JP5136342B2 - 内燃機関のオイル劣化判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のオイル劣化判定装置に関する。
フリクションと燃費の悪化度合との関係に基づいて、内燃機関の潤滑オイルの劣化を判定する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2007−211685号公報
近年、燃費低減のために、低粘度の潤滑オイルを用いる内燃機関が開発されている。低粘度のオイルを用いることによって油膜厚が薄くなり、フリクションが低下するので、燃費を向上させることができる。しかしながら、低粘度オイルを使用する内燃機関では、摩擦熱や高負荷高回転運転による熱劣化やブローバイガス、未燃燃料、凝縮水、すす等による希釈による劣化によって更にオイルの粘度が低下した場合に、油膜切れ状態となり易く、その場合フリクションが大幅に増大する虞がある。
従って、低粘度オイルを用いる内燃機関においては特に、オイルの劣化を正確に判定することが要求されている。ところが、上記従来技術では、フリクションの変化がピストンリングやシリンダライナー等の部品の異常に起因して生じている場合には、オイルの劣化を正確に判定することが難しかった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の潤滑オイルの劣化をより正確に判定可能な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の内燃機関のオイル劣化判定装置は、
内燃機関のフリクションを測定するフリクション測定手段と、
前記内燃機関の潤滑オイルが劣化した状態において異なるフリクション特性を示す少なくとも2種類の異なる運転条件の各々において、前記フリクション測定手段によって前記内燃機関のフリクションを測定し、当該測定されたフリクションの関係に基づいて前記内燃機関の潤滑オイルの劣化を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明は、潤滑オイルの劣化状態と内燃機関のフリクションとの関係が運転条件に依って異なる点に着目した。例えば、オイルの劣化によりフリクションが許容レベルを超えて大きくなり得る程度までオイルの粘度が低下している場合であっても、低温環境下にあっては高温環境下におけるよりもオイルの粘度が高くなるので、低温環境下ではオイルの劣化がフリクションの増大をもたらさない場合がある。フリクションの「所定の許容レベル」とは、燃費性能等の要求を満たすように予め適合により定められるフリクションの基準値である。
このように、オイルの劣化状態が同一であっても、運転条件に依って異なるフリクション特性を示す場合があるので、同一のオイル劣化状態において異なるフリクション特性を示す少なくとも2種類の異なる運転条件を予め定めておき、当該異なる運転条件のそれぞれにおいてフリクションを測定し、測定されたフリクションの関係に基づいてオイルの劣化を判定するようにすれば、オイルの劣化に起因しないフリクションの増大とオイルの劣
化に起因するフリクションの増大とを判別して、オイルの劣化を正確に判定することが可能となる。
例えば、ピストンリングやシリンダライナーといった内燃機関の部品の損傷に起因してもフリクションは増大する。よって、ある一つの運転条件におけるフリクションの増大に基づくだけでは、そのフリクションの増大がオイルの劣化に因るものか、内燃機関の異常に因るものか、判別できない場合があった。
この点、本発明によれば、オイルの劣化状態が同一であっても異なるフリクション特性を示す異なる運転条件におけるフリクションを測定する。もし、内燃機関に異常があれば、いずれの運転条件において測定した場合も、フリクションは許容レベルを超えた値となると考えられるが、内燃機関に異常が無く、且つオイルが劣化している場合には、ある運転条件で測定したフリクションと別の運転条件で測定したフリクションとは、許容レベルとの大小関係が異なる傾向を示すと考えられる。
このように、本発明によれば、オイルの劣化と内燃機関の異常とを峻別して正確に判定することが可能となる。
