JP2006138293A - 燃料噴射系の異常診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、圧縮着火式内燃機関の燃料噴射系の異常を精度良く診断することが可能な技術を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明の燃料噴射系の異常診断装置は、各気筒内で実際に発生した図示トルクTiを筒内圧センサによって実測し、その実図示トルクTiが目標図示トルクTitから所定値A以上かけ離れている気筒が存在する場合には、その気筒の燃料噴射系が異常であると診断する。すなわち、本発明に係る燃料噴射系の異常診断装置は、実際の燃料噴射量と相関する実図示トルクTiをパラメータとして燃料噴射系の異常を診断することにより、精度の高い異常診断を実現することを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 本発明の燃料噴射系の異常診断装置は、各気筒内で実際に発生した図示トルクTiを筒内圧センサによって実測し、その実図示トルクTiが目標図示トルクTitから所定値A以上かけ離れている気筒が存在する場合には、その気筒の燃料噴射系が異常であると診断する。すなわち、本発明に係る燃料噴射系の異常診断装置は、実際の燃料噴射量と相関する実図示トルクTiをパラメータとして燃料噴射系の異常を診断することにより、精度の高い異常診断を実現することを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、内燃機関の燃料噴射系の異常を診断する技術に関する。
内燃機関の燃料噴射系の異常を診断する技術としては、機関出力軸に設けられたトルク検出器の検出値(軸トルク)と、機関回転数やアクセル開度をパラメータとして演算された軸トルクとを比較し、両者の偏差が所定値より大きい時には噴射系又は検出系に異常が発生したと判定する方法が知られている(たとえば、特許文献1を参照)。
特公平6−3159号公報
特許第2625862号公報
特開平9−68082号公報
ところで、機関出力軸のトルク(正味トルク或いは軸トルク)は、燃料の燃焼によって発生したトルク(燃焼トルク)から種々の損失(機械損失)を差し引いたトルクであるため、燃料噴射系の異常以外の種々の要因によっても増減する。例えば、内燃機関の内部損失(摩擦損失等)や外部損失(補記駆動損失等)が変化した場合にも軸トルクが変化する。このため、軸トルクをパラメータとする従来の異常診断方法では、診断精度が低下する可能性がある。
本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料噴射系の異常を精度良く診断することが可能な技術を提供することにある。
本発明は、上記した課題を解決するために以下のような手段を採用した。本発明の特徴は、圧縮着火式内燃機関において、筒内圧の測定値から実際の燃焼トルク(実燃焼トルク)を求め、その実燃焼トルクの大小に基づいて燃料噴射系の異常を診断する点にある。
そこで、本発明にかかる燃料噴射系の異常診断装置は、気筒内の圧力を検出する筒内圧センサと、気筒内で燃料が燃焼することにより実際に発生した燃焼トルクを筒内圧センサの出力に基づいて演算する実燃焼トルク演算手段と、実燃焼トルクが基準値から所定値以上大きい又は小さい場合に内燃機関の燃料噴射系が異常であると診断する異常診断手段と、を備えるようにした。
燃料噴射量によって負荷が制御される圧縮着火式内燃機関では、実燃焼トルクが燃料噴射量に見合ったトルクとなる。このため、実燃焼トルクが基準値から大きくかけ離れた場合には、実際の燃料噴射量が目標燃料噴射量から大きくかけ離れていると見なすことができる。
従って、異常診断手段は、実燃焼トルクと基準値の偏差が所定値以上である場合には、内燃機関の燃料噴射系が目標の燃料量を噴射していないと診断することができる。
このように実際の燃料噴射量相当の燃焼トルクをパラメータとすることにより、燃料噴射系の異常を正確に診断することができる。
本発明において、実燃焼トルク演算手段は内燃機関の気筒毎に実燃焼トルクを演算し、
異常診断手段は気筒毎に実燃焼トルクと基準値との比較を行うことにより燃料噴射系の異常を気筒別に診断するようにしてもよい。
異常診断手段は気筒毎に実燃焼トルクと基準値との比較を行うことにより燃料噴射系の異常を気筒別に診断するようにしてもよい。
この場合、個々の気筒毎に異常診断を行うことができるため、何れの気筒の燃料噴射系が異常であるか特定することができる。
