JP2005264812A - 内燃機関の回転角検出装置 - Google Patents

内燃機関の回転角検出装置 Download PDF

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文彦 佐藤
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光児 梶原
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Yoshimasa Takahashi
Takeshi Yamada
健 山田
Motomasa Iizuka
基正 飯塚
Hisao Tanabe
尚夫 田部
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Abstract

【課題】製造上の公差が原因の回転角の誤差を補正すること。
【解決手段】クランク角センサ15の出力信号に基づいて内燃機関1のクランクシャフト8の回転角度を検出する回転角検出手段18Aと、この回転角検出手段18Aにより検出される回転角度の誤差を補正する回転角補正手段18Bとを備え、この回転角補正手段18Bに、内燃機関1がフューエルカット状態のときにスロットルバルブ12を開かせるスロットル開度調節機能18B1と、フューエルカット状態で且つスロットルバルブ12が開いているときに取得したクランク角センサ15の出力信号に基づいて回転角度の誤差を所定のタイミングで補正する回転角度誤差補正機能18B2とを設けること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、クランクシャフトの回転角度やクランク角度位置を検出する内燃機関の回転角検出装置に関する。
内燃機関には、クランク角センサのクランク角度位置信号パルスに基づいて、クランクシャフトの回転角度やクランク角度位置を検出する回転角検出装置が設けられている。
ここで、内燃機関においては、その回転角検出装置により検出された回転角度やクランク角度位置の情報を用いて燃焼制御を行っている。例えば、その回転角度は機関回転数Neを算出する際に用いられ、そのクランク角度位置は燃料の噴射時期に用いられる。
更に、その回転角度を用いて算出された機関回転数Neは、ピストン−シリンダ間やジャーナル−軸受け間等で発生する摩擦トルクを求める際に利用される。即ち、その機関回転数Neや検出された水温に基づいて、水温と機関回転数をパラメータとする摩擦トルクマップから摩擦トルクが求められる。また、その機関回転数Neは回転変動量の算出にも用いられ、この回転変動量に基づいて失火の検出等が行われる。
このように、クランクシャフトの回転角度やクランク角度位置の情報は、内燃機関を制御する上で重要な情報である。
特開2003−172161号公報 特開平6−102283号公報 特開平10−331707号公報 特開2002−89345号公報
しかしながら、クランク角センサから送られてくるクランクシャフトの回転角度やクランク角度位置の情報には、クランクシャフトやクランク角センサ等の製造上の公差による誤差、これらが回転する際の振動の影響による誤差がある。
そのような誤差は、例えば算出される機関回転数Neの精度を悪化させ、後工程の失火検出精度等にも悪影響を与えてしまう等、一度でもクランクシャフトの回転角度やクランク角度位置の情報を利用する制御や演算の精度を悪化させるので好ましくない。
ここで、製造上の公差を原因とする回転角の誤差の検出は、クランクシャフトを等速回転させて行うことが好ましく、一般に、回転振動の影響が小さいフューエルカット状態で実施している。しかしながら、かかるフューエルカット状態においては、ポンピングロス等によるうねりが発生してクランクシャフトは等速回転にならない。また、クランクシャフトと駆動輪側との間にトルクコンバータが介在している自動変速機を搭載する車輌においては、慣性による駆動輪側からのトルクが直接クランクシャフトに伝達されず、これによっても等速回転にならない。これが為、製造上の公差による回転角の誤差よりも回転変動の方が大きくなってしまうので、その誤差の検出ができず、その誤差の補正を行うことができない。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、製造上の公差を原因とする回転角の誤差を補正し得る内燃機関の回転角検出装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、クランク角センサの出力信号に基づいて内燃機関のクランクシャフトの回転角度を検出する回転角検出手段と、この回転角検出手段により検出される回転角度の誤差を補正する回転角補正手段とを備えており、この回転角補正手段に、内燃機関がフューエルカット状態のときにスロットルバルブを開かせるスロットル開度調節機能と、フューエルカット状態で且つスロットルバルブが開いているときに取得したクランク角センサの出力信号に基づいて回転角度の誤差を所定のタイミングで補正する回転角度誤差補正機能とを設けている。
この請求項1記載の発明によれば、フューエルカット中にスロットルバルブが開かれるので、ポンピングロスが減少し、クランクシャフトの回転を安定させることができる。そして、これにより回転角度の誤差の検出が可能になり、その補正を行うことができる。
また、上記目的を達成する為、請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の内燃機関の回転角検出装置において、前記回転角補正手段のスロットル開度調節機能を、内燃機関が車輌減速時のフューエルカット状態のときに、アクセル開度に拘らずスロットルバルブを開かせるよう設定している。
この請求項2記載の発明によれば、クランクシャフトの回転をより安定させることができる。