本発明において、「内燃機関の潤滑オイルが劣化した状態において異なるフリクション特性を示す少なくとも2種類の異なる運転条件」としては、所定の軽負荷運転状態と所定の高負荷運転状態とを例示できる。「所定の軽負荷運転状態」とは、オイル交換を行うべき所定の劣化の程度を超えてオイルが劣化した状態においても、許容レベルを超えるフリクションが内燃機関に生じることがないような運転状態である。「所定の高負荷運転状態」とは、オイル交換を行うべき所定の劣化の程度を超えてオイルが劣化した状態において、許容レベルを超えるフリクションが内燃機関に生じるような運転状態である。
そして、判定手段は、
前記内燃機関の所定の軽負荷運転状態において前記フリクション測定手段によって測定された軽負荷時フリクションと、
前記内燃機関の所定の高負荷運転状態において前記フリクション測定手段によって測定された高負荷時フリクションと、
の関係に基づいて、前記内燃機関の潤滑オイルの劣化を判定することができる。
上記構成では、オイルの粘度が内燃機関の負荷条件に依存する点に着目した。すなわち、軽負荷運転状態では内燃機関の温度は低温であり、オイルの粘度は比較的高い。一方、高負荷運転状態では内燃機関の温度は高温であり、オイルの粘度は比較的低い。そのため、劣化により、オイルの粘度が、許容レベルを超えるフリクションを内燃機関に生じせしめるほど低下している状態であったとしても、軽負荷運転状態においては低温条件下でのオイル粘度の上昇のために、許容レベルを超えるフリクションが計測されない場合がある。しかしながら、そのような場合であっても、高負荷運転状態においては劣化によるオイル粘度の低下による影響が顕著に現れて、許容レベルを超えるフリクションが計測される可能性が高い。
一方で、もし、ピストンリングやシリンダライナー等の部品に故障が生じている場合には、内燃機関の運転状態に依らず許容レベルを超えるフリクションが計測されると考えられる。
このように、オイルの粘度に有意な相異をもたらすような少なくとも2つの異なる負荷条件におけるフリクションを計測し、その計測結果に基づいてオイルの劣化判定を行うことによって、内燃機関の異常と峻別しつつより正確にオイルの劣化を判定することが可能
となる。
また、軽負荷運転状態におけるフリクションの計測値のみに基づいてオイル劣化を判定する従来の技術によっては、軽負荷運転状態における低温条件下で、実際には劣化しているにもかかわらずオイルの粘度が高くなっている場合には、オイル劣化は無いという誤判定をしてしまう可能性があった。
この点、本発明によれば、軽負荷運転状態におけるフリクションだけでなく高負荷運転状態におけるフリクションをも計測し、軽負荷運転状態におけるフリクションが許容レベル以下であっても、高負荷運転状態におけるフリクションが許容レベルより大きい場合には、オイルが劣化していると判定することができるので、上記のような誤判定をすることを抑制できる。
また、軽負荷運転状態におけるフリクションの計測値のみに基づいてオイル劣化を判定する従来の技術によっては、実際にはオイルが劣化していなくても、内燃機関の部品に損傷があると、フリクションが増大するため、そのフリクションの増大に基づいてオイル劣化が有るという誤判定をしてしまう可能性があった。この場合、当該誤判定に基づいてオイルを交換してもフリクションの増大は解消せず、そのことを以て内燃機関の異常判定が行われることになるため、結果的に不要なオイル交換が行われることになる。
この点、本発明によれば、軽負荷運転状態におけるフリクションだけでなく高負荷運転状態におけるフリクションをも計測し、軽負荷運転状態におけるフリクションも高負荷運転状態におけるフリクションもともに許容レベルを超えている場合には、そのフリクションの増大はオイル劣化に起因するものではなく内燃機関の異常に起因するものであると判定することができるので、上記のような誤判定をすることを抑制でき、オイル劣化が無く且つ内燃機関に異常がある、という状況を正確に判定することが可能となる。従って、無駄なオイル交換が行われることを抑制するとともに、より迅速に内燃機関の異常を検知することも可能となる。