本発明において、筒内圧センサが多気筒内燃機関の一部の気筒のみに設けられている場合には、複数気筒の各々の膨張行程時におけるクランク角加速度を演算する角加速度演算手段を更に備え、実燃焼トルク演算手段が一部の気筒の筒内圧センサの出力に基づいて該一部の気筒の実燃焼トルクを演算するとともに、前記一部の気筒のクランク角加速度と他の気筒のクランク角加速度との相対関係及び前記一部の気筒の実燃焼トルクに基づいて他の気筒の実図示トルクを推定するようにしてもよい。
膨張行程時のクランク角加速度は実燃焼トルクの大きさに応じて変化するため、気筒間でクランク角加速度が異なる場合には実燃焼トルクも気筒間で異なることになる。その際、一部の気筒の実燃焼トルクを筒内圧センサによって特定することができれば、その実燃焼トルク、及び、一部の気筒と他の気筒のクランク角加速度の相対関係(例えば、相対差や相対比)から他の気筒の実燃焼トルクを推定することができる。
この場合、高価な筒内圧センサを内燃機関の全ての気筒に取り付ける必要がないため、コストの低減を図ることができる。
また、本発明に係る燃料噴射系の異常診断装置は、内燃機関の機械損失の変化を検出する損失変化検出手段と、前記損失変化検出手段が検出した機械損失の変化に応じて基準値を補正する基準値補正手段と、を更に備えるようにしてもよい。
前記した基準値は機関運転状態に相関する値として定められるが、内燃機関の機械損失が変化すると、機関運転状態と基準値との相関関係も変化する場合がある。そのような場合には、実燃焼トルクを求めたときの機関運転状態に対して基準値が不適当な値となる。
これに対し、内燃機関の機械損失の大きさに応じて基準値が補正(言い換えれば、機関運転状態と基準値との相関関係が補正)されることにより、機関運転状態と基準との相関関係が適正化される。その結果、実燃焼トルクを求めたときの機関運転状態に対して基準値が適当な値となる。言い換えれば、機関運転状態と基準値との相関関係は、機械損失の変化分が除去された適正な相関関係となる。
そして、異常診断手段は、補正後の基準値を用いて燃料噴射系の異常診断を行うことにより、機械損失が変化した場合であっても精度の高い異常診断を行うことが可能となる。
尚、本発明の異常診断装置は、実燃焼トルクと基準値の偏差が所定値以上である場合に、直ちに燃料噴射系が異常であると診断してもよいが、目標燃料噴射量の補正等によって実際の機関運転状態を可能な限り正常時の機関運転状態へ近づけるようにしてもよい。その場合、目標燃料噴射量は、実燃焼トルクと基準値との偏差の大きさに基づいて補正されるようにしてもよい。
目標燃料噴射量の補正が行われた場合には、異常診断手段は目標燃料噴射量の補正が反映された後の実燃焼トルクをパラメータとして再度異常診断を行い、その際の実燃焼トルクと基準値の偏差が所定値以上である場合に、燃料噴射系が異常であると診断するようにしてもよい。
また、内燃機関では、目標燃料噴射量をパラメータとして内燃機関の燃焼に影響を与える制御量を演算あるいは決定する場合がある。例えば、EGR機構を備えた内燃機関では、目標燃料噴射量をパラメータとしてEGR弁の開度が決定される場合がある。
このような内燃機関において、上記したような目標燃料噴射量の補正が行われると、目標燃料噴射量と実際の燃料噴射量との間に差があるため、補正後の目標燃料噴射量に応じて上記した制御量(例えば、EGR弁の開度)が決定されると、制御量が実際の燃料噴射量に対応した制御量にならない可能性がある。
そこで、本発明の異常診断装置は、上記制御量を決定する際にパラメータとして用いられる目標燃料噴射量、あるいは補正後の目標燃料噴射量に基づいて決定された制御量を、目標燃料噴射量の補正量に応じて補正することが好ましい。
この場合、燃料噴射系の制御に用いられる目標燃料噴射量が補正された場合であっても、上記制御量を決定する際に用いられる目標燃料噴射量、あるいは上記制御量自体が実際の燃料噴射量に対応した量となる。
尚、本発明において、機械損失の大きさに応じて基準値が補正される場合、もしくは実燃焼トルクと基準値との偏差の大きさに基づいて目標燃料噴射量が補正される場合には、その補正量に上限値を設け、またはその補正量を決定する際に用いられるパラメータ(機械損失の大きさや、実燃焼トルクと基準値との偏差)を実際の値より小さくするようにしてもよい。
これは、筒内圧センサの検出誤差やクランク角加速度の検出誤差など起因した過補正、あるいは気筒毎に異常の度合いが異なる場合の過補正による、排気エミッションの悪化などを防止するためである。
本発明の異常診断装置は、燃料噴射系が異常であると診断した場合に、燃料噴射系の点検および/または修理を運転者等に促すべく、警告灯の表示、警告音の出力、音声メッセージの出力、あるいは文字メッセージの出力等を行うようにしてもよい。
本発明に係る燃料噴射系の異常診断装置によれば、実際の燃料噴射量との相関が高い実燃焼トルクをパラメータとして燃料噴射系の異常診断を行うことができるため、燃料噴射系の異常を精度よく診断することが可能となる。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。
