JP2005330837A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 内燃機関のフリクショントルクを高い精度で求めること。
【解決手段】 所定パラメータと機関のフリクショントルクとの関係を定めた標準フリクション特性を記憶した記憶手段と、ニュートラル状態またはクラッチが切れた状態で内燃機関を運転する手段と、クランク角加速度を求める角加速度算出手段と、クランク角加速度と駆動部の慣性モーメントとに基づいて動的なトルクを算出する動的トルク算出手段と、筒内圧を取得する筒内圧取得手段と、筒内圧に基づいて図示トルクを算出する図示トルク算出手段と、動的なトルクと図示トルクとの差分から駆動部のフリクショントルクを算出するフリクショントルク算出手段と、算出したフリクショントルクに基づいて、前記標準フリクション特性を補正する補正手段と、を備える。
【選択図】 図6
【解決手段】 所定パラメータと機関のフリクショントルクとの関係を定めた標準フリクション特性を記憶した記憶手段と、ニュートラル状態またはクラッチが切れた状態で内燃機関を運転する手段と、クランク角加速度を求める角加速度算出手段と、クランク角加速度と駆動部の慣性モーメントとに基づいて動的なトルクを算出する動的トルク算出手段と、筒内圧を取得する筒内圧取得手段と、筒内圧に基づいて図示トルクを算出する図示トルク算出手段と、動的なトルクと図示トルクとの差分から駆動部のフリクショントルクを算出するフリクショントルク算出手段と、算出したフリクショントルクに基づいて、前記標準フリクション特性を補正する補正手段と、を備える。
【選択図】 図6
Description
本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、フリクショントルクを推定する内燃機関に適用して好適である。
内燃機関の図示トルクを求めるため、フリクショントルクを算出することが知られている。例えば、特開平11−294213号公報には、エンジン回転数と水温のマップからフリクショントルクを算出することが記載されている。
しかしながら、フリクショントルクは経時変化、環境などの要因によりその値が変化する。同公報に記載された方法では、フリクショントルクの経時変化などを考慮していないため、算出したフリクショントルクに誤差が含まれることがある。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、内燃機関のフリクショントルクを高い精度で求めることを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、所定パラメータと機関のフリクショントルクとの関係を定めた標準フリクション特性を記憶した記憶手段と、ニュートラル状態またはクラッチが切れた状態で内燃機関を運転する手段と、クランク角加速度を求める角加速度算出手段と、前記クランク角加速度と駆動部の慣性モーメントとに基づいて動的なトルクを算出する動的トルク算出手段と、筒内圧を取得する筒内圧取得手段と、前記筒内圧に基づいて図示トルクを算出する図示トルク算出手段と、前記動的なトルクと前記図示トルクとの差分から駆動部のフリクショントルクを算出するフリクショントルク算出手段と、前記フリクショントルクに基づいて、前記標準フリクション特性を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
第2の発明は、上記の目的を達成するため、所定パラメータと機関のフリクショントルクとの関係を定めた標準フリクション特性を記憶した記憶手段と、ニュートラル状態またはクラッチが切れた状態であって、かつ機関回転数が定常となる状態で内燃機関を運転する手段と、筒内圧を取得する筒内圧取得手段と、前記筒内圧に基づいて図示トルクを算出する図示トルク算出手段と、前記図示トルクから駆動部のフリクショントルクを算出するフリクショントルク算出手段と、前記フリクショントルクに基づいて、前記標準フリクション特性を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
第1の発明によれば、動的なトルクと図示トルクとの差分に基づいて、内燃機関を運転した状態で駆動部のフリクショントルクを算出することができる。従って、フリクショントルクに経時変化が生じている場合は、算出したフリクショントルクに基づいて標準フリクション特性を補正することが可能となる。
