JP2007032479A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内燃機関の始動時に運転状態を最適に制御すること。
【解決手段】 内燃機関10の吸気通路に設けられた電子スロットル弁22と、内燃機関10のクランク角位置を検出するクランク角センサ38と、機関始動後、所定のクランク角位置で吸入空気制御弁を閉じる閉弁手段と、を備える。機関始動後、所定のクランク角位置で電子スロットル弁22を閉じるため、始動毎に吸入空気の挙動にばらつきが生じてしまうことを抑止できる。従って、始動毎に燃焼状態にばらつきが生じることを抑止でき、機関始動性、排気エミッション、ドライバビリティを向上することができる。
【選択図】 図3

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特開2000−257480号公報には、電子スロットル弁を備えた内燃機関において、イグニッションスイッチをオン(ON)にした時点で電子スロットル弁の開度を全閉にし、空燃比のばらつきを抑えるようにした技術が開示されている。
特開2000−257480号公報 特開2000−220495号公報
しかしながら、機関停止時のクランク軸の角度位置(気筒停止位置)は機関を停止する毎に異なるため、イグニッションスイッチをオンにした時点のクランク軸の角度位置は始動毎に異なる。このため、イグニッションスイッチをオンにした時点で電子スロットル弁の開度を全閉にすると、機関停止時のクランク軸の角度位置に応じて、始動後の吸入空気の挙動が相違してしまうという問題が発生する。
図7は、イグニッションスイッチをオンにした時点で電子スロットル弁の開度を全閉にした場合の吸気管圧力の挙動を示す特性図であって、機関停止時のクランク軸の角度位置が異なる場合の2つの特性を示している。図7において、横軸はクランク角を、縦軸は吸気管圧力を示している。図7の特性は4気筒の機関の特性を例示しており、横軸に示すTDC(上死点)、BDC(下死点)の位置は、4気筒のうちの所定の1気筒のTDC、BDCの位置を示している。
図7において、破線の特性は、機関停止時のクランク軸の角度位置がθ11の場合を示している。破線の特性は、クランク角θ11の位置でイグニッションスイッチをオンとし、同時に電子スロットル弁の開度を全閉にした場合の吸気管圧力の挙動を示している。
また、一点鎖線の特性は、機関停止時のクランク軸の角度位置がθ12の場合を示している。一点鎖線の特性は、クランク角θ12の位置でイグニッションスイッチをオンとし、同時に電子スロットル弁の開度を全閉にした場合の吸気管圧力の挙動を示している。
図7に示すように、吸気管圧力の挙動は電子スロットル弁を閉じたクランク角位置に応じて相違し、一点鎖線の特性に比べて破線の特性の方がより早く吸気管圧力が低下する。例えば、クランク角がθ13となった時点では、破線の特性の吸気管圧力は一点鎖線の特性の吸気管圧力に比べて低下している。
このように、イグニッションスイッチをオンにした時点で電子スロットル弁を閉じた場合、機関停止時のクランク角位置が異なると、その後の吸気管圧力の挙動が相違してしまうという問題が生じる。この場合、所定のクランク角位置における吸気管圧力が始動毎に異なることとなり、筒内への吸入空気量にばらつきが生じてしまう。一方、燃料噴射量はこのような吸入空気量のばらつきを考慮することなく一定値に制御されるため、始動時の空燃比を最適に制御することは困難である。これにより、始動時に燃焼のばらつきが生じ、機関の始動性の低下、ドライバビリティの悪化、排気エミッションの悪化などの問題が発生する。
更に、始動時に電子スロットル弁を閉じた後、開度をアイドリング回転数に基づいて制御する方法では、スロットルデポの増加、フリクションの変動などの経年変化、内燃機関の機差などの外乱に応じて制御を変更することができない。このため、これらの要因によってクランク軸の角加速度にばらつきが生じ、燃焼状態、ドライバビリティが悪化する場合がある。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、内燃機関の始動時に運転状態を最適に制御することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の吸気通路に設けられた吸入空気制御弁と、内燃機関のクランク角位置を検出する検出手段と、機関始動後、所定のクランク角位置で前記吸入空気制御弁を閉じる閉弁手段と、を備えたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、内燃機関のクランク軸の角加速度を取得する角加速度取得手段と、前記角加速度に基づいて、前記吸入空気制御弁を閉じた際の開度を制御する開度制御手段と、を更に備えたことを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、前記開度制御手段は、始動時の前記角加速度に基づいて前記開度の補正値を学習する補正値学習手段を含み、学習した前記補正値に基づいて前記開度を制御することを特徴とする。