また、上記目的を達成する為、請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2に記載の内燃機関の回転角検出装置において、前記回転角補正手段のスロットル開度調節機能を、スロットル開度をWOTにするよう設定している。
この請求項3記載の発明によれば、より確実にポンピングロスを減少させることができるので、クランクシャフトの回転をより確実に安定させることができる。
本発明に係る内燃機関の回転角検出装置は、クランクシャフトの回転が安定している状態において、回転変動の影響を受けずに製造上の公差による微小な誤差の補正を行うことができる。
以下に、本発明に係る回転角検出装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る回転角検出装置の実施例を図1から図11に基づいて説明する。
図1の符号1は、本発明に係る回転角検出装置による回転角検出対象の内燃機関を示す。この内燃機関1は、大別すると、シリンダヘッド2と、このシリンダヘッド2の下部にヘッドガスケット3を介してボルト等で締結されるシリンダブロック4と、このシリンダブロック4の下部にボルト等で締結されるクランクケースカバー5とで構成される。
ここで、この内燃機関1においては、上記シリンダブロック4内にピストン6やコネクティングロッド7が収納され、また、そのシリンダブロック4の下部とクランクケースカバー5とから形成されるクランクケース内にクランクシャフト8が収納されている。
また、シリンダヘッド2の下面とシリンダブロック4の内壁面とピストン6の頂面とにより囲まれた空間で燃焼室が構成され、この燃焼室には、シリンダヘッド2に形成された少なくとも二つの吸気ポート2aと少なくとも一つの排気ポート2bとが開口している(図1においては便宜上夫々一つのみを図示している)。
これら吸気ポート2a及び排気ポート2bには、夫々にその開口を開閉し得る吸気弁9及び排気弁10が設けられており、更に、その吸気ポート2aには、外部からの吸入空気を導く吸気流路11が連通して設けられている。また、この吸気流路11には、その吸入空気の燃焼室内への吸込量を調節するスロットルバルブ12が設けられている。
このスロットルバルブ12は、吸入空気の燃焼室内への吸込量を調節するバルブ主体12aと、このバルブ主体12aを駆動する(即ちバルブ開度を調節する)例えば電動モータ等のバルブ駆動手段12bを具備している。
更に、シリンダヘッド2には、図示しない少なくとも1本の点火プラグや燃料噴射装置が設けられている。尚、その燃料噴射装置は、吸気ポート2aに燃料を噴霧するものであってもよく、燃焼室内に直接噴霧するものであってもよい。
また、この内燃機関1には、図1に示す如く、エアクリーナ(図示略)通過後の吸入空気量信号を出力するエアフローメータ13,スロットルバルブ12のスロットル開度信号を出力するスロットル開度センサ14,クランクシャフト8のクランク角度位置信号パルスを出力するクランク角センサ(クランク角検出手段)15,冷却水温度信号を出力する水温センサ16,及び潤滑油温度信号を出力する油温センサ17等の各種センサが設けられている。
ここで、上記各種センサ13〜17は、夫々の信号を制御部たる図1に示すECU(電子制御ユニット)18に出力する。このECU18は、図示しないCPU(中央演算処理装置),所定の制御プログラム等を予め記憶しているROM(Read Only Memory),CPUの演算結果を一時記憶するRAM(Random Access Memory),予め用意された情報等を記憶するバックアップRAM等で構成されている。本実施例のECU18は、燃料噴射装置の噴射量等、内燃機関1を制御する為の機関制御機能を有すると共に、本発明に係る回転角検出装置としても機能する。
以下、本実施例の回転角検出装置について詳述する。
ECU(回転角検出装置)18は、図1に示す回転角検出手段18Aと回転角補正手段18Bとを備えている。
ここで、回転角検出手段18Aとは、クランク角センサ15から送られてきたクランク角度位置信号パルスに基づいて、クランクシャフト8の回転角度やクランク角度位置を検出するものである。ECU18は、例えば、そのクランク角度位置に基づいて燃料噴射装置に燃料を噴射させたり、その回転角度を用いて機関回転数Neの算出を行う。
また、回転角補正手段18Bとは、クランクシャフト8やクランク角センサ15等の製造上の公差により生じるクランクシャフト8の回転角度の誤差を補正するものであり、その補正値(後述する補正角度θmea)をECU18のバックアップRAMに格納して学習させるものである。上記回転角検出手段18Aは、その補正値に基づいて正確なクランクシャフト8の回転角度を算出し、内燃機関1の燃焼制御等に利用させる。
上記回転角補正手段18Bには、先ず、スロットルバルブ12を開かせるスロットル開度調節機能18B1が設けられている。このスロットル開度調節機能18B1は、バルブ駆動手段12bを制御することによりスロットルバルブ12を開かせる。
また、この回転角補正手段18Bには、クランクシャフト8等の製造上の公差により生じるクランク角度位置間における回転角度の誤差を補正する回転角度誤差補正機能18B2が設けられている。
この回転角度誤差補正機能18B2は、クランク角センサ15から送られてきたクランク角度位置信号パルスに基づいてそのクランク角度位置間の補正角度θmeaを算出し、ECU18のバックアップRAMに格納する。
ここで、本実施例のクランク角センサ15は、x°CA毎にクランク角度位置信号パルスの出力を行うものとする。これが為、この回転角度誤差補正機能18B2は、360°/x°箇所の補正角度θmeaを算出する。
また、その補正角度θmeaは、ECU18のROMに格納されている制御プログラム(下記の式1)に基づいて算出される。
θmea=θref*Tmea/Tref … (1)
この式1におけるθrefは、クランク角度位置間の基準角度である。ここでは、クランク角センサ15がx°CA毎にクランク角度位置信号パルスを出力するものであるので、その基準角度θrefは、x°である。