先ず、本発明の第1の実施例について図1〜図2に基づいて説明する。図1は、第1の実施例を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、圧縮着火式の内燃機関(ディーゼルエンジン)である。
内燃機関1は、複数の気筒2を有している。各気筒2には、ピストン3が往復動自在に嵌挿されている。ピストン3はコネクティングロッド4を介してクランクシャフト5と連結され、ピストン3の往復運動がクランクシャフト5の回転運動へ変換されるようになっている。
クランクシャフト5には図示しない車両駆動系や補機類(エアコンのコンプレッサ、オ
ルタネータ、パワーステアリングのポンプ等)が連結され、車両駆動系や補記類がクランクシャフト5の回転トルクによって駆動されるようになっている。
ルタネータ、パワーステアリングのポンプ等)が連結され、車両駆動系や補記類がクランクシャフト5の回転トルクによって駆動されるようになっている。
各気筒2には、図示しないコモンレールによって昇圧された燃料を気筒2内へ噴射する燃料噴射弁6と、筒内圧を検出する筒内圧センサ7とが設けられている。
内燃機関1には、冷却水の温度を検出する水温センサ8や、クランクシャフト5の回転位置(回転角)を検出するクランクポジションセンサ9が取り付けられている。
また、内燃機関1には、吸気通路10と排気通路11が接続され、これら吸気通路10と排気通路11はEGR通路12によって相互に接続されている。EGR通路12の途中にはEGR弁13が設けられている。
このように構成された内燃機関1には、電子制御ユニット(ECU)14が併設されている。ECU14には、上述した各種センサ、燃料噴射弁11、およびEGR弁13に加えて、アクセルポジションセンサ15などが接続されている。
ECU14は、燃料噴射制御に代表される既知の制御に加え、本発明の要旨となる異常診断制御を実行する。異常診断制御では、ECU14は、各気筒2で燃料が燃焼することによって実際に発生した燃焼トルク(実燃焼トルク)を求め、その実燃焼トルクを予め定められている基準値と比較することにより、燃料噴射系の異常を診断する。
燃料噴射量によって負荷が制御される圧縮着火式の内燃機関1では、実燃焼トルクが実際の燃料噴射量に見合った大きさとなる。このため、実燃焼トルクが基準値から大きくかけ離れている場合には、燃料噴射量が目標燃料噴射量から大きくかけ離れているとみなすことができ、以て燃料噴射系が異常であると診断することができる。
燃焼トルクとしては、図示平均有効圧力Piや図示トルクTiを用いることができる。本実施例では、本発明に係る燃焼トルクとして図示トルクTiを用いる場合について述べる。
ECU14は、各気筒2の実際の図示トルク(実図示トルク)Tiを求める場合に、先ず図示平均有効圧力Piを求める。図示平均有効圧力Piを求める方法としては種々の方法が公知であるため、ここでは詳細に説明しないが、例えば、各気筒2の圧縮行程から膨張行程までの少なくとも一部の期間において筒内圧センサ7の出力をサンプリングし、それらサンプリング値を積算する方法や、前記一部の期間において筒内圧をサンプリングし、各サンプリング値とサンプリング時のクランク角に基づく係数との乗算値を積算して図示仕事を求め、その図示仕事を行程容積で除算する方法等を用いることができる。
上記した方法により各気筒2の図示平均有効圧力Piが求められると、ECU14は、下記の式に各気筒2の図示平均有効圧力Piを代入することにより気筒2毎の実図示トルクTiを算出する。
Ti=(Vs*Pi)/(2π*i)
式中のVsは行程容積、iは1サイクル当たりの機関回転数(4ストローク・サイクル・エンジンの場合は2)を各々示している。行程容積Vs及び1サイクル当たりの機関回転数iは定数として扱うことができるため、上記の式はTi=K*Pi(Kは定数)と表すことができる。
このようにして各気筒2の実図示トルクTiが求められると、ECU14は、気筒2毎に実図示トルクTiと目標図示トルクTitを比較する。目標図示トルクTitは、目標燃料噴射量と目標図示トルクTitとの関係を予め実験的に求めたマップから求めるようにしてもよいが、内燃機関1の燃料噴射制御では運転者が要求する軸トルク(目標軸トルク)Tetに応じて目標燃料噴射量が決定されるため、目標軸トルクTesと目標燃料噴射の関係を規定したマップが予めECU14のROMに記憶されている場合がある。
そのような場合には、前記目標軸トルクTetを目標図示トルクTitに換算して上記した実図示トルクTiと比較する方法、あるいは前記実図示トルクTiを実軸トルクTeに換算して目標軸トルクTetと比較する方法を採用することもできる。