第1の発明によれば、機関始動後、所定のクランク角位置で吸入空気制御弁を閉じるため、始動毎に吸入空気の挙動にばらつきが生じてしまうことを抑止できる。従って、始動毎に燃焼状態にばらつきが生じることを抑止でき、機関始動性、排気エミッション、ドライバビリティを向上することができる。
第2の発明によれば、クランク軸の角加速度に基づいて吸入空気制御弁を閉じた際の開度を制御するため、始動毎に角加速度を均一にする制御が可能となる。
第3の発明によれば、始動毎の角加速度に基づいて吸入空気制御弁の開度の補正値を学習し、学習した補正値に基づいて開度を制御するため、機差、経年変化等の外乱による影響を排除することができ、始動毎の角加速度のばらつきを確実に抑えることができる。
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置及びその周辺の構造を説明するための図である。内燃機関10には吸気通路12および排気通路14が連通している。吸気通路12は、上流側の端部にエアフィルタ16を備えている。エアフィルタ16には、吸気温THA(すなわち外気温)を検出する吸気温センサ18が組みつけられている。また、排気通路14には排気浄化触媒32が配置されている。
エアフィルタ16の下流には、エアフロメータ20が配置されている。エアフロメータ20の下流には、電子スロットル弁22が設けられている。電子スロットル弁22の軸の一端には、電子スロットル弁22を駆動するアクチュエータであるスロットルモータ24設けられており、他端には電子スロットル弁22の開度を検出するスロットル開度センサ26が設けられている。電子スロットル弁22は、アクセル開度センサによって検出されたアクセル開度および機関に取り付けられた電子制御機器の各制御信号等から決定されたスロットル開度指令値に基づいて、スロットルモータ24によって開閉駆動されるものである。
電子スロットル弁22の下流には、サージタンク28が設けられている。また、サージタンク28の更に下流には、内燃機関10の吸気ポートに燃料を噴射するための燃料噴射弁30が配置されている。
内燃機関10は、吸気バルブ36および排気バルブ38を備えている。吸気バルブ36には、吸気バルブ36のリフト量、及び/又は作用角を可変するための可変動弁機構(VVT; Variable Valve Timing)44が接続されている。また、燃焼室内に噴霧された燃料に点火するため、内燃機関10の筒内には点火プラグが設けられている。更に、筒内には、その内部を往復運動するピストン34が設けられている。また、内燃機関10には、冷却水温を検出する水温センサ42が取り付けられている。
ピストン34には、その往復運動によって回転駆動されるクランク軸46が連結されている。車両駆動系と補機類(エアコンのコンプレッサ、オルタネータ、トルクコンバータ、パワーステアリングのポンプ等)は、このクランク軸46の回転トルクによって駆動される。クランク軸46の近傍には、クランク軸46の回転角を検出するためのクランク角センサ38が取り付けられている。
図1に示すように、本実施形態の制御装置はECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40には、上述した各種センサに加え、ノッキングの発生を検知するKCSセンサや、車速、機関回転数、排気温度、潤滑油温度、触媒床温度などを検出するための各種センサ(不図示)が接続されている。また、ECU40には、上述したスロットルモータ24、燃料噴射弁30、可変動弁機構44などの各アクチュエータが接続されている。
このように構成された本実施形態のシステムでは、内燃機関10の始動時に電子スロットル弁22を閉じる制御が行われる。これにより、燃料の霧化を促進することができ、気筒間の空燃比のばらつきを抑えることができるため、始動性を良好にすることができる。また、始動時に電子スロットル弁22を閉じると、吸気管圧力を早く低下させることができるため、早期に定常状態にすることができ、燃料噴射量、空燃比の制御性を高めることができる。
ところで、イグニッションスイッチをオンにすると同時に電子スロットル弁22を閉じると、図7で説明したように始動の度に筒内への吸入空気量が相違してしまい、燃焼状態にばらつきが発生する。
このため、本実施形態では、電子スロットル弁22を閉じるクランク角位置が常に同一となるように制御を行う。図2は、始動直後の吸気管圧力の挙動を示す特性図であって、横軸はクランク角を、縦軸は吸気管圧力を示している。図2の特性は4気筒の機関の特性を例示しており、横軸に示すTDC(上死点)、BDC(下死点)の位置は、4気筒のうちの所定の1気筒(ここでは#1気筒とする)のTDC、BDCの位置を示している。