また、Tmeaは、クランク角度位置間の回転に要した実際の時間(実測所要時間)である。この実測所要時間Tmeaは、クランク角度位置信号パルスの間隔時間を計測することによって取得する。
また、Trefは、クランクシャフト8やクランク角センサ15等の製造上の公差が無く、これらが回転する際の振動の影響を受けない、とした場合におけるクランク角度位置間の回転に要する時間(推定所要時間)である。この推定所要時間Trefは、例えば、クランク角度位置信号パルス検出時にECU18が認識している機関回転数Neに基づいて、ECU18のROMに格納されている制御プログラム内の下記の式2により算出したものを用いる。
Tref=(60/Ne)*(x°/360°) … (2)
次に、上述した回転角検出装置の動作説明を図2のフローチャートに基づいて行う。
この回転角検出装置(ECU18)の回転角補正手段18Bは、例えばイグニッションが「ON」にされた後「OFF」にされるまでの間に常時又は少なくとも一回又は所定期間毎に以下の学習処理を行う。
先ず、回転角補正手段18Bは、内燃機関1がフューエルカット状態にあるか否かを判断する(ステップST1)。かかる判断は、例えばECU18が燃料噴射装置にフューエルカット指令を送信しているか否か等により行う。
ここで、内燃機関1においては、例えば機関回転数Neがレッドゾーンに至る場合にフェイルセーフティーの為にフューエルカットを行うことがあるが、かかる場合の高回転領域では後述する如くクランクシャフト8の回転が安定しない。これが為、上記ステップST1の判断時には、そのようなフェイルセーフティーの為のフューエルカットではなく、通常走行中における車輌減速時,即ち慣性走行時のフューエルカットであるか否かを判断する。
この回転角補正手段18Bは、上記ステップST1にて、フューエルカット状態でなければ本処理を終了し、フューエルカット状態であれば機関回転数Neが所定の範囲内にあるか否かを判定する(ステップST2)。
ここで、内燃機関1においては、フューエルカット中の機関回転数Neが低い(Ne≦約1800rpm)と、ポンピングロスの影響により機関回転数Neにうねりが発生してクランクシャフト8が等速回転しない。また、フューエルカット中の機関回転数Neが高い(Ne≧約2200rpm)と、振動が発生してクランクシャフト8が等速回転にならない。
このようなクランクシャフト8の回転が不安定な状況下においては、クランクシャフト8等の製造上の公差による回転角度の微小な誤差を検出することができず、その誤差の補正を行い得ない。
その一方で、機関回転数Neが1800rpm<Ne<2200rpmの範囲内にあれば、クランクシャフト8は等速回転を行う。
そこで、本実施例の回転角補正手段18Bは、上記ステップST2にて機関回転数Neが1800rpm<Ne<2200rpmの範囲内にあるか否かを判定し、機関回転数Neがその範囲外であれば、本処理を終了してクランクシャフト8の回転が不安定な状態での回転角度誤差の補正処理を行わせない。
ところで、上記ステップST2にて機関回転数Neがその範囲内にあっても、フューエルカット中にスロットルバルブ12が閉じられていると、ポンピングロスが大きくなり、クランクシャフト8が等速回転にならない。
これが為、この回転角補正手段18Bは、上記ステップST2にて機関回転数Neが上記の範囲内にあると判定した場合に、スロットル開度調節機能18B1によりアクセル開度に拘らずスロットルバルブ12を開かせる(ステップST3)。
これにより、吸気流路11内の負圧が小さくなってポンピングロスが減少し、回転変動が抑制されるので、クランクシャフト8の回転が安定している状態で回転角度の誤差を補正することができる。
ここで、スロットルバルブ12を僅かでも開けば吸気流路11内の負圧を小さくすることができるが、好ましくは、スロットル開度を所定開度,具体的にはWOT(Wide Open Throttle=スロットル全開)になるまで開けた方が良い。ここでの所定開度,即ちWOTとは、吸気流路11内の負圧が略一定になる開度のことをいい、それ以上開けても大きな負圧の変化が起こらない開度のことである。このようなことから、この回転角補正手段18Bのスロットル開度調節機能18B1は、スロットル開度をWOTにするよう設定されていることが好ましい。
尚、スロットル開度の調節は、ISC(アイドルスピードコントロール)バルブ等の他の機構により行ってもよい。
続いて、この回転角補正手段18Bは、クランクシャフト8の回転が安定している状態でのクランク角センサ15からのクランク角度位置信号パルスに基づいて、回転角度誤差補正機能18B2によりそのクランク角度位置間の補正角度θmeaを算出する(ステップST4)。ここで、この回転角補正手段18Bは、少なくともクランクシャフト8が1回転する間の全てのクランク角度位置間の補正角度θmeaの算出を行うものとする。
このステップST4において、回転角補正手段18Bは、先ず、検出されたクランクシャフト1回転当りのクランク角度位置信号パルスの間隔時間を各々計測し、夫々のクランク角度位置間における実測所要時間Tmeaを求める。そして、ECU18のバックアップRAMから基準角度θrefを読み出し、この基準角度θrefとクランク角度位置信号検出時にECU18が認識している機関回転数Neとを前述した式2に代入して推定所要時間Trefを算出する。しかる後、この回転角補正手段18Bは、夫々のクランク角度位置間毎に各パラメータを前述した式1に代入し、クランク角度位置間毎の補正角度θmeaを算出する。
例えば、クランクシャフト1回転当りにおける夫々のクランク角度位置間の実測所要時間Tmeaが図3に示す如く求められたとする。ここで、クランク角センサ15が1°CA毎にクランク角度位置信号パルスを出力するものであれば基準角度θref=1°となり、クランク角度位置信号パルス検出時にECU18が認識している機関回転数Neが2000rpmの場合には、式2より推定所要時間Tref≒83.30μsとなる。