本発明は、同一のオイルの劣化状態において、異なるフリクション特性を示すような少なくとも2種類の異なる運転状態の各々においてフリクションを測定し、その測定結果に基づいてオイル劣化と内燃機関の異常を判別することを特徴としており、フリクションの測定条件が2種である必要はないし、フリクション特性が異なるのであれば、測定条件の相異が内燃機関の負荷条件の相異である必要もない。
本発明により、内燃機関の潤滑オイルの劣化をより正確に判定することが可能になる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明を適用するエンジンとその吸気系及び排気系の概略構成を模式的に示す概念図である。
エンジン1は4つの気筒4を有するディーゼルエンジンである。各気筒4には筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁10が備えられている。各気筒4は図示しない吸気ポートを介して吸気マニホールド17に連通している。吸気マニホールド17は吸気通路2に接続
している。吸気通路2にはスロットル弁9、その上流側にインタークーラ6、その上流側にターボチャージャ13のコンプレッサ11、その上流側にエアフローメータ7が備えられている。一方、各気筒4は図示しない排気ポートを介して排気マニホールド18に連通している。排気マニホールド18は排気通路3に接続している。排気通路3にはターボチャージャ13のタービン12、その下流側に排気浄化装置8が備えられている。タービン12には可変ノズルベーン5が備えられている。
エンジン1には加速度センサ14及び回転変動計15が備えられている。また、各気筒4には筒内圧を測定する筒内圧センサ24が備えられている。更に、アクセルペダル22の開度を測定するアクセル開度センサ19、エンジン1が搭載された車両の車速を測定する車速センサ20、当該車両の傾きを測定する傾斜角度センサ21が備えられている。
エンジン1にはエンジン1の運転状態を制御するコンピュータユニットであるECU16が備えられている。ECU16は制御プログラムを実行するCPU、制御プログラムを格納したROM、測定データや演算結果を一時的に格納するRAM等を有する。ECU16には上述したエアフローメータ7、回転変動計15、筒内圧センサ24、アクセル開度センサ19、車速センサ20、傾斜角度センサ21の他、各種センサが接続され、それら各センサによる計測値がECU16に入力される。また、ECU16には上述した燃料噴射弁10、スロットル弁9、可変ノズルベーン5の他、各種機器が接続され、それら各機器の動作がECU16からの制御信号により制御される。
図2は、エンジン1の潤滑オイルの状態とフリクションとの関係を表した図である。図2において、横軸はオイルの粘度、エンジン1の回転速度、油膜厚等のオイル状態を表す。縦軸はフリクション(摩擦係数)を表す。図2に示すように、油膜厚が薄過ぎる領域(境界潤滑領域)においてフリクションが大幅に大きくなるが、ある程度油膜が厚い領域(流体潤滑領域)では、油膜厚が厚くなるほどフリクションが大きくなる。従って、油膜厚が最もフリクションの小さい領域(混合潤滑領域)になるような低粘度オイルを使用すると、燃費性能を向上させることができる。
そこで、本実施例のエンジン1は、潤滑オイルとして低粘度オイルを使用する。ところで、図2に示されるように、油膜厚が混合潤滑領域に含まれるような低粘度オイルを使用した場合、摩擦熱や高負荷高回転運転による熱劣化や、ブローバイガス、未燃燃料、凝縮水、すす等による希釈による劣化によって更にオイルの粘度が低下した場合に、容易に境界潤滑領域に入り易い。境界潤滑領域では、油膜切れ状態となり易く、フリクションが大きいため、燃費を低下させる要因となる。
そのため、オイルの劣化を正確に判定する必要がある。従来、潤滑オイルの劣化判定のためには、アイドル運転状態における燃料噴射量を測定し、これをオイル新品時におけるアイドル燃料噴射量と比較し、燃料噴射量がオイル新品時と比較して増加している場合に、オイルが劣化していると判定する方法が知られている。オイル劣化がアイドル運転時のフリクションの増大をもたらしたという考えに基づいている。
