現されている。
また、ECU50が、上記ステップ102の判定が成立する場合であってトリップメータ59による車両走行距離が所定値より小さい場合に上記ステップ106の処理を実行するようにすれば前記第2の発明における「高地判定手段」が、IGスイッチ58のON信号を検出することにより前記第2の発明における「システム起動検知手段」が、それぞれ実現される。
また、エンジンフリクションモデル64およびミッションフリクションモデル65が前記第3の発明における「フリクションモデル」に相当している。また、ECU50が、クランク角センサ40の出力を取得することにより前記第1の発明における「クランク情報取得手段」が、上記ステップ100においてエンジンモデル60によりクランク停止位置の推定値を算出することにより前記第3の発明における「クランク位置推定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上記図7に示す手法に従ってフリクション学習を実行することにより前記第4の発明における「フリクション学習手段」が、上記ステップ108の処理を実行することにより前記第4の発明における「フリクション学習禁止手段」が、それぞれ実現されている。
また、ECU50が上記ステップ108の処理を実行することにより前記第5の発明における「燃焼カット回転数補正手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図11および図12を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成および図2(図11)に示すエンジンモデル60の構成を用いて、ECU50に図9に示すルーチンに代えて後述する図12に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。尚、図10に示す高地判定解除時のルーチンは、本実施形態においても同様に実行されるものとする。
[実施の形態2の特徴]
上述した実施の形態1においては、高地と判定された場合には、フリクション学習を禁止するようにしている。このような手法によれば、高地判定時にフリクションに起因する停止位置誤差が残っていた場合には、再び平地に戻るまで当該誤差が残ったままとなる。そこで、本実施形態では、フリクション学習精度を悪化させることなく、高地判定後においてもフリクション学習を実行可能とする手法を示す。より具体的には、本実施形態では、高地と判定された場合には、先ずは、フリクション学習を禁止して大気圧による影響を学習し、次いで、フリクション学習を行うようにした。
図11は、本実施形態におけるエンジンモデル60を利用した大気圧学習手法を説明するためのブロック図である。尚、図11においては、図2に示すエンジンモデル60の構成のうち、大気圧学習手法を説明するために必要な一部を抜き出して簡略的に表している。
エコラン制御による内燃機関10の自動停止時には、図11に示すように、クランク軸周りの運動方程式演算部62によって、フリクションマップ(エンジンフリクションモデル64およびミッションフリクションモデル65)の学習結果を反映させたクランク角度およびエンジン回転数のそれぞれの推定値が算出される。そして、これらの推定値と、実クランク角度および実エンジン回転数とのそれぞれの誤差(モデルと実測との停止位置誤差分)が算出される。
また、内燃機関10の自動停止時には、図11に表されるように、所定のエンジン回転数領域ごとに、クランク角度誤差およびそのクランク角度誤差に基づき算出されるエンジン回転数誤差がフリクション誤差として算出され、マップとして保存される。図11に示す構成によれば、モデルと実測との上記停止位置誤差分からマップとして保存されるフリクション誤差分が差し引かれる。フリクション学習が完了している状況下では、この差し引かれた後の誤差分はゼロとなる。しかし、フリクション学習が禁止されると、モデルと実測との上記停止位置誤差分と、学習が禁止された時点のフリクション誤差分とが乖離することになる。
高地判定後にフリクション学習を禁止した場合には、上記のように乖離した誤差分は、大気圧の変化による停止位置の誤差分と判断することができる。そこで、本実施形態では、図11に示すように、上記の差し引かれた後の誤差分を大気圧の変化によるクランク停止位置の誤差分であるとし、当該誤差分に基づき、PI制御によって、大気圧補正係数を修正するようにした。この大気圧補正係数は、吸気圧力や筒内圧力の推定に用いられる大気圧を補正するための係数である。
図12は、本実施の形態2の特徴的な処理を実現するために、ECU50が実行するルーチンのフローチャートである。尚、図12において、実施の形態1における図9に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図12に示すルーチンでは、N回分の平均の停止位置誤差が算出された後(ステップ100)、所定のエンジン回転数領域ごとに、クランク角度誤差およびそのクランク角度誤差に基づき算出されるエンジン回転数誤差がフリクション誤差として算出され、マップとして保存される(ステップ300)。