回転角補正手段18Bは、例えばクランク角度位置0°CA−1°CA間の実測所要時間Tmea=83.95μs,基準角度θref=1°及び推定所要時間Tref≒83.30μsを式1に代入する。これにより、クランク角度位置0°CA−1°CA間の補正角度θmea≒1.00078°が求められる。回転角補正手段18Bは、このような演算を夫々のクランク角度位置間毎に行う。
そのようにして算出された夫々のクランク角度位置間における補正角度θmeaは、ECU18のバックアップRAMへと格納される。
以上示した如く本実施例の回転角検出装置によれば、フューエルカット状態で且つ機関回転数Neが所定の回転数のときにスロットルバルブ12を開かせているので、クランクシャフト8の回転を安定させることができ、製造上の公差による微小な誤差を補正したクランク角度位置間の補正角度θmeaを求めることができる。
尚、上述した回転角度の誤差の補正処理は、所定のタイミングで行われる。即ち、フューエルカット状態で且つ機関回転数Neが所定の回転数のときに、常に行うものであってもよく、また、ワントリップに1回行うものであってもよい。更にまた、上述した回転角度の誤差の補正方法は、必ずしも本実施例の態様に限定するものではない。
〔失火検出装置への適用例1〕
以下に、上述した回転角検出装置による学習結果の具体的な適用例について示す。ここでは、その学習結果を内燃機関1の失火検出装置に適用した場合を例示する。
最初に、この失火検出装置の構成について説明する。この失火検出装置は、本発明に係る回転角検出装置と同様にECU18の一機能として設けられている。尚、ここで用いるクランク角センサ15は、1°CA周期でクランク角度位置信号パルスをECU18へと出力するものとする。
内燃機関1の摩擦トルクTfは、潤滑油の劣化や粘度等によってその特性が変化する。そして、この摩擦トルクTfは、例えば図4に示す摩擦トルクTfのマップの如く、冷却水温度(又は潤滑油温度)によって摩擦トルクカーブのオフセット量が変化していくという特徴を持っている。これが為、任意の条件(ここでは任意の機関回転数Ne及び水温)における後述する図5に示す摩擦トルクTf2が推定できれば、そのオフセット量を勘案した上で略全域の摩擦トルクTfを推定することができる。
そこで、この失火検出装置(ECU18)には、潤滑油の劣化等により摩擦トルクTfが変化した場合でも精度の高い失火検出が行えるように、その摩擦トルクTf2を推定する為の図6に示す摩擦トルク推定手段18Cが設けられている。
この摩擦トルク推定手段18Cは、内燃機関1の負荷が安定している場合に所定気筒のフューエルカットを行い、その際に推定した摩擦トルクTf2と現在の摩擦トルクマップ上の摩擦トルクTf1とから略全域の摩擦トルクTfを推定して摩擦トルクマップの書き換えを行うものである。即ち、この摩擦トルク推定手段18Cには、大別すると、ある条件における一点の摩擦トルクTfを推定する為の摩擦トルク推定機能18C1と、この摩擦トルクTfから略全域の摩擦トルクTfを推定して摩擦トルクマップの書き換えを行う為の摩擦トルクマップ推定/書換機能18C2とが設けられている。
また、上記摩擦トルク推定機能18C1とは上述したが如く内燃機関1の負荷の状態を把握した上で摩擦トルクTfの推定を行うものであるので、この摩擦トルク推定手段18Cには、内燃機関1の負荷が安定している(内燃機関1が無負荷)か否かを判定する為の図6に示す負荷状態判定機能18C3が設けられている。更に、この摩擦トルク推定手段18Cには、負荷が安定している場合に所定気筒のフューエルカットを行う図6に示すフューエルカット機能18C4も設けられている。
このように、この摩擦トルク推定手段18Cは、負荷が安定している状態で摩擦トルクTfを推定するので、その推定値の精度が向上し、後述する如く推定される略全域の摩擦トルクTfの推定精度をも向上させることが可能となる。また、フューエルカットを行うことで燃焼による負荷変動がなくなり、更に精度の高い摩擦トルクTfの推定を行うことができる。
ここで、内燃機関1の負荷が安定している場合とは、例えば(1)車輪へ駆動力を伝達するクラッチが切られている状態である場合,(2)内燃機関1の機関回転数Neが安定している場合,(3)内燃機関1がフューエルカット状態である場合,又は(4)内燃機関1の始動中(即ちクランキング中)である場合のことをいい、上記負荷状態判定機能18C3は、その(1)〜(4)の全て又はその少なくとも一つに基づいて内燃機関1の負荷状態を判定する。
上記(1)のクラッチ切断状況によって負荷の安定状態を判定する場合、この負荷状態判定機能18C3は、例えば手動変速機の車輌であれば運転者がクラッチペダルを踏み込んだ際にECU18に出力されるクラッチ切断状態である旨を示す信号を利用する。このようなクラッチ切断状態においては車輪の回転変動等による路面側からの負荷が入力されないので、より安定した負荷状態になり、上記摩擦トルク推定機能18C1は、より精度の高い摩擦トルクTfの推定を行うことができる。
また、上記(2)の機関回転数Neが安定しているか否かで負荷の安定状態を判定する場合、この負荷状態判定機能18C3は、例えばECU18に入力されるクランク角センサ15の出力信号を利用する。例えば、その機関回転数Neの安定状態としては、アイドリング状態の場合がある。一般に、アイドリング状態である場合とは車輌が停止している場合が殆どであり、これが為、上記(1)と同様に路面等からの負荷が入力されないので、より安定した負荷状態になり、上記摩擦トルク推定機能18C1は、より精度の高い摩擦トルクTfの推定を行うことができる。更に、このような車輌の停止状態で後述する如くフューエルカットを行うので、運転に影響(例えば運転者や同乗者が不快な減速Gを感じる等)を与えないで済む。尚、ここでのアイドリング状態とは、短い時間でも一定のアイドリング回転数を保っている状態のことをいう。
