JP4760423B2 - 内燃機関のオイル劣化判定装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の潤滑に用いられるオイルの劣化を判定する内燃機関のオイル劣化判定装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、内燃機関のフリクションを推定するフリクション推定装置が開示されている。具体的には、この装置では、内燃機関の運転停止時に、エンジン回転数の低下速度を演算し、算出されたエンジン回転数低下速度と判定値とを比較することで、フリクションが増加したかどうかを判定するようにしている。
特開2001−98997号公報 特開2002−266617号公報
上述した従来の技術では、エンジン回転数の低下速度に基づいて直接フリクションを推定するようにしている。しかしながら、フリクションは運転条件の違いに左右されるものであり、上記従来の手法では、フリクションと運転条件との関係が考慮されていないため、フリクションを正確に推定できる領域が限定されてしまう。このため、上記従来の手法によれば、フリクションに基づいて内燃機関のオイル劣化を判定しようとする場合に、十分な判定精度を確保できないおそれがある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の運転条件の制限を受けずに、オイル劣化を正確に判定し得る内燃機関のオイル劣化判定装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関のフリクションを算出するフリクションモデルと、
前記フリクションと前記内燃機関の運転条件および環境条件を示すパラメータとを含む所定のパラメータに基づいて、クランク角度およびクランク角回転速度の少なくとも一方の推定値を取得するクランク情報推定手段と、
クランク角度およびクランク角回転速度の少なくとも一方の実測値を取得するクランク情報計測手段と、
前記推定値と前記実測値との偏差に基づいて、前記フリクションモデルを学習するフリクション学習手段と、
内燃機関の燃費の悪化度合いと前記フリクションとの関係に基づいて、オイル劣化を判定するオイル劣化判定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記オイル劣化判定手段は、当該燃費の悪化度合いが所定の閾値を超えた場合に、オイルが劣化したと判定することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記偏差に基づく補正量を算出し、当該補正量に基づいて前記偏差が無くなるように前記推定値を補正するフィードバック手段を更に備え、
前記フリクション学習手段は、内燃機関の停止処理時に前記フリクションモデルの学習を実行する場合には、エンジン回転数領域を特定して前記フィードバックを実行することを特徴とする。
また、第4の発明は、第1または第2の発明において、前記偏差に基づく補正量を算出し、当該補正量に基づいて前記偏差が無くなるように前記推定値を補正するフィードバック手段と、
前記補正量を、燃焼圧力に起因する変動分とフリクションに起因する変動分とに切り分ける分離手段とを更に備え、
前記フィードバック学習手段は、内燃機関の定常運転時に前記フリクションモデルの学習を実行する場合には、前記フリクションに起因する変動分に基づいて、前記フリクションモデルを学習することを特徴とする。
第1の発明によれば、フリクションと内燃機関の運転条件および環境条件を示すパラメータとを含む所定のパラメータに基づいて、クランク角度およびクランク角回転速度の少なくとも一方の推定値が取得されるとともに、当該推定値とその実測値との偏差に基づいて学習されたフリクションに基づいて、燃費の悪化度合いが取得される。フリクションの増大による燃費の悪化が認められる場合には、オイルに劣化が生じていると判断することができる。このため、内燃機関の様々な影響を踏まえたフリクションに基づいて、運転条件の制限を受けることなく、オイル劣化を正確に判定することができる。
第2の発明によれば、学習がなされるフリクションとの関係で定められた燃費の悪化度合いが閾値を超えた場合に、オイルが劣化したと判定される。このため、オイル劣化を正確に判定することができる。
第3の発明によれば、内燃機関の停止処理によるエンジン回転数の低下時に、上記推定値と上記実測値との偏差が積み重なっていくのを回避することができる。このため、フリクションの適応精度を良好に確保することができる。
第4の発明によれば、内燃機関の燃焼実行中であっても、燃焼圧力に起因する変動分を除去して、フリクションに起因する変動分に基づいて、フリクションモデルの学習を正確に行うことができる。このため、運転条件の制限を受けることなく、オイル劣化を正確に判定することができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の内燃機関の停止位置制御装置が適用された内燃機関10の構成を説明するための図である。本実施形態のシステムは、内燃機関10を備えている。ここでは、内燃機関10は、直列4気筒型エンジンであるものとする。内燃機関10の筒内には、ピストン12が設けられている。ピストン12は、コンロッド14を介してクランク軸16と連結されている。また、内燃機関10の筒内には、ピストン12の頂部側に燃焼室18が形成されている。燃焼室18には、吸気通路20および排気通路22が連通している。