目標軸トルクTetは、目標図示トルクTitから内燃機関1の機械損失トルクTtqを差し引いたトルク(=Tit−Ttq)であるため、目標軸トルクTetに機械損失トルクTtqを加算することにより目標図示トルクTitを求めることができる。
機械損失トルクTtqは、内燃機関1の内部損失トルクと外部損失トルクを含むトルクである。内部損失トルクは、ピストン2とボア壁面との間等で生じる摩擦損失である。摩擦損失は潤滑由の温度および機関回転数に応じて変化するため、潤滑油の温度(冷却水温度)と機関回転数と内部損失トルクとの関係を規定したマップから求めることができる。
外部損失トルクは、補機類の負荷トルクである。補機類の負荷トルクは、補機類の作動状態や機関回転数に応じて変化するため、補機類の作動状態と機関回転数と負荷トルクとの関係を規定したマップから求めることができる。
このようにして目標図示トルクTitが求められると、ECU14は、各気筒2の実図示トルクTiを目標図示トルクTitと比較し、両者の偏差が所定値以上となる気筒2が存在する場合には、その気筒2の実際の燃料噴射量が目標燃料噴射量から大きくかけ離れているとみなし、燃料噴射系が異常であると判定する。
このように実際の燃料噴射量と相関する実図示トルクTiをパラメータとして燃料噴射系の異常診断を行うことにより、燃料噴射系の異常、特に燃料噴射量の異常を正確に診断することが可能となる。更に、本実施例では、気筒2別に実図示トルクTiと目標図示トルクTitの比較を行うことにより、何れの気筒2の燃料噴射系に異常が発生しているかを特定することも可能となる。
尚、ECU14は、燃料噴射系が異常であると判定した場合には、車室内に予め設けられている警告灯、音声出力装置(スピーカ)、表示装置(ディスプレイ装置)などを介して運転者へ異常の発生を通知することにより、燃料噴射系の点検および/または修理を促すようにしてもよい。
以下、本実施例における異常診断制御について図2に沿って説明する。図2は、異常診断ルーチンを示すフローチャートである。この異常診断ルーチンは、予めECU14のROMに記憶されているルーチンであり、所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ9がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
異常診断制御ルーチンでは、ECU14は、先ずS101において内燃機関1の運転状態が所定の運転状態にあるか否かを判別する。所定運転状態は、アイドル運転状態のように機関回転数やアクセル開度等が安定している定常運転状態であって、EGR弁13の開度が安定しており(好ましくは、EGR弁13が全閉状態)、補機類の作動状態が安定している運転状態を例示することができる。
このような判別が行われる理由は、図示平均有効圧力Piの計測中にEGR弁13の開度や補機類の作動状態が変動すると、正確な図示平均有効圧力Piを測定することが困難となり、あるいは目標軸トルクTetを目標図示トルクTitへ換算するときの機械損失トルクTtqを一意に特定することが困難になる可能性があるからである。
前記S101において否定判定された場合は、ECU14は本ルーチンの実行を一旦終了する。前記S101において肯定判定された場合は、ECU14はS102へ進み、気筒2毎に実図示トルクTiを演算する。実図示トルクTiは、前述したように筒内圧センサ7の出力信号から図示平均有効圧力Piを求め、図示平均有効圧力Piに係数kを乗算して求められる。
S103では、ECU14は、実図示トルクTiの演算対象となったサイクル(図示平均有効圧力Piを測定したサイクル)の目標図示トルクTitを演算する。目標図示トルクTitは、前記サイクルの目標燃料噴射量に対応した目標軸トルクTetを演算するとともに前記サイクル中の機械損失トルクTtqを演算し、前記目標軸トルクTetと前記機械損失トルクTtqを加算することにより求められる。
S104では、ECU14は、各気筒2毎に実図示トルクTiと目標図示トルクTitとの偏差の絶対値△Ti(=|Tit−Ttq|)を演算する。
S105では、ECU14は、前記した偏差の絶対値△Tiが所定値A以上となる気筒2があるか否かを判別する。
前記S105において肯定判定された場合は、ECU14は、S106へ進み、偏差の絶対値△Tiが所定値A以上となる気筒2の燃料噴射系が異常であると判定する。
前記S105において否定判定された場合は、ECU14は、S107へ進み、全ての気筒2の燃料噴射系が正常であると判定する。