第2の発明によれば、機関回転数を定常状態とした場合に、図示トルクからフリクショントルクを算出することができる。従って、フリクショントルクに経時変化が生じている場合は、算出したフリクショントルクに基づいて標準フリクション特性を補正することが可能となる。
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置及びその周辺の構造を説明するための図である。内燃機関10には吸気通路12および排気通路14が連通している。吸気通路12は、上流側の端部にエアフィルタ16を備えている。エアフィルタ16には、吸気温THA(すなわち外気温)を検出する吸気温センサ18が組みつけられている。また、排気通路14には排気浄化触媒46が配置されている。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置及びその周辺の構造を説明するための図である。内燃機関10には吸気通路12および排気通路14が連通している。吸気通路12は、上流側の端部にエアフィルタ16を備えている。エアフィルタ16には、吸気温THA(すなわち外気温)を検出する吸気温センサ18が組みつけられている。また、排気通路14には排気浄化触媒46が配置されている。
エアフィルタ16の下流には、エアフロメータ20が配置されている。エアフロメータ20の下流には、スロットルバルブ22が設けられている。スロットルバルブ22の近傍には、スロットル開度TAを検出するスロットルセンサ24と、スロットルバルブ22が全閉となることでオンとなるアイドルスイッチ26とが配置されている。
スロットルバルブ22の下流には、サージタンク28が設けられている。また、サージタンク28の更に下流には、内燃機関10の吸気ポートに燃料を噴射するための燃料噴射弁30が配置されている。
本実施形態の内燃機関10は4気筒の機関であり、各気筒はシリンダ32、ピストン34を備えている。ピストン34には、その往復運動によって回転駆動されるクランク軸36が連結されている。車両駆動系と補機類(エアコンのコンプレッサ、オルタネータ、トルクコンバータ、パワーステアリングのポンプ等)は、このクランク軸36の回転トルクによって駆動される。クランク軸36の近傍には、クランク軸36の回転角を検出するためのクランク角センサ38が取り付けられている。また、内燃機関10の各気筒には、筒内の圧力(筒内圧)を検出するための筒内圧センサ44がそれぞれ設けられている。
シリンダ32、ピストン34など内燃機関10を構成する部材は、周囲を流れる冷却水によって冷却されている。内燃機関10のシリンダブロックには、冷却水温THWを検出する水温センサ42が取り付けられている。
図1に示すように、本実施形態の燃焼状態推定装置はECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40には、上述した各種センサおよび燃料噴射弁30などが接続されている。
次に、本実施形態における内燃機関10の制御方法を具体的に説明する。最初に、フリクショントルクについて説明する。図2はフリクショントルクTfと内燃機関10の機関回転数(Ne)、冷却水温(thw)との関係を表したマップである。フリクショントルクTfは、ピストン34とシリンダ内壁の摩擦など各嵌合部の機械的な摩擦によるトルクであって、補機類の機械的な摩擦によるトルクを含むものである。ここで、冷却水温は、thw1→thw2→thw3の順に高温になる。図2に示すように、フリクショントルクTfは機関回転数(Ne)が増えると増加し、また冷却水温(thw)が低温になると増加する傾向にある。
クランク角の変動に伴うフリクショントルクTfの挙動は複雑であり、バラツキも大きい。しかし、機関が4気筒の場合、クランク角180°毎に各気筒で順次に爆発行程が行われるため、クランク角180°毎におけるフリクショントルクTfの平均値はほぼ等しくなる。すなわち、4気筒の機関の場合は、ある気筒におけるTDC(上死点)からBDC(下死点)までの区間、またはBDC(下死点)からTDC(上死点)までの区間に着目すると、この区間毎のフリクショントルクTfの平均値はほぼ一定している。従って、4気筒の機関の場合、フリクショントルクTfをTDC−BDC間の区間毎の平均値として求めると、フリクショントルクTfと、機関回転数(Ne)及び冷却水温(thw)との関係を正確に把握することができる。