吸気通路20には、スロットルバルブ24が設けられている。スロットルバルブ24は、アクセル開度と独立してスロットル開度を制御することのできる電子制御式スロットルバルブである。スロットルバルブ24の近傍には、スロットル開度TAを検出するスロットルポジションセンサ26が配置されている。スロットルバルブ24の下流には、内燃機関10の吸気ポートに燃料を噴射するための燃料噴射弁28が配置されている。また、内燃機関が備えるシリンダヘッドには、気筒毎に、燃焼室18の頂部から燃焼室18内に突出するように点火プラグ30がそれぞれ取り付けられている。吸気ポートおよび排気ポートには、それぞれ、燃焼室18と吸気通路20、或いは燃焼室18と排気通路22を導通状態または遮断状態とするための吸気弁32および排気弁34が設けられている。
吸気弁32および排気弁34は、それぞれ吸気可変動弁(VVT)機構36および排気可変動弁(VVT)機構38により駆動される。可変動弁機構36、38は、それぞれ、クランク軸の回転と同期して吸気弁32および排気弁34を開閉させると共に、それらの開弁特性(開弁時期、作用角、リフト量など)を変更することができる。
内燃機関10は、クランク軸の近傍にクランク角センサ40を備えている。クランク角センサ40は、クランク軸が所定回転角だけ回転する毎に、Hi出力とLo出力を反転させるセンサである。クランク角センサ40の出力によれば、クランク軸の回転位置やその回転速度(エンジン回転数Ne)を検知することができる。また、内燃機関10は、吸気カム軸の近傍にカム角センサ42を備えている。カム角センサ42は、クランク角センサ40と同様の構成を有するセンサである。カム角センサ42の出力によれば、吸気カム軸の回転位置(進角量)などを検知することができる。
図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50には、上述した各種センサに加え、排気通路22内の排気空燃比を検出するための空燃比センサ52や内燃機関10の冷却水温度を検出するための水温センサ54が接続されている。また、ECU50には、上述した各種アクチュエータが接続されている。ECU50は、それらのセンサ出力、およびECU50内に仮想的に構成されたエンジンモデル60を用いた演算結果に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御することができる。
[エンジンモデルの概要]
図2は、図1に示すECU50が備えるエンジンモデル60の構成を示すブロック図である。図2に示すように、エンジンモデル60は、クランク軸周りの運動方程式演算部62と、フリクションモデル64と、吸気圧力推定モデル66と、筒内圧推定モデル68と、燃焼波形算出部70と、大気圧補正項算出部72と、大気温補正項算出部74とを含んでいる。以下、これらの各部の詳細な構成について説明を行う。
(1)クランク軸周りの運動方程式演算部について
クランク軸周りの運動方程式演算部62は、クランク角度θおよびエンジン回転数Ne(クランク角回転速度dθ/dt)のそれぞれの推定値を求めるためのものである。クランク軸周りの運動方程式演算部62は、筒内圧推定モデル68または燃焼波形算出部70から内燃機関10の筒内圧力Pの入力を受け、演算開始時には、更に、初期クランク角度θ0および初期エンジン回転数Ne0の入力を受ける。
クランク軸周りの運動方程式演算部62によって算出される推定クランク角度θおよび推定エンジン回転数Neは、図2に示すPIDコントローラ76によって、実クランク角度θおよび実エンジン回転数Neとの偏差が無くなるようにフィードバック制御される。また、クランク軸周りの運動方程式演算部62の演算結果には、フリクションモデル64によって、内燃機関10の内部のフリクションに関する影響が反映される。
次に、クランク軸周りの運動方程式演算部62の内部で実行される具体的な演算内容について説明する。
図3は、クランク軸周りの各要素に付す記号を示す図である。図3に示すように、ここでは、筒内圧力Pを受けるピストン12の頂部の表面積をAとする。コンロッド14の長さをL、クランクの回転半径をrとする。そして、コンロッド14のピストン取り付け点とクランク軸16の軸中心とを結ぶ仮想線(シリンダの軸線)と、コンロッド14の軸線とがなす角度をφ(以下、「コンロッド角度φ」と称する)とし、シリンダの軸線とクランクピン17の軸線とがなす角度をθとする。
4つの気筒を有する内燃機関10では、気筒間のクランク角度の位相差は180°CAであるため、それらの気筒間のクランク角度の関係は、次の(1a)式のように定義することができる。また、各気筒のクランク角回転速度dθ/dtは、それぞれ各気筒のクランク角度θの時間微分となるため、それぞれ次の(1b)式のように表すことができる。
Figure 0004760423