図2に示すように、本実施形態では、イグニッションスイッチをオンにしてクランキングを開始した後、クランク角がθ1となった際に電子スロットル弁22を閉じるようにしている。ここでは、クランク角θ1の位置を#1気筒のBDCの位置としているが、電子スロットル弁22を閉じるクランク角位置は任意の位置に設定できる。
これにより、内燃機関10の運転を停止した際の気筒停止位置が異なる場合であっても、始動時には、常に#1気筒がBDCとなるクランク角θ1の位置で電子スロットル弁22が閉じられる。従って、電子スロットル弁22を閉じた後の吸気管圧力の挙動にばらつきが生じてしまうことを確実に抑えることができる。
イグニッションスイッチをオンにしてからクランク角がθ1に到達するまでの間は、電子スロットル弁22の開度は吸気管圧力が低下しない程度に十分に開かれている。従って、電子スロットル弁22を閉じる以前においては、吸気の脈動に応じて吸気管圧力は周期的に変化するが、クランク角θ1の位置では、吸気管圧力は常に図2に示すP1となる。このため、クランク角θ1の位置で電子スロットル弁22を閉じることで、クランク角θ1以降の吸気管圧力の挙動を始動毎に毎回同じにすることができる。なお、電子スロットル弁22を閉じた際は、開度を全閉に設定しても良いし、全閉よりも開いた所定値に設定しても良い。なお、全閉の状態とは、電子スロットル弁22と吸気通路12の壁面が衝突した状態ではなく、両者の間に僅かに隙間が生じている状態である。従って、全閉時においても最小限の空気の流れは確保される。
従って、始動毎に筒内への吸入空気量にばらつきが生じてしまうことを抑止できる。これにより、初爆時および初爆以降の吸入空気量を始動毎に同一にすることができ、始動毎の空燃比のばらつきを確実に抑えることが可能となる。従って、始動時の燃焼状態を常に良好に保つことができ、機関始動性、排気エミッション、およびドライバビリティを向上することが可能になる。特に、始動時に1噴射毎の最適噴射制御等を行う精密噴射制御系において、この効果は顕著となる。
また、イグニッションスイッチをオンにしてからクランク角がθ1に到達するまでの間は、電子スロットル弁22が開かれているため、クランキングの際のポンピングロスの発生を抑えることができる。従って、セルモータの負荷を軽減することができ、システムの効率を高めることができる。
次に、図3のフローチャートに基づいて、本実施形態の装置における処理の手順を説明する。図3の処理は、所定時間毎に行われるものである。先ず、ステップS1では、イグニッションスイッチ(IG)がオンとされたか否か、すなわち機関の始動が行われたか否かを判定する。イグニッションスイッチがオンとされた場合は、ステップS2へ進む。一方、イグニッションスイッチがオンとされていない場合は、処理を終了する(RETURN)。
ステップS2では、クランク角位置が判明しているか否かを判定する。すなわち、ここでは、クランク角センサ38により、クランク軸46の回転位置(絶対位置)が判明しているか否かを判定する。クランク角位置が判明していない場合は、ステップS3へ進む。一方、クランク角位置が判明している場合は、ステップS5へ進む。
ステップS3へ進んだ場合は、イグニッションスイッチをオンにした後のクランク角位置が判明していないため、この段階では電子スロットル弁22を閉じるタイミングを指定することができない。従って、ステップS3では、電子スロットル閉フラグをオフ(OFF)とする。ここで、電子スロットル閉フラグは、電子スロットル弁22の開閉状態を示すフラグであり、電子スロットル弁22が閉じている場合はオン(ON)とされ、電子スロットル弁22が開いている場合はオフ(OFF)とされる。ステップS3の後はステップS4に進み、電子スロットル弁22の指示開度θを全開時の開度θ0とする。ここで、指示開度θは電子スロットル弁22の開度を表すパラメータであって、θが減少するほど電子スロットル弁22は閉じられる。これにより、電子スロットル弁22が全開状態となる。ステップS4の後は処理を終了する(RETURN)。
一方、ステップS2からステップS5へ進んだ場合は、ステップS5で電子スロットル閉フラグがオフ(OFF)であるか否かを判定し、電子スロットル閉フラグがオフ(OFF)の場合は、ステップS6へ進む。一方、電子スロットル閉フラグがオン(ON)の場合は、処理を終了する(RETURN)。