そこで、図2のマップは、機関回転数(Ne)、及び冷却水温(thw)をパラメータとして可変し、TDC−BDC間でクランク軸36を180°回転させた際に発生するフリクショントルクTfを測定し、その平均値を算出することで作成されている。なお、図2においては、フリクショントルクTfと同様に、機関回転数(Ne)、及び冷却水温(thw)もこの区間における平均値である。
ECU40はメモリ内に図2のマップを格納している。ECU40は、フリクショントルクTfを推定する場合には、TDC−BDC間の冷却水温の平均値、機関回転数の平均値を図2のマップに当てはめて、この区間におけるフリクショントルクTfの平均値を図示トルク2のマップから求める。この際、冷却水温は水温センサ42から、機関回転数はクランク角センサ38からそれぞれ検出する。これにより、TDC−BDC間の区間におけるフリクショントルクTfを正確に推定することができる。
機関の総運転時間数、機関経過年数、車両の走行距離などの経時変化に関するパラメータが比較的小さい場合は、図2のマップから正確にフリクショントルクTfを求めることができる。しかし、総運転時間数、運転機関が長くなると、摺動部分のクリアランスが大きくなる等の要因から、フリクショントルクに経時変化が発生する。このため、図2のマップから求めたフリクショントルクTfと実際のフリクショントルクとの間に誤差が生じる。本実施形態の制御装置は、フリクショントルクTfの経時変化を算出し、図2のマップを補正することで以降のフリクショントルク算出を正確に行うものである。以下、具体的な方法を詳細に説明する。
本実施形態の制御装置は、クランク軸36に出力されるトルクとして、2種類のトルクを算出する機能を備えている。すなわち、クランク角センサ38から検出したクランク角加速度から求まる動的なトルクTdと、筒内圧センサ44から検出した筒内圧から求まる図示トルクTiの双方を算出する機能を備えている。そして、本実施形態の制御装置は、動的なトルクTdと図示トルクTiを比較した結果に基づいてフリクショントルクTfを算出する。
フリクショントルクTfを算出する際には、駆動輪から伝わる走行負荷の影響を排除するため、クラッチを切るか、またはギヤをニュートラルの状態にする。この状態で内燃機関10を運転し、動的なトルクTdおよび図示トルクTiを算出する。
最初に、クランク角センサ38から検出したクランク角加速度に基づいて動的なトルクTdを算出する方法を説明する。本実施形態では、以下の(1)式を用いて動的なトルクTdを算出する。
(1)式の右辺において、Jはシリンダ32内の燃焼によって駆動される駆動部材の慣性モーメントを示している。また、ω(k−1)は、特定の気筒(例えば#1気筒)がTDCの位置にあるときのクランク角位置で検出された角速度、ω(k)はBDCの位置で検出された角速度をそれぞれ示している。また、Δtは、クランク軸36がTDCの位置からBDCの位置まで回転する時間である。従って、(1)式の右辺における(ω(k)−ω(k−1))/Δtは、クランク軸36がTDCからBDCまで回転する間のクランク軸36の角加速度の平均値を示している。このように、駆動部材の慣性モーメントJと、クランク軸36の角加速度の平均値を乗算することで、動的なトルクTdを算出することができる。
図3は、クランク軸36の角加速度を求める方法を示す模式図である。図3に示すように、本実施形態では、例えばクランク軸36の回転の10°毎にクランク角センサ38からクランク角信号が検出される。
本実施形態の制御装置は、角加速度に起因する動的なトルクTdを、TDCからBDCまでのクランク角180°の区間の平均値として算出する。このために、本実施形態の装置は、TDCとBDCの2ヶ所のクランク角位置で角速度ω(k−1),ω(k)をそれぞれ求め、同時にクランク軸36がTDCからBDCまで回転する時間Δt(k)を求める。