また、上記(3)のフューエルカット状態は、例えばECU18が燃料噴射装置にフューエルカット指令を送信しているか否かで判断する。このようなフューエルカット状態においては燃焼による負荷変動がないので、より安定した負荷状態になり、より精度の高い摩擦トルクTfの推定を行うことができる。尚、このフューエルカット状態を契機として摩擦トルクTfの推定を行う場合には、既にフューエルカットされている状態であるので、後述する推定前のフューエルカットは行わない。
また、上記(4)のクランキング中か否かで負荷の安定状態を判定する場合、この負荷状態判定機能18C3は、例えばECU18に入力されるスタータスイッチ(図示略)のON信号を利用する。このようなクランキング中においては電動モータのみで回転させることから機関回転数Neが安定しているので、より安定した負荷状態になり、より精度の高い摩擦トルクTfの推定を行うことができる。
このように、負荷状態判定機能18C3によって負荷が安定していると判定された場合、上記摩擦トルク推定機能18C1は、ECU18のROMに格納されている制御プログラム内の下記の式4に基づいて摩擦トルクTfを推定する。以下に、その摩擦トルクTfを得る為の演算式(式4)について詳述する。
先ず、下記の式3に、内燃機関1のトルクとクランクシャフト8の角加速度との関係を示す。
Figure 2005264812
ここで、Jは慣性モーメント,dω/dtは角加速度,Tfは摩擦トルク,Tlは負荷トルク,Tiは図示トルクを示す。
前述したが如く、ここでは無負荷時に摩擦トルクTfの測定を行うので、負荷トルクTl=0となる。これが為、上記式3の内燃機関1のトルクとクランクシャフト8の角加速度との関係式については、下記の式4の関係が成り立つ。
Figure 2005264812
この式4によれば、摩擦トルクTfは、慣性トルクJ×(dω/dt)と図示トルクTiが明らかになれば得られることが解る。これが為、この摩擦トルク推定手段18Cには、図6に示す如く、慣性トルク推定機能18C5と図示トルク推定機能18C6が設けられている。
ここで、上記慣性モーメントJは、内燃機関1を構成するコネクティングロッド7やクランクシャフト8等の各部品のメカニカルパラメータによって予め設計値として決められているものであって、ECU18のバックアップRAMに記憶されている。
また、角加速度dω/dtは、クランク角センサ15から送られてきたクランク角度位置信号パルスの間隔時間と、前述した回転角補正手段18Bが求めた補正角度θmeaとに基づいてECU18が算出する。例えば、ECU18がクランク角度位置0°CA−1°CA間の間隔時間を計測した場合には、そのECU18は、クランク角度位置0°CA−1°CA間の補正角度θmeaをバックアップRAMから読み込んで角加速度dω/dtを求める。このように補正角度θmeaを用いることによって、精度の高い角加速度dω/dtを得ることができる。
このようなことから、上記慣性トルク推定機能18C5は、クランク角センサ15から取得したクランク角度位置信号パルスとバックアップRAMに記憶されている情報とを用いて慣性トルクJ×(dω/dt)を推定することができる。
続いて、上記図示トルクTiは、筒内圧によるトルクと往復慣性質量によるトルクを合計したものである。
ここで、摩擦トルクTfを推定する際には所定気筒のフューエルカットを行うので、クランク角度位置信号パルス等を検出する際の気筒内においては燃焼が行われていない。これが為、かかる場合の筒内圧によるトルクは、機関回転数Neと負荷率(気筒内にどれだけ空気が入ってきているか)から精度良く推測することができる。尚、一般に、この筒内圧トルクは、内燃機関1の制御で用いられているので既にECU18のバックアップRAMに記憶されている。これが為、ここでは、そのバックアップRAMに記憶されている筒内圧トルクを使用する。
また、往復慣性質量によるトルクは、ピストン6の設計値の質量から予め決められているものであって、ECU18のバックアップRAMに記憶されている。
これが為、上記図示トルク推定機能18C6は、バックアップRAMに既に記憶されている情報から図示トルクTiを推定することができる。
以上のことから、摩擦トルク推定機能18C1は、推定した慣性トルクJ×(dω/dt)と図示トルクTiを上記式4に代入して摩擦トルクTfを求めることができる。
次に、上記摩擦トルクマップ推定/書換機能18C2について説明する。この摩擦トルクマップ推定/書換機能18C2には、上記摩擦トルク推定機能18C1による摩擦トルク推定時の機関回転数Ne及び冷却水温度に該当する図5に示す摩擦トルクマップ上の摩擦トルク(既存摩擦トルク)Tf1と、上記摩擦トルク推定機能18C1により求められた摩擦トルク(現摩擦トルク)Tf2との差を求める機能が設けられている。
ここで、この摩擦トルクマップ推定/書換機能18C2は、その差分だけ摩擦トルクマップ上の現状の摩擦トルクカーブを縦軸(摩擦トルク軸)方向にオフセット移動させたカーブ上の各点を新たな摩擦トルクTfと推定する。これが為、この摩擦トルクマップ推定/書換機能18C2には、その差分だけ摩擦トルクマップ上の各水温における現状の摩擦トルクカーブを夫々オフセット移動させる機能が設けられており、これにより摩擦トルクマップの書き換えが行われる。
次に、この失火検出装置には、内燃機関1の回転変動量ΔNを求め、この回転変動量ΔNが失火判定基準値Nb以上であるか否かで失火の有無を判定する公知の失火判定手段18Dが設けられている。
具体的に、この失火判定手段18Dには、例えば機関回転数Neを一点火毎に読み込み、前回点火時の機関回転数Neと今回点火時の機関回転数Neとの差分から回転変動量ΔNを算出する機能と、内燃機関1の冷却水温度等の運転状態に応じて所定の失火判定マップをバックアップRAMから読み込む機能と、この失火判定マップから今回点火時の機関回転数Neと負荷とに対応する失火判定基準値Nbを読み込み、上記回転変動量ΔNとの比較により失火の有無を判定する機能とが設けられている。