ステップS6へ進んだ場合、電子スロットル弁22が開かれているため、以降の処理では、所定のクランク角位置で電子スロットル弁22を閉じる制御を行う。先ず、ステップS6では、現在のクランク角位置が、電子スロットル弁22を閉じるクランク角位置に到達したか否かを判定する。ここで、電子スロットル弁22を閉じるクランク角位置は、例えば図2で説明したクランク角θ1の位置とされる。電子スロットル弁22を閉じるクランク角位置に到達している場合は、ステップS7へ進み、電子スロットル弁22の指示開度θを全閉時の開度θcとする。これにより、電子スロットル弁22が全閉状態となる。一方、ステップS6において、現在のクランク角位置が電子スロットル弁22を閉じるクランク角位置に到達していない場合は、処理を終了する(RETURN)。
ステップS7の後は、ステップS8へ進む。ステップS8では、電子スロットル閉フラグをオン(ON)とする。ステップS8の後は処理を終了する(RETURN)。
図3の処理によれば、イグニッションスイッチをオンにした後、クランク角位置を判別し、常に同じクランク角位置で電子スロットル弁22を閉じるため、始動毎に吸気管圧力の挙動にばらつきが生じてしまうことを確実に抑止することが可能となる。
以上説明したように実施の形態1によれば、イグニッションスイッチをオンにした後、常に同じクランク角位置で電子スロットル弁22を閉じるようにしたため、始動毎に筒内への吸入空気量にばらつきが生じてしまうことを抑止できる。従って、吸入空気量を始動毎に均一にすることができ、空燃比のばらつきを確実に抑えることが可能となる。これにより、始動毎に燃焼状態にばらつきが生じることを抑止でき、機関始動性、排気エミッションおよびドライバビリティを向上することができる。
なお、上述した説明では、電子スロットル弁22を閉じるクランク角θ1を初爆前のクランク角としているが、初爆以降に電子スロットル弁22を閉じても良い。この場合においても、吸気管圧力の挙動を始動毎に均一にすることができるため、始動毎の燃焼状態のばらつきを確実に抑えることが可能となる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2は、実施の形態1と同様の方法で始動後に電子スロットル弁22を閉じた際に、クランク軸46の角加速度が始動毎に一定となるように電子スロットル弁22の開度を制御するものである。
始動時のクランク角の角加速度は、電子スロットル弁22の開度が一定の場合であっても、内燃機関10の機差、経年変化等の外乱により変動する。例えば、内燃機関10の個体には機差があり、機関のフリクションは厳密な意味では機関毎に異なる。また、フリクションは筒内へのカーボンのデポ、磨耗などの要因で経年変化する。また、スロットルデポの変化によって、吸入空気量が変動する場合もある。従って、始動時に電子スロットル弁22を閉じて開度を所定値に設定した場合であっても、これらの外乱によってクランク軸46の角加速度は変動する。そして、始動毎に角加速度が変動すると、筒内の燃焼状態にばらつきが生じたり、排気エミッション、ドライバビリティが悪化するなどの影響が生じる。
このため実施の形態2では、始動毎にクランク軸46の角加速度を検出し、検出した角加速度に基づいて電子スロットル弁22の開度の補正値を学習するようにしている。そして、学習した補正値に基づいて、以降の始動時に電子スロットル弁22の開度を制御し、角加速度が目標値となるように制御を行う。これにより、機差、経年変化等の外乱が角加速度に与える影響を抑えることができ、始動時の角加速度を常に要求される値に高精度に制御することができる。この結果、始動性確保と排気エミッション低減のバランスを高い次元で実現することが可能となる。
以下、始動時に角加速度を算出する方法を説明する。図4は、クランク軸46の角加速度を求める方法を示す模式図である。ここでは、内燃機関10が4気筒の場合を例示する。本実施形態では、各気筒で爆発行程が行われるクランク角180°の区間において、TDCからBDCまでの区間でクランク軸46の角加速度の平均値を求める。
図4に示すように、本実施形態では、クランク軸46の回転の10°毎にクランク角センサ38からクランク角信号が検出される。
そして、各気筒において爆発行程が行われるクランク角180°の区間において、TDCとBDCの2ヶ所のクランク角位置で角速度ω(k),ω(k+1)をそれぞれ求め、同時にクランク軸46がTDCからBDCまで回転する時間Δt(k)を求める。
角速度ω(k)を求める際には、例えば図3に示すように、クランク角がTDCの位置から前後10°ずつ回転している間の時間Δt(k),Δt10(k)をクランク角センサ38から検出する。そして、時間Δt(k)+Δt10(k)の間にクランク軸46が20°回転しているため、ω(k)=(20/(Δt(k)+Δt10(k)))×(π/180)を演算することによってω(k)[rad/s]を算出できる。同様に、ω(k+1)を算出する際は、クランク角がBDCの位置から前後10°ずつ回転している間の時間Δt(k+1),Δt10(k+1)を検出する。そして、ω(k+1)=(20/(Δt(k+1)+Δt10(k+1)))×(π/180)を演算することによってω(k+1)[rad/s]を算出できる。