以上述べた異常診断制御によれば、実際の燃料噴射量と相関する実図示トルクTiをパラメータとして燃料噴射系の異常を診断するとともに、実図示トルクTiを筒内圧センサ7によって実測することにより、燃料噴射系の異常を正確に診断することが可能となる。更に、気筒2別に異常診断を行うことにより異常な気筒2を特定することも可能となる。
次に、本発明の第2の実施例について図3に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第1の実施例と本実施例の差異は、第1の実施例では内燃機関1の全ての気筒2に筒内圧センサ7が設けられているのに対し、本実施例では内燃機関1の一つの気筒2のみに筒内圧センサ7が設けられている点にある。
この場合、ECU14は、各気筒2の実図示トルクTiを求める際に、筒内圧センサ7が設けられている気筒(以下、基準気筒と称する)2の実図示トルクTiを筒内圧センサ7の出力から演算する。更に、ECU14は、実図示トルクTiの演算対象となったサイクルにおいて、各気筒2の膨張行程時のクランク角加速度dω/dtを算出する。クランク角加速度dω/dtは、膨張行程中の所定期間(例えば、膨張行程上死点から所定クランク角度までの期間)におけるクランク角加速度dω/dtの平均値を用いる。尚、以下では基準気筒2のクランク角加速度をdω0/dt0と記すものとする。
ECU14は、基準気筒2以外の気筒(以下、単に他の気筒と称する)2の各々について、基準気筒2のクランク角加速度dω0/dt0と他の気筒2のクランク角加速度dω/dtの相対差もしくは相対比を求め、その相対差または相対比と基準気筒2の実図示トルクTiとに基づいて他の気筒2の実図示トルクTiを推定する。
例えば、ECU14は、基準気筒2のクランク角加速度dω0/dt0から他の気筒2のクランク角加速度dω/dtを減算して偏差△d(=dω0/dt0−dω/dt)を求め、前記偏差△dに所定の係数Aを乗算した値(=A・△d)を基準気筒2の実図示トルクTiに加算した値(=Ti+A・△d)を他の気筒2の実図示トルクTiと推定する。
また、ECU14は、基準気筒2のクランク角加速度dω0/dt0に対する他の気筒2のクランク角加速度dω/dtの比R(=(dω0/dt0)/(dω/dt))を算出し、その比Rに所定の係数Bを乗算した値(=B・R)を基準気筒2の実図示トルクTiに乗算した値(=B・R・Ti)を他の気筒2の実図示トルクTiと推定する。
このようにして各気筒2の実図示トルクTiが求められると、ECU14は、前述した実施例1と同様の方法によって各気筒2の燃料噴射系の異常を診断する。
以下、本実施例における異常診断制御について図3に沿って説明する。図3は、本実施例における異常診断制御ルーチンを示すフローチャートである。
異常診断制御ルーチンにおいて、ECU14は、先ずS201において機関運転状態が所定運転状態にあるか否かを判別する。このS201の処理は第1の実施例のS101と同様である。
前記S201において否定判定された場合はECU14は本ルーチンの実行を終了する。前記S201において肯定判定された場合はECU14はS202へ進む。
S202では、ECU14は、筒内圧センサ7の出力信号から基準気筒2の実図示トルクTiを演算する。この演算方法は第1の実施例と同様である。
S203では、ECU14は、基準気筒2の実図示トルクTiの演算対象となったサイクルにおいて、クランクポジションセンサ9がパルス信号を出力する間隔(クランク角度、および時間)に基づいて全ての気筒2のクランク角加速度dω/dtを演算する。
S204では、ECU14は、前記S202で演算された基準気筒2の実図示トルクTi、および前記S203で演算された全気筒2のクランク角加速度dω/dtに基づいて他の気筒2の実図示トルクTiを推定する。
例えば、ECU14は、前述したように、基準気筒2のクランク角加速度dω0/dt0と他の気筒2のクランク角加速度dω/dtの相対差もしくは相対比を求め、その相対差または相対比と基準気筒2の実図示トルクTiとに基づいて他の気筒2の実図示トルクTiを推定する。
S205〜S209は、第1の実施例の異常診断ルーチン(図2)のS103〜S107と同様である。
このようにして異常診断制御が実施されると、筒内圧センサが全ての気筒2に設けられ
ていない場合であっても、実図示トルクTiをパラメータとした異常診断を行うことが可能となる。
ていない場合であっても、実図示トルクTiをパラメータとした異常診断を行うことが可能となる。
従って、本実施例によれば、一つの気筒2に筒内圧センサを設けることによって全ての気筒2の燃料噴射系の異常を診断することが可能となるため、コストを低減させることが可能となる。
次に、本発明の第3の実施例について図4〜図5に基づいて説明する。前述した第1及び第2の実施例では、目標軸トルクTetに機械損失トルクTtqを加算して目標図示トルクTitを求めている。