角速度ω(k−1)を求める際には、例えば図3に示すように、クランク角がTDCの位置から前後10°ずつ回転している間の時間Δt0(k−1),Δt10(k−1)をクランク角センサ38から検出する。そして、時間Δt0(k−1)+Δt10(k−1)の間にクランク軸36が20°回転しているため、ω(k−1)=(20/(Δt0(k−1)+Δt10(k−1)))×(π/180)を演算することによってω(k−1)[rad/s]を算出できる。同様に、ω(k)を算出する際は、クランク角がBDCの位置から前後10°ずつ回転している間の時間Δt0(k),Δt10(k)を検出する。そして、ω(k)=(20/(Δt0(k)+Δt10(k)))×(π/180)を演算することによってω(k)[rad/s]を算出できる。
角速度ω(k−1),ω(k)を求めた後は、(ω(k)−ω(k−1))/Δt(k)を演算し、TDCからBDCまでクランク軸36が回転する間の角加速度の平均値を算出する。
そして、角加速度の平均値を求めた後は、(1)式の右辺に従って、角加速度の平均値と慣性モーメントJを乗算する。これにより、クランク軸36がTDCからBDCまで回転する間の動的なトルクTdを算出できる。このとき算出された動的なトルクTdは、TDCにおける機関回転数とBDCにおける機関回転数の平均値に対応している。なお、駆動部の慣性モーメントJは、駆動部品の慣性質量から予め求めておく。
4気筒の機関の場合、クランク角180°毎に各気筒で順次に爆発行程が行われる。このとき、角加速度の平均値を求める区間をクランク角180°よりも小さくすると、筒内での燃焼バラツキによって動的なトルクTdを求めた機関回転数が不明確となる場合がある。従って、4気筒の機関の場合は、TDC−BDC間のクランク角180°の区間で動的なトルクTdを求めることが好適である。同様の理由から、4気筒以外の内燃機関10の場合は、(1サイクルのクランク角720°)/(気筒数)の区間よりも広い区間で動的なトルクTdを求めることが好適である。
次に、筒内圧センサ44から検出した筒内圧から図示トルクTiを求める方法を説明する。本実施形態では、以下の(2)式、(3)式を用いて図示トルクTiを算出する。
(2)式に示されるように、図示仕事Wは、動的なトルクTdを算出したTDC−BDC間のクランク角180°の区間において、各気筒でPi・dViの値を積算し、全気筒で合計することで求まる。ここで、Piは、所定のクランク角(例えばクランク角10°)毎に筒内圧センサ44から検出した筒内圧である。また、dViは、所定のクランク角(例えばクランク角10°)毎の筒内容積Vの変化量である。このように、各気筒においてPi・dViを積算し、全気筒の和を求めることで、図示仕事W(筒内仕事量)を求めることができる。
(3)式は、(2)式で求めた図示仕事Wをトルクに変換するための式である。(3)式によれば、全気筒での燃焼に起因する図示トルクTiを求めることができる。
ここで、図示トルクTiは筒内での燃焼による仕事量に基づいて算出されており、燃焼によってクランク軸36に出力されるべきトルクを表している。従って、図示トルクTiには駆動部におけるフリクションロス等は含まれていないことになる。
一方、動的なトルクTdは、クランク軸36の角加速度から算出しているため、実際にクランク軸36に出力されたトルクを表している。従って、動的なトルクTdはフリクションロス分を含めて算出された値である。
従って、以下の(4)式に示すように、図示トルクTiから動的なトルクTdを減算することで、筒内で燃焼が行われている状態でフリクショントルクTfを求めることができる。
Tf=Ti−Td ・・・(4)
ここで求めたフリクショントルクTfは、動的なトルクTd、図示トルクTiを算出したTDC−BDC間の区間における機関回転数Neの平均値に対応している。従って、フリクショントルクに経時変化が生じている場合、(4)式から求めたフリクショントルクTfと、フリクショントルクTfを算出した機関回転数Ne(TDC−BDC間の平均値)を用いて、図2のマップによるフリクショントルクTfを補正することができる。
図2のマップを補正する場合は、マップから得られるフリクショントルクTfと、(4)式から求めたフリクショントルクTfとの差分ΔTfを求め、ΔTfに基づいてマップ値を補正する。
図4及び図5は、図2のマップを補正する方法の一例を示す模式図である。図4は、1つのΔTfの値を用いてマップを補正する方法を示している。また、図5は、2つのΔTfの値を用いてマップを補正する方法を示している。