角速度ω(k),ω(k+1)を求めた後は、(ω(k+1)−ω(k))/Δt(k)を演算し、TDCからBDCまでクランク軸46が回転する間の角加速度の平均値を算出する。そして、実施の形態2では、算出した角加速度に基づいて電子スロットル弁22の開度を制御する。
以下、図5のフローチャートに基づいて実施の形態2の装置における処理の手順を説明する。先ず、ステップS11では、学習実行条件が成立しているか否かを判定する。ここで、学習実行条件は、イグニッションスイッチがオンとされ、且つ所定のクランク角位置で電子スロットル弁22が閉じられている条件である。ステップS11において、学習実行条件が成立している場合はステップS12へ進む。一方、学習実行条件が成立していない場合は、処理を終了する(RETURN)。
ステップS12では、クランク軸46の角加速度、電子スロットル弁22を閉じた際の開度、始動時の水温などのパラメータを取得する。ここで、クランク軸46の角加速度は、上述した方法によりクランク角センサ38の検出値から算出することができる。また、電子スロットル弁22の開度はスロットル開度センサ26から、始動時の水温は水温センサ42から求めることができる。
次のステップS13では、角加速度の処理値を算出する。ここで、角加速度の処理値は、平均角加速度を基準値で除算して得られる値であり、以下の式から算出される。
角加速度処理値=平均角加速度/基準値
上式において、平均角加速度は、例えば各気筒において始動後の1サイクル目の爆発行程で算出された角加速度の平均値である。また、基準値は、角加速度の目標値である。
次のステップS14では、ステップS13で算出した角加速度処理値に基づいて、電子スロットル弁22の開度の補正値をマップから取得する。図6は、ステップS14で用いられるマップを示す模式図である。図6のマップによれば、角加速度処理値が増加するほど電子スロットル弁22の開度の補正値は減少する。すなわち、基準値に対する平均角加速度の比率が大きくなるほど補正値の値は減少する。ステップS14の後は処理を終了する(RETURN)。
図5の処理で求められた電子スロットル弁22の開度の補正値は、次回の始動時において、電子スロットル弁22を閉じた際の指示開度θに乗算される。図5の処理によれば、始動毎の角加速度処理値に基づいて補正値を更新することができ、補正値を指示開度θに乗算することで、次回の始動時に角加速度を基準値に制御することが可能となる。
例えば、図6のマップによれば、角加速度処理値の値が基準値よりも大きくなるほど補正値の値が減少するため、補正値を指示開度θに乗算することで、前回の始動時よりも指示開度θを減少させることができる。そして、角加速度の挙動は電子スロットル弁22の開度(吸気管圧力の挙動)に応じて変化するため、指示開度θを減少させることで、前回の始動時よりも角加速度を低下させることができる。従って、電子スロットル弁22を閉じた際の開度を前回の始動時に学習した補正値に基づいて補正することで、始動毎の角加速度が常に基準値となるように制御することができる。
ところで、本実施形態のように角加速度の平均値をTDCからBDCまでの区間の平均値として求めると、往復慣性質量による慣性トルクTinertiaの変動をキャンセルした状態で角加速度を求めることができる。すなわち、内燃機関10の図示トルクTは以下の(1)式で表すことができる。
=Tgas+Tinertia ・・・(1)
(1)式において、図示トルクTは、エンジンの燃焼によってクランク軸46に発生するトルクである。(1)式の右辺において、Tgasはシリンダの筒内ガス圧によるトルク、Tinertiaはピストン34などの往復慣性質量による慣性トルクを示している。筒内ガス圧によるトルクTgasは、シリンダ内の混合気の燃焼によって発生するトルクであるため、筒内の燃焼状態を表すパラメータとなる。
筒内ガス圧によるトルクTgasは、爆発行程におけるクランク角180°の区間でTDCからBDCの間で急激に増加し、減少する。ここで、Tgasの急激な増加は、爆発工程で燃焼室内の混合気が爆発するためである。爆発後、Tgasは減少し、他の圧縮行程あるいは排気行程にある気筒の影響により、負の値を取る。そのクランク角がBDCに達するとシリンダの容積変化が0となり、これによってTgasは0の値を取る。