その際、機械損失トルクTtqは、冷却水温度と機関回転数と機械損失トルクTtqの関係を規定したマップ(以下、機械損失マップと称する)によって求められるが、機械損失トルクTtqは内燃機関1を構成する部品の摩耗(経時変化)や、潤滑油の劣化(粘度などの変化)等によってその特性が変化する。
上記したような機械損失トルクTtqの特性変化が生じると、水温や機関回転数と機械損失トルクTtqとの相関も変化するため、上記した機械損失マップから正確な機械損失トルクTtqを求めることが困難となる。その結果、目標燃料噴射量と目標図示トルクTitの相関関係が乱れ、正確な異常診断を行うことが難しくなる可能性がある。
そこで、本実施例では、異常診断を行う前に、実際の機械損失トルクを求め、その実測値と機械損失マップの機械損失トルク(以下では、機械損失トルクの実測値をTtqと記し、機械損失マップにより規定された機械損失トルクをTrq0と記す)との偏差に基づいて機械損失マップを更新するようにした。
図4は、本実施例における異常診断制御ルーチンを示すフローチャートである。この異常診断制御ルーチンでは、ECU14は、先ずS301において、機械損失マップ補正処理を実行する。この機械損失マップ補正処理では、ECU14は、図5に示すサブルーチン(機械損失マップ補正ルーチン)を実行する。
図5の機械損失マップ補正ルーチンでは、ECU14は、先ずS401において内燃機関1が無負荷運転状態にあるか否かを判別する。ここでいう無負荷運転状態とは、内燃機関1と駆動系の動力伝達が遮断されている状態、停車アイドル運転状態、あるいは始動時のクランキング状態などのように、車輪の回転変動等による路面側からの負荷が内燃機関1へ入力されない状態である。
前記S401において否定判定された場合は、ECU14は本ルーチンの実行を終了する。前記S401において肯定判定あれた場合は、ECU14はS402へ進む。S402では、ECU14は、所定の気筒2についてフューエルカットを行う。全ての気筒2に筒内圧センサ7が設けられている場合には何れの気筒2を所定気筒2として設定してもよいが、筒内圧センサ7が基準気筒2のみに設けられている場合には基準気筒2を所定気筒2として設定する。
S403では、ECU14は、フューエルカットされた気筒2の図示トルクTiを演算する。この演算方法は、前述した第1及び第2の実施例と同様に、筒内圧センサ7の出力信号から図示平均有効圧力Piを求め、図示平均有効圧力Piを実図示トルクTiへ換算する。
S404では、ECU14は、図示平均有効圧力Piの測定時(所定気筒2の膨張行程時)におけるクランク角加速度dω/dtを演算する。すなわち、ECU14は、所定気筒2の膨張行程時に、実図示トルクTiとクランク角加速度dω/dtの演算を略同時に行う。
S405では、ECU14は、前記実図示トルクTiと前記クランク角加速度dω/dtを下記の式へ代入することにより、実際の機械損失トルクTtqを演算する。
Ttq=Ti−J・(dω/dt)−Tl
上記のJは内燃機関1を構成する部材のうち燃料の燃焼等によって運動する部材(例えば、ピストンやコンロッド等)の慣性モーメントである。この慣性モーメントJは、内燃機関1の設計段階で特定することができるため、予めROMなどに記憶させておくことができる。また、上記のTlは路面側から内燃機関1へ入力される負荷であるが、無負荷運転状態のときは“0”となるため、上記の式はTtq=Ti−J(dω/dt)となる。
従って、S405では、実図示トルクTiとクランク角加速度dω/dtが特定されれば、実際の機械損失トルクTtqを算出することが可能となる。
S406では、ECU14は、実図示トルクTi及びクランク角加速度dω/dtを演算したときの冷却水温度及び機関回転数をパラメータとして、機械損失マップから機械損失トルクTtq0を算出する。
S407では、ECU14は、前記S305で算出された実機械損失トルクTtqと前記S406で算出された機械損失トルクTtq0とが等しいか否かを判別する。
前記S407において前記実機械損失トルクTtqと前記機械損失トルクTtq0が等しいと判定された場合は、ECU14は、S408をスキップして本ルーチンの実行を終了する。
前記S407において前記実機械損失トルクTtqと前記機械損失トルクTtq0が等しくないと判定された場合は、ECU14は、S408へ進み、前記実機械損失トルクTtqと前記機械損失トルクTtq0の偏差に基づいて機械損失マップを更新する。例えば、ECU14は、前記機械損失マップに規定されている機械損失トルクTtq0の値を前記偏差の分だけオフセットさせるようにしてもよい。