このように、この失火判定手段18Dは、ECU18により求められた機関回転数Neに基づいて回転変動量ΔNを算出する。ここで、ECU18は、その機関回転数Neを求める際にも前述した回転角補正手段18Bが求めた補正角度θmeaを使用する。即ち、クランク角センサ15から送られてきたクランク角度位置信号パルスの間隔時間(実測所要時間Tmea)と、そのクランク角度位置間に相当するバックアップRAM内の補正角度θmeaとを、ECU18のROMに格納されている制御プログラム内の下記の式5に代入して機関回転数Neを求める。
Ne=(60/Tmea)*(θmea/360°) … (5)
このように、補正角度θmeaを用いることによって精度良く機関回転数Neを求めることができるので、失火判定手段18Dは、クランクシャフト8等の製造上の公差を考慮した正確な回転変動量ΔNを算出することができる。
また、上記失火判定基準値Nbは、機関回転数Neと負荷(負荷トルクTl)という運転状態をパラメータとした失火判定マップとして予め定められている。ここで、その失火判定マップは、車輌開発時の設計値や実験値に基づいて機関回転数Neと負荷と失火判定基準値Nbとの対応関係が所定のものとして予め定められる。これが為、潤滑油の劣化等により摩擦トルクTfが変化している場合、従来は、失火判定マップにその変化量が加味されないので、的確な精度の高い失火判定ができない。
そこで、この失火判定手段18Dには、上記摩擦トルク推定手段により書き換えられた最新の摩擦トルクマップで回転変動量ΔNを補正する機能が設けられており、この補正後の回転変動量ΔNと上記失火判定基準値Nbとを比較して失火判定を行う。これにより、潤滑油の劣化等で摩擦トルクTfが変動したとしても、その変動した摩擦トルクTfを加味した精度の高い失火検出を行うことができる。
尚、ここでは上述したものを失火判定手段18Dの一例として説明するが、その失火検出方法は回転変動量に基づいたものであれば何れのものであってもよい。
次に、この失火検出装置の動作説明を図7のフローチャートに基づいて行う。
最初に、この失火検出装置の摩擦トルク推定手段18Cの動作説明を行う。
この摩擦トルク推定手段18Cは、例えばイグニッションを「ON」にしてから「OFF」にするまでの間に少なくとも一回又は所定期間毎に、摩擦トルクマップの学習/変更を行う。先ず、この摩擦トルク推定手段18Cは、図7に示す如く、内燃機関1の負荷が安定状態にあるか否かを判定している(ステップST11)。ここで、この摩擦トルク推定手段18Cは、負荷が安定状態に無ければ処理を終了し、安定状態にあれば所定気筒(例えばここでは1番気筒)のフューエルカットの指令を燃料噴射装置に対して行う。
これによりその所定気筒のフューエルカットが行われ(ステップST12)、このフューエルカット状態において、この摩擦トルク推定手段18Cは、摩擦トルクTfの推定を行う(ステップST13)。
このステップST13においては、摩擦トルク推定手段18Cは、前述したが如く補正角度θmeaを用いて角加速度dω/dtの算出を行い、この角加速度dω/dtとバックアップRAMに記憶されている慣性モーメントJとを乗算して慣性トルクJ×(dω/dt)を求める。また、バックアップRAMに記憶されている筒内圧トルクと往復慣性質量トルクとを加算して図示トルクTiを求める。そして、この摩擦トルク推定手段18Cは、前述した式4に基づき図示トルクTiからその慣性トルクJ×(dω/dt)を除算して摩擦トルクTfを算出する。このように、補正角度θmeaを用いることによって精度良く角加速度dω/dtを求めることができるので、算出される摩擦トルクTfについての精度向上も可能となる。
尚、かかる摩擦トルク推定時には、ECU18により機関回転数Neが算出される。その算出においては前述したが如く補正角度θmeaが用いられるので、精度の良い機関回転数Neを得ることができる。また、その摩擦トルク推定時には、ECU18に入力された水温センサ16の冷却水温度信号から摩擦トルク測定時の冷却水の温度が検出される。
次に、この摩擦トルク推定手段18Cは、バックアップRAMから図4に示す摩擦トルクマップを読み出す(ステップST14)。そして、上記摩擦トルク測定時の機関回転数Ne及び冷却水温度に該当する摩擦トルクマップ上の摩擦トルク(既存摩擦トルク)Tf1と、上記ステップST13で求めた摩擦トルク(現摩擦トルク)Tf2とを比較して、これらの値に違いがあるか否かを判定する(ステップST15)。
ここで、この摩擦トルク推定手段18Cは、既存摩擦トルクTf1と現摩擦トルクTf2とが同一の値であれば、潤滑油の劣化等による摩擦トルクTfの変化がないものとして処理を終了する。また、その双方の摩擦トルクTf1,Tf2の値が異なっていれば、その差分を演算し、この差分を摩擦トルクカーブのオフセット移動量Ofとして定める(ステップST16)。例えば、図5は、機関回転数Ne(例えば2000rpm)における水温60℃の現摩擦トルクTf2と既存摩擦トルクTf1とを示したものであり、そのオフセット移動量分だけ移動させた摩擦トルクカーブの各点を現在の内燃機関1の摩擦トルクTfと推定する。
そして、この摩擦トルク推定手段18Cは、図8示す如く摩擦トルクマップ上の各水温の摩擦トルクカーブをそのオフセット移動量Ofの分だけ移動させ、この摩擦トルクマップの書き換えを行う(ステップST17)。尚、この摩擦トルクマップは、バックアップRAMへと格納される。
尚、この摩擦トルク推定手段18Cは、負荷が安定している場合の任意の条件,即ち負荷が安定している場合の任意の機関回転数Neと冷却水温度における現摩擦トルクTf2を推定し、これに基づき略全域の摩擦トルクTfを推定しているが、必ずしもかかる態様に限定するものではない。例えば、負荷が安定し、且つ所定の機関回転数Ne若しくは冷却水温度(潤滑油温度)になったとき,又は所定の機関回転数Ne及び冷却水温度(潤滑油温度)になったときにフューエルカットを行って現摩擦トルクTf2を推定してもよい。そして、これによれば更なる推定精度の向上を図ることができる。