ところが、アイドル運転時のフリクション増大は、ピストンリングやシリンダライナーの損傷などといったエンジン1の異常や故障に起因しても生じる現象である。そのため、単にアイドル運転時のフリクション増大を検知したのみでは、それがオイル劣化に起因するものかエンジン異常に起因するものか判別することが難しい場合があった。エンジン異常時にオイル劣化と誤判定した場合には、本来不要なオイル交換が行われることになり、またエンジン異常の検知が遅れるという問題もある。
ここで、軽負荷運転状態においてはエンジン1の温度が低いため、低粘度オイルを使用
していても、混合潤滑領域ではなく流体潤滑領域における潤滑が行われる。そのため、オイル劣化により更にオイルの粘度が低下した場合に、通常の温度環境下であれば境界潤滑領域に入ってフリクションが増大するところ、流体潤滑領域から混合潤滑領域に入り、かえってフリクションが減少する。
すなわち、非劣化時において流体潤滑領域で潤滑が行われるような低温環境が実現される軽負荷運転状態と、非劣化時において混合潤滑領域で潤滑が行われるような高温環境が実現される高負荷運転状態とでは、オイル劣化時におけるフリクション特性の変化が異なる傾向を示す。
そこで、本実施例では、このようなオイル劣化時におけるフリクション特性の変化傾向が異なる2つの運転状態、具体的には、軽負荷運転状態と高負荷運転状態とにおいて、フリクションを計測し、それぞれの運転状態において計測されたフリクションの関係に基づいて、オイル劣化判定を行うこととした。
軽負荷運転状態におけるフリクション測定は、具体的には、減速燃料カット運転時に、トルクに影響しない微少量の燃料噴射を行い、その際の回転変動トルクを回転変動計15によって測定する。そして、微少量噴射量に対応する本来あるべきトルクと、測定された回転変動トルクに基づいて算出される実際のトルクとの差分を、軽負荷運転時のフリクションとして算出する。
また、高負荷運転状態におけるフリクション測定は、具体的には、加速過渡運転時に、ある所定時間(数秒)経過前後の車速変化を車速センサ20によって測定し、加速度とその間の燃料噴射量との関係から加速トルクを測定する。そして、加速時の燃料噴射量に対応する本来あるべきトルクと、測定された加速トルクに基づいて算出される実際のトルクとの差分を、高負荷運転時のフリクションとして算出する。
そして、軽負荷運転時のフリクション及び高負荷運転時のフリクションの両方がともに所定の許容レベル以下である場合には、オイル劣化は無いと判定する。
また、軽負荷運転時のフリクションが許容レベル以下であり、且つ、高負荷運転時のフリクションが許容レベルを超えている場合には、オイル劣化が有ると判定する。
更に、軽負荷運転時のフリクション及び高負荷運転時のフリクションの両方がともに許容レベルを超えている場合には、オイル劣化は無いがエンジン1に異常が有ると判定する。
このように、オイル劣化時のフリクション特性が異なる2つの運転条件において測定されたフリクションの関係を考慮することによって、オイル劣化とエンジン異常とを峻別することができるので、正確なオイル判定が可能となるとともに、エンジン異常の迅速な検知も可能となる。これにより、オイル劣化と誤判定されることによる不要なオイル交換を抑制することもできる。
なお、オイル劣化が有ると判定された場合には、境界潤滑が行われる可能性が高い高負荷高回転での運転を禁止する退避走行モードで運転を行うとともに、インパネ等の通知手段によってドライバーにオイル交換を促すようにしても良い。また、エンジン異常が検知された場合には、エンジン異常時の退避走行モードで運転を行うとともに、インパネ等の通知手段によってドライバーにエンジン異常を知らせるようにしても良い。
このような通知手段によってドライバーへの確実な通知を行うことによって、本実施例
のシステムによる正確なオイル劣化判定やエンジン異常検知を、ドライバーによる迅速な処置に結びつけることができる。
また、本実施例のシステムにおいては、各気筒4に筒内圧センサ24が備えられているので、上記軽負荷運転状態及び高負荷運転状態におけるフリクション測定に当たって、筒内圧センサ24による筒内圧の測定値に基づいて図示トルクを求め、当該図示トルクと、減速燃料カット微少量噴射時の回転変動トルクや加速過渡時の加速トルクといった実トルクと、の差として、フリクションを算出するようにしてもよい。図示トルクを用いることによって、より正確なフリクション測定を行うことが可能となる。