ただし、上記(1a)式および(1b)式において、クランク角度θおよびクランク角回転速度dθ/dtに付された符号1〜4は、内燃機関10の所定の爆発順序に従って燃焼が到来する気筒の順番に対応しており、また、後述する数式においては、それらの符号1〜4を「i」で代表させることがある。
また、図3に示すピストン・クランク機構においては、クランク角度θiとコンロッド角度φiとは、次の(2)式で表される関係を有することになる。
Figure 0004760423
ただし、上記(2)式において、dXi/dtはピストン速度である。
また、クランク軸周りの全運動エネルギTは、次の(3)式のように表すことができる。(3)式を展開すると、(3)式中の各項の諸々のパラメータを1/2(dθ/dt)2の係数としてまとめることができる。ここでは、そのようにまとめられた係数を、クランク角度θの関数f(θ)として表現している。
Figure 0004760423
ただし、上記(3)式において、右辺第1項はクランク軸16の回転運動に関する運動エネルギに、右辺第2項はピストン12およびコンロッド14の直進運動に関する運動エネルギに、右辺第3項はコンロッド14の回転運動に関する運動エネルギに、それぞれ対応している。また、上記(3)式において、Ikはクランク軸16の軸周りの慣性モーメントであり、Iflはフライホイールの回転軸周りの慣性モーメントであり、Imiは内燃機関10と組み合わされる変速機以下の回転部(すなわち、変速機、駆動軸、タイヤ等)の回転軸周りの慣性モーメントであり、Icはコンロッドに関する慣性モーメントである。また、mpはピストン12の変位であり、mcはコンロッド14の変位である。
次に、ラグラジアンLを、系の全運動エネルギTと位置エネルギUとの偏差として、次の(4a)式のように定義する。そして、クランク軸16に作用する入力トルクをTRQとすると、ラグランジュの運動方程式を用いて、ラグラジアンLとクランク角度θと入力トルクTRQとの関係を、次の(4b)式のように表すことができる。
Figure 0004760423
ここで、上記(4a)式において、位置エネルギUの影響は運動エネルギTの影響に比して小さく、その影響を無視することができる。従って、上記(4b)式の左辺第1項は、上記(3)式をクランク角回転速度(dθ/dt)で偏微分して得られた値を時間微分することで、クランク角度θの関数として、次の(4c)式のように表すことができる。また、上記(4b)式の左辺第2項は、上記(3)式をクランク角度θで偏微分することで、クランク角度θの関数として、次の(4d)式のように表すことができる。
従って、上記(4b)式は、次の(4e)式のようにして表すことができ、これにより、クランク角度θと入力トルクTRQとの関係を得ることができる。また、ここでは、その入力トルクTRQを、次の(5)式のように、3つのパラメータからなるものと定義する。
Figure 0004760423
ただし、上記(5)式において、TRQeは、エンジン発生トルクであり、より具体的には、ガス圧力(筒内圧力P)を受けるピストン12からクランク軸16に作用するトルクである。TRQLは、負荷トルクであり、内燃機関10が搭載される車両の特性に応じて異なる既知の値として、ECU50に記憶されている。TRQfは、フリクショントルク、すなわち、ピストン12、クランク軸16等の摺動部分の摩擦損失に対応するトルクである。このフリクショントルクTRQfは、フリクションモデル64から得られる値である。
次に、エンジン発生トルクTRQeは、次の(6a)式〜(6c)式に従って算出することができる。すなわち、先ず、筒内圧力Pに基づいてコンロッド14に作用する力Fcは、ピストン12の頂部に作用する力PAのコンロッド14の軸線方向成分として、(6a)式のように表すことができる。そして、図3に示すようにコンロッド14の軸線とクランクピン17の軌跡の接線とがなす角度αが{π/2−(φ+θ)}であるため、筒内圧力Pに基づいてクランクピン17の軌跡の接線方向に作用する力Fkは、コンロッド14に作用する力Fcを用いて、(6b)式のように表すことができる。従って、エンジン発生トルクTRQeは、クランクピン17の軌跡の接線方向に作用する力Fkとクランクの回転半径rとの積であるため、(6a)式および(6b)式を用いて、(6c)式のように表すことができる。
Figure 0004760423
以上説明したクランク軸周りの運動方程式演算部62の構成によれば、筒内圧推定モデル68または燃焼波形算出部70によって筒内圧力Pを取得することにより、(6c)式および(5)式に従って入力トルクTRQを得ることができる。そして、(4e)式を解くことにより、クランク角度θやクランク角回転速度dθ/dtを得ることが可能となる。
(2)フリクションモデルについて
図4は、図2に示すフリクションモデル64がフリクショントルクTRQfを取得するために備えているフリクションマップの一例を示している。図4に示すフリクションマップでは、フリクショントルクTRQfを、エンジン回転数Neとエンジン冷却水温度との関係で定めている。このようなフリクションマップの特性は、予め実験等により定められたものであり、フリクショントルクTRQfは、エンジン冷却水温度が低くなると大きくなる傾向を有している。