ここで図4の異常診断制御ルーチンに戻り、ECU14は、S302〜S308の処理を実行する。S302〜S308の処理は第1の実施例における異常診断制御ルーチン(図2)のS101〜S107と同様であるが、S304で目標図示トルクTitが演算される際には前記S301にて補正された機械損失マップが用いることになるため、機械損失の特性変化が生じた場合であっても、現状の内燃機関1の運転状態に適した目標図示トルクTitが算出されるようになる。
尚、筒内圧センサ7が基準気筒2のみに設けられている場合には、S302以降の処理を第2の実施例における異常診断制御ルーチン(図3)のS201〜S209に置き換えればよい。その場合も目標図示トルクTitは現状の機械損失トルクTtqに基づいて算出されることになる。
以上述べた実施例によれば、内燃機関1の機械損失トルクが変化した場合であっても、現状の機関損失トルクの大きさに応じて目標図示トルクTitが設定されるため、実図示
トルクTiを演算したときの内燃機関1の状態(機械損失トルクTtqの大きさ)に対して目標図示トルクTitが適当な値となる。
トルクTiを演算したときの内燃機関1の状態(機械損失トルクTtqの大きさ)に対して目標図示トルクTitが適当な値となる。
従って、機械損失の特性が変化した場合であっても、異常診断の精度低下を防止することができる。
以下、本発明の第4の実施例について図6に基づいて説明する。前述した第1〜第3の実施例では、実図示トルクTiと目標図示トルクTitの偏差△Tiが所定値A以上となる気筒2が検出された場合には、直ちに燃料噴射系が異常であると判定する例について述べたが、本実施例では上記の偏差△Tiを小さくすべく目標燃料噴射量を補正し、補正後の目標燃料噴射量が反映された状態で再度偏差△Tiを求め、その偏差△Tiが所定値A以上であれば、燃料噴射系が異常であると判定する例について述べる。
図6は、本実施例における異常診断制御ルーチンを示すフローチャートである。この異常診断制御ルーチンのS501〜S504は、第3の実施例の異常診断制御ルーチン(図4)のS301〜S304と同様である。尚、S502〜S504の処理は、第2の実施例の異常診断制御ルーチン(図3)のS201〜S205へ置き換えてもよい。
S505では、ECU14は、前記S504で算出された目標図示トルクTit1から前記S503で算出された実図示トルクTi1を減算して各気筒2毎に偏差△Tinを算出する。
S506では、前記偏差△Tinに基づいて目標燃料噴射量を補正する。その際、目標燃料噴射量を規定するマップ(以下、目標燃料噴射量マップと称する)は全気筒2によって共有される一つのマップであるため、気筒2の偏差△Tinが均一であれば△Tinに相当する燃料噴射量によって目標燃料噴射量マップを補正すればよいが、全気筒2の偏差△Tinが均一ではない場合も考えられる。
全気筒2の偏差△Tinが均一ではない場合に、最も大きな偏差△Tinに基づいて目標燃料噴射量マップが補正されると、偏差△Tinが小さい気筒2の実図示トルクTiや実際の燃料噴射量が目標値から大きくかけ離れてしまい、排気エミッションの悪化や気筒2間のトルク変動などが助長される可能性もある。
これに対し、(1)最も小さな偏差△Tinに基づいて目標燃料噴射量を補正する、(2)全気筒2の偏差△Tinの平均値に基づいて目標燃料噴射量を補正する、(3)目標燃料噴射量の補正量に上限値を設ける等の方法を採ることにより、過補正を防止することが好ましい。
また、全気筒2に筒内圧センサ7が設けられている場合には筒内圧センサ7の検出精度のばらつきや応答性のばらつき等に起因した検出誤差が生じる可能性があり、また基準気筒2のみに筒内圧センサ7が設けられている場合にはクランク角加速度dω/dtの検出精度のばらつき等による検出誤差が生じる可能性がある。そのような場合に、偏差△Tinに相当する燃料噴射量で目標燃料噴射量マップが補正されると、実際の燃料噴射量と目標燃料噴射量の偏差が助長される可能性がある。
これに対し、偏差△Tiから所定量を減算した値(例えば、偏差△Tiに1未満の係数を乗算して得られる値)に基づいて目標燃料噴射量マップを補正することにより、検出誤差に起因した過補正を防止することができる。
一方、目標燃料噴射量マップが補正されると、目標燃料噴射量をパラメータとして制御されるEGR弁13の目標EGR弁開度も補正する必要がある。補正後の目標燃料噴射量マップに規定される目標燃料噴射量は実際の燃料噴射量とは異なるため、そのような目標燃料噴射量をパラメータとして目標EGR弁開度が決定されると、EGR弁13の開度が実際の燃料噴射量に対して不適切な開度となる。その結果、内燃機関1の燃焼状態が悪化したり、排気エミッションが悪化等の不具合を生じる可能性がある。
従って、目標EGR弁開度のパラメータとなる目標燃料噴射量は、目標燃料噴射量マップに規定された目標燃料噴射量とは異なる値、すなわち実際の燃料噴射量と同等の値に設定されることが好ましい。