次に、この失火検出装置の失火判定手段18Dの動作説明を図9のフローチャートに基づいて行う。
先ず、この失火判定手段18Dは、ECU18により補正角度θmeaを用いて算出された機関回転数Neを一点火毎に読み込み、前回点火時の機関回転数Neと今回点火時の機関回転数Neとの差分から回転変動量ΔNを算出する(ステップST21)。そして、今回点火時の機関回転数Neと冷却水温度に基づいて、バックアップRAMの摩擦トルクマップから該当する摩擦トルクTfを読み込み(ステップST22)、この摩擦トルクTfを用いて回転変動量ΔNの補正を行う(ステップST23)。
続いて、この失火判定手段18Dは、上記運転状態に応じた失火判定マップをバックアップRAMから読み出し(ステップST24)、この失火判定マップから今回点火時の機関回転数Neと負荷とに対応する失火判定基準値Nbを読み込む(ステップST25)。
しかる後、この失火判定手段18Dは、その失火判定基準値Nbよりも上記補正後の回転変動量ΔNが大きいか否かを判断する(ステップST26)。
ここで、この失火判定手段18Dは、補正後の回転変動量ΔNが失火判定基準値Nb以下であれば、正常であると判定して本処理を終了し、補正後の回転変動量ΔNが失火判定基準値Nbよりも大きければ失火と判定する(ステップST27)。
以上示した如く、この失火検出装置によれば、負荷が安定している状態で摩擦トルクTfを推定するので正確な摩擦トルクTfを得ることができる。また、補正角度θmeaを用いることによって製造上の公差に影響されない正確な機関回転数Neを算出することができる。これらのことから、この失火検出装置は、正確な回転変動量(運動量)ΔNを求めることができるので、失火検出の精度向上が可能になる。
更に、この失火検出装置は、摩擦トルクTfを推定する為に新たなセンサ等の部品を用意する必要も無く、また、既に内燃機関1の制御で使用しているバックアップRAMの情報も利用するので、大幅なコスト増加を招かずに精度の高い失火検出を行うことができる。
〔失火検出装置への適用例2〕
次に、回転角検出装置による学習結果が他の失火検出装置に適用された場合について例示する。
この適用例2の失火検出装置は、前述した適用例1の失火検出装置と比して、その失火検出方法(失火判定手段18D)が異なる。
この適用例2の失火判定手段18Dには、失火判定の際に読み込んだ失火判定基準値Nbを、上記摩擦トルク推定手段により書き換えられた最新の摩擦トルクマップで補正する機能が設けられている。これが為、この失火判定手段18Dは、その補正後の失火判定基準値Nbを用いて上記回転変動量ΔNとの比較を行うので、潤滑油の劣化等で摩擦トルクTfが変動したとしても、その変動した摩擦トルクTfを加味した精度の高い失火検出を行うことができる。
尚、この適用例2の失火判定手段18Dは、回転変動量ΔNの算出機能,所定の失火判定マップの読込機能,この失火判定マップから失火判定基準値Nbを読み込む機能,及び失火判定基準値Nbと回転変動量ΔNとの比較による失火判定機能を有する点では適用例1の失火判定手段18Dと同様である。
かかる場合における失火判定手段18Dは、図10のフローチャートに示す如く動作する。
先ず、この失火判定手段18Dは、ECU18により補正角度θmeaを用いて算出された機関回転数Neを一点火毎に読み込み、前回点火時の機関回転数Neと今回点火時の機関回転数Neとの差分から回転変動量ΔNを算出する(ステップST31)。そして、バックアップRAMから失火判定マップを読み出し(ステップST32)、更にこの失火判定マップから今回点火時の機関回転数Neと負荷とに対応する失火判定基準値Nbを読み込む(ステップST33)。
しかる後、この失火判定手段18Dは、その失火判定基準値Nbの機関回転数Neと今回点火時の冷却水温度に基づいて、バックアップRAMの摩擦トルクマップから該当する摩擦トルクTfを読み込む(ステップST34)。そして、この摩擦トルクTfを用いて失火判定基準値Nbの補正を行い(ステップST35)、この補正後の失火判定基準値Nbよりも上記回転変動量ΔNが大きいか否かを判断する(ステップST36)。
ここで、この失火判定手段18Dは、回転変動量ΔNが補正後の失火判定基準値Nb以下であれば、正常であると判定して本処理を終了し、回転変動量ΔNが補正後の失火判定基準値Nbよりも大きければ失火と判定する(ステップST37)。
以上示した如く、この適用例2の失火検出装置によれば、補正角度θmeaを用いることによって製造上の公差に影響されない正確な機関回転数Neを算出することができるので、正確な回転変動量(運動量)ΔNを求めることができる。また、負荷が安定している状態で摩擦トルクTfを推定するので正確な摩擦トルクTfを得ることができ、その摩擦トルクTfを用いて失火判定基準値Nbの補正を行うことで失火検出の精度の向上が図れる。
〔失火検出装置への適用例3〕
次に、回転角検出装置による学習結果が更に他の失火検出装置に適用された場合について例示する。
この適用例3の失火検出装置は、前述した適用例1,2の失火検出装置と比して、その摩擦トルクTfの推定方法(摩擦トルク推定手段18C)が異なる。
適用例1,2においては前述した式4を用いて摩擦トルクTfの推定を行ったが、この適用例3の摩擦トルク推定手段18Cは、内燃機関1を始動させる為の電動モータ(図示略)から摩擦トルクTfの推定を行う。
具体的に、この摩擦トルク推定手段18Cの摩擦トルク推定機能18C1には、内燃機関1の着火前の空転時に電動モータの消費電力を求め、この消費電力から内燃機関1の摩擦トルクTfに相当するモータトルクを求めるモータトルク推定機能が設けられている。
ここで、この適用例3の摩擦トルク推定手段18Cは、適用例1,2と同様の摩擦トルク推定/書換機能18C2及び負荷状態判定機能18C3を有している。尚、この負荷状態判定機能18C3は、適用例1で説明したクランキング中か否かで負荷の安定状態を判定するものを用いる。