一方、往復慣性質量による慣性トルクTinertiaは、筒内ガス圧によるトルクTgasとはほとんどあるいは無視できるほど無関係に、ピストン34など往復運動する部材の慣性質量によって発生する慣性トルクである。往復運動する部材は加減速を繰り返しており、Tinertiaはクランクが回転していれば角速度一定の場合であっても常に発生する。クランク角がTDCの位置では往復運動する部材は停止しており、Tinertia=0である。クランク角がTDCからBDCに向かって進むと、往復運動する部材が停止状態から運動し始める。この際、これらの部材の慣性によってTinertiaは負の方向に増加する。クランク角が90°近傍に達した時点では、往復運動する部材が所定の速度で運動しているため、これらの部材の慣性によってクランク軸46が回転する。従って、TinertiaはTDCとBDCの間で負の値から正の値へ変わる。その後、クランク角がBDCまで到達すると往復運動する部材は停止し、Tinertia=0となる。
このため、TDCからBDCまでのクランク角180°の区間に着目すると、この区間での往復慣性質量による慣性トルクTinertiaの平均値は0となる。これは、往復慣性質量を有する部材が、クランク角0°〜90°近傍とクランク角90°近傍〜180°で反対の動きをするためである。従って、(1)式の各トルクをTDCからBDCまでの平均値として算出すると、往復慣性質量による慣性トルクTinertia=0として計算することができる。これにより、往復慣性質量による慣性トルクTinertiaが図示トルクTに与える影響を排除することができ、正確な燃焼状態を簡単に推定することが可能となる。
従って、TDCからBDCまでの区間でクランク軸46の角加速度の平均値を求めると、この区間でのTinertiaの平均値は0であるため、往復慣性質量が角加速度に与える影響を排除して角加速度を求めることができる。従って、燃焼状態のみに起因する角加速度を算出することができ、角加速度に基づいて正確に燃焼状態を推定することが可能となる。
そして、このようにして算出した角加速度に基づいて電子スロットル弁22の開度を制御し、始動毎の角加速度のばらつきを抑えることで、始動毎の燃焼状態のばらつきを確実に抑えることが可能となる。従って、始動毎に燃焼状態を均一にすることができ、機関始動性、排気エミッション、ドライバビリティを向上することが可能となる。
以上説明したように実施の形態2によれば、クランク軸46の角加速度に基づいて始動毎に電子スロットル弁22の開度の補正値を更新するため、更新した補正値を用いて電子スロットル弁22の開度を制御することで、始動毎にクランク軸46の角加速度が一定となるように制御を行うことができる。従って、機差、または経年変化等による外乱が生じた場合であっても、始動毎にクランク軸46の角加速度が常に一定となるように制御を行うことが可能となり、機関始動性、排気エミッション、およびドライバビリティを向上することが可能となる。
なお、上述した各実施形態では、吸入空気の挙動を決定する要素として電子スロットル弁22を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば吸気バルブ36を電磁駆動弁から構成し、吸気バルブ36の開閉により吸入空気を制御するシステムに適用することも可能である。
本発明の各実施形態に係る内燃機関の制御装置及びその周辺の構造を説明するための図である。 始動直後の吸気管圧力の挙動を示す特性図である。 実施の形態1の装置における処理の手順を示すフローチャートである。 クランク軸の角加速度を求める方法を示す模式図である。 実施の形態2の装置における処理の手順を示すフローチャートである。 図5のステップS14で用いられるマップを示す模式図である。 イグニッションスイッチをオンにした時点で電子スロットルの開度を全閉にした場合の吸気管圧力の挙動を示す特性図である。
符号の説明
10 内燃機関
22 電子スロットル弁
38 クランク角センサ
40 ECU

Claims (3)

  1. 内燃機関の吸気通路に設けられた吸入空気制御弁と、
    内燃機関のクランク角位置を検出する検出手段と、
    機関始動後、所定のクランク角位置で前記吸入空気制御弁を閉じる閉弁手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関のクランク軸の角加速度を取得する角加速度取得手段と、
    前記角加速度に基づいて、前記吸入空気制御弁を閉じた際の開度を制御する開度制御手段と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記開度制御手段は、
    始動時の前記角加速度に基づいて前記開度の補正値を学習する補正値学習手段を含み、
    学習した前記補正値に基づいて前記開度を制御することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
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