また、図12に示すルーチンでは、高地判定フラグがONとされた後は(ステップ106)、フリクション学習が一旦禁止される(ステップ302)。そして、上記図11を参照して説明したように、最新の停止位置誤差分から上記ステップ300において保存されたフリクション誤差分を差し引いた後の停止位置誤差に基づいて、大気圧学習が実行される(ステップ304)。
次に、大気圧学習の実行により大気圧の影響による停止位置誤差が小さくなったか否かが判別される(ステップ306)。その結果、大気圧の影響による停止位置誤差が小さくなったと判定された場合、より具体的には、モデルと実測との停止位置誤差が上記ステップ300において保存されたフリクション誤差と等しくなっていることが認められた場合には、大気圧学習が終了される(ステップ308)。
次に、大気圧学習の完了後に残された誤差分、すなわち、上記ステップ300において保存されたフリクション誤差分の学習が実行される(ステップ310)。すなわち、この段階には、高地と判定された場合であっても、フリクション学習が許可される。ここでのフリクション学習の際には、停止位置誤差の絶対値が大きく変動しないように、PIDコントローラ76のフィードバックゲインが小さめの値とされる。
次に、その後の内燃機関10の自動停止時に、停止位置誤差の絶対値の急変があるか否かが判別される(ステップ312)。その結果、停止位置誤差の絶対値の急変が認められた場合には、そのような変化は大気圧変化に起因するものであると判定される(ステップ314)。この場合には、この大気圧変化の判定直前のフリクション誤差がマップに保存されたうえで(ステップ316)、大気圧学習が再び実行される(ステップ304)。
以上説明した図12に示すルーチンによれば、高地と判定された場合には、フリクション学習を禁止したうえで、高地走行時に発生する停止位置誤差がすべて大気圧の影響によるものとみなされ、大気圧の学習が実行される。このため、フリクションの誤学習を回避することができ、これにより、フリクション学習精度を悪化させることなく、大気圧の影響を精度良く補正することができる。また、高地判定時には、そのような大気圧学習が終了している状況下でのみフリクション学習がなされるので、大気圧学習の完了後に残されたフリクションの影響を正確に学習することができる。
また、上記ルーチンの手法によれば、高地と判定された状況下において、すなわち、クランク停止位置に大きなずれが生じ得る状況下において、クランク停止位置制御の精度を確保するための適切な学習を継続させることができる。
尚、上述した実施の形態2においては、ECU50が上記ステップ304の処理を実行することにより前記第6の発明における「大気圧学習手段」が実現されている。
また、ECU50が、上記図7に示す手法に従ってフリクション学習を実行することにより前記第7の発明における「フリクション学習手段」が、上記ステップ302の処理を実行することにより前記第7の発明における「フリクション学習禁止手段」が、それぞれ実現されている。
また、ECU50が上記ステップ306〜310の処理を実行することにより前記第8の発明における「フリクション学習許可手段」が実現されている。
本発明の実施の形態1の内燃機関の停止位置制御装置が適用された内燃機関の構成を説明するための図である。 図1に示すECUが備えるエンジンモデルの構成を示すブロック図である。 クランク軸周りの各要素に付す記号を示す図である。 図2に示すエンジンフリクションモデルがエンジンフリクショントルクTRQf_ENを取得するために備えているエンジンフリクションマップの一例を示す図である。 図2に示すミッションフリクションモデルがミッションフリクショントルクTRQf_MIを取得するために備えるミッションフリクションマップの一例を示す図である。 筒内圧力Pの履歴取得の変形例の手法を説明するための図である。 フリクション学習の手法を説明するための図である。 本発明の実施の形態1のシステムにおいて用いられる燃焼カット回転数の算出手法を説明するためのブロック図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2におけるエンジンモデルを利用した大気圧学習手法を説明するためのブロック図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 ピストン
14 コンロッド
16 クランク軸
24 スロットルバルブ
26 スロットルポジションセンサ
40 クランク角センサ
42 カム角センサ