図4の方法では、任意の機関回転数Ne1において、マップから得られるフリクショントルクTfと、(4)式から求めたフリクショントルクTfとの差分ΔTfを求める。ここで、機関回転数Ne1は(4)式からフリクショントルクTfを算出した際のTDC−BDC間における平均値である。そして、ΔTfだけマップのフリクショントルクTfを平行移動することで図2のマップを補正する。
図5の方法では、異なる運転状態での任意の機関回転数Ne2,Ne3において、マップから得られるフリクショントルクTfと、(4)式から求めたフリクショントルクTfとの差分ΔTf1およびΔTf2を求める。ここで、機関回転数Ne2,Ne3は(4)式からフリクショントルクTfを算出した際のTDC−BDC間における平均値である。そして、得られた2つのΔTf(ΔTf1およびΔTf2)を用いてマップのフリクショントルクTfの値を補正する。ここでは、機関回転数Ne2においてΔTf1だけマップの特性をシフトし、機関回転数Ne3においてΔTf2だけマップの特性をシフトしている。図5の方法によれば、2つのΔTfに基づいて、マップのTfの絶対値とともに、Tfの傾きをも補正することができる。
なお、内燃機関10が定常運転以外の場合であっても(1)式から動的なトルクTdを求めることができ、また(2)式、(3)式から図示トルクTiを求めることができる。従って、実施の形態1の方法によれば、定常運転のみならず、過渡運転時においても(4)式からフリクショントルクTfを算出することができる。従って、例えば車両走行中にクラッチを切った場合等において、機関回転数Neが変動している場合にも(4)式からフリクショントルクTfを算出することが可能である。
次に、図6のフローチャートに基づいて、本実施形態の制御装置における処理の手順を説明する。先ず、ステップS1では、クラッチが切れた状態にあるか、またはギヤがニュートラルの状態にあるか否かを判定する。クラッチが切れている場合、またはニュートラルの状態の場合はステップS2に進む。クラッチが切れていない場合、またはニュートラルの状態にない場合は処理を終了する。
次のステップS2では、フリクショントルクTfを算出するTDC−BDC間の区間において、各気筒で図示トルクTiを算出するために必要なパラメータPi、dViを取得する。次のステップS3では、ステップS2と同一のTDC−BDC間の区間において動的なトルクTdを算出するために必要なパラメータω(k),ω(k−1),Δtを取得する。
次のステップS4では、ステップS2で求めたパラメータを用いて、(2)式、(3)式に基づいて図示トルクTiを算出する。ここでは、各気筒におけるPi、dViをTDC−BDC間のクランク角180°の区間で積算し、全気筒で合計することで図示仕事Wを算出し、トルク変換することで図示トルクTiを求める。
次のステップS5では、ステップS3で求めたパラメータを用いて、(1)式に基づいて動的なトルクTdを算出する。ここでは、TDC−BDC間でクランク軸36が回転する間の角加速度の平均値が算出される。
次のステップS6では、(4)式に基づいてフリクショントルクTfを算出する。次のステップS7では、ステップS6で求めたフリクショントルクTfと図2のマップによるフリクショントルクTfを比較して、経時変化等によるフリクショントルクの変動分を考慮して図2のマップを補正する。この際、図4、図5で説明した方法により図2のマップを補正する。
以上説明したように実施の形態1によれば、動的なトルクTdと図示トルクTiとからフリクショントルクTfを求め、求めたフリクショントルクTfに基づいて図2のマップを補正するようにしたため、経時変化等によってフリクショントルクが変動して、実際のフリクショントルクと図2のマップによるフリクショントルクが相違するようになった場合であっても、フリクショントルクを高い精度で求めることが可能となる。
なお、実施の形態1では、TDC−BDC間のクランク角180°の区間で動的なトルクTd、図示トルクTiを算出したが、これより長い区間で動的なトルクTd、図示トルクTiを算出しても良い。
また、筒内圧を筒内圧センサ44によって検出したが、温度センサにより実測した圧縮行程中の筒内温度、または熱流束計測により予測した圧縮行程中の筒内温度と、エアフロメータ20から検出した吸入空気量とに基づいて筒内圧を算出しても良い。