尚、ここでは、ECU50の計算負荷の低減のため、フリクションモデル64として、上記のようなフリクションマップを備えるようにしているが、フリクションモデルの構成は、これに限定されるものではなく、以下の(7)式のような関係式を用いるものであってもよい。この(7)式では、フリクショントルクTRQfが、エンジン回転数Neと内燃機関10の潤滑油の動粘度νとをパラメータとする関数となるように構成されている。
Figure 0004760423
ただし、上記(7)式において、C1、C2、C3は、それぞれ実験等により適合される係数である。
(3)吸気圧力推定モデルについて
吸気圧力推定モデル66は、吸気圧力を推定するための吸気圧マップ(図示省略)を備えている。この吸気圧マップは、吸気圧力を、スロットル開度TA、エンジン回転数Ne、および吸排気弁のバルブタイミングVVTとの関係で定めたものである。このような吸気圧力推定モデルの構成によれば、ECU50の計算負荷を低く抑えつつ、吸気圧力を取得することができる。尚、詳細に吸気圧力を計算する場合には、上記のような吸気圧マップを用いずに、スロットルバルブ24を通過する空気流量を推定するスロットルモデルと、吸気弁32の周囲を通過する空気流量(すなわち、筒内吸入空気流量)を推定するバルブモデルとを用いて、吸気圧力推定モデルを構成するようにしてもよい。
(4)筒内圧推定モデル
筒内圧推定モデル68は、燃焼が行われない状況下で、筒内圧力Pを算出するために用いられるモデルである。この筒内圧推定モデル68では、内燃機関10の各行程における筒内圧力Pを、次の(8a)式〜(8d)式を用いて算出するようにしている。すなわち、先ず、吸気行程の経過中の筒内圧力Pは、(8a)式で示すように、上述した吸気圧力推定モデル66が有する吸気圧マップから得られる筒内圧力のマップ値Pmapから得るようにしている。
Figure 0004760423
次に、圧縮行程の経過中の筒内圧力Pは、気体の可逆断熱変化の式に基づいて、(8b)式のように表すことができる。
ただし、上記(8b)式において、VBDCはピストン12が吸気下死点にあるときの行程容積Vであり、κは比熱比である。
また、膨張行程の経過中の筒内圧力Pについても、圧縮行程の場合と同様にして、(8c)式のように表すことができる。
ただし、上記(8c)式において、VTDCはピストン12が圧縮上死点にあるときの行程容積Vであり、Pcは圧縮行程の終了時における筒内圧力である。
また、排気行程の経過中の筒内圧力Pは、(8d)式で示すように、排気通路22内の圧力Pexであるものとしている。この圧力Pexは、ほぼ大気圧力Pairに等しいとみなすことができるものである。従って、ここでは、大気圧力Pairを、排気行程の経過中の筒内圧力Pに使用している。
(5)燃焼波形算出部について
燃焼波形算出部70は、圧縮行程の途中から膨張行程の途中までの燃焼が行われている期間における筒内圧力(燃焼圧力)Pを算出するために用いられるモデルである。この燃焼波形算出部70では、Weibe関数を用いた関係式である(9a)式と、後述する(10)式とを用いて、燃焼圧力Pの推定値が算出される。
Figure 0004760423
より具体的には、燃焼波形算出部70では、先ず、(9a)式を用いて、現在のクランク角度θに対応する熱発生率dQ/dθを算出することとしている。
ただし、上記(9a)式において、mは形状係数、kは燃焼効率、θbは着火遅れ期間、aは燃焼速度(ここでは固定値6.9)である。これらの各パラメータは、事前に適合された値が使用される。また、Qは発熱量である。
上記(9a)式を用いて熱発生率dQ/dθを算出するには、発熱量Qを算出する必要がある。発熱量Qは、微分方程式である(9a)式を解くことにより算出することができる。そのために、先ず、(9b)式では、(9a)式におけるWeibe関数に相当する部分をg(θ)と置き換えている。そうすると、(9a)式を(9c)式のように表すことが可能となる。次いで、(9c)式の両辺をクランク角度θで積分した後に、当該(9c)式を展開することで、発熱量Qを(9d)式のように表すことができる。次いで、(9d)式に従って算出された発熱量Qを、再度(9a)式に代入することで、熱発生率dQ/dθが算出される。
熱発生率dQ/dθと筒内圧力(燃焼圧力)Pとは、エネルギ保存則に基づく関係式を用いて(10)式のように表すことができる。従って、(9a)式に従って算出された熱発生率dQ/dθを代入して当該(10)式を解くことにより、燃焼圧力Pを算出することができる。
Figure 0004760423
以上説明した筒内圧推定モデル68および燃焼波形算出部70によれば、筒内圧推定モデル68を用いて燃焼が行われていない状況下での筒内圧力Pを算出するととともに、燃焼波形算出部70を用いて燃焼が行われている期間中の筒内圧力Pを算出することにより、燃焼実行の有無に関係なく、内燃機関10の筒内圧力Pの履歴を取得することができる。
尚、内燃機関10の筒内圧力Pの履歴を取得する手法は、上記の手法に限定されるものではなく、例えば、以下の図5を参照して示すような手法であってもよい。