なお、図示トルクを用いたフリクション測定を行わない場合には、必ずしも筒内圧センサ24を備える必要はない。
また、本実施例のシステムにおいては、傾斜角度センサ21が備えられているので、上記軽負荷運転状態及び高負荷運転状態におけるフリクション測定に当たって、傾斜角度センサ21による測定値に基づいて、減速燃料カット微少量噴射時に測定される回転変動を補正したり、加速過渡時に測定される加速度を補正したりすることができる。
具体的には、例えば降坂時には、車両重量と傾斜角に応じた重力の作用によって、オイル劣化やエンジン異常とは異なる要因に起因して回転変動や加速度が大きい値にずれる傾向がある。従って、測定された回転変動や加速度を傾斜角度センサ21によって測定される傾斜角が大きいほど小さい値に補正する。
また、登坂時には、逆に、重力の作用によって、オイル劣化やエンジン異常とは異なる要因に起因して回転変動や加速度が小さい値にずれる傾向がある。従って、測定された回転変動や加速度を傾斜角度センサ21によって測定される傾斜角が大きいほど大きな値に補正する。
このようにして補正された回転変動や加速度を用いて計算された回転変動トルクや加速トルクに基づいて、実トルクを算出し、これに基づいてフリクションを計算するようにすれば、より正確にオイル劣化やエンジン異常に起因するフリクションを把握することが可能となる。
なお、傾斜角に基づいて回転変動や加速度を補正しない場合には、必ずしも傾斜角度センサ21を備える必要はない。
次に、本実施例のオイル劣化判定ルーチンについて、図3〜図5に基づいて説明する。図3〜図5は、本実施例のオイル劣化判定ルーチンを表すフローチャートである。
図3のステップS101において、ECU16は、減速燃料カット条件が成立したか否かを判定する。減速燃料カット条件が成立したと判定された場合(Yes)、ECU16はステップS102に進む。減速燃料カット条件が成立していないと判定された場合(No)、ECU16は図4のステップS106に進む。
ステップS102において、ECU16は、減速燃料カット制御を行う。
ステップS103において、ECU16は、減速燃料カット制御状態において、トルクに影響しない微少量の燃料噴射を行い、その際の回転変動を回転変動計15によって測定する。そしてその回転変動に基づいて回転変動トルクTLを算出する。
ステップS104において、ECU16は、前記微少量燃料噴射を行った時の筒内圧センサ24による計測値に基づいて図示トルクTL0を算出する。
ステップS105において、ECU16は、軽負荷運転時のフリクションTFLとして、ステップS103で求めた回転変動トルクTLとステップS104で求めた図示トルクTL0との差TL0−TLを算出する。
図4のステップS106において、ECU16は、加速要求があったか否かを判定する。加速要求があったと判定された場合(Yes)、ECU16はステップS107に進む。加速要求がないと判定された場合(No)、ECU16は本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS107において、ECU16は、要求トルクを出力すべく燃料噴射量を増量する加速制御を行う。
ステップS108において、ECU16は、加速制御に伴う車両の加速度を算出する。そして、算出した加速度に基づいて加速トルクTHを算出する。
ステップS109において、ECU16は、前記加速制御を行った時の筒内圧センサ24による計測値に基づいて図示トルクTH0を算出する。
ステップS110において、ECU16は、高負荷運転時のフリクションTFHとして、ステップS108で求めた加速トルクTHとステップS109で求めた図示トルクTH0との差TH0−THを算出する。
図5のステップS111において、ECU16は、ステップS105で求めた軽負荷運転時のフリクションTFL及びステップS110で求めた高負荷運転時のフリクションTFHと、フリクションの許容値TFthとの比較を行う。
軽負荷運転時のフリクションTFL及び高負荷運転時のフリクションTFHがともに許容値TFth以下である場合、ECU16はステップS112に進み、オイル劣化もエンジン異常も無いと判定する。