50 ECU(Electronic Control Unit)
52 空燃比センサ
54 水温センサ
56 クラッチスイッチ
58 IGスイッチ
59 トリップメータ
60 エンジンモデル
62 クランク軸周りの運動方程式演算部
64 エンジンフリクションモデル
65 ミッションフリクションモデル
66 吸気圧力推定モデル
68 筒内圧推定モデル
70 燃焼波形算出部
72 大気圧補正項算出部
74 大気温補正項算出部
76 PIDコントローラ
dQ/dθ 熱発生率
dθ/dt クランク角回転速度

Claims (8)

  1. 車両システムの起動および停止を判別するシステム状態判別手段と、
    車両システムの起動中に、内燃機関が停止する際のクランク停止位置の変化代を取得する停止位置変化取得手段と、
    前記車両システムが起動してから停止するまでの期間におけるクランク停止位置の変化代であって、車両の現在地が低地である時のクランク停止位置を基準値とするクランク停止位置の変化代が所定値より大きい場合に、車両の現在地が高地であると判定する高地判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の停止位置制御装置。
  2. 車両システムの起動を検知するシステム起動検知手段と、
    車両システムの起動中に、内燃機関が停止する際のクランク停止位置の変化代を取得する停止位置変化取得手段と、
    車両システムの起動後のシステム運転履歴値を取得する運転履歴取得手段と、
    前記システム運転履歴値が所定値より小さく、かつ、車両の現在地が低地である時のクランク停止位置を基準値とするクランク停止位置の変化代が所定値より大きい場合に、車両の現在地が高地であると判定する高地判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の停止位置制御装置。
  3. 内燃機関のクランク軸への入力となるフリクションを算出するフリクションモデルと、
    クランク角度の実測値を取得するクランク情報取得手段と、
    前記フリクションを含む所定のパラメータに基づいて、クランク停止位置の推定値を取得するクランク位置推定手段とを更に備え、
    前記停止位置変化取得手段は、前記実測値と前記推定値との停止位置誤差に基づいて、クランク停止位置の変化代を取得することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の停止位置制御装置。
  4. 内燃機関のクランク角度情報に基づいて、前記フリクションモデルを学習するフリクション学習手段を更に備える内燃機関の停止位置制御装置であって、
    前記高地判定手段により高地であると判定された場合には、前記フリクションモデルの学習を禁止するフリクション学習禁止手段を更に備えることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の停止位置制御装置。
  5. 前記内燃機関の停止位置制御装置は、内燃機関の燃焼を停止する燃焼カット回転数を制御することによりクランク停止位置を制御するものであって、
    前記高地判定手段により高地であると判定された場合には、前記停止位置誤差がなくなるように前記燃焼カット回転数を補正する燃焼カット回転数補正手段を更に備えることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の停止位置制御装置。
  6. 前記クランク位置推定手段は、大気圧を前記所定のパラメータとして備えるものであって、
    前記高地判定手段により高地であると判定された場合には、前記停止位置誤差がなくなるように大気圧を学習する大気圧学習手段を更に備えることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の停止位置制御装置。
  7. 内燃機関のクランク角度情報に基づいて、前記フリクションモデルを学習するフリクション学習手段を更に備える内燃機関の停止位置制御装置であって、
    前記高地判定手段により高地であると判定された場合には、前記フリクションモデルの学習を禁止するフリクション学習禁止手段を更に備え、
    前記大気圧学習手段は、前記高地判定手段により高地であると判定されたことに起因して前記フリクションモデルの学習が禁止された状況下において、前記の大気圧学習を実施することを特徴とする請求項6記載の内燃機関の停止位置制御装置。
  8. 前記大気圧学習が完了している状況下でのみ、前記フリクションモデルの学習を許可するフリクション学習許可手段を更に備えることを特徴とする請求項7記載の内燃機関の停止位置制御装置。
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