図5は、そのような変形例の手法を説明するための図である。この手法では、上記(9a)式および(10)式を用いて、所定のクランク角度θ毎に燃焼圧力Pを計算することを行うのではなく、事前に、上記(9a)式および(10)式を用いて、図5(A)に示すような燃焼パターン、すなわち、燃焼に付されることで変化する筒内圧力Pの波形の変化分(燃焼による圧力増加分)のみを算出しておく。
より具体的には、そのような燃焼パターンを決定する3つのパラメータである着火遅れ期間、燃焼期間、およびΔPmax(燃焼時の最大圧力Pmaxと燃焼無し時の最大圧力Pmax0との偏差)を、エンジン回転数Ne、空気充填率KL、吸排気弁のバルブタイミングVVT、および点火時期のそれぞれとの関係で定めたマップを記憶しておく。そして、燃焼による圧力増加分に対応する波形を、2次関数などの簡易な関数を組み合わせて近似させた波形として算出するために、当該近似波形の各係数を上記のエンジン回転数Neとの関係でマップ化しておく。そして、図5(B)に示すように、そのようなマップを参照して得られた燃焼による圧力増加分の波形を、筒内圧推定モデル68で算出される筒内圧力Pの値と足し合わせることで、燃焼圧力Pを取得するようにする。
(6)大気圧補正項算出部について
大気圧補正項算出部72は、筒内に吸入される筒内充填空気量Mcを推定するモデル(ここでは「エアモデル」と称する)を含んでいる。このエアモデルでは、筒内充填空気量Mcを次の(11)式に従って算出することとしている。
Figure 0004760423
ただし、上記(11)式において、a、bは、それぞれ運転条件(エンジン回転数NeやバルブタイミングVVTなど)に応じて適合される係数である。尚、Pmは、吸気圧力であり、例えば、上述した吸気圧力推定モデル66によって算出される値を使用することができる。
また、大気圧補正項算出部72は、筒内に吸入される燃料量fcを推定するモデル(ここでは「燃料モデル」と称する)を含んでいる。燃料噴射弁28から噴射された後の燃料の挙動を考慮すると、すなわち、噴射された燃料の一部の吸気ポートの内壁等への付着やその付着燃料の気化という現象を考慮すると、第kサイクルにおける燃料噴射の開始時における壁面付着燃料量がfw(k)であり、第kサイクルにおける実燃料噴射量がfi(k)である場合、第kサイクルの終了後に発生している壁面付着燃料量fw(k+1)、および第kサイクルにおいて筒内に吸入される燃料量fcは、次の(12a)式および(12b)式のように表すことができる。
Figure 0004760423
ただし、上記(12)式において、Pは、付着率、より具体的には、噴射燃料量fiのうちの吸気ポートの内壁等に付着する燃料量の割合である。Rは、残留率、より具体的には、吸気行程の実行後に付着燃料量fwが壁面等に付着したままの状態で残る割合である。
上記(12)式によれば、付着率Pおよび残留率Rをパラメータとして、個々のサイクル毎に上記燃料量fcを算出することができる。
従って、上記のエアモデルおよび燃料モデルの算出結果を用いて、空燃比A/Fの推定値を算出することができる。大気圧補正項算出部72では、次いで、この推定空燃比A/Fと、噴射された燃料が燃焼に付された後に空燃比センサ52に到達するまでの輸送遅れを考慮したタイミングで検出する空燃比A/Fの実測値との定常偏差を算出する。そして、この定常偏差が筒内充填空気量Mcの誤差であるため、当該定常偏差が大きい場合には、大気圧がずれているものとして、大気圧補正係数kairpを算出する。具体的には、上記エアモデルより吸気圧力Pmを逆算し、その吸気圧力Pmに基づいて標準大気圧Pa0に対する補正率として大気圧補正係数kairpを算出する。この大気圧補正係数kairpは、上述した吸気圧力推定モデル66および筒内圧推定モデル68において、吸気圧力Pmapと排気圧力(大気圧Pair)の補正に用いられる。
(7)大気温補正項算出部について
大気温補正項算出部74では、排気行程中の行程容積V、残留ガス質量(排気上死点でのすきま容積Vcに基づいて算出)m、残留ガス(既燃ガス)のガス定数R、および大気温度Tairの実測値を理想気体の状態方程式に代入することで、筒内圧力Pthを算出する。当該筒内圧力Pthと、筒内圧推定モデル68で算出される筒内圧力Pとの偏差を算出する。そして、その偏差が大きい場合には、上記偏差に基づいて補正係数を算出する。この補正係数は、上述した吸気圧力推定モデル66において、吸気圧力Pmapの補正に用いられる。
[エンジンモデルを用いたオイル劣化判定]
本実施形態のシステムは、上述したエンジンモデル60を利用して、オイル劣化を検出するための特殊なセンサを用いることなく、エンジンオイルの劣化を判定するものである。具体的には、フリクションモデル64によって得られるフリクション(フリクショントルクTRQf)の推定値に基づいて、オイル劣化が判定される。
フリクションは、運転条件(冷却水温度、エンジン回転数Ne等)の違いによってばらつきが大きい。従って、フリクションを正確に推定するためには、運転条件の影響が考慮されている必要がある。そこで、本実施形態では、エンジンモデル60を用いてオイル劣化を正確に判定すべく、ECU50に以下の図6に示すルーチンを実行させることとした。
[実施の形態1における具体的処理]