また、この適用例3にあっては、内燃機関1の着火前の空転時に電動モータの消費電力を求めるので、負荷が安定している場合の所定気筒のフューエルカット機能18C4は設けていないが、必要とあらば設けてもよい。
かかる場合における摩擦トルク推定手段18Cは、図11のフローチャートに示す如く動作する。
この摩擦トルク推定手段18Cは、電動モータが駆動された際に内燃機関1の負荷が安定状態にあると判断して(ステップST41)、内燃機関1が着火する前の空転時に電動モータの消費電力を求める(ステップST42)。そして、この消費電力から内燃機関1の摩擦トルクTfに相当するモータトルクを推定する(ステップST43)。
即ち、内燃機関1の始動時で且つ着火前であれば、電動モータは、内燃機関1の摩擦トルクTfに打ち勝つようにECU18によって電流の制御が為される。これが為、摩擦トルクTfが大きければ電動モータの消費電力は大きくなるので、この特性を利用して消費電力から摩擦トルクTfの推定を行うことができる。
尚、かかる摩擦トルク推定時には、前述した適用例1,2と同様に、ECU18による機関回転数Neの算出と冷却水温度の検出が行われる。ここでも機関回転数Neを算出する際には補正角度θmeaが用いられるので、精度の良い機関回転数Neを得ることができる。
以降、ステップST44〜ST47までの摩擦トルクマップの書き換え処理は、適用例1,2のステップST14〜ST17までの処理と同じであるので、ここでの説明は省略する。
以上示した如く、この適用例3の失火検出装置によっても、負荷が安定している状態で摩擦トルクTfを推定するので正確な摩擦トルクTfを得ることができ、失火検出の精度を向上させることができる。特に、電動モータの消費電力からの摩擦トルクTfの推定は、簡便であり、また、制御プログラム等の構成を簡潔なものとすることができるので有用である。
以上のように、本発明に係る内燃機関の回転角検出装置は、クランクシャフトの回転角度の誤差を補正する技術として有用であり、特に、クランクシャフト等の製造上の公差による微小な誤差を補正するのに適している。
本発明に係る回転角検出装置についての構成の一例を示すブロック図である。 本発明に係る回転角検出装置についての動作説明を示すフローチャートである。 クランク角度位置とクランク角度位置間の回転に要する所要時間との関係を示す図であって、実測所要時間と公差0における推定所要時間とを示すグラフである。 本発明に係る回転角検出装置の学習結果を適用する失火検出装置における摩擦トルクマップの一例を示す図である。 その失火検出装置の摩擦トルク推定手段で検出した現摩擦トルクと既存摩擦トルクとの関係を図4に示す摩擦トルクマップ上に表した説明図である。 その失火検出装置の構成の一例を示すブロック図である。 その失火検出装置における摩擦トルク推定手段の動作説明を示すフローチャートである。 その失火検出装置の摩擦トルク推定手段により書き換えられた摩擦トルクマップの一例を示す図である。 その失火検出装置における失火判定手段の動作説明を示すフローチャートである。 本発明に係る回転角検出装置の学習結果を適用する他の失火検出装置における失火判定手段の動作説明を示すフローチャートである。 本発明に係る回転角検出装置の学習結果を適用する他の失火検出装置における摩擦トルク推定手段の動作説明を示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
8 クランクシャフト
12 スロットルバルブ
12a バルブ主体
12b バルブ駆動手段
14 スロットル開度センサ
15 クランク角センサ
18 ECU
18B 回転角補正手段
18B1 スロットル開度調節機能
18B2 回転角度誤差補正機能

Claims (3)

  1. クランク角センサの出力信号に基づいて内燃機関のクランクシャフトの回転角度を検出する回転角検出手段と、該回転角検出手段により検出される回転角度の誤差を補正する回転角補正手段とを備え、
    この回転角補正手段に、前記内燃機関がフューエルカット状態のときにスロットルバルブを開かせるスロットル開度調節機能と、該フューエルカット状態で且つスロットルバルブが開いているときに取得した前記クランク角センサの出力信号に基づいて前記回転角度の誤差を所定のタイミングで補正する回転角度誤差補正機能とを設けたことを特徴とする内燃機関の回転角検出装置。
  2. 前記回転角補正手段のスロットル開度調節機能は、前記内燃機関が車輌減速時のフューエルカット状態のときに、アクセル開度に拘らずスロットルバルブを開かせる機能であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の回転角検出装置。
  3. 前記回転角補正手段のスロットル開度調節機能は、スロットル開度をWOTにするよう設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の回転角検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012067734A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Aisin Aw Co Ltd 車両駆動装置のための制御装置
JP2015124684A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 三菱自動車工業株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP2015161285A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 三菱自動車工業株式会社 車両の制御装置

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