軽負荷運転時のフリクションTFLが許容値TFth以下で、且つ高負荷運転時のフリクションTFHが許容値TFthより大きい場合、ECU16はステップS113に進み、オイル劣化が有るがエンジン異常は無いと判定する。そのような判定をした場合、ECU16はステップS114に進み、ドライバーにオイル交換を促す表示を行うとともに、高負荷高回転の運転を禁止する退避走行モードに移行する。
軽負荷運転時のフリクションTFL及び高負荷運転時のフリクションTFHがともに許容値TFthより大きい場合、ECU16はステップS115に進み、オイル劣化は無いがエンジン異常が有ると判定する。そのような判定をした場合、ECU16はステップS116に進み、ドライバーにエンジン異常を知らせる表示を行うとともに、エンジン異常時の退避走行モードに移行する。
以上のルーチンに従ってオイルの劣化判定を行うことにより、オイルの劣化とエンジン異常とを区別して判定することが可能となるので、オイルが劣化していない状況でのエンジン異常時に不要なオイル交換をしてしまったり、逆にエンジン異常時にオイル劣化と誤判定することによるエンジン異常検知に遅れが生じたりすることを好適に抑制することが可能となる。
そして、オイル劣化検知を正確に行えることにより、潤滑オイルとして低粘度オイルを用いた場合であっても、オイル劣化による燃費悪化等の不具合が起こることを確実に抑制することが可能となる。従って、低粘度オイルを使用することによる燃費向上効果をより確実に享受することが可能となる。
なお、以上述べた実施例は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施例には種々の変更を加え得る。例えば、本実施例では4
気筒ディーゼルエンジンに本発明を適用した例について説明したが、気筒数の異なるエンジンやガソリンエンジンにも好適に適用することができる。
実施例におけるエンジンの吸気系及び排気系の概略構成を示す図である。 潤滑オイルの状態とフリクションとの関係を示す図である。 実施例におけるオイル劣化判定ルーチンを表すフローチャートである。 実施例におけるオイル劣化判定ルーチンを表すフローチャートである。 実施例におけるオイル劣化判定ルーチンを表すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 吸気通路
3 排気通路
4 気筒
5 可変ノズルベーン
6 インタークーラ
7 エアフローメータ
8 排気浄化装置
9 スロットル弁
10 燃料噴射弁
11 コンプレッサ
12 タービン
13 ターボチャージャ
14 加速度センサ
15 回転変動計
16 ECU
17 吸気マニホールド
18 排気マニホールド
19 アクセル開度センサ
20 車速センサ
21 傾斜角度センサ
22 アクセルペダル
24 筒内圧センサ

Claims (2)

  1. 内燃機関のフリクションを測定するフリクション測定手段と、
    前記内燃機関の所定の軽負荷運転状態において前記フリクション測定手段によって測定された軽負荷時フリクションが所定の許容レベル以下であり、且つ、前記内燃機関の所定の高負荷運転状態において前記フリクション測定手段によって測定された高負荷時フリクションが所定の許容レベルより大きい場合に、前記内燃機関の潤滑オイルが劣化していると判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関のオイル劣化判定装置。
  2. 内燃機関のフリクションを測定するフリクション測定手段と、
    前記内燃機関の所定の軽負荷運転状態において前記フリクション測定手段によって測定された軽負荷時フリクションが所定の許容レベルより大きく、且つ、前記内燃機関の所定の高負荷運転状態において前記フリクション測定手段によって測定された高負荷時フリクションが所定の許容レベルより大きい場合に、前記内燃機関の潤滑オイルに劣化はなく、且つ前記内燃機関に異常があると判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関のオイル劣化判定装置。
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