図6は、上記の目的を実現するために、本実施の形態1においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図6に示すルーチンは、運転者の操作によって、或いは、内燃機関10が自動的に、内燃機関10を停止させるエンジン停止処理を開始させたのを受けて実行されるルーチンである。
本ルーチンでは、先ず、エンジン回転数Ne(クランク角回転速度dθ/dt)およびクランク位置(クランク角度θ)のそれぞれの推定値が算出される(ステップ100)。具体的には、本ステップ100では、上述したエンジンモデル60に、初期値として、エンジン停止処理の開始時のエンジン回転数Ne0(クランク角回転速度dθ0/dt)およびクランク角度θ0を入力して、上記のエンジン回転数Neおよびクランク角度θのそれぞれの推定値が順次算出されることになる。
次に、上記ステップ100において算出されたエンジン回転数Neおよびクランク角度θの推定値と、エンジン回転数Neおよびクランク角度θの実測値との偏差がそれぞれ算出される(ステップ102)。
次に、上記ステップ102において算出された上記偏差に基づいて、フリクションモデル64の学習が実行される(ステップ104)。図7は、本ステップ104におけるフリクション学習の手法を説明するための図である。本ステップ104では、上記ステップ102において算出されたエンジン回転数Neの偏差(以下、「回転数偏差」と略することがある)に所定のフィードバックゲインを乗じた値として、PIDコントローラ76によって算出されるPID補正量を、フリクションモデル64が備えるフリクションマップ(図4参照)のマップ値に反映させるようにしている。
図7(A)は、そのようなフリクションマップの補正の仕方を表している。尚、図7(A)において、破線で示す波形は本ステップ104の学習がなされる前のマップ値に、実線で示す波形は当該学習のなされた後のマップ値に、それぞれ対応しており、また、図7(A)中の波形上の丸印および三角印は、それぞれ、学習前後の各マップ値に対応している。
図7(A)に示すように、上記のPID補正量は、ノイズ的な挙動を除去すべく、各マップ点に対する所定の領域を考慮して、当該領域の中で算出された補正量の平均値や時間的な積分値として算出されたものである。このようなPID補正量が各マップ値(丸印の値)に反映されることで、フリクションの値が新たなマップ値(三角印の値)に学習更新される。
また、本ステップ104では、エンジンモデル60によるエンジン回転数Neの推定誤差を小さくするために、次のような補正を行うようにしている。図7(B)は、エンジン停止処理が開始された後に、エンジン回転数Neが低下する様子を表している。尚、図7(B)において、実線で表す波形はエンジン回転数Neの実測値を、破線で表す波形は本ステップ104のフリクションがうまく適応されていない状態のエンジン回転数Neの推定値を、それぞれ表している。
図7(B)に示すように、フリクションがうまく適応されていない状態では、エンジン停止処理の開始初期で生じた回転数偏差が、エンジン回転数Neの低下とともに積み重なっていく。これは以下の理由による。フリクショントルクTRQfのばらつきは、クランク角加速度(すなわち、エンジン回転数低下速度)d2θ/dt2に影響を与える。フリクショントルクTRQfのばらつきによって、クランク角加速度d2θ/dt2に誤差が生ずると、エンジン回転数Neには、クランク角加速度(d2θ/dt2)の時間的な積分値という形でその影響が反映される。その結果、エンジン停止処理の開始初期には、一定の回転数偏差しかない状態であっても、時間の経過とともに、回転数偏差が大きくなっていく。
本ステップ104では、そのような回転数偏差の蓄積を排除するため、所定のエンジン回転数領域を特定して、PIDコントローラ76により算出されるPID補正量をクランク軸周りの運動方程式演算部62にフィードバックさせることとし、これにより、回転数偏差がなくなるように、エンジンモデル60により算出されるエンジン回転数Neの推定値を補正している。図7(C)は、そのようなフィードバック制御を行うタイミングを説明するための図である。尚、図7(C)において、実線で表す波形はエンジン回転数Neの実測値を、破線で表す波形はエンジン回転数Neの推定値を、それぞれ表している。図7(C)に示すように、PID補正量の算出は、エンジン回転数Neの低下時に、その低下度合いの大きくなるタイミングを特定して行われる。
より具体的には、エンジン回転数Neの低下度合いは、ピストン12が膨張行程における上死点後90°CA前後に位置するタイミングで最も大きくなる。そこで、本ステップ104では、各気筒において、そのようなタイミングが到来する毎にPID補正量を算出し、その都度、当該PID補正量をクランク軸周りの運動方程式演算部62にフィードバックさせるようにしている。このような処理によれば、エンジン回転数Neの低下とともに回転数偏差が積み重なっていくのを回避することができる。
図6に示すルーチンでは、次いで、上記ステップ104の処理によって学習更新されたフリクションモデル64により推定されたフリクショントルクTRQfに基づいて、内燃機関10の燃費の悪化代が算出される(ステップ106)。ECU50は、図8に示すように、燃費の悪化代(燃費の悪化度合い)を、フリクショントルクTRQfおよびエンジン回転数Neとの関係を事前に定めたマップを記憶している。本ステップ106では、このマップを参照して、燃費の悪化代が算出される。