また、吸入空気量と図示トルクTiとの関係を規定したマップを予め作成しておき、エアフロメータ20から検出した吸入空気量に基づいて図示トルクTiをマップ算出しても良い。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2は、アイドリング時などの定常運転時にフリクショントルクTfを求めることで、より簡素な方法でフリクショントルクTfを算出するものである。
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2は、アイドリング時などの定常運転時にフリクショントルクTfを求めることで、より簡素な方法でフリクショントルクTfを算出するものである。
アイドリングなどの定常運転時には、クランク軸36の角加速度は0となるため、実施の形態1で説明した動的なトルクTdは0となる。従って、(4)式においてTd=0となり、以下の(5)式が得られる。
Tf=Ti ・・・(5)
(5)式によれば、図示トルクTiからフリクショントルクTfを直接求めることができる。従って、実施の形態1で説明した(2)式、(3)式から図示トルクTiを求めることで、直ちにフリクショントルクTfを算出することができる。
図7は実施の形態2の処理手順を示すフローチャートである。先ず、ステップS11では、クラッチが切れた状態にあるか、またはギヤがニュートラルの状態にあるか否かを判定する。クラッチが切れている場合、またはニュートラルの状態の場合はステップS12に進む。クラッチが切れていない場合、またはニュートラルの状態にない場合は処理を終了する。
次のステップS12では、フリクショントルクTfを算出するTDC−BDC間の区間において、各気筒で図示トルクTiを算出するために必要なパラメータPi,dViを取得する。次のステップS13では、ステップS12で取得したパラメータを用いて、(2)式、(3)式に基づいて図示トルクTiを算出する。
次のステップS14では、(5)式からフリクショントルクTfを算出する。この際、(5)式に示されるようにステップS13で求めた図示トルクTiがそのままフリクショントルクTfとなる。
次のステップS15では、ステップS14で求めたフリクショントルクTfと図2のマップによるフリクショントルクTfを比較して、経時変化等によるフリクショントルクの変動分を考慮して図2のマップを補正する。この際、図4、図5で説明した方法により図2のマップを補正する。
以上説明したように実施の形態2によれば、アイドリング時など定常運転時にフリクショントルクTfを算出するようにしたため、図示トルクTiから直接フリクショントルクTfを算出することが可能となる。従って、図示トルクTiを求めるのみでフリクショントルクTfのマップを補正することができる。
36 クランク軸
38 クランク角センサ
40 ECU
44 筒内圧センサ
38 クランク角センサ
40 ECU
44 筒内圧センサ
Claims (2)
- 所定パラメータと機関のフリクショントルクとの関係を定めた標準フリクション特性を記憶した記憶手段と、
ニュートラル状態またはクラッチが切れた状態で内燃機関を運転する手段と、
クランク角加速度を求める角加速度算出手段と、
前記クランク角加速度と駆動部の慣性モーメントとに基づいて動的なトルクを算出する動的トルク算出手段と、
筒内圧を取得する筒内圧取得手段と、
前記筒内圧に基づいて図示トルクを算出する図示トルク算出手段と、
前記動的なトルクと前記図示トルクとの差分から駆動部のフリクショントルクを算出するフリクショントルク算出手段と、
前記フリクショントルクに基づいて、前記標準フリクション特性を補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 所定パラメータと機関のフリクショントルクとの関係を定めた標準フリクション特性を記憶した記憶手段と、
ニュートラル状態またはクラッチが切れた状態であって、かつ機関回転数が定常となる状態で内燃機関を運転する手段と、
筒内圧を取得する筒内圧取得手段と、
前記筒内圧に基づいて図示トルクを算出する図示トルク算出手段と、
前記図示トルクから駆動部のフリクショントルクを算出するフリクショントルク算出手段と、
前記フリクショントルクに基づいて、前記標準フリクション特性を補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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