具体的には、下記の式に基づいて目標EGR弁開度のパラメータとなる目標燃料噴射量が決定される。
Qegr=Qold−Q(△Tin)+△Q
上記のQegrは目標EGR弁開度のパラメータとなる目標燃料噴射量、Qoldは補正前の目標燃料噴射量、Q(△Tin)は偏差△Tinを燃料噴射量に換算した量、△Qは目標燃料噴射量マップの補正量を各々示している。
上記の式に従って定められた目標燃料噴射量Qegrは実際の燃料噴射量と同等となるため、そのような目標燃料噴射量Qegrをパラメータとして目標EGR弁開度が決定されれば、EGR弁13の開度が実際の燃料噴射量に適した開度となる。
ここで図6の異常診断制御ルーチンに戻り、前記S506において目標燃料噴射量及び目標EGR弁開度が補正されると、ECU14はS507へ進み、前記S503及び前記S504と同様の手順によって目標図示トルクTit2及び各気筒2の実図示トルクTi2を再度演算する。すなわち、補正後の目標燃料噴射量及び目標EGR弁開度が反映された状態で目標図示トルクTit2及び各気筒2の実図示トルクTi2を演算する。
S508以降では、ECU14は、前記S507で算出された目標図示トルクTit2及び実図示トルクTi2に基づいて燃料噴射系の異常診断を行う。S508以降の処理は、第1の実施例の異常診断制御ルーチン(図2)におけるS104以降の処理と同様である。
以上述べた異常診断制御によれば、目標燃料噴射量と実燃料噴射量との偏差を可能な限り補正した上で異常診断が行われることになるため、微細な異常であれば補正によって排気エミッションの悪化やドライバビリティの悪化を抑制することが可能になるとともに、目標燃料噴射と実燃料噴射量との偏差が過大な異常を確実に検出することが可能となる。
1・・・・・内燃機関
2・・・・・気筒(シリンダ)
6・・・・・燃料噴射弁
7・・・・・筒内圧センサ
9・・・・・クランクポジションセンサ
12・・・・EGR通路
13・・・・EGR弁
14・・・・ECU
2・・・・・気筒(シリンダ)
6・・・・・燃料噴射弁
7・・・・・筒内圧センサ
9・・・・・クランクポジションセンサ
12・・・・EGR通路
13・・・・EGR弁
14・・・・ECU
Claims (7)
- 気筒内の圧力を検出する筒内圧センサと、
気筒内で燃料が燃焼することによって実際に発生した燃焼トルクを筒内圧センサの出力に基づいて演算する実燃焼トルク演算手段と、
実燃焼トルクが予め定められた基準値に対して所定値以上大きい又は小さい場合に内燃機関の燃料噴射系が異常であると診断する異常診断手段と、
を備えることを特徴とする燃料噴射系の異常診断装置。 - 請求項1において、前記実燃焼トルク演算手段は気筒毎に実燃焼トルクを演算し、前記異常診断手段は気筒毎に実燃焼トルクと基準値とを比較することにより燃料噴射系の異常を気筒別に診断することを特徴とする燃料噴射系の異常診断装置。
- 請求項2において、前記内燃機関のクランク角加速度を演算する角加速度演算手段を更に備え、
前記筒内圧センサは前記内燃機関の複数の気筒の一部に設けられ、
前記角加速度演算手段は前記複数気筒の各々の膨張行程時におけるクランク角加速度を演算し、
前記実燃焼トルク演算手段は、前記一部の気筒の筒内圧センサの出力に基づいて該一部の気筒の実燃焼トルクを演算するとともに、前記一部の気筒のクランク角加速度と他の気筒のクランク角加速度の相対関係及び前記一部の気筒の実燃焼トルクに基づいて他の気筒の実燃焼トルクを推定することを特徴とする燃料噴射系の異常診断装置。 - 請求項1〜3の何れか一において、前記内燃機関の機械損失の変化を検出する損失変化検出手段と、
前記損失変化検出手段が検出した機械損失の変化に応じて前記基準値を補正する基準値補正手段と、
を更に備えることを特徴とする燃料噴射系の異常診断装置。 - 請求項4において、前記異常診断手段は、補正後の基準値と実燃焼トルクとを比較することにより燃料噴射系の異常を診断することを特徴とする燃料噴射系の異常診断装置。
- 請求項1〜5の何れか一において、実燃焼トルクと基準値との偏差に基づいて目標燃料噴射量を補正する目標燃料噴射量補正手段を更に備え、
前記異常診断手段は、目標燃料噴射量が補正された後に実燃焼トルクと基準値を比較し、両者の差が所定値以上であるときは燃料噴射系が異常であると診断することを特徴とする燃料噴射系の異常診断装置。 - 請求項6において、目標燃料噴射量をパラメータとして内燃機関の燃焼に影響を与える制御量を演算する制御量演算手段を更に備え、
制御量演算手段は、目標燃料噴射量が補正された後は、その補正量に応じて制御量を補正することを特徴とする燃料噴射系の異常診断装置。
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