次に、上記ステップ106において算出された燃費の悪化代が所定の閾値より大きいか否かが判別される(ステップ108)。その結果、燃費の悪化代が閾値より大きいと判定された場合には、オイルが劣化したと判定され、内燃機関10の次回始動時に、運転者にオイル劣化を知らせるために、オイル交換ランプを点灯させる(ステップ110)。
以上説明した図8に示すルーチンによれば、オイル劣化を検出するための特殊なセンサを用いることなく、オイル劣化の判定を行うことが可能となる。
また、上述したエンジンモデル60によれば、大気圧力、大気温度、スロットル開度、バルブタイミングVVT等(本発明でいう「所定のパラメータ」)の内燃機関10の運転条件や環境条件の影響が適切にモデル化されている。そして、エンジンモデル60によれば、エンジン回転数Neおよび冷却水温度という運転条件を考慮して構築されているフリクションモデル64の学習が、エンジン回転数Neおよびクランク角度θのそれぞれの実測値と推定値との偏差に基づいて(すなわち、上記PID補正量に基づいて)、上記の運転条件および環境条件が考慮されたエンジンモデル60上で行われる。このため、エンジンモデル60によれば、フリクションの適応精度を向上させることができ、運転条件の制限を受けることなく、正確なオイル判定を行うことが可能となる。
更に、エンジンモデル60によれば、フリクションモデル64の学習が逐次行われるため、事前の適合が不要とすることができる。
尚、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ100の処理を実行することにより前記第1の発明における「クランク情報推定手段」が、クランク角センサ40の出力に基づいてクランク角度θやクランク角回転速度dθ/dtを取得することにより前記第1の発明における「クランク情報計測手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第1の発明における「フリクション学習手段」が、上記ステップ106〜110の処理を実行することにより前記第1の発明における「オイル劣化判定手段」が、それぞれ実現されている。
また、ECU50がPID補正量をクランク軸周りの運動方程式演算部62に反映させるようにPIDコントローラ76に指令を与えることにより前記第3の発明における「フィードバック手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図9および図10を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成および図2に示すエンジンモデル60の構成を用いて、ECU50に図6に示すルーチンに代えて後述する図9に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。
上述した実施の形態1では、エンジン停止処理が開始されるタイミングで、エンジンモデル60を用いたオイル劣化判定を行うようにしている。これに対し、本実施形態では、内燃機関10の定常運転中に、エンジンモデル60を用いたオイル劣化判定を行うことを特徴としている。
[実施の形態2における具体的処理]
図9は、定常運転中にオイル劣化を判定するために、本実施の形態2においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。尚、図9において、実施の形態1における図6に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。図9に示すルーチンは、内燃機関10の燃焼が実行されている期間中の所定のタイミング(所定のエンジン回転数Ne)で実行されるものであり、フリクションモデル64の学習処理(ステップ200)が、上述した実施の形態1における学習処理(ステップ104)と異なっている。
図10は、本ステップ200の処理を説明するための図である。燃焼が行われている定常運転時には、エンジンモデル60の推定結果に大きく影響を与える要因として、燃焼圧力Pに起因する変動分とフリクションに起因する変動分の2つが考えられる。従って、そのような燃焼実行時に精度良くフリクションモデル64を学習するためには、これら2つの要因を切り分ける必要がある。内燃機関10のように4気筒エンジンの場合には、180°CA間隔で燃焼に起因する筒内圧力Pの変動が発生する。従って、例えば、エンジン回転数Neが1800rpmである場合には、周波数が60Hzとなる筒内圧力Pの変動が発生することになる。
図10(A)は、PIDコントローラ76により算出されるPID補正量が変動する様子を示している。つまり、PID補正量(FB補正量)にも、上記筒内圧力Pの変動に起因した変動が生ずる。そこで、本ステップ200では、ECU50が備えるハイパスフィルタ(HPF)に上記PID補正量を通すことで、図10(B)に示すように、上記PID補正量を燃焼圧力Pに起因する変動分とフリクションに起因する変動分とに分離させるようにしている。例えば、フリクションモデル64の学習を1800rpmのときに行わせる場合には、60Hzをカットオフ周波数とするHPFを備えておく。このような手法によれば、HPFにより切り分けられた高周波数成分が燃焼圧力に起因する変動分に相当し、また、低周波数成分がフリクションに起因する変動分となる。このため、本ステップ200では、PID補正量のうちの低周波数成分のみをフリクションモデル64の学習量として反映させることとしている。それ以降のフリクションモデル64の学習処理は、既述したステップ104の処理と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
図9に示すルーチンでは、その後、燃費の悪化代が閾値より大きいと判定された場合には(ステップ108)、オイルが劣化したと判定され、この場合は内燃機関10の運転中であるため、即座にオイル交換ランプが点灯される(ステップ202)。
以上説明した図9に示すルーチンによれば、ハイパスフィルタによって燃焼圧力Pに起因する変動分が切り離されたPID補正量に基づいて、フリクションモデル64の学習がなされる。このため、定常運転時においても、フリクションの適応精度を向上させることができ、正確なオイル判定を行うことが可能となる。
本発明の実施の形態1の内燃機関の停止位置制御装置が適用された内燃機関の構成を説明するための図である。 図1に示すECUが備えるエンジンモデルの構成を示すブロック図である。 クランク軸周りの各要素に付す記号を示す図である。 図2に示すフリクションモデルがフリクショントルクTRQfを取得するために備えているフリクションマップの一例を示している。 筒内圧力Pの履歴取得の変形例の手法を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 図6に示すルーチンのステップ104におけるフリクション学習の手法を説明するための図である。 図6に示すルーチンにおいて参照されるマップの一例である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 図9に示すルーチンのステップ200の処理を説明するための図である。
符号の説明
10 内燃機関
12 ピストン
14 コンロッド
16 クランク軸
24 スロットルバルブ
26 スロットルポジションセンサ
40 クランク角センサ
42 カム角センサ
50 ECU(Electronic Control Unit)
52 空燃比センサ
54 水温センサ
60 エンジンモデル
62 クランク軸周りの運動方程式演算部
64 フリクションモデル
66 吸気圧力推定モデル
68 筒内圧推定モデル
70 燃焼波形算出部
72 大気圧補正項算出部
74 大気温補正項算出部
76 PIDコントローラ
dQ/dθ 熱発生率
dθ/dt クランク角回転速度

Claims (4)

  1. 内燃機関のフリクションを算出するフリクションモデルと、
    前記フリクションと前記内燃機関の運転条件および環境条件を示すパラメータとを含む所定のパラメータに基づいて、クランク角度およびクランク角回転速度の少なくとも一方の推定値を取得するクランク情報推定手段と、
    クランク角度およびクランク角回転速度の少なくとも一方の実測値を取得するクランク情報計測手段と、
    前記推定値と前記実測値との偏差に基づいて、前記フリクションモデルを学習するフリクション学習手段と、
    内燃機関の燃費の悪化度合いと前記フリクションとの関係に基づいて、オイル劣化を判定するオイル劣化判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関のオイル劣化判定装置。
  2. 前記オイル劣化判定手段は、当該燃費の悪化度合いが所定の閾値を超えた場合に、オイルが劣化したと判定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関のオイル劣化判定装置。
  3. 前記偏差に基づく補正量を算出し、当該補正量に基づいて前記偏差が無くなるように前記推定値を補正するフィードバック手段を更に備え、
    前記フリクション学習手段は、内燃機関の停止処理時に前記フリクションモデルの学習を実行する場合には、エンジン回転数領域を特定して前記フィードバックを実行することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関のオイル劣化判定装置。
  4. 前記偏差に基づく補正量を算出し、当該補正量に基づいて前記偏差が無くなるように前記推定値を補正するフィードバック手段と、
    前記補正量を、燃焼圧力に起因する変動分とフリクションに起因する変動分とに切り分ける分離手段とを更に備え、
    前記フィードバック学習手段は、内燃機関の定常運転時に前記フリクションモデルの学習を実行する場合には、前記フリクションに起因する変動分に基づいて、前記フリクションモデルを学習することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関のオイル劣化判